特許第6019207号(P6019207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019207順番管理システム、順番管理装置および順番管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6019207
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】順番管理システム、順番管理装置および順番管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20161020BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20161020BHJP
【FI】
   G07G1/12 361Z
   G06Q50/10
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-240223(P2015-240223)
(22)【出願日】2015年12月9日
【審査請求日】2016年1月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000139012
【氏名又は名称】株式会社リクルートホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 丈弘
(72)【発明者】
【氏名】新谷 哲功
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−037281(JP,A)
【文献】 特開2005−084918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設においてサービスを受ける順番待ち組の順番待ち状況を管理する順番管理システムであって、
各々の順番待ち組が、前記サービスに含まれる複数の業務ステップのうち、どの業務ステップまで進んでいるかを示すステータス情報を含む順番待ちリストを保持する記憶部と、
各々の業務ステップは、次の業務ステップへ進むために呼出を行うことが必要な業務ステップまたは次の業務ステップへ進むために呼出を行うことが不要なステップのいずれかであり、前記複数の業務ステップのうち呼出を行うことが必要な業務ステップについては、前記ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出を行ってから、呼出を受けた者が次の業務ステップへ進むために必要な所定の手続きを終了するまでの間を呼出中として管理する、ステータス管理部と、
新規の順番待ちの入力、または前記ステータス情報の更新情報の入力に基づいて、前記順番待ちリストを更新するステータス更新部と、を備えた順番管理システム。
【請求項2】
前記サービスに含まれる複数の業務ステップの名称、および、各々の業務ステップについて、呼出を行うか否かの設定入力を受け付ける業務ステップ設定部をさらに備え、
前記ステータス管理部は、呼出を行うものと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出中であるか否かを管理する、請求項1に記載の順番管理システム。
【請求項3】
前記ステータス更新部は、呼出を行う業務ステップについて、ある順番待ち組のステータス情報が未呼出から呼出中に更新されるとき、当該順番待ち組に紐付けられた連絡先に呼び出された旨を通知する、請求項1または2に記載の順番管理システム。
【請求項4】
前記呼出には、順番待ちをする者の呼出と施設の従業者の呼出との少なくとも一方が含まれ、
前記ステータス管理部は、前記順番待ちをする者の呼出を行うと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、順番待ちをする者が呼出中であるか否かを管理し、前記従業者の呼出を行うと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、従業者が呼出中であるか否かを管理する、請求項1から3のいずれか1項に記載の順番管理システム。
【請求項5】
施設においてサービスを受ける順番待ち組の順番待ち状況を管理するコンピュータを、
各々の順番待ち組が、前記サービスに含まれる複数の業務ステップのうち、どの業務ステップまで進んでいるかを示すステータス情報を含む順番待ちリストを保持する記憶部と、
各々の業務ステップは、次の業務ステップへ進むために呼出を行うことが必要な業務ステップまたは次の業務ステップへ進むために呼出を行うことが不要なステップのいずれかであり、前記複数の業務ステップのうち呼出を行うことが必要な業務ステップについては、前記ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出を行ってから、呼出を受けた者が次の業務ステップへ進むために必要な所定の手続きを終了するまでの間を呼出中として管理する、ステータス管理部と、
新規の順番待ちの入力、または前記ステータス情報の更新情報の入力に基づいて、前記順番待ちリストを更新するステータス更新部と、して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストラン、銀行、役所、病院等の様々な施設で順番待ちをする顧客の順番を管理する管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストランや銀行、役所等においては、そのサービスを待つ顧客の順番を整理するために、種々の順番管理システムが採用されている。
【0003】
例えば、人気レストラン等においては、レストラン指定の予約用紙を用意し、そこに予約者の名前と人数を書くことで、顧客の順番管理を行っている(例えば特許文献1(特に、段落番号0003〜0007)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−94380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような予約用紙を用いた順番管理システムでは、主に店員が店指定の予約用紙に予約者リストを直接記入する、あるいは、予約者が自分でそこに名前と人数を書くことで管理されており、店側の作業負担や、予約者の負担等が大きい、という問題がある。また、このような順番管理システムでは、座席への案内など、予約者の呼出しは1回だけという想定であった。したがって、いくつかの業務ステップにおいてそれぞれ呼出しが発生するような、複数の業務ステップを含むサービスを提供する場合には、業務ステップ毎に予約リストに登録する必要があった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、予約者などが店舗に備え付けの予約用紙に代表者の氏名や利用人数を記入するといった手間を省略するとともに、一度順番待ちリストへ登録すれば、いくつかの業務ステップにおいてそれぞれ呼出しが発生する場合にも対応できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である順番管理システムは、施設においてサービスを受ける順番待ち組の順番待ち状況を管理する順番管理システムであって、各々の順番待ち組が、前記サービスに含まれる複数の業務ステップのうち、どの業務ステップまで進んでいるかを示すステータス情報を含む順番待ちリストを保持する記憶部と、前記複数の業務ステップのうち呼出を行う所定の業務ステップについては、前記ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出中であるか否かを管理する、ステータス管理部と、新規の順番待ちの入力、または前記ステータス情報の更新情報の入力に基づいて、前記順番待ちリストを更新するステータス更新部とを備えたものである。
【0008】
また、前記サービスに含まれる複数の業務ステップの名称、および、各々の業務ステップについて、呼出を行うか否かの設定入力を受け付ける業務ステップ設定部をさらに備え、前記ステータス管理部は、呼出を行うものと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出中であるか否かを管理するようにしてもよい。
【0009】
また、前記ステータス更新部は、呼出を行う業務ステップについて、ある順番待ち組のステータス情報が未呼出から呼出中に更新されるとき、当該順番待ち組に紐付けられた連絡先に呼び出された旨を通知するようにしてもよい。
【0010】
また、前記呼出には、順番待ちをする者の呼出と施設の従業者の呼出との少なくとも一方が含まれ、前記ステータス管理部は、前記順番待ちをする者の呼出を行うと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、順番待ちをする者が呼出中であるか否かを管理し、前記従業者の呼出を行うと設定された業務ステップについては、前記ステータス情報として、従業者が呼出中であるか否かを管理するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予約者などが店舗に備え付けの予約用紙に代表者の氏名や利用人数を記入するといった手間を省略するとともに、一度順番待ちリストへ登録すれば、いくつかの業務ステップにおいてそれぞれ呼出しが発生する場合にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。
図2】順番管理端末100の主要構成を示すブロック図である。
図3】順番管理システム1000における順番待ちの新規登録受付処理の流れを示すフローチャートである。
図4】順番待ちの受付をするための受付画面を例示した図である。
図5】順番管理システム1000における順番待ちの状況の更新処理の流れを示すフローチャートである。
図6】店舗モードのステータス管理画面を例示した図である。
図7】店舗モードの順番待ち状況の更新操作画面を例示した図である。
図8】順番管理システム1000における業務ステップの設定更新の流れを示すフローチャートである。
図9】店舗モードの業務ステップ設定画面を例示した図である。
図10】第2実施形態に係る順番管理システム1000’の概略構成を示す図である。
図11】3台の順番管理端末100A〜100Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
A.第1実施形態
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。同図に示すように、順番管理システム1000は、サービスを提供する施設に設けられる順番管理端末100と、順番管理端末100に接続されたプリンタ200と、通信ネットワークNを介して順番管理端末100を統括管理する管理サーバ300とを備えて構成されている。
【0015】
本実施形態では、ある自動車ディーラーAが提供する自動車整備サービスに関して、利用者の順番待ちを管理する場合を例に説明するが、これに限る趣旨ではなく、複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパートなどの店舗や、銀行、病院や公共施設など、来訪者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用可能である。また、説明の便宜上、自動車ディーラーAに設置された順番管理端末100、店舗Bに設置された順番管理端末100を図示しているが、多数の施設に設置される順番管理端末100が管理サーバ300によって管理されている。
【0016】
順番管理端末100は、施設の入り口付近などに設置され、来訪者が当該施設へ入場したり、サービスを受けたりする際の順番待ちを管理するための端末装置であり、タブレット端末などが利用される。サービスを提供する業者は、あらゆる業種・業態の業者が対象となる。順番管理端末100は、タブレット端末に限らず、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して管理サーバ300とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0017】
プリンタ200は、有線ケーブルまたは無線によって順番管理端末100と接続され、順番待ちの数などをあらわす順番券やクーポンなどを発券する。
【0018】
管理サーバ300は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、管理サーバ300を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。管理サーバ300は、施設ごとに順番管理端末100を管理するための管理データベース310と、プロセッサ(ステータス管理部、ステータス更新部)320と、を備えている。管理データベース310は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2(記憶部)を備えている。
【0019】
クライアント管理テーブルTA1には、施設ごとに固有のIDとパスコード(アカウント)が対応づけて登録されている。ここでは、「自動車ディーラーA」で利用される順番管理端末100に対して「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。これら施設ごとのID及びパスコードは、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。なお、本実施形態では、1施設で1台の順番管理端末100を利用する場合を想定するが、1施設で複数の順番管理端末100を利用しても良い(第2実施形態参照)。1施設で複数の順番管理端末100を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしても良い。
【0020】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の順番待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。ステータス情報には、施設で提供されるサービスに含まれる複数の業務ステップのうち、現在サービスを提供中の業務ステップの情報が含まれる。「自動車ディーラーA」の場合、例えば自動車整備サービスに含まれる業務ステップは、「修理・検査」、「洗車」、「伝票作成」、「会計」である。
【0021】
なお、業務ステップには、順番待ちをしている者の「呼出」を行う業務ステップと、「呼出」を行わずに終了させる業務ステップがある。「呼出」には、順番が到来した者を口頭で呼出したり、電話やメールなどで知らせる「呼出(お客様)」と、当該業務ステップに関わるスタッフ等の従業者を口頭で呼出したり、店内のシステム、メール、電話等で知らせる「呼出(従業者)」の2種類が含まれる。「呼出」を行う業務ステップでは、各業務ステップ内で「未呼出」、「呼出中」、「終了」のステータスが管理される。「未呼出」は、まだ呼出が行われていない状態を示す。「呼出中」は、呼出を行った状態で、業務ステップ自体はまだ終了していない状態を示す。「終了」は、業務ステップを終了した状態であることを示す。「呼出」を行わない業務ステップでは、各業務ステップ内で「未済」、「終了」のステータスが管理される。「未済」は、業務ステップが終了していない状態、「終了」は、業務ステップを終了した状態であることを示す。例えば、「修理・検査」のように、担当の従業者の呼出しが必要な業務ステップでは「呼出(従業者)」有りとし、「会計」のように、利用者に手続きをしてもらう必要がある業務ステップは「呼出(お客様)」有りとする。なお、「洗車」や「伝票作成」のようにどちらの呼出しも必要としない業務ステップは、「呼出」無し、とすることができる。また、業務ステップの内容によっては、「呼出(お客様)」と「呼出(従業者)」の両方を有りとすることもできる。
【0022】
例えば自動車ディーラーAについては、順番待ちリストの1レコードに、受付番号「1」、受け付け時間は「13:03」、ステータス情報は「お会計」の「呼出中(お客様)」等の情報が含まれている。どのような情報を順番待ちリストに含めるかは、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。また、順番待ちリストの内容は、順番管理端末100から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0023】
また、施設ごとの業務ステップや「呼出」の有無は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。また、これらの情報は必要に応じて随時変更することもできる。
【0024】
プロセッサ320は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで管理サーバ300の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ320は、順番管理端末100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0025】
通信ネットワークNは、管理サーバ300と順番管理端末100との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0026】
図2は、順番管理端末100の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末100は、プロセッサ110と、入力装置(業務ステップ設定部)115と、表示装置116と、通信インタフェース120と、記憶資源130とを備える。順番管理端末100は、利用者が直接タッチパネルなどの入力装置115を操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、来店者や従業者等が想定される。例えば、来店者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録するための入力を行い、従業者等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、施設の管理者や従業者などを従業者等と総称する。
【0027】
プロセッサ110は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源130に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末100の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0028】
入力装置115は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル115aを備えている。
【0029】
表示装置116は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0030】
通信インタフェース120は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース120は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0031】
記憶資源130は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源130は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0032】
記憶資源130には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース120を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源130には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ110が実行することにより、管理サーバ300と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0033】
次に、本実施形態における順番管理システム1000の動作について説明する。
順番管理システム1000の利用者としては、店舗への来店者や従業者等が想定される。来店者は、自動車ディーラーAの入り口付近に設置された順番管理端末100を操作して、順番待ちリストに新規の順番待ちを登録するための操作を行う。具体的には、表示装置116に表示されるメッセージに従ってタッチパネル115aを適宜操作して、必要事項を入力する。受付の際にいかなる項目を入力対象とするかは、各施設の管理者等の意向に応じて決定すればよい。
【0034】
なお、来訪者が直接タッチパネル115aを操作する代わりに、従業者等が、注文を受け付けるための入力を行ってもよい。このとき、従業者等は、施設の入り口付近に設置された順番管理端末100を操作してもよいし、後述するように、従業者等が個別に使用する順番管理端末100を操作してもよい。
【0035】
なお、順番管理端末100には、お客様モードと店舗モードが用意されており、これらのモードの間の切換操作は、施設の管理者や従業者など、施設のID、パスコードを知っている者がタッチパネル115aを操作することによって行われる。お客様モードでは順番待ちの受付操作のみが可能であるが、店舗モードでは、順番待ちの受付操作の他に、順番待ちリストの更新操作や、後述するように、業務ステップの設定操作も行うことができる。
【0036】
(順番待ちリストへの新規登録受付)
図3は、順番管理システム1000における順番待ちの新規登録受付処理の流れを示すフローチャートである。
順番管理端末100は通信インタフェース120を介して、管理サーバ300からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS11)。
【0037】
次に、順番管理端末100は、図4に例示するような、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置116に表示させる(ステップS12)。
【0038】
図4は、順番管理端末100の表示装置116に表示される受付画面を例示した図である。図4に示すように、受付画面では、管理サーバ300のステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの少なくとも一部、例えば、順番待ちをしている者の受付番号と現在の業務ステップが、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。また、現在順番待ちをしている待ち組数も表示される。さらに、待ち時間の目安や、順番待ちリストへの受け付け操作を促すメッセージや受付ボタン等が表示装置116に表示される。
【0039】
待ち時間の目安は、現在の待ち組数に平均的な1組当たりの待ち時間を掛けて算出した値などを用いることができる。なお、待ち時間の目安は、管理サーバ300のプロセッサ320において計算し、順番管理端末100に送信するようにしてもよいし、順番管理端末100において算出するようにしてもよい。なお、受付画面に表示される項目は、各施設の管理者等の意向に応じて決定することができる。
【0040】
順番管理端末100は、表示された受付画面に対して、来訪者や従業者等によるタッチパネル115aなどの入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS13)。例えば、タッチパネル115aへの操作が検知され、入力が受け付けられると(ステップS13:YES)、受付完了画面を表示させる(ステップS14)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、現時点での待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、順番管理端末100に接続されたプリンタ200から印刷される順番券を受け取ることができる。順番券の使い方については後述する。
【0041】
確定した新規登録情報は、順番管理端末100から通信ネットワークNを介して管理サーバ300に送信される(ステップS15)。管理サーバ300は、ある施設(ここでは、自動車ディーラーA)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS16)。
【0042】
(ステータス管理)
従業者等は、順番管理端末100のタッチパネル115aを操作することにより、順番管理端末100を店舗モードに設定することができる。店舗モードは、順番待ちの入力の受け付けの他、順番待ちリストに対するステータス更新操作(「呼出」、「終了」)や、業務ステップの設定操作を可能にするモードである。
【0043】
「呼出」は、順番が到来した者、または従業者を口頭で呼出したり、電話やメールなどで知らせた際に行う操作で、この操作によりステータスは「呼出中」に移行する。「終了」は、順番が来た者に対してその業務ステップでの対応を完了した際に行う操作で、この操作によりステータスは「終了」に移行する。また、次の業務ステップがある場合には、現在の業務ステップから次の業務ステップに移行する。
【0044】
図5は、順番管理システム1000における順番待ちの状況(ステータス)の更新の流れを示すフローチャートである。まず、従業者等は、順番管理端末100を店舗モードに設定し、表示装置116に店舗モードのステータス管理画面を表示させる(ステップS21)。
【0045】
図6は、店舗モードのステータス管理画面を例示した図である。図6に示すように、表示部L1には、順番待ちリストに登録されている順番待ち組のステータス情報が受付をした順番に表示される。具体的には、順番待ち組ごとに、「受付番号」、「受付時間」、現在の「業務ステップ」、および「ステータス」(未呼出(お客様または従業者)、呼出中(お客様または従業者))などの情報が表示される。さらに、ステータス管理画面には、現在順番待ちをしている待ち組数や現在の待ち時間の目安等も表示される。
【0046】
従業者等は、表示された順番待ちリストの中から、順番待ち状況の更新対象を特定し、その対象が表示されている行を右から左へとスワイプする(ステップS22)。この結果、図7に示すような順番待ち状況の更新操作画面が表示される。図7に示すように、順番待ち状況の更新操作画面では、「呼出」および「終了」を示す操作ボタン群BGが表示される。
【0047】
従業者は、所望の操作ボタン(例えば「呼出」)をタップすることで、順番待ち状況の更新操作を行う(ステップS23)。かかる操作がなされると、順番待ち状況の更新指示をあらわすステータスの更新情報が、順番管理端末100から通信ネットワークNを介して管理サーバ300にアップロードされる(ステップS24)。
【0048】
図7では、説明のため、受付番号「1」と「2」の行を選択した場合の例を示している。受付番号「1」の行は、現在の業務ステップは「お会計」で「呼出中(お客様)」の状態なので、会計の手続きが終了後、従業者等が「終了」のボタンをタップすると、「お会計」の業務ステップが「終了」に移行する。「お会計」の次の業務ステップは存在しないので、これですべてのサービスが終了となる。また、受付番号「2」の行は、現在の業務ステップは「お会計」で「未呼出(お客様)」の状態なので、受付番号「2」の利用者を呼出した後、従業者等が「呼出」のボタンをタップすると、「お会計」の業務ステップが「呼出中」の状態に移行する。なお、「呼出」が有りに設定されていない「洗車」などの業務ステップでは、「終了」ボタンのみをタップすることができる。
【0049】
管理サーバ300は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2を書き換え、当該施設の順番待ちリストを更新する(ステップS25)。例えば、受付番号「1」で「終了」ボタンをタップした場合には、順番待ちリストの受付番号「1」のレコードが、受け付け時間は「13:03」、ステータス情報は「お会計」の「終了」に更新される。なお、「呼出」を行う業務ステップについて、ある順番待ち組のステータスが「未呼出」から「呼出中」に更新されたら、管理サーバ300が、当該順番待ち組に紐付けられた連絡先に呼び出された旨を通知するようにしてもよい。例えば、「呼出(お客様)」を行う業務ステップについては、順番待ちの新規登録を行う際に、連絡先の電話番号やメールアドレス等を登録してもらい、管理サーバ300が、電話での呼出しや呼出メールの送信を行うようにしてもよい。「呼出(従業者)」を行う業務ステップについては、予め該当する従業者の連絡先の電話番号やメールアドレス等を登録しておくことができる。
【0050】
図8は、順番管理システム1000における業務ステップの設定更新の流れを示すフローチャートである。まず、従業者等は、順番管理端末100を店舗モードに設定し、表示装置116に店舗モードの業務ステップ設定画面を表示させる(ステップS31)。
【0051】
図9は、順番管理端末100の表示装置116に表示される店舗モードの業務ステップ設定画面を例示した図である。図9に示すように、自動車ディーラーAの業務ステップの一覧が表示され、各業務ステップについて、「呼出(お客様)」および「呼出(従業者)」の有無の選択ボタンと、業務ステップの削除ボタン、業務ステップの追加ボタン等が表示される。
【0052】
従業者等は、各業務ステップ名の横に配置された「呼出(お客様)」および「呼出(従業者)」の有無の選択ボタンを操作することにより、各業務ステップについて「呼出(お客様)」または「呼出(従業者)」を行うか否かを設定する(ステップS32)。「呼出(お客様)」および「呼出(従業者)」の有無の設定操作が行われると、業務ステップの設定更新情報が順番管理端末100から通信ネットワークNを介して管理サーバ300にアップロードされる(ステップS33)。
【0053】
管理サーバ300は、受信した業務ステップの設定更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2で管理するステータス情報を更新する(ステップS34)。具体的には「呼出(お客様)」ありに設定された業務ステップについては、「未呼出(お客様)」、「呼出中(お客様)」、「終了」のステータスを管理するよう設定し、「呼出(従業者)」ありに設定された業務ステップについては、「未呼出(従業者)」、「呼出中(従業者)」、「終了」のステータスをそれぞれ管理するよう設定する。また、「呼出なし」に設定された業務ステップについては、「未済」、「終了」のステータスを管理するよう設定する。なお、図9に示す業務ステップ追加ボタンや各業務ステップの削除ボタンを操作することで、業務ステップの追加や削除も行うことができる。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、サービスに含まれる各々の業務ステップについて、順番待ち組の呼出を行うか否かの設定を行えるようにし、呼出を行う業務ステップについては、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出中であるか否かもステータスとして管理するようにしたので、一連のサービスが終了するまでにいくつかの業務ステップにおいてそれぞれ呼出しが発生する場合でも、一回の順番待ちリストへの登録で対応することができる。
【0055】
また、各々の業務ステップについて、お客様の呼出と従業者の呼出のそれぞれについて呼出を行うか否かの設定を行えるようにし、それぞれの呼出しを区別してステータス管理できるようにしたので、多様な業務ステップに対応することができる。
【0056】
B.第2実施形態
上述した第1実施形態では、1施設で1台の順番管理端末100を利用する場合について説明したが、第2実施形態では、1施設で複数の順番管理端末100を利用する場合について説明する。
【0057】
図10は、第2実施形態に係る順番管理システム1000’の概略構成を示す図である。図10に示す順番管理システム1000’は、1施設に複数台の順番管理端末100が設けられている点を除けば、図1と同様である。よって、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0058】
1施設で複数台の順番管理端末100を利用する場合には、各順番管理端末100の間でデータが共有される点において、1台の順番管理端末100のみを利用する場合と異なる。図11は、3台の順番管理端末100A〜100Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。たとえば、自動車ディーラーAにおいて特定の順番管理端末100(図10に示す順番管理端末100A)が操作されると(C1)、その操作内容(ここでは、ステータスの更新情報を想定)は管理サーバ300にアップロードされる(C2)。管理サーバ300は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2に登録されている自動車ディーラーAのステータス情報を更新する(C3)。自動車ディーラーAで利用されている順番管理端末100A以外の端末、すなわち順番管理端末100B及び100Cは、施設ごとに固有のアカウントをキーとして、ステータス管理テーブルTA2に登録されているステータス情報の問い合わせを行う(C4)。管理サーバ300は、順番管理端末100B及び100Cに対してアップデートされた最新のステータス情報を送信し(C5)、処理を終了する。これにより、自動車ディーラーAで利用されている全ての順番管理端末100A〜100Cで、アップデートされた最新のステータス情報が共有される。
【0059】
この結果、最新の情報が、常に同期した状態で各順番管理端末100に反映され、これにより、1施設で複数台の順番管理端末100を利用する場合であっても、順番待ちの更新情報が一部の順番管理端末100において反映されない等の不具合を生ずることなく、最適な順番待ち管理を行うことが可能となる。
【0060】
C.その他
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0061】
プリンタ200から発券される順番券について特に言及しなかったが、注文者が、注文の入力を行った後、プリンタ200から伝票が発券されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1000、1000’…順番管理システム
100、100A、100B、100C…順番管理端末
200…プリンタ
300…管理サーバ
TA1…クライアント管理テーブル
TA2…ステータス管理テーブル
N…通信ネットワーク
110…プロセッサ
115…入力装置
115a…タッチパネル
120…通信インタフェース
130…記憶資源
AP1…順番管理アプリケーション
【要約】
【課題】一度順番待ちリストへ登録すれば、いくつかの業務ステップにおいてそれぞれ呼出しが発生する場合にも対応できるようにする。
【解決手段】施設においてサービスを受ける順番待ち組の順番待ち状況を管理する順番管理システムであって、各々の順番待ち組が、サービスに含まれる複数の業務ステップのうち、どの業務ステップまで進んでいるかを示すステータス情報を含む順番待ちリストを保持する記憶部と、複数の業務ステップのうち呼出を行う所定の業務ステップについては、ステータス情報として、どの業務ステップまで進んでいるかに加え、呼出中であるか否かを管理する、ステータス管理部と、新規の順番待ちの入力、またはステータス情報の更新情報の入力に基づいて、順番待ちリストを更新するステータス更新部を備える。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11