特許第6019278号(P6019278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019278
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】封入式遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   A63F7/02 304Z
   A63F7/02 320
【請求項の数】10
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2012-202278(P2012-202278)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-54472(P2014-54472A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
(72)【発明者】
【氏名】安藤 繁光
【審査官】 眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−049385(JP,A)
【文献】 特開2010−125038(JP,A)
【文献】 特開2004−358064(JP,A)
【文献】 特開2012−091055(JP,A)
【文献】 特開2000−271323(JP,A)
【文献】 特開2012−231928(JP,A)
【文献】 特開2012−152448(JP,A)
【文献】 特開2012−161481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに前記演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに計時を開始する省電力計時手段と、
該省電力計時手段が所定の時間に達すると前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段と、を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項2】
発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないときに計時を開始する省電力計時手段と、
該省電力計時手段が所定の時間に達すると前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段と、を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第1の主制御装置は、特別図柄の停止状態を計時するための図柄停止計時手段を備え、
前記省電力モード要求信号を受信し、前記図柄停止計時手段が所定の時間に達したことを条件に前記副制御装置へ前記省電力モード指定信号を送信する構成とした封入式遊技機。
【請求項4】
発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信したときに計時を開始する省電力計時手段と、
前記省電力計時手段が所定の時間に達すると前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置には、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段と、を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項5】
発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信したときに前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信したときに計時を開始する一方、前記待機状態指定信号を受信したとき又は前記特別図柄の変動開始に関する信号を受信したときに計時を中止する省電力計時手段と、
前記省電力計時手段が所定の時間に達すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段と、を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたことを確認し、前記記憶媒体が接続状態であるときに前記第1の主制御装置に接続信号を送信する接続確認手段を備え、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態のときに前記接続信号を受信すると前記待機状態指定手段により前記副制御装置へ向けて前記待機状態指定信号を送信せしめることを特徴とする封入式遊技機。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたことを確認し、前記記憶媒体が接続状態であるときに前記第1の主制御装置に接続信号を送信する接続確認手段を備え、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態又は前記待機状態のときに前記接続信号を受信すると、前記副制御装置へ向けて特定演出を行なうように指示信号を送信せしめる特定演出指示手段を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記情報管理手段により持ち球の発生が確認されると、持ち球発生信号を前記第1の主制御装置へ向けて送信せしめ、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態ときに前記持ち球発生信号を受信すると前記待機状態指定手段により前記副制御装置へ向けて前記待機状態指定信号を送信せしめることを特徴とする封入式遊技機。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記情報管理手段により持ち球の発生が確認されると、持ち球発生信号を前記第1の主制御装置へ向けて送信せしめ、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態又は前記待機状態のときに前記持ち球発生信号を受信すると、前記副制御装置へ向けて特定の演出を行なうように指示信号を送信せしめる特定演出指示手段を設けたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の封入式遊技機において、
遊技の演出用に遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記副制御装置は、前記省電力モードの状態ときに前記演出操作手段が操作されると、前記待機画面表示手段により前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となすことを特徴とする封入式遊技機。









【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機内に封入された所定数の遊技球を循環利用して遊技を行う封入式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤へ発射された遊技球が始動口へ入球することに起因して大当りか否かの当否判定を行うとともに、図柄の変動を開始し、後に図柄を確定表示せしめて当否判定の結果を示唆し、大当りであれば賞球の獲得に有利な大当り遊技に移行するものが主流ある。
【0003】
近時、パチンコ機として、機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この種の封入式パチンコ機は、遊技可能な遊技球が上皿や下皿に貯留されることがなく、代わりに遊技者に貸出した遊技球の球数と遊技中の入賞に基づく賞球数とに応じて遊技可能な遊技球の持ち球数を算出し表示する構成で、遊技の進行に応じて持ち球数が増減して表示される。また記憶媒体としてICカードなどを用い、遊技球の貸出し及び遊技終了時の残高や持ち球のデータの記憶を行う。
【0005】
これによれば、従来のパチンコ機の外部から遊技球が供給される構成では遊技球を研磨して複数のパチンコ機に供給するための大規模な設備が必要であるが、封入式パチンコ機では遊技球は機内で循環するのみであるため、大規模な設備を必要とせず、パチンコ店全体の電力消費量を抑えることができて経済的である上、大規模な設備で大量の遊技球を研磨し循環させる必要がないため大幅な騒音の抑制が可能で、環境面でも良好である。
【0006】
従来の他のパチンコ機として、遊技機に省電力機能を設けることが提案されている(特許文献2参照)。特に遊技者が遊技をしていない時に省電力を図ることにより無駄な電力消費を抑える効果が発揮され、該少電力機能を前記封入式パチンコ機で実施すればより高い経済面、環境面での良好な効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05―023415号公報
【特許文献2】特開2002―177480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のパチンコ機は、省電力機能とともに、遊技機が空いているときに、自身をアピールするデモ画面等を表示する待機状態の機能を有する。これら待機の機能や省電力の機能は切換えるタイミングが重要となり、特に封入式パチンコ機では次のような問題が生じるおそれがある。例えば、トイレ休憩などで席を離れる場合、供給式のパチンコ機では上皿などに少し遊技球を残しておけば、遊技店の従業員や他の客に一時的に席を離れているだけであると示すことができるが、封入式パチンコ機では上皿がないうえ、盗難防止のためにカードユニットからカードを取出してから席を立つこととなり、その間に省電力モードになると、一時的に席を外しているのか遊技を止めたのか判らなくなる。特に遊技状態が確変状態などで席を離れると、普通は確変状態で遊技を止めることはないため、一時的に席を離れているとわかるが、省電力モードでは表示装置の画面を見ても判らず、従業員や他の客とのトラブルを招くおそれがある。
また待機機能に関しては、従来構成では特別図柄の変動が停止すると待機状態に移行するようになっているため、始動口への入賞が無い状態が続くと、遊技者が弾球しているのに係らず待機状態になり、遊技者にとってはあたかも遊技機に遊技していないと見做されたといった感じを受け、不快な思いをする。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、遊技者に不快な思いをさせることなく遊技意欲を高めつつ、的確に待機状態または省電力状態に切換えることができ、経済的でかつ環境に良好な封入式遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに前記演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに計時を開始する省電力計時手段と、
該省電力計時手段が所定の時間に達すると前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段とを設けた。
尚、前記検出手段は、遊技者が遊技球を発射しようと遊技機の発射ハンドルを握っていることを検出するタッチSWからの検出信号により遊技者の検出を行うことが望ましい。また、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されていないとは、記憶媒体のデータの読み書きが不可能な状態である。情報処理装置としてカードリーダ、記憶媒体としてICカードが望ましい。この場合、接続されていないとはカードリーダへのICカードが未挿入の状態である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、第2の主制御装置の検出手段により遊技者が不在とされ、かつ第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の待機画面表示手段により待機状態に設定される。このように待機状態を、タッチSWの検出結果(遊技者不在)と特別図柄の変動を条件にすることにより、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することを確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
また遊技者が不在でかつ情報処理装置に記憶媒体が接続されていないとき、又は遊技者が不在かつ情報管理手段の持ち球数が無いときに第2の主制御装置の省電力計時手段が作動する。省電力計時手段により所定の時間が経過し、第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の省電力モード手段により省電力モードに設定される。このように遊技者が不在で記憶媒体の無い状態や持ち球ゼロの状態の経過時間を計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態にて省電力モードを実施することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないときに計時を開始する省電力計時手段と、
該省電力計時手段が所定の時間に達すると前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段とを設けた。
尚、前記検出手段は、遊技者が遊技球を発射しようと遊技機の発射ハンドルを握っていることを検出するタッチSWからの検出信号により遊技者の検出を行うことが望ましい。また、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されていないとは、記憶媒体のデータの読み書きが不可能な状態である。情報処理装置としてカードリーダ、記憶媒体としてICカードが望ましい。この場合、接続されていないとはカードリーダへのICカードが未挿入の状態である。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第2の主制御装置の検出手段により遊技者が不在とされ、情報管理手段により持ち球無いとされ、かつ第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の待機画面表示手段により待機状態に設定される。このように待機状態を、タッチSWの検出結果(遊技者不在)、持ち球の有無および特別図柄の変動を条件にすることにより、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することをより確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
また遊技者が不在でかつ情報管理手段の持ち球数が無いときに第2の主制御装置の省電力計時手段が作動する。省電力計時手段により所定の時間が経過し、第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の省電力モード手段により省電力モードに設定される。このように遊技者が不在で記憶媒体の無い状態や持ち球ゼロの状態の経過時間を計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態にて省電力モードを実施することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第1の主制御装置は、特別図柄の停止状態を計時するための図柄停止計時手段を備え、
前記省電力モード要求信号を受信し、前記図柄停止計時手段が所定の時間に達したことを条件に前記副制御装置へ前記省電力モード指定信号を送信する構成とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、特別図柄の変動が停止してから十分な時間が経過した後に省電力モードとするので、確実に遊技が行われていない状況で省電力モードへ移行することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信したときに計時を開始する省電力計時手段と、
前記省電力計時手段が所定の時間に達すると前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置には、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段とを設けた。
尚、前記検出手段は、遊技者が遊技球を発射しようと遊技機の発射ハンドルを握っていることを検出するタッチSWからの検出信号により遊技者の検出を行うことが望ましい。また、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されていないとは、記憶媒体のデータの読み書きが不可能な状態である。情報処理装置としてカードリーダ、記憶媒体としてICカードが望ましい。この場合、接続されていないとはカードリーダへのICカードが未挿入の状態である。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、第2の主制御装置の検出手段により遊技者が不在とされ、かつ第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の待機画面表示手段により待機状態に設定される。このように待機状態を、タッチSWの検出結果(遊技者不在)と特別図柄の変動を条件にすることにより、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することを確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
また第2の主制御装置により遊技者が不在でかつ情報処理装置に記憶媒体が接続されていないとき、又は遊技者が不在かつ情報管理手段の持ち球数が無いとされると、第1の主制御装置の省電力計時手段が作動する。省電力計時手段により所定の時間(特別図柄の変動時間以上の時間)が経過すると副制御装置の省電力モード手段により省電力モードに設定される。このように第1の主制御装置は遊技者が不在で記憶媒体の無い状態や持ち球ゼロの状態の経過時間を計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態にて省電力モードを実施することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、発射装置から遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置から再度遊技盤に発射するようになし、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う遊技球封入式の遊技機であって、
遊技の進行を制御し、かつ前記遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して遊技者にとって有利な大当りか否かの当否判定を行うとともに、特別図柄を変動表示した後に確定表示せしめて前記当否判定の結果を示唆する第1の主制御装置と、
遊技が可能な遊技球の持ち球数などの情報が記憶された記憶媒体の読取りおよび書込みなどの情報処理を行う情報処理装置と通信可能に設けられ、持ち球数などの情報に基づく遊技球の貸し出し処理と発射装置の制御を行うとともに、遊技盤に設けられた複数の入賞口への入賞に応じて賞球を付与する第2の主制御装置と、
前記特別図柄の変動に対応して演出図柄表示装置にて演出表示を行なうとともに演出表示に対応する音声やランプ類の制御を行う副制御装置と、を具備し、
前記第2の主制御装置は、前記第1の主制御装置へ向けて指示信号を送信可能で、
遊技者の存在を検出する検出手段と、
持ち球数などの情報を管理する情報管理手段と、
前記検出手段が非検出時に前記第1の主制御装置へ向けて待機状態要求信号を送信せしめる待機信号要求手段と、
前記検出手段が非検出状態でかつ前記情報処理装置に着脱可能に設けられる前記記憶媒体が接続されていないとき、又は前記非検出状態でかつ前記情報管理手段の持ち球数の情報が無いときに前記第1の主制御装置へ省電力モード要求信号を送信せしめる省電力モード要求手段と、を設け、
前記第1の主制御装置には、前記待機状態要求信号を受信すると、受信時に少なくとも前記特別図柄が変動していないことを条件に前記副制御装置へ向けて待機状態指定信号を送信せしめる待機状態指定手段と、
前記省電力モード要求信号を受信したときに前記副制御装置へ向けて省電力モード指定信号を送信せしめる省電力指定手段と、を設け、
前記副制御装置は、前記待機状態指定信号を受信すると前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす待機画面表示手段と、
前記省電力モード指定信号を受信したときに計時を開始する一方、前記待機状態指定信号を受信したとき又は前記特別図柄の変動開始に関する信号を受信したときに計時を中止する省電力計時手段と、
前記省電力計時手段が所定の時間に達すると前記演出図柄表示装置の表示内容および音声やランプ類の制御内容を省電力モードとなす省電力モード手段とを設けた。
尚、前記検出手段は、遊技者が遊技球を発射しようと遊技機の発射ハンドルを握っていることを検出するタッチSWからの検出信号により遊技者の検出を行うことが望ましい。また、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されていないとは、記憶媒体のデータの読み書きが不可能な状態である。情報処理装置としてカードリーダ、記憶媒体としてICカードが望ましい。この場合、接続されていないとはカードリーダへのICカードが未挿入の状態である。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、第2の主制御装置の検出手段により遊技者が不在とされ、かつ第1の主制御装置により特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の待機画面表示手段により待機状態に設定される。このように待機状態を、タッチSWの検出結果(遊技者不在)と特別図柄の変動を条件にすることにより、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することを確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
また遊技者が不在でかつ情報処理装置に記憶媒体が接続されていないとき、又は遊技者が不在かつ情報管理手段の持ち球数が無いときに副制御装置の省電力計時手段が作動する。省電力計時手段により所定の時間が経過し、特別図柄が変動中ではないとされると、副制御装置の省電力モード手段により省電力モードに設定される。このように遊技者が不在で記憶媒体の無い状態や持ち球ゼロの状態の経過時間を副制御装置により計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態にて省電力モードを実施することができる。一方、省電力計時手段が計時中であっても第1の主制御装置からの待機状態への指示又は特別図柄変動の指示により計時を中止し、クリアするので、必要のない省電力モードへの移行を防ぐことができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたことを確認し、前記記憶媒体が接続状態であるときに前記第1の主制御装置に接続信号を送信する接続確認手段を備え、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態のときに前記接続信号を受信すると前記待機状態指定手段により前記副制御装置へ向けて前記待機状態指定信号を送信する構成とする。
【0020】
一般的に遊技機では遊技球を発射した時点を遊技開始と見做し、このタイミングで省電力状態から通常に切換えている。外部より遊技球が供給されるパチンコ機では、遊技者は最初に貸し球を受けて遊技球が貯留皿に貯留されることにより期待感が高まり、発射時点を遊技開始時と見做しても充分である。
しかしながら封入式パチンコ機では遊技球が貯留皿に貯留されないため、発射まで省電力状態を続けると遊技者のモチベーションが上がらない。
そこで請求項6に記載の発明によれば、ICカード(遊技媒体)がICカードユニット(情報処理装置)に挿入(接続)された地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態である場合は待機状態に復帰させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高める効果を奏す。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたことを確認し、前記記憶媒体が接続状態であるときに前記第1の主制御装置に接続信号を送信する接続確認手段を備え、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態又は前記待機状態のときに前記接続信号を受信すると、前記副制御装置へ向けて特定演出を行なうように指示信号を送信せしめる特定演出指示手段を設けた。
尚、前記記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとは、記憶媒体へのデータの読み書きが可能な状態である。また情報処理装置としてカードリーダであり、記憶媒体としてICカードが望ましい。この場合、接続とはカードリーダへICカードを挿入した状態である。
【0022】
一般的に遊技機では遊技球を発射した時点を遊技開始と見做し、このタイミングで待機や省電力状態から通常に切換えている。外部より遊技球が供給されるパチンコ機では、遊技者は最初に貸し球を受けて遊技球が貯留皿に貯留されることにより期待感が高まり、発射時点を遊技開始時と見做しても充分である。
しかしながら封入式パチンコ機では遊技球が貯留皿に貯留されないため、発射まで待機や省電力状態を続けると遊技者のモチベーションが上がらない。
そこで請求項7に記載の発明によれば、ICカード(遊技媒体)がICカードユニット(情報処理装置)に挿入(接続)された地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態又は待機状態を終了させて挨拶演出を行うことができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高める効果を奏す。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記情報管理手段により持ち球の発生が確認されると、持ち球発生信号を前記第1の主制御装置へ向けて送信せしめ、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態ときに前記持ち球発生信号を受信すると前記待機状態指定手段により前記副制御装置へ向けて前記待機状態指定信号を送信する構成とする。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、カードユニット(情報処理装置)から遊技機の情報管理手段に持ち球データが送信された地点で遊技者に遊技の意志があると見做し、省電力モード状態である場合は待機状態に復帰させることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の封入式遊技機において、
前記第2の主制御装置は、前記情報管理手段により持ち球の発生が確認されると、持ち球発生信号を前記第1の主制御装置へ向けて送信せしめ、
前記第1の主制御装置は、前記省電力モードの状態又は前記待機状態のときに前記持ち球発生信号を受信すると、前記副制御装置へ向けて特定の演出を行なうように指示信号を送信せしめる特定演出指示手段を設けた。
【0026】
一般的に遊技機では遊技球を発射した時点を遊技開始と見做し、このタイミングで待機や省電力状態から通常に切換えている。外部より遊技球が供給されるパチンコ機では、遊技者は最初に貸し球を受けて遊技球が貯留皿に貯留されることにより期待感が高まり、発射時点を遊技開始時と見做しても充分である。
しかしながら封入式パチンコ機では遊技球が貯留皿に貯留されないため、発射まで待機や省電力状態を続けると遊技者のやる気をなくさせるおそれがある。
そこで請求項9に記載の発明によれば、カードユニット(情報処理装置)から遊技機の情報管理手段に持ち球データが送信された地点で前記遊技球が貯留皿に貯留された状態と見做し、省電力モード状態又は待機状態を終了させて挨拶演出を行うことができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の封入式遊技機において、
遊技の演出用に遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記副制御装置は、前記省電力モードの状態ときに前記演出操作手段が操作されると、前記待機画面表示手段により前記演出図柄表示装置の表示内容を待機画面表示となす構成とる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、ICカードを挿入する前に、演出操作手段を操作することにより待機状態に復帰させることができ、どのようなモチーフの遊技機であるかを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明を適用した第1の実施形態の遊技機の正面図である。
図2】前記遊技機に用いられた発射装置の説明図である。
図3】前記遊技機の背面図である。
図4】前記遊技機の全体の電気ブロック図である。
図5】本発明に関連する要部の電気ブロック図である。
図6】前記遊技機の主制御装置(第1の主制御装置)で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
図7】前記主制御装置で実行される始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
図8】前記主制御装置で実行される特別図柄の当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図9】前記当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図10】前記当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図11】前記当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図12】前記遊技機の払出制御装置(第2の主制御装置)で実行される要求信号送信処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図13】前記主制御装置で実行される指定信号送信処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図14】前記遊技機のサブ統合制御装置(副制御装置)で実行される待機状態制御処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図15】前記遊技機の演出図柄表示装置に表示される図柄変動、待機画面および省電力モードの表示態様を示す図である。
図16】前記払出制御装置で実行されるカード信号送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
図17】前記主制御装置で実行される待機状態復帰処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図18】本発明を適用した第2の実施形態の遊技機の払出制御装置で実行される要求信号送信処理2の制御内容を示すフローチャートである。
図19】本発明を適用した第3の実施形態の遊技機の払出制御装置で実行される要求信号送信処理3の制御内容を示すフローチャートである。
図20】前記遊技機の主制御装置で実行される指定信号送信処理2の制御内容を示すフローチャートである。
図21】本発明を適用した第4の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される指定信号送信処理3の制御内容を示すフローチャートである。
図22】前記遊技機のサブ統合制御装置で実行される待機状態制御処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図23】本発明を適用した第5の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される特定演出指示処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図24】前記遊技機の演出図柄表示装置に表示される挨拶画面の表示態様を示す図である。
図25】本発明を適用した第6の実施形態の遊技機の払出制御装置で実行される持ち球信号送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
図26】前記遊技機の主制御装置で実行される待機状態復帰処理2の制御内容を示すフローチャートである。
図27】本発明を適用した第7の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される特定演出指示処理2の制御内容を示すフローチャートである。
図28】本発明を適用した第8の実施形態の遊技機のサブ統合制御装置で実行される待機画面復帰処理の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、機台内に所定数の遊技球が封入されており、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、入賞した遊技球(入賞球)、入賞しなかったアウト球に関わらず発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成とされている。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2が設けてある。
【0031】
前枠11の下部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0032】
前枠11の下半部の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより前枠11の上部左端に設けられた発射装置31が作動して左斜め上方から遊技盤2に向けて遊技球が発射される。
【0033】
本パチンコ機1には遊技者のICカード(から記憶内容の読み書き等の情報処理を行うカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。尚、CRユニット60は特許請求の範囲に記載の情報処理装置に、ICカードは記憶媒体に相当する。ICカードには記憶情報として、遊技球を貸出し可能な金額を示すクレジット残高、および封入式では遊技者が直接遊技球を手にできないので賞球により獲得した持ち球数などが記憶される。ICカードは、遊技開始時、クレジット残高の範囲内で遊技球の貸出しが可能であり、貸出しに応じてクレジット残高が更新される。そして遊技終了時には持ち球数が記憶される。
【0034】
CRユニット60に関連してパチンコ機1には前枠11の下半部の左側に貸出SW171、返却SW172および残高表示装置173が設けてある。
また貸出SW171、返却SW172および残高表示装置173に隣接して遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
更に遊技可能な持ち球を集計するための計数SW174と、持ち球数を表示する持ち球数表示装置175が設置されている。
【0035】
遊技盤2にはレール体201によって囲まれた遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケースが装着され、センターケースには演出図柄表示装置21(全体の図示は省略する。)のLCDパネルが配設されている。またセンターケースには、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋(遊技球通路)、ステージなどが設けられている。
【0036】
演出図柄表示装置21の左右両側位置には遊技球が通過可能な通過ゲート22がそれぞれ設置されている。また演出図柄表示装置21の中央下方位置には、常時上方へ向かって開口し遊技球の入球が可能な第1特別図柄始動口(以下、第1特図始動口という)23と、その直下位置には普通電動役物(普電役物)により開閉可能であり、開放時にのみ入球可能の第2特別図柄始動口(以下、第2特図始動口という)24が設けられている。
【0037】
前記第1特図始動口23および第2特図始動口24は特別図柄(以下、単に特図という)の抽選(当否判定)を実行する始動口である。各第1および第2の特図始動口23、24は遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は特図の保留記憶として記憶される。
【0038】
第2特図始動口24は、前記通過ゲート22への遊技球の通過に起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなることにより前記普電役物が所定の時間開放する。
【0039】
第1および第2特図始動口23,24の左右両側位置には複数の普通入賞口26が配されている。また、第2特図始動口24の下方には、開閉板にて開閉される大入賞口25が配され、盤面最下部にはアウト口29が設けられている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘が植設されている。
【0040】
図2に示すように、発射装置31は、中央に発射台310が設けられ、該発射台310へは球送り機構312の作動により開口部313を経て遊技球Bが一球ずつ送り出される。そして発射モータ314により駆動する発射槌311の作動により遊技球Bを打ち出して遊技盤2の遊技領域20へ向けて発射する。
【0041】
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。
そして、前枠11の裏面および内枠30には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射装置31、電源基板(図略)が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、発射装置31および演出図柄制御装置43は遊技盤2の裏面に設けられ、払出制御装置41、電源基板は内枠30に設けられている。
【0042】
また、パチンコ機の裏面には下部に、遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する研磨装置45が設置されており、更に研磨した遊技球をパチンコ機の下部から上部の前記発射装置31へ送る揚送装置33が内枠30の裏面右側に沿って上下方向に設置されている。
【0043】
図4は本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置(第1の主制御装置)40を中心に、払出制御装置41(第2の主制御装置)、サブ統合制御装置42(副制御装置)および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
【0044】
主制御装置40は、前枠(ガラス枠)11、内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501および内枠開放SW502と電気的に接続され、遊技盤中継端子板541を介して、第1特図始動口23への入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2始動口SW504、普図通過ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、左右の各普通入賞口26への入球を検出する左入賞口SW506、右入賞口SW507、大入賞装置25への入球を検出するカウントSW508、不正行為を検出するための磁石センサ511、電波センサ512等と電気的に接続され、各SW、センサからの検出信号が入力される。
【0045】
主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板542を介して特図表示装置27、特図保留数表示装置271、普通図柄表示装置28および普図保留数表示装置281の表示制御を行なう。尚、これら表示装置72,271,28,281は遊技盤の前面の遊技領域の外部に設けてある。
【0046】
また主制御装置40は、遊技盤版中継端子板541を介して大入賞口ソレノイド513を駆動して大入賞口25を開放作動せしめ、普電役物ソレノイド514を駆動して第2特図始動口24の普電役物を開閉する。更に主制御装置40は、賞球数表示装置176が接続され賞球数の表示制御を行う。
【0047】
主制御装置40は払出制御装置41と双方向通信が可能に接続されている。
払出制御装置41は、CRユニット端子板548を介してCRユニット60と通信可能に接続されている。また、残高表示装置173を介して貸出しおよび返却SW171,172による貸出要求、返却要求の操作信号を受付けるように構成されている。払出制御装置41は、前記貸出要求、返却要求の操作信号に基づいてCRユニット60との間で通信を行い、CRユニット60に挿入されたICカードに関するクレジット残高の把握、貸出要求信号に応じた貸出し球数の設定、返却要求信号に応じてクレジット残高の返却処理等を行う。
CRユニット60は遊技施設のホールコンピュータ500と通信可能に設続され、払出制御装置41との通信内容に基づいてパチンコ機1の遊技情報をホールコンピュータ500へ送信するように構成されている。
【0048】
また払出制御装置41は、発射操作部中継端子板543を介して、前記発射ハンドル14の操作量を検出するハンドルボリューム520の操作量検出信号、発射停止SW522の停止検出信号、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW521(特許請求の範囲に記載の検出手段に相当)等の検出信号が入力される。
更に発射操作部中継端子板543および操作部中継端子板549を介して持ち球数を計数する操作を行なう計数SW174の操作信号が入力され、かつ持ち球表示像地175の表示制御を行う。
更に払出制御装置41は、発射装置中継端子板544を介して、前記発射装置31の入口での遊技球の有無を検出する発射入口センサ524、発射モータ314、前記球送り機構312を駆動する球送りソレノイド526が接続されている。そして、払出制御装置41は、主制御装置40から送られてくる遊技状況が反映されたコマンド、前記ハンドルボリューム520、タッチSW521、発射停止SW522および発射入口センサ524の信号等に基づいて発射モータ314、球送りソレノイド526を駆動制御して遊技球を発射および停止させる。
【0049】
更にまた払出制御装置41は、前記CRユニット60との通信処理、遊技球の発射に関する制御の他、研磨装置中継端子板545を介してカセットスイッチ527と研磨モータセンサ528の検出信号が入力され、これら検出信号に応じてカセットモータ529および研磨モータ530を駆動して前記研磨装置45を制御せしめる構成である。
また研磨装置45の制御の他に、払出制御装置41は、揚上中継端子板546を介して揚上入口センサ532と揚上モータ監視センサ533の検出信号が入力され、これら検出信号に応じて揚上モータ531を駆動して前記揚送装置33を制御せしめる。
【0050】
更に、払出制御装置41には、内枠中継端子板547を介して、第1、第2特図始動口23,24や大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入賞した入賞球を検出する入賞球センサ509、入賞することなくアウトとなったアウト球を検出するアウト球センサ510、パチンコ機内の遊技球の適正量を検出する適正量検出センサ534、満タンセンサ535、および夜間監視スイッチ536等の検出信号が入力される構成である。
尚、前記入賞球センサ509は、第1、第2特図始動口23,24や大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入賞した入賞球を回収して前記研磨装置45へ送るために遊技盤の裏面に設けられた球通路の下流部に設置され、各入賞口への入賞球を一括して検出するように構成されている。
前記アウト球センサ510は、アウト口29から研磨装置45へアウト球を送る球通路に設けられている。
【0051】
サブ統合制御装置42には、ジョグダイヤル16および遊技ボタン15の操作を検出する検出信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0052】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0053】
図5は本発明に関わりの深い複数の装置の互いの関係を示す。CRユニット60にはICカード61が着脱可能に挿入(接続)され、CRユニット61はICカード61に記憶されたクレジット残高や持ち球数等の情報の読取りや書込みといった情報処理を行う。
【0054】
CRユニット60と払出制御装置41とは相互通信可能に接続されている。遊技開始時には前記ICカード61から読取ったクレジット残高や持ち球数等の情報がCRユニット60から払出制御装置41へ送信される。払出制御装置41は、球貸出し後のクレジット残高や、遊技中の球発射や賞球に応じて変化する持ち球数の情報を管理(記憶処理、加減算処理)する(特許請求の範囲に記載の情報管理手段に相当する)。遊技終了時には精算された持ち球数やクレジット残高の情報が払出制御装置41からCRユニット60へ送信され、ICカードの情報が更新される。
また払出制御装置41は、後述する省電力モードへの移行に用いられる省電力タイマ(省電力計時手段)を有する。更に前記タッチSW521からの検出信号が入力される。
【0055】
払出制御装置41と主制御装置40とは相互通信可能に接続されている。両者間では、払出制御装置41から主制御装置40へ後述する省電力モードへの移行の要求信号や後述する待機状態への移行の要求信号等が送られ、主制御装置40から払出制御装置41へは入賞に応じた賞球の払出し指示等が送られる。
【0056】
主制御装置40とサブ統合制御装置42とは、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ、特図、その変動パターン、後述する省電力モードへの移行の指定信号や後述する待機状態への移行の指定信号等の一方方向の送信が可能に設続されている。
サブ統合制御装置42には演出ボタン15の操作信号が入力される。またサブ統合制御装置42は演出図柄表示装置21へ特図に対応する擬似演出図柄や後述する省電力モードの制御指示や後述する待機状態への移行の指示等を送信可能である。
【0057】
本パチンコ機1において遊技を開始する場合、ICカードのクレジット残高の範囲内で遊技球の貸出しを行い、これを遊技に使用することが可能な持ち球として遊技を開始する。又はCRユニット60へのICカード挿入時にカードに持ち球数の記憶がある場合にはこれを読み取り持ち球として遊技を開始する。
パチンコ機1の遊技は、第1、第2特図始動口23,24への入球があると、これに起因して特図当否判定用の乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて当否判定を行い、特図表示装置27において特図の図柄変動、演出図柄表示装置21において特図に対応する擬似演出図柄の図柄変動を開始する。
【0058】
前記特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,27に大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。大当り遊技は、大入賞装置25を開放し所定の時間または入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。尚、第2特図始動口24の普電役物は、通過ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選が実施され、当否抽選の結果が当りであれば開放される。
【0059】
本パチンコ機1は、前記持ち球数表示装置175で持ち球数の表示を、前記賞球数表示装置176で賞球数を表示する構成であるが、演出図柄表示装置21において、遊技に応じて特図の変動に伴う演出表示を実施するとともに、持ち球数の表示と、賞球数を表示する構成としてもよい。
【0060】
以下、主制御装置40および払出制御装置41で実行される本発明に関わりの深いプログラム処理について説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0061】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0062】
次に、前記の入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図7に示す「始動入賞確認処理」は前記入賞確認処理(S107)のサブルーチンで、第1特図始動口23および第2特図始動口24への入球があれば(S200:yes)、入球に対応する特図の保留記憶が満杯か確認する(S201)。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は4個である。
【0063】
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して抽出した複数の乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を保留記憶として記憶する。またこの処理では、第1又は第2特図保留数表示装置271,272の点灯数を1つ増加させるとともに、サブ統合装置42へ現在の保留記憶数を送信するコマンドの送信処理を行う。その後、リターンする。
【0064】
図8ないし図11は「当否判定処理」のフローチャートを示す。図8に示すように「当否判定処理」は、先ず、役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否かを確認し(S300)、大当り遊技中でなければ(S300:no)、第1、第2特図が変動中であるか否かを確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、第1、第2特図の確定図柄が表示中であるか否かを確認する(S302)。尚、前記役物連続作動装置が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0065】
前記S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、図9に示すように、特図の保留記憶があるか否かを確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0066】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が確変状態(高確率)であるか否かを確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0067】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0068】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口25の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。
【0069】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶のハズレ図柄決定用乱数に基づいてハズレ図柄を決定し、続いて、演出図柄表示装置15に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する(S320)。続くハズレ設定処理(S321)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする確変回数と時短回数を減算する。
【0070】
S318又はS321の各設定処理の後、S322の処理では、特図表示装置16の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置83へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行し大当り時には大入賞口25を開放する大当り遊技が実施される。
【0071】
前記図8のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、図10に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置27の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信する。続くS332の処理では特図の停止の時間を計時する特図停止タイマ(図柄停止計時手段)を作動させる。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0072】
前記図8のS302の処理で確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、図11のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置27の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0073】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか否かを確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0074】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0075】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを確認し(S350)、確変フラグが「1」であり(S350:yes)、確変カウンタ(回数)が「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であり(S353:yes)、時短カウンタ(回数)が「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する。
【0076】
尚、フローチャートは省略したが、「特別遊技処理」では大当り遊技の開始、大入賞口の開放の制御、大当り遊技の終了、終了後の遊技状態、例えば確変や時短の設定などの処理を行う。
【0077】
次にパチンコ機の省電力モードへの移行、待機状態への移行に関わる制御について説明する。これらの制御は、払出制御装置41から主制御装置40へ省電力モード要求信号又は待機状態要求信号が送信され、これらの信号に応じて主制御装置がサブ統合制御装置42へ省電力モード要求信号又は待機状態要求信号を送信し、これらの信号に応じてサブ統合制御装置42が演出図柄表示装置21および各種ランプ・LEDや音声を省電力モードまたは待機状態に移行せしめる基本の流れを有する。
【0078】
図12に示す「要求信号送信処理1」は払出制御装置41により実行される処理である。この処理では先ず、S400の処理においてタッチSW521が未検出(オフ)であり遊技者が存在するか否かを確認する。タッチSW521が未検出であることが確認できれば(S400:yes)、CRユニット60からの信号によりCRユニット60にICカード61が未挿入(未接続)であるかを確認する(S401)。そしてICカード61の未挿入が確認できれば(S401:yes)、S403の処理において省電力タイマを作動させる。
一方、前記S401の処理でICカード61の挿入が確認されると(S401:no)、S402の処理において払出制御装置41で管理している持ち球の情報より持ち球数が「0個」(なし)であるかを確認する。持ち球数が無ければ(S402:yes)、S403の処理において省電力タイマを作動させる。
【0079】
前記省電力タイマは省電力モードへ移行するに際して時間的に余裕を持たせて確実に遊技がなされていないことを見極めるためのものである。よって省電力タイマは、タッチSWがオフ状態でかつICカードが未挿入であるとき、又はタッチSWがオフ状態でかつ持ち球がないときにカウント開始する構成である。省電力タイマの設定時間は約1分とする。
【0080】
続くS404の処理では省電力タイマの設定時間が経過したか否かを確認し、時間経過が確認できれば(S404:yes)、S405の処理において、主制御装置へ向けて「省電力要求信号」を送信する(省電力モード要求手段)。
【0081】
前記S402の処理で持ち球の有ることが確認されれば(S402:no)、即ち、タッチSWがオフで、持ち球があるときはS406の処理において、主制御装置へ向けて「待機要求信号」を送信する(待機信号要求手段)。
「待機要求信号」を送信する他の構成として、タッチSWがオフであれば、ICカードの挿入、未挿入、持ち球の有無に関わらず、「待機要求信号」を送信する構成としてもよい。この場合、タッチSWがオフでかつICカードが未挿入であるとき、又はタッチSWがオフでかつ持ち球がないときでも一旦「待機要求信号」が送信されるが、省電力タイマの時間経過後に「省電力要求信号」を送信するようになす。
【0082】
図13に示す「指定信号送信処置1」は主制御装置40で実行される処理で、前記S109の各出力処理(図6)のサブルーチンである。この処理では先ず、S500の処理において特図の変動が停止中であるか否かを確認する。停止中であれば(S500:yes)、払出制御装置41からの前記「待機要求信号」を受信したか否かを確認する(S501)。受信が確認できれば(S501:yes)、S502の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「待機指定信号」を送信する(待機状態指定手段)。
【0083】
前記S501の処理で「待機要求信号」の受信が確認できなければ(S501:no)、払出制御装置41からの前記「省電力要求信号」を受信したか否かを確認する(S503)。受信が確認できれば(S503:yes)、S504の処理において前記S332の処理で作動開始した特図停止タイマの所定の設置時間が経過したか否かを確認する。時間の経過が確認されれば(S504:yes)、S505の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「省電力指定信号」を送信する(省電力指定手段)。
払出制御装置と同様に、特図停止タイマにより省電力モードへ移行への時間に余裕を持たせて確実に遊技がなされていないことを見極める構成である。特図停止タイマの設定時間は約1分とする。
【0084】
そして図14に示すように、サブ統合制御装置42で実行される「待機状態制御処理1」において主制御装置40からの前記「待機指定信号」を受信したか否かを確認し(S600)、受信が確認できれば(S600:yes)、S601の処理において演出図柄制御装置43を介して演出図柄制御装置21に待機状態の表示態様を表示させる(待機画面表示手段)。
前記S600の処理で待機指定信号の受信がなければ(S600:no)、主制御装置40からの前記「省電力指定信号」を受信したか否かを確認し(S602)、受信が確認できれば(S602:yes)、S603の処理において演出図柄制御装置43を介して演出図柄制御装置21に省電力モードの表示態様を表示させるとともに、各種ランプ・LEDの消灯および音声の停止等を行う(省電力モード手段)。
【0085】
図15は、演出図柄表示装置21に表示される特図の図柄変動時、待機状態、省電力モードにおける各種の表示態様を示す。図15(a)に示すように、図柄変動時には、演出図柄表示装置21の表示画面のほぼ中央に特図に対応する3桁の数字からなる擬似演出図柄210を変動表示せしめる。そして表示画面の右上部にパチンコ機のメインキャラクタである「熊の達吉」211を表示するとともに、表示下面の左下部に保留記憶表示212を行う。
【0086】
待機状態の表示態様は、図15(b)に示すように、表示画面の左上部にパチンコ機名213を、右上部に「熊の達吉」211を表示するとともに、表示画面のほぼ中央に擬似演出図柄210を確定表示せしめて、一目でパチンコ機の種類が判るに様にすることが望ましい。
省電力モードでは、図15(c)に示すように、表示画面のほぼ中央の一部に省電力モードを示す表示215を行い、その周囲を消灯しておくことが望ましい。
【0087】
次に図16図17に基づいて省電力モードからの復帰に関する制御を説明する。
図16に示す「カード信号送信処理」は、払出制御装置41で実行される処理であり、S700の処理においてCRユニット60からの信号によりCRユニット60にICカード61が挿入(接続)されたかを確認する(接続確認手段)。そしてICカード61の挿入が確認できれば(S700:yes)、S701の処理において主制御装置40へCRユニット60にICカード61が挿入されたことを示すカード信号を送信する。
【0088】
そして主制御装置40は、図17に示す「待機復帰処理1」を実行して、S800の処理において払出制御装置41からの前記「カード信号」を受信したか否かを確認し、受信を確認すれば(S800:yes)、S801の処理において現在省電力モードであるか否かを確認する。省電力モードであれば(S801:yes)、S802の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「待機指定信号」を送信する。
これによりサブ統合装置42は、前記「待機状態制御処理1」(図14)に基づいて待機画像処理(S601)を行い、省電力モードから待機状態に復帰する。
【0089】
本実施形態のパチンコ機1によれば、タッチSW521により操作ハンドル14が操作されていないときに遊技者が不在と見做し、かつ特図が変動中ではない場合に、演出図柄表示装置21を待機状態となす。このように待機状態を、タッチSW521の検出結果(遊技者不在)と特図の変動を条件にすることにより、従来のパチンコ機のように遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することを確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
またタッチSW521により遊技者が不在であると見做しかつCRユニット60にICカードが挿入されていない場合、又は遊技者が不在であると見做しかつ払出制御装置41で管理する情報の持ち球数がない場合、所定の時間(省電力タイマの設定時間経過)をおいた上で、特図が変動中ではなければ省電力モードに設定する。このように遊技者が不在と見做した上でICカードがない状態又は持ち球ゼロの状態の経過時間を計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態において省電力モードを実施することができる。
【0090】
省電力モードを設定する場合、特図の変動が停止してから十分な時間が経過した後(特図停止タイマの設定時間経過)に省電力モードとするので、確実に遊技が行われていない状況で省電力モードへ移行することができる。
【0091】
省電力モードからの復帰に際して、従来のパチンコ機では遊技球を発射した時点を遊技開始と見做し、このタイミングで省電力状態から復帰させている。外部より遊技球が供給されるパチンコ機では、遊技者は最初に貸し球を受けて遊技球が貯留皿に貯留されることにより期待感が高まり、発射時点を遊技開始時と見做しても充分である。
しかしながら封入式パチンコ機では遊技球が貯留皿に貯留されないため、発射まで省電力状態を続けると遊技者のモチベーションが上がらない。そこで、ICカード61がCRユニット60に挿入(接続)された地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態である場合は待機状態に復帰させることで、演出図柄表示装置21の表示が開始され、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。
【0092】
尚、本パチンコ機において、省電力モードに移行する際に特図が停止してから充分に時間的余裕を持って省電力モードを設定する構成であるがこれに限るものではない。前記「指定信号送信処理1」(図13)においては、主制御装置40は省電力要求信号を受信すると特図停止タイマの設定時間の経過を確認してからサブ統合制御装置42へ省電力指定信号を送信する構成(S503〜S505)であるが、他の構成として前記特図停止タイマを確認することなく、払出制御装置41から省電力要求信号受信すると直ちにサブ統合制御装置42へ省電力指定信号を送信する構成としてもよい。
【0093】
次に本発明を適用した第2の実施形態を説明する。
前記第1の実施形態のパチンコ機において、待機状態に制御する際、払出制御装置41によりタッチSW521が未検出であり遊技者が不在であると見做し、かつ主制御装置40により特図が停止していることを確認すると、待機状態に設定される構成である。これに対して本実施形態のパチンコ機は、遊技者が不在であると見做し、かつ持ち球がなく、更に特図が停止していることを確認することで待機状態を設定する構成である。尚、本パチンコ機の基本構成は前記第1の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
【0094】
本パチンコ機は、払出制御装置41により遊技者が不在であるか確認するとともに、持ち球が無いか確認する。即ち図18に示す「要求信号送信処理2」において、先ず、タッチSW521が未検出(オフ)であり遊技者が存在するか否かを確認する(S410)。タッチSW521が未検出であることが確認できれば(S410:yes)、S411の処理において払出制御装置41で管理している持ち球の情報より持ち球数が「0個」(なし)であるかを確認する。持ち球数が無ければ(S411:yes)、S412の処理において、主制御装置40へ向けて「待機要求信号」を送信する。
【0095】
一方、前記S411の処理で持ち球の有ることが確認されれば(S411:no)、CRユニット60からの信号によりCRユニット60にICカード61が未挿入(未接続)であるかを確認する(S413)。そしてICカード61の未挿入が確認できれば(S413:yes)、S414の処理において省電力タイマを作動させる。
【0096】
前記省電力タイマは省電力モードへ移行するに際して時間的に余裕を持たせて確実に遊技がなされていないことを見極めるためのもので、設定時間は約1分とする。
続くS415の処理では省電力タイマの設定時間が経過したか否かを確認し、時間経過が確認できれば(S415:yes)、S416の処理において、主制御装置へ向けて「省電力要求信号」を送信する。
【0097】
前記「要求信号送信処理2」の後に、主制御装置40により前記「指定信号送信処理1」(図13)が実行され、サブ統合制御装置42により前記「待機状態制御処理1」が実行されて、待機状態又は省電力モードが設定される。
【0098】
本実施形態によれば、タッチSW521により操作ハンドル14が操作されていないときに遊技者が不在と見做し、払出制御装置41で管理する情報の持ち球数が無く、かつ特図が変動中ではない場合に、演出図柄表示装置21を待機状態となす。このように待機状態を、タッチSWの検出結果(遊技者不在)、持ち球の有無および特別図柄の変動を条件にすることにより、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することをより確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ。
またタッチSW521により遊技者が不在であると見做しかつCRユニット60にICカードが挿入されていない場合、所定の時間(省電力タイマの設定時間経過)をおいた上で、特図が変動中ではなければ省電力モードに設定する。このように遊技者が不在と見做した上でICカードがない状態の経過時間を計時してから省電力モードとするため、確実に遊技者が遊技をしていない状態において省電力モードを実施することができる。
【0099】
次に本発明を適用した第3の実施形態を説明する。
前記第1および第2の実施形態のパチンコ機では、省電力モードに制御する際、払出制御装置41において省電力タイマを作動して時間的な余裕を構成しているが、これに限らず、主制御装置40にてタイマを作動させる構成としてもよい。
尚、主制御装置40に省電力タイマを備えた本パチンコ機の基本構成は前記第1の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。本パチンコ機では、前記図5に記載された払出制御装置41の「省電力タイマ」は主制御装置40内に設けられる。
【0100】
図19に示すように、払出制御装置41が実行する「要求信号送信処理3」において、S420の処理でタッチSW521が未検出(オフ)であり遊技者が存在するか否かを確認する。タッチSW521が未検出であることが確認できれば(S420:yes)、CRユニット60からの信号によりCRユニット60にICカード61が未挿入(未接続)であるかを確認する(S421)。そしてICカード61の未挿入が確認できれば(S421:yes)、S423の処理において主制御装置へ向けて「省電力要求信号」を送信する。
【0101】
一方、前記S421の処理でICカード61の挿入が確認されると(S421:no)、S422の処理において払出制御装置41で管理している持ち球の情報より持ち球数が「0個」(なし)であるかを確認する。持ち球数が無ければ(S422:yes)、S423の処理において主制御装置へ向けて「省電力要求信号」を送信する。
尚、ICカード61としては、使い切りタイプを想定している。一般的に会員登録している遊技客は会員カードがICカードであるので、投入金額を使い切っても再利用を行うためにICカードを返却するが、非会員の遊技客は投入金額の残高が残っている状態で遊技を止める場合はICカードの返却操作を行うが、投入金額を使い切った際にはそのまま離席していく。このようなICカードを用いた時に本実施例の処理は好適に遊技客の不存在を検出することができる。
尚、前記のことから、ICカードが会員カードを兼ねているのか使い切りのカードかを判断した上で省電力要求信号の送信条件が変化する構成も考えられる。
【0102】
前記S422の処理で持ち球の有ることが確認されれば(S422:no)、即ち、タッチSWがオフで、持ち球があるときはS424の処理において、主制御装置へ向けて「待機要求信号」を送信する。
【0103】
図20に示すように、主制御装置40が実行する「指定信号送信処置2」において、S510の処理で特図の変動が停止中であるか否かを確認する。停止中であれば(S510:yes)、払出制御装置41からの前記「待機要求信号」を受信したか否かを確認する(S511)。受信が確認できれば(S511:yes)、S512の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「待機指定信号」を送信する。
【0104】
前記S511の処理で「待機要求信号」の受信が確認できなければ(S511:no)、払出制御装置41からの前記「省電力要求信号」を受信したか否かを確認する(S513)。受信が確認できれば(S513:yes)、S514の処理において省電力タイマを作動させる。
【0105】
前記省電力タイマは省電力モードへ移行するに際して時間的に余裕を持たせて確実に遊技がなされていないことを見極めるためのものである。省電力タイマは、タッチSWがオフ状態でかつICカードが未挿入であるとき、又はタッチSWがオフ状態でかつ持ち球がないとき野「省電力要求信号」の受信によりカウント開始する構成である。省電力タイマの設定時間は約1分とする。
【0106】
続くS515の処理では省電力タイマの設定時間が経過したか否かを確認し、時間経過が確認できれば(S515:yes)、S516の処理において、サブ統合制御装置43へ向けて「省電力指定信号」を送信する。
【0107】
前記「指定信号送信処理2」の後に、サブ統合制御装置42により前記「待機状態制御処理1」が実行されて、待機状態又は省電力モードが設定される。
【0108】
本実施形態によれば、省電力モードに制御する際に時間的な余裕を持たせるタイマを主制御装置40にて計時する構成であっても第1の実施形態と同様な作用効果を発揮することができ、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することをより確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ一方、確実に遊技者が遊技をしていない状態において省電力モードを実施することができる。
【0109】
次に本発明を適用した第4の実施形態を説明する。
前記第1、第3の実施形態のパチンコ機では、省電力モードに制御する際、払出制御装置41、主制御装置40において省電力タイマを作動して時間的な余裕を構成しているが、これに限らず、サブ統合制御装置42にてタイマを作動させる構成としてもよい。
尚、サブ統合制御装置42に省電力タイマを備えた本パチンコ機の基本構成は前記第3の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。本パチンコ機では、前記図5に記載された払出制御装置41の「省電力タイマ」はサブ統合制御装置42内に設けられる。
【0110】
払出制御装置41により前記「要求信号送信処理3」(図19)が実施された後、図21に示すように、主制御装置40が実行する「指定信号送信処置3」において、S520の処理で特図の変動が停止中であるか否かを確認する。停止中であれば(S520:yes)、払出制御装置41からの前記「待機要求信号」を受信したか否かを確認する(S521)。受信が確認できれば(S521:yes)、S522の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「待機指定信号」を送信する。
【0111】
前記S521の処理で「待機要求信号」の受信が確認できなければ(S521:no)、S523の処理において払出制御装置41からの前記「省電力要求信号」を受信したか否かを確認する。受信が確認できれば(S523:yes)、S524の処理においてサブ統合制御装置43へ向けて「省電力指定信号」を送信する。
【0112】
そして図22に示すように、サブ統合制御装置42で実行される「待機状態制御処理2」において主制御装置40からの前記「待機指定信号」を受信したか否かを確認し(S610)、受信が確認できれば(S610:yes)、S611の処理において演出図柄制御装置43を介して演出図柄制御装置21に待機状態の表示態様を表示させる。
【0113】
前記S610の処理で待機指定信号の受信がなければ(S610:no)、主制御装置40からの前記「省電力指定信号」を受信したか否かを確認し(S612)、受信が確認できれば(S612:yes)、S613の処理において省電力タイマを作動させる。
【0114】
前記省電力タイマは省電力モードへ移行するに際して時間的に余裕を持たせて確実に遊技がなされていないことを見極めるためのものである。省電力タイマは、タッチSWがオフ状態でかつICカードが未挿入であるとき、又はタッチSWがオフ状態でかつ持ち球がないときの「省電力指定信号」の受信によりカウント開始する構成である。省電力タイマの設定時間は約1分とする。
【0115】
続くS614の処理では省電力タイマの設定時間が経過したか否かを確認し、時間経過が確認できれば(S614:yes)、S615の処理において演出図柄制御装置43を介して演出図柄制御装置21に省電力モードの表示態様を表示させるとともに、各種ランプ・LEDの消灯および音声の停止等を行う。
【0116】
一方、前記S614の処理でタイマの設定時間が経過していなければ(S614:no)、S616の処理において、タイマクリア条件として、タイマカウント中に「待機状態指定信号」の受信や特図変動に伴う変動パターンの受信があるか否かを確認し、これらの受信があれば(S616:yes)、S617の処理において省電力タイマを停止させ、かつカウントをクリアする。
【0117】
本実施形態によれば、省電力モードに制御する際に時間的な余裕を持たせるタイマをサブ統合制御装置42にて計時する構成であっても第1の実施形態と同様な作用効果を発揮することができ、遊技者が遊技をしているのに待機画面に移行することをより確実に防ぎ、遊技者に不快感を与えずにすむ一方、確実に遊技者が遊技をしていない状態において省電力モードを実施することができる。
一方、サブ統合制御装置43は省電力タイマが計時中であっても主制御装置40からの待機状態への指示又は特図変動に伴う変動パターンの受信により計時を中止し、タイマをクリアするので、必要のない省電力モードへの移行を防ぐことができる。
【0118】
次に本発明を適用した第5の実施形態を説明する。
前記第1の実施形態のパチンコ機では、CRユニット60にICカード61が挿入されることにより省電力モードから復帰するように構成したが、省電力モードや待機状態からの復帰時に特定の演出を行なう構成としてもよい。尚、復帰時に特典演出を行なう本パチンコ機の基本構成は前記第1の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
【0119】
払出制御装置41により前記「カード信号送信処理」(図16)が実施された後、図23に示すように、主制御装置40が実行する「特定演出指定処置1」において、S900の処理で払出制御装置41からの前記「カード信号」を受信したか否かを確認し、受信を確認すれば(S900:yes)、S901の処理において今が省電力モードであるか否かを確認する。省電力モードであれば(S901:yes)、S903の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「挨拶演出」を行なうように指示し、これによりサブ統合制御装置42の制御により「挨拶演出」が行われ、省電力モードから復帰する(特定演出指定手段)。
【0120】
一方、省電力モードでなければ(S901:no)、S902の処理において今が待機状態であるか否かを確認する。待機状態であれば(S902:yes)、S903の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「挨拶演出」を行なうように指示し、これによりサブ統合制御装置42の制御により「挨拶演出」が行われ、待機状態から復帰する。このように、本パチンコ機は、待機状態又は省電力モードのいずれにおいてもCRユニット60へICカードが挿入されると「挨拶演出」を行ない、遊技状態に復帰する。
【0121】
図24は前記「挨拶演出」の表示態様を示す。演出図柄表示装置21の表示画面には、上半部に挨拶コメント216とメインキャラクタの「熊の達吉」211を表示するとともに、下半部に擬似演出図柄211を表示する。
【0122】
本実施形態によれば、ICカード61がCRユニット60に挿入(接続)された地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態又は待機状態を終了させ、演出図柄表示装置21において「挨拶演出」を行なうので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。尚、「挨拶演出」を行なう構成は、前記第2ないし第4の実施形態のパチンコ機に適用してもよい。
【0123】
次に本発明を適用した第6の実施形態を説明する。
前記第1の実施形態のパチンコ機では、省電力モードから復帰する際、CRユニット60にICカード61が挿入されたことで待機状態に復帰する構成であるが、これに限らず本実施形態のパチンコ機では、払出制御装置41が管理する情報に持ち球数が発生したときに省電力モードから待機状態に復帰するように構成する。尚、本パチンコ機の基本構成は前記第1の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
【0124】
図25に示す「持ち球信号送信処理」は、払出制御装置41で実行される処理であり、S710の処理において遊技球の貸出し(球貸し)や賞球により持ち球が発生したか否かを確認する。そして持ち球の発生が確認できれば(S710:yes)、S711の処理において主制御装置40へ持ち球が発生したこと(持ち球があること)を示す持ち球信号を送信する。
【0125】
そして主制御装置40は、図26に示す「待機復帰処理2」を実行して、S810の処理において払出制御装置41からの前記「持ち球信号」を受信したか否かを確認し、受信を確認すれば(S810:yes)、S811の処理において今が省電力モードであるか否かを確認する。省電力モードであれば(S811:yes)、S812の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「待機指定信号」を送信する。
これによりサブ統合装置42は、前記「待機状態制御処理1」(図14)に基づいて待機画像処理(S601)を行い、省電力モードから待機状態に復帰する。
【0126】
本実施形態によれば、遊技球の貸出しや賞球により持ち球が発生した地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態である場合は待機状態に復帰させることで、演出図柄表示装置21の表示が開始され、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。
【0127】
次に本発明を適用した第7の実施形態を説明する。
前記第5の実施形態のパチンコ機ではCRユニット60にICカード61が挿入され、省電力モード又は待機状態から復帰する際に「挨拶演出」を行なう構成であり、前記第6の実施形態のパチンコ機では払出制御装置41が管理する情報に持ち球数が発生したときに復帰する構成であり、両者を組合わせることができる。そこで本実施形態のパチンコ機は、持ち球が発生して、省電力モード又は待機状態から復帰する際に「挨拶演出」を行なう構成とした。尚、復帰時に特典演出を行なう本パチンコ機の基本構成は前記第5、第7の実施形態のパチンコ機のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
【0128】
払出制御装置41により前記「持ち球信号送信処理」(図25)が実施された後、図27に示すように、主制御装置40が実行する「特定演出指定処置2」において、S910の処理で払出制御装置41からの前記「持ち球信号」を受信したか否かを確認し、受信を確認すれば(S910:yes)、S911の処理において今が省電力モードであるか否かを確認する。省電力モードであれば(S911:yes)、S913の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「挨拶演出」を行なうように指示し、これによりサブ統合制御装置42の制御により「挨拶演出」が行われ、省電力モードから復帰する。「挨拶演出」は前記第5の実施形態の表示態様(図24)と同じとする。
【0129】
一方、省電力モードでなければ(S911:no)、S912の処理において今が待機状態であるか否かを確認する。待機状態であれば(S912:yes)、S913の処理においてサブ統合制御装置42へ向けて「挨拶演出」を行なうように指示し、これによりサブ統合制御装置42の制御により「挨拶演出」が行われ、待機状態から復帰する。このように、本パチンコ機は、待機状態又は省電力モードのいずれにおいても持ち球が発生すると「挨拶演出」を行ない、遊技状態に復帰する。
【0130】
本実施形態によれば、遊技球の貸出しや賞球により持ち球が発生した地点で遊技者に遊技開始の意思があると見做し、省電力モード状態又は待機状態を終了させ、演出図柄表示装置21において「挨拶演出」を行なうので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。尚、「挨拶演出」を行なう構成は、前記第1ないし第4の実施形態のパチンコ機に適用してもよい。
【0131】
次に本発明を適用した第8の実施形態を説明する。
前記第1ないし第4、第6の実施形態のパチンコ機において、CRユニット60へのICカード61の挿入又は遊技球の貸出しや賞球により持ち球が発生したことを起因に省電力モードから待機状態へ復帰する構成であり、これらの構成の他に、省電力モードの復帰条件として、パチンコ機の前面に設置された遊技者により操作可能な演出ボタン15の操作により省電力モードから復帰するようにしてもよい。
【0132】
図28に示すように、サブ統合制御装置42で実行される「待機画面復帰処理」において、S620の処理で、演出ボタン15が操作されたか否かを確認し、操作があれば(S620:yes)、S621の処理で今が省電力モードであるか確認する。省電力モードであれば(S621:yes)、演出図柄表示装置21に待機画面を復帰させる(S622)。
尚、この時点では、主制御装置40および払出制御装置41は復帰したこと確認できないが、遊技者がCRユニット60へのICカード61の挿入、遊技球の貸出し、遊技集の発射により、主制御装置40および払出制御装置41は復帰を確認することができ、遊技の開始に何等支障は生じない。
【0133】
本実施形態によれば、CRユニット60へICカード61を挿入する前に、演出操作手段を操作することにより待機状態に復帰させることができ、どのようなモチーフの遊技機であるかを確認することができる。
【0134】
尚、特許請求の範囲に記載の本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0135】
1 パチンコ機(封入式遊技機)
2 遊技盤
20 遊技領域
21 演出図柄表示装置
23 第1特図始動口(始動口)
24 第2特図始動口(始動口)
31 発射装置
40 主制御装置(第1の主制御装置、待機状態指定手段、省電力指定手段、省電力計時手段、特定演出指定手段)
41 払出制御装置(第2の主制御装置、情報管理手段、待機信号要求手段、省電力計時手段、省電力モード要求手段、接続確認手段)
42 サブ統合制御装置(副制御装置、待機画面表示手段、省電力モード手段、省電力計時手段)
521 タッチSW(検出手段)
60 CRユニット(情報処理装置)












図1
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