(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記封入球数検出手段により、所定量より少ない第2所定量以下であると判断されると遊技不能にする遊技不能制御手段を備えたことを特徴とした請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、機台内に所定数の遊技球が封入されており、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、入賞した遊技球(入賞球)、入賞しなかったアウト球に関わらず発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の遊技球を循環的に使用して遊技を行う構成とされている。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2が設けてある。
【0020】
前枠11の下部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより前枠11の上部左端に設けられた発射装置31が作動して左斜め上方から遊技盤2に向けて遊技球が発射される。
【0021】
本パチンコ機1には遊技者のICカードから記憶内容の読み書き等の情報処理を行うカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。ICカードには記憶情報として、遊技球を貸出し可能な金額を示すクレジット残高、および封入式では遊技者が直接遊技球を手にできないので賞球により獲得した持ち球数などが記憶される。ICカードは、遊技開始時、クレジット残高の範囲内で遊技球の貸出しが可能であり、貸出しに応じてクレジット残高が更新される。そして遊技終了時には持ち球数が記憶される。
CRユニット60に関連してパチンコ機1には前枠11の下半部の左側に貸出SW171、返却SW172および残高表示装置173が設けてある。
また貸出SW171、返却SW172および残高表示装置173に隣接して遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0022】
遊技盤2にはレール体201によって囲まれた遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケースが装着され、センターケースには演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケースには、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋(遊技球通路)、ステージなどが設けられている。
【0023】
演出図柄表示装置21の中央下方位置には、常時上方へ向かって開口し遊技球の入球が可能な第1始動口23が設けられ、演出図柄表示装置21の右側位置には遊技球が通過可能な通過ゲート22が設置され、またその直下位置には普通電動役物(普電役物)により開閉可能であり、開放時にのみ入球可能の第2始動口24が設けられている。
【0024】
前記第1始動口23およびは第2始動口24は特別図柄(以下、単に特図という)の抽選(当否判定)を実行する始動口である。各第1および第2の特図始動口23、24は遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は特図の保留記憶として記憶される。
第2始動口24は、前記通過ゲート22への遊技球の通過に起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなることにより前記普電役物が所定の時間開放する。
【0025】
第1始動口23の左右両側位置には複数の普通入賞口26が配されている。また、第1始動口の右側かつ第2始動口24の下方には、開閉板にて開閉される大入賞口25が配され、盤面最下部にはアウト口29が設けられている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘が植設されている。
【0026】
また、第1始動口下部には貯留球演出装置91が設けられている。貯留球演出装置91について
図2を用いて説明する。
本実施例のパチンコ機1は第1始動口23に入賞した遊技球を貯留する球貯留装置(図示しないが請求項の遊技球貯留手段に該当する。)が遊技盤裏側に設けられており、10個まで貯留可能である。なお球貯留装置は遊技球が貯留されているか判断するための貯留球検出センサ540が備えられる。また、後述するが、貯留球は、封入球数が所定個数以下になると貯留球ソレノイド541を作動させて貯留された遊技球を解除し、それ以後貯留しない構成である。
球貯留装置に貯留した遊技球を解除すると図示しない解除球排出口から遊技球がクルーン93に排出される。図示しないがクルーン93の中心には排出口94とつながった穴が開いている。
【0027】
排出口94下方には遊技球を振り分けるための羽根部96が設けられており、ハズレ時はハズレ口95へ導くため閉鎖状態を維持し、当り時は当り口97へ導くため開放状態を維持する。なおハズレ口95の裏にはハズレ口95に入球したことを検出するハズレ球検出スイッチが設けられており、当り口97の裏には当り球検出スイッチが設けられている。これらのハズレ球検出スイッチ又は当り球検出スイッチの検出により、当否判定の結果を報知したりする。
当り口97及びハズレ口95に導かれた球は遊技機内で循環される封入球として扱われる。
【0028】
なお、本実施例では、貯留した遊技球は一個ずつ解除する構成とするが、一度に複数個の遊技球を解除するようにしても良く、貯留球を用いて、当否判定の期待度を報知するものであれば特に限定されない。また貯留球演出装置による演出は貯留球が所定個数(例えば5個)以下であると実施しない構成であるのが好ましい。貯留球演出により貯留球が無くなった状態があると、封入球が少なくなってきたときに遊技球を補充することができなくなってしまうからである。ただ本実施例では始動口に入った球を玉貯留装置に貯留するため、貯留がなくなることはほとんどなく必ずしも貯留球を残す必要はない。
【0029】
図3に示すように、発射装置31は、中央に発射台310が設けられ、該発射台310へは球送り機構312の作動により開口部313を経て遊技球Bが一球ずつ送り出される。そして発射モータ314により駆動する発射槌311の作動により遊技球Bを打ち出して遊技盤2の遊技領域20へ向けて発射する。
【0030】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図4の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。
そして、前枠11の裏面および内枠30には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射装置31、電源基板(図略)が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2の裏面に設けられ、払出制御装置41、発射装置31および電源基板は内枠30に設けられている。
【0031】
また、パチンコ機1の裏面には下部に、遊技盤に発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する研磨装置45が設置されており、更に研磨した遊技球をパチンコ機の下部から上部の前記発射装置31へ送る揚送装置33が内枠30の裏面右側に沿って上下方向に設置されている。
研磨装置45の左上方には、パチンコ機内に封入される遊技球を補給するための球補給部50が備えられる。球補給部は通常は閉まっているが、球補給時に開けて遊技球を流し込むことで補給する。
球補給部50の下方には過剰球受け皿51が備えられ、球補給部からの補給によりパチンコ機1内に封入される遊技球が満タンセンサに検出される量に達すると、封入された遊技球が過剰球受け皿51に排出される構成となっている。
尚、本実施例では実施してないが、過剰球受け皿51には、前枠11開放後の所定期間はアウト口29又は遊技盤2に設けられた各入賞口に入賞した遊技球が排出される構成としてもよい。これは前枠11の開放により、直接アウト口29や各入賞口に入賞することで、簡単に封入球として封入できてしまうため、前枠11の開放後しばらくは小球等の不正球の混入をさせなくするためである。
【0032】
図5は本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、副制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
【0033】
主制御装置40は、前枠(ガラス枠)11、内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501および内枠開放SW502と電気的に接続され、遊技盤中継端子板539を介して、第1始動口23への入球を検出する第1始動口SW503、第2始動口24への入球を検出する第2始動口SW504、普図通過ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、左右の各普通入賞口26左入賞口SW506、右入賞口SW507、大入賞装置25への入球を検出するカウントSW508、不正行為を検出するための磁石センサ511、電波センサ512等と電気的に接続され、各SW、センサからの検出信号が入力される。
【0034】
主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板542を介して特図表示装置27、特図保留数表示装置271、普通図柄表示装置28および普図保留数表示装置281の表示制御を行なう。尚、これら表示装置72,271,28,281は遊技盤2の前面の遊技領域の外部に設けてある(図略。)。
【0035】
また主制御装置40は、遊技盤中継端子板539を介して大入賞口ソレノイド513を駆動して大入賞口25を開放作動せしめ、普電役物ソレノイド514を駆動して第2始動口24の普電役物を開閉し、賞球数表示装置212に各入賞口への入賞により発生する賞球数を表示する。
主制御装置40は払出制御装置41と双方向通信が可能に接続されている。
【0036】
払出制御装置41は、CRユニット端子板548を介してCRユニット60と通信可能に接続されている。また、残高表示装置173を介して貸出しおよび返却SW171,172による貸出要求、返却要求の操作信号を受付けるように構成されている。払出制御装置41は、前記貸出要求、返却要求の操作信号に基づいてCRユニット60との間で通信を行い、CRユニット60に挿入されたICカードに関するクレジット残高の把握、貸出要求信号に応じた貸出し球数の設定、返却要求信号に応じてクレジット残高の返却処理等を行う。
CRユニット60は遊技施設のホールコンピュータ500と通信可能に接続され、払出制御装置41との通信内容に基づいてパチンコ機1の遊技情報をホールコンピュータ500へ送信するように構成されている。
【0037】
また払出制御装置41は、発射操作部中継端子板543を介して、持ち球数を計数する操作を行なう計数SW174の操作信号、前記発射ハンドル14の操作量を検出するハンドルボリューム520の操作量検出信号、発射停止SW522の停止検出信号、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW521等の検出信号が入力される。また遊技者が保持する持球数を表示するための持球数表示装置211に持球数を表示する。
【0038】
更に払出制御装置41は、発射装置中継端子板544を介して、前記発射装置31の入口での遊技球の有無を検出する発射入口センサ524、発射モータ314、前記球送り機構312を駆動する球送りソレノイド526が接続されている。そして、払出制御装置41は、主制御装置40から送られてくる遊技状況が反映されたコマンド、前記ハンドルボリューム520、タッチSW521、発射停止SW522および発射入口センサ524の信号等に基づいて発射モータ314、球送りソレノイド526を駆動制御して遊技球を発射および停止させる。
また球送り機構312の駆動を検出する球送センサ523が接続される。なお、この球送センサ523の検出に基づいて持球数から減算する。そのため球送り機構312が駆動することで遊技球を発射台に遊技球が送られると、必ず発射モータを駆動させ遊技球を発射する構成としている。
【0039】
更にまた払出制御装置41は、前記CRユニット60との通信処理、遊技球の発射に関する制御の他、研磨装置中継端子板545を介してカセットスイッチ527と研磨モータセンサ528の検出信号が入力され、これら検出信号に応じてカセットモータ529および研磨モータ530を駆動して前記研磨装置45を制御せしめる構成である。
また研磨装置45の制御の他に、払出制御装置41は、揚上中継端子板546を介して揚上入口センサ532と揚上モータ監視センサ533の検出信号が入力され、これら検出信号に応じて揚上モータ531を駆動して前記揚送装置33を制御せしめる。
【0040】
更に、払出制御装置41には、内枠中継端子板547を介して第1始動口23、第2始動口24や大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入賞した入賞球を検出する入賞球センサ509、入賞することなくアウトとなったアウト球を検出するアウト球センサ510、パチンコ機1内の遊技球が適正量かを検出する適正量検出センサ534、パチンコ機内の遊技球の量が満杯であるか検出する満タンセンサ535、パチンコ機内の遊技球の量が正常に遊技可能な量であるか検出する球不足センサ550、および夜間監視スイッチ536等の検出信号が入力される構成である。
【0041】
本実施例では満タンセンサ535、適正量検出センサ534及び球不足センサ550により遊技球が検出できるかで、パチンコ機1内に封入された遊技球の量を段階的に把握している。上記各センサは、内枠側に備えられた各入賞口及びアウト口29から排出された遊技球及び球補給部50から補給された遊技球を研磨装置45に導くための通路上に備えられており、通路上に蓄えられた遊技球の量により、封入球の量を検出する。よって球貯留装置に貯留される遊技球は、遊技盤2に備えられているので、この封入球量としては検出されない。尚、満タンセンサ535、適正量検出センサ534及び球不足センサ550が請求項の封入球数検出手段に該当する。
前記入賞球センサ509は、第1、第2始動口23,24や大入賞口25ないし普通入賞口26等の各入賞口へ入球した遊技球を回収して前記研磨装置45へ送るために遊技盤の裏面に設けられた球通路の下流部に設置され、各入賞口への入賞球を一括して検出するように構成されている。
前記アウト球センサ510は、アウト口29から研磨装置45へアウト球を送る球通路に設けられている。
【0042】
サブ統合制御装置42には、ジョグダイヤル16および遊技ボタン15の操作を検出する検出信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
また貯留球演出装置91による演出で用いるための遊技球の貯留の有無を貯留球検出センサ540から入力される信号により把握し、貯留球ソレノイド541を制御して貯留された遊技球の解除を実行する。
【0043】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0044】
本パチンコ機1において遊技を開始する場合、ICカードのクレジット残高の範囲内で遊技球の貸出しを行いこれを遊技に使用することが可能な持ち球として遊技を開始する、又はCRユニット60へのICカード挿入時にカードに持ち球数の記憶がある場合にはこれを読み取り持ち球として遊技を開始する。
パチンコ機1の遊技は、第1始動口23,第2始動口24への入球があると、これに起因して特図当否判定用の乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて当否判定を行い、特図表示装置27において特図の図柄変動、演出図柄表示装置21において特図に対応する擬似演出図柄の図柄変動を開始する。
前記特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21に大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。大当り遊技は、大入賞装置25を開放し所定の時間または入球数が所定数に達して閉じるまでの動作を1ラウンドとして、所定数のラウンドを継続することを基本遊技としている。
尚、第2始動口24の普電役物は、通過ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選が実施され、当否抽選の結果が当りであれば開放される。
そして本パチンコ機1は、演出図柄表示装置21において、遊技に応じて特図の変動に伴う演出表示を実施する。
【0045】
以下、主制御装置40および払出制御装置41で実行される本発明に関わりの深いプログラム処理について説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0046】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り判定用乱数の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、不正監視処理(S109)、各出力処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0047】
次に、前記の入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
図6に示す「始動入賞確認処理」は前記入賞確認処理(S107)のサブルーチンで、第1始動口23および第2始動口24への入賞があれば(S200:yes)、入賞に対応する特図の保留記憶が満杯か確認する(S201)。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は4個である。
【0048】
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して抽出した複数の乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を保留記憶として記憶する。またこの処理では、特図保留数表示装置271,の点灯数を1つ増加させるとともに、サブ統合装置42へ現在の保留記憶数を送信するコマンドの送信処理を行う。その後、リターンする。
【0049】
図7ないし
図10は「当否判定処理」のフローチャートを示す。
図7に示すように「当否判定処理」は、先ず、役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否かを確認し(S300)、大当り遊技中でなければ(S300:no)、特図が変動中であるか否かを確認し(S301)、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示中であるか否かを確認する(S302)。尚、前記役物連続作動装置が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0050】
前記S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図8に示すように、特図の保留記憶があるか否かを確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0051】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が確変状態(高確率)であるか否かを確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0052】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0053】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口25の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。
【0054】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶のハズレ図柄決定用乱数に基づいてハズレ図柄を決定し、続いて、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する(S320)。続くハズレ設定処理(S321)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする確変回数と時短回数を減算する。
【0055】
S318又はS321の各設定処理の後、S322の処理では、特図表示装置16の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置83へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行し大当り時には大入賞口25を開放する大当り遊技が実施される。
【0056】
前記
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図9に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置27の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0057】
前記
図7のS302の処理で確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置27の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0058】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか否かを確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0059】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0060】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを確認し(S350)、確変フラグが「1」であり(S350:yes)、確変カウンタ(回数)が「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であり(S353:yes)、時短カウンタ(回数)が「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する。
【0061】
S357の処理では、今回の当否抽選後の保留記憶数が「0」であるか確認し(保留記憶が有るか無いか確認)、保留記憶が無ければ(S357:yes)、サブ統合制御装置83へ向けて、次に前記特図変動開始コマンドが出力されるまで特図の図柄変動を待機するように指示する待機状態指定コマンドを送信する(S358)。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0062】
次に遊技機に封入される遊技球数の管理について、払出制御装置41で実行されるプログラム処理について
図12、
図13を用いて説明する。
図12に示す「封入球数管理処理1」では先ず、遊技停止フラグが0であるか判断する(S400)。遊技停止フラグは遊技停止状態か否かを判断するために用いるためのものである。遊技停止フラグが0ではない、すなわち1であると(S400:no)、本処理を終了し、0であると(S400:yes)、球不足センサ550がオフであるかにより封入された遊技球が不足状態であるか判断する(S405)。球不足センサ550がオフで封入球が検出されない場合は(S405:yes)、遊技機1内に遊技をするに十分な遊技球が封入されていないとして遊技停止信号送信処理により遊技停止信号を主制御装置40に送信し(S410)、遊技停止フラグを1にセットし(S415)、本処理を終了する。
【0063】
球不足センサ550がオンであれば(S405:no)、適正量センサ534がオフであるか判断する(S420)。オフであれば(S420:yes)、貯留禁止済みフラグが0であるか判断する(S425)。なお、この貯留球禁止済みフラグは、遊技球を貯留球装置に貯留禁止するかの判断に用いるためのフラグである。貯留禁止フラグが0であれば(S425:yes)、主制御装置40に貯留球禁止信号を送信し(S430)貯留禁止済みフラグを1にセットし(S435)、本処理を終了する。なお遊技停止信号と貯留球禁止信号は主制御装置を介してサブ統合制御装置に42送信される。適量センサがオンである場合(S420:no)、又は停留禁止済みフラグが1である場合は(S425:no)、本処理を終了する。
【0064】
続いて
図13に示す封入球数管理処理2では、遊技停止フラグが1であるか判断する(S450)。1であれば(S450:yes)、適正量センサがオンであるか判断し(S455)、オンであれば(S455:yes)、遊技停止解除信号送信処理により遊技停止解除信号を主制御装置に送信する(S460)。そして、遊技停止フラグを0にし(S465)、貯留禁止フラグを0にする(S470)。遊技停止フラグ=1でない場合(S450:no)や、適正量センサがオフである場合(S455:no)は、本処理を終了する。
【0065】
なお球不足センサ550により遊技球が検出される量あれば、遊技を開始することができるが、本実施例では適正量センサがオンするまで遊技停止フラグをクリアしない。しかしこれに限定されず、球不足センサの検出があれば遊技停止フラグをクリアして遊技再開できる構成としてもよい。
【0066】
次に
図14、
図15を用いて、払出制御装置41による封入球数管理処理に関連してサブ統合制御装置42にて実行される処理について説明する。先ず
図14に示す貯留球管理処理1では、S410にて、主制御装置40を介して遊技停止信号を受信したか判断する(S500)。受信していれば(S500:yes)、遊技停止処理にて、演出表示装置21による表示及びスピーカ112により遊技を停止する旨の報知し、遊技に関する演出を表示しないようにする。遊技停止信号を受信していなければ(S500:no)、貯留球禁止信号を受信したか判断する(S510)。受信していれば(S510:yes)、貯留球検出センサ540により貯留球が検出されオンの状態であるか判断し(S515)、オンであれば(S515:yes)、貯留解除処理にて貯留球ソレノイド541を作動させ貯留していた遊技球を解除する(S520)。そして、貯留球禁止報知処理により、遊技球の貯留を禁止したことを報知し(S525)、貯留禁止フラグを1にセットし(S530)、本処理を終了する。なおS515で、貯留球検出センサがオフで合った場合も(S515:no)、S525の貯留禁止報知処理に移行する。
【0067】
続いて
図15の貯留球管理処理2では、S460により、主制御装置40を介して送信される遊技停止解除信号を受信したか判断する(S550)。受信していれば(S550:yes)、遊技停止解除処理にて、遊技停止を解除し、遊技を再開可能であることを、演出図柄表示装置21及びスピーカ112を用いて報知する(S555)。そして、貯留禁止フラグを0にし(S560)、貯留禁止報知解除処理により貯留禁止報知を終了する(S565)。
【0068】
本実施例では遊技停止状態の時に適正量センサによる検出がされれば、遊技停止状態を解除すると共に貯留禁止も解除する構成であるが、遊技停止状態ではなく貯留禁止状態で適正量センサがオンとなっても、貯留禁止を解除しない構成である。これは適正量センサがオフとなって、貯留解除された遊技球が補充されることで、適正量センサがオンになり、貯留禁止を解除して再び球貯留装置に貯留されると、また適正量センサがオフになるという事態を繰り返すのを防ぐためである。このため、本実施例では貯留禁止を解除するには適正量センサをオンにして、遊技内容を初期化するためのラムクリア処理をする必要がある。貯留禁止の解除はこれに限らず、貯留禁止解除SWを設けて、これの操作により解除する構成としても良いし、たんに電源の再投入による構成でもよい。
【0069】
このように本パチンコ機1は、パチンコ機1内に封入される遊技球が、前枠11を開放したときなどに遊技球がパチンコ機1外に放出されて、封入される遊技球が、所定量(適正量センサに検出される量)まで少なくなると、図示しない球貯留装置に貯留された遊技球を解除して、封入される遊技球の補充を行う。本実施例では貯留部に10個の遊技球が貯留可能となっており、遊技機の新台直後などを除けば貯留球演出の出現頻度にもよるが、基本的には球貯留装置には遊技球が満杯の10個貯留されていることがほとんどとなるため(通常に遊技をしていれば始動口23に遊技球が常に入賞するため)、適正量センサ534により遊技球が検出されない場合は貯留を解除して適性量に戻すことが可能である。
【0070】
また、サブ統合制御装置42は貯留球禁止信号の受信により、球貯留装置に貯留された遊技球を解除すると貯留禁止状態にするので、再び貯留されて適正量でなくなるという事態を繰り返すのを防ぐことが可能であり、貯留禁止状態である旨も報知するので、遊技施設側が遊技球の補充をしないといけないことを把握することが可能となる。そして、球不足センサ550による検出が出来ない量まで遊技球が少なくなると当否判定にかかる演出表示などをしないようにすることで遊技不能状態とすることで、パチンコ機1に封入された遊技球が不足して正常に遊技ができない状態で遊技をさせることはない。
【0071】
このように遊技施設に早めに知らせるだけではなく、報知後は貯留球の解除により封入球の補充により適正量にもどすことができるので、一度目の球不足を解消できる。そのため、球が少なくなってきたことを報知するだけの遊技機と違い、余裕を持って対処することが可能となる。
【0072】
本実施例では、適正量センサに検出されない量であっても、球不足センサによる検出があれば遊技を実行できる構成であったが、これに限定されず、貯留部に遊技球が貯留されていない状態で適正量センサにより検出できない量になったら遊技を停止する構成としてもよい。
また、遊技停止や、貯留禁止の報知を演出表示装置21やスピーカ112により報知することで、遊技施設の従業員等に球の補充を促していたが、CRユニット60を介してホールコンピュータ500にそれらの情報を出力することで、遊技施設側に球の補充を促すようにしてもよい。
【0073】
内部に封入された遊技球が球不足センサにより検出が出来ない量になると演出表示装置やスピーカなどで、演出を実行しないことで遊技不能としていたが、発射の停止や、当否判定に係る処理などを停止することで、遊技不能とするなど、正常な遊技をできない状態とする構成であれば特に限定されない。