(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記垂直転送部は、前記水平期間の最終段における1回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送し、次ラインの水平期間の最初段における2回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する
請求項1記載の固体撮像装置。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラには、被写体からの像光(入射光)を撮像面に結像させて撮像信号を出力する固体撮像素子が用いられる。このような固体撮像素子として用いられるCCDイメージャは、動画のフレームレートを上げるため、水平分割転送方式を採用することが多くなってきた。水平分割転送方式を採用したCCD撮像素子の駆動方法として、特許文献1に開示される技術が知られている。
【0003】
通常、水平分割転送方式のフレーム読み出しモードでは、1ラインの長さに対して複数に分割されたうちの、ある一つの水平ブランキング期間(水平分割転送部)で垂直レジスタを用いた信号電荷の垂直転送を行う。そして、最終段の垂直レジスタから水平レジスタを用いて信号電荷を水平転送する際には、水平分割転送部毎に分けて行った後、1ライン分の撮像信号を出力している。
【0004】
ここで、従来のCCD撮像素子の電極構成例及び動作タイミングについて、
図12〜
図14を参照して説明する。なお、
図12に対応する従来のCCD撮像素子の構造は、特許文献2に開示されている。
【0005】
図12は、8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式を採用している場合における、垂直転送から水平転送を行う各部の電極の配置例を示す説明図である。
【0006】
従来のCCD撮像素子は、Vφ1〜Vφ8(垂直転送クロック)、VφST(垂直ストレージ制御クロック)、VφHLD(垂直信号ホールドクロック)、φLV(垂直水平シフトクロック)、φVOG(垂直レジスタ最終段制御クロック)の各電極で、水平レジスタへの信号電荷の転送を制御する。これにより、水平レジスタでは、複数回に分けて信号電荷の水平転送を行うことができる。なお、
図12に記した符号(1)〜(4)は、各水平分割転送部が信号電荷を出力する列の順番に対応している。また、不図示のタイミング信号発生部から上記の各クロックが供給される電極を表現する場合にも上記の符号を用いて説明を行う。
【0007】
ここで、(1)、(2)列は、Vφ1〜Vφ8、Vφ1を持つ。ここで、最終段のVφ1は、φLV1又はφLV2へ信号電荷を転送しやすくするために用いる電極である。(1)、(2)列のようにVφSTがない列では、Vφ7の下にVφ8だけを配置するとゲートL長(転送長)が長くなり、φLV1まで信号電荷をうまく転送できない場合がある。このため、垂直レジスタの最終段にVφ1を追加して、1電極当りのゲートL長を抑えている。
【0008】
一方、(3)、(4)列は、Vφ1〜Vφ7、VφST、VφHLDを持つ。そして、(1)、(3)列は、φLV1、φVOG1を共用し、(2)、(4)列は、φLV2、φVOG2を共用する。
【0009】
次に、従来のCCD撮像素子の動作例を説明する。
まず、光電変換部に蓄積された信号電荷はVφ1〜Vφ8の垂直転送クロックに応じて垂直レジスタに読み出される。ここで、(1)列の垂直レジスタでは、信号電荷がφLV1に転送され、(2)列の垂直レジスタでは、信号電荷がφLV2に転送される。一方、(3)、(4)列の垂直レジスタでは、VφSTに信号電荷がそれぞれ蓄積される。
【0010】
(1)列では、φVOG1の制御によりφLV1の信号電荷が水平レジスタに転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタから信号電荷が出力される。
(2)列では、φVOG2の制御によりφLV2の信号電荷が水平レジスタに転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタから信号電荷が出力される。
【0011】
(1)、(2)列から信号電荷が水平転送されると、(3)、(4)列の信号電荷の転送制御が行われる。
(3)列では、VφHLDの制御によりVφSTから読み出された信号電荷がφLV1に転送される。そして、φVOG1の制御によりφLV1の信号電荷が水平レジスタに転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタから信号電荷が出力される。
(4)列では、VφHLDの制御によりVφSTから読み出された信号電荷がφLV2に転送される。そして、φVOG2の制御によりφLV2の信号電荷が水平レジスタに転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタから信号電荷が出力される。
【0012】
次に、水平分割転送方式を用いたフレーム読み出しモードの2種類の駆動方法について説明する。
【0013】
図13は、HD2均一駆動の例を示すタイミングチャートである。
水平分割期間を同一(又は均一)にして信号電荷を水平転送する駆動方法を、「HD2均一駆動」と呼ぶ。ここで、HD2とは、水平分割期間の開始を定めるタイミング信号である。HD2均一駆動を行う際には、全ての水平分割期間を同一にしている。このため、センサ部から2パケットの信号電荷の垂直転送を行う水平第1分割期間と、信号電荷の水平転送を行う水平第2〜第4分割期間の長さは等しい。
【0014】
図14は、HD2短縮駆動の例を示すタイミングチャートである。
センサ部から読み出した信号電荷の垂直転送を行わない水平分割期間を短縮して、信号電荷を水平転送する駆動方法を、「HD2短縮駆動」と呼ぶ。HD2短縮駆動を行うと、センサ部から2パケットの信号電荷の垂直転送を行う水平第1分割期間だけが長く、信号電荷の垂直転送を行わない水平第2〜第4分割期間が短い。この場合、垂直転送の有無に応じて各水平分割期間を最適化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態例とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態例(2回の垂直転送を2回の水平分割期間で行う処理の例)
2.第2の実施の形態例(1回の垂直転送を2回の水平分割期間で行う処理の例)
3.第3の実施の形態例(2回の垂直転送を4回の水平分割期間で行う処理の例)
4.応用例
【0024】
<1.第1の実施の形態例>
[2回の垂直転送を2回の水平分割期間で行う処理の例]
【0025】
以下、本開示の第1の実施の形態例について、
図1〜
図6を参照して説明する。本実施の形態例では、CCD撮像素子1を備えた固体撮像装置10に本開示を適用した例について説明する。
【0026】
図1は、固体撮像装置10の全体構成例を示す概略平面図である。ここでは、固体撮像素子の一例として、8フィールド読み出し方式を採用して信号電荷を転送するCCD撮像素子1の構成及び動作例を説明する。
【0027】
固体撮像装置10は、CCD撮像素子1と、タイミング信号を発生し、CCD撮像素子1の各部にタイミング信号を供給するタイミング信号発生部11とを備える。
【0028】
CCD撮像素子1は、撮像領域2、マトリクス状に配列された撮像面に受光した光を光電変換して信号電荷を蓄積し、撮像領域2内で画素を構成する複数のセンサ部3を備える。撮像領域2の周囲には、オプティカルブラック領域6が設けられる。また、CCD撮像素子1は、各センサ部3から読み出した信号電荷を、センサ部3の垂直列毎に設けられる垂直レジスタ5に転送する読出しゲート部4と、読出しゲート部4が読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直レジスタ5を備える。
【0029】
垂直レジスタ5は、タイミング信号発生部11から供給されるタイミング信号に基づいて、複数のフィールドに分けてセンサ部3から信号電荷を読み出す。そして、読み出した信号電荷を、1ラインの信号電荷を水平転送する水平期間を分割した複数の水平ブランキング期間で撮像領域2内の垂直方向に転送する垂直転送部として用いられる。
【0030】
また、CCD撮像素子1は、垂直水平シフト制御部7、信号電荷を水平方向に転送する水平レジスタ8、信号電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部9を備える。また、電圧に変換された信号電荷を撮像信号として不図示の信号処理回路(例えば、DSP)に出力する出力部(Vout)を備える。
【0031】
垂直水平シフト制御部7は、タイミング信号発生部11からのタイミング信号に基づいて、垂直レジスタ5が水平レジスタ8に信号電荷を転送するタイミングをセンサ部3の垂直列毎に制御する。そして、垂直水平シフト制御部7は、垂直レジスタ5の1列おきに垂直レジスタ5から転送される信号電荷を蓄積する垂直ストレージ制御電極(VφST)を備える。また、垂直レジスタ5の最終段に転送された信号電荷を水平レジスタ8に転送するタイミングを制御する垂直最終段制御クロック電極(φVOG)を備える。
【0032】
水平レジスタ8は、タイミング信号発生部11から供給されるタイミング信号に基づいて、センサ部3から垂直レジスタ5に読み出された信号電荷を、水平ブランキング期間に合わせて水平転送する。そして、電荷電圧変換部9を経て、出力部から1ライン分の撮像信号を出力させる水平転送部として用いられる。
【0033】
次に、固体撮像装置10の動作例を説明する。
タイミング信号発生部11は、垂直レジスタ5に対して、垂直転送クロックVφ1〜Vφ7、Vφ8S1、Vφ8S2を印加する。そして、垂直レジスタ5における各Vφ1〜Vφ7、Vφ8S1、Vφ8S2がセンサ部3から8フィールド毎に信号電荷を読み出している。センサ部3から垂直レジスタ5に読み出された信号電荷は、8フィールド毎に垂直方向に転送される。
【0034】
また、タイミング信号発生部11は、垂直水平シフト制御部7に対して、垂直水平シフトクロック(VφST、VφHLD、φLV1、φLV2)を印加し、水平レジスタ8に対して、水平転送クロック(φH1、φH2)を印加する。このとき、垂直水平シフト制御部7は、垂直水平シフト制御部7は、垂直ストレージ制御電極が設けられていない列の垂直レジスタ5から転送される信号電荷を水平レジスタ8に転送する。そして、垂直ストレージ制御電極が設けられている列の垂直レジスタ5から転送される信号電荷を垂直ストレージ制御電極に蓄積した後、水平レジスタ8に転送する。
【0035】
ここで、上述した
図12を参照して説明したように、(1)列の垂直レジスタ5では、信号電荷がφLV1に転送され、(2)列の垂直レジスタでは、信号電荷がφLV2に転送される。一方、(3)、(4)列の垂直レジスタでは、VφSTに信号電荷が一旦蓄積される。
【0036】
(1)、(2)列では、φVOG1、φVOG2の制御によりφLV1、φLV2から信号電荷が水平レジスタ8に転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタ8から信号電荷が転送される。
その後、(3)、(4)列では、VφHLDの制御によりVφSTからφLV1、φLV2に信号電荷が転送される。そして、φVOG1、φVOG2の制御によりφLV1、φLV2から水平レジスタ8に信号電荷が転送され、更にφH1、φH2の制御により水平レジスタ8から信号電荷が水平転送される。
【0037】
そして、水平レジスタ8から水平転送された信号電荷が電荷電圧変換部9によって電圧変換されて、撮像信号として出力部(Vout)からライン毎に読み出される。
【0038】
次に、CCD撮像素子1の動作例を説明する。
図2は、水平4分割転送フレーム読出しモードにおける水平同期タイミングチャートの例を示す説明図である。上述したようにCCD撮像素子1は、8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式によって信号電荷の水平転送を行う。
【0039】
まず、水平第1分割期間では、HD、HD2が低電位とされる。その後、HD2に低電位が3回印加される。HD2が低電位とされるタイミングで水平第1〜第4分割期間の開始タイミングが定まる。
【0040】
垂直転送クロックであるVφ1〜Vφ8は、水平第1及び第4分割期間で高電位とされ、センサ部3から読み出された信号電荷が垂直レジスタ5に転送される。このタイミングチャートに示されるVφ8は、
図1に示したVφ8S1、Vφ8S2の2つの電極を指している。ただし、水平同期では同一タイミングでVφ8S1、Vφ8S2が駆動するため、Vφ8と略記する。
【0041】
ここで、1ラインの信号電荷の垂直転送は2パケットで行われる。そして、垂直レジスタ5は、水平期間の最終段における1回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する。次ラインの水平期間の最初段における2回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する。
具体的には、始めに第4分割期間で1パケット目の信号電荷の垂直転送が行われた後、第1分割期間で2パケット目の信号電荷が垂直転送されることになる。
【0042】
垂直信号ホールドクロックであるVφHLDが水平第2分割期間で高電位とされると、垂直ストレージ制御クロックであるVφSTが低電位とされる。このタイミングで(3)列の信号電荷がVφSTからφLV1に転送され、(4)列の信号電荷がVφSTからφLV2に転送される。
【0043】
垂直レジスタ最終段制御クロックであるφVOG1が水平第1分割期間で高電位とされると、垂直レジスタ最終段から(1)列の信号電荷が水平レジスタ8に転送される。また、φVOG1が水平第3分割期間で高電位とされると、垂直レジスタ最終段から(3)列の信号電荷が水平レジスタ8に転送される。
【0044】
一方、φVOG2が水平第2分割期間で高電位とされると、垂直レジスタ最終段から(2)列の信号電荷が水平レジスタ8に転送される。また、φVOG2が水平第4分割期間で高電位とされると、垂直レジスタ最終段から(4)列の信号電荷が水平レジスタ8に転送される。
【0045】
そして、水平転送クロックφH1、φH2により、水平第1〜第4分割期間毎に各列の信号電荷の水平転送が行われる。
【0046】
ここで、本実施の形態に係るCCD撮像素子1と比較するため、従来のCCD撮像素子の動作例について
図3と
図4を参照して説明する。
【0047】
図3は、従来のCCD撮像素子のタイミングチャートの例を示す説明図である。
従来のCCD撮像素子では、水平第1分割期間でVφ1〜Vφ8により2パケットの信号電荷が読出される。ここで、水平第4分割期間においてHD2とφLV2が高電位とされるタイミングをt1とし、HD2とφLV2が高電位を保つタイミングをt2とする。そして、水平第1分割期間の開始となるHDとHD2が低電位とされるタイミングをt3とする。
【0048】
さらに、信号電荷を2パケット読出した後に、Vφ1が低電位とされ、Vφ6が高電位とされるタイミングをt4とし、φVOG1が高電位とされるタイミングをt5とする。また、φLV1が低電位とされるタイミングをt6とし、φVOG1が低電位とされるタイミングをt7とし、φLV1が高電位とされるタイミングをt8とする。そして、水平第2分割期間の開始となるHD2が低電位とされるタイミングをt9とする。
【0049】
図4は、従来のCCD撮像素子のポテンシャルの例を示す説明図である。
図4に示すポテンシャル図は、上述した
図12に示す従来の電極配置図における(3)列のポテンシャルについて記載している。(3)列では、Vφ7の次にVφSTが配置されるため、Vφ8についてポテンシャルは記載されていない。
【0050】
図3のタイミングt1〜t8に対して、Vφ1〜Vφ8、VφST、VφHLD、φLV1、φVOG1、φH1の各クロックが加わる電極のポテンシャルは以下のように変化する。
【0051】
タイミングt1,t2では、Vφ2〜Vφ6と、φH1に信号電荷が溜められ、VφSTとφLV1には信号電荷が溜められていない。
タイミングt3では、φH1から信号電荷が掃き出され、VφST、φLV1には信号電荷が溜められていない。
タイミングt4では、VφST、φLV1に信号電荷が溜められる。なお、VφSTには、タイミングt4〜t9にわたって信号電荷が溜められる。
タイミングt5では、φVOG1が高電位とされることにより、φLV1に溜められていた信号電荷が、φLV1、φVOG1、φH1に平坦化される。
タイミングt6では、φLV1が低電位とされることにより、φLV1に溜められていた信号電荷はφVOG1、φH1に移動する。
タイミングt7では、φVOG1が低電位とされることにより、φVOG1に溜められる信号電荷はφH1に移動する。
タイミングt8では、φLV1が高電位とされて、φH1に信号電荷が溜められる。
タイミングt9では、φH1から信号電荷が掃き出される。
【0052】
次に、第1の実施の形態例に係るCCD撮像素子1の動作例について、
図5と
図6を参照して説明する。
図5は、CCD撮像素子1のタイミングチャートの例を示す説明図である。
【0053】
第1の実施の形態例に係るCCD撮像素子1は、始めに水平第4分割期間でVφ1〜Vφ8が1回目の駆動を行った後、水平第1分割期間でVφ1〜Vφ8が2回目の駆動を行う。ここで、水平第4分割期間においてHD2とφLV2が高電位とされるタイミングをt1とし、Vφ1〜Vφ8で1パケット目の信号電荷を垂直転送した後に、Vφ1が低電位とされ、Vφ6が高電位とされるタイミングをt2とする。そして、水平第1分割期間の開始となるHDとHD2が低電位とされるタイミングをt3とする。
【0054】
さらに、Vφ1〜Vφ8が2パケット目の信号電荷を垂直転送した後に、Vφ1が低電位とされ、Vφ6が高電位とされるタイミングをt4とし、φVOG1が高電位とされるタイミングをt5とする。また、φLV1が低電位とされるタイミングをt6とし、φVOG1が低電位とされるタイミングをt7とし、φLV1が高電位とされるタイミングをt8とする。そして、水平第2分割期間の開始となるHD2が低電位とされるタイミングをt9とする。
【0055】
図6は、CCD撮像素子1のポテンシャルの例を示す説明図である。
図5におけるタイミングt1〜t8におけるVφ1〜Vφ8、VφST、VφHLD、φLV1、φVOG1、φH1の各クロックが加わる電極のポテンシャルは以下のように変化する。
【0056】
タイミングt1では、Vφ2〜Vφ6と、φH1に信号電荷が溜められ、VφST、φLV1には信号電荷が溜められていない。
タイミングt2では、Vφ2〜Vφ6、VφST、φLV1及びφH1に信号電荷が溜められる。VφSTには、タイミングt2〜t9にわたって信号電荷が溜められる。
タイミングt3,t4では、φH1が加わる水平レジスタ8から信号電荷が掃き出され、VφST、φLV1には信号電荷が溜められる。
タイミングt5では、φVOG1が高電位とされることにより、φLV1に溜められていた信号電荷が、φLV1、φVOG1、φH1に平坦化される。
タイミングt6では、φLV1が低電位とされることにより、φLV1の信号電荷はφVOG1、φH1に移動する。
タイミングt7では、φVOG1が低電位とされることにより、φVOG1の信号電荷はφH1に移動する。
タイミングt8では、φLV1が高電位とされ、φH1に信号電荷が溜められる。
タイミングt9では、φH1から全ての信号電荷が掃き出される。
【0057】
ここまで、従来のCCD撮像素子と第1の実施の形態例に係るCCD撮像素子1の動作例及びポテンシャル例について説明した。ここで、従来のCCD撮像素子と第1の実施の形態例に係るCCD撮像素子1で異なる点は、タイミングt1〜t4の期間における動作である。従来のCCD撮像素子はタイミングt1〜t3で水平第4分割期間の水平転送を行った後、タイミングt3〜t4で次のラインの2パケットの垂直転送を行う。それに対し、CCD撮像素子1では、タイミングt1〜t2で次のラインの1パケットの信号電荷の垂直転送を行った後、タイミングt2〜t3で水平第4分割期間の水平転送を行う。その後、タイミングt3〜t4で次のラインの更に1パケットの信号電荷を垂直転送する。
【0058】
CCD撮像素子1のタイミングt5から次のタイミングt1までにおけるポテンシャルの関係は、従来のCCD撮像素子と変わらない。しかし、第1の実施の形態例に係る駆動方法を用いることにより、水平第4分割期間で次のラインの1パケットの信号電荷を垂直転送する間、φLVとφVOGが信号電荷を保持している。このため、水平第4分割の水平レジスタ8に溜められた信号電荷は他の信号電荷によって混色することはない。
【0059】
上述した第1の実施の形態例に係る固体撮像装置10によれば、CCD撮像素子1を8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式で駆動する。従来の駆動では水平第1分割期間で2パケットの垂直転送を行っていたが、その内の1パケットを、水平第4分割の垂直レジスタ5の最終段から水平レジスタ8の転送終了後に移す。
【0060】
そして、始めに水平第4分割期間で1回目の信号電荷の垂直転送を行った後、水平第1分割期間で2回目の信号電荷の垂直転送を行う。これにより、水平第1分割期間の垂直転送期間を約半分に削減できる。このことは、従来最も長かった水平第1分割期間の期間を削減できることを意味する。また、従来の水平第4分割期間は、水平第1分割期間に合わせるため、転送に寄与しない余分な期間があり、この期間を用いて1パケットの信号電荷を垂直転送してもブランキング期間は延びない。このように複数の水平分割期間で分けて信号電荷を垂直転送することにより、HD2のタイミングが均一であっても各水平分割期間におけるブランキング期間を短くし、フレームレートを上げることができる。
【0061】
なお、CCD撮像素子1の駆動方法は、水平3分割転送等の他の水平分割転送方式にも適用できる。上述した第1の実施の形態例に係る駆動方法では、特許文献2にも開示されている垂直分割転送方式の場合で説明したが、垂直分割転送方式以外でも適用することが可能である。
【0062】
<2.第2の実施の形態例>
[1回の垂直転送を2回の水平分割期間で行う処理の例]
【0063】
本開示の第2の実施の形態例に係る固体撮像装置10の別の駆動方法の例について、
図7を参照して説明する。なお、既に第1の実施の形態例で説明した
図1等に対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0064】
図7は、第2の実施の形態例に係るCCD撮像素子1のタイミングチャートの例を示す説明図である。第2の実施の形態例に係るCCD撮像素子1においても、8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式を採用している。
【0065】
第2の実施の形態例に係るCCD撮像素子1は、始めに水平第4分割期間においてHD2とφLV2が高電位とされるタイミングをt1とし、Vφ2が高電位とされ、Vφ5が低電位とされるタイミングをt2とする。次に、水平第1分割期間の開始となるHDとHD2が低電位とされるタイミングをt3とする。
【0066】
さらに、Vφ1が低電位とされ、Vφ6が高電位とされるタイミングをt4とし、φVOG1が高電位とされるタイミングをt5とする。また、φLV1が低電位とされるタイミングをt6とし、φVOG1が低電位とされるタイミングをt7とし、φLV1が高電位とされるタイミングをt8とする。そして、水平第2分割期間の開始となるHD2が低電位とされるタイミングをt9とする。
【0067】
第2の実施の形態例に係るCCD撮像素子1のタイミングt5から次のタイミングt1までにおけるタイミングチャートは、第1の実施の形態例に係るCCD撮像素子1と変わらない。しかし、垂直レジスタ5は、連続する複数の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する。このため、タイミングt1〜t4において、Vφ1〜Vφ8は、水平第4分割期間と水平第1分割期間にわたって1パケットの信号電荷を転送している。
【0068】
以上説明した第2の実施の形態例に係る固体撮像装置10において、CCD撮像素子1は、1パケットの信号電荷の垂直転送を水平第4分割期間から第1分割期間にわたって行っている。このように垂直転送を分割した場合には、それぞれの垂直転送に要する水平分割期間を短くすることができる。このため、垂直転送を行わない水平分割期間についても短くすることができる。フレームレートを一層上げることができる。
【0069】
<3.第3の実施の形態例>
[2回の垂直転送を4回の水平分割期間で行う処理の例]
【0070】
次に、本開示の第3の実施の形態例に係る固体撮像装置20について、
図8〜
図10を参照して説明する。なお、既に第1の実施の形態例で説明した
図1等に対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0071】
上述した第2の実施の形態例に係る固体撮像装置10では、水平第4分割期間と水平第1分割期間の2回の水平分割期間で1パケットの信号電荷を垂直転送したが、他の電極を増やしてもよい。本開示の第3の実施の形態例に係る固体撮像装置20は、さらに垂直転送に寄与する電極を増やしたものである。
【0072】
図8は、固体撮像装置20の全体構成例を示す概略平面図である。第3の実施の形態例に係るCCD撮像素子22においても、8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式を採用している。
【0073】
第3の実施の形態例に係るタイミング信号発生部21は、CCD撮像素子22が備える垂直レジスタ5に対して、Vφ1〜Vφ7、Vφ8S1、Vφ8S2の各クロックを供給して、垂直レジスタ5の垂直転送を制御する。
【0074】
また、タイミング信号発生部21は、垂直水平シフト制御部23に対して、VφST、VφHLD、φLV1〜φLV4、φVOG1〜φVOG4の各クロックを供給する。そして、垂直水平シフト制御部23は、垂直レジスタ5から水平レジスタ8に信号電荷を転送するシフト転送を制御する。
また、タイミング信号発生部21は、水平レジスタ8に対して、φH1、φH2のクロックを供給して、水平レジスタ8の水平転送を制御する。
【0075】
上述した第1及び第2の実施の形態例に係る固体撮像装置10では、一般的な水平分割駆動方式を行うCCD撮像素子1の電極配置構造として、信号電荷の転送タイミングを変更してフレームレートを上げていた。一方、第3の実施の形態例に係る固体撮像装置20では、CCD撮像素子22に配置される垂直制御クロック電極を増やすことで、複数の水平分割転送期間に合わせて垂直転送を行うタイミングを細かく分けることが可能である。
【0076】
次に、第3の実施の形態例に係るCCD撮像素子22の電極構成例及び動作タイミングについて、
図9と
図10を参照して説明する
【0077】
図9は、8フィールド読み出しの水平4分割転送、かつ、垂直分割転送方式を採用している場合における、垂直転送から水平転送部を行う各部の電極の配置例を示す説明図である。なお、
図9に記した符号(1)〜(4)は、各水平分割転送部が信号電荷を出力する列の順番に対応している。
【0078】
垂直水平シフト制御部7は、垂直レジスタ5の全ての列に垂直レジスタ5から転送される信号電荷を蓄積する垂直ストレージ制御電極(VφST)を備える。また、垂直水平シフト制御部7は、垂直レジスタ5の最終段に転送された信号電荷を水平レジスタ8に転送するタイミングを制御する垂直最終段制御クロック電極(φVOG)を備える。このため、第3の実施の形態例に係るCCD撮像素子22の電極配置が、
図12に示した従来の電極配置と異なる点は、全ての列にVφST及びVφHLDを設け、φLV3、φVOG3、φLV4、φVOG4の制御電極を追加している。そして、垂直レジスタ5から転送される信号電荷を垂直ストレージ制御電極に各列で蓄積した後、水平レジスタ8に転送するようにしている。
【0079】
図10は、水平4分割転送フレーム読出しモードにおける水平同期タイミングチャートの例を示す説明図である。このタイミングチャートについても、Vφ8S1、Vφ8S2をVφ8と略記する。
【0080】
Vφ1〜Vφ8は、水平第1及び第2分割期間、水平第3及び第4分割期間毎に高電位と低電位が切り替わってセンサ部3から読み出された電荷が、垂直レジスタ5から垂直転送され、VφSTに溜められる。このとき、垂直レジスタ5は、連続する複数の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する。そして、水平第1分割期間でVφSTからφLV1〜φLV4に転送された信号電荷は、φVOG1〜φVOG4が高電位にされたタイミングに合わせて水平レジスタ8に転送される。
【0081】
このとき、φLV1とφVOG1が水平第1分割期間で駆動し、φLV2とφVOG2が水平第2分割期間で駆動し、φLV3とφVOG3が水平第3分割期間で駆動し、φLV4とφVOG4が水平第4分割期間で駆動する。これにより、各列に設けられたφLV、φVOGが各水平分割期間に合わせて信号電荷を水平レジスタ8に転送している。そして、水平転送クロックφH(φH1、φH2)により、水平第1〜第4分割期間毎に電荷の水平転送が行われる。
【0082】
以上説明した第3の実施の形態例に係る固体撮像装置20によれば、全ての列にVφST、VφHLDを設けている。これにより、センサ部3から読み出した信号電荷の垂直転送を各水平分割期間に分けても、φLV1〜φLV4の各制御電極では、異なる信号電荷による混色は発生しない。また、各列のVφSTが1ライン分の信号電荷を蓄積し、列毎にφLV1〜φLV4、φVOG1〜φVOG4の制御電極を分けたことにより、水平分割期間毎にφLV1〜φLV4から水平レジスタ8へ信号電荷の転送を行うことができる。
【0083】
このように、2パケットの垂直転送を4つの水平分割期間に分けることができる。このため、HD2均一タイミングでも各水平分割期間のブランキング期間を短くし、固体撮像装置20のフレームレートを上げることができる。なお、信号電荷の垂直転送を4つの水平分割期間に分けるだけでなく、水平3分割構造等の他の水平分割駆動方式にも適用できる。
【0084】
以上説明した第1〜第3の実施の形態例に係る固体撮像装置では、水平分割転送方式のCCD撮像素子1において、後段の信号処理回路(DSP)の制限によりHD2均一駆動を行う場合でも、フレーム読み出しモードのフレームレートを上げることができる。すなわち、カメラシステムが備える信号処理回路の仕様によらずに固体撮像装置のフレームレートの高速化を実現できる。
【0085】
また、フレームレートを上げることにより、暗信号や暗時白線等のノイズを軽減できる。このため、表示装置に映される映像を高画質化することが可能となる。
【0086】
<4.応用例>
[固体撮像装置をカメラシステムに応用した例]
上記の各種実施形態例及び各種変形例の固体撮像装置は、例えば、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステム、撮像機能を有する携帯電話機、又は、撮像機能を備えた他の機器などの電子機器に適用することができる。この応用例では、電子機器の一構成例として、カメラシステムを例に挙げ、
図11を参照して説明する。
【0087】
図11は、応用例に係るカメラシステム31の概略構成である。なお、
図11に示すカメラシステム31は、静止画像又は動画を撮影することのできるビデオカメラの構成例とし、第1又は第2の実施の形態例に係る固体撮像装置10に適用した例としてある。ただし、第3の実施の形態例に係る固体撮像装置20を適用することも可能である。
【0088】
カメラシステム31は、固体撮像装置10と、固体撮像装置10の受光センサ部に入射光を導く光学レンズを備えた光学系32と、固体撮像装置10及び光学系32の間に設けられたシャッター33と、固体撮像装置10を駆動する駆動部35とを備える。さらに、カメラシステム31は、固体撮像装置10の出力信号を処理する信号処理回路34を備える。
【0089】
固体撮像装置10の各部の構成及び機能は次の通りである。
光学系32は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置10の撮像面(不図示)上に結像させる。これにより、固体撮像装置10内に、一定期間、信号電荷が蓄積される。なお、光学系32は、複数の光学レンズを含む光学レンズ群で構成してもよい。また、シャッター33は、入射光の固体撮像装置10への光照射期間及び遮光期間を制御する。
【0090】
駆動部35は、固体撮像装置10及びシャッター33に駆動信号を供給する。そして、駆動部35は、供給された駆動信号により、固体撮像装置10の信号処理回路34への信号出力動作、及び、シャッター33のシャッター動作を制御する。すなわち、この例では、駆動部35から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置10から信号処理回路34への信号転送動作を行う。シャッター動作時に駆動部35は、上述した第1及び第2の実施の形態例、並びに第2の実施の形態の第1の変形例に係る固体撮像装置10に対して転送ゲートとリセットゲートのオン又はオフを制御する処理を行っている。
【0091】
信号処理回路34は、固体撮像装置10の出力部から出力される撮像信号に対して、分割した水平ブランキング期間に同期して所定の処理を加える。そして、各種信号処理が施された信号(撮像信号)は、メモリなどの記憶媒体(不図示)に記憶され、又は、モニタ(不図示)に出力される。
【0092】
なお、本開示は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0093】
また、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)タイミング信号を発生するタイミング信号発生部と、
マトリクス状に配列された撮像面に受光した光を光電変換して信号電荷を蓄積する複数のセンサ部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記センサ部の垂直列毎に設けられ、複数のフィールドに分けて前記センサ部から読み出した前記信号電荷を、1ラインの信号電荷を水平転送する水平期間を分割した複数の水平ブランキング期間で撮像領域内の垂直方向に転送する垂直転送部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記センサ部から前記垂直転送部に読み出された信号電荷を、前記水平ブランキング期間に合わせて水平転送して、出力部から1ライン分の撮像信号を出力させる水平転送部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記垂直転送部が前記水平転送部に前記信号電荷を転送するタイミングを前記センサ部の垂直列毎に制御する垂直水平シフト制御部と、を備える
固体撮像装置。
(2)前記垂直水平シフト制御部は、前記垂直転送部の1列おきに前記垂直転送部から転送される前記信号電荷を蓄積する垂直ストレージ制御電極と、
前記垂直転送部の最終段に転送された前記信号電荷を前記水平転送部に転送するタイミングを制御する垂直最終段制御クロック電極を備え、
前記垂直水平シフト制御部は、
前記垂直ストレージ制御電極が設けられていない列の前記垂直転送部から転送される前記信号電荷を前記水平転送部に転送し、
前記垂直ストレージ制御電極が設けられている列の前記垂直転送部から転送される前記信号電荷を前記垂直ストレージ制御電極に蓄積した後、前記水平転送部に転送する
前記(1)記載の固体撮像装置。
(3)前記垂直転送部は、前記水平期間の最終段における1回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送し、次ラインの水平期間の最初段における2回目の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する
前記(1)又は(2)記載の固体撮像装置。
(4)前記垂直転送部は、連続する複数の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する
前記(1)〜(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)前記垂直水平シフト制御部は、前記垂直転送部の全ての列に前記垂直転送部から転送される前記信号電荷を蓄積する垂直ストレージ制御電極と、
前記垂直転送部の最終段に転送された前記信号電荷を前記水平転送部に転送するタイミングを制御する垂直最終段制御クロック電極を備え、
前記垂直転送部から転送される前記信号電荷を前記垂直ストレージ制御電極に各列で蓄積した後、前記水平転送部に転送する
前記(1)記載の固体撮像装置。
(6)前記垂直転送部は、連続する複数の分割された水平ブランキング期間で1パケットの信号電荷を垂直方向に転送する
前記(1)又は(5)記載の固体撮像装置。
(7)タイミング信号を発生するタイミング信号発生部と、
マトリクス状に配列された撮像面に受光した光を光電変換して信号電荷を蓄積する複数のセンサ部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記センサ部の垂直列毎に設けられ、複数のフィールドに分けて前記センサ部から読み出した前記信号電荷を、1ラインの信号電荷を水平転送する水平期間を分割した複数の水平ブランキング期間で撮像領域内の垂直方向に転送する垂直転送部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記センサ部から前記垂直転送部に読み出された信号電荷を、前記水平ブランキング期間に合わせて水平転送して、出力部から1ライン分の撮像信号を出力させる水平転送部と、
前記タイミング信号に基づいて、前記垂直転送部が前記水平転送部に前記信号電荷を転送するタイミングを前記センサ部の垂直列毎に制御する垂直水平シフト制御部と、を備える固体撮像装置と、
前記出力部から出力される前記撮像信号に対して、前記水平ブランキング期間に同期して所定の処理を加える信号処理回路と、を備えた
カメラシステム。