(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について、
図1〜
図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、各図面に記載した構成の形状、並びに、長さ、大きさ及び幅等の寸法は、実際の形状や寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
〔実施形態1〕
<体内監視カメラシステムの概略構成>
図1は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の概略構成を示す模式図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、撮像装置2と、制御システム3と、接続部4と、引出し補助具5とを備えている。
【0019】
以下に、各構成についてより詳細に説明する。
【0020】
<撮像装置2の概略構成>
図2の(a)は、本実施形態にかかる撮像装置2の要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、
図2の(b)は、
図2の(a)に示す撮像装置2の上面図である。
【0021】
図1及び
図2の(a)・(b)に示すように、撮像装置2は、体内撮影を行うカメラユニット11(撮像部)と、カメラユニット11に接続するカメラ側ケーブル12(ケーブル)とを備えている。
【0022】
(カメラユニット11)
カメラユニット11は、
図2の(a)・(b)に示すように、カメラ筐体21、回路基板19、撮像ユニット24、制御回路28、照明装置27、及び支持部22を備えている。
【0023】
回路基板19、撮像ユニット24、制御回路28、及び照明装置27は、カメラ筐体21内に設けられている。一方、支持部22は、カメラ筐体21の外側に設けられている。
【0024】
まず、カメラ筐体21の内部の構成について説明する。
【0025】
撮像ユニット24は、撮像レンズであるレンズ26と、固体撮像素子25とを備えている。
【0026】
固体撮像素子25は、レンズ26の光軸と軸心が一致するように配置されている。固体撮像素子25としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。
【0027】
照明装置27は、体内を照らすことで、カメラユニット11が撮影する映像を明瞭にする。照明装置27は、小型のものが好ましく、例えばLED(発光ダイオード)等が好適に利用できる。なお、照明装置27は、カメラユニット11に、1つのみ設けられていてもよく、
図2の(a)に示すように複数設けられていてもよい。
【0028】
これら固体撮像素子25及び照明装置27と制御回路28とは、回路基板19に接続されている。
【0029】
制御回路28は、回路基板19を介して、撮像ユニット24及び照明装置27と電気的に接続されている。
【0030】
また、回路基板19にはカメラ側ケーブル12の一方の端部が接続されており、カメラ側ケーブル12、並びに、接続部4(
図1参照)を介して、回路基板19と、制御システム3におけるカメラユニット制御機器17(
図1参照)との間で信号の入出力が行われる。
【0031】
これにより、制御回路28は、カメラ側ケーブル12及び回路基板19を介してカメラユニット制御機器17から入力された制御信号に基づいて、撮像ユニット24及び照明装置27の駆動を制御する。
【0032】
次に、カメラ筐体21及び該カメラ筐体21の外部に設けられた支持部22について説明する。
【0033】
支持部22は、カメラ筐体21における対向する両側面のそれぞれから外方に突出して設けられている。
【0034】
支持部22は、カメラユニット11における把持部として用いられる。カメラユニット11は、例えばトロッカー32(管状部材、
図6参照)を通して体内に導入される。支持部22は、カメラユニット11を支持するためのものである。支持部22は、鉗子を用いてトロッカー32からカメラユニット11を体内に導入する際や、使用後にカメラユニットを支持管より取り外す際や、トロッカーから回収する際に把持され、カメラユニット11を支持することができるようになっている。
【0035】
(カメラ側ケーブル12)
カメラ側ケーブル12は、カメラ側の通信ケーブルである。カメラ側ケーブル12は、カメラユニット11が撮影した映像を、映像信号として、接続部4を介してカメラユニット制御機器17に送信したり、カメラユニット制御機器17からの制御信号を、カメラユニット11に送信したりする。
【0036】
カメラ側ケーブル12は、回路基板19に接続され、カメラユニット11の外部に導出されている。なお、回路基板19とカメラ側ケーブル12との接続部は、図示しない樹脂等で封止されている。
【0037】
カメラ側ケーブル12は、カメラユニット11に接続された状態でトロッカー32(
図6参照)等を通して体腔内に導入されたり、後述する穿刺器具6(
図3参照)を通って体外へ引き出されたりする。このため、カメラ側ケーブル12は、柔軟性を有するフレキシブル材料で形成されている。
【0038】
<制御システム3>
制御システム3は、
図1に示すように、カメラユニット制御機器17とディスプレイ18(表示装置)とを備えている。
【0039】
カメラユニット制御機器17は、カメラユニット11から送信された映像をディスプレイ18に表示させる。また、カメラユニット制御機器17は、制御信号をカメラユニット11に送信する。なお、カメラユニット制御機器17とディスプレイ18とは、一体化されていてもよく、別体で構成されていても構わない。
【0040】
<接続部4>
接続部4は、
図1に示すように、カメラ側ケーブル12とカメラユニット制御機器17とを接続する接続部である。接続部4は、機器側ケーブル16と、該機器側ケーブル16とカメラ側ケーブル12とを連結するケーブルコネクタ15とを備えている。
【0041】
したがって、カメラユニット11は、カメラ側ケーブル12、並びに、該カメラ側ケーブル12に連結されたケーブルコネクタ15及び機器側ケーブル16を介して、カメラユニット制御機器17と接続されている。
【0042】
これにより、カメラ側ケーブル12及び機器側ケーブル16を介して、カメラユニット11が撮影した映像がカメラユニット制御機器17に送信され、カメラユニット制御機器17からの制御信号がカメラユニット11に送信される。
【0043】
<引出し補助具5の概略構成>
本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、カメラ側ケーブル12を体外に引き出すための引出し補助具5として、ワイヤ状の引き出し補助具7(ワイヤ構造を有している補助器具)及び針状の穿刺器具6を備えている。
【0044】
(穿刺器具6)
ここで、穿刺器具6の構造について、
図3の(a)〜(d)を参照してより詳細に説明する。
【0045】
図3の(a)は、本実施形態に係る穿刺器具6の一例を示す図である(b)は(a)の断面図であり、(c)は穿刺器具と組み合わせて穿刺に用いるオブチュレータ(先尖り棒)の図であり、(d)は穿刺器具にオブチュレータを通した状態の断面図である。一般的にトロッカーのような穿刺器具は、先端が尖り、筒状で内部に空洞を有する中空の構造を持ち、穿刺の際にはオブチュレータ36を通して組み合わせて用いる。以下では注射針のような先端を持つ穿刺器具を例に説明する。
【0046】
(ワイヤ状引き出し補助具)
図4の(a)は、本実施形態で用いるワイヤ状引き出し補助具の概略構成を示す断面図であり、(b)は、穿刺器具にワイヤ状引き出し補助具を挿入した断面図、(c)は、(b)にワイヤを固定するストッパを加えた状態を示す図である。また、
図5の(a)は、ワイヤ状引き出し補助具の接続部の一例を示す図、
図5の(b)は、カメラケーブルのコネクタ部を示す図、
図5の(c)は、ワイヤ状引き出し補助具接続部にカメラケーブルコネクタ部を接続した図、
図5の(d)、(e)は、それぞれ
図5の(c)のA−A’断面、B−B’断面を示す図である。また、
図5の(f)は、ワイヤ状引き出し補助具接続部キャップの一例を示す図、
図5の(g)は、
図5の(f)のC−C’断面を示す図である。
図5の(h)は、ワイヤ状引き出し補助具接続部に接続部キャップを被せて穿刺器具に挿入した状態を示す図である。
【0047】
図4の(a)に示すように、本実施形態で用いられるワイヤ状の引き出し補助具7は、端部に備えたケーブルに接合するための接続部8とワイヤ部9、他端部に備えた引手部10から成る。また、(b)に示すようにワイヤ部9と接続部8の外径が、針状の穿刺器具6の内径よりも小さいワイヤ状の器具である。また、引手部10は穿刺器具の内径より十分に大きな寸法を有している。
【0048】
図5の(a)は引き出し補助具の接続部8の一例を示す図である。引き出し補助具の接続部8は、
図5の(b)に示すケーブルコネクタ15の防水キャップを兼ねる構造となっており、
図5の(c)に示すようにケーブルコネクタ15の形状に応じた凹形状を持ち、この部分にはめ込んで接続する。
図5の(d)は
図5の(c)のA−A’断面、
図5の(e)はB−B’断面であり、この間にあるケーブルコネクタ15のくびれを利用して引っ掛けて留め、引っ張っても抜けない構造となっている。このように、引き出し補助具の接続部8は、ケーブルコネクタ15を固定可能な形状を有している。
【0049】
穿刺器具6の内径をできる限り小さくするため、
図5の(e)に示す引き出し補助具の接続部8の幅は、
図5の(d)に示すケーブルコネクタ15の幅以下となっている。
【0050】
図5の(f)は、体内通過時に、引き出し補助具の接続部8の内部への汚れの侵入及び付着を防ぐための引き出し補助具接続部の保護キャップ(接続部保護キャップ)であり、導入時にあらかじめセットしておき、ケーブルコネクタ接続時に取り外す。保護キャップ20は、ケーブルコネクタの形状に一致させた形状を持っているが、
図5の(g)に示す
図5の(f)のC−C’断面では、穿刺器具6の管部形状に合わせた円柱形状を持っている。言い換えると、保護キャップ20は、ケーブルコネクタ15の形状に対応する部分と、穿刺器具6の内部形状に対応する円柱形状部分とを含んでいる。
【0051】
このため、ワイヤ状の引き出し補助具7を、針状の穿刺器具6に管状に開いた開口部に導入することができる。
【0052】
一般的にはオブチュレータ36を用いて穿刺を行うが、オブチュレータ36の代わりに、このワイヤ状の引き出し補助具7を用いることもできる。
図5の(h)に示すように、穿刺器具6の内部にワイヤ状の引き出し補助具7を導入した状態で穿刺器具6を体壁41に挿入した場合でも、体液が穿刺器具6の管の中(内部)に入ることを防ぐ構造となっている。また、
図4の(c)に示すように、ワイヤ部9を軸方向には縮まない材質で構成しておけば、ストッパ77でワイヤを固定することで接続部8を穿刺器具6の先端に固定しておくことができる。
【0053】
これにより、針状の穿刺器具が体内に入るときに体液で管が詰まることがなく、針状の穿刺器具に入ったワイヤ状引き出し補助具の端部を体壁41に貫通させ、体内に導入することができる。また、オブチュレータ36を使わないので、穿刺作業を更に簡略化することができる。
【0054】
なお、穿刺器具6は、低侵襲性を実現するために、直径が小さいものが好ましい。具体的には、直径が3mm以下であることが好ましい。
【0055】
<体内監視カメラシステム1の設置方法>
次に、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を、使用方法と併せて説明する。
【0056】
図6の(a)〜(d)および
図7の(a)〜(d)は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を工程順に示す模式図である。
【0057】
図6の(a)に示すように、まず、術者は、体壁41に、鉗子や内視鏡を体腔内に挿入するためのポート41a〜41c(孔)を開け、ポート41a〜41cに、複数のトロッカー32(以下、トロッカー32a〜32cと称する)をそれぞれ挿入する。
【0058】
さらに、カメラユニット11を体腔内に設置するために、体壁41における、患部を含む臓器全体を見渡すことのできる位置にポート41dを開け、穿刺器具6を挿入する。
【0059】
具体的には、針形状のオブチュレータ(図示せず)を穿刺器具6内に通した状態でオブチュレータをポートに穿刺することで、穿刺器具6が体壁41に挿入される。
【0060】
オブチュレータの代わりにワイヤ状の引き出し補助具7をあらかじめ挿入しておいてもよい。
【0061】
トロッカー32a〜32c及び穿刺器具6が体壁41に挿入された後、術者は、トロッカー32a〜32cのうち少なくとも1つのトロッカーを通してガスを体内に送り、体腔内を膨張させる。
【0062】
次に、
図6の(b)に示すように、ワイヤ状の引き出し補助具7を挿入し、穿刺器具6の先端から接続部8を出しておく。
【0063】
図6の(c)に示すように、術者は、トロッカー32cを通して内視鏡34を体腔内に挿入し、内視鏡34を用いて体内を観察しながら、鉗子33で接続部8を把持し、
図6の(d)に示すように、トロッカー32bから接続部8及びワイヤ部9を体外に引き出す。もう一方の端部には引手部10があるため、誤ってワイヤが体内に落ち込むことはなく、安全に操作できる。
【0064】
次に、
図7の(a)に示すように、カメラ側ケーブル12を、
図5の(c)で示したように、接続部8に接続する。
【0065】
次に、
図7の(b)に示すように、引手部10を引くとともに、鉗子33でカメラユニット11を把持し、トロッカー32bを通して体腔内に挿入する。
【0066】
次に、
図7の(c)に示すように、引手部10を更に引き、穿刺器具6を体壁41から抜き取るとともにカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ケーブル留め具43を用いて固定する。
【0067】
穿刺器具6は抜き取り、カメラ側ケーブル12のみを残すので、穿刺器具6はカメラ側ケーブル12と同等の外径、例えば2mm径にすることができる。ケーブルコネクタ15(接続部8)は3mm径程度と少し大きくなるが、体積が小さいため、体壁の孔を一時的に広げながら体壁41を通過可能である。このため、カメラユニット11設置部の傷口を最小にでき、より低侵襲にできる。
【0068】
次に、
図7の(d)に示すように、引き出し補助具7を外し、カメラ側ケーブル12と延長ケーブル16aとをケーブルコネクタ15で接続し、延長ケーブル16aと機器側ケーブル16をケーブルコネクタ15aで接続する。尚、延長ケーブルや機器側ケーブルは、体内を通さないので、太い径のものが使用できる。
【0069】
これにより、カメラユニット11で撮影された体内の全体映像は、カメラユニット制御機器17によってディスプレイ18に表示される。
【0070】
次に、ディスプレイ18の映像と内視鏡34で映したカメラユニット11との映像を見ながら、鉗子33で支持部22を把持して、カメラユニット11を動かし、体腔内での向きを調整する。
【0071】
カメラ映像を真上からではなく、一定の角度を付けて斜めから見たい場合は、あらかじめカメラユニットのケーブルの引き出し位置を、カメラの光学軸から斜め方向にずらせたカメラユニットを準備しておけばよい。カメラユニットの位置決めが完了したら、次に、ケーブル留め具43を用いて、体壁に固定し、使用を開始する。
【0072】
これにより、術者は、内視鏡のディスプレイで作業領域(局所領域)を拡大観察しながら鉗子によって処置を行いつつ、ディスプレイ18で作業領域外の状態(作業領域外の鉗子等の動きや、出血箇所、ガーゼ等の残留物等)も把握することができる。
【0073】
特許文献2では、体内にカメラを設置するためにフック針を用いているが、フック針は棒状であるため、フック針のフック部に通信ケーブルを引っ掛けるという操作を体内で行わなければならず、通信ケーブルを体外に引き出すことは容易ではない。
【0074】
これに対して、本実施形態の引き出し補助具7はワイヤ構造を有しているため、
図6の(c)および(d)に示すように、引き出し補助具7の接続部8を、穿刺器具6を介して体内に引き入れるとともに、トロッカー32bを介して体内に引き出すことができる。
【0075】
そのため、
図7の(a)に示すように、体外で接続部8にカメラ側ケーブル12を接続し、
図7の(b)および(c)に示すように、引手部10を引くことによって、カメラユニット11を体内に引き入れ、さらには、カメラ側ケーブル12の端部を体外に引き出し、制御システム3に電気的に接続することができる。これにより、簡易な方法で体内にカメラを設置することができる。
【0076】
<カメラユニット11の回収方法>
手術が終わり、カメラユニット11を回収する手順について説明する。
【0077】
まず、ケーブルコネクタ15とケーブル留め具43を外し、術者は、体内のカメラユニット11の支持部22を鉗子33で把持し、引っ張ってカメラ側ケーブル12を体内に引き込み、続いてトロッカー32から体外に引き出す。あるいは、切除した臓器を引き出すために開口した孔から引き出してもかまわない。
【0078】
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、内視鏡手術の際に、広視野で体内の状況を把握でき、安全性を飛躍的に高めることができる装置を、カメラ側ケーブル12の外径の大きさと同等の最小限の傷が生じるのみで、簡単に安全な方法で、術者にストレスをかけることなく短時間で設置することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、
図8〜
図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明するものとし、実施形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、本実施形態でも、実施形態1と同様の変形が可能であることは言うまでもない。
【0079】
<体内監視カメラシステムの概略構成>
図8は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の概略構成を示す模式図である。
【0080】
図8に示すように、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、撮像装置2と、カメラ支持管13(支持管)と、制御システム3と、接続部4と、引出し補助具5とを備えている。
【0081】
以下に、各構成についてより詳細に説明する。制御システム3と、接続部4と、引出し補助具5については、実施形態1と同一であるので説明を省略する。
【0082】
<撮像装置2の概略構成>
図9の(a)は、本実施形態にかかる撮像装置2の要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、
図9の(b)は、
図9の(a)に示す撮像装置2の上面図である。
【0083】
図8及び
図9の(a)・(b)に示すように、撮像装置2は、体内撮影を行うカメラユニット11(撮像部)と、カメラユニット11に接続するカメラ側ケーブル12(ケーブル)とを備えている。
【0084】
(カメラユニット11)
カメラユニット11は、
図9の(a)・(b)に示すように、カメラ筐体21、回路基板19、撮像ユニット24、制御回路28、照明装置27、及び支持部22を備えている。
【0085】
回路基板19、撮像ユニット24、制御回路28、及び照明装置27は、カメラ筐体21内に設けられている。一方、支持部22は、カメラ筐体21の外側に設けられている。
【0086】
支持管接合部14以外は実施形態1と同一であるので説明を省略する。
【0087】
カメラ筐体21は、その上面に、凹形状の支持管接合部14(接合部)を有している。支持管接合部14は、
図9の(b)に示すように、上方から見たときに円形状の開口形状(孔構造)を有し、
図9の(a)に示すように、開口内壁に係止雌ねじ23が設けられた構成を有している。支持管接合部14は、ねじ形状ではなく差し込むだけの形状にして、別の部分で固定する構成にしてもよい。また、支持管として針状の穿刺器具をそのまま用いることもでき、上記穿刺器具の形状に応じた凹形状を設けていてもよい。
【0088】
(カメラ側ケーブル12)
カメラ側ケーブル12は、カメラ側の通信ケーブルである。カメラ側ケーブル12は、カメラユニット11が撮影した映像を、映像信号として、接続部4を介してカメラユニット制御機器17に送信したり、カメラユニット制御機器17からの制御信号を、カメラユニット11に送信したりする。
【0089】
カメラ側ケーブル12は、回路基板19に接続されており、支持管接合部14の内部を通るようにカメラユニット11の外部に導出されている。なお、回路基板19とカメラ側ケーブル12との接続部は、図示しない樹脂等で封止されている。
【0090】
カメラ側ケーブル12は、カメラユニット11に接続された状態でトロッカー32(
図11参照)等を通して体腔内に導入されたり、支持管接合部14を介してカメラユニット11に接合される後述するカメラ支持管13(
図8、
図10参照)や、穿刺器具6(
図3参照)を通って体外へ引き出されたりする。このため、カメラ側ケーブル12は、柔軟性を有するフレキシブル材料で形成されている。
【0091】
<カメラ支持管13の概略構成>
図8に示すように、カメラ支持管13は、カメラ側ケーブル12を内部に通して体外へ引き出した状態で、体内でカメラユニット11と接合されることで、カメラユニット11を支持する支持管である。
【0092】
カメラユニット11との接合強度の観点から、カメラ支持管13は硬質な材料で形成される。カメラ支持管13の材質は、カメラユニット11を安定して支持することができる接合強度を得ることができるとともに、カメラユニット11を所望の位置並びに向きで固定することができる剛性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼、セラミックス(ファイン・セラミックス)、強化プラスチック等が挙げられる。
【0093】
カメラ支持管13は、腹壁等の体壁41を通じて、その一方の端部13a(第1の端部)が体内に導入される。なお、このとき、カメラ支持管13は、その一方の端部13aが直接体内に導入されていてもよい。また、穿刺に用いた針状の穿刺器具6をこのカメラ支持管13としてそのまま用いてもよい。この穿刺器具6をカメラ支持管13として使用した方法については変形例2で後述する。
【0094】
体内に導入された端部13aは、支持管接合部14にてカメラユニット11と接合される。
【0095】
ここで、カメラ支持管13の構造について、
図10の(a)〜(c)を参照してより詳細に説明する。
【0096】
図10の(a)は、本実施形態に係るカメラ支持管13の一例を示す斜視図であり、
図10の(b)は、
図10の(a)に示すカメラ支持管13及び
図9の(a)に示す支持管接合部14のそれぞれの断面を示す断面図であり、
図10の(c)は、
図10の(b)に示すカメラ支持管13と支持管接合部14との接合状態を示す断面図である。なお、
図10の(c)では、カメラ側ケーブル12の図示を省略している。
【0097】
図10の(a)に示すように、カメラ支持管13は、好適には円筒状の管構造を有している。カメラ支持管13が円筒形状を有していることで、実施形態3で後述するが、同じく円筒形状の管である一般的なカニューレとの組み合わせが容易である。
【0098】
カメラ支持管13の一方の端部13a(体内側)と体内のカメラユニット11とは、支持管接合部14(接合部)にて接合される。
【0099】
カメラ支持管13は、
図10の(a)〜(c)に示すように、体内に導入される側の端部13aに、支持管接合部14に設けられた係止雌ねじ23に螺合(ねじ嵌合)する係止雄ねじ123を有している。
【0100】
このようにカメラ支持管13の係止雄ねじ123を支持管接合部14の係止雌ねじ23に螺合させることで、カメラユニット11とカメラ支持管13とを高い機械的強度で接合することができる。
【0101】
また、カメラ支持管13の側面には、
図10の(a)に示すように、スリット223が設けられていることが望ましい。なお、カメラ支持管13の側面にスリット223が設けられている場合の利点については、後で説明する。
【0102】
<体内監視カメラシステム1の設置方法>
次に、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を、使用方法と併せて説明する。
【0103】
図11の(a)〜(d)および
図12の(a)〜(e)は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を工程順に示す模式図である。
図11の(a)〜(d)および続く
図12の(a)〜(b)までは実施形態1と同一であるので説明を省略する。
【0104】
図12の(c)に示すように、引手部10を更に引き、穿刺器具6を体壁41から抜き取った後、体外に導出したカメラ側ケーブル12を、カメラ支持管13の内部に通し、カメラ支持管13を体壁41に挿入する。術者は、トロッカー32を通して鉗子33を体腔内に挿入し、カメラユニット11の支持管接合部14とカメラ支持管13の開口とが平行でかつ近接するように、カメラユニット11の両側面の支持部22を、2つの鉗子33で把持しつつ、カメラ支持管13と支持管接合部14とをねじ込み、あるいは差し込み等の方法で接合する。
【0105】
ねじ込みの場合は、
図12の(d)に示すように、カメラ支持管13を用いてカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ストッパ77を用いてカメラ支持管13を体壁41に固定する。
【0106】
差し込みの場合は、
図12の(e)に示すように、ケーブル留め具43でカメラ側ケーブル12とカメラ支持管13を固定してから、カメラ支持管13を用いてカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ストッパ77を用いてカメラ支持管13を体壁41に固定する。
【0107】
穿刺器具6は抜き取り、カメラ支持管13に置き換えるので、カメラ支持管13は穿刺器具6と同等の外径、例えば3mm径にすることができる。ケーブルコネクタ15は3mm径程度となるが、カメラ支持管13にスリット223を設けているため、2mm径程度のカメラ側ケーブル12は中を通すことができる。このため、カメラユニット11設置部の傷口を小さくでき低侵襲にできる。
【0108】
次に、
図12の(d)、(e)に示すように、引き出し補助具7を外し、カメラ側ケーブル12と延長ケーブル16aとをケーブルコネクタ15で接続し、延長ケーブル16aと機器側ケーブル16をケーブルコネクタ15aで接続する。尚、延長ケーブルや機器側ケーブルは、体内を通さないので、太い径のものが使用できる。
【0109】
これにより、カメラユニット11で撮影された体内の全体映像は、カメラユニット制御機器17によってディスプレイ18に表示される。
【0110】
次に、ディスプレイ18の映像を見ながら、カメラ支持管13を操作して、カメラユニット11を動かし、体腔内での高さ、向き、および角度を調整し、固定具で固定する。固定の例は、実施形態3と合わせて
図20を用いて後述する。
【0111】
カメラユニット11の位置決めが完了したら、体内監視カメラシステム1の使用を開始する。
【0112】
これにより、術者は、内視鏡のディスプレイで作業領域(局所領域)を拡大観察しながら鉗子によって処置を行いつつ、ディスプレイ18で作業領域外の状態(作業領域外の鉗子等の動きや、出血箇所、ガーゼ等の残留物等)も把握することができる。
【0113】
尚、
図11の(a)〜(d)および
図12の(a)〜(e)に示す設置方法では、穿刺器具6を通して、引き出し補助具7を導入する方法について説明したが、これに限定するものではなく、
図11(a)の工程で穿刺を行った後、穿刺器具6をカメラ支持管13に交換し、カメラ支持管13を通して、引き出し補助具7を導入してもかまわない。
【0114】
<カメラユニット11の回収方法>
手術が終わり、カメラユニット11を回収する手順について説明する。
【0115】
まず、ケーブルコネクタ15とケーブル留め具43を外し、術者は、体内のカメラユニット11の支持部22を鉗子33で把持し、引っ張ってカメラ側ケーブル12を体内に引き込み、続いてトロッカー32から体外に引き出す。あるいは、切除した臓器を引き出すために開口した孔から引き出してもかまわない。
【0116】
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、内視鏡手術の際に、広視野で体内の状況を把握でき、安全性を飛躍的に高めることができる装置を、カメラ側ケーブル12の外径の大きさと同等の最小限の傷が生じるのみで、簡単に安全な方法で、術者にストレスをかけることなく短時間で設置することができる。
【0117】
<変形例1>
(カメラ支持管13とカメラユニット11との接合方法)
本実施形態では、カメラ支持管13に係止雄ねじ123を設け、支持管接合部14に係止雌ねじ23を設けることで、カメラ支持管13とカメラユニット11とを螺合させる場合を例に挙げて説明した。
【0118】
しかしながら、カメラ支持管13とカメラユニット11との接合方法は、これに限定されるものではなく、カメラ支持管13と支持管接合部14とが互いに嵌合する形状であればよい。
【0119】
図10の(d)〜(h)は、それぞれ、本実施形態に係るカメラ支持管13及び支持管接合部14の変形例を示す断面図である。
【0120】
図10の(d)は、カメラ支持管13に係止孔323を設け、支持管接合部14に係止爪423を設けた例を示している。
【0121】
また、
図10の(e)は、カメラ支持管13に係止爪523を設け、支持管接合部14に係止孔623を設けた例を示している。
【0122】
なお、
図10の(d)・(e)は、各変形例におけるカメラ支持管13及び支持管接合部14のそれぞれの断面を示す断面図である。
【0123】
図10の(d)・(e)に示すように、本変形例に係るカメラ支持管13は、係止孔323よりも先の部分がテーパ形状(先細り形状)となっている。このため、カメラ支持管13の先端(体内側)は支持管接合部14の係止爪423に引っ掛からず、この先端が支持管接合部14の奥に至るまでカメラ支持管13を押し込むと、係止孔323が係止爪423に嵌るようになっている。
【0124】
しかしながら、カメラ支持管13は、上記の構造に限定されない。カメラ支持管13の両端部は、同じ太さであってもよい。
【0125】
なお、これら変形例においては、カメラユニット11とカメラ支持管13とを分離させるために、例えば、係止爪423・523に弾性を持たせるか、あるいは、支持管接合部14に可撓性を持たせる等して、閾値以上の力を加えることで係止爪423と係止孔323との係合や係止爪523と係止孔623との係合が解除されるように設計されていることが好ましい。あるいは、磁気、電力等の外力により、係止爪423が支持管接合部14の開口内壁表面から後退(つまり、突出しない状態に変化)したり、係止爪523がカメラ支持管13の表面から後退したりするように設計されていることが望ましい。
【0126】
また、上述したように係止雄ねじ123および係止雌ねじ23や、係止爪423・523および係止孔323・623を用いてカメラ支持管13と支持管接合部14とを接合する代わりに、支持管接合部14の内壁をゴム等の弾性材料で形成し、カメラ支持管13を支持管接合部14に圧入することで、カメラ支持管13と支持管接合部14とを接合することもできる。
【0127】
なお、
図10の(f)でもカメラ支持管13は、先の部分がテーパ形状(先細り形状)となっている場合を例に挙げて図示している。この場合は、係止孔と係止爪では無く、カメラ側ケーブル12を引っ張って固定する方法を用いた他の変形例である。
【0128】
また、カメラ支持管13にケーブル留め具43を設けた更に他の変形例を
図10の(g)、(h)に示す。
【0129】
図10の(g)は、カメラ支持管13における体外側の端部13bにケーブル留め具43(係止部材)を設けたときのカメラ支持管13の断面図および上面図を並べて示す図であり、
図10の(h)は、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に通したときのカメラ支持管13の断面図および上面図を並べて示す図である。
【0130】
実施形態1で説明したように、カメラ側ケーブル12は、ケーブルコネクタ15を介して機器側ケーブル16に接続される。本変形例では、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に係止するために、
図10の(g)・(h)に示すように、カメラ支持管13の体外側の端部13bにケーブル留め具43(係止部材)を設けている。
【0131】
また、本実施形態によれば、ケーブル留め具43を用いてカメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定することで、カメラユニット11の設置作業の途中でカメラ側ケーブル12を仮止めすることができ、作業性が向上するという利点もある。また、設置後はカメラ側ケーブル12が体外で引っ張られても、カメラユニットとカメラ側ケーブル12との接続部に負荷がかからず、カメラ側ケーブルの断線を防止することができるという利点もある。
【0132】
<カメラ支持管13の概略構成>
ここで、先ず、この変形例にかかるカメラ支持管13の概略構成について説明する。
【0133】
図10の(g)に示すように、本変形例で用いられるカメラ支持管13は、頭部113と脚部114とを含み、頭部113の内径が脚部114の内径よりも大きい漏斗型の管である点を除けば、実施形態2に係るカメラ支持管13と同様の構成を有している。
【0134】
本変形例に係るカメラ支持管13は、腹壁等の体壁41を通じて、脚部114側の端部13aが体内に導入される。
【0135】
なお、本変形例でも、カメラ支持管13の脚部114は、円筒形状を有している。このため、実施形態3で後述する円筒形状の管である一般的なカニューレとの組み合わせが容易である。
【0136】
<ケーブル留め具43の概略構成>
上述したように、本変形例で用いられるカメラ支持管13は、頭部113側の端部13b(体外側)が、体内に挿入される脚部114側(体内側)の端部13aよりも太い形状を有している。
【0137】
ケーブル留め具43は、カメラ支持管13における頭部113側の端部13bに設けられる。
【0138】
ケーブル留め具43は、
図10の(g)・(h)に示すように、カメラ支持管13の軸方向に延伸し、カメラ支持管13の中央から外側(側面方向)に向けて幅が狭くなる(横断面が外向きテーパとなる)縦溝43aを有している。なお、縦溝43aとして、ケーブル留め具43にテーパ状の縦溝を設ける代わりに、ケーブル留め具43を弾性材料で構成し、該ケーブル留め具43に、縦溝43aとして切り込みを設けることで、弾性材料による付勢力によってカメラ側ケーブル12を保持する構成としてもよい。
【0139】
本変形例によれば、このように、ケーブル留め具43の縦溝43aの底部(幅狭になっている部分)にカメラ側ケーブル12を固定することで、カメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定することができる。
【0140】
したがって、本変形例によれば、
図10の(h)に示すようにケーブル留め具43によってカメラ側ケーブル12とカメラ支持管13とを固定することができる。
【0141】
なお、ケーブル留め具43はカメラ支持管13と一体的に形成されていてもよく、別体として形成されていてもよい。すなわち、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に通した後に個別の部品としてケーブル留め具43をカメラ支持管13に挿入することでカメラ側ケーブル12を固定してもよい。
【0142】
<変形例2>
(穿刺器具6をカメラ支持管13として使用した方法)
本実施形態では、穿刺器具6を抜き取った後、カメラ支持管13を差し込み、カメラユニット11を固定する場合を例に挙げて説明した。
【0143】
しかしながら、カメラ支持管13は、これに限定されるものではなく、穿刺器具6と支持管接合部14とを互いに嵌合する形状にしておき、穿刺器具6をカメラ支持管13として使用してもよい。
【0144】
図13の(a)〜(e)を用いて、この方法を説明する。
【0145】
図13の(c)に示すカメラユニット11は、その上面に、凹形状の支持管接合部14(接合部)を有している。支持管接合部14は、
図9の(b)で示したように、上方から見たときに円形状の開口形状(孔構造)を有している。
【0146】
図13の(a)は、本変形例2に係る穿刺器具6及び支持管接合部14のそれぞれの断面を示す断面図であり、
図13の(b)は、穿刺器具6と支持管接合部14との接合状態を示す断面図である。なお、
図13の(b)では、カメラ側ケーブル12の図示を省略している。支持管接合部14は、針状の穿刺器具6の形状に応じた凹形状を設けている。
【0147】
図13の(c)は、
図13の(b)にカメラユニット11およびカメラ側ケーブル12を加えた図であり、カメラ側ケーブル12を引っ張りながら穿刺器具6を軸方向に回転することで、支持管接合部14に嵌め込むことができる。
【0148】
次に、カメラ側ケーブル12を引っ張りながらケーブル留め具43をカメラ側ケーブル12に通し、穿刺器具6の端部に押し付けることで固定する。穿刺器具6の先端は斜めにカットされた非対称な形状をしているので、穿刺器具6を回転させれば、カメラユニット11を回転させることができる。
【0149】
また、
図13(e)のように穿刺器具6にケーブル留め具43を備えた構造を用いてもよい。
【0150】
<体内監視カメラシステム1の設置方法>
次に、本変形例2に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を、使用方法と併せて説明する。
【0151】
図14の(a)〜(d)および
図15の(a)〜(d)は、本変形例に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を工程順に示す模式図である。
図14の(a)〜(d)および続く
図15の(a)〜(b)までは実施形態2と同一であるので説明を省略する。
【0152】
図15の(c)に示すように、引手部10を更に引き、穿刺器具6を通してカメラ側ケーブル12を体外に導出する。カメラ側ケーブル12を引きながら穿刺器具6を回転させることで、簡単に支持管接合部14に穿刺器具6を嵌め込むことができる。
【0153】
次に、
図15の(d)に示すように、ケーブル留め具43でカメラ側ケーブル12と穿刺器具6を固定してから、穿刺器具6を用いてカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ストッパ77を用いてカメラ支持管13を体壁41に固定する。
【0154】
穿刺器具6をそのままカメラ支持管として使うので、設置方法が簡略化され、設置時間が短縮する。また、穿刺器具6の外径は、ケーブルコネクタ15を2mm径程度とすれば、3mm径程度にすることができる。このため、カメラユニット11設置部の傷口を小さくでき低侵襲にできる。
【0155】
次に、
図15の(d)に示すように、引き出し補助具7を外し、カメラ側ケーブル12と延長ケーブル16aとをケーブルコネクタ15で接続し、延長ケーブル16aと機器側ケーブル16をケーブルコネクタ15aで接続する。尚、延長ケーブルや機器側ケーブルは、体内を通さないので、太い径のものが使用できる。
【0156】
これにより、カメラユニット11で撮影された体内の全体映像は、カメラユニット制御機器17によってディスプレイ18に表示される。
【0157】
次に、ディスプレイ18の映像を見ながら、穿刺器具6を操作して、カメラユニット11を動かし、体腔内での高さ、向き、および角度を調整し、固定具で固定する。固定の例は、実施形態3と合わせて
図15を用いて後述する。
【0158】
カメラユニット11の位置決めが完了したら、体内監視カメラシステム1の使用を開始する。
【0159】
これにより、術者は、内視鏡のディスプレイで作業領域(局所領域)を拡大観察しながら鉗子によって処置を行いつつ、ディスプレイ18で作業領域外の状態(作業領域外の鉗子等の動きや、出血箇所、ガーゼ等の残留物等)も把握することができる。
【0160】
<カメラユニット11の回収方法>
手術が終わり、カメラユニット11を回収する手順について説明する。
【0161】
まず、ストッパ77、ケーブルコネクタ15とケーブル留め具43を外し、穿刺器具6を体外に抜き取る。
【0162】
次に、術者は、体内のカメラユニット11の支持部22を鉗子33で把持し、引っ張ってカメラ側ケーブル12を体内に引き込み、続いてトロッカー32から体外に引き出す。あるいは、切除した臓器を引き出すために開口した孔から引き出してもかまわない。
【0163】
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、内視鏡手術の際に、広視野で体内の状況を把握でき、安全性を飛躍的に高めることができる装置を、穿刺器具6の外径の大きさと同等の最小の傷が生じるのみで、簡単に安全な方法で、術者にストレスをかけることなく、更に短時間で設置することができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、
図16〜
図20に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、主に、実施形態1、2との相違点について説明するものとし、実施形態1、2で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、本実施形態でも、実施形態1、2と同様の変形が可能であることは言うまでもない。
【0164】
<体内監視カメラシステムの概略構成>
図16は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の概略構成を示す模式図である。
【0165】
図16に示すように、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、撮像装置2と、カメラ支持管13(支持管)と、制御システム3と、接続部4と、支持管固定部材(支持管固定手段、固定部材)としてのカニューレ31(套管、保持管)と、引出し補助具5とを備えている。カメラ支持管13は、穿刺に用いた針状の穿刺器具をそのまま利用してもよい。
【0166】
以下に、各構成についてより詳細に説明する。制御システム3と、接続部4と、引出し補助具5については、実施形態1と同一であるので説明を省略する。また、撮像装置2については、実施形態2と同一であるので説明を省略する。
【0167】
<カメラ支持管13の概略構成>
図16に示すように、カメラ支持管13は、カメラ側ケーブル12を内部に通して体外へ引き出した状態で、体内でカメラユニット11と接合されることで、カメラユニット11を支持する支持管である。
【0168】
カメラユニット11との接合強度の観点から、カメラ支持管13は硬質な材料で形成される。カメラ支持管13の材質は、カメラユニット11を安定して支持することができる接合強度を得ることができるとともに、カメラユニット11を所望の位置並びに向きで固定することができる剛性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼、セラミックス(ファイン・セラミックス)、強化プラスチック等が挙げられる。
【0169】
カメラ支持管13は、腹壁等の体壁41を通じて、その一方の端部13a(第1の端部)が体内に導入される。なお、このとき、カメラ支持管13は、その一方の端部13aが直接体内に導入されていてもよいし、
図17に示すように体壁41に挿入されるカニューレ31を使用し、該カニューレ31の内部にカメラ支持管13を挿通することでその一方の端部13aを体内に導入してもよい。また、変形例2で示したように、穿刺に用いた針状の穿刺器具6をカメラ支持管13としてそのまま用いてもよい。
【0170】
カニューレ31を使用する場合、カメラ支持管13には、カメラ支持管13をカニューレ31に挿し込んだ状態で上記一方の端部13a及び他方の端部13b(第2の端部)がカニューレ31から露出するように、カニューレ31よりも軸方向の長さが長いカメラ支持管13を使用する。また、カニューレ31内でカメラ支持管13を軸周りに回転させることができるように、カニューレ31内にカメラ支持管13を挿通した状態でカメラ支持管13の外壁とカニューレ31の内壁との間に隙間を有する大きさ(太さ)のカメラ支持管13を使用する。
【0171】
体内に導入された端部13aは、支持管接合部14にてカメラユニット11と接合される。
【0172】
<支持管固定部材>
本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、カメラ支持管13を体外において固定する支持管固定部材(支持管固定手段)として、カニューレ31(保持管)及び固定部材を備えている。
【0173】
(カニューレ31)
図17の(a)は、本実施形態で用いるカニューレ31の概略構成を示す断面図であり、
図17の(b)は、
図10の(a)〜(h)に示すカメラ支持管13を、
図17の(a)に示すカニューレ31に挿入した状態を示す断面図であり、
図17の(c)は、カニューレ31に挿入されたカメラ支持管13と
図7に示すカメラユニット11との接合状態を示す断面図である。
【0174】
図17の(a)に示すように、本実施形態で用いられるカニューレ31は、頭部131と脚部132とを含み、頭部131の内径が脚部132の内径よりも大きい漏斗型の管(管状のデバイス)である。
【0175】
このため、カニューレ31は、頭部131側の端部31b(体外側)が、体内に挿入される脚部132側(体内側)の端部31aよりも太く、カニューレ31を体壁41に挿入したときに、頭部131がストッパとして機能するようになっている。
【0176】
これにより、カメラ支持管13が体内に抜けることがなく、カニューレ31を体壁41に固定することができる。
【0177】
また、カニューレ31はバルブ37を有しており、バルブ37は、その中央部に、太い方の端部31b(体外側)から細い方の端部31a(体内側)の向きに外力が加わると押し広げられる弁構造を有している。
【0178】
したがって、
図17の(b)に示すように、カメラ支持管13を、バルブ37を通してカニューレ31内に挿し込むと、バルブ37は、カメラ支持管13によって押し広げられ、その復元性による付勢力により、カメラ支持管13を強く締め付ける。この結果、カメラ支持管13はカニューレ31に固定される。
【0179】
なお、カニューレ31は、低侵襲性を実現するために、直径が小さいものが好ましい。具体的には、カニューレ31は、直径が3mm以下であることが好ましい。
【0180】
(カメラ支持管13のカニューレ31への固定及びカメラユニット11への接合)
ここで、カメラ支持管13のカニューレ31への挿入及びカメラユニット11への接合の仕方について、
図17の(b)・(c)を参照して以下に説明する。
【0181】
カメラユニット11を体内でカメラ支持管13に接合する場合、まず、
図17の(b)に示すように、カメラ支持管13の内部にカメラ側ケーブル12を通した状態で、カメラ支持管13の一方の端部13aを、カニューレ31の太い方(体外側)の端部31bに押し当て、カメラ支持管13の上記一方の端部13aがカニューレ31から露出するまで、カメラ支持管13をカニューレ31内に挿し込む。このとき、バルブ37はカメラ支持管13によって押し広げられ、その復元性によってカメラ支持管13を付勢することでカメラ支持管13がカニューレ31に固定される。なお、カメラ支持管13の他方の端部13b(体外側)もカニューレ31から露出させておく。
【0182】
次いで、
図17の(c)に示すように、カメラ支持管13の体内側の端部13aの係止雄ねじ123を支持管接合部14の係止雌ねじ23に挿入し、螺合させることで、係止雄ねじ123が係止雌ねじ23に嵌まり、カメラユニット11とカメラ支持管13とが高い機械的強度で接合される。
【0183】
なお、
図17の(c)は、カメラ支持管13とカメラユニット11とを支持管接合部14にて接合した後、カメラ支持管13を引き上げ、カメラユニット11を、カニューレ31の体内側の端部31aと接触させた状態を示している。
【0184】
カメラ支持管13は、例えば、術者がカニューレ31を一方の手で押さえた状態で他方の手でカメラ支持管13に力を加える等、カメラ支持管13に外力を加えることで、外力の方向に移動可能にカニューレ31に固定されている。
【0185】
すなわち、カニューレ31は、カメラ支持管13に上下方向(軸方向)あるいは回転方向(円周方向)に外力を加えることで、カメラ支持管13を、上下方向あるいは回転方向に移動させることができるとともに、外力を加えないときは、カメラ支持管13の高さ方向および回転方向の任意の位置でカメラ支持管13を保持(固定)することができるようになっている。
【0186】
(固定部材)
カメラ支持管13を、体外において固定された固定物(被固定体)に固定することで、カメラ支持管13を、体表面45に対して一定の角度を保持した状態で固定する固定具(第2の固定部材)について説明する。
【0187】
図20の(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の要部の概略構成の一例を示す斜視図である。
図20の(a)〜(c)は、それぞれ、支持管固定部材の一例について図示している。
【0188】
<支持管固定部材例1>
本例に係る体内監視カメラシステム1は、
図20の(a)に示すように、支持管固定部材として、
図17の(a)〜(c)に示すカニューレ31及び固定器具141(専用器具)を備えている。
【0189】
本例では、固定具として、体表面45に直接固定が可能な専用の固定器具141を用いることにより、カニューレ31に固定されたカメラ支持管13を固定する。
【0190】
本例に係る固定器具141は、片面(体表面45との接触面)に図示しない粘着層を備えた支持台144と、該支持台144における粘着層とは反対側の面に固定された付属のバンド145(帯状の紐)と、バンド145の固定長さを調整するアジャスタ146とを備えている。
【0191】
バンド145は、その一方の端部が支持台144に直接固定されている一方、他方の端部がアジャスタ146を介して支持台144に固定されている。バンド145の固定長さは、支持台144に直接固定されたバンド145の固定端145aから、自由端であるバンド145の他方の端部を支持台144に固定するアジャスタ146までの長さを調整することで、任意に調整が可能となっている。
【0192】
本例では、固定器具141を、粘着層によって体表面45に固定した状態で、カメラ支持管13を固定したカニューレ31をバンド145によって支持台144に固定することで、カメラ支持管13を、カニューレ31を介して体表面45に固定する。
【0193】
したがって、術者が、カメラ支持管13を操作し、カメラ支持管13を容易に円周方向に回転させたり、カメラ支持管13を体内側に押し込んだり、体外側に引き上げたりすることで、カメラユニット11の視野の回転方向や撮像ズーム(被写体距離)を変えることができる。
【0194】
また、バンド145によるカニューレ31の固定位置を調整することで、体表面45に対するカニューレ31およびカメラ支持管13の固定角度(傾き)を変更することができる。これにより、所望の角度でカニューレ31およびカメラ支持管13を固定することができ、カメラユニット11の視野方向を任意に変更することができる。
【0195】
これにより、カメラ支持管13を、所望の状態で固定することができる。
【0196】
なお、本例では、
図20の(a)に示すようにバンド145の固定長さの調整にアジャスタ146を用いたが、バンド145の固定長さの調整方法は、これに限定されるものではない。例えば、アジャスタ146を用いる代わりに、バンド145として、マジックテープ(登録商標)等の面ファスナーが設けられたバンドを用いても構わない。
【0197】
また、
図20の(a)に示す例では、バンド145でカニューレ31を締め付ける(押さえ付ける)ことにより、カニューレ31を支持台144に括り付ける場合を例に挙げて図示したが、バンド145でカメラ支持管13を締め付ける(押さえ付ける)ことにより、カメラ支持管13を支持台144に括り付ける構成としても構わない。
【0198】
バンド145でカメラ支持管13を締め付ける場合、バンド145の固定長さを調整してバンド145を緩める等してカメラ支持管13あるいは支持台144を動かし、カメラ支持管13の位置を調整した後、再度、バンド145でカメラ支持管13を締め付けることでカメラ支持管13を所望の位置で固定してもよい。あるいは、バンド145の固定長さを調整したり、バンド145に伸縮性を持たせたりして締め付けの強さを調整することで、カメラ支持管13に一定以上の力を加えることでカメラ支持管13を動かすことができるようにカメラ支持管13を固定してもよい。
【0199】
なお、本例では、上述したようにカニューレ31として、
図17の(a)〜(c)に示すカニューレ31を使用する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、バンド145でカメラ支持管13を締め付ける場合、カメラ支持管13の移動がバンド145により制限されることから、カメラ支持管13は、必ずしもカニューレに固定されている必要はなく、カニューレとしては、一般的なカニューレを用いることができる。
【0200】
上述した例で用いられる専用の固定器具としては、体表面に固定できるものであれば、その形状、材質は特に限定されない。
【0201】
また、上述した例では、各固定器具を体表面に固定する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0202】
例えば、手術台に設置された専用の固定器具でカメラ支持管13やカニューレ31を固定してもよい。
【0203】
例えば、アームに、少なくとも1つの関節部を有し、該関節部でアームを屈曲させることができるとともに、屈曲角度を自在に変更することができるいわゆる関節アームあるいは多関節アームを使用し、該アームを、支持台あるいは体表面45に固定する代わりに、手術台そのもの、あるいは、手術台もしくは手術室内に設置された固定器具に固定するか、そのようなアームが設けられた支持台を、手術台、あるいは手術室内に設置された固定器具に固定してもよい。これにより、固定器具の固定位置からクランプ部までのリーチを長くすることができるので、固定器具を患部近傍の体表面45に固定する場合と同様の効果を得ることができる。
【0204】
<支持管固定部材例2>
本発明の他の支持管固定部材例について説明する。
【0205】
図20の(b)は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の要部の概略構成の一例を示す斜視図である。
【0206】
本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、支持管固定部材として、
図17の(a)〜(c)に示すカニューレ31及び粘着テープ46を備えている。
【0207】
本実施形態では、体表面45に直接固定が可能な粘着テープ46を用いることにより、カニューレ31に固定されたカメラ支持管13を固定する。なお、本実施形態でも、カメラ支持管13は、カニューレ31を介して間接的に体表面45に固定される。
【0208】
粘着テープ46には、体表面との接触部に粘着層を有する、手術で一般的に使用される粘着テープを用いることができる。粘着テープ46は、片面(体表面45との接触面)に図示しない粘着層を備え、該粘着層の粘着性により、体表面45に直接固定することが可能となっている。
【0209】
なお、本実施形態でも、術者が、カメラ支持管13を操作し、カメラ支持管13を容易に円周方向に回転させたり、カメラ支持管13を体内側に押し込んだり、体外側に引き上げたりすることで、カメラユニット11の視野の回転方向や撮像ズーム(被写体距離)を変えることができる。
【0210】
また、本実施形態では、カニューレ31における粘着テープ46の固定位置(言い換えれば、カニューレ31に粘着テープ46による押力が加わる位置)を変更することで、体表面45に対するカニューレ31およびカメラ支持管13の固定角度(傾き)を変更することができる。これにより、本実施形態でも、所望の角度でカニューレ31およびカメラ支持管13を固定することができ、カメラユニット11の視野方向を任意に変更することができる。
【0211】
また、例えばカニューレ31の下(つまり、カニューレ31と体表面45との間)に、カニューレ31の固定高さを調整する固定高さ調整部材として、例えば
図20の(a)に示す支持台144のように所望の厚みを有する物体を挟み込むことで、カニューレ31およびカメラ支持管13の固定角度(傾き)を変更してもよい。言い換えれば、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、支持管固定部材として、カニューレ31及び粘着テープ46に加えて、図示しない固定高さ調整部材をさらに備えていてもよい。
【0212】
これにより、本実施形態でも、カメラ支持管13を、所望の状態で固定することができる。
【0213】
なお、
図20の(b)に示す例では、粘着テープ46をカニューレ31に貼り付けることにより粘着テープ46でカニューレ31を固定する場合を例に挙げて図示したが、本実施形態でも、粘着テープ46をカメラ支持管13に貼り付けることにより粘着テープ46でカメラ支持管13を直接固定しても構わない。
【0214】
粘着テープ46でカメラ支持管13を直接固定する場合、手術者がカメラ支持管13を操作してカメラ支持管13の位置を調整し、粘着テープ46でカメラ支持管13を固定した後、カメラ支持管13の位置を変更する場合には、粘着テープ46を一旦剥がし、手術者がカメラ支持管13を操作してカメラ支持管13の位置を再度調整した後、再度、粘着テープ46でカメラ支持管13を固定すればよい。
【0215】
これにより、粘着テープ46でカメラ支持管13を直接固定する場合でも、カメラ支持管13を、所望の状態で固定することができる。
【0216】
なお、本実施形態でも、粘着テープ46でカメラ支持管13を直接固定する場合、カメラ支持管13の移動が粘着テープ46により制限されることから、カメラ支持管13は、必ずしもカニューレに固定されている必要はなく、カニューレとしては、一般的なカニューレを用いることができる。
【0217】
<支持管固定部材例3>
本発明のさらに他の実施形態について、
図10の(g)、(h)及び
図20の(c)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、主に、他の実施形態との相違点について説明するものとし、他の実施形態で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、本実施形態でも、他の実施形態と同様の変形が可能であることは言うまでもない。
【0218】
前述した他の実施形態では、カメラ支持管13、または、カメラ支持管13が固定されたカニューレ31を固定具で体外に固定する場合を例に挙げて説明した。
【0219】
本実施形態では、カメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定し、該カメラ側ケーブル12を固定具で体外に固定することでカメラ支持管13を固定する場合を例に挙げて説明する。
【0220】
図10の(g)は、カメラ支持管13における体外側の端部13bにケーブル留め具43(係止部材)を設けたときのカメラ支持管13の断面図および上面図を並べて示す図であり、
図10の(h)は、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に通したときのカメラ支持管13の断面図および上面図を並べて示す図であり、
図20の(c)は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1の要部の概略構成の一例を示す斜視図である。
【0221】
本実施形態に係る体内監視カメラシステム1は、支持管固定部材として、例えば、
図10の(g)、(h)及び
図20の(c)に示すカニューレ31、ケーブル留め具43、粘着テープ46を備えているとともに、カメラ側ケーブル12が、支持管固定部材としても機能する。
【0222】
実施形態1で説明したように、カメラ側ケーブル12は、ケーブルコネクタ15を介して機器側ケーブル16に接続される。本実施形態では、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に係止するために、
図10の(g)・(h)に示すように、カメラ支持管13の体外側の端部13bにケーブル留め具43(係止部材)を設けている。
【0223】
本実施形態によれば、このように、ケーブル留め具43の縦溝43aの底部(幅狭になっている部分)にカメラ側ケーブル12を固定することで、カメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定することができる。
【0224】
したがって、本実施形態によれば、
図10の(h)に示すようにケーブル留め具43によってカメラ側ケーブル12とカメラ支持管13とを固定した上で、
図20の(c)に示すようにカメラ側ケーブル12を粘着テープ46等で固定することで、カメラ支持管13の位置を固定することができる。
【0225】
<体内監視カメラシステム1の設置方法>
次に、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を、使用方法と併せて説明する。なお、実施形態1の設置方法と共通する部分については、説明を省略する。
【0226】
図18の(a)〜(d)および
図19の(a)〜(d)は、本実施形態に係る体内監視カメラシステム1における撮像装置2の設置方法を工程順に示す模式図である。なお、
図18の(a)〜(d)および
図19の(a)〜(d)は、カニューレ31を使用し、カニューレ31の内部にカメラ支持管13を挿通することによって、カメラ支持管13の一方の端部13aを体内に導入する方法を示す。
【0227】
図18の(a)に示すように、まず、術者は、体壁41に、鉗子や内視鏡を体腔内に挿入するためのポート41a〜41d(孔)を開け、ポート41a〜41cに、複数のトロッカー32(以下、トロッカー32a〜32cと称する)をそれぞれ挿入する。さらに、ポート41dにカニューレ31を挿入する。ポート41dの開孔には、例えば穿刺器具6を挿入したカニューレ31を用いて、カニューレ31の挿入と開孔を同時に行ってもよい。
【0228】
また、ここで、例えばカニューレ31の代わりにトロッカーのような穿刺機能を持つ器具のみを使用して体壁に挿入し、次の工程で、このトロッカーに直接ワイヤ状の引き出し補助具7を挿入してもかまわない。
【0229】
次に、
図18の(b)に示すように、ワイヤ状の引き出し補助具7を挿入し、穿刺器具6の先端から接続部8を出しておく。
【0230】
図18の(c)に示すように、術者は、トロッカー32cを通して内視鏡34を体腔内に挿入し、内視鏡34を用いて体内を観察しながら、鉗子33で接続部8を把持し、
図18の(d)に示すように、トロッカー32bから接続部8及びワイヤ部9を体外に引き出す。もう一方の端部には引手部10があるため、誤ってワイヤが体内に落ち込むことはなく、安全に操作できる。
【0231】
次に、
図19の(a)に示すように、カメラ側ケーブル12を
図5の(c)で示したように接続する。
【0232】
次に、
図19の(b)に示すように、引手部10を引くとともに、鉗子33でカメラユニット11を把持し、トロッカー32bを通して体腔内に挿入する。
【0233】
次に、
図19の(c)に示すように、引手部10を更に引き、穿刺器具6を体壁41から抜き取るとともにカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ケーブル留め具43を用いて固定する。
【0234】
次に、引手部10を更に引き、穿刺器具6を体壁41から抜き取った後、
図17の(d)に示すように、体外に導出したカメラ側ケーブル12を、カメラ支持管13のスリット223からカメラ支持管13の内部に通す。このとき、
図17の(e)に示すように、ケーブルコネクタ15の一部はカメラ支持管13のスリット223から露出していてもよい。さらに、
図17の(f)に示すように、カメラ支持管13をカニューレ31に挿入するとともに、
図19の(c)に示すように、カメラ支持管13と支持管接合部14とをねじ込み、あるいは差し込み等の方法で接合する。なお、穿刺器具6の内部をカメラ側ケーブル12及びケーブルコネクタ15を通すことが可能な場合には、穿刺器具6をカメラ支持管13として利用してもかまわない。
【0235】
差し込みの場合は、
図19の(d)に示すように、ケーブル留め具43でカメラ側ケーブル12とカメラ支持管13を固定してから、カメラ支持管13を用いてカメラユニット11を体壁の設置位置まで引き上げ、ストッパ77を用いてカメラ支持管13をカニューレ31に固定する。
【0236】
次に、
図19の(d)に示すように、引き出し補助具7を外し、カメラ側ケーブル12と延長ケーブル16aとをケーブルコネクタ15で接続し、延長ケーブル16aと機器側ケーブル16をケーブルコネクタ15aで接続する。尚、延長ケーブルや機器側ケーブルは、体内を通さないので、太い径のものが使用できる。
【0237】
尚、
図18の(a)〜(d)および
図19の(a)〜(d)に示す設置方法では、穿刺器具6を通して、引き出し補助具7を導入する方法について説明したが、これに限定するものではなく、
図18(a)の工程で穿刺を行った後、穿刺器具6をカメラ支持管13に交換し、カメラ支持管13を通して、引き出し補助具7を導入してもかまわない。また、
図18(a)の工程で穿刺を行った後、穿刺器具6を抜き取り、カニューレ31のみにしてから引き出し補助具7を導入し、支持管13は
図19の(c)の工程で設置してもかまわない。また、カニューレ31の代わりにトロッカー32を使用して、トロッカー32に引き出し補助具7を導入してもかまわない。
【0238】
<カメラユニット11の回収方法>
手術が終わり、カメラユニット11を回収する手順について説明する。
【0239】
まず、ケーブルコネクタ15とケーブル留め具43およびカメラ支持管13を外し、術者は、体内のカメラユニット11の支持部22を鉗子33で把持し、引っ張ってカメラ側ケーブル12を体内に引き込み、続いてトロッカー32から体外に引き出す。あるいは、切除した臓器を引き出すために開口した孔から引き出してもかまわない。
【0240】
<効果>
本実施形態でも、手術者がカメラ支持管13を操作してカメラ支持管13の位置を調整し、粘着テープ46でカメラ側ケーブル12を固定した後、カメラ支持管13の位置を変更する場合には、粘着テープ46を一旦剥がし、手術者がカメラ支持管13を操作してカメラ支持管13の位置を再度調整した後、再度、粘着テープ46でカメラ側ケーブル12を固定すればよい。
【0241】
また、例えばカメラ側ケーブル12の下(つまり、カメラ側ケーブル12と体表面45との間)、あるいは、状況に応じて、カニューレ31もしくはカメラ支持管13の下に、固定高さ調整部材として、例えば
図20の(a)に示す支持台144のように所望の厚みを有する物体を挟み込むことで、カメラ側ケーブル12に接続されたカニューレ31およびカメラ支持管13の固定角度(傾き)を変更してもよい。すなわち、本実施形態でも、支持管固定部材は、図示しない固定高さ調整部材をさらに備えていてもよい。
【0242】
これにより、粘着テープ46でカメラ側ケーブル12を直接固定する場合でも、カメラ支持管13を、所望の状態で固定することができる。
【0243】
なお、本実施形態でも、上述したようにカニューレ31として、
図17の(a)〜(c)に示すカニューレ31を使用する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態に係るカメラ支持管13は、必ずしもカニューレに固定されている必要はなく、カニューレとしては、一般的なカニューレを用いることができる。
【0244】
つまり、本実施形態では、カメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定し、カメラ側ケーブル12を体外に固定することで、カメラ側ケーブル12によって、カメラ支持管13を固定することができる。つまり、カメラ側ケーブル12を粘着テープ46で固定することで、カメラ側ケーブル12と接続されたカメラ支持管13の位置および向きが固定される。このため、カメラ支持管13を直接固定具で体外に固定する場合と同様に、カメラ支持管13は、カニューレに固定されていなくても構わない。
【0245】
また、本実施形態では、上述したようにケーブル留め具43を用いてカメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定し、該カメラ側ケーブル12を粘着テープ46で体外に固定することでカメラ支持管13を固定する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではなく、上述したようにケーブル留め具43を用いてカメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定した上で、カメラ支持管13あるいはカニューレ31を、該カメラ側ケーブル12を粘着テープ等の固定具で体外に固定しても構わない。勿論、カメラ側ケーブル12、カメラ支持管13、及びカニューレ31のうち何れか2つ以上を固定しても構わない。何れの場合にも、ケーブル留め具43を用いてカメラ支持管13にカメラ側ケーブル12を固定することで、上述したように作業性の向上を図るとともに、カメラ側ケーブルの断線を防止することができるという効果を得ることができる。
【0246】
また、本実施形態では、カメラ側ケーブル12あるいはカメラ支持管13もしくはカニューレ31の固定に粘着テープ46を用いるものとして説明した。しかしながら、固定具としてはこれに限定されるものではなく、他の実施形態でカメラ支持管13もしくはカニューレ31の固定に用いた固定具と同様の固定具を用いることができることは言うまでもない。
【0247】
なお、カメラ支持管13に、カメラ支持管13の軸方向への紐状部材の移動を防止する紐状部材固定部(例えば紐状部材を通したり結んだりして紐状部材を固定することができる固定部)を設けても、同様の効果を得ることができる。
【0248】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る体内監視カメラシステム(1)は、体内を監視するための撮像部(カメラユニット11)と、上記撮像部に接続され、上記支持管を通って体外へ引き出されるケーブル(カメラ側ケーブル12)と、体外にあり、上記ケーブルに接続され、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(3)と、撮像部及び上記ケーブルを体内に導入し、上記ケーブル端部を体外に引き出すために用いられるワイヤ状引き出し補助具と、を備えている。
【0249】
本発明の態様2に係る体内監視カメラシステム(1)は、上記態様1において、一方の端部13aが体内に導入される支持管(カメラ支持管13)と、上記支持管と接合される接合部(支持管接合部14)を有し、上記支持管と体内で接合される撮像部(カメラユニット11)を備えている。また、上記支持管として、穿刺器具6を用いてもよい。
【0250】
本発明の態様3に係る体内監視カメラシステム(1)は、上記態様2において、上記支持管を内部に挿通可能な管状構造を有する套管(カニューレ31)を備え、体外で上記套管と固定されており、上記固定部材は、上記套管を体表面に対して固定することで上記支持管を固定してもよい。
【0251】
本発明の態様4に係る体内監視カメラシステムの設置方法は、体外から、針状の穿刺器具を用いて、体内監視カメラシステムの撮像部設置位置の体壁に開孔する工程と、体内に挿入された筒状の穿刺器具の先端からワイヤ状引き出し補助具を押し出す工程と、体外から挿入した把持鉗子を用いて、体内にあるワイヤ状引き出し補助具の先端部をつかみ、体外に引き出す工程と、ワイヤ状引き出し補助具の先端部と、撮像部(カメラユニット11)に接続されたケーブル(カメラ側ケーブル12)の端部とを体外で接続する工程と、撮像部設置位置から体外に出ているワイヤ状引き出し補助具のもう一方の側を引っ張り、ワイヤ状引き出し補助具に接続されたケーブル及び撮像部を体内に引き込む工程と、ワイヤ状引き出し補助具を体外に全て引き出し、ケーブルの端部を体外に引き出す工程と、引き出したケーブルを体外で固定する工程と、ワイヤ状引き出し補助具の接続を外し、ケーブルを少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む体外の制御システム(3)に電気的に接続する工程と、を有している。
【0252】
本発明の態様5に係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様4において、体内に導入した上記ケーブルを体外へ引き出した後、一方の端部13aが体内に導入された支持管(カメラ支持管13)に通す工程と、体内において、上記撮像部と支持管とを、上記撮像部に設けられた接合部(支持管接合部14)で接合する工程と、体内における上記支持管の長さ、上記支持管の回転方向、及び体表面に対する上記支持管の傾きを調整し、上記支持管を、体表面に対して直接または間接的に固定する工程と、を有している。
【0253】
本発明の態様6に係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様4において、体内に導入した上記ケーブルを体外へ引き出した後、穿刺器具6を支持管(カメラ支持管13)として用い、体内において、上記撮像部と穿刺器具とを、上記撮像部に設けられた接合部(支持管接合部14)で接合する工程と、体内における上記支持管の長さ、上記支持管の回転方向、及び体表面に対する上記支持管の傾きを調整し、上記支持管を、体表面に対して直接または間接的に固定する工程と、を有している。
【0254】
本発明の態様7に係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様5もしくは6において、体壁に開口する際に、穿刺器具6と共に、上記支持管および穿刺器具を内部に挿通可能な管状構造を有する套管(カニューレ31)を導入する工程を有している。
【0255】
<変形例>
なお、本発明の体内監視カメラシステムの設置方法は、人間の体内にカメラシステムを設置する場合に限らず、人間以外の動物の体内にカメラシステムを設置する場合にも適用することができる。
【0256】
また、体内監視カメラシステムは、接続部8にケーブルコネクタ15が接続されたことを検知する接続判定手段(図示せず)と、引手部10を引っ張る引張手段(図示せず)と、を備えていてもよい。このような体内監視カメラシステムは、以下のように動作してもよい。
【0257】
第1に、ワイヤ状の引き出し補助具7が、穿刺器具6、体内、およびトロッカー32bを経由するように配された状態において、接続部8にケーブルコネクタ15が接続されたことを接続判定手段が検知する。
【0258】
接続判定手段は、例えば接続部8に設けられていてもよく、接続部8にケーブルコネクタ15が接続(固定)されたことを検知することができれば、如何なる態様により上記接続を検知するものであってもよい。また、接続判定手段は、接続部8にケーブルコネクタ15が接続(固定)されたことを検知したときに、検知信号を発信してもよい。
【0259】
第2に、接続部8にケーブルコネクタ15が接続されたことを接続判定手段が検知した後、引張手段が、引手部10を引っ張ることによって、カメラユニット11を体内に導入する。引張手段は、例えば回転軸を中心に回転可能であり、その周囲にワイヤ状の引き出し補助具7を巻き取ることができる構造を有していてもよい。引張手段は、接続判定手段から検知信号を受信し、動作してもよい。
【0260】
〔実施形態総括〕
本発明の態様1Aに係る体内監視カメラシステム(1)は、体内を監視するための撮像部(カメラユニット11)と、体外に設けられており、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(3)と、上記撮像部と、上記制御システムとの間の通信を可能にするケーブル(カメラ側ケーブル12)と、を備えている体内監視カメラシステムであって、ワイヤ構造を有している補助器具(引き出し補助具7)をさらに備えており、上記補助器具は、体壁に設けられた第1の孔を介して、上記撮像部と、一方の端部が上記撮像部に接続された上記ケーブルとを体外から体内に導入するとともに、体壁に設けられた第2の孔を介して、上記ケーブルの他方の端部を体内から体外に引き出すことを特徴とする。
【0261】
本発明の態様2Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様1において、上記補助器具は、ワイヤ部(ワイヤ9)と、上記ワイヤ部の一方の端部に設けられた接続部(8)とを備えており、上記ケーブルの上記他方の端部には、コネクタ(ケーブルコネクタ15)が設けられており、上記接続部は、上記コネクタを固定可能な形状を有していてもよい。また、撮像部を体内に導入するための補助器具はワイヤ部を含み、上記ワイヤ部の一端に上記ケーブルが接続された状態で、該ワイヤ部の一端が体外から第1体壁孔、体内および第2体壁孔を経由して体外に引き出されることにより、上記撮像部が体内に導入される体内監視カメラシステムであるともいえる。
【0262】
本発明の態様3Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様2において、上記ワイヤ部及び上記接続部の外径は、上記コネクタの外径以下であってもよい。
【0263】
本発明の態様4Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様2または3において、体壁に上記第2の孔を設けるための穿刺器具(6)をさらに備えており、上記穿刺器具は筒状であり、上記穿刺器具の内径は、上記ワイヤ部、上記接続部、及び上記ケーブルの外径よりも大きくてもよい。
【0264】
本発明の態様5Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様2または3において、体壁に上記第2の孔を設けるための穿刺器具(6)をさらに備えており、上記穿刺器具の外径は、上記ケーブルの外径と同等であってもよい。
【0265】
本発明の態様6Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様2〜5の何れかにおいて、上記補助器具は、上記ワイヤ部の他方の端部に設けられた引手部を備えており、上記引手部の外径は、上記第2の孔の内径よりも大きくてもよい。
【0266】
本発明の態様7Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様2〜6の何れかにおいて、上記接続部を保護する接続部保護キャップ(保護キャップ20)をさらに備えており、上記接続部保護キャップは、上記コネクタの形状に対応する部分を含んでいてもよい。
【0267】
本発明の態様8Aに係る体内監視カメラシステムは、上記態様4または5において、上記穿刺器具は、上記撮像部に固定することによって、上記撮像部を支持する支持管として機能してもよい。
【0268】
本発明の態様9Aに係る補助器具(引き出し補助具7)は、体内に配置され、体内を監視するための撮像部(カメラユニット11)と、体外に設けられており、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(3)と、上記撮像部と、上記制御システムとの間の通信を可能にするケーブル(カメラ側ケーブル12)と、を備える体内監視カメラシステム(1)において、上記撮像部を体内に設置するために用いられる補助器具であって、ワイヤ構造を有しており、体壁に設けられた第1の孔を介して、上記撮像部と、一方の端部が上記撮像部に接続された上記ケーブルとを体外から体内に導入するとともに、体壁に設けられた第2の孔を介して、上記ケーブルの他方の端部を体内から体外に引き出すことを特徴とする。
【0269】
本発明の態様10Aに係る体内監視カメラシステムの設置方法は、体内を監視するための撮像部(カメラユニット11)と、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(3)と、上記撮像部と、上記制御システムとの間の通信を可能にするケーブル(カメラ側ケーブル12)と、を備える体内監視カメラシステム(1)を設置する体内監視カメラシステムの設置方法であって、内部に空洞を有する穿刺器具(6)を用いて、体壁に第1の孔を設ける工程と、上記第1の孔を介して体内にワイヤ状の補助器具(引き出し補助具7)の一方の端部を挿入する工程と、体壁に設けられた第2の孔を介して、上記補助器具の上記一方の端部を体外に引き出す工程と、上記補助器具の上記一方の端部と、上記撮像部に接続された上記ケーブルとを体外で接続する工程と、上記補助器具の他方の端部を引っ張ることによって、上記第2の孔を介して上記撮像部と上記ケーブルとを体内に引き込み、上記第1の孔を介して上記ケーブルの端部を体外に引き出す工程と、上記補助器具の上記一方の端部と上記ケーブルとの接続を解除し、上記ケーブルの端部を上記制御システムに電気的に接続する工程と、を含んでいることを特徴とする。
【0270】
本発明の態様10Bに係る体内監視カメラシステムの作動方法は、体内を監視するための撮像部(カメラユニット11)と、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(3)と、上記撮像部と、上記制御システムとの間の通信を可能にするケーブル(カメラ側ケーブル12)と、を備える体内監視カメラシステム(1)の作動方法であって、上記体内監視カメラシステムは、上記撮像部を体内に導入するための補助器具(引き出し補助具7)を備えており、該補助器具はワイヤ部を含んでいるとともに、上記ワイヤ部の一方の端部には上記ケーブルのコネクタを接続可能な接続部が設けられており、上記体内監視カメラシステムは、上記接続部に上記コネクタが接続されたことを検知する接続判定手段と、上記ワイヤ部の他方の端部を引っ張る引張手段と、をさらに備えており、上記ワイヤ部が、体壁に設けられた第1の孔、体内、および体壁に設けられた第2の孔を経由するように配された状態において、上記接続部に上記コネクタが接続されたことを上記接続判定手段が検知する工程と、上記接続部に上記コネクタが接続されたことを上記接続判定手段が検知した後、上記引張手段が、上記ワイヤ部の他方の端部を引っ張ることによって、上記撮像部を体内に導入することを特徴とする。
【0271】
本発明の態様11Aに係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様10において、上記穿刺器具の内部の空洞に上記補助器具を配した状態で、体壁に上記第1の孔を設けてもよい。
【0272】
本発明の態様12Aに係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様10または11において、体内において、上記撮像部と、上記撮像部を固定するための支持管(カメラ支持管13)とを接続する工程と、体内において、上記支持管の長さ、上記支持管の回転方向、及び体表面に対する上記支持管の傾きからなる群より選択される少なくとも一つを調整する工程と、上記支持管を、体表面に対して直接または間接的に固定する工程と、を含んでいてもよい。
【0273】
本発明の態様13Aに係る体内監視カメラシステムの設置方法は、上記態様12において、上記支持管として上記穿刺器具を用いてもよい。
【0274】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。