(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を適用した実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0016】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0017】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0018】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172および残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0019】
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0020】
遊技領域20のセンターケース200左右の両横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される作動ゲート(作動口)22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球により特別図柄(以下、特図という)の抽選を実行する第1特図始動口23Aが設けてあり、更にその直下位置にはチューリップ式普通電動役物からなり、入球時に特図の抽選が実行される特図の第2特図始動口23Bが設置されている。
該第2特図始動口23Bは普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、普図の抽選で当りとなると所定時間開放する構成である。
【0021】
第2特図始動口23Bの直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り時に開放される大入賞口24が設置されている。
【0022】
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23Aないし第1大入賞口24の左側位置には複数(4つ)の普通入賞口27が配されている。また、第1大入賞口24の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
【0023】
また遊技盤2の右下端部には、レール201の外部に、特図表示装置28、特図保留数表示装置281、普通図柄表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
【0024】
図3は本パチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入球すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0025】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図8では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0026】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0027】
図4は本パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0028】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して前記遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)11および内枠30が開放しているか否かを検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2始動口SW504、普図の作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、普通入賞口27への入球を検出する左入賞口SW506、大入賞口24への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
【0029】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41、サブ統合制御装置42や演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して特別図柄表示装置28、特図保留数表示装置281、普通図柄表示装置29および普図保留数表示装置291の表示制御を行なう。
【0030】
更に主制御装置40は、遊技盤版中継端子板531を介して大入賞口ソレノイド509を駆動して大入賞口24を開放作動せしめる。また普電役物の普電役物ソレノイド510を駆動して第2特図始動口23Bの普電役物を開閉する。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
【0031】
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンク31が空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介して球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号は、CRユニット60に入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニット60によって制御する。
【0032】
発射制御装置44は、発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号および発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射および停止させる。
【0033】
サブ統合制御装置42には、ジョグダイヤル16の操作を検出するジョグダイヤル操作検出SW551や遊技ボタン15の操作を検出するボタン操作検出SW552などの検出信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0034】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0035】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の当否の変動表示を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置29に普図の当りを確定表示して第2特図始動口23Bの普電役物を開放する。これにより第2特図始動口23Bへの入球が可能となる。
第1又は第2特図始動口23A,23Bへの入球があると、これに起因して乱数値が抽出され、特図の保留記憶として記憶される。そして記憶された保留記憶の乱数値に基づいて特図の当否判定を行い、特図表示装置28にて特図の変動を開始するとともに演出図柄表示装置21にて特図に対応する擬似演出図柄の変動を開始する。前記当否判定の結果が大当りであれば、各表示装置27、21に大当り図柄(擬似演出大当り図柄)を確定表示して大入賞口24の開放を伴う大当り遊技(特別遊技)を実行する。
また保留記憶の乱数値を、前記当否判定の事前に先読みし、保留記憶の中に当りとなる記憶があるか否かといった予告をする先読み演出が実行される。
【0036】
大当り遊技終了後には、特図の当否判定の当選確率が高確率に変更される確変機能が作動した確変状態、および第2特図始動口23Bを開放する普電役物の開放時間を延長する開放延長機能が作動した開放延長状態となり次回の大当りの獲得に有利な遊技状態に移行する。開放延長状態では、特図の変動時間および普図の変動時間が短縮される時短機能も作動する。
確変状態および開放延長状態(以後、特典遊技状態と言う)は、例えば当否判定に伴う特図の変動回数(=当否判定の実行回数)が60回に達するまで継続され、これを期限に、通常の遊技状態に戻す構成である。尚、本パチンコ機は全ての大当り遊技終了後に前記特典遊技状態に移行するが、これに限らず大当り遊技の起因となった大当り図柄に応じて特典遊技状態へ移行する構成としてもよい。
【0037】
更に本パチンコ機1では、前記大当り図柄に応じて特図の変動パターンを選択する変動パターンテーブルを複数種類の中から設定する。各変動パターンテーブルには、リーチ演出を行なうなどの演出上の基準となる変動回数を指定する基準変動が決められており、更に基準変動及びその前後の保留記憶数の上限回数分の変動を一連の特別連続演出期間に設定せしめる。そして特典遊技状態の特別連続演出期間において、先読み判定の内容に応じて演出内容を決定し、演出図柄表示装置21にて擬似演出図柄の変動表示を含む特別演出を行なう構成である。
【0038】
図5を参照して主制御装置40で実行されるプログラム処理の「メインルーチン」の概要を説明する。「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0039】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0040】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S108)、当否判定処理(S109)および各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
図6に示す「特図始動入賞確認処理」は、前記入賞確認処理(S108)のサブルーチンで、第1、第2特図始動口23A,23Bへの入球を確認し、入球時に抽出した各種乱数値の記憶処理と図柄変動開始時の当否判定(抽選)に先立って、先読み判定を行う処理である。
【0041】
「特図始動入賞確認処理」では、先ず第1、第2特図始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口23A,23Bに入賞したか確認する(S200)。入賞があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に満杯(上限数)まで達していないか確認する(S201)。本実施形態における記憶可能な上限数は、第1および第2特図合わせて4個である。保留記憶数が上限数に達していなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入賞に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。S202の処理は特許請求の範囲に記載の保留記憶手段に相当する。
【0042】
続く先読み判定処理(S203)では、保留記憶された大当り判定用乱数の値が、特図の変動による当否判定の報知以前に遊技者に期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定する処理である。具体的には、保留記憶が「大当り」となる可能性があるか、「リーチ」となる可能性があるか等の判定がなされ、更にこれらの可能性がないときは「ハズレ」と判定される。S203の処理は特許請求の範囲に記載の先読み判定手段に相当する。
【0043】
次にS204の先読み判定コマンド送信処理では、S203による先読み判定の結果を先読み判定コマンドとしてサブ統合制御装置42に送信する。
続いて、特図保留数表示装置291の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を送信する保留個数指定コマンド送信処理を行う(S205)。尚、このS205の処理における保留個数指定コマンドは保留記憶数が上限に達している場合には送信されない(保留個数が0〜3個の場合に送信される)。S205の処理後、又はS200、S201が否定判定(S200:no、S201:no)であれば、リターンする。
【0044】
図7ないし
図10は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。
図7に示すように本処理は先ず、役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否かを確認し(S300)、大当り遊技中でなければ(S300:no)、特図が変動中であるか否かを確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示中であるか否かを確認する(S302)。尚、前記役物連続作動装置が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0045】
前記S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図8に示すように、特図の保留記憶があるか否かを確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0046】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が確変状態(高確率)であるか否かを確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0047】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて特図の変動パターンを決定する。
尚、S315の処理は特許請求の範囲に記載の当否判定手段に、S316の処理は特別図柄決定手段に、S317の処理は変動パターン決定手段に相当する。
【0048】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、例えば前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。また演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口24の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態が付与されるか否かの設定(確変が付与される場合は確変設定フラグに「1」がセットされ、開放延長が付与される場合は開放延長設定フラグに「1」がセットされる)、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、開放延長の継続期間を制限する開放延長カウンタ設定等の処理がなされる。本パチンコ機では、大当り遊技終了後に必ず特典遊技状態が付与され、確変および開放延長の継続期間はともに大当り遊技終了後の特図の当否判定が60回に達するまでされる。
【0049】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶のハズレ図柄決定用乱数に基づいてハズレ図柄を決定し、続いて、演出図柄表示装置15に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する(S320)。続くハズレ設定処理(S321)では、遊技状態が確変、開放延長であれば、これらの継続期間をカウントする前記確変カウンタと前記開放延長カウンタを減算する。
【0050】
S318又はS321の各設定処理の後、S322の処理では、特図表示装置16の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行し大当り時には大入賞口24を開放する大当り遊技が実施される。
【0051】
前記
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図9に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置28の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0052】
前記
図7のS302の処理で確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置28の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0053】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか否かを確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、開放延長フラグが「1」であれば(S345:yes)、開放延長フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0054】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0055】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを確認し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、続くS351の処理において前記減算後の確変カウンタ(回数)が「0」であるか確認する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続くS353の処理で開放延長フラグが「1」であるか否かを確認し、開放延長フラグが「1」であれば(S353:yes)、続くS354の処理において前記減算後の開放延長カウンタ(回数)が「0」であるか確認する。開放延長カウンタが「0」であれば(S354:yes)、開放延長フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや開放延長フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。
【0056】
図11に示す「特別遊技処理」は、先ず、役物連続作動装置が作動中か確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口が開放中か確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)リターンする。
前記S401の処理で大入賞口が開放中でなければ(S401:no)、インターバル中か確認し(S402)、インターバル中でなければ(S402:no)、大当り終了演出中か確認し(S403)、大当り終了演出中でなければ(S303:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S404)、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口の開放処理で大入賞口を開放してリターンする。
【0057】
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、
図12に示すように、大入賞口に規定数である9個の遊技球の入球(入賞)があったか否かの確認(S410)、または大入賞口の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば大入賞口を閉鎖し(S412)、大当りインターバル処理を実行して(S413)リターンする。
【0058】
図11の前記S402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図13に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否か確認し(S420)、経過していれば(S420:yes)、最終ラウンドかどうか確認し(S421)、最終ラウンドであれば、(S421:yes)、大当り終了演出の処理(S422)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、大入賞口の開放設定処理(S423)を実行してリターンする。
【0059】
図11の前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図14に示すように、大当り終了演出時間が経過したか確認し(S430)、該時間が経過していれば(S430:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S431)を実行し、条件装置の作動を停止する処理(S432)を実行する。
【0060】
続く、S433の処理では前記開放延長設定フラグが「1」であるか確認し、フラグが「1」であれば(S433:yes)、開放延長機能の繰り返し回数を設定(開放延長カウンタに「60」をセット)し(S434)、開放延長フラグに「1」をセットする(S435)。
次にS436の処理では前記確変設定フラグが「1」であるか確認し、フラグが「1」であれば(S436:yes)、確変機能の繰り返し回数を設定(確変カウンタに「60」をセット)し(S437)、確変フラグに「1」をセットし(S438)、大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
尚、本パチンコ機は大当りの生起により、開放延長設定フラグおよび確変設定フラグがともに「1」にセットされておりされ、開放延長フラグおよび確変フラグがともに「1」にセットされ、これにより大当り遊技後の遊技状態が前記特典遊技状態とされる。S435、S437の処理は特許請求の範囲に記載の特典遊技設定手段に相当する。
【0061】
大当り遊技が終了すると、当該大当りの起因となった大当り図柄に応じて特典遊技状態中での特図の変動パターンを選択する変動パターンテーブルが設定される。
図15に示すように、大当り図柄は「図柄1〜図柄5」の5種類あり、各図柄に応じた5種類の変動パターンテーブルからいずれか1つのテーブルが設定される。
尚、テーブルの設定は前記「当否判定処理」の大当り設定処理(S318、
図8)で設定される。
【0062】
各変動パターンテーブルにはそれぞれ、リーチ演出を行なうなどの演出上の基準となる変動回数が予め設定されており、かつ基準変動及びその前後の保留記憶数の上限回数分の変動を一連の特別演出を行う特別連続演出期間として予め設定されている。特別連続演出期間は、基準変動前の4変動、基準変動および基準変動後の4変動を合わせた9変動に相当する。
【0063】
例えば「図柄1」に対応する変動パターンテーブルでは、特典遊技の開始時(大当り遊技終了直後)に「5分後に決闘リーチが始まるぞ」との内容の予告がなされ、これに応じて、5回目の変動を基準変動とし、1回目の変動から9回目の変動を「A変動、B変動、C変動、D変動、E変動(基準変動)、F変動、F変動、F変動、F変動」とする特別連続演出期間に設定されている。尚、変動回数と演出表示上の時間経過は対応しており、1変動につき約1分進行する演出を前提としている。
「図柄2」に対応する変動パターンテーブルでは、特典遊技の開始時に「14分後に決闘リーチが始まるぞ」との内容の予告がなされ、これに応じて、14回目の変動を基準変動とし、10回目の変動から18回目の変動が特別連続演出期間に設定されている。
「図柄3」に対応する変動パターンテーブルでは、特典遊技の開始時に「決闘リーチが2回あるぞ」との内容の予告がなされ、これに応じて、5回目及び14回目の変動を基準変動とし、1回目から9回目の変動及び10回目から18回目の変動がそれぞれ特別連続演出期間に設定されている。
「図柄4」に対応する変動パターンテーブルでは、特典遊技の開始時に「10分後に決闘リーチが始まるぞ」との内容の予告がなされ、これに応じて、10回目の変動を基準変動とし、6回目から14回目の変動が特別連続演出期間に設定されている。
「図柄5」に対応する変動パターンテーブルでは、特典遊技の開始時に「8分後に決闘リーチが始まるぞ」との内容の予告がなされ、これに応じて、8回目の変動を基準変動とし、4回目から12回目の変動が特別連続演出期間に設定されている。
【0064】
また特別連続演出期間では、変動ごとに変動パターン(変動時間)が決められている。
例えば「A変動」では、当否判定のハズレ時の変動パターンが、保留記憶を貯めるために設ける「特別演出待機期間」を含む「15秒」とされている。一方、当否判定の当り時の変動パターンは、「特別演出待機期間」と「擬似連続演出(4回)」及び「リーチ演出」を合わせた「85秒」に設定されている。
「B変動」では、ハズレ時の変動パターンが「10秒」とされ、当り時の変動パターンが「擬似連続演出(3回)」と「リーチ演出」を合わせた「70秒」に設定されている。
「C変動」では、ハズレ時の変動パターンが「10秒」とされ、当り時の変動パターンが「擬似連続演出(2回)」と「リーチ演出」を合わせた「60秒」に設定されている。
「D変動」では、ハズレ時変動パターンが「10秒」とされ、当り時の変動パターンが「擬似連続演出(1回)」と「リーチ演出」を合わせた「50秒」に設定されている。
「E変動」では、ハズレ時の変動パターンおよび当り時の変動パターンともに、「特別演出待機期間」と「リーチ演出」を合わせた「45秒」に設定されている。更にE変動中に先読みにより保留記憶内に当り判定があるときも「45秒」に設定されている。
「F変動」では、ハズレ時の変動パターンおよび当り時の変動パターンともに、「0.6秒」に設定されている。
尚、分かりやすいようにA〜F変動のみが設定されている実施形態で示したが、他の回数のところも予め変動が設定されていてもよい。そうすれば、60回すべてで変動時間を管理して狙った演出を実行することが可能となる。例えば60回に近づくに連れて変動時間を長くして、より濃密な演出をおこなったり、逆に変動時間を短くすることにより緊張度を高めていったり、特別連続演出期間とはことなる連続演出期間を設けるといったことができる。
【0065】
次に「特別連続演出期間」において、演出図柄表示装置21で行なわれる特別演出表示について説明する。
例えば、特別連続演出期間の最初の変動(A変動)で大当りが生起した場合、その変動パターンは「85秒」に設定され、
図16(a)に示すように、特別図柄表示装置28においてA変動の特図を変動せしめ最後に大当り図柄を確定表示せしめる。
一方、演出図柄表示装置21においては、特別演出待機期間の演出を行なった後、恰もA変動がハズレの確定表示された擬似演出を行ない、後にB変動がハズレの確定表示された擬似演出を行ない、次にC変動、更にはD変動がハズレの確定表示された擬似演出を行ない、後にE変動にてリーチ演出から大当りとなるように見せかける特別演出(擬似連続演出)を行なう。
【0066】
図16(b)に示すように、A変動がハズレのときは、その変動パターンは特別演出待機期間を含む「15秒」に設定され、特別図柄表示装置28においてA変動の特図を変動せしめ最後にハズレ図柄を確定表示せしめるハズレ変動を行い、演出図柄表示装置21においては、特別演出待機期間の演出を行なった後、A変動がハズレの確定表示されたハズレ演出を行なう。
続くB変動で大当りが生起した場合、その変動パターンは「70秒」に設定され、特別図柄表示装置28においてB変動の特図の図柄変動及び大当り図柄の確定表示を行う。一方、演出図柄表示装置21においては、恰もB変動、C変動及びD変動がハズレの確定表示された擬似演出を行ない、後にE変動にてリーチ演出から大当りとなるように見せかける擬似連続演出を行なう。
【0067】
同様に、C変動又はD変動で大当りが生起した場合も、特別図柄表示装置28においてC変動又はD変動の特図の図柄変動及び大当り図柄の確定表示を行う一方、演出図柄表示装置21においては、恰もC変動及びD変動がハズレの確定表示された擬似演出を行ない、後にE変動にてリーチ演出から大当りとなるように見せかける擬似連続演出を行なう。
【0068】
図16(c)に示すように、A,B,C,D変動がハズレのときは、特別図柄表示装置28において各変動の変動パターン(A変動は「15秒」、B,C,D変動は「10秒」)に応じてハズレ図柄を変動後に確定表示せしめるハズレ変動を行い、演出図柄表示装置21においてもハズレ演出を行なう。
続くE変動で大当りが生起した場合、その変動パターンは「45秒」に設定され、該変動パターンに応じて、特別図柄表示装置28においてE変動の特図の図柄変動及び大当り図柄の確定表示を行う一方、演出図柄表示装置21においては、E変動のリーチ演出から大当りとなる演出を行なう。
【0069】
次に、特別連続演出期間のE変動の特別演出待機期間中に、先読み判定によりF9変動が大当りとなる判定がなされた場合、
図16(d)に示すように、特別図柄表示装置28においてE変動のハズレ変動を設定された45秒の変動パターンに応じて行う。後に、F6変動、F7変動及びF8変動のハズレ変動を短時間(0.6秒)の変動パターンで実行し、更にF9変動の大当り変動を短時間(0.6秒)の変動パターンで実行し、大当り図柄を確定表示せしめる。
一方、演出図柄表示装置21においては、特別演出待機期間の演出を行なった後、恰もE変動で大当りが生起したように見せかけるリーチ演出からの大当り演出を45秒の変動パターンに応じて行い、その後、特別図柄表示装置28にF6からF8変動のハズレ変動を経てF9変動の大当り図柄が確定表示されるまで、大当り遊技開始の擬似演出(消化演出)を行なう。
尚、F6変動、F7変動、F8変動が大当りとなる判定がなされた場合も同様に、特別図柄表示装置28においてE変動のハズレ変動を行った後に、F6変動、F7変動、F8変動の大当り変動を短時間(0.6秒)の変動パターンで実行し、大当り図柄を確定表示せしめ、演出図柄表示装置21においては、恰もE変動で大当りが生起したように見せかけるリーチ演出からの大当り演出を行い、その後、特別図柄表示装置28にF6変動、F7変動、F8変動の大当り図柄が確定表示されるまで、大当り遊技開始の擬似演出(消化演出)を行なう。
【0070】
図17乃至
図21に演出図柄表示装置21に表示される前記特別演出の表示態様を示す。
図17(a)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面には、大当り遊技終了後、遊技状態が前記特典遊技状態に移行すると、大当り図柄により選択された変動パターンテーブルに応じて演出の内容の告知表示211がなされる。図例では大当り図柄「
図1」に基づくもので、「5分後に決闘リーチが始まるぞ!」といった内容の告知表示211がなされる。
尚、告知表示211は、大当り図柄に応じて、
図15(b)に示す告知内容が表示される。
【0071】
前記告知表示211の他、前記表示画面には、本パチンコ機のメインキャラクタの「くまの達吉」251と、特図に対応する3桁の数字からなる擬似演出図柄252が変動表示される。
その後、
図17(b)に示すように、告知表示211が終了して、前記特典遊技状態であることを示すST表示212に切替えられる。
【0072】
続いて
図18(a)に示すように、前記特別連続演出期間となり、かつ前記特別演出待機期間となると、この期間に保留記憶を満タンにするよう指示する指示表示213がなされる。
前記特別演出待機期間が終了すると、
図18(b)に示すA変動に応じた演出が開始される。尚、図例はA変動が大当りの場合を説明する。
この場合、表示画面の左側上部に小さく擬似演出図柄252が変動表示され、表示画面中央に表示された空手家253がボスを倒せば大当りとなるといった予告表示214がなされる。
また表示画面の下端には、決闘リーチ演出がなされるまでの残り時間表示215がなされる。尚、残り時間は実質的に変動回数であり、1回の変動を約1分とし、A変動であれば「残り4分」、B変動であれば「残り3分」(
図18(c))、C変動であれば「残り2分」(
図19(a))、D変動であれば「残り1分」(
図19(b))と表示される。
【0073】
実質的に、特図表示装置28のA大当り変動は継続されるが、演出図柄表示装置21の特別演出ではAハズレ擬似演出がハズレで確定表示(実際は仮確定表示)され、
図18(c)に示すBハズレ擬似演出が開始され擬似連続演出が実行される。Bハズレ擬似演出では空手家253の練習風景などが表示される。また残り時間表示215は「残り3分」とされる。
【0074】
次に、演出図柄表示装置21の特別演出ではBハズレ擬似演出がハズレで確定表示され、
図19(a)に示すCハズレ擬似演出が開始され擬似連続演出が継続される。Cハズレ擬似演出ではボス254が登場する。また残り時間表示215は「残り2分」とされる。
【0075】
更に、演出図柄表示装置21の特別演出ではCハズレ擬似演出がハズレで確定表示され、
図19(b)に示すDハズレ擬似演出が開始され擬似連続演出が継続される。Dハズレ擬似演出では空手家253とボス254が対峙する。また残り時間表示215は「残り1分」とされる。
【0076】
特別演出ではDハズレ擬似演出がハズレで確定表示され、
図19(c)に示すEリーチ演出が開始され擬似連続演出が継続される。Eリーチ演出では決闘リーチが開始されたことを示すリーチ表示216がなされ、空手家253とボス254が決闘を開始する。
【0077】
そして、
図20(a)に示すように、空手家253がボス254を倒して勝利の表示217を行なうとともに、擬似演出図柄252を3桁の図柄が揃った大当りを示す表示で確定表示する大当り演出を行なう。その後、図は省略するが、演出図柄表示装置21において大当り遊技開始演出を行ない、大当り遊技へ移行する。
【0078】
尚、前記擬似連続演出は、必ずしも大当りとなる演出でなく、特別連続演出期間のA変動〜F9変動で大当りが発生しなければ、
図20(b)に示すように、空手家253が敗北した表示218を行なうとともに、擬似演出図柄252をハズレ図柄で確定表示する演出を行なう。即ち、
図18(b)、(c)及び
図19(a)、(b)、(c)の演出でハズレ表示を行い、その後、
図20(b)の敗北演出を行なう。
【0079】
次に、特別連続演出期間のE変動の特別演出待機期間中に、先読み判定によりE変動以降のF変動が大当りとなる判定がなされた場合、演出図柄表示装置21において、前記特別演出待機期間の演出を行なった後、恰もE変動で大当りが生起したように見せかける内容の前記空手家253とボス254が決闘するリーチ演出からの大当り演出を45秒の変動パターンに応じて行い、その後、特別図柄表示装置28にF9変動の大当り図柄が確定表示されるまで、大当り遊技開始の擬似演出(消化演出)を行なう。
【0080】
図21(a)は、先読み判定によりE変動以降のF変動が大当りとなる判定のときに恰もE変動で大当りとなったように見せかける演出図柄表示装置21の演出表示を示す。本先読み演出では、空手家253がボス254を倒して勝利の表示217を行なうとともに、擬似演出図柄252では、高速変動にてE変動以降のF変動のハズレ変動の更新を行い、これらを経て先読み判定で当りとされたF変動の大当り図柄に対応する3桁の図柄を、大当りを示す表示で確定表示せしめる大当り演出(大当り開始演出)を行なう。
【0081】
尚、前記先読み演出は、必ずしも大当りとなる演出でなく、E変動以降のF変動が大当りとなる判定でなければ、
図21(b)に示すように、空手家253が敗北した表示218を行なうとともに、擬似演出図柄252をハズレ図柄で確定表示する演出を行なう。
【0082】
図22はサブ統合制御装置42で実行され、前記擬似連続演出や前記先読み演出等と言った特別演出を制御する「特別演出処理」を示す。本処理では先ず、S500の処理において、主制御装置40からのコマンド(
図8のS322)に応じて変動パターンがA変動であるか否かを確認する。A変動であれば(S500:yes)、特別演出待機期間の演出(
図18(a)参照)を開始する(S501)。続くS502の処理で特別演出待機期間の所定時間が経過したか否かを確認し、所定時間が経過するまでループ処理を行なう。
【0083】
前記所定時間が経過すると(S502:yes)、特別演出待機期間の演出を終了し(S503)、続くS504の処理において保留記憶が上限(満杯)に達したか否かを確認する。保留記憶が満杯であれば(S504:yes)、S505の処理においてA変動に関する擬似連続演出を開始する(
図18(b)参照)。
前記S504の処理において保留記憶が満杯でなければ(S504:no)、通常の演出を開始する(S506)。例えば、当該変動が大当りであればリーチ演出を経て大当り演出を行なう。一方、ハズレであればハズレ演出を行なう。
尚、保留記憶が満杯であることを条件に特別演出を開始するとしたが、例えば保留記憶数2個以上であることを条件にしたりすることも考えられる。本実施形態では確変や時短といった始動口への入賞が容易な遊技状態で行なうことを考えており、2個以上あれば変動を消化するまでに新たな保留記憶が発生する可能性が高いためである。
【0084】
前記S500の処理においてA変動でなければ(S500:no)、
図23に示すS510の処理において変動パターンがB変動であるか否かを確認し、B変動であれば(S510:yes)、続くS511の処理において、前記S505の処理により特別演出が選択されたか否かを確認する。特別演出が選択されていれば(S511:yes)、S512の処理においてB変動に関する擬似連続演出を開始する(
図18(c)参照)。
前記S511の処理において特別演出が選択されていなければ(S511:no)、通常の演出を開始する(S513)。例えば、当該B変動が大当りであればリーチ演出を経て大当り演出を行なう。一方、ハズレであればハズレ演出を行なう。
【0085】
前記S510の処理においてB変動でなければ(S510:no)、
図24に示すS520の処理において変動パターンがC変動であるか否かを確認し、C変動であれば(S520:yes)、続くS521の処理において、特別演出が選択されているか否かを確認する。特別演出が選択されていれば(S521:yes)、S522の処理においてC変動に関する擬似連続演出を開始する(
図19(a)参照)。
特別演出が選択されていなければ(S521:no)、通常の演出を開始する(S523)。例えば、当該C変動が大当りであればリーチ演出を経て大当り演出を行なう。一方、ハズレであればハズレ演出を行なう。
【0086】
前記S520の処理においてC変動でなければ(S520:no)、
図25に示すS530の処理において変動パターンがD変動であるか否かを確認し、D変動であれば(S530:yes)、続くS531の処理において特別演出が選択されているか否かを確認する。特別演出が選択されていれば(S531:yes)、S532の処理においてD変動に関する擬似連続演出を開始する(
図19(b)参照)。
特別演出が選択されていなければ(S531:no)、通常の演出を開始する(S533)。例えば、当該D変動が大当りであればリーチ演出を経て大当り演出を行なう。一方、ハズレであればハズレ演出を行なう。
【0087】
前記S530の処理においてD変動でなければ(S530:no)、
図26に示すS540の処理において変動パターンがE変動であるか否かを確認し、E変動であれば(S540:yes)、特別演出待機期間の演出(
図18(a)参照)を開始する(S541)。続くS542の処理で特別演出待機期間の所定時間が経過したか否かを確認し、所定時間が経過するまでループ処理を行なう。
【0088】
前記所定時間が経過すると(S542:yes)、特別演出待機期間の演出を終了し(S543)、続くS544の処理において当該E変動以降のF変動において大当りがあるか否かの先読み判定の内容を参照する。次にS545の処理において前記先読み判定の内容に大当りがあるか否かを確認する。いずれかに大当りがあれば(S545:yes)、S546の処理においてE変動に関する前記先読み演出を行ない決闘リーチから勝利演出(
図19(c)、
図21(a)参照)を開始する。
一方、いずれかに大当りがなければ(S545:no)、S547の処理においてE変動に関する決闘リーチから敗北演出(
図19(c)、
図21(b)参照)を開始する。
尚、S505、S512、S522、S546の処理は特許請求の範囲に記載の特別演出制御手段に相当する。
【0089】
本実施形態のパチンコ機によれば、確変や時短と言った特典遊技状態において、演出の基準となる基準変動(E変動)と連続して演出を行なう特別連続演出期間を決める。例えば保留上限が4個の場合、特別連続演出期間は基準変動の前の4変動(A変動、B変動、C変動、D変動)、基準変動及び基準変動の後の4変動(4回のF変動)からなる9変動分の演出期間とすることがでる。そして特別連続演出期間で大当りとなる変動があれば、恰も基準変動で大当りとなったように見せかける特別演出を行うことができる。更に特典遊技状態に移行する起因となった大当り図柄に応じて予め基準変動を指定して図柄ごとに基準変動を変えれば、遊技者の意識を基準変動に向けさせ、遊技者の大当りに関する期待感、緊張感を高めることができ、遊技が単調にならずに遊技の興趣を向上することができる。
特別連続演出期間の基準変動より前で大当りした場合は、特別図柄表示装置28で変動表示される当該大当りの特別図柄の1変動の間に、演出図柄表示装置21における演出上では恰も基準変動まで複数の変動が行われたように見せかけて基準変動にて大当りを示す。一方、先読み判定を充分に活用して特別連続演出期間の基準変動より後に大当りがあるか判定して大当りがある場合は、基準変動で大当りしたように見せかけ、基準変動より後の変動の変動時間を極めて短時間としたので、基準変動後の大当り開始演出の間に、前記基準変動より後の変動を消化する。よって、遊技者に違和感を与えずに済む。
尚、本実施形態では保留上限個数を4個で説明したが、特1、特2の遊技構成ならば各々の保留上限個数4個を合わせて8個で特別連続演出を行なうことも考えられる。そうなれば17変動の期間を用いて特別連続演出が行えるため、より基準変動での大当りの可能性が高くなるとともに(前後8変動の当否が関わってくるため)、期間をそれだけ長くすることができるため、より深い物語の表現が可能になり、特別連続演出の演出力を向上させることができるようになる。
【0090】
また、特別連続演出期間の始めに特別演出待機期間を設けたので、容易に保留記憶を貯めることができ、特別演出の演出内容と実際の保留記憶数に齟齬が生じないようにすることができ、演出効果を充分に発揮させることができる。例えば、特別連続演出期間の最初の変動が大当りであれば、保留記憶が満杯で無ければ基準変動を行うことが不自然であるが、特別演出待機期間で保留記憶を貯めることで自然な状態で基準変動を行うことができる。
【0091】
更に、基準変動のハズレ時の変動では基準変動の最初の特別演出待機期間中に先読み判定の内容を参照するようになし、特別演出待機期間の終了時に、参照した先読み判定の内容に当りがある場合は、特別演出待機期間終了後の基準変動の演出内容を大当り演出に決定するので、基準変動と、基準変動時に記憶されている保留記憶の判定内容を参照し、いずれかに大当りがあれば大当り演出を行なうため、基準変動において大当り演出が選択されやすくなるとともに、遊技者には同じ変動で当選したように思わせることができる。
【0092】
次に本発明を適用した第2の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機の基本構成は、第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
【0093】
本パチンコ機は、
図27に示すように、大当り遊技が終了すると、当該大当りの起因となった大当り図柄(図柄1〜図柄5)に応じて特典遊技状態中での特図の変動パターンを選択する変動パターンテーブルが設定され、各変動パターンテーブルに応じて、リーチ演出を行なうなどの基準変動(E変動)及びその前後の一連の特別演出を行う特別連続演出期間(A変動〜F変動)が設定される。
かつ、大当り図柄の「図柄2、図柄4、図柄5」に対応する変動パターンテールでは、特別連続演出期間のA変動、B変動、C変動が保留記憶される可能性があるG変動を設定し、G変動において先読み判定によりA変動、B変動、C変動に大当りがある場合に特別先読み演出を行なう構成である。
【0094】
例えば、図柄2の変動パターンテーブルでは、変動数「7、8、9」がG変動となる。そして
図28(a)に示すように、G7変動の1つ前の変動時に先読み判定によりA10変動が大当りと判定されると、特別図柄表示装置28において、G7変動の1つ前のハズレ変動の後、G7ハズレ変動、G8ハズレ変動、G9ハズレ変動を行った後に、A10大当り変動を行う。
【0095】
一方、演出図柄表示装置21には、G7変動の1つ前の変動に対応するハズレ演出の後、前記特別先読み演出として、恰もE14変動で大当りとなるように見せかけるカウントダウン演出を行なう。即ち、前記ハズレ演出の後、G7変動に対応するカウントダウン演出7、G8変動に対応するカウントダウン演出6、G9変動に対応するカウントダウン演出5を行なう。
【0096】
特別図柄表示装置28のA10大当り変動に対応して、演出図柄表示装置21では、A10変動に見せかけるカウントダウン演出4、B11変動に見せかけるカウントダウン演出3、C12変動に見せかけるカウントダウン演出2、D13変動に見せかけるカウントダウン演出1を行ない、その後、E14変動に見せかけるようにリーチ演出から大当り演出を行なう。
【0097】
またA変動〜E変動では大当りせず、E変動時の先読み判定により後のF変動のいずれかに大当りがあると判定されたときは、
図28(b)に示すように(図例ではF18変動で大当り)、特別図柄表示装置28においてE14変動のハズレ変動を設定された45秒の変動パターンに応じて行う。後に、F15変動、F16変動、F17変動のハズレ変動を短時間(0.6秒)の変動パターンで実行し、更にF18変動の大当り変動を短時間(0.6秒)の変動パターンで実行し、大当り図柄を確定表示せしめる。
一方、演出図柄表示装置21においては、恰もE変動で大当りが生起したように見せかけるリーチ演出からの大当り演出を45秒の変動パターンに応じて行い、その後、特別図柄表示装置28にF15からF17変動のハズレ変動を経てF18変動の大当り図柄が確定表示されるまで、大当り遊技開始の擬似演出を行なう。
【0098】
図29(a)、(b)、(c)はそれぞれ、演出図柄表示装置21に表示される前記カウントダウン演出7、カウントダウン演出6、カウントダウン演出5の表示態様をしめすもので、表示画面にはそれぞれ、カウントダウン表示219、本パチンコ機のメインキャラクタの「熊の達吉」251、擬似演出図柄252が表示される。カウントダウン効果を高めるために、カウントダウン数値が小さくなるにつれて表示を大きくすることが望ましい。
【0099】
本実施形態のパチンコ機によれば、特典遊技状態において、演出の基準となる基準変動(E変動)と連続して演出を行なう特別連続演出期間を決める。例えば保留記憶の上限が4個の場合、特別連続演出期間は基準変動の前の4変動(A変動、B変動、C変動、D変動)、基準変動及び基準変動の後の4変動(4回のF変動)からなる9変動分の演出期間とすることがでる。そして先読み判定により特別連続演出期間で大当りとなる変動があれば、これが分かった時点でカウントダウンを開始し、基準変動で大当りとするようにみせる特別先読み演出を行うことができる。更に特典遊技状態に移行する起因となった大当り図柄に応じて予め基準変動を指定して図柄ごとに基準変動を変えれば、遊技者の意識を基準変動に向けさせ、遊技者の大当りに関する期待感、緊張感を高めることができ、遊技が単調にならずに遊技の興趣を向上することができる。
【0100】
前記特別先読み演出のカウントダウンは次の構成を取り得ることができる。先ず、特別連続演出期間の基準変動より前の変動で大当りした場合は、例えばA変動で大当りの場合、特別図柄表示装置28におけるA変動に対する特別図柄の1変動の間に、演出図柄表示装置の演出上では恰も基準変動までのB変動、C変動、D変動にてカウントダウンを行い、基準変動にて大当りしたように見せかける。
更に、特別連続演出期間の前に(G変動にて)、特別連続演出期間の基準変動より前のA変動、B変動、C変動、D変動を先読み判定して、これらに大当りがあると判定されたときには、これが分かった時点からカウントダウンを行い基準変動で大当りしたように見せかける。こうすることによりカウントダウン期間を延ばすことができ、遊技者の期待感を高めることができる。
【0101】
一方、先読み判定により特別連続演出期間の基準変動より後に大当りがあると判定された場合は、基準変動で大当りしたように見せかけ、基準変動より後の変動時間を極短時間としたので、基準変動後の大当り開始演出の間に特別図柄の変動を消化する。よって、遊技者に違和感を与えずに済む。
【0102】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、第1の実施形態の構成と第2の実施形態の構成とを組み合わせ、前記「擬似連続演出」と前記「特別先読み演出(カウントダウン演出)」及び前記「消化演出」とを選択する構成としてもよい。この場合、特別連続演出期間の前に保留記憶が満杯でなければ「擬似連続演出」を行ないようになし、特別連続演出期間の前に保留記憶が満杯であれば「特別先読み演出(カウントダウン演出)」を行なうようにし、かつ特別演出待機期間の基準変動後に大当りがあるときは「消化演出」を行なうことが望ましい。
また本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
その場合は、発射可能数も参照して、特別演出待機期間で保留を満杯にすることが不可能な発射可能数である場合は特別連続演出を選択しないようにすることもできる。環境として特別連続演出が可能な時にしか行なわないようにすることにより、より自然に特別連続演出に移行させることができるようになる。
また、E変動での特別演出待機期間での演出内容の選択方法として、追加入賞した保留記憶の当否内容により大当り演出にするかハズレ演出にするか決定していたが、E変動がハズレの場合はハズレ演出を選択し、F変動の時間を用いてハズレからの復活当り演出(一旦ハズレとなったと見せかけて、再変動して当り図柄が揃う演出)を行なうことも考えられる。これならばE変動の際に特別演出待機期間を設ける必要もなくなるし、E変動中の追加保留の内容により変動途中で演出内容を選択するといった制御も必要もなくなる。
また、E変動とF変動で1変動に見せかける制御を用いれば、実質的な変動回数よりも少ない変動回数に見せかけつつ、その見せかけの変動回数の割には大当りし易いことを利用して、同じ確変でもより有利な確変状態(E変動とF変動で1変動に見せかける制御)と普通の確変状態を有しているように見せかけることも可能となる。その場合は有利な確変状態の実質的な変動回数を普通の確変状態よりも多くし、見かけ上の変動回数を同一にすればより一層効果が増す。