特許第6019230号(P6019230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019230
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】地震水平線の決定を向上させるための方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/34 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   G01V1/34
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-525866(P2015-525866)
(86)(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公表番号】特表2015-529814(P2015-529814A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】EP2013066492
(87)【国際公開番号】WO2014023737
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年4月9日
(31)【優先権主張番号】61/681005
(32)【優先日】2012年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510122762
【氏名又は名称】トタル ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】TOTAL SA
(73)【特許権者】
【識別番号】506066777
【氏名又は名称】サントゥル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティ フィック セーエヌエールエス
(73)【特許権者】
【識別番号】514082686
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ドゥ ボルドー
(73)【特許権者】
【識別番号】515036578
【氏名又は名称】エコール ナシオナル シュペリユール デ シオンス アグロノミック ドゥ ボルドー−アキテーヌ
(73)【特許権者】
【識別番号】512082439
【氏名又は名称】アンスティテュ ポリテクニック ドゥ ボルドー
【氏名又は名称原語表記】Institut Polytechnique De Bordeaux
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジンク,ギョーム
(72)【発明者】
【氏名】ドニア,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィアル,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨン,セバスチアン
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−503533(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0118293(US,A1)
【文献】 特表平04−501929(JP,A)
【文献】 特表2011−521260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震画像から、Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸を含む3次元領域(1)におけるXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数である地震水平線の少なくとも一部を決定する処理を向上させるための方法であって、
Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸に沿った座標に関連する点を有する上記地震画像を受信するステップ(S1)と、
Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸における座標に関連する複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,206,207,208)を受信するステップ(S2)と、
Xベクトル軸,Yベクトル軸によって定義された参照面(10)において、上記複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,206,207,208)における少なくとも1つの関連する制御点について、Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する関連する参照点を定義するステップと、を含み、
複数の関連する参照点(210,220,230,240,250,260,270,280)において、上記参照点は、上記関連する制御点のXベクトル軸およびYベクトル軸における座標に一致するXベクトル軸およびYベクトル軸における座標を有し、
上記参照面(10)において、複数の参照点(210,220,230,240,250,260,270,280)における1つの参照点を含む疑似矩形を定義するステップ(S3)をさらに含み、
上記定義された疑似矩形のうちの現疑似矩形の各々について、
微分同相変換Fを適用するステップと、
上記変換された関連する制御点(602)を含む、変換された水平線の部分(7020)を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用するステップ(S52,S53,S54,S55)と、
逆微分同相変換F−1を、変換された水平線(7020)の上記決定された部分に適用することを含む上記水平線(720)の一部を計算するステップと、を含み、
上記微分同相変換Fは、
Xベクトル軸,Yベクトル軸の座標の関数であり、X’ベクトル軸,Y’ベクトル軸,Zベクトル軸を含む新たな領域を定義し、
上記現疑似矩形における点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する地震画像の点を、現疑似矩形に関連する、関連する制御点を含む地震画像の点に変換し、
上記現疑似矩形を、対応する矩形に変換することを含み、
上記地震水平線の再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くステップ(S54)を含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数、Δは新しい領域におけるラプラス演算子を示し、divは新しい領域における発散ベクトル演算子を示し、rは、X’ベクトル軸およびY’ベクトル軸に沿った座標の固定の関数である、方法。
【請求項2】
疑似矩形は、疑似矩形(3220)に含まれる上記参照点(220)が上記疑似矩形(3220)の現参照端部(320)に属するように定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
微分同相変換Fを適用する前に(S50)、上記定義された疑似矩形における上記疑似矩形(3220)の現参照端部(320)に属する参照点(220)を含む現疑似矩形(3220)の各々に、および、上記現疑似矩形(3220)の現参照端部の各々に、上記現参照端部の参照端部の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する端部の点に水平線アルゴリズムを適用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記定義された疑似矩形のうちの疑似矩形の各々の少なくとも1つの参照コーナーは、複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,206,207,208)において、関連する制御点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
上記受信された複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,206,207,208)は、少なくとも3つの関連する制御点(201,202,203)を含み、
疑似矩形を定義するステップは、
参照面(10)において参照点を特定し、
三角分割法を使用して、上記特定された参照点(210,220,230,240,250,260,270,280)において、第1参照コーナー(210),第2参照コーナー(220),第3参照コーナー(230)を有する三角形を特定し、
上記特定された三角形の各々において、
上記三角形の参照重心(2123)を特定し、
上記第1参照コーナー(210)および上記第2参照コーナー(220)によって定義された上記区分の第1参照中心(212)を特定し、
上記第1参照コーナー(210)および上記第3参照コーナー(212)によって定義された上記区分の第2参照中心(213)を特定することを含み、
疑似矩形は、上記第1参照中心(212)を有する上記第1参照コーナー(210)、上記第1参照重心(2123)を有する上記第1参照中心(212)、上記第2参照中心(213)を有する上記参照重心(2123)、上記第1参照コーナー(210)を有する上記第2参照中心(213)を接続する区分によって定義される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
微分同相変換Fを適用する前に(S50)、
特定された三角形について、
上記特定された対応する三角形の第1,第2,第3参照コーナー(210),(220),(230)に関連した上記複数の関連する制御点において、第1,第2,第3の関連する制御点(201),(202),(203)を特定し、
第1局所水平線の第1部分を決定するために、Zベクトル軸を含み、第1,第2の関連する制御点(201),(202)を含む平面の点に水平線再構成アルゴリズムを適用し、
上記第1参照中心のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する第1局所水平線の上記第1部分において第1の関連する中心点を特定し、
第2局所水平線の第2部分を決定するために、Zベクトル軸を含み、第1,第3の関連する制御点(201),(203)を含む平面の点に水平線再構成アルゴリズムを適用し、
上記第2参照中心(213)のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する上記第2局所水平線の上記第2部分において、第2の関連する中心点を特定し、
上記特定された三角形の上記参照重心(2123)のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する、関連する中間点のZベクトル軸に沿った座標を計算することを含み、上記Zベクトル軸に沿った座標の計算は、上記決定された第1または第2局所水平線における点の座標の関数である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記特定された三角形の上記関連する中間点のZベクトル軸に沿った座標を計算するステップは、Zベクトル軸を含み、上記参照重心を有する上記第1参照中心(212)を接続する上記区分、または、参照重心(2123)を有する上記第2参照中心(213)を接続する上記区分を含む平面の点に水平線再構成アルゴリズムを適用することによって達成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記関連する中間点のZベクトル軸に沿った座標を計算するステップは、少なくとも上記第1,第2の関連する中心点(212),(213)のZベクトル軸に沿った座標の上記中間点を計算することによって達成される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記ポアソン方程式は、フーリエ変換アルゴリズムを使用することで(S54)、解かれる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
上記定義された疑似矩形は、上記参照面(10)の連続部分を描く、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
上記定義された疑似矩形のうちの現疑似矩形の各々の上記水平線(720)の少なくとも計算された部分から地震水平線(800)の部分を計算するステップをさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
上記定義された疑似矩形のうちの現疑似矩形の各々の上記水平線(720)の少なくとも上記計算された部分から地震水平線(800)の部分を計算するステップをさらに含み、地震水平線(800)の部分を計算した後、
上記関連する制御点に関連する変更情報を受信するステップと、
上記関連する制御点に関連する上記受信した変更情報によって影響される疑似矩形を特定するステップと、
上記関連する制御点に関連する上記受信した変更情報に影響される上記疑似矩形に占める領域に対応する局所領域において、疑似矩形の新しい組を定義するステップと、を含み、
疑似矩形の上記新たな組のうちの現疑似矩形の各々に、
微分同相変換Fを適用するステップ(S50)と、
変換された水平線の部分を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用するステップ(S52,S53,S54,S55)と、
逆微分同相変換F−1を、変換された水平線(7020)の上記決定された部分に適用することを含む、上記水平線(720)の部分を計算するステップと、を含み、
上記微分同相変換Fは、
Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数であり、X’ベクトル軸,Y’ベクトル軸,Zベクトル軸を含む新たな領域を定義し、
上記現疑似矩形の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有し、上記現疑似矩形に関連する上記関連する制御点を含む上記地震画像の点を変換し、
上記現疑似矩形を、対応する矩形に変換することを含み、
変換された水平線(7020)の上記部分は、上記変換された、関連する制御点(602)を含み、上記地震水平線の上記再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くステップを含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数であり、Δは、上記新たな領域におけるラプラス演算子を示し、divは、上記新たな領域における発散ベクトル演算子を示し、rはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の固定関数である、請求項5〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸を含む3次元領域(1)における地震画像の少なくとも一部を決定する処理を向上させるための装置(1300)であって、
上記地震画像は、上記3次元領域(1)におけるXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数であり、
Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸に沿った座標に関連する点を有する上記地震画像を受信(S1)し、Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸における座標に関連する、複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,205,206,207,208)を受信(S2)するための入力インターフェース(1303)と、
複数の関連する制御点(201,202,203,204,205,206,207,208)における少なくとも1つの関連する制御点について、Xベクトル軸,Yベクトル軸によって定義された参照面(10)において、複数の参照点(210,220,230,240,250,260,270,280)における、上記関連する制御点のXベクトル軸,Yベクトル軸の座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸における座標を有する、関連する参照点を定義するための回路(1304)と、
上記参照面(10)において、複数の参照点(210,220,230,240,250,260,270,280)における参照点を含む疑似矩形を定義するための回路(1304)と、
上記定義された疑似矩形のうちの現疑似矩形の各々に適用される回路(1304)と、
微分同相変換F(S50)を適用する手段と、
変換された水平線の部分を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用する手段(S52,S53,S54,S55)と、を備え、
上記微分同相変換Fは、
Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数であり、X’ベクトル軸,Y’ベクトル軸,Zベクトル軸を含む新たな領域を定義し、
上記現疑似矩形の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有し、上記現疑似矩形に関連する上記関連する制御点を含む上記地震画像の点を変換し、
上記現疑似矩形を、対応する矩形に変換し、
変換された水平線(7020)の上記部分は、上記変換された、関連する制御点(602)を含み、上記地震水平線の上記再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くステップを含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数であり、Δは、上記新たな領域におけるラプラス演算子を示し、divは、上記新たな領域における発散ベクトル演算子を示し、rはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の固定関数である、装置。
【請求項14】
プログラム指示を含むコンピュータプログラムが記録されたコンピュータプログラムを有し、
上記コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされ、上記コンピュータプログラムが上記データ処理ユニットによって実行されるとき、上記データ処理ユニットが請求項1〜12のいずれかの処理を実行するよう適用される、非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、地震水平線(a seismic horizon)を決定するための実装方法の分野に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、先行技術の欠点を被ることなく、地震水平線の決定を向上させる方法に関する。
【0003】
地面における地震波の発生器と、その反射の検出器を含む地質調査は、石油貯留の位置の決定および/または地下を形成する多くの層の構成および厚みを知るために行われる。反射法地震探査技術は、地面を伝搬し、境界で反射する地震波を生成することから成る。これらエコーの正確な測定およびより具体的な到達時刻の測定は、地震波が通過する層の形状、深さ、構成の決定を可能にする。
【0004】
これらデータ信号の計測の前の最初の段階において、既知の技術である画像生成アルゴリズムは、超音波検査画像と呼ばれる地震画像の形成において、地下の未加工の画像を再構成するために使用される。これら画像は、形状が2次元または3次元である。そのような地震画像は、局所インピーダンス変化に依存して、密度が地震波の振幅に相関される画素を含む。
【0005】
地球物理学者は、振幅に関連する情報を示す地震画像を操作するのに慣れている。単に、そのような地震画像を見ることによって、地球物理学者は、明確な特徴を有する地下の領域を特定することが可能であり、地下の対応する構造を決定するために、これらを使用する。
【0006】
地震画像から構造情報を抽出する自動技術が知られている。これらは、一般的に地震水平線再構成アルゴリズムを含む。地震水平線再構成アルゴリズムは、地震画像において振幅勾配を分析し、その勾配を横切る方向における局所傾斜の正接を抽出する。地震画像を用いて地震水平線を再構成するために使用される技術の例は、例えば、仏国特許出願2,869,693および米国出願2013/0083973に記載されている。
【0007】
層の正確な深さは、他のデータ入力によって、または、信憑性のある地質情報のために知ることができる。したがって、地震水平線に属することが分かっている地震画像に、固定の関連する制御点を定めるのに役立つ。限定された関連する制御点に課された条件を、地震再構成アルゴリズムに実装することによって地震水平線を計算するのに役立つ。
【0008】
関連する制御ポイントに課された条件を用いて、地震水平線を再構成するための方法は、J.LomaskおよびA.Guittonによる年次総会拡張抄録(Annual Meeting Expanded Abstracts)で、物理探査学会(Society of Exploration Geophysicists(SEG))、2006、pp1053−1056「地質制約をフラット化する」という記事に記載されている。
【0009】
この記事に記載されている方法は、局所傾斜に依存する2次元非線形偏微分方程式を解くことによって包括的アプローチを考慮する。偏微分方程式は、決定的な処理がポアソン方程式の解像度である反復アルゴリズムによってガウス−ニュートンアプローチを用いて解かれる。そのアプローチは、関連する制御点が入力として、どのように受け取られるとしても、地震画像の全体領域における地震水平線を計算する点で包括的である。
【0010】
現地震水平線を提供するとしても、Lomaskらによって提案される方法は、2つの主な欠点を有する。つまり、計算コストは、大量のデータのために法外であり、数に変化が生じるごとに、および/または、入力として受け取られた関連する制御点の位置に変化が生じるごとに、地震画像の全体領域において反復アルゴリズムを解く必要がある。
【0011】
Lomaskによって実装される水平線再構成アルゴリズムの高い計算コストは、反復アルゴリズムのコアステップを形成するポアソン方程式を解くための計算手段によって増加する。一般的に、他の反復アルゴリズムがポアソン方程式を解くために使用されてもよい。Lomaskによって開示されている方法は、他の反復アルゴリズム内に反復アルゴリズムを含む。
【0012】
これら欠点を解決するために、水平線再構成の計算速度を最適化する地震水平線の決定の向上が求められる。
【0013】
そのような最適化を達成し、先行技術の欠点を解決するために、本発明は、地震画像から、Xベクトル,Yベクトル,Xベクトル軸を含む3次元領域における地震水平線の少なくとも一部の決定を向上させる方法を提供する。この3次元領域において、地震水平線は、Xベクトル、Yベクトル軸に沿った座標の関数である。方法は、
Xベクトル,Yベクトル,Zベクトルの軸に沿った座標の関数と関連付けられた点を有する地震画像を受信するステップと、
Xベクトル,Yベクトル,Zベクトルの軸における座標に関連付けられた複数の関連する制御点を受信するステップと、
Xベクトル,Yベクトルの軸によって定義される参照面において、Xベクトル,Yベクトルの軸に沿った座標を有する参照点であって、複数の参照点において、上記関連する制御点のXベクトル,Yベクトルの軸における座標に一致するXベクトル,Yベクトルの軸における座標を有し、関連する参照点を定義するステップと、
複数の参照点において参照点を含む疑似矩形を定義するステップと、を含む。
【0014】
次のステップにおいて、本発明は、定義された疑似矩形のうちの現疑似矩形(current pseudo-rectangle)の各々に対して、
微分同相変換Fを適用するステップと、
上記変換された関連する制御点を含む、変換された水平線の部分を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用するステップ(S52,S53,S54,S55)と、
変換された水平線の上記決定された部分に逆微分同相変換F−1を適用することを含む、上記水平線の一部を計算するステップと、を含み、
微分同相変換Fは、
Xベクトル,Yベクトルの関数であり、Xベクトル,Yベクトル,Zベクトルの軸を含む新しい領域を定義し、
上記現疑似矩形に関連付けられた上記関連する制御点を含み、上記現疑似矩形における点のXベクトル,Yベクトルの軸に沿った座標を有する上記地震画像の点を変換し、
現疑似矩形を対応する矩形に変換することを含み、
地震水平線の再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くことを含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数、Δは新しい領域におけるラプラス演算子を示し、divは新しい領域における発散ベクトル演算子を示し、rは、X’ベクトル軸およびY’ベクトル軸に沿った座標の固定の関数である。
【0015】
疑似矩形という用語は、凸面形状を有する四角形をいい、つまり各内角が180°より小さい。単純な微分同相変換は、凸面の四角形を矩形に変換するために使用することができる。
【0016】
軸Xベクトル,Yベクトル,Zベクトルは、3次元領域における点ごとに、対応するx,y,z座標を定義するために使用することができる。
【0017】
明確にするために、上記参照面に属する任意の点は、付属の参照、例えば参照中心を使用することで参照される。同じx,y座標を有する地震水平線において対応する点は、付属の関連する、例えば関連する中心点を使用することで参照される。
【0018】
本発明の有利な特徴は、3次元領域を区切る疑似矩形の定義にある。これら各点は、疑似矩形断面を有し、関連する制御点の近傍の点を含む。水平線再構成アルゴリズムは、3次元領域のこれら部分の点に適用される。これら部分の合計体積は、疑似矩形によって定義される部分の全ての体積の合計に対応し、全体の地震画像に対応する領域の体積より小さい。体積のこの減少は、水平線アルゴリズムの計算速度の最初の向上をもたらす。
【0019】
本発明の第2の有利な特徴は、ポアソン方程式を解くための高速手段を提供することであり、後者は水平線再構成アルゴリズム内に反復アルゴリズムを実装している。そうするために、本発明は、をX’ベクトル,Y’ベクトル軸の軸によって定義される変換された参照面において、疑似矩形の各々に対応する矩形に変換する、対応する微分同相変換Fを、それぞれ先に定義された疑似矩形について導出する。同じ微分同相変換Fは、3次元領域の対応する部分の点を、対応する矩形によって区分される3次元領域の変換部分内にある変換点に変換する。この変換の目的は、例えば反復アルゴリズムに依存しない直接の計算技術を使用することによって、ポアソン方程式が1段階で解かれる条件を満たすことである。少なくとも2つの条件が、高速な計算を可能にするために満たされることは、個別のシステムにおいてポアソン方程式を解く技術分野の当業者に知られている。
方程式が解かれる3次元領域の部分は、矩形または円形断面を有し、これは、ノイマン条件と呼ばれる境界における特有の条件に関連付けられている。
3次元領域の部分の端部に沿った境界条件は、知られており、後半の条件は、ディリクレ境界条件と呼ばれる。
【0020】
本発明において、疑似矩形の矩形への微分同相変換は、第1条件が満たされることを確実にする。疑似矩形に関連付けられた微分同相変換は、Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標が疑似矩形における点と一致する地震画像の全ての点に適用される。Zベクトル軸に沿った座標は、その変換によって影響されない。第2条件は、入力として受信された関連する制御点および既知の座標に関連する参照点を含む疑似矩形を定義することによって満たされる。
【0021】
本発明の他の本来の特徴は、各微分同相変換が、疑似矩形における点と同様のx,y座標を有する点を含む地震画像の点に適用されるという事実にある。従って、ポアソン方程式の複合体の解像度を行う、変数係数を有した微分演算子によってポアソン方程式のラプラス演算子を置き換える必要はない。本発明において、発散演算子および固定関数rは、変換されるものであり、それにより高速な解法の実施を可能にし、必ずしもマトリックス法を実施する必要はない。
【0022】
最後に、本発明の他の本来の特徴は、受信した関連する制御点を含むのに適した任意の断面を有する3次元領域の部分を定める疑似矩形を選択する可能性がある。これは、高密度の関連する制御点を局所的に有する領域を有した、関連する制御点が3次元領域において散在している状況において、特に興味深い。そのような状況において、矩形断面を有する3次元領域の部分を定義することは、縮退矩形と呼ばれる小さな寸法で矩形を定義する必要ができるものであれば特に難しいかもしれない。水平線再構成アルゴリズムは、縮退矩形によって定義された部分における不十分な数のデータ点を被り、正確でない結果を提供するかもしれない。疑似矩形の使用は、矩形によって区切られる3次元領域の部分を定義するときに生じる不利益を被ることなく、関連する制御点の局所分布に適用される形状を選択するときに、より自由を与える。
【0023】
より具体的に、疑似矩形に含まれる参照点が疑似矩形の現参照端部に属するよう疑似矩形が定義されていることが有利である。
【0024】
この実施形態において、地震水平線の部分は、疑似矩形によって区分された領域の一部の境界を最初に決定することによって、決定される。現疑似端部において参照点を有することによって、地震水平線の境界を計算するための手段を提供することによって、アルゴリズムの効率を高める。参照点が、疑似矩形の現参照端部に属するとき、関連付けられた関連する制御点は、地震水平線の関連する端部に属する。次に、求められる地震水平線における境界の計算を実施することが可能である。
【0025】
本発明の方法のさらなる改良は、現参照端部における参照点を含む疑似矩形によって区切られた境界条件を見つけるための有利な方法を選択することにある。
【0026】
この目的のために、微分同相変換Fを適用する前に、方法は、定義された疑似矩形において、疑似矩形の現疑似端部に属する参照点を含む現疑似矩形の各々に、および、現疑似矩形の現参照端部ごとに、水平線アルゴリズムを、現参照端部の参照端部の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する端部の点に適用することを含む。
【0027】
これら境界条件を計算するよう実装された水平線アルゴリズムは、解法がラインとして2次元でグラフィックに表現される関数である限り、単純化されたアルゴリズムであってもよい。まず、現参照端部は、関連する制御点に関連付けられた参照点を含むものとして有利に選択されてもよい。関連する制御点を含み、第1の現参照端部の参照端部の点に関連付けられた第1の関連する端部を形成する第1水平線は、決定されてもよい。この第1の関連する端部の先端は、第2,第3の現参照端部の参照端部点に関連付けられた現疑似矩形によって区分された3次元領域の部分の面の点において類似の形式で水平線再構成アルゴリズムを実施することによって、第2,第3の関連する端部を決定するために使用される。第2,第3の関連する端部の2つの先端は、第4の関連する端部の先端に対応する。したがって、第4の関連する端部は、水平線が第4の関連する端部の両方の先端を通過する状況において、第4の現参照端部に関連付けられた面の端部の点に水平線再構成アルゴリズムを実装することによって、決定されてもよい。
【0028】
いくつかの疑似矩形のような、微分同相変換を疑似矩形の各々に適用するより先に、境界の計算を行うことは有利であり、したがって、これら疑似矩形によって区分される3次元領域の一部は、端部の少なくとも一部を共有してもよい。このように、隣接する疑似矩形によって区切られた3次元領域の部分の既に計算された境界を使用することによって、境界条件を決定するよう行われる計算の数を軽減することができる。しかしながら、微分同相変換Fを適用した後、変形された領域における疑似矩形の各々に対して、これら計算を個々に行うことは可能であってもよい。本発明の代わりの実施形態において、2つの隣接する疑似矩形によって区分された3次元領域の部分について一致する境界の部分を再利用するために、対応する逆微分同相変換F−1を使用することができる。疑似矩形を定義するためのいくつかの技術は、特に有利であり、アルゴリズムの計算時間を減らし、実施が容易である。
【0029】
例えば、定義された疑似矩形における各疑似矩形の少なくとも1つの参照コーナーが、複数の関連する制御点における関連する制御点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する疑似矩形を定義することが可能である。
【0030】
そのような実施形態において、定義された疑似矩形における疑似矩形の各々は、関連する制御点に関連付けられた参照コーナーを有し、従って、例えば連続の水平線再構成アルゴリズムを、コーナーおよびZベクトル軸を含む参照端部を含む3次元領域の部分の面の点によって、境界条件の簡単な計算を可能にする。
【0031】
特に有利な構成において、受信した複数の関連する制御点は、少なくとも3つの関連する制御点を含み、疑似矩形を定める工程は、
参照面において参照点を特定するステップと、
三角測量を使用して、特定された参照点において第1参照コーナー、第2参照コーナーおよび第3参照コーナーを有する三角形を特定するステップと、
特定された三角形の各々において、
上記三角形の参照重心を特定するステップと、
第1参照コーナーおよび第2参照コーナーによって定義されたセグメントの第1参照中心を特定するステップと、
第1参照コーナーおよび第3参照コーナーによって定義されたセグメントの第2参照中心を特定するステップと、を含み、
疑似矩形は、第1参照中心を有する第1参照コーナー、第1参照重心を有する第1参照中心、参照重心を有する第1参照中心、第2参照中心を有する参照重心、および、第1参照中心を有する第2参照中心を接続するセグメントによって定義される。
【0032】
疑似矩形を定義する、そのような方法は、いくつかの利点を提供する。まず最初に、どのような関連する制御点の分布であっても、コンピュータプログラムによって簡単に実装される。次に、この方法は、所定の三角形の部分である疑似矩形の領域が実質的に同じのため、疑似矩形のサイズ分布を最適化することができる。第3に、疑似矩形を定義するためのこの方法は、疑似矩形の各々の参照コーナーが関連する制御点に関連づけられ、三角形が参照点を接続する線を定義するので、境界条件の決定を容易にする。これらラインは、水平線再構成アルゴリズムを、Zベクトル軸を含み、関連する制御点の2つを含む面の点に適用することによって、対応する水平線の容易な計算を可能にする。
【0033】
より具体的に、疑似矩形がこのように定義されると、本発明の方法は、特定された三角形について、微分同相変換Fを適用するより先に、
特定された三角形の対応する第1,第2,第3参照コーナーに関連する複数の関連する制御点において第1,第2,第3の関連する制御点を特定するステップと、
第1局所水平線の第1部分を決定するために、Zベクトル軸を含み、第1,第2の関連する制御点を含む面の点に水平線再構成アルゴリズムを適用するステップと、
第1参照中心のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有する第1局所水平線の第1部分の第1の関連する中心点を特定するステップと、
第2局所水平線の第2部分を決定するために、Zベクトル軸を含み、第1,第3の関連する制御点を含む水平線再構成アルゴリズムを適用するステップと、
特定された三角形の参照重心のXベクトル軸およびYベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸およびYベクトル軸に沿った座標を有する第2局所水平線の第2部分において第2の関連する中心点を特定するステップと、を含み、Zベクトル軸に沿った座標の計算は、決定された第1または第2の局所水平線についての点の座標の関数である。
【0034】
より具体的に、関連する中間点のz座標の計算は、第1または第2の局所水平線、または、関連する中心点先端の1つに属する任意の点の関数であってもよい。上述の方法は、1つの重要な利点から利益を得ることができる。第1の特定された三角形のために一度に、多くの処理が実行されるので、多くの計算上の観点から特に有利であるが、隣接する三角形に関連付けられた点に本方法に適用するときに省略されてもよい。これは、より具体的に、三角形の2つの参照コーナーに関連付けられた2つの関連する制御点に接続する局所水平線の部分に関する。局所水平線のこれら点は、2つの隣接する三角形によって区分される3次元領域の2つの隣接する部分によって共有されてもよい。
【0035】
Zベクトル軸を含み、参照重心を有する第1参照中心を接続するセグメント、または、参照重心を有する第2参照中心を接続するセグメントを含む面の点に水平線再構成アルゴリズムを適用することによって、特定された三角形の関連する中間点のZベクトル軸に沿った座標を計算することが可能である。そうすることで、上述の方法の精度を高めることができる。
【0036】
代替的に、関連する中間点のZベクトル軸に沿った座標を計算するステップは、少なくとも第1,第2の関連する中心点のZベクトル軸に沿った座標の平均値を計算することによって達成される。
【0037】
この技術は、非常に迅速であり、三角形のサイズが小さい場合、特に良好な精度を提供することができる。
【0038】
いくつかの技術は、水平線再構成アルゴリズムにおいて計算されるポアソン方程式を解くよう予想される。その方程式のワンステップ直接解像度のために必要とされる条件が満たされると、フーリエ変換アルゴリズムを使用してポアソン方程式を解くことが有利である。
【0039】
後者のアルゴリズムは、良く知られており、例えば、離散データについてフーリエ変換を行うための多数の既存の蔵書によれば、コンピュータプログラムにおいて実装することが容易である。さらに、フーリエ変換アルゴリズムは、マトリックス方式に対する優れた代用であり、後者は計算がより複雑である。
【0040】
上述の方法は、個別の疑似矩形と同じx,y座標を有する点を含む3次元領域の部分に実施される。
【0041】
しかしながら、参照面の連続部分を描画する疑似矩形を定義することが可能である。
【0042】
これは、いくつかの計算されたデータ、例えば境界が、疑似矩形を隣接することによって区分された3次元領域の部分に再利用されるという事実によって、本方法の計算速度を速める。
【0043】
最終段階において、水平線の2次元部分は、定義された疑似矩形の各々に、計算されると、方法は、再構成された水平線のファイナライズ部分(finalized portion)を定義するよう水平線のこれら部分の組み立てを含んでもよい。
【0044】
そうすることによって、方法は、定義された疑似矩形において、各現疑似矩形の少なくとも計算された部分地震水平線の一部を計算し、その後地震水平線の一部を計算することを含んでもよい。方法は、
関連する制御点に関連する変更情報を受信するステップと、
関連する制御点に関連する、受信された上記変更情報によって影響された疑似矩形を特定するステップと、
上記関連する制御点に関連する上記受信した変更情報に影響される上記疑似矩形に占める領域に対応する局所領域において、疑似矩形の新しい組を定義するステップと、を含み、
疑似矩形の上記新たな組における現疑似矩形の各々に、
微分同相変換Fを適用するステップと、
変換された水平線の部分を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用するステップと、
逆微分同相変換F−1を、変換された水平線の上記決定された部分に適用することを含む、上記水平線の部分を計算するステップと、を含み、
上記微分同相変換Fは、
Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数であり、X’ベクトル軸,Y’ベクトル軸,Zベクトル軸を含む新たな領域を定義し、
上記現疑似矩形の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有し、上記現疑似矩形に関連する上記関連する制御点を含む上記地震画像の点を変換し、
上記現疑似矩形を、対応する矩形に変換することを含み、
変換された水平線の上記部分は、上記変換された、関連する制御点を含み、上記地震水平線の上記再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くステップを含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数であり、Δは、上記新たな領域におけるラプラス演算子を示し、divは、上記新たな領域における発散ベクトル演算子を示し、rはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の固定関数である。
【0045】
したがって、新たな関連する制御点が追加されるか、前者の関連する制御点が削除されると、方法は、行われる変更によって関係する3次元領域の一部に対して新たな計算が行われる3次元領域の一部を効率的に制限する。
【0046】
本発明は、地震画像から、Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸を含む3次元領域における地震水平線の少なくとも一部の決定を向上させるための装置に関する。上記地震画像は、上記3次元領域において、Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数である。上記装置は、
Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸に沿った座標に関連する点を有する上記地震画像を受信し、Xベクトル軸,Yベクトル軸,Zベクトル軸における座標に関連する、複数の関連する制御点を受信するための入力インターフェースと、
複数の関連する制御点における少なくとも1つの関連する制御点について、Xベクトル軸,Yベクトル軸によって定義された参照面において、複数の参照点における、上記関連する制御点のXベクトル軸,Yベクトル軸の座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸における座標を有する、関連する参照点を定義するための回路と、
上記参照面において、複数の参照点における参照点を含む疑似矩形を定義するための回路と、
現疑似矩形の各々について、上記定義された疑似矩形において適用される回路と、
微分同相変換Fを適用する手段と、
変換された水平線の部分を決定するために、水平線再構成アルゴリズムを上記変換された点に適用する手段と、を備え、
上記微分同相変換Fは、
Xベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標の関数であり、X’ベクトル軸,Y’ベクトル軸,Zベクトル軸を含む新たな領域を定義し、
上記現疑似矩形の点のXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標に一致するXベクトル軸,Yベクトル軸に沿った座標を有し、上記現疑似矩形に関連する上記関連する制御点を含む上記地震画像の点を変換し、
上記現疑似矩形を、対応する矩形に変換し、
変換された水平線の上記部分は、上記変換された、関連する制御点を含み、上記地震水平線の上記再構成は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くステップを含み、δτはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の未知の関数であり、Δは、上記新たな領域におけるラプラス演算子を示し、divは、上記新たな領域における発散ベクトル演算子を示し、rはX’ベクトル軸,Y’ベクトル軸に沿った座標の固定関数である。
【0047】
本発明は、プログラム指示を含むコンピュータプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロード可能であり、コンピュータプログラムがデータ処理装置により実行されるとき、データ処理ユニットが上述の方法の動作の流れを実行するよう適用される。
【0048】
本発明の方法は、下記の典型的な実施形態の詳細な記載を読むことにより、より理解されるだろう。これら実施形態は、例示的であり、限定的な意味ではない。添付図が提供される。
【0049】
図1は、3次元領域における地震画像の概略を示す。
【0050】
図2は、参照面における関連する制御点および関連する参照点を含む図1の3次元領域の概略を示す。
【0051】
図3は、図2の参照面の概略を示す。
【0052】
図4は、図3において示された平面の概略を示し、Zベクトルの軸、地震画像の一部、疑似矩形の現参照エッジ、現参照エッジにおける参照点に関連付けられた関連する制御点を含む。
【0053】
図5は、1つの関連する制御点、関連づけられた現疑似矩形、現疑似矩形によって区切られた、求められる地震画像の境界を含む図1の3次元領域の概略を示す。
【0054】
図6は、図5の疑似矩形に関連付けられた微分同相変換Fによって動作する変換の概略(AおよびB)を示す。
【0055】
図7は、図5,6の要素Aおよび図6の要素Bの疑似矩形に関連付けられた逆微分同相変換F−1によって動作する変換の概略(AおよびB)を示す。
【0056】
図8は、関連する制御点と、再構成される地震水平線の関連付けられた部分を含む図1の3次元領域の概略を示す。
【0057】
図9は、第2の実施形態における、図2の参照面の概略を示す。
【0058】
図10は、第2の実施形態において定義された3つの疑似矩形を有する図9の参照面の概略を示す。
【0059】
図11は、追加の関連する制御点によって影響される疑似矩形を示す図9の参照面の概略を示す。
【0060】
図12は、水平線再構成方法によって実施されるメインステップを示すフローチャートである。
【0061】
図13は、本発明を可能にする装置についての可能な実施形態である。
【0062】
分類のために、これら図に示される特徴の寸法は、必ずしも対応する要素の本当のサイズに対応している必要はない。図における同じ部材番号は、類似の要素または部品に対応する。
【0063】
図1は、Xベクトル,Yベクトル,Zベクトルの軸を有する3次元領域1における典型的な地震画像を示す。そのような画像は、明領域110,120,130と交互に暗領域101,102,103を含む。図1の地震画像に含まれるデータから、地球物理学者は、地震画像のデータの点に関連付けられた局所傾斜pの正接を抽出する。局所傾斜の正接は、x,y,z座標のクラスCの関数として表される。水平線再構成方法の目的は、x,y座標のクラスCの関数τ:(x;y)→τ(x,y)として表される、3次元領域1における2次元表面を見つけることであり、以下の条件を満たす。
【0064】
【数1】
【0065】
||は、平均(norm)、例えば絶対値を示し、∇は、勾配演算子を示し、Ωは、地震画像が計算される3次元領域1の一部を示す。上述の方程式を解くための水平線再構成アルゴリズムは、例えばLomaskらによる上述の文献のような既存の先行技術から良く知られている。
【0066】
水平線再構成アルゴリズムを実施する過程において、ある制約は、任意の計算された水平線が、入力として受け取られる全ての関連する制御点を通過しなければならないといった事実にある。
【0067】
いくつかのキーステップは、そのようなアルゴリズムにおいて実施される。一般的に、関数τ=τに対応する第1水平線が初期化される。そして、残余項rが計算される。この残余項rは、条件r(x;y)=∇τ(x;y)−p[x;y;τ(x;y)]を満たす座標x,yの他の関数であり、地震画像の局所傾斜の正接と水平線の勾配との差異に対応する。
【0068】
主な課題は、水平線再構成アルゴリズムを実施しながら、残余項rを最小化することにある。これは、関数τを補正することによって行われ、それにより水平線再構成アルゴリズムの各ステップkの後に、τk+1=τ+δτとなる。各ステップにおいて、更新項δτが計算され、下記の式を満たす。
【0069】
【数2】
【0070】
後に関数τに追加される、この更新項は、ポアソン方程式Δ(δτ)=−div(r)を解くことによって得られる。
【0071】
上述のように、本発明は、ポアソン方程式が計算される方法に存在する。
【0072】
図2に示されるように、方法は、3次元領域1における関連する制御点201,202,203,204,205,206,207,208を受信することを含む。これら関連する制御点201,202,204,205,206,207,208は、例えば、地面に実現された貫通孔のため、または、信憑性のある地質データのために、所定の水平線に属することが分かっている点である。水平線再構成アルゴリズムは、入力として3次元領域1の点のx,y座標を使用し、再構成された水平線を決定するために、Zベクトルの軸に沿った対応する座標を計算することに依存している。本発明の方法は、x,y座標に影響するが、z座標を変更しない、これら点における変換を含む。本発明の一部である疑似矩形および微分同相変換を定義する過程を単純化するために、関連する制御点に関連付けられた参照点210,220,230,240,250,260,270,280は、参照面10において定義され、この参照面はXベクトル,Yベクトルの軸によって定義される。参照点210,220,230,240,250,260,270,280は、関連する制御点201,202,203,204,205,206,207,208と同様にXベクトル,Yベクトルの軸に沿ったx,y座標を有する。点210(220,230,240,250,260,270,280)は、平面(Xベクトル,Yベクトル)における関連する制御点201(202,203,204,205,206,207,208)の投影である。
【0073】
図3に示されるように、本発明は、関連する制御点に関連付けられた参照点210,220,230,240,250,260,270,280を含む参照面10において、疑似矩形を定義することを含む。これは、多くの異なる方法で行われ、いくつかは図3,9,10において示されている。図3において、疑似矩形は、参照点210,220,230,240,250,260,270,280の1つを含む。後者の点は、現疑似矩形に位置する。例えば、参照点280は、現疑似矩形の参照コーナーに属し、参照点220は、現疑似矩形3220の現在の参照端部に属する。
【0074】
参照点210,220,230,240,250,260,270,280を含む疑似矩形は、ノイマン条件と呼ばれる境界条件を評価する。境界に対する外部参照ωベクトルに沿った更新項は、0または0に固定された中間値に等しいと想定される。すなわち、現疑似矩形によって区分された3次元領域1の部分Ωにおける水平線の端部に沿ったx,y座標の値について、下記式のように次のスカラー積は0に等しい。
【0075】
【数3】
【0076】
そのような疑似矩形において、これら境界が水平線再構成アルゴリズムを素早く解くために必要でないため、境界条件を計算することを避けることが有利である。地震水平線の隣接する計算された部分が連続的な平面を形成することを評価することは有利であり、共有の境界において不連続がないことを確実にするために補正を行うことは有利である。
【0077】
他の実施形態において、ディリクレ(Dirichlet)条件を評価するため、および、疑似矩形についての異なる決定された水平線が連続することを確実にするために、現疑似矩形によって区分された3次元領域1の部分Ωにおいて、水平線の端部における境界条件を計算することは有利である。図3において、Zベクトルの軸によって定義され、参照点220および参照コーナー2220,2210を含む平面20が示される。この平面20は、現疑似矩形3220の現参照端部320を含む。図3において、この平面20は、ラインで示されている。
【0078】
図4において、同じ平面20は、平面20からの点、参照点220、関連する制御点202および参照コーナー2220,2210と同様の、3次元領域1における座標を有する地震画像からの点が示される。関連する制御点202を含み、地震画像に属する関連する端部302を見つけるために、水平線再構成アルゴリズムは、平面20の点に適用される。この水平線再構成アルゴリズムは、2次元におけるポアソン方程式を含むため、実装がより簡単である。すなわち、1つの変数関数として表され、平面においてグラフィカルに示される関数τを計算する。図4に示されるように、再構成された水平線302は、地震画像から点の傾斜の接線に従う傾向にある。
【0079】
求める水平線の境界は、図5に示される。図5は、疑似矩形3220によって区分される3次元領域1の一部を示す。この部分は、4つの面を含む。面501は、左側、面504は右側、面502は背面側、面503は正面側に現れている。面501に含まれる、求められる水平線に対応する水平線に対応する、関連する端部302を知ることにより、境界402を計算することが可能である。水平線302は、現疑似矩形によって区分される3次元領域1の現在の部分の隣接面502,503に沿った他の水平線を計算するために使用される。そうすることにより、水平線の2201,2202は、第2,3水平線を決定するために、2つの水平線再構成アルゴリズムにおいて使用される。第2水平線は、2202を通過し、面503に含まれる。残りの面504に含まれる水平線は、面504の点に水平線再構成アルゴリズムを適用することによって決定される。それにより、水平線は第2水平線の端2203および第3水平線の端2204を通過する。
【0080】
このアプローチは、現疑似矩形によって区分される3次元領域1の部分Ωにおける境界条件の決定に導く。それにより、ディリクレ(Dirichlet)境界条件を満たす。図5は、関連する制御点202に関連付けられた現疑似矩形により区分された3次元領域1の現在の部分Ωにおいて決定された境界420を示す。
【0081】
上述の記載および例は、現在の部分Ωにおける境界条件を決定する方法を記載しているが、このステップをスキップし、以下の方法に処理を進めることが可能である。この発明の方法は、1つの関連する制御点が現在の部分Ωに含まれる場合に有効である。関連する制御点が現疑似矩形の参照コーナーと同様にx,y座標を有する構成のような代用は、関連する制御点208の場合のように、本発明と適合している。任意の境界条件が満たされている限り、本発明の方法は、現疑似矩形について、現疑似矩形を、対応する矩形に変換する微分同相変換Fを特定することによって処理する。現疑似矩形について、そのような微分同相変換Fは、座標(x;y)を、対応する座標(x’;y’)に変換する関数である。
【0082】
【数4】
【0083】
図6(要素A)は、境界420によって表されるディリクレ(Dirichlet)条件が計算される、関連する制御点202に関連付けられた現疑似矩形によって区分される3次元領域の現在の部分Ωを示す。現在の部分Ωの全ての点は、対応する矩形および図6の要素Bにおいて示される対応する矩形によって区分される新たな領域Ω’を得るために、微分同相変換Fを使用することにより変換される。変換された関連する制御点602と同様に、新たな領域における境界条件620も示されている。新たな領域は、X’ベクトル,Y’ベクトル,Zベクトルと関連している。現在の部分Ωを新たな領域Ω’に変換することに加えて、本発明の方法は、新たな領域において変換された点を得るために、地震画像の対応する部分を変換する。関数τの勾配フィールドは、下記の偏微分方程式によってベクトルフィールドに依存している。
【0084】
【数5】
【0085】
p’は、変換された所定傾斜pの正接である。下記式として表される。
【0086】
【数6】
【0087】
【数7】
【0088】
上記式は、下記式によって定義される変換ヤコビ行列Jの逆行列である。
【0089】
現疑似矩形を、対応する矩形に変換する微分同相変換Fは、3×3行列H=[hij]によって定義されるホモグラフィー(homography)である。この変換は、下記式によって現在の部分Ωにおける任意のx,y座標について与えられる。
【0090】
【数8】
【0091】
ヤコビアンの4つの項は、下記式によって定義される。
【0092】
【数9】
【0093】
【数10】
【0094】
【数11】
【0095】
【数12】
【0096】
したがって、新たな領域の各点について、変換された残余項rを計算し、変換された領域におけるポアソン方程式を解く。
【0097】
これまでに得られた要素を用いて、2つの条件は、ポアソン方程式の直接またはワンステップの分解能を可能にするよう満たされる。解法が検索される領域は、矩形に一致するx,y座標を有する点に対応し、少なくとも1つの関連する制御点は、この新たな領域内にあり、解かれる境界条件は、知られている。
【0098】
ポアソン方程式の解法である、更新項の決定は、例えば下記方程式を解くことによって、高速フーリエ変換アルゴリズムを使用することによって計算される。
【0099】
【数13】
【0100】
FTは、フーリエ変換を示し、FT−1は、逆フーリエ変換を示す。
【0101】
フーリエ変換は、離散フーリエ変換であり、高速フーリエ変換がより好ましい。新たな領域のサイズが21113を評価する値として表される場合、a,b,c,d,e,fは正の整数であり、e+fは、1より小さく、特に効率的な高速フーリエ変換は、本発明の方法の計算時間を軽減するために行われる。
【0102】
図7要素Aに示されるように、再構成水平線7020の変換部分が得られると、本発明は、図7要素Bに示されるように、再構成された水平線720の一部を得るために、再構成された水平線の変換された部分に、逆微分同相変換F−1を適用することを含む。
【0103】
最後に、本発明は、図8に示されるように、3次元領域1の部分において、再構成された水平線を得るために、再構成された水平線の全ての部分を集めることを含む。
【0104】
上述の一般的な方法の他に、本発明は、ユーザからの最小限の入力で実行するよう早く処理され、簡単にプログラムされることを可能にする実質的な最適化から利益を得る。
【0105】
終わりに、図9は、実質的な類似形状を有し、疑似矩形の各々における境界条件について早く信頼できる計算を可能にする疑似矩形を定義するための方法を示す。
【0106】
図9において、関連する制御点201,202,203,204,205,206,207,208に関連付けられた参照点210,220,230,240,250,260,270,280は、参照面10に示されている。三角形を形成するためのこれら全ての参照点を接続する三角測量、好ましくはドローネー三角分割法が実施される。そして、図10に示されるように、特定された三角形の各辺の中心が選択される。図10は、参照点210,220,230に対応するコーナーによって特定される三角形を示す。この三角形の辺の参照中心223,212,213は、三角形の重心2123を決定するために使用される。重心は、三角形の中線が交わる点である。このように、得られた3つの疑似矩形は、実質的に、三角形の各々において同じ領域を有し、その方法はコンピュータプログラムによって実施される。
【0107】
他の利点は、図9,10において示される疑似矩形を定義するための方法から生じる。三角形の各々の辺は、関連する制御点と同じx,y座標を有する2つの参照点に結合する線であり、境界条件は、Zベクトル軸を含み、水平線を得るために水平線アルゴリズムを使用して、2つの関連する制御点を含む平面において容易に計算される。図9に示されるように、いくつかの三角形が共有の辺を共有することが生じるので、境界条件の計算は、三角形によって区分された3次元領域1の部分において三角形の各々について計算される。また、前に特定された三角形によって区分された3次元領域1の部分において得られた結果は、後の三角形によって区分される3次元領域1の部分に再利用される。
【0108】
参照重心2123と呼ばれる三角形の各々の重心は、水平線の関連する中点と同様のx,y座標を共有する。この関連する中点は、3次元領域1の3つの隣接部分において、水平線の3つの部分によって共有される。水平線の中点のz座標を決定するためのいくつかのオプションが存在する。
【0109】
例えば、3次元領域1のサイズと比較して小さい領域を有する三角形について有効である現実的な近似値を生成することが可能である。これらの1つは、現在の三角形の3つの辺の少なくとも2つの参照中心212,223,213に関連する、水平線の関連する中心点のz座標の中間値を計算することから成る。他は、その関連する中間点のz座標が三角形の参照点、例えば参照コーナー220,230,210または三角形の辺の参照中心212,223,213に関連する水平線の任意の関連する点のz座標に等しいと推定することから成る。他の方法は、水平線再構成アルゴリズムを、Zベクトルの軸を含み、三角形の辺の参照中心212,223,213を結合する平面の点に適用することから成る。
【0110】
他の実施形態において、特定された三角形を2つずつ組み合わせることによって、疑似矩形を定義することが可能である。2つの隣接する三角形は、共通に有する区分を除去することによって、組み合わせられる。この実施形態は、疑似矩形の各々の参照コーナーが関連する制御点に関連しているので、疑似矩形によって区分される3次元領域1の部分Ωの境界条件を容易に決定する点で、利点がある。この実施形態において、関連する制御点を通過する水平線は、疑似矩形の各々の境界条件を定義する。
【0111】
本発明の方法は、既存の従来技術を超える他の重要な利点を提供する。また、関連する制御点が関連する制御点の組から追加または除去されるとき、地震水平線の部分を計算することは、とても効率的である。
【0112】
図11は、関連する制御点201,202,203,204,205,206,207,208に関連する参照点210,220,230,240,250,260,270,280を含む参照面10を示す。ます、関連する制御点に関連する変更情報、例えば関連する制御点の追加が受信される。そして、追加された関連する制御点に関連する参照面10における参照点1100が疑似矩形を定義することを要求する。その効果は、図11に示されているように局所であるが、暗い疑似矩形は、局所水平線の再計算として選択される、影響された領域に対応する。一般的に、関連する制御点を追加することは疑似矩形、または、追加された関連する制御点に関連する追加された参照点が属する疑似矩形に影響する。三角形または参照点が属する三角形を特定することにより、影響された領域を特定することは利点がある。これは、疑似矩形を囲むよう定義されるのと実質同じサイズを有する新たな疑似矩形を定義することが可能である。追加された参照点を含む疑似矩形が、隣接する疑似矩形と境界を共有するので、その2つは、隣接する三角形に属し、この影響された領域にこれら隣接する三角形を含み、この影響された領域に新たな疑似矩形の組を三角測量することは利点がある。図11において、参照点1100の追加によって影響された領域は、12の新たな疑似矩形を生じる新たな三角分割法を伴う。類似の結果は、関連する制御点が除去されるときに生じる。
【0113】
上述の理由のため、本発明は、水平線を決定するよう要求される計算時間に関して、例えば、再構成された水平線において細かい解像度を必要とする3次元領域1の部分において、ユーザがいくつかの関連する制御点を追加することを決定するとき、とても効率的である。
【0114】
図12は、本発明の方法によって実行される様々なステップを示すフローチャートである。
【0115】
まずステップS1において、地震画像SEISM_IMG1が受信される。地震画像1は、例えば3次元領域1におけるデータポイントに出力する生の地震データ処理プログラムから受信される。
【0116】
次にステップS2において、関連する制御点CTRL._PTs201,202,203,204,205,206,207,208が受信される。これら点のx,y,z座標は固定され、それらは同じ水平線に属する。
【0117】
ステップS3において、疑似矩形の各々が参照面にあり、少なくとも1つの参照点210,220,230,240,250,260,270,280を含むように、疑似矩形PSEUD._RECTが定義される。
【0118】
ステップS4において、境界420を見つけるために、現疑似矩形によって区分される3次元領域1の部分の端部の点に、各疑似矩形PSEUD._RECTまたはいくつかの水平線再構成アルゴリズムを、適用することが可能である。
【0119】
ステップS50において、微分同相変換Fは、疑似矩形の各々について特定される。特定された微分同相変換Fは、対応する矩形に変換するために、現疑似矩形に適用される。そうすることにより、本方法は、ポアソン方程式を解くことが単純化される条件を生成する。
【0120】
また、ステップS50は、疑似矩形の点と同じx,y座標を有する地震画像の点に上記変換を適用することを含む。
【0121】
本発明は、水平線再構成アルゴリズムを含む。それは、k=0における初期関数τに対応する水平線を特定し、以下の反復を処理することを含むステップS51で開始する。
水平線τを使用して、残余項rおよびステップS54において変換された局所傾斜pの接線を計算する。
ステップS54において、新たな領域Ω’におけるポアソン方程式を解くために、フーリエ変換を使用する水平線再構成アルゴリズムを適用する。
ステップS55においてkを1つインクリメントし、ステップS52に戻る。
【0122】
反復回数kが目標値Nに到達すると、方法は、対応する矩形を現在の疑似矩形に変換する逆微分同相変換F−1を、計算された水平線τに適用することによってステップS6に進む。
【0123】
最後に、疑似矩形の各々について得られた再構成された水平線の全ての部分は、図8において示される再構成された水平線の部分を形成するよう組み立てることができる。本発明の方法とLomaskらによって開示された包括的最適化方法との比較は、1750m×4000m×1600mの体積を定義する実際の地震データにおいて実行される。
【0124】
処理されたデータの複雑な形状および収束構造は、非常にノイズの多い推定傾斜を生じるので、27の関連する制御点の組は、例えば再構成される水平線のピークまたは流域に対応する重要領域において順次受信され、初期の13の関連する制御点の組から開始する。
【0125】
両方法の収束に到達するための水平線再構成アルゴリズムにおける反復回数は、30に設定される。本発明の方法について、各特定された三角形は、上述のように3つの疑似矩形に細分される。27の関連する制御点は、126の疑似矩形につながる。Lomaskらによって開示された包括的最適化方法について、各更新項δτは、300の反復回数が必要な方向降下アプローチにより計算し、そのアルゴリズムは、その解決に近い関数τ0で初期化されなければならなかった。この関数τ0は、ある特定の関連する制御点が知られたと推定することによって、全体領域を超えて再構成される水平線から得られた。
【0126】
表1は、両方法を使用して計測された計算時間を要約している。括弧書きにおける時間は、フーリエ変換専用の計算に使用された時間に対応する。
【0127】
【表1】
【0128】
表1は、領域のサイズに基づいて、3次元領域1の部分についての計算を行うのに必要とされる時間を示す。通常サイズという列の欄は、高速フーリエ変換が最適化されたサイズを有しない領域の部分において本発明の方法の実施の間経過した計測時間を与える。最適サイズという列の欄は、同じデータを与えるが、高速フーリエ変換アルゴリズムを実施するのに適したサイズを有する領域の部分において計測される。最小という欄のラインは、最小の定義された領域の部分に対応し、最大という欄のラインは、最大の定義された領域の部分に対応し、算術および幾何学的手段は、矩形領域のサイズの中間値に基づいて計算された時間を与える。Lomaskらによって開示されたような包括的アプローチと比較して、30倍もの、計算時間を軽減することを本発明の方法が可能にする表1のデータから生じる。
【0129】
他のテストは、関連する制御点に関する変更指示が受信されると、本発明の方法を使用する時間を決定するよう行われる。表2は、13から27に、関連する制御点の数本発明の方法を実施することについての計測された時間を要約する。括弧書きの時間は、フーリエ変換専用の計算についての計測された時間に対応する。全体の再構成という欄において、計算が行われる体積が全体の3次元領域1であるので、計測時間は、実質同じである。増分の再構成の欄において、方法は、新たな関連する制御点によって影響される3次元領域1の部分に適用される。
【0130】
【表2】
【0131】
関連する制御点の追加または削除によって影響される部分についての水平線の部分の選択的計算は、本方法の計算速度を高めることが表2に表れている。
【0132】
図13は、本発明を可能にする装置についての可能な実施形態である。
【0133】
この実施形態において、装置1300は、コンピュータを含み、このコンピュータは、回路にロード可能なプログラム指示を記憶するためのメモリ1305を含み、プログラム指示が回路1304によって実行されるとき、回路1304が本発明の処理を実行するよう適用される。
【0134】
メモリ1305は、上述のような本発明の方法の処理を実行するためにデータおよび有用な情報を記憶する。
【0135】
回路1304は、例えば以下のようなものである。
コンピュータ言語において指示を解釈するよう適用されたプロセッサまたは処理ユニットであって、プロセッサまたは処理ユニットは指示を含むメモリに関連しているか、または、結合されている。
または、プロセッサ/処理ユニットおよびメモリの組、プロセッサまたは処理ユニットは、コンピュータ言語において指示を解釈するよう適用され、メモリは、上記指示を含む。
または、本発明の処理がシリコンに記述された電子カード
または、FPGA(Field−Programmable Gate Array)チップのようなプログラム可能な電子チップ。
【0136】
このコンピュータは、本発明の上述の方法において使用されるデータを受けるための入力インターフェース1303と、積層モデルを提供するための出力インターフェース1306とを含む。
【0137】
コンピュータとの相互作用を容易にするために、画面1301およびキーボード1302が設けられ、コンピュータ回路1304に接続される。
【0138】
本発明は、上述のような実施形態に限定されず、同等の実施形態を含む。
【0139】
例えば、参照面において、非四角形の面を定義することが可能である。疑似矩形を定義する代わりに、例えば面を円に変換する微分同相変換が得られる面を定義することが可能である。さらに、円断面を有する領域において、矩形断面に代えて、ポアソン方程式の迅速な解決が可能である。
【0140】
現疑似矩形と関連する境界条件を計算する前に、現疑似矩形に微分同相変換Fを適用することが可能である。
【0141】
任意の関連する制御点に関連しないいくつかの疑似矩形を定義することも可能である。そうすることは計算上の点から有利ではないように思えるかもしれないが、関連する制御点の局所集中の間、大きなギャップが存在する場合に興味深いかもしれない。任意の関連する制御点に関連しない疑似矩形を定義することは、疑似矩形のサイズにおいて高い分散を有することなく、3次元領域1の連続部分をマッピングすることを可能にする。任意の関連する制御点に関連しないが、他の疑似矩形に隣接する疑似矩形を有することは可能である。それにより、ポアソン方程式の直接解決を可能にする条件を満たすことにより、隣接する疑似矩形の境界条件を使用することが可能である。
【0142】
上述の方法は、複数の3次元を含む領域において実行されてもよい。
【0143】
これは、より複雑な微分同相変換の計算をすることができるが、擬似矩形でない四角形を定義してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1】次元領域における地震画像の概略を示す。
図2】参照面における関連する制御点および関連する参照点を含む図1の3次元領域の概略を示す。
図3図2の参照面の概略を示す。
図4図3において示された平面の概略を示し、Zベクトルの軸、地震画像の一部、疑似矩形の現参照エッジ、現参照エッジにおける参照点に関連付けられた関連する制御点を含む。
図5】1つの関連する制御点、関連づけられた現疑似矩形、現疑似矩形によって区切られた、求められる地震画像の境界を含む図1の3次元領域の概略を示す。
図6図5の疑似矩形に関連付けられた微分同相変換Fによって動作する変換の概略(AおよびB)を示す。
図7図5,6の要素Aおよび図6の要素Bの疑似矩形に関連付けられた逆微分同相変換F−1によって動作する変換の概略(AおよびB)を示す。
図8】関連する制御点と、再構成される地震水平線の関連付けられた部分を含む図1の3次元領域の概略を示す。
図9】第2の実施形態における、図2の参照面の概略を示す。
図10】第2の実施形態において定義された3つの疑似矩形を有する図9の参照面の概略を示す。
図11】追加の関連する制御点によって影響される疑似矩形を示す図9の参照面の概略を示す。
図12】水平線再構成方法によって実施されるメインステップを示すフローチャートである。
図13】本発明を可能にする装置についての可能な実施形態である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13