特許第6019218号(P6019218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019218多孔質樹脂粒子、その製造方法、分散液およびその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019218
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】多孔質樹脂粒子、その製造方法、分散液およびその用途
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/28 20060101AFI20161020BHJP
   C08F 220/20 20060101ALI20161020BHJP
   C08J 3/02 20060101ALI20161020BHJP
   C08J 9/28 20060101ALI20161020BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20161020BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20161020BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20161020BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20161020BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20161020BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   C08F220/28
   C08F220/20
   C08J3/02 ACEY
   C08J9/28
   A61Q1/00
   A61K8/02
   A61K8/81
   C09D201/00
   C09D7/12
   G02B1/04
   G02B5/02 B
   B01J20/28
   G01N30/88 101S
【請求項の数】16
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-508429(P2015-508429)
(86)(22)【出願日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】JP2014057860
(87)【国際公開番号】WO2014156994
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年9月24日
(31)【優先権主張番号】特願2013-74210(P2013-74210)
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 晋弥
(72)【発明者】
【氏名】中村 真章
【審査官】 前田 孝泰
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5865399(JP,B2)
【文献】 国際公開第2013/114653(WO,A1)
【文献】 特開2010−229229(JP,A)
【文献】 特開平04−050765(JP,A)
【文献】 特開2005−145937(JP,A)
【文献】 特開昭62−053315(JP,A)
【文献】 特開昭63−066458(JP,A)
【文献】 特開昭60−055009(JP,A)
【文献】 特開平02−166102(JP,A)
【文献】 特開平05−256841(JP,A)
【文献】 特開平05−105729(JP,A)
【文献】 特開2008−031488(JP,A)
【文献】 特開2011−094124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00−246/00
A61K 8/02
A61K 8/81
A61Q 1/00
B01J 20/28
C08J 3/02
C08J 9/28
C09D 7/12
C09D 201/00
G01N 30/88
G02B 1/04
G02B 5/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質樹脂粒子であって、
(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体2重量%〜30重量%未満と、
エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体70重量%超〜98重量%とを含む単量体混合物の重合体からなり、
吸水量が400ml/100g超〜700ml/100gで、
吸油量が400ml/100g超〜700ml/100gであることを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項2】
請求項1に記載の多孔質樹脂粒子であって、
前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、下記一般式(1)
CH2=CR−COO[(C24O)l(C36O)m]−H…(1)
(式中、RはHまたはCH3、lは0〜50、mは0〜50、l+m>1)
または下記一般式(2)
CH2=CR−COOCH2CH2O(CO(CH25O)p−H…(2)
(式中、RはHまたはCH3、pは1〜50)
で表される化合物であることを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多孔質樹脂粒子であって、
前記単量体混合物が、エチレン性不飽和基を1個有する他の単官能ビニル系単量体として、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルを含むことを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子であって、
前記多官能ビニル系単量体が、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル系単量体であることを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子であって、
当該多孔質樹脂粒子の比表面積が3〜500m2/gであることを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子であって、
細孔径が4〜20nmであることを特徴とする多孔質樹脂粒子。
【請求項7】
多孔質樹脂粒子の製造方法であって、
多孔化剤としての非重合性の有機溶媒の存在下で、単量体混合物を懸濁重合する工程を有しており、
前記単量体混合物が、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体2重量%〜30重量%未満と、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体70重量%超〜98重量%とを含み、前記工程において、前記多孔化剤を、前記単量体混合物100重量部に対して、200〜500重量部使用することを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項に記載の多孔質樹脂粒子の製造方法であって、
前記多孔化剤として酢酸エステルを使用することを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子と、
水およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の分散溶媒とを含むことを特徴とする分散液。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする外用剤。
【請求項11】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子と、薬効成分とを含むことを特徴とする薬効成分含有粒子。
【請求項12】
請求項11に記載の薬効成分含有粒子を含む外用剤。
【請求項13】
請求項10又は12に記載の外用剤であって、
当該外用剤が粉体化粧料であることを特徴とする外用剤。
【請求項14】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする塗料。
【請求項15】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする光拡散部材。
【請求項16】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする液体クロマトグラフィー用分離剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質樹脂粒子、その製造方法、分散液およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、高い吸水性と高い吸油性とを有する多孔質樹脂粒子、該多孔質樹脂粒子の製造方法、並びに、該多孔質樹脂粒子を含む分散液および前記多孔質樹脂粒子の用途(前記多孔質樹脂粒子を含む薬効成分含有粒子、外用剤、塗料、光拡散部材および液体クロマトグラフィー用分離剤)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スキンケア剤等の外用剤には、光拡散効果を利用した肌の欠点補正(シミ、ソバカス、毛穴などを目立たなくする)、外用剤を肌に塗布する際の伸びの改善などを目的として樹脂粒子が配合されている。このような樹脂粒子は、光拡散効果を利用した艶消し又は光拡散を目的として、塗料及び光拡散部材にも配合されている。
【0003】
ところで、上記した樹脂粒子が配合された外用剤においては、肌に塗布されることで、肌をさらさらに整えることができるように、汗や皮脂の吸収性の向上が求められることがある。このため、外用剤に用いられる樹脂粒子には、吸水性及び吸油性を有することが望まれている。
【0004】
例えば、特許文献1には、平均粒子径が1〜50μmで且つ見掛け比重が1.0以下であり、更に、その内部に1個または2個以上の球状の空胞を有する球状重合体が開示されている。この球状重合体は、吸水性及び吸油性を有しており、100g当たり89.5〜110mlの水を吸収することができ、且つ、100g当たり57.8〜82.3mlの油(オレイン酸)を吸収することができる。
【0005】
また、特許文献2には、外殻層と多孔性の内核を有し、内核の多孔度が5〜50%である球状多孔性セルロース微粒子が開示されている。この球状多孔性セルロース微粒子は、吸水性及び吸油性を有しており、100g当たり170mlの水を吸収することができ、且つ、100g当たり70mlの油を吸収することができる。
【0006】
また、特許文献3には、球状表面に最多孔径5〜160Å(0.5〜16nm)の大小の空孔を有し、また粒子径が1〜40μmでかつ平均粒子径が2〜20μmである球状多孔性樹脂粉体が開示されている。この球状多孔性樹脂粉体は、吸水性及び吸油性を有しており、100g当たり74.6〜78.2mlの水を吸収することができ、且つ、100g当たり81.4〜87.6mlの油(オレイン酸)を吸収することができる。
【0007】
また、特許文献4には、有機高分子化合物の殻壁を有する扁平状の中空ポリマー微粒子が開示されている。この中空ポリマー微粒子は、液体物質を吸収して球状となる粒子であり、吸水性及び吸油性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭60−184004号公報
【特許文献2】特開平6−254373号公報
【特許文献3】特公平4−51522号公報
【特許文献4】特開平2−255704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1〜3に開示の粒子は、吸水性及び吸油性を有するが、水及び油の一方又は両方の吸収性に乏しく、高い吸水性と高い吸油性とを兼ね備えたものではなかった。
【0010】
一方、特許文献4に開示の粒子は、液体物質(例えば、水、ベンゼン等)に対する膨潤度の高い(具体的には、膨潤度1.5〜10)有機高分子化合物の殻壁を有しており、高い吸水性と高い吸油性とを兼ね備えたものであると推測される。しかし、特許文献4に開示の粒子は、内部に1つの孔を有する中空状の粒子であるため、複数の孔を有する多孔質構造の樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)と比べて、前記外用剤、前記塗料、又は前記光拡散部材に十分な光拡散効果を付与することができるものではなかった。また、特許文献4に開示の粒子は、液状物質を吸収して球状となるものの、当該液状物質を放出した後は、扁平状に形状が変化する。このため、例えば、特許文献4に開示の粒子が配合された塗料を塗布し、乾燥させて形成された塗膜においては、前記粒子が液状物質を放出して扁平状となっているため、光拡散による艶消し効果が得られず、さらには、当該塗膜の感触が悪化する。また、特許文献4に開示の粒子は、塗料の製造において当該粒子と共に配合されるバインダー樹脂と馴染み難く、塗膜から脱落し易い。
【0011】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い吸水性と高い吸油性を有する多孔質樹脂粒子、該多孔質樹脂粒子の製造方法、並びに、該多孔質樹脂粒子を含む分散液、および該多孔質樹脂粒子の用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の多孔質樹脂粒子は、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体とを含む単量体混合物の重合体からなり、吸水量が400ml/100g超〜700ml/100gで、吸油量が400ml/100g超〜700ml/100gであることを特徴とする。
【0013】
前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、親水性基であるエーテル基およびエステル基の少なくとも一方と、親水性基である水酸基とをアルコール残基中に含むので、水およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の分散溶媒(以下、「親水性分散溶媒」と称する)との親和性が高い。本発明の多孔質樹脂粒子は、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、前記多官能ビニル系単量体とを含む単量体混合物の重合体からなるので、前記親水性分散溶媒との親和性が高いアクリル酸エステル系単量体に由来する構造単位を含んでおり、前記親水性分散溶媒との親和性が高い。また、本発明の多孔質樹脂粒子は、前記親水性分散溶媒との親和性が高いことに加えて、吸水量が400ml/100g超〜700ml/100gと非常に高い上に、吸油量も400ml/100g超〜700ml/100gと非常に高い。また、本発明の多孔質樹脂粒子は、多孔質構造を有する粒子であるため、外用剤、塗料、および光拡散部材に配合されることで、それら外用剤、塗料、および光拡散部材に高い光拡散効果を付与することができる。さらに、本発明の多孔質樹脂粒子は、前記親水性分散溶媒との親和性が高いことから、前記親水性分散溶媒中での再分散性に優れている。
【0014】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリルまたはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタクリレートを意味するものとする。また、本明細書中でいう「吸水量」とは、実施例の項で後述する吸水量の測定方法により測定される吸水量をいい、「吸油量」とは、実施例の項で後述する吸油量の測定方法により測定される吸油量をいう。また、本明細書中でいう「光拡散」には、反射光の拡散、及び、透過光の拡散の両方が含まれるものとする。
【0015】
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法は、多孔化剤としての非重合性の有機溶媒の存在下で、単量体混合物を懸濁重合する工程を有しており、前記単量体混合物が、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体2重量%〜30重量%未満と、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体70重量%超〜98重量%とを含み、前記工程において、前記多孔化剤を、前記単量体混合物100重量部に対して、200〜500重量部使用することを特徴とする。
【0016】
本製造方法によれば、多孔化剤としての非重合性の有機溶媒の存在下で、単量体混合物を懸濁重合する工程において、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体2重量%〜30重量%未満と、前記多官能ビニル系単量体70重量%超〜98重量%とを含む前記単量体混合物100重量部に対して、前記多孔化剤を、200〜500重量部使用することにより、吸水性及び吸油性が高く、且つ、外用剤、塗料、および光拡散部材に配合された時に、それら外用剤、塗料、および光拡散部材に高い光拡散効果を付与することができる多孔質樹脂粒子を製造することができる。また、本製造方法では、単量体混合物として、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、前記多官能ビニル系単量体とをそれぞれ所定の割合で含む単量体混合物を使用するので、本製造方法により得られる多孔質樹脂粒子は、前記親水性分散溶媒との親和性が高いアクリル酸エステル系単量体に由来する構造単位を含んでおり、前記親水性分散溶媒との親和性が高い。
【0017】
本発明の分散液は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子と、水およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の分散溶媒とを含むことを特徴とする。
【0018】
この本発明の分散液は、吸水性及び吸油性の高い本発明の多孔質樹脂粒子を含むので、高い吸水性と、高い吸油性とを有する。
【0019】
本発明の外用剤は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする。
【0020】
この本発明の外用剤は、吸水性及び吸油性の高い本発明の多孔質樹脂粒子を含むので、高い吸水性と、高い吸油性とを有する。
【0021】
本発明の薬効成分含有粒子は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子と、薬効成分とを含むことを特徴とする。
【0022】
この本発明の薬効成分含有粒子は、本発明の多孔質樹脂粒子と薬効成分を含むので、肌に塗布されることで、持続的な薬効効果を期待できる。
【0023】
本発明の他の外用剤は、上記した本発明の薬効成分含有粒子を含むことを特徴とする。
【0024】
この本発明の他の外用剤は、上記した本発明の薬効成分含有粒子を含むので、肌に塗布されることで、持続的な薬効効果を期待できる。
【0025】
本発明の塗料は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする。
【0026】
この本発明の塗料は、吸水性及び吸油性の高い本発明の多孔質樹脂粒子を含むので、高い吸水性と、高い吸油性とを有する。
【0027】
本発明の光拡散部材は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする。
【0028】
この本発明の光拡散部材は、本発明の多孔質樹脂粒子を含むので、優れた光拡散性を有する。
【0029】
本発明の液体クロマトグラフィー用分離剤は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子を含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の液体クロマトグラフィー用分離剤は、上記した本発明の多孔質樹脂粒子を含むので、親水性物質を分離するための液体クロマトグラフィーに好適に使用できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、高い吸水性と高い吸油性を有する多孔質樹脂粒子、該多孔質樹脂粒子の製造方法、並びに、該多孔質樹脂粒子を用いた分散液、薬効成分含有粒子、外用剤、塗料、光拡散部材、および液体クロマトグラフィー用分離剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の実施例1に係る多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図2図2は、比較例1に係る多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図3図3は、比較例2に係る多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図4図4は、比較例3に係る多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0034】
〔多孔質樹脂粒子〕
本発明の多孔質樹脂粒子は、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体とを含む単量体混合物の重合体からなる。また、本発明の多孔質樹脂粒子の吸水量は、400ml/100g超〜700ml/100gであり、本発明の多孔質樹脂粒子の吸油量は、400ml/100g超〜700ml/100gである。
【0035】
なお、本発明の多孔質樹脂粒子中における各単量体に由来する構造単位の定量および定性等は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)等のような公知の分析方法を用いることにより、確認することができる。なお、単量体混合物中における各単量体の重量比と、本発明の多孔質樹脂粒子中における各単量体に由来する構造単位の重量比とは略同一である。
【0036】
〔モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体〕
本発明の多孔質樹脂粒子は、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体に由来する構造単位を含んでいる。
【0037】
前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、(メタ)アクリル酸残基とアルコール残基とで構成されるエステルであって、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含むものである。前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性に影響を与えない限り、(メタ)アクリル酸残基中にのみエチレン性不飽和基を有し、エーテル基およびエステル基の少なくとも一方と水酸基とをアルコール残基中に含む公知のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体を使用することができる。前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、そのアルコール残基中の炭化水素基が脂肪族炭化水素基であるモノ(メタ)アクリル酸エステル(脂肪族モノ(メタ)アクリレート系単量体)が好ましい。前記エーテル基としては、例えば、エチレングリコールに由来する基(炭素原子にその酸素原子が結合しているオキシエチレン基)、プロピレングリコールに由来する基(炭素原子にその酸素原子が結合しているオキシプロピレン基)等を挙げることができる。前記エステル基としては、ラクトンに由来する基(炭素原子にその酸素原子が結合しているオキシカルボニルアルキレン基)を挙げることができる。
【0038】
前記の観点から、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、下記一般式(1)
CH2=CR−COO[(C24O)l(C36O)m]−H ・・・(1)
(式中、RはHまたはCH3、lは0〜50、mは0〜50、l+m>1)、または、下記一般式(2)
CH2=CR−COOCH2CH2O(CO(CH25O)p−H ・・・(2)
(式中、RはHまたはCH3、pは1〜50)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0039】
一般式(1)で表される化合物において、lが50より大きい場合、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下して吸水性及び吸油性が低下するおそれがあるとともに、重合安定性が低下して合着粒子が発生し、多孔質樹脂粒子の再分散性が低下するおそれがある。また、一般式(1)で表される化合物において、mが50より大きい場合も、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下して吸水性及び吸油性が低下するおそれがあるとともに、重合安定性が低下して合着粒子が発生し、多孔質樹脂粒子の再分散性が低下するおそれがある。l+mが1以下であると、一般式(1)で表される化合物がそのアルコール残基中にエーテル結合を含まないものとなる。lおよびmの好ましい範囲は1〜30であり、lおよびmのさらに好ましい範囲は1〜7である。lおよびmが前記の範囲にある場合、多孔質樹脂粒子の多孔性を高めて吸水性及び吸油性をさらに向上させることができるとともに、合着粒子の発生を抑制して多孔質樹脂粒子の再分散性をさらに向上させることができる。一般式(1)で表される化合物においてlおよびmの両方が1より大きい化合物に含まれるオキシエチレン基とオキシプロピレン基との配列は、所望の物性に影響を与えない限り、ブロック状(同種の基が連続する形態)であってもよく、他の任意に合わさった配列であってもよい。
【0040】
一般式(2)で表される化合物において、pが50より大きい場合、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下して吸水性及び吸油性が低下するおそれがあるとともに、重合安定性が低下して合着粒子が発生して、多孔質樹脂粒子の再分散性が低くなることがある。pの好ましい範囲は1〜30である。pが前記の範囲にある場合、多孔質樹脂粒子の多孔性を高めて吸水性及び吸油性をさらに向上させることができるとともに、合着粒子の発生を抑制して多孔質樹脂粒子の再分散性をさらに向上させることができる。
【0041】
さらに、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とは、それぞれ単独で使用してもよく、併用してもよい。
【0042】
前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、市販品を利用できる。前記一般式(1)で表されるモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の市販品としては、例えば、日油株式会社製の「ブレンマー(登録商標)」シリーズが挙げられる。さらに、前記「ブレンマー(登録商標)」シリーズの中で、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートの1種である「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」(前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレートの1種である「ブレンマー(登録商標)70PEP−350B」(前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約5であり、mが平均して約2であるもの)等が本発明に好適である。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0043】
前記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製の「プラクセル(登録商標)FM」シリーズが挙げられる。さらに、前記「プラクセル(登録商標)FM」シリーズの中で、プラクセル(登録商標)FM2D(前記一般式(2)で表される化合物であって、RがCH3であり、pが2であるもの)、プラクセル(登録商標)FM3(前記一般式(2)で表される化合物であって、RがCH3であり、pが3であるもの)等が本発明に好適である。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】
前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、2重量%〜30重量%未満の範囲内であることが好ましい。前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して2重量%未満であると、多孔質樹脂粒子の前記親水性分散溶媒に対する親和性が低下して吸水量が低くなることがあり、また、多孔質樹脂粒子が前記親水性分散溶媒中での再分散性を十分に発揮できないことがある。一方、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して30重量%以上であると、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下して吸水量及び吸油量が低くなることがあり、また、前記親水性分散溶媒中での多孔質樹脂粒子の再分散性が低くなることがある。前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、5〜20重量%の範囲内であることがより好ましく、5〜10重量%の範囲内であることがさらに好ましい。これにより、多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性をさらに向上させることができ、また、前記親水性分散溶媒中での多孔質樹脂粒子の再分散性をさらに向上させることができる。
【0045】
〔多官能ビニル系単量体〕
本発明の多孔質樹脂粒子は、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル系単量体に由来する構造単位を含んでいる。前記多官能ビニル系単量体としては、本発明の多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性に影響を与えない限り、エチレン性不飽和基を2個以上有する公知の多官能ビニル系単量体を使用することができる。
【0046】
前記多官能ビニル系単量体としては、例えば、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び、芳香族ジビニル系単量体等が挙げられる。
【0047】
前記多官能(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0048】
前記芳香族ジビニル系単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0049】
なお、上記した多官能ビニル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記した多官能ビニル系単量体の中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートは、多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性を向上させる効果に優れている。このため、前記多官能ビニル系単量体は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
【0050】
前記多官能ビニル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、70重量%超〜98重量%の範囲内であることが好ましい。前記多官能ビニル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して70重量%以下であると、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下し、吸水性及び吸油性が低下するおそれがある。一方、前記多官能ビニル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して98重量%を超えると、多孔質樹脂粒子の前記親水性分散溶媒に対する親和性が低下して吸水量が低くなることがあり、また、多孔質樹脂粒子が前記親水性分散溶媒中での再分散性を十分に発揮できないことがある。前記多官能ビニル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、75〜95重量%の範囲内であることがより好ましく、これにより、吸水性及び吸油性をさらに向上させることができる。
【0051】
〔他の単官能ビニル系単量体〕
本発明の多孔質樹脂粒子は、エチレン性不飽和基を1個有する他の単官能ビニル系単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。前記他の単官能ビニル系単量体としては、本発明の多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性に影響を与えない限り、エチレン性不飽和基を1個有する公知の単官能ビニル系単量体(ただし、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体を除く)を使用することができる。
【0052】
前記他の単官能ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、スチレン系単量体、及び、酢酸ビニル等が挙げられる。また、これら他の単官能ビニル系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体は、多孔質樹脂粒子の再分散性を向上させる効果に優れている。このため、前記他の単官能ビニル系単量体は、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体を含むことが好ましい。
【0053】
前記(メタ)アクリル酸アルキル系単量体に含まれるアルキル基は、直鎖状であってもよく分枝状であってもよい。前記(メタ)アクリル酸アルキル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル;メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸アルキル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体に含まれるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキル系単量体に含まれるアルキル基の炭素数が1〜8の範囲内であると、前記親水性分散媒に対する親和性が高くなり、この結果として、多孔質樹脂粒子の吸水性及び前記親水性分散媒への再分散性を向上させることができる。前記他の単官能ビニル系単量体は、吸水性及び吸油性により優れ、且つ、より親水性分散媒への再分散性に優れた多孔質樹脂粒子を得ることができるために、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)を含むことが好ましい。
【0054】
また、前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0055】
上記した他の単官能ビニル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
前記他の単官能ビニル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、0〜20重量%の範囲内である。前記他の単官能ビニル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して0重量%、すなわち、前記単量体混合物が前記他の単官能ビニル系単量体を含まない場合であっても、本発明の多孔質樹脂粒子は、高い吸水性及び吸油性を有する。一方、前記他の単官能ビニル系単量体の使用量が前記単量体混合物全体に対して20重量%を超えると、多孔質樹脂粒子の多孔性が低下し、多孔質樹脂粒子の吸水性及び吸油性が低下するおそれがある。前記他の単官能ビニル系単量体の使用量は、前記単量体混合物全体に対して、3〜20重量%の範囲内であることがより好ましく、5〜15重量%の範囲内であることがさらに好ましい。これにより、吸水性及び吸油性をさらに向上させることができる。
【0057】
本発明の多孔質樹脂粒子は、複数の孔を有しており(即ち、多孔性を有しており)、これらの孔の細孔径は、4〜20nmの範囲内であることが好ましく、4〜15nmの範囲内であることがより好ましい。細孔径が、4nm未満であると、吸水性及び吸油性が十分でない場合があり、また、20nmを超えると、光拡散効果が十分に得られない場合がある。なお、本発明において、細孔径とは、窒素脱着等温線からBJH法に基づいて得られる細孔径(平均細孔径)、例えば、実施例の項で後述する細孔径の測定方法によって測定された細孔径(平均細孔径)を意味する。
【0058】
また、本発明の多孔質樹脂粒子の比表面積は、3〜500m2/gの範囲内であることが好ましく、5〜500m2/gの範囲内であることがより好ましく、8〜500m2/gの範囲内であることがさらに好ましい。比表面積が3m2/g未満であると、吸水性及び吸油性が十分でなく、また、光拡散効果が十分に得られない場合がある。一方、多孔質樹脂粒子の比表面積が500m2/gを超えると、多孔質樹脂粒子の形状が球状とならないため、この多孔質樹脂粒子が外用剤に配合された場合においては、前記外用剤の肌に塗布する際の伸びや滑りが低下するおそれがあり、また、前記多孔質樹脂粒子が塗料に配合された場合においては、前記塗料から形成される塗膜にブツ(突起)が発生し易くなるおそれがある。
【0059】
ここで、比表面積とは、単位重量あたりの表面積のことをいい、本発明では、BET法(N2)により得られる比表面積を意味する。BET法(N2)による比表面積の測定方法については、実施例の項で説明する。
【0060】
本発明の多孔質樹脂粒子の体積平均粒子径は、4〜40μmの範囲内であることが好ましく、4〜20μmの範囲内であることがより好ましい。前記の範囲内である場合、本発明の多孔質樹脂粒子は、十分な表面積を確保することができ、その結果、十分な吸水性及び吸油性と、親水性分散媒に対する十分な再分散性とを確保することができる。
【0061】
また、本発明の多孔質樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、50%以下の範囲内であることが好ましく、40%以下の範囲内であることがより好ましい。粒子径の変動係数が、前記範囲内にあると、前記多孔質樹脂粒子が配合された外用剤(例えば、化粧料)において、当該外用剤の伸び、すべり性を向上させることができる。
【0062】
〔多孔質樹脂粒子の製造方法〕
上記した本発明の多孔質樹脂粒子は、多孔化剤としての非重合性の有機溶媒の存在下で、前記単量体混合物を懸濁重合させる工程を有し、前記工程において、前記多孔化剤を、前記単量体混合物100重量部に対して、200〜500重量部使用する多孔質樹脂粒子の製造方法により、製造することができる。
【0063】
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法において、前記懸濁重合は、例えば、水性媒体を含む水相中に、前記単量体混合物と前記多孔化剤とを含む混合物の液滴を分散させて、前記単量体混合物を重合することにより行うことができる。
【0064】
前記単量体混合物は、上記した通りであり、前記モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体2重量%〜30重量%未満と、前記多官能ビニル系単量体70重量%超〜98重量%とを含むものである。この単量体混合物は、上記した通り、前記他の単官能ビニル系単量体を、0〜20重量%の範囲内で含んでいてもよい。
【0065】
前記多孔化剤としての非重合性の有機溶媒としては、前記製造方法により得られる樹脂粒子を多孔化させることができ、且つ、前記単量体混合物と重合しない公知の有機溶媒を使用することができる。前記非重合性の有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系化合物;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−ドデカンのような飽和の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これら非重合性の有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
上記した非重合性の有機溶媒のうち、酢酸エステルは、前記製造方法により得られる樹脂粒子を多孔化させる効果に優れていることから、前記多孔化剤は、酢酸エステルであることが好ましく、酢酸エチルであることがより好ましい。
【0067】
前記多孔化剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、200〜500重量部の範囲内であり、200〜400重量部の範囲内であることがより好ましい。前記多孔化剤の使用量が200重量部未満であると、得られる樹脂粒子が所望の吸水性及び吸油性を満たすのに必要な十分な多孔性を有さない場合がある。また、前記多孔化剤の使用量が500重量部を超えると、前記単量体混合物を懸濁重合させる際に、前記単量体混合物の液滴を得ることができない場合がある。
【0068】
前記水性媒体としては、特に限定されず、例えば、水、水と水溶性有機媒体(メタノール、エタノールなどの低級アルコール(炭素数5以下のアルコール))との混合媒体が挙げられる。水性媒体の使用量は、樹脂粒子の安定化を図るために、通常、前記単量体混合物100重量部に対して、100〜1000重量部の範囲内である。
【0069】
また、前記懸濁重合は、より安定に所望の多孔質樹脂粒子を製造することができるため、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方の存在下で行うことが好ましく、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の両方の存在下で行うことがより好ましい。例えば、前記水性媒体を含む水相中にアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方を添加することが好ましく、前記水性媒体を含む水相中にアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の両方を添加することがより好ましい。
【0070】
前記アニオン性界面活性剤としては、樹脂粒子の製造において使用される公知のアニオン性界面活性剤を使用することができる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ石鹸などの脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩;などが挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0071】
前記アニオン性界面活性剤の使用量は、水性媒体100重量部に対して、0.005〜0.1重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜0.05重量部の範囲内であることがより好ましい。前記アニオン性界面活性剤の使用量が、水性媒体100重量部に対して、0.005重量部未満であると、単量体混合物の液滴が小さくなり難く、高い吸水性及び吸油性を有する所望の多孔質樹脂粒子を得ることができない場合があり、また、0.1重量部を超えると、微細な樹脂粒子が多量に生成され、高い吸水性及び吸油性を有する所望の多孔質樹脂粒子を得ることができない場合がある。
【0072】
前記両性界面活性剤としては、樹脂粒子の製造において使用される公知の両性界面活性剤を使用することができる。前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。これらの両性界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0073】
前記両性界面活性剤の使用量は、水性媒体100重量部に対して、0.01〜0.1重量部の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.05重量部の範囲内であることがより好ましい。前記両性界面活性剤の使用量が、0.01重量部未満であると、重合過程で粒子の凝集が生じ、高い吸水性及び吸油性を有する上記した所望の多孔質樹脂粒子を得ることができない場合があり、また、0.1重量部を超えると、微細な樹脂粒子が多量に生成され、高い吸水性及び吸油性を有する所望の多孔質樹脂粒子を得ることができない場合がある。
【0074】
前記単量体混合物の重合温度は、30〜105℃の範囲内であることが好ましい。この重合温度を保持する時間は、0.1〜20時間の範囲内が好ましい。重合完了後、多孔化剤を粒子内に含んだ多孔質樹脂粒子を含む懸濁液(スラリー)が得られる。この懸濁液を蒸留して多孔化剤を除去する。さらに、前記懸濁液中の分散安定剤を酸等で溶解、除去した後、多孔質樹脂粒子をろ過分離して水性媒体を除去し、水または溶剤で洗浄した後、乾燥することにより、多孔質樹脂粒子を単離することが好ましい。
【0075】
前記懸濁重合においては、通常、前記単量体混合物に重合開始剤を添加する。前記重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルパーオキシイソブチレートなどの過酸化物類;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)などのアゾ類;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過酸化塩類;などが挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0076】
重合開始剤の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜5重量部の範囲内であることがより好ましい。重合開始剤の使用量が、前記単量体混合物100重量部に対して0.01重量部未満である場合、重合開始剤が重合開始の機能を果たし難い。また、重合開始剤の使用量が、前記単量体混合物100重量部に対して10重量部を超える場合には、コスト的に不経済である。
【0077】
前記懸濁重合においては、より安定に所望の多孔質樹脂粒子を製造することができるため、前記水相が分散安定剤を含むことが好ましい。前記分散安定剤としては、シリカ、酸化ジルコニウム等の無機酸化物;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム等のような水に難溶性の塩類;タルク、ベントナイト、珪酸、珪藻土、粘土等の無機高分子物質等を用いることができる。それらの中でも、粒子径が揃った多孔質樹脂粒子(特に粒子径の変動係数が40%以下である多孔質樹脂粒子)を得るためには、分散安定剤として、複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウムを使用することが好ましい。
【0078】
前記分散安定剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。前記分散安定剤の使用量が20重量部を越えると、懸濁液の粘度が上がり過ぎて懸濁液が流動しなくなることがある。他方、前記分散安定剤の使用量が0.1重量部未満になると、多孔質樹脂粒子を良好に分散させることができなくなり、多孔質樹脂粒子同士が合着を起こすことがある。
【0079】
また、粒子径がさらに揃った多孔質樹脂粒子を得るためには、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のような、液滴同士の衝突や機壁への衝突力を利用した高圧型分散機等を用いて液滴を分散させて懸濁重合を行えばよい。
【0080】
〔分散液〕
本発明の分散液は、前記多孔質樹脂粒子と、前記親水性分散溶媒とを含んでいる。本発明の多孔質樹脂粒子は再分散性に優れるため、本発明の多孔質樹脂粒子と前記親水性分散溶媒とを含む分散液は、再分散性に優れた分散液である。
【0081】
本発明の分散液に使用し得る水およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性分散溶媒としては、特に限定されず、例えば、水、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これら親水性分散溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。分散液中における親水性分散溶媒の含有量は、通常、分散液100重量%中、20〜90重量%である。
【0082】
本発明の分散液は、前記多孔質樹脂粒子および親水性分散溶媒以外に、油剤、粉体(顔料、色素)、フッ素化合物、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、紫外線防御剤(有機系、無機系を含む。UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、塩類、親水性分散溶媒以外の溶剤、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、毘虫忌避剤、薬効成分、顔料等の各種成分を含むこともできる。
【0083】
本発明の分散液は、再分散性等の所望の物性に影響を与えない限り、その他の樹脂成分を少量含んでいてもよい。その他の樹脂成分としては、具体的には、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系樹脂;酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル系樹脂;スチレン重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のスチレン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等が挙げられる。
【0084】
本発明の多孔質樹脂粒子は、再分散性に優れるため、公知のミキサー、分散機等の分散手段を用いた穏やかな混合等により均一な分散液を容易に得ることができる。
【0085】
〔外用剤〕
本発明の外用剤は、前記多孔質樹脂粒子を含んでいる。本発明の外用剤は、高い吸水性と、高い吸油性とを有しているため、肌に塗布されることで、汗および皮脂を吸収し、肌をさらさらに整えることができる。また、本発明の外用剤は、前記親水性分散溶媒中での再分散性に優れるため、多孔質樹脂粒子が容器底部に沈降していても、使用時に軽く振るだけで使用できる。また、本発明の外用剤は、前記親水性分散溶媒中での多孔質樹脂粒子の分散性が良好なため、皮膚への塗布性および伸びにも優れる。また、本発明の外用剤は、製造時に多孔質樹脂粒子の分散が容易であるという製造上の利点がある。
【0086】
本発明の外用剤における多孔質樹脂粒子の含有量は、外用剤の種類に応じて適宜設定できるが、1〜80重量%の範囲内であることが好ましく、3〜70重量%の範囲内であることがより好ましい。外用剤全量に対する多孔質樹脂粒子の含有量が1重量%を下回ると、多孔質樹脂粒子の含有による明確な効果が認められないことがある。また、多孔質樹脂粒子の含有量が80重量%を上回ると、含有量の増加に見合った顕著な効果が認められないことがあるため、生産コスト上好ましくない。
【0087】
本発明の外用剤は、例えば、外用医薬品や化粧料等として使用できる。外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特に限定されないが、具体的には、クリーム、軟膏、乳剤等が挙げられる。化粧料としては、例えば、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリーム、スクラブ洗顔料、歯磨き等の洗浄用化粧品;おしろい類、フェイスパウダー(ルースパウダー、プレストパウダー等)、ファンデーション(パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、乳化型ファンデーション等)、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア等のメイクアップ化粧料;プレシェーブローション、ボディローション等のローション剤;ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用外用剤;化粧水、クリーム、乳液(化粧乳液)等のスキンケア剤、制汗剤(液状制汗剤、固形状制汗剤、クリーム状制汗剤等)、パック類、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、浴用剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ひげ剃り用クリーム等が挙げられる。
【0088】
これらの中でも、本発明の多孔質樹脂粒子をおしろい類、フェイスパウダー、パウダーファンデーション、ボディパウダー、ベビーパウダー等の粉状の化粧料(即ち、粉体化粧料)に使用すると、吸水性、吸油性に優れた外用剤とすることができ、好適である。
【0089】
また、本発明の多孔質樹脂粒子をボディシャンプー、プレシェーブローション、ボディローション等の分散液タイプの化粧料に使用すると吸水性、吸油性に優れるとともに、分散性にも優れた外用剤とすることができ、好適である。
【0090】
また、本発明の外用剤中に配合される多孔質樹脂粒子は、油剤、シリコーン化合物およびフッ素化合物等の表面処理剤や有機粉体、無機粉体等で処理したものであってもよい。
【0091】
前記油剤としては、通常外用剤に使用されているものであればいずれでもよく、例えば流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス等の炭化水素油;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等の高級脂肪酸;トリオクタン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、2エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル等のエステル油;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;アマニ油、綿実油、ヒマシ油、卵黄油、ヤシ油等の油脂類;ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。また、多孔質樹脂粒子を前記油剤で処理する方法は特に限定されないが、例えば、多孔質樹脂粒子に油剤を添加し、ミキサー等で撹拌することにより油剤をコーティングする乾式法や、油剤をエタノール、プロパノール、酢酸エチル、ヘキサン等の適当な溶媒に加熱溶解し、それに多孔質樹脂粒子を加えて混合撹拌した後、溶媒を減圧除去または加熱除去することにより、油剤をコーティングする湿式法等を利用することができる。
【0092】
前記シリコーン化合物としては、通常外用剤に使用されるものであればいずれでもよく、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル−シリコーン系グラフト重合体、有機シリコーン樹脂部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物等が挙げられる。多孔質樹脂粒子をシリコーン化合物で処理する方法は特に限定されないが、例えば、上記の乾式法や湿式法を利用できる。また、必要に応じて焼き付け処理を行ったり、反応性を有するシリコーン化合物の場合は反応触媒等を適宜添加してもよい。
【0093】
前記フッ素化合物は、通常外用剤に配合されるものであればいずれでもよく、例えばパーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ基を有する重合体等が挙げられる。多孔質樹脂粒子をフッ素化合物で処理する方法も特に限定されないが、例えば、前記の乾式法や湿式法を利用できる。また、必要に応じて焼き付け処理を行ったり、反応性を有するフッ素化合物の場合は反応触媒等を適宜添加してもよい。
【0094】
有機粉体としては、例えばアラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリッシュモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、フッ素粒子等の樹脂粒子が挙げられる。また、前記無機粉体としては、例えば酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等が挙げられる。また、これら有機粉体や無機粉体は、予め表面処理を行ったものでもよい。表面処理方法としては、後述するような、公知の表面処理技術が利用できる。
【0095】
また、本発明の外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に用いられている主剤または添加物を目的に応じて配合できる。そのような主剤または添加物としては、例えば、水、低級アルコール(炭素数5以下のアルコール)、油脂及びロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、粘土鉱物類、防腐・殺菌剤、抗炎症剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機無機複合粒子、pH調整剤(トリエタノールアミン等)、特殊配合添加物、医薬品活性成分等が挙げられる。
【0096】
前記油脂及びロウ類の具体例としては、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコーン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
【0097】
前記炭化水素の具体例としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
【0098】
前記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等の炭素数11以上の脂肪酸が挙げられる。
【0099】
前記高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等の炭素数6以上のアルコールが挙げられる。
【0100】
前記ステロールの具体例としては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
【0101】
前記脂肪酸エステルの具体例としては、リノール酸エチル等のリノール酸エステル;ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン脂肪酸エステル;ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル;オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル等のオレイン酸エステル;ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等のジメチルオクタン酸エステル;イソオクタン酸セチル(2−エチルヘキサン酸セチル)等のイソオクタン酸エステル;パルミチン酸デシル等のパルミチン酸エステル;トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0102】
前記金属石鹸の具体例としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0103】
前記保湿剤の具体例としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
【0104】
前記界面活性剤の具体例としては、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤;脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0105】
前記高分子化合物の具体例としては、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリッシュモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子(例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子等)、ポリスチレン粒子、シリコーン系粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
【0106】
前記色材原料の具体例としては、酸化鉄(赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄等)、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
【0107】
なお、上記した高分子化合物の粉体原料や色材原料などの粉体原料は、予め表面処理を行ったものも使用することができる。表面処理の方法としては、公知の表面処理技術が利用でき、例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
【0108】
前記粘土鉱物類の具体例としては、体質顔料および吸着剤などの数種の機能を兼ね備えた成分、例えば、タルク、雲母(例えば、白雲母)、セリサイト、チタンセリサイト(酸化チタンで被覆されたセリサイト)、バンダービルト社製のVEEGUM(登録商標)等が挙げられる。
【0109】
前記香料の具体例としては、アニスアルデヒド、ベンジルアセテート、ゲラニオール等が挙げられる。前記防腐・殺菌剤の具体例としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。前記酸化防止剤の具体例としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。前記紫外線吸収剤の具体例としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニリック酸系、サルチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。
【0110】
前記特殊配合添加物の具体例としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。
【0111】
〔薬効成分含有粒子〕
本発明の薬効成分含有粒子は、前記多孔質樹脂粒子と、薬効成分とを含んでいる。
【0112】
前記薬効成分としては、従来、医薬品、医薬部外品、化粧品等で使用されているものを配合することが可能である。
【0113】
前記薬効成分の具体例としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0114】
前記薬効成分の具体例としては、デオキシリボ核酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;アミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿成分;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤;ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤;γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も挙げられる。
【0115】
上記した薬効成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0116】
上記薬効成分含有粒子における薬効成分の含有量は、薬効成分の種類によって有効成分量が異なるため一概には規定できないが、上記多孔質樹脂粒子100重量部に対して1〜300重量部が好ましく、5〜200重量部がより好ましい。
【0117】
上記薬効成分含有粒子は、例えば、上記多孔質樹脂粒子と上記薬効成分とを練り合わせる等して、上記多孔質樹脂粒子中に上記薬効成分を内包させることにより得られる。
【0118】
また、本発明の薬効成分含有粒子は、外用剤の原料として使用することができる。すなわち、上述した本発明の外用剤は、本発明の薬効成分含有粒子を含有するものであってもよい。本発明の薬効成分含有粒子を含む外用剤の実施の形態は、本発明の多孔質樹脂粒子に代えて、本発明の薬効成分含有粒子を含むこと以外は、上述の〔外用剤〕の項で説明した外用剤の実施の形態と同様である。
【0119】
〔塗料〕
本発明の塗料は、前記多孔質樹脂粒子を含んでいる。前記塗料は、前記分散液を含むことが好ましい。すなわち、前記塗料は、前記多孔質樹脂粒子と前記親水性分散溶媒とを含むことが好ましい。
【0120】
前記塗料は、必要に応じて、バインダー樹脂を含むことができる。前記バインダー樹脂としては、前記親水性分散溶媒に可溶な樹脂もしくは分散できるエマルション型のバインダー樹脂を使用することができる。
【0121】
前記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらバインダー樹脂は、塗工される基材への塗料の密着性および塗料が使用される環境等によって適宜選択され得る。
【0122】
前記塗料中における多孔質樹脂粒子の量は、形成される塗膜の膜厚、多孔質樹脂粒子の平均粒子径、塗工方法等によっても異なる。多孔質樹脂粒子の量は、バインダー樹脂(エマルジョン型の樹脂を使用する場合は固形分)と多孔質樹脂粒子との合計に対して5〜50重量%の範囲内であることが好ましく、10〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、20〜40重量%の範囲内であることがさらに好ましい。多孔質樹脂粒子の量が5重量%未満の場合、多孔質樹脂粒子による艶消し効果が十分得られないことがある。また、多孔質樹脂粒子の量が50重量%を越える場合には、塗料の粘度が大きくなりすぎるため、多孔質樹脂粒子の分散不良が起こることがある。そのため、得られる塗膜にマイクロクラックが発生したり、塗膜表面にザラツキが生じたりする等の外観不良が起こることがある。
【0123】
塗料は、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、雲母粉顔料、染料、前記親水性分散溶媒以外の有機溶剤等を含んでいてもよい。
【0124】
塗料を使用した塗膜の形成方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。塗料を使用した塗膜の形成方法としては、例えば、スプレー塗工法、ロール塗工法、ハケ塗り法等の方法が挙げられる。塗料は、必要に応じて粘度を調整するために、希釈剤で希釈してもよい。希釈剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;水;アルコール系溶剤等が挙げられる。これら希釈剤は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0125】
〔光拡散部材〕
前記の多孔質樹脂粒子を含む塗料において、バインダー樹脂を含む透明の塗料、すなわち、透明のバインダー樹脂を含み、顔料、染料等の非透明材料を含まない塗料は、紙用コーティング剤、光拡散部材用コーティング剤等の光拡散性コーティング剤として使用することができる。この場合、多孔質樹脂粒子は、光拡散剤として機能する。
【0126】
基材としての透明基材上に光拡散性コーティング剤(光拡散部材用コーティング剤)を塗工して透明の塗膜(光拡散性コーティング)を形成することで、本発明の光拡散部材を製造することができる。
【0127】
前記透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等の樹脂からなる樹脂基材、透明なガラスシート等の無機基材から、適宜選択して使用できる。また、前記透明基材の厚さは、特に限定されるものではないが、加工のしやすさやハンドリング性を考慮して10〜500μmの範囲内とすることが好ましい。光拡散性コーティングを形成する方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法等の公知の方法を用いることができる。光拡散性コーティングの厚みは、特に限定されるものではないが、光拡散性、膜強度等を考慮して、1〜100μmの範囲内とすることが好ましく、3〜30μmの範囲内とすることがより好ましい。
【0128】
或いは、本発明の光拡散部材は、透明基材樹脂(透明性樹脂)中に本発明の多孔質樹脂粒子を光拡散剤として分散させて得られる光拡散性樹脂組成物を成形することにより得ることができる。
【0129】
前記透明基材樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。これらの透明基材樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0130】
前記透明基材樹脂への多孔質樹脂粒子の添加割合は、透明基材樹脂100重量部に対して、0.01〜40重量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。多孔質樹脂粒子が0.01重量部未満の場合、光拡散部材に光拡散性を与えにくくなることがある。多孔質樹脂粒子が40重量部より多い場合、光拡散部材に光拡散性を与えられるが光拡散部材の光透過性が低くなることがある。
【0131】
光拡散性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、多孔質樹脂粒子と透明基材樹脂とを機械式粉砕混合方法等のような従来公知の方法で混合することにより製造できる。機械式粉砕混合方法では、例えば、ヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリダイザー、ロッキングミキサー等の装置を用いて多孔質樹脂粒子と透明基材樹脂とを混合し撹絆することにより、光拡散性樹脂組成物を製造できる。
【0132】
そして、前記光拡散性樹脂組成物を成形することにより、本発明の光拡散部材を得ることができる。光拡散性樹脂組成物の成形方法としては、ペレット状の光拡散性樹脂組成物を射出成形、射出圧縮成形、又は、押出成形等の成形法により成形して、成形体(光拡散部材)を得る方法を採用することができる。また、光拡散性樹脂組成物を押出成形してシート状成形体を得て、このシート状成形体を真空成形、圧空成形等の成形法により成形して成形体(光拡散部材)を得る方法を採用することができる。
【0133】
〔液体クロマトグラフィー用分離剤〕
本発明の多孔質樹脂粒子は、液体クロマトグラフィー用分離剤として利用できる。よって、本発明の液体クロマトグラフィー用分離剤は、前記多孔質樹脂粒子を含んでいる。
【0134】
前記液体クロマトグラフィー用分離剤は、タンパク質の分離など、特に、親水性物質を分離するための水系媒体の液体クロマトグラフィー(水系媒体を移動相とする液体クロマトグラフィー)への利用に適している。特に、前記液体クロマトグラフィー用分離剤は、前記多孔質樹脂粒子が、高い架橋度(例えば、前記多孔質樹脂粒子を構成する重合体が、上記多官能ビニル系単量体を70重量%超〜98重量%含む単量体混合物の重合体である)と高い細孔容積(例えば、0.50〜1.50cm/g)を備え、水系媒体と高い親和性を有すると、さらに好ましい。
【0135】
前記液体クロマトグラフィー用分離剤は、例えば、ガラス、金属製等のクロマトグラフィー用カラムに充填し、液体クロマトグラフィー用充填カラムとして、親水性物質の分離等に使用することができる。
【実施例】
【0136】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。最初に、実施例および比較例における、樹脂粒子の体積平均粒子径の測定方法、樹脂粒子の比表面積の測定方法、樹脂粒子の細孔径および細孔容積の測定方法、樹脂粒子の吸水量の測定方法、樹脂粒子の吸油量の測定方法、樹脂粒子の親水性の評価方法、樹脂粒子のエタノール中での再分散性の評価方法、および樹脂粒子の水中での再分散性の評価方法を説明する。
【0137】
〔樹脂粒子の体積平均粒子径の測定方法〕
樹脂粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizerTM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
【0138】
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が90μmより大きく150μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択するなど、適宜行う。測定後の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行う。
【0139】
また、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μmおよび400μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−3200、Gain(ゲイン)は1と設定する。
【0140】
測定用試料としては、樹脂粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。コールターマルチサイザーIIIの測定部に、ISOTON(登録商標)II(ベックマン・コールター株式会社製:測定用電解液)を満たしたビーカーをセットし、ビーカー内を緩く攪拌しながら、前記分散液を滴下して、コールターマルチサイザーIII本体画面の濃度計の示度を5〜10%に合わせた後に、測定を開始する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
【0141】
体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
【0142】
樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、以下の数式によって算出する。
【0143】
樹脂粒子の粒子径の変動係数=(樹脂粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差÷樹脂粒子の体積平均粒子径)×100
【0144】
〔樹脂粒子の比表面積の測定方法〕
樹脂粒子の比表面積は、ISO 9277第1版 JIS Z 8830:2001記載のBET法(窒素吸着法)により測定した。対象となる樹脂粒子について、株式会社島津製作所社製の自動比表面積/細孔分布測定装置Tristar3000を用いてBET窒素吸着等温線を測定し、窒素吸着量からBET多点法を用いて比表面積を算出した。加熱ガスパージによる前処理を実施した後、吸着質として窒素を用い、吸着質断面積0.162nm2の条件下で定容量法を用いて測定を行った。なお、前記前処理は、具体的には、樹脂粒子が入った容器を65℃で加熱しながら、窒素パージを20分行い、室温放冷した後、その容器を65℃で加熱しながら、前記容器内の圧力が0.05mmHg以下になるまで真空脱気を行うことにより、行った。
【0145】
実施例1〜7及びに比較例1〜3の樹脂粒子について、比表面積の測定結果を表1に示す。
【0146】
〔樹脂粒子の細孔径および細孔容積の測定方法〕
樹脂粒子の孔の細孔径(平均細孔径)および細孔容積は、BJH法により求める。対象となる樹脂粒子について、株式会社島津製作所社製の自動比表面積/細孔分布測定装置Tristar3000を用いて、窒素脱着等温線を測定し、BJH法に基づいて、細孔径(平均細孔径)及び細孔容積(積算細孔容積)を算出する。なお、窒素脱着等温線の測定は、吸着質として窒素を用い、吸着質断面積0.162nm2の条件下で定容法を用いて行った。
【0147】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、細孔径及び細孔容積の測定結果を表1に示す。
【0148】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、多孔性の評価結果を表1に示す。
【0149】
〔樹脂粒子の吸水量の測定方法〕
樹脂粒子の吸水量は、JIS K 5101−13−2の測定方法をベースとして、煮アマニ油に代えて蒸留水を使用し、終点の判断基準を変更した方法によって、測定した。吸水量の測定の詳細は、以下の通りである。
【0150】
(A)装置及び器具
測定板:300×400×5mmより大きい平滑なガラス板
パレットナイフ(ヘラ):鋼製又はステンレス製の刃を持った柄つきのもの
化学はかり(計量器): 10mgオーダーまで計れるもの
ビュレット:JIS R 3505に規定する容量10mlのもの
(B)試薬:蒸留水
(C)測定方法
(1)樹脂粒子1gを測定板上の中央部に取り、蒸留水をビュレットから一回に4、5滴ずつ、徐々に樹脂粒子の中央に滴下し、その都度、樹脂粒子および蒸留水の全体をパレットナイフで充分練り合わせる。
【0151】
(2)上記の滴下及び練り合わせを繰り返し、樹脂粒子および蒸留水の全体が硬いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、蒸留水の最後の1滴の滴下によりペースト(樹脂粒子および蒸留水の混練物)が急激に軟らかくなり、流動を始める点を終点とする。
【0152】
(3)流動の判定
蒸留水の最後の1滴の滴下により、ペーストが急激に軟らかくなり、測定板を垂直に立てた時にペーストが動いた場合に、ペーストが流動していると判定する。測定板を垂直に立てた時もペーストが動かない場合には、更に蒸留水を1滴加える。
【0153】
(4)終点に達したときの蒸留水の消費量をビュレット内の液量の減少分として読み取る。
【0154】
(5)1回の測定時間は7〜15分以内に終了するように実施し、測定時間が15分を超えた場合は再測定し、規定の時間内で測定を終了した時の数値を採用する。
【0155】
(D)吸水量の計算
下記式により試料100g当たりの吸水量を計算する。
【0156】
W=(V/m)×100
ここで、W:吸水量(ml/100g)、m:樹脂粒子の重量(g)、V:消費した蒸留水の容積(ml)。
【0157】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、吸水量の測定結果を表1に示す。
【0158】
〔樹脂粒子の吸油量の測定方法〕
樹脂粒子の吸油量は、JIS K 5101−13−2の測定方法をベースとして、煮アマニ油に代えて精製アマニ油を使用し、終点の判断基準を変更した方法によって、測定した。吸油量の測定の詳細は、以下の通りである。
【0159】
(A)装置及び器具
測定板:300×400×5mmより大きい平滑なガラス板
パレットナイフ(ヘラ):鋼製又はステンレス製の刃を持った柄つきのもの
化学はかり(計量器): 10mgオーダーまで計れるもの
ビュレット:JIS R 3505に規定する容量10mlのもの
(B)試薬
精製アマニ油:ISO 150に規定するもの(今回は一級アマニ油(和光純薬工業株式会社製)を用いる)
(C)測定方法
(1)樹脂粒子1gを測定板上の中央部に取り、精製アマニ油をビュレットから一回に4、5滴ずつ、徐々に樹脂粒子の中央に滴下し、その都度、樹脂粒子および精製アマニ油の全体をパレットナイフで充分練り合わせる。
【0160】
(2)上記の滴下及び練り合わせを繰り返し、樹脂粒子および精製アマニ油の全体が固いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、精製アマニ油の最後の1滴の滴下によりペースト(樹脂粒子および精製アマニ油の混練物)が急激に軟らかくなり、流動を始める点を終点とする。
【0161】
(3)流動の判定
精製アマニ油の最後の1滴の滴下により、ペーストが急激に軟らかくなり、測定板を垂直に立てた時にペーストが動いた場合に、ペーストが流動していると判定する。測定板を垂直に立てた時もペーストが動かない場合には、更に精製アマニ油を1滴加える。
【0162】
(4)終点に達したときの精製アマニ油の消費量をビュレット内の液量の減少分として読み取る。
【0163】
(5)1回の測定時間は7〜15分以内に終了するように実施し、測定時間が15分を超えた場合は再測定し、規定の時間内で測定を終了した時の数値を採用する。
【0164】
(D)吸油量の計算
下記式により試料100g当たりの吸油量を計算する。
【0165】
O=(V/m)×100
ここで、O:吸油量(ml/100g)、m:樹脂粒子の重量(g)、V:消費した精製アマニ油の容積(ml)。
【0166】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、吸油量の測定結果を表1に示す。
【0167】
〔樹脂粒子の親水性評価〕
容積100mlのガラスビーカーに蒸留水100mlを入れた後、水面に樹脂粒子0.2gを浮かべ、前記ガラスビーカーの上面をラップで封止する。その後、前記ガラスビーカーを静置して、樹脂粒子の沈降状況を観察し、樹脂粒子の沈降に要する時間を測定する。この親水性評価において、静置開始から2時間未満で全ての樹脂粒子が沈降する場合を極めて良好な親水性を有する(◎)、静置開始から2時間以上12時間未満で全ての樹脂粒子が沈降する場合を良好な親水性を有する(○)、静置開始から12時間以上24時間未満で全ての樹脂粒子が沈降した場合を親水性はあるが、十分な親水性を有していない(△)、静置開始から24時間経過後も粒子が全く沈降しない場合を親水性なし(×)と判定した。
【0168】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、親水性評価の結果を表1に示す。
【0169】
〔樹脂粒子のエタノール中での再分散性評価〕
樹脂粒子0.5gを目盛り付き試験管(株式会社マルエム製、製品名「ねじ口試験管NR−10」)に秤りとり、市販の特級エタノール(純度99.5体積%以上)を10ml加えた後、樹脂粒子がエタノール中に完全に分散するまでタッチミキサー(タッチ駆動タイプのマグミキサ)で樹脂粒子をエタノール中に分散させる。これにより、分散液全体が白濁状態となる(分散液の体積約10ml)。
【0170】
次いで、試験管を12時間静置して樹脂粒子を沈降させた後、試験管を手で振り、樹脂粒子をエタノール中に再分散させる。樹脂粒子がエタノール中に再分散するまでに要した試験管を振る回数を記録し、再分散のし易さを評価する。
【0171】
実施例および比較例の樹脂粒子のエタノール中での再分散性評価においては、試験管を手で振り混ぜ、沈降した樹脂粒子全てがエタノール中に均一に分散するまでに要した振り混ぜ回数を樹脂粒子の再分散性評価の指標とする。また、約10cmの振幅で試験管を1往復させた時を振り混ぜ回数1回とカウントする。振り混ぜ回数1回毎に樹脂粒子の分散状態を目視で確認し、沈降した樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数を求める。
【0172】
エタノール中での再分散性評価においては、樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数が60回以内である場合を合格(○)とし、樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数が60回を超える場合を不合格(×)と判定する。
【0173】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、エタノール中での再分散性評価の結果を表1に示す。
【0174】
〔樹脂粒子の水中での再分散性評価〕
樹脂粒子0.5gを目盛り付き試験管(株式会社マルエム製、製品名「ねじ口試験管NR−10」)に秤りとり、蒸留水を10ml加えた後、樹脂粒子が水中に完全に分散するまで、タッチミキサー(タッチ駆動タイプのマグミキサ)での混合および超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)での超音波照射を繰り返して、樹脂粒子を水中に分散させる。これにより、分散液全体が白濁状態となる(分散液の体積約10ml)。
【0175】
次いで、試験管を12時間静置して樹脂粒子を沈降させた後、試験管を手で振り、樹脂粒子を水中に再分散させる。樹脂粒子が水中に再分散するまでに要した試験管を振る回数を記録し、再分散のし易さを評価する。
【0176】
実施例および比較例の樹脂粒子の水中での再分散性評価においては、試験管を手で振り混ぜ、沈降した樹脂粒子全てが水中に均一に分散するまでに要した振り混ぜ回数を樹脂粒子の再分散性評価の指標とする。また、約10cmの振幅で試験管を1往復させた時を振り混ぜ回数1回とカウントする。振り混ぜ回数1回毎に樹脂粒子の分散状態を目視で確認し、沈降した樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数を求める。
【0177】
水中での再分散性評価においては、樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数が80回以内である場合を合格(○)とし、樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜ回数が80回を超える場合を不合格(×)と判定する。
【0178】
実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、水中での再分散性評価の結果を表1に示す。
【0179】
〔実施例1〕
攪拌機および温度計を備えた内容量5Lのオートクレーブに、アニオン性界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.30g(水100重量部に対して0.01重量部)と、両性界面活性剤としてのラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分35%)1.71g(水100重量部に対して純分換算で0.02重量部)とが水(水性媒体)3000gに溶解した水溶液を入れた。そして、分散安定剤としての、複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウム60gを前記オートクレーブ内の前記水溶液中に分散させ、分散液(水相)を得た。
【0180】
また、他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)12.5g(全単量体に対して5重量%)と、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)12.5g(全単量体に対して5重量%)と、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)225g(全単量体に対して90重量%)と、多孔化剤としての酢酸エチル750g(全単量体100重量部に対して300重量部)と、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75gとを混合し、互いに溶解させて単量体混合液を調製した。
【0181】
前記の予め調製した単量体混合液を前記オートクレーブ内の前記分散液(水相)に入れ、前記オートクレーブの内容物を高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)にて回転数6000rpmで5分間攪拌することで、前記単量体混合液の液滴径8μm程度の懸濁液を調製した。次に、前記オートクレーブの内部温度を50℃に加温して前記オートクレーブの内容物を攪拌しながら、前記単量体混合液の懸濁重合を開始した。引き続いて、70℃で2時間加温処理を行いながら前記単量体混合液の懸濁重合を行い、スラリーを得た。
【0182】
その後、前記オートクレーブのジャケットを70℃に保ちつつ、内圧を−500mmHgに減圧し、前記スラリーから酢酸エチルを除去した。次いで、前記オートクレーブ内の前記スラリーを冷却し、前記スラリーのpHがpH2以下になるまで、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。その後、遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き45μmの篩いに通し、目的の樹脂粒子を得た。
【0183】
得られた樹脂粒子の平均粒子径は5.4μmであった。
【0184】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、図1のSEM画像に示されるように、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0185】
〔実施例2〕
他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)を使用せず、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を237.5g(全単量体に対して95重量%)に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0186】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.8μmであった。
【0187】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0188】
〔実施例3〕
他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)の使用量を50g(全単量体に対して20重量%)に、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を187.5g(全単量体に対して75重量%)にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0189】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は8.6μmであった。
【0190】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0191】
〔実施例4〕
モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)12.5g(全単量体に対して5重量%)に代えてラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(商品名「プラクセル(登録商標)FM3、株式会社ダイセル製、前記一般式(2)で表される化合物であって、RがCH3であり、pが3であるもの」)12.5g(全単量体に対して5重量%)を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0192】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は8.5μmであった。
【0193】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0194】
〔実施例5〕
他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)を使用せず、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)の使用量を50g(全単量体に対して20重量%)に、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を200g(全単量体に対して80重量%)に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0195】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.7μmであった。
【0196】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0197】
〔実施例6〕
他の単官能ビニル系単量体として、メタクリル酸メチル(MMA)12.5g(全単量体に対して5重量%)に代えて、メタクリル酸エチル(EMA)12.5g(全単量体に対して5重量%)を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0198】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.6μmであった。
【0199】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0200】
〔実施例7〕
モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)の使用量を25.0g(全単量体に対して10重量%)に変更し、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を200g(全単量体に対して80重量%)に変更し、単量体混合液の調製において、さらに、多官能ビニル系単量体として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP)12.5g(全単量体に対して5重量%)を混合したこと以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0201】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.2μmであった。
【0202】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、実施例1の樹脂粒子(図1参照)と同様に、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0203】
〔比較例1〕
アニオン性界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウムの使用量を0.24g(水100重量部に対して0.01重量部)に、両性界面活性剤としてのラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分35%)の使用量を1.37g(水100重量部に対して純分換算で0.02重量部)に、水(水性媒体)の使用量を2400gに、ピロリン酸マグネシウムの使用量を48gに、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)を使用せず、他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)の使用量を360g(全単量体に対して60重量%)に、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を240g(全単量体に対して40重量%)に、多孔化剤の使用量としての酢酸エチルの使用量を600g(全単量体100重量部に対して100重量部)に、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の使用量を1.8gに、高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)による回転数6000rpmでの攪拌時間を10分間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0204】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は8.3μmであった。
【0205】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、図2のSEM画像に示されるように、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0206】
〔比較例2〕
アニオン界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウムの使用量を0.24g(水100重量部に対して0.01重量部)に、両性界面活性剤としてのラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分35%)の使用量を1.37g(水100重量部に対して純分換算で0.02重量部)に、水(水性媒体)の使用量を2400gに、ピロリン酸マグネシウムの使用量を48gに、他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)の使用量を354g(全単量体に対して、59重量%)に、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)の使用量を6g(全単量体に対して1重量%)に、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を240g(全単量体に対して40重量%)に、多孔化剤の使用量としての酢酸エチルの使用量を600g(全単量体100重量部に対して100重量部)に、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の使用量を1.8gに、高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)による回転数6000rpmでの攪拌時間を10分間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
【0207】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.9μmであった。
【0208】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、図3のSEM画像に示されるように、球状で、且つ、複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であることが認められた。
【0209】
〔比較例3〕
ラウリル硫酸ナトリウムと、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分35%)と、酢酸エチルとを使用せず、水(水性媒体)の使用量を2400gに、ピロリン酸マグネシウムの使用量を48gに、他の単官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)の使用量を960g(全単量体に対して80重量%)に、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート(商品名「ブレンマー(登録商標)50PEP−300」、日油株式会社製、前記一般式(1)で表される複数種類の化合物からなる混合物であって、RがCH3であり、lが平均して約3.5であり、mが平均して約2.5であるもの)の使用量を180g(全単量体に対して15重量%)に、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を60g(全単量体に対して5重量%)に、重合開始剤としての2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の使用量を1.8gに、高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)による回転数6000rpmでの攪拌時間を10分間に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に樹脂粒子を得た。
【0210】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は7.2μmであった。
【0211】
また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、図4のSEM画像に示されるように、球状であったが、粒子に孔は見られなかった。
【0212】
実施例1〜7および比較例1〜3の樹脂粒子について、単量体組成、多孔化剤の全単量体100重量部に対する使用量(重量部)を表1に示す。また、実施例1〜7及び比較例1〜3の樹脂粒子について、体積平均粒子径の測定結果、比表面積の測定結果、細孔径の測定結果、細孔容積の測定結果、吸油量の測定結果、吸水量の測定結果、親水性の評価結果、エタノール中での再分散性の評価結果、および水中での再分散性の評価結果を、表1に示す。また、比較例1の樹脂粒子については、親水性評価にて樹脂粒子が蒸留水に分散しなかった。また、比較例1の樹脂粒子について吸水量の測定を試みたが、樹脂粒子が蒸留水に浸潤せず、試験不可能であった。また、比較例1の樹脂粒子について水中での再分散性の評価を試みたが、樹脂粒子が蒸留水に分散しなかったため試験評価できなかった。さらに、比較例3の樹脂粒子は、比表面積が小さく、多孔性を有していないため、細孔径及び細孔容積の測定を実施しなかった。
【0213】
【表1】
【0214】
表1に示す結果から分かるように、実施例1〜7の樹脂粒子は、多孔性の粒子、すなわち、多孔質樹脂粒子であり、吸水性、吸油性、親水性、エタノール中での再分散性および水中での再分散性の全てに優れていた。
【0215】
具体的には、実施例1〜7の樹脂粒子の吸水量は400ml/100gを超えており(具体的には、405〜534ml/100gであり)、比較例2及び3の樹脂粒子の吸水量112〜125ml/100gに比べて非常に高かった。さらに、実施例1〜7の樹脂粒子の吸油量も400ml/100gを超えており(具体的には、465〜539ml/100gであり)、比較例1〜3の樹脂粒子の吸油量75〜142ml/100gに比べて非常に高かった。
【0216】
また、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体を2重量%〜30重量%未満(具体的には、5〜20重量%)含み、多官能ビニル系単量体を70重量%超〜98重量%(具体的には、75〜95重量%)含む単量体混合物の重合により得られる実施例1〜7の樹脂粒子は、多官能ビニル系単量体の含有量が70重量%以下の単量体混合物より得られる比較例1〜3の樹脂粒子に比べて、吸水性及び吸油性に極めて優れていた。
【0217】
また、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体を2重量%〜30重量%未満(具体的には、5〜20重量%)含み、多官能ビニル系単量体を70重量%超〜98重量%(具体的には、75〜95重量%)含む単量体混合物の重合により得られる実施例1〜7の樹脂粒子は、モノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量が2重量%未満の単量体混合物の重合により得られる比較例1及び2の樹脂粒子に比べて、親水性に優れていた。
【0218】
また、実施例1〜7の樹脂粒子について、吸水量の測定後、水分を吸収した樹脂粒子の水分を蒸発させ、樹脂粒子の状態を拡大投影機で観察したところ、図1に示すような球状の形状を保持していることが認められた。このように、実施例1〜7の樹脂粒子は、球状の多孔質樹脂粒子であることから、化粧料等の外用剤に配合された場合において、当該外用剤を肌に塗布する際の伸び及び滑りを向上させることができる上に、当該外用剤が塗布された皮膚表面にて、光を様々な方向に拡散されることができ、シミ、ソバカス、毛穴などを目立たなくすることができる。また、実施例1〜7の樹脂粒子は、球状の多孔質樹脂粒子であることから、塗料に配合された場合においては、この塗料を基材に塗布する際の滑りを向上させることができ、且つ、前記基材上に形成された塗膜を透過し、前記基材から反射する光を散乱させることができる。さらに、実施例1〜7の樹脂粒子は、球状の多孔質樹脂粒子であることから、光拡散部材に配合された場合においては、当該光拡散部材から反射する光を散乱させることができる。
【0219】
〔実施例8:ボディローションの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)3重量部と、分散溶媒としてのエタノール50重量部と、抗炎症剤としてのグリチルリチン酸0.1重量部と、分散溶媒としての精製水46.4重量部と、香料0.5重量部とをミキサーにて十分に混合して、外用剤としてのボディローションを得た。
【0220】
得られたボディローションは、肌に塗布する際の滑りに優れ、滑らかで使用感に優れたものであった。また、ボディローションは、使用の際に軽く振るだけで沈降している樹脂粒子が容易に再分散し、使用性に優れるものであった。さらに、ボディローションは、吸水性及び吸油性に優れるものであり、肌に塗布されることで、汗および皮脂を吸収して、肌をさらさらに整えることができるものであった。
【0221】
〔実施例9:プレシェーブローションの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)4重量部と、分散溶媒としてのエタノール91重量部と、分散溶媒としての1,3−ブチレングリコール5.0重量部と、エチルヘキサン酸セチル2.0重量部と、香料(適量)とをミキサーにて十分に混合して、外用剤としてのプレシェーブローションを得た。
【0222】
得られたプレシェーブローションは、肌に塗布する際の滑りに優れ、滑らかで使用感に優れたものであった。また、プレシェーブローションは、使用の際に軽く振るだけで沈降している樹脂粒子が容易に再分散し、使用性に優れるものであった。さらに、プレシェーブローションは、吸水性及び吸油性に優れるものであり、肌に塗布されることで、汗および皮脂を吸収して、肌をさらさらに整えることができるものであった。
【0223】
〔実施例10:パウダーファンデーションの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)15重量部と、粘土鉱物類としてのセリサイト21重量部と、粘土鉱物類としての白雲母51重量部と、色材原料としての赤色酸化鉄0.6重量部と、色材原料としての黄色酸化鉄1重量部と、色材原料としての黒色酸化鉄0.1重量部とをヘンシェルミキサーで混合し、混合物を得る。次いで、前記混合物に、2−エチルヘキサン酸セチル10重量部と、ソルビタンセスキオレエート1重量部と、防腐剤0.2重量部とを混合溶解したものを加えて均一に混合し、得られた混合物に、さらに香料0.1重量部を加えて混合した後、粉砕し、この粉砕物を篩いに通した。そして、前記篩いを通過した粉砕物を金皿に圧縮成型してパウダーファンデーションを得た。
【0224】
得られたパウダーファンデーションは、肌に塗布する際の滑りに優れ、滑らかで使用感に優れたものであった。また、パウダーファンデーションは、吸水性及び吸油性に優れるものであり、肌に塗布されることで、汗および皮脂を吸収して、肌をさらさらに整えることができるものであった。また、パウダーファンデーションは、肌に塗布されることにより、肌の欠点を補正する(シミ、ソバカス、毛穴などを目立たなくする)ことができるものであった。
【0225】
〔実施例11:乳化型ファンデーションの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)20.0重量部と、粘土鉱物類としてのセリサイト6.0重量部と、二酸化チタン3.0重量部と、顔料(適量)とをニーダーで混合し、粉末部を調製した。
【0226】
そして、粉末部とは別に、精製水50.2重量部に、ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコール4000)5.0重量部と、pH調整剤としてのトリエタノールアミン1.0重量部と、プロピレングリコール5.0重量部と、粘土鉱物類としてのVEEGUM(登録商標、バンダービルト社製)0.5重量部とを加え加熱溶解した。これにより得られた溶液に先に調製した前記粉末部を加え、ホモミクサーで粉末を均一に分散させた後、70℃に保温し、水相成分を得た。
【0227】
次いで、前記水相成分とは別に、ステアリン酸2.0重量部と、セチルアルコール0.3重量部と、流動パラフィン20.0重量部と、香料(適量)と、防腐剤(適量)とを混合して加熱溶解した後、70℃に保温し、油相成分を得た。
【0228】
得られた油相成分に前記水相成分を加えて、予備乳化を行い、ホモミクサーで均一に乳化・分散後、かきまぜながら冷却させて乳化型ファンデーションを得た。
【0229】
得られた乳化型ファンデーションは、肌に塗布する際の滑りに優れ、滑らかで使用感に優れたものであった。また、パウダーファンデーションは、吸水性及び吸油性に優れるものであり、肌に塗布されることで、汗および皮脂を吸収して、肌をさらさらに整えることができるものであった。また、乳化型ファンデーションは、肌に塗布されることにより、肌の欠点を補正する(シミ、ソバカス、毛穴などを目立たなくする)ことができるものであった。
【0230】
〔実施例12:ルースパウダーの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)21.0重量部と、粘土鉱物類としての雲母30.0重量部と、粘土鉱物類としてのセリサイト30.0重量部と、粘土鉱物類としてのチタンセリサイト9.0重量部と、二酸化チタン8.0重量部と、色材原料としての酸化鉄2.0重量部とをヘンシェルミキサーで混合した後、Retsch社製のロータースピードミルZM−100を用いて、1回粉砕(12本刃ローター使用、1mmスクリーン装着、回転数14000rpm)し、ルースパウダーを得た。
【0231】
得られたルースパウダーは、肌に塗布する際の滑りに優れ、滑らかで使用感に優れたものであった。また、肌に塗布されることで汗、および皮脂を速やかに吸収して、化粧持ちに優れるものであり、肌の欠点を補正する(シミ、ソバカス、毛穴などを目立たなくする)ことができるものであった。
【0232】
〔実施例13:ボディパウダーの製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)50.0重量部と、粘土鉱物類としての雲母25.0重量部と、粘土鉱物類としてのセリサイト25.0重量部とをヘンシェルミキサーで混合した後、Retsch社製のロータースピードミルZM−100を用いて、1回粉砕(12本刃ローター使用、1mmスクリーン装着、回転数14000rpm)し、ボディパウダーを得た。
【0233】
得られたボディパウダーは、肌に塗布する際の滑り、使用感に優れ、また、汗、および皮脂を速やかに吸収することができるものであった。
【0234】
〔実施例14:塗料の製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)3重量部と、市販の水系樹脂バインダー液(固形分30%、ALBERDINGK社製、商品名「U330」)20重量部とを遠心攪拌機により3分間攪拌して、分散液を得た。この工程において、樹脂粒子は、遠心攪拌機により3分間攪拌することで、水系樹脂バインダーに容易に分散した。
【0235】
そして、得られた前記分散液を3時間放置した後、再び遠心攪拌機により3分間攪拌することによって、塗料を得た。
【0236】
得られた塗料は、12時間経過後も振り混ぜるだけで樹脂粒子が再分散し、再分散性に優れたものであった。
【0237】
(アクリル板の塗工)
前記塗料を厚み3mmのアクリル板に吹き付け塗工することにより、厚み50μmの艶消し塗膜を作成した。得られた塗膜は、ブツ(突起)も見られず、良好な艶消し性を有していた。
【0238】
〔実施例15:光拡散部材の製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)3重量部と、アクリル系バインダー(三菱レイヨン社製、商品名「ダイヤナール(登録商標)LR−102」)4.5重量部とを混合した分散液に、トルエンとメチルエチルケトンを1:1で混合した溶液を6重量部添加した。これを遠心攪拌機により3分間攪拌した。得られた溶液を3時間放置した後、再び遠心攪拌機により3分間攪拌した。次いで、得られた溶液をPETフィルム上に100μmコーターを用いて塗布した。これにより得られたフィルムを70℃に保った乾燥機にて1時間乾燥することで、前記PETフィルム上に塗膜を形成させ、光拡散部材としての光拡散フィルムを得た。
【0239】
得られた光拡散フィルムの塗工面を、摩擦堅牢度試験機を用いて布で20回往復研磨し、研磨後の光拡散フィルムの傷付き具合を目視で観察したが、線傷、及び樹脂粒子の脱落は確認されず、塗膜中において、樹脂粒子が前記アクリル系バインダーに馴染んでいることが認められた。また、得られた光拡散フィルムは、樹脂粒子の配合により、良好な光拡散性を有していた。
【0240】
〔実施例16:薬効成分含有粒子の製造例〕
実施例1で得られた樹脂粒子(多孔質樹脂粒子)5重量部と、薬効成分としてのビタミンE3重量部とをパレットナイフで充分練り合わせることにより、薬効成分含有粒子を得た。
【0241】
〔実施例17:薬効成分含有粒子を含む外用剤の製造例〕
実施例16で得られた薬効成分含有粒子50.0重量部と、粘土鉱物類としての雲母25.0重量部と、粘土鉱物類としてのセリサイト25.0重量部とをヘンシェルミキサーで混合した後、Retsch社製のロータースピードミルZM−100を用いて、1回粉砕(12本刃ローター使用、1mmスクリーン装着、回転数14000rpm)し、ボディパウダーを得た。
【0242】
得られたボディパウダーは、肌に塗布する際の滑り、使用感に優れるものであった。
【0243】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0244】
また、この出願は、2013年3月29日に日本で出願された特願2013−074210に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
図1
図2
図3
図4