(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は下記の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
【0026】
[第1実施形態]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。
外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
また、内枠70にはヒンジ53とは異なる別のヒンジ54(図示省略)も設けられており、該ヒンジ54の他方側には前枠52が取り付けられており、前枠52は内枠70に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
本実施形態のパチンコ機50が、遊技島設備に設置される際には、例えば、外枠51を遊技島設備の所定位置に位置決め固定して取り付け、該外枠51に前枠52や遊技盤1が取り付けられた内枠70を取り付けることにより設置を行う。
【0027】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
また、下皿63には、球抜きレバー68が設けられており、該球抜きレバー68を操作することで下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(通称ドル箱)に移すことが出来る。
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化する。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、球貸ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
また、発射ハンドル64の上方には、シリンダ錠69が設けられており、該シリンダ錠69に所定の鍵を挿入し、該鍵を、時計回りに回転させることで内枠70が開放され、反時計回りに回転させることで前枠52が開放される。
【0028】
なお、本実施形態の内枠70は、遊技盤1が容易に脱着可能な構成を備える。ここで、本実施形態の内枠70が備える、遊技盤脱着構造について説明する。なお、後述する本実施形態の遊技盤1の上部所定箇所には、内枠70に遊技盤1を固定するための係止部材が後方に向かって突設されている。該係止部材は前方から係止状態および非係止状態に変更操作可能に構成されている。
先ず、内枠70の概略構成を説明する。内枠70は、縦長の略枠体により形成されると共に、上下方向やや上部には開口部が開設されている。該開口部は、内枠70に遊技盤1が取り付けられたとき、遊技盤1の裏面側に配設された主制御装置80や演出図柄制御装置82等の構成(
図3参照)との干渉を避けるために設けられている。内枠70は、
図1に図示した前枠52をヒンジ54を中心にして前方に開放することにより、図示前方から内枠70の開口部が露出するように配設されている。
次いで、内枠70の遊技盤脱着構造の構成について説明する。内枠70は、開口部の全外周部に遊技盤1の外周裏面部(
図2参照)が当接可能な遊技盤裏面当接壁部を備える。また内枠70は、開口部の下方(
図1を参照して)に位置する前記遊技盤裏面当接壁部の直下に、前方に膨出し略水平にせり出すと共に遊技盤1の下辺部(
図2参照)が載置可能な遊技盤載置部を備える。該遊技盤載置部の右端部には、遊技盤1の下辺部が載置されると遊技盤1の裏面を遊技盤裏面当接壁部に向かって付勢して位置決めする第1ロック部材を備える。また、遊技盤載置部の左端部からは、上方に向かって垂直に形成されると共に遊技盤1の左辺部を当接して左右方向の位置決めをするための遊技盤位置決め壁部を備える。さらに該遊技盤位置決め壁部の上部および下部の2箇所には、遊技盤1の表面側を後方すなわち遊技盤裏面当接壁部に向かって付勢すると共に、遊技盤1の左辺部を前記遊技盤位置決め壁部に付勢する第2ロック部材を備える。さらに、上方に位置する前記遊技盤裏面当接壁部には、上述した遊技盤1の係止部材と対応する位置に、被係止部材を備える。
さらに、内枠70の遊技盤脱着構造の作用について説明する。内枠70に遊技盤1を取り付ける場合、遊技盤1の左辺部を前記2箇所設けられた第2ロック部材に臨ませ、遊技盤1を後方且つ左方に押し付ける。遊技盤1は、第2ロック部材により、後方且つ左方向に付勢されることで、前後方向および左右後方の位置決めがなされる。次いで、遊技盤1を遊技盤載置部に載置することで、遊技盤1は第1ロック部材により、後方に付勢されることで、前後方向の位置決めがなされる。因みに上下方向の位置決めは、遊技盤1が遊技盤載置部に載置されることで、遊技盤1の自重により位置決めされる。このように前後、左右、および上下の位置決めがなされた後、最後に前方から係止部材を操作して被係止部材に係止することで、内枠70へ遊技盤1が取り付けられる。
以上のような遊技盤脱着構造の構成および作用により、パチンコ機50から、遊技盤1を脱着する面(盤)換え作業は、パチンコ機50自体を遊技島設備から脱着する作業と比較して、著しく簡易となっている。なお、上述した構成に限らず、遊技盤脱着構造は適宜、他の構成を採用しても無論良い。
【0029】
また、遊技盤1を容易に着脱可能な遊技盤脱着構造を備えた内枠70は、本発明の遊技枠に相当する。但し、上述したように、内枠70にヒンジ54により取り付けられる前枠52と、該内枠70とを併せた構成も、本発明の遊技枠に相当する。さらに、内枠70をヒンジ53により取り付け可能な外枠51と、内枠70とを併せた構成、ひいては外枠51、内枠70、および前枠52を併せた構成も、本発明の遊技枠に相当する。要するに、遊技盤1を脱着可能な内枠70を少なくとも備える構成が、本発明の遊技枠である。
さらにいえば、本実施形態では、遊技盤1は内枠70に設けられるが、他の枠構成すなわち外枠51或いは前枠52に遊技盤1が設けられる構成を採用した場合、この遊技盤1が直接脱着可能に設けられる外枠51或いは前枠52が遊技枠であり、さらに該外枠51或いは前枠52に取り付け可能な枠体を全て含めて遊技枠と位置付けても良い。
そして、
図23で後述する「遊技枠側」とは、このように定義付ける遊技枠を備えた構成である。本実施形態では、内枠70を具備した側の構成を示唆する。
【0030】
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート17が配置されている。
センターケース5の下方には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置13が配置されている。
第1始動口11は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2始動口12は電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化するが、上方に第1始動口11があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると行われる普通図柄抽選で当り、普通図柄表示装置7に当りの普通図柄が確定表示されると、第2始動口12は開放されて入球容易になる。
普通図柄表示装置7は7セグメントLEDで形成されており、複合入賞装置13の下方に設けられたアタッカー式の大入賞口14の向かって右側に配置されている。普通図柄表示装置7の右側には4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設置されている。
また、大入賞口14の向かって左側には、7セグメントLEDからなる特別図柄表示装置9が配置され、さらに、左側には4個のLEDからなる特別図柄保留記憶表示装置10が設置されている。
なお、発射された遊技球が第1始動口11あるいは第2始動口12に入球した際には所定の乱数値が抽出され、該抽出された乱数値が所定の値と一致するか否かの抽選(特別遊技抽選)を行い、その抽選で当り、特別図柄表示装置9にて当り図柄が確定表示されると特別遊技(大当り遊技)が開始され大入賞口14が開放して遊技球が入球可能になる。なお、大入賞口14は通常遊技状態中(大当り遊技以外の遊技状態)には開放しておらず、遊技球が入球不可能になっている。
また、特別図柄が変動することで特別図柄の疑似演出を行なう疑似図柄が演出図柄表示装置6にて表示される。
複合入賞装置13の左側には左袖入賞口31が、右側には右袖入賞口33がガイドレール2bに沿うように設けられ、左袖入賞口31の下方には左落し入賞口32が、右袖入賞口33の下方には右落し入賞口34がガイドレール2bに沿うように設けられている。なお、この左袖入賞口31、左落し入賞口32、右袖入賞口、右落し入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
大入賞口14の下方には、アウト口15が設けられており、発射された遊技球が遊技領域3に配置された各入賞口に入球しなかった場合には、このアウト口15に入り遊技球はパチンコ機50の裏側に回収される。
また、普通図柄表示装置7の左側には、状態報知装置16が設けられている。
なお、詳細は後述するが状態報知装置16はLEDからなり、主制御装置80が制御する構成になっている。
【0031】
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用((枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
さらに、本実施形態のパチンコ機50は、演出図柄制御装置82の図示左側方に、本発明の要部を構成する中継基板としての副基板90を備える。副基板90は、主制御装置80、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83と共に、遊技盤1に設けられている。
本発明の中継基板である副基板90は、上述したように、演出図柄制御装置82の図示左側近傍に配設されているが、電気的接続関係という観点からすると、主制御装置80と電源基板85の間に介在して設けられている(
図23参照)。
副基板90は、パチンコ機50が備える各種基板の内、最も重要度の高い主制御基板としての主制御装置80に係る、電気的接続作業を、容易とする機能を有する。つまり、副基板90は、遊技を統括制御する主制御装置80からパチンコ機50が備える多くの電気的構成に対して制御信号を出力するための送信線を適宜結束して纏め、比較的少ない電気的接触端子の脱着により主制御装置80の脱着作業を行うことを可能としている。本発明の中継基板は、このような周知の機能に加えて、本発明の要部としての機能も併せ持つ。副基板90の構成および作用については、後で詳述する。
【0032】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、本発明の要部である中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RWM(RAMとも呼称する)、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施形態では発射制御装置84、電源基板85にはCPU、ROM、RWM(RAMとも呼称する)は設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RWM(RAMとも呼称する)等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、左袖入賞口31に入球した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ31a、左落し入賞口32に入球した遊技球を検出する左落し入賞口スイッチ32a、右袖入賞口33に入球した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ33a、右落し入賞口34に入球した遊技球を検出する右落し入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
また、払出装置73から払出された遊技球を検出する賞球センサー21も主制御装置80に接続されている。なお、賞球センサー21は払出制御装置81にも接続されており、賞球センサー21の検出信号が主制御装置80、払出制御装置81に入力され、主制御装置80と払出制御装置81により賞球の計数が行われる。
本実施形態のパチンコ機50は、このように賞球センサー21が主制御装置80および払出制御装置81の双方に接続される構成により、未払い賞球数を主制御装置80においても管理可能に構成されている。主制御装置80は、該主制御装置80が搭載するRAM(RWM)に未払い賞球数を記憶データ(情報)として記憶して管理し、確実な賞球の払出しを実現している。
【0033】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及び音声・ランプ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄中継基板18を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留記憶表示装置10及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯、状態報知装置16の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当たり等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
【0034】
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて賞球モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。
なお、払出制御装置81は扉開放スイッチ、満タンスイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満タンスイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると賞球モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満タンスイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して賞球モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は遊技球等貸出装置接続端子24を介してプリペイドカードユニット56と交信することで球貸ソレノイド26を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は球貸しセンサー27に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58、残高表示器59が接続されている。
すなわち、本実施形態の払出制御装置81は、獲得遊技球に係る制御を実行する。すなわち、上述したように遊技者の獲得遊技球である入賞等に起因する賞球の払出制御を実行する構成である。
なお、本実施形態のパチンコ機50は、賞球等を上皿55または下皿63に払い出す構成となっているが、これに限らず、遊技球を機内にて循環させる封入式の弾球遊技機の構成を採用しても良い。すなわち、賞球等の獲得遊技球が発生した場合に、当該賞球数を発射可能な持ち球数として加算し記憶する構成としても良い。このような封入式弾球遊技機では、獲得遊技球に係る制御として、上記持ち球数に関する加算、減算、および記憶等の制御を実行するものである。
よって、本願発明の獲得遊技球の制御とは、通常の弾球遊技機における入賞等に起因する賞球の払出制御であり、また封入式の弾球遊技機における入賞等に起因した発射可能な持ち球数に係る加減算及び記憶等の持ち球数制御である。また、本願発明の払出制御基板は、上述した賞球の払出制御または持ち球数制御を実行する。
【0035】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。
なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0036】
音声・ランプ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。
また、音声・ランプ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号が音声・ランプ統合制御装置83に入力される。
【0037】
音声・ランプ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、音声・ランプ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものと音声・ランプ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
【0038】
次に、本実施形態のパチンコ機50の電源供給に係る構成について説明する。
主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83への電源供給は、AC24Vを経て、すなわちAC24Vを取り込んだ電源基板(電源装置)85から、各種電源が供給されている(なお、演出図柄制御装置82及び音声・ランプ統合制御装置83はサブ制御装置と記載)。電源基板(電源装置)85は、主制御装置80、払出制御装置81に対して24V交流電源からDC12V、DC5Vを生成して供給する。
また、主制御装置80と電源基板(電源装置)85との間に設けられると共に、遊技盤1に具備されてなる、本発明の要部としての副基板(中継基板)90は、電源基板(電源装置)85から供給された電源に基づき、コンデンサによりDC5Vのバックアップ電源を生成し、該バックアップ電源を一旦電源基板85に供給し、該電源基板85は再度副基板90を介して主制御装置80に供給する構成になっている。当該構成は本発明の要部であるため、後で図を参照して詳細に説明するものとする。
なお、図示しないが、本実施形態の主制御装置80、払出制御装置81、サブ制御装置に設けられているCPU、ROM、RAMは、一体型になっている。
【0039】
さらに、本実施形態の電源基板(電源装置)85に設けられる各種回路と、主制御装置80、払出制御装置81、およびサブ制御装置との、電気的接続構成について説明する。
電源基板(電源装置)85には投入時リセット回路、停電検出回路(停電検出手段)、タイマ1回路、タイマ2回路及び遮断時リセット回路が備えられている。
停電検出回路(停電検出手段)の出力側は、主制御装置80のCPUの強制割り込み端子NMI及び払出制御装置81のCPUの強制割り込み端子NMIに接続されている。
主制御装置80のCPUのリセット端子RESには、遮断時リセット回路とタイマ2回路とがオア回路を介して接続されている。
払出制御装置81のCPUのリセット端子RESには、遮断時リセット回路とタイマ1回路とがオア回路を介して接続されている。
サブ制御装置(演出図柄制御装置82及び音声・ランプ統合制御装置83)のCPUのリセット端子RESには、遮断時リセット回路と投入時リセット回路とがオア回路を介して接続されている。
尚、前述したように、副基板90で生成された5Vバックアップ電源は、主制御装置80のCPUのバックアップ端子VBBに接続されている。
本実施形態の前記バックアップ端子VBBは、後述する主制御装置第1コネクタ80aが備える。
【0040】
投入時リセット回路は、電圧監視IC、抵抗器、バイパスコンデンサ等から構成されている。電圧監視ICの入力端子であるVS端子には、抵抗器で分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子であるRESET端子は、抵抗器でDC5Vにプルアップされている。
この構成により電圧監視ICの出力端子であるRESET端子は、DC12V電源の電圧が7.20〜7.75V以下に低下すると、出力するリセット信号1を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0041】
タイマ1回路は、投入時リセット回路が出力するリセット信号1を、ハイレベルからロウレベルに変化させたときから所定時間(本具体例では、100ms)経過後に出力するリセット信号2をハイレベルからロウレベルに変化させる遅延回路として構成されている。
タイマ2回路は、投入時リセット回路が出力するリセット信号1を、ハイレベルからロウレベルに変化させたときから所定時間(本具体例では、300ms)経過後に出力するリセット信号3をハイレベルからロウレベルに変化させる遅延回路として構成されている。
【0042】
停電検出回路(停電検出手段)は、コンパレータIC、抵抗器等から構成されている。コンパレータICのマイナス入力端子には、抵抗器で分圧したDC5Vの電源が供給され、プラス入力端子には、抵抗器で分圧したDC12Vの電源が供給され、出力端子は抵抗器でDC5Vにプルアップされている。
前記構成によりコンパレータICの出力端子は、DC12V電源の電圧が8.00〜9.23V以下に低下すると、出力するバックアップ信号(停電信号)を、ハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0043】
遮断時リセット回路は、停電検出回路(停電検出手段)が出力するバックアップ信号(停電信号)を、ハイレベルからロウレベルに変化させたときから所定時間(本具体例では、100ms)経過後に出力するリセット信号をハイレベルからロウレベルに変化させる遅延回路として構成されている。
【0044】
前記構成により、パチンコ機50に電源が投入されたときの主制御装置80、払出制御装置81、その他のサブ制御装置、即ち、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83の各々のCPUの動作又は制御動作の立ち上がり状態を、
図5に示すタイミングチャートに従って説明する。
パチンコ機50に電源が投入されると、電源基板(電源装置)85によりDC12V、DC5Vが生成される。
なお、本実施形態のバックアップ電源VBBは、電源基板85では生成されない構成となっている。すなわち、電源基板85と主制御基板80の間に介在して設けられる、本発明の中継基板としての副基板90により生成される。さらに生成されたバックアップ電源VBBは、直接、主制御基板80に出力されるのではなく、一旦、遊技枠側に、すなわち電源基板85に戻され、再度、副基板90を介して主制御基板80に出力される構成であって、詳細は後述する。
さて、この生成されたバックアップ電源VBB以外の各電源は各制御基板に供給されるが、投入時リセット回路、タイマ1回路及びタイマ2回路の働きにより各サブ制御基板、払出制御装置81及び主制御装置80は次のように動作の立ち上げ処理を行う。
【0045】
図5に示すように、電源装置(電源基板)85に電源が投入されると(ポイントP1)、DC12V電源の電圧は放物線を描いて漸次0Vから12Vに立ち上がる。この漸次立ち上がるDC12V電源の電圧が、基準値LV2(本具体例では、7.20〜7.75V ポイントP2)になった所定時間経過後(T3)に投入時リセット回路の出力信号であるリセット信号1がロウレベルからハイレベルとなる。これにより、各サブ制御装置は、リセット状態を解除し制御に係る動作を立ち上げる(ポイントP3)。投入時リセット回路は、DC12V電源が基準値LV2になっても直ちにリセット信号1を出力するわけではなく、上述した副基板90で生成されるバックアップ電源VBBによるバックアップ開始のタイミングより後に立ち上がるよう本具体例では、約100ms(パワーオンリセット巾)後にリセット信号1を出力するよう構成されている。
【0046】
タイマ1回路は、DC12V電源の電圧が基準値LV2になってから約200ms経過後(T2)、即ち、投入時リセット回路の出力するリセット信号1がロウレベルからハイレベルになってから100ms経過後に出力するリセット信号2をロウレベルからハイレベルとする。リセット信号2を入力する払出制御装置81のCPUは、リセット信号2がハイレベルとなったときから約320msの時間をかけて正常なプログラムであるか否かのセキュリィティチェックを実行し、この後に払い出し等に係る制御を実行する。従って、払出制御装置81のCPUは、DC12V電源の電圧が基準値LV2になってから約520ms後(ポイントP4)(T2)に動作を立ち上げることになる。
タイマ2回路は、DC12V電源の電圧が基準値LV2になってから約400ms経過後、即ち、投入時リセット回路の出力するリセット信号1がロウレベルからハイレベルになってから300ms経過後に出力するリセット信号3をロウレベルからハイレベルとする。リセット信号3を入力する主制御装置80のCPUは、リセット信号3がハイレベルとなったときから約200msの時間をかけて正常なプログラムであるか否かのセキュリィティチェックを実行し、この後に入賞検知等に係る制御を実行する。従って、主制御装置80のCPUは、DC12V電源の電圧が基準値LV2になってから約600ms後(ポイントP5)(T1)に動作を立ち上げることになる。
【0047】
これにより、主制御装置80のCPUがROMに書き込まれたプログラムに従って遊技の制御を実行開始するときには、払出制御装置81、各サブ制御装置は既に遊技の制御を実行している。この結果、電源投入後直ちに、主制御装置80のCPUが払出制御装置81、各サブ制御装置にデータを送信しても、払出制御装置81、各サブ制御装置は本来の制御を実行しているので確実にデータを受信することができる。
【0048】
次にパチンコ遊技機50への電源が遮断されるときの動作を、
図6に示すタイミングチャートに従って説明する。
パチンコ遊技機50への電源投入が遮断されると(ポイントP6)、電源装置(電源基板)85で生成されるDC12Vの電源電圧は、遮断直後の低下が著しいもののその後はほぼリニアに低下してゆき所定時間後に0Vとなる。このリニアに漸減してゆく途中で、基準電圧LV1(本具体例では、8.00〜9.23V)に至ると(ポイントP7)、電源装置(電源基板)85に設けられた停電検出回路(停電検出手段)のバックアップ信号1は、ハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、主制御装置80のCPU及び払出制御基板81のCPUの各強制割り込み端子NMIがロウレベルとなり、CPUにノンマスカブルインターラプトがかかることになる。これにより、主制御装置80のCPUは、現状のゲーム状態を示すデータを待避し、その後RAM(記憶手段)へのアクセスを禁止することができる。払出制御装置81のCPUは、現状の賞球払い出し状態及び玉貸しの払い出し状態を示すデータを待避し、その後RAM(記憶手段)へのアクセスを禁止することができる。
【0049】
遮断時リセット回路は、停電検出回路(停電検出手段)が出力するバックアップ信号1がハイレベルからロウレベルに変化する信号の立ち下げ時から約100ms後に出力するリセット信号4をハイレベルからロウレベルに変化させる(ポイントP8)。これにより、主制御装置80のCPU、払出制御装置81のCPU、サブ制御装基板のCPUを一斉に動作を停止させる。
前述したように、本実施形態の主制御装置80のRAM(記憶手段)は、上述した副基板90で生成されるバックアップ電源VBBによりバッテリバックアップされており、電源遮断時もRAM(記憶手段)に記憶されたデータは所定時間(本具体例では、約3日間)記憶保持される。
【0050】
前述したように、電源が遮断される場合、各制御装置が一斉にリセットされる。しかも、停電検出回路(停電検出手段)が出力するバックアップ信号1がハイレベルからロウレベルに変化してから約100ms後に必ずリセットされる。これにより、制御の統一化を図ることができる。
【0051】
次に、このパチンコ機50の基本仕様を
図7に従って説明する。なお、この図中で始動口1とあるのは第1始動口11を、始動口2は第2始動口12を示す。
通常確率状態と高確率状態とは特別図柄の大当たり確率によって区別され、通常確率状態と時間短縮状態とは特別図柄の平均変動時間及び普通図柄の平均変動時間の違い、即ち図柄の変動時間の長短で区別される。
【0052】
変動短縮機能は時間短縮状態及び大当り遊技終了から特別図柄が100回転するまでの高確率状態で作動し、変動短縮機能が作動中には、特別図柄の平均変動時間は約6秒、最短変動時間は約5秒になり、普通図柄の平均変動時間は4秒になる。
なお、時間短縮状態は、通常当りが発生後(特別図柄が通常当り図柄で確定表示された後)、その大当り遊技終了から発生し、その後、特別図柄が100回転するまでの間、継続される。また、高確率状態は、確変当りが発生後(特別図柄が確変当り図柄で確定表示された後)、その大当り遊技終了から発生し、その後、次の大当りが発生するまで継続される。
つまり、通常当りが発生しても確変当りが発生しても特別図柄、普通図柄の変動時間は同じように変化する。
なお、通常確率状態でも、特別図柄の変動開始時に保留記憶が2個以上あると、その特別図柄の変動について変動短縮機能が作動して、変動時間は上記と同様になる。
【0053】
開放延長機能は時間短縮状態及び大当り遊技終了から特別図柄が100回転するまでの高確率状態で作動し、その場合、第2始動口12の開放時間の上限が基底時間の0.3秒(未作動時)から4秒に延長される。但し、規定数(本実施形態では3個)の入球があれば、上限時間に達していなくても閉鎖される。
つまり、通常当りが発生しても確変当りが発生しても第2始動口12の開放時間は同じように変化する。
なお、通常確率状態では、特別図柄の変動開始時に保留記憶が2個以上あっても作動しない。
【0054】
特別図柄の大当たり確率は、通常確率状態(1/396.7)と高確率状態(1/39.67)とで異なるが、第1始動口11と第2始動口12とでは差がない。
普通図柄の当たり確率は、通常確率状態、時間短縮状態及び高確率状態とも同じ(1/2)である。
【0055】
特別図柄の平均変動時間、特別図柄の最短変動時間、普通図柄の平均変動時間及び第2始動口12の開放時間(上限)は、図示並びに上述のとおりである。
【0056】
1入賞あたりの賞球数は図示の通りであり、普通図柄作動ゲート17は通過口であるので賞球はない。
【0057】
次に、主制御装置80が、メインルーチンとして行う各処理に従って、パチンコ機の動作を説明する。
なお、メインルーチンの処理を行なう前に主制御装置80は電源投入時処理を行なうが、この電源投入時処理の説明は、電源断発生時処理とともに後述する。
図10に示されるフローチャートは、主制御装置80のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S21までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS22の処理を「残余処理」と称する。
【0058】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0059】
正常割り込みでないと判断されると、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S11)、残余処理に移行する。
【0060】
正常割り込みとの肯定判断がなされると、まず初期乱数更新処理が実行される(S12)。この処理は、初期乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0061】
S12に続く大当り決定用乱数更新処理(S13)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期乱数の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期乱数の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期乱数と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当否乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期乱数により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
なお、通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
【0062】
大当り図柄決定用乱数更新処理(S14)は「0」〜「59」の60個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、大当り図柄決定用乱数値と大当り図柄(特別図柄)の関係は
図8に示す通りである。
図8に示すように大当り図柄は20種類あり、同じ図柄で構成されていないほか、確変大当りと通常大当りの区別がし難いようになっている。
図8に示す大当り図柄(特別図柄)による大当りの種類(確変大当りか通常大当りか)は、
図9に示すとおりである。
なお、特別図柄によるハズレの確定表示は「― ―」の1種類しかないので、ハズレ図柄(特別図柄)は選択する必要はない。
【0063】
図10に戻って説明すると、当り決定用乱数更新処理(S15)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常確率状態時、高確率状態時ともに3であり、値は「0」、「3」、「5」である。
なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0064】
リーチ判定用乱数更新処理(S16)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0065】
変動パターン決定用乱数更新処理(S17)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
【0066】
続く入賞確認処理(S18)では、第1始動口11および第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施形態では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞すると大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0067】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S19)を行う。この当否判定処理については後述する。この当否判定処理(S19)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S20)が実行される。
【0068】
各出力処理(S20)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、音声・ランプ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S18)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音声・ランプ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0069】
続く不正監視処理(S21)は、普通入賞口(左袖入賞口31、左落し入賞口32、右袖入賞口33、右落し入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間ないにおける入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、異常判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0070】
本処理に続く前述の残余処理は、初期乱数更新処理(S22)から構成されるが、各々前述したS12と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S21までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図10に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期乱数の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期乱数が当否乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した当り判定用乱数更新処理(S15)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0071】
次に
図11にて主制御装置80が行う始動入賞確認処理の説明を行う。
主制御装置80は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S30)。
肯定判断なら、大当り決定用乱数、大当たり図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄保留記憶が満杯(本実施形態では4個)か否かを判断する(S31)。
保留記憶が満杯でなければ(S31:NO)、上記の各乱数を特別図柄保留記憶として記憶し、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数を1増加させる(S32)。既に4個の保留記憶があれば(S31:YES)保留記憶せず、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数も増やさない。
なお、特別図柄の保留記憶数の増減は音声・ランプ統合制御装置83を経由して演出図柄制御装置82に伝えられ、演出図柄表示装置6の画面6aにて、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数と同数の疑似保留表示がなされる。
【0072】
次に
図12にて主制御装置80が行う当否判定処理を説明する。
図12に示す当否判定処理では、主制御装置80は、条件装置の作動中か否かを大当たりフラグに基づいて判断する(S40)。
S40の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S41:NO)、確定図柄の表示中でもなければ(S42:NO)、特別図柄保留記憶(上記、S32による保留記憶)があるか否かを判断する(S43)。
この保留記憶があれば(S43:YES)、特別図柄保留記憶の中で最も古いもの読み込んで(その特別図柄保留記憶は保留記憶から消去し)、確変フラグがセットされているか(高確率状態か)否かを判定する(S44)。
肯定判断であれば(S44:YES)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当たり値と照合し(S46)、否定判断であれば、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当たり値と照合する(S45)。
本実施形態の場合、上述したように通常確率状態時には1/396.7の確率で当選し、高確率遊技状態には1/39.67の確率で当選する。
【0073】
S45又はS46の判定で大当りなら(S47:YES)、大当たり図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定し(S48)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S49)。
また、外れのときは(S47:NO)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S50)。本実施形態の場合、ハズレの場合の特別図柄の表示は
図9に記載するように「― ―」の1種類しかないので、ハズレ図柄は決定しなくてもよい。
【0074】
S49又はS50に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当たり、確変大当たり、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)を音声・ランプ統合制御装置83に出力し、また特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の変動表示を開始させる(S51)。
従って、音声・ランプ統合制御装置83は変動開始コマンド(表示制御コマンド)に基づけば大当たり図柄又は外れ図柄(以下、まとめて確定図柄)、リーチの有無及び変動時間を判別できる。
変動開始コマンド(表示制御コマンド)を受信した音声・ランプ統合制御装置83は、特別図柄の変動表示に呼応した音声及びランプの演出制御を行い、演出図柄制御装置82に変動開始コマンド(表示制御コマンド)を送る。
図19(a)に示すように、音声・ランプ統合制御装置83は、変動開始コマンド(表示制御コマンド)を受信すると(S200:YES)、該変動開始コマンド(表示制御コマンド)に応じて、疑似図柄及び変動演出を決定し(S201)、演出図柄表示装置6を制御して疑似図柄の変動表示を行わせる命令を演出図柄制御装置82に送信する(S202)。
【0075】
なお、特別図柄と疑似図柄の関係は、
図9に示すとおりである。
図9に示すように通常大当り(大当り遊技終了後に通常確率状態になる大当り)の場合でも確変大当り(大当り遊技終了後に高確率状態になる大当り)でも、疑似図柄は0〜9の図柄が3個揃うようになっている。
従来は、奇数の疑似図柄が3個揃うと確変大当りで、偶数の疑似図柄が3個揃うと通常大当りといった具合に疑似図柄に種類を持たした遊技機がほとんどであるが、本構成では、疑似図柄に種類は持たせていない。つまり、遊技者は疑似図柄(確定図柄)によって通常大当りなのか確変大当りなのか判別出来ない構成になっている。
なお、疑似図柄をどの図柄にするかの決定は演出図柄制御装置82が行なうのだが、同じサブ制御装置である音声・ランプ統合制御装置83が行なってもよい。
【0076】
主制御装置80の処理に戻り(
図12の説明の続き)、特別図柄が変動中であれば(S41:YES)、
図13(a)に示すように図柄変動時間(S49又はS50の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判断する(S52)。
肯定判断なら図柄停止コマンドを音声・ランプ統合制御装置83に出力し、また特別図柄表示装置9を制御して確定図柄を確定表示させる(S53)。
図柄停止コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置83は、特別図柄の変動表示に呼応した音声及びランプの演出を終了させ、また演出図柄制御装置82に図柄停止コマンドを送る。
図19(b)に示すように、音声・ランプ統合制御装置83は、図柄停止コマンドを受信すると(S205:YES)、演出図柄表示装置6を制御して、S201で決めておいた疑似図柄を確定表示させる命令を演出図柄制御装置82に送信する(S206)。
【0077】
主制御装置80は、確定表示させた特別図柄が大当たりになる表示であれば(S54:YES)、確定図柄表示設定処理(S55)を行い、条件装置作動開始処理(S56)により、大当たりフラグをセットする。
S56の処理の後には、復帰報知フラグが作動中か否かを判断し(S57)、作動中であった場合には(S57:YES)、復帰報知フラグをクリアする(S58)。この復帰報知フラグは状態報知装置16を作動させるためのものであり、詳細は後述する。
続いて、確変フラグがセットされているか否かを判定し(S59)、肯定判断なら確変フラグをクリアする(S60)。否定判断なら(S59:NO)、時短フラグがセットされているか(時間短縮状態か)否かを判定し(S61)、肯定判断なら時短フラグをクリアする(S62)。
【0078】
確定表示させた特別図柄が大当たりにならない表示(つまり外れ)のときは(S54:NO)、確定図柄表示設定処理(S63)を行い、時短フラグが立っているか否かを判断する(S64)。時短フラグが立っていれば(S64:YES)、記憶されている時短回数カウントを−1して(S65)、このカウントの値が0になったなら(S66:YES)、時短フラグを終了する(S67)。
S64、S66で否定判断の場合にはリターンする。
【0079】
S42の判定で確定図柄の表示中であれば(S42:YES)、
図13(b)に示すように、確定図柄表示設定(S55又はS63)で設定された確定図柄表示時間を経過したか否かを判断し(S68)、経過していれば(S68:YES)、確定図柄表示終了処理(S69)により特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、また、音声・ランプ統合制御装置83経由で演出図柄制御装置82に指示して、疑似図柄の確定表示を終了させる。
【0080】
主制御装置80が行う特別遊技処理を
図14、
図15を用いて説明する。
図14に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、条件装置の作動中か否かを大当たりフラグに基づいて判断する(S75)。
条件装置の作動中なら(S75:YES)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S76)。
大入賞口14が開放していなければ(S76:NO)、
図15に記載されているように、大当り開始演出中か否かを判断(S77)、インターバル中か否かの判断(S78)、大当り終了演出中か否かの判断(S79)を行い、全て(S77、S78、S79)で否定判断がなされると、大当りした図柄(特別図柄)及び大当りしたときの遊技状態(通常確率状態なのか高確率遊技状態なのか)を記憶し(S80)、大当り開始演出処理(S81)を行う。この大当り開始演出処理では、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83に大当り開始コマンド信号を送信する。大当り開始コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置83は、パチンコ機50に設けられた発光手段を大当り演出用に激しく発光させるほか、演出図柄制御装置82に信号を送信して、演出図柄表示装置6に大当り開始演出を表示させる。
なお、上記したように復帰報知フラグが立っているかいなかの判断処理(S57)及び復帰報知フラグを終了させる処理(S58)は、確定図柄表示設定処理(S55)の後に行なっているが(大当り遊技の開始前)、S81の処理の後(大当り遊技開始とともに)に行なう構成にしてもよい。
【0081】
大当り開始演出中であった場合には(S77:YES)、大当り開始演出の終了時間か否かを判断し(S82)、肯定判断(S82:YES)であった場合には、大入賞口14を開放する処理(S83)を行い、1ラウンドが開始される。なお、主制御装置80は大入賞口14の開放と共に音声・ランプ統合制御装置83に大入賞口開放コマンド(ラウンド開始コマンド)を送信する。
大入賞口開放コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82と共にラウンド演出を行う。
インターバル演出中であった場合には(S78:YES)、インターバル演出の終了時間か否かを判断し(S84)、肯定判断(S84:YES)であった場合には、大入賞口14を開放する処理(S85)を行う。なお、主制御装置80は大入賞口14の開放と共に音声・ランプ統合制御装置83に大入賞口開放コマンド(ラウンド開始コマンド)を送信する。
大入賞口開放コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82と共にラウンド演出を行う。
【0082】
一方、大入賞口14が開放中であった場合には(S76:YES)、大入賞口14への入賞球が10個になったか否かをカウントスイッチ14aの検出信号に基づいて判断し(S86)、否定判断なら大入賞口開放時間の終了か否かを判断する(S87)。S87で否定判断ならリターンし、S86又はS87で肯定判断なら大入賞口14を閉鎖させる(S88)。S88の処理では、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83に大入賞口閉鎖コマンド(ラウンド終了コマンド)を送信する。
S88の処理の後は、最終ラウンドであったか否かを判断し(S89)、否定判断なら大当たりインターバル処理(S90)により、大入賞口14を所定時間閉鎖する処理を行い。
【0083】
S89で肯定判断のときは大当たり作動は継続しないので、大当り終了演出処理(S91)を実行してから、条件装置停止処理(S92)により条件装置を停止させる(大当たりフラグをクリアする)。
S92の処理終了後には、S55で特別図柄表示装置9に確定表示させS80で記憶した大当たりした図柄が確変図柄であれば(S93:YES)、確変フラグ・時短フラグ作動処理(S94)を行い、確変フラグ、時短フラグ、開放延長フラグをセットし、時短回数カウンタの値を100にセットする。
確変図柄でないときは(S93:NO)、時短フラグ作動処理(S95)により時短フラグ、開放延長フラグをセットし、時短回数カウンタの値を100にセットする。
S94又はS95の処理の後は、音声・ランプ統合制御装置83に大当り終了コマンドを送信する(S96)。
【0084】
次にパチンコ機50の電源が投入されたときに主制御装置80によって行なわれる電源投入時処理を
図16を用いて説明する。
図16には記載されていないが、パチンコ機50の電源が投入されるとCPUのセキュリティーチェックが行なわれ、その後、
図16に記載されているようにスタックポインタを初期値に設定する(S100)。なお、本実施形態では初期値が8000Hに設定されている。
S100の処理の後は、電源投入時に必要な設定である、割込みモードの設定(S101)、内蔵RAMのアクセス許可(S102)、電源断フラグのクリア(S103)が行なわれる。
S103の処理の後は、RAMクリア信号が入力されたか否かを判断する(S104)。RAMクリア信号は、図示省略するRAMクリアスイッチを押しながら、パチンコ機50の電源を投入するための電源スイッチ(図示省略)を押すことで(電源を投入することで)出力される信号である。
なお、このRAMクリア信号の読み込みは、この1回だけ行なわれるだけであり、それ以降には読み込みされない。
S104の判定でRAMクリア信号の入力があったと判断されれば、RAMの初期化をするため処理が行われ、入力がないと判断されれば電源が遮断される直前のRAMの状態から遊技が再開されるための処理が行われる。
このRAMにはパチンコ機50の遊技状態に関する情報が含まれており、上述したようにパチンコ機50の電源(通常電源)が遮断された場合でもバックアップ電源VBBにより、このRAMに記憶された情報が所定時間、保持される。
よって、電源遮断直前の遊技状態が大当り遊技中であった場合には大当り遊技中から、高確率遊技状態であった場合には高確率遊技状態から遊技が再開可能であり、突然の停電などで遊技者に不利益を与えることはない。
【0085】
実際の制御としては、S104で否定判断がされると、電源遮断時の発生情報は正常か否かが判断され(S105)、正常であった場合には(S105:YES)、RAM判定値を算出し(S106)、電源断時に保存されたRAM判定値と一致するか否かを判断する(S107)、一致していた場合、つまり、正常であった場合には(S107:YES)、電源遮断時の発生情報をクリアする(S108)。
S108の処理の後には、復帰報知フラグを作動させる処理を行なう(S109)。なお、この復帰報知フラグを作動させる処理は、この時点で必ず行う必要はなく、S107の処理以降でS112の処理以前ではあれば、いつ行なってもよい。
つまり、復帰報知フラグを作動させる処理は、電源遮断直前の遊技状態から遊技を再開させるための処理中(処理に起因して)に行なわれるように設定される。
S109の処理の後はサブ制御装置である音声・ランプ統合制御装置83、演出図柄制御装置82、電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し(S110)、CPU周辺デバイスの初期設定(S111)、割込み許可設定を行なって(S112)、遊技が開始される。なお、ここでいう遊技の開始とは
図10に記載した処理を行なうということである。
【0086】
S104で肯定判断がされた場合、S105、S107で否定判断がされた場合には、RAMの全領域(7F00H〜7FFFH)を0クリア(S113)、RAMに通常遊技中の初期値を設定(S114)、CPU周辺デバイスの初期設定(S115)、割込み許可設定(S116)を行なって、遊技が開始される。
【0087】
次にパチンコ機50の電源が遮断されたときに主制御装置80によって行なわれる電源断発生処理を
図17を用いて説明する。
電源断発生時には、ノンマスカブル割込みが発生し、以下の処理が行われる。
まず、電源断フラグを設定し(S120)、RAM判定値を算出し、保存(S121)、電源断時の発生情報の保存(S122)、内蔵RAMのアクセス禁止とし(S123)、電源ダウンに備える。
【0088】
次に主制御装置80が行う状態報知装置作動処理を
図18を用いて説明する。
状態報知装置16とは、上述したように遊技盤1の下方に設けられており、LEDにより構成されている。
なお、本実施形態では、通常、この状態報知装置16は作動せずに(LEDは点灯していない)、特定の状態が発生すると作動する(LEDが点灯する)構成になっている。
この特定の状態とは、復帰報知フラグが作動中であり、且つ、高確率状態のとき(高確率状態になったとき)である。
制御方法としては、
図18に記載しているように、まず、復帰報知フラグが作動中か否かを判断し(S130)、作動中であった場合には(S130:YES)、確変フラグが作動したか否か(作動中か否か)を判断する(S131)。S131の判定で肯定判断がなされると状態報知装置16を作動させる処理を行う(S132)。S130及びS131の判定で否定判断がなされると状態報知装置16が作動中か否か判断する(S133)。S133の判定で肯定判断がなされると状態報知装置16を終了させる処理を行って(S134)、リターンに抜け、S133で否定判断がなされるとS134の処理を行わずリターンに抜ける。
【0089】
次に、パチンコ機50の遊技状態によって変化する状態報知装置16の説明を
図20、
図21のタイムチャートを用いて説明する。
図20に記載するように確変大当りによって発生した大当り遊技が終了すると確変フラグが作動して、大当りの抽選確率が高い高確率状態になる。なお、図示するように高確率状態中に再び確変大当りが発生しても、その大当り遊技中には確変フラグは一旦終了され、大当り遊技終了後に再び確変フラグが作動して高確率状態になる。その後の通常大当りの発生及び確変大当りの発生による遊技状態は図示の通りである。なお、ここまでの遊技状態では、図示するように復帰報知フラグ、状態報知装置16の状態は作動しない。
高確率遊技状態中に停電などによりパチンコ機50の電源が遮断され、その後、電源が復帰された場合には、電源遮断直前の遊技状態が高確率状態であるので確変フラグが作動し、遊技者に不利益を与えることはない。また、電源復帰後には、復帰報知フラグも作動する。そして、上述したように、復帰報知フラグと確変フラグの両方が作動しているので、状態報知装置16が作動する。
この状態報知装置16は、図示するように高確率状態が終了(確変フラグあるいは復帰報知フラグが終了)するまで作動を継続する。
なお、復帰報知フラグは上述したように、次に発生する大当りに起因して終了する。
【0090】
図21は、確変大当りが発生し、その大当り遊技中にパチンコ機50の電源が遮断された場合を表すタイミングチャートである。
従来の構成では、確変大当りが発生し、その大当り遊技中にパチンコ機50の電源が遮断された場合には、電源復帰後に高確率状態になっても、そのことを報知出来なかったが、本構成にすることで報知が可能になる。
図21に記載するように、確変大当り遊技中に電源が遮断され、その後、復帰した場合には、復帰報知フラグが作動する。なお、大当り遊技中は確変大当りであっても確変フラグは作動しないので、電源が復帰しても確変フラグは作動しない。
電源復帰後、大当り遊技が継続され、大当り遊技が終了すると確変フラグが作動して、高確率状態になる。つまり、どの大当りであったか(何の特別図柄で大当りしたか)もRAMに記憶されており、バックアップ電源により、その情報の記憶も維持される。
確変フラグが作動することで、復帰報知フラグと確変フラグの両方が作動することになるので、状態報知装置16が作動する。状態報知装置16は、図示するように高確率状態が終了(確変フラグあるいは復帰報知フラグが終了)するまで作動を継続する。
このように、従来は報知できなかった場合でも報知できるので、不正を監視する第三者は、パチンコ店の開店直後に状態報知装置16を見るだけで、モーニングと言われる不正が行われているか否かを容易に判断できるようになる。
【0091】
ただ、この構成では、非報知タイプの遊技機(現在が、通常確率状態なのか高確率遊技状態なのか分からなくして、遊技者に面白みを与える遊技機)ではなくなってしまうという懸念が発生する。
つまり、
図21に記載しているように通常確率状態にパチンコ機50の電源が遮断され、その後、復帰し、復帰後に確変大当りが発生した場合には、大当り遊技終了後に状態報知装置16が作動してしまい、その作動している状態報知装置16を遊技者が見て、現在が高確率遊技であることが分かってしまうのでは、という懸念である。
しかし、上述したように、復帰報知フラグは大当りの発生に起因して終了するので、図示するように、大当り遊技終了後にはクリアされており(非作動)、大当り遊技終了後に確変フラグが作動して高確率遊技状態になっても、状態報知装置16は作動しない(復帰報知フラグが作動していないから)ので、非報知タイプの遊技機が成り立つ。
つまり、本実施形態は、非報知タイプの遊技機における問題点(不正が行われているか否かが容易に判断できない)を解決しつつも、非報知タイプを完全に成り立たせることが出来る構成である。
【0092】
次に通常確率遊技状態、高確率遊技状態中の演出図柄表示装置6に表示される画像について
図22を用いて説明する。
図22(a)が通常確率遊技状態中における演出図柄表示装置6に表示される画像であり、
図22(b)が高確率遊技状態中における演出図柄表示装置6に表示される画像である。
図示するように
図22(a)と
図22(b)の背景は全く同じである。なお、色合いも全く同じである。なお、当然ながら停止する疑似図柄は、1回の抽選毎に異なる。
なお、背景画像が複数種類ある場合でも、通常確率遊技状態の画像と高確率遊技状態の画像は同じである。
つまり、通常確率遊技状態で背景画像が山の画像と海の画像の2種類があれば、高確率遊技状態でも背景画像が山の画像と海の画像の2種類ということである。また、山から海、海から山の切り替え条件や、山と海の出現率も同様である。
つまり、遊技者には演出図柄表示装置6に表示される画像を見ても、現状が通常確率遊技状態なのか高確率遊技状態なのか判別できないようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、確変大当りであっても通常大当りであっても、大当り遊技終了から特別図柄が100回転するまでの間だけ、変動短縮機能、開放延長機能が作動するので、演出図柄表示装置6に表示される内容だけではなく、変動時間や第2始動口12の開放時間でも遊技者には、現在が、通常確率遊技状態なのか高確率遊技状態なのか判別出来ない構成になっている。
【0093】
次に、
図23を参照して、本実施形態に係る本発明の要部について説明する。
図23は、第1実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
なお、以下に説明する
図23乃至
図29には、便宜上、各基板(装置)間の電源の流れのみを図示している。したがって図には、各種コネクタにおける、バックアップ電源や他の電源の入出力機能のみを図示している。しかし、各種コネクタの全て或いは一部には、他の機能すなわち各種制御信号の入出力機能等を、各種電源の入出力機能と併せて備えていても良い。
これに加えて、
図23の主制御装置第2コネクタ80b、
図25の主制御装置第2コネクタ280b、
図26の主制御装置第2コネクタ380b、
図27の主制御装置第2コネクタ480b、および
図28の主制御装置第2コネクタ580b、には、各種電源や各種制御信号等の入出力機能が図示されていない。しかし、これに限らず、他の基板等に各種電源や各種制御信号等を入出力する機能を併せて備えていても良い。
また、本実施形態の各種コネクタ間は、複数の電線を結束した集合部品としてのワイヤーハーネス(ハーネス、ケーブルハーネス)等を、電気的に接続することで、導通可能となっている。ワイヤーハーネスは電線の両端部に前記各種コネクタに対応した電気的接続端子として多芯コネクタを備えてなる。本発明の実施の形態として、各種コネクタ間を電気的に接続する構成としては、上述したものが好適である。但し、これに限定することなく、同様の機能を有するものであれば、適宜採用することができる。
【0094】
さて、
図23には、弾球遊技機としてのパチンコ機50を、「遊技枠側」の構成と、「遊技盤側」の構成に、便宜上、区分した概略構成が図示されている。
パチンコ機50は、少なくとも、「遊技枠側」の構成と、「遊技盤側」の構成を組み合わせることで成り立つ。補足すると、「遊技枠側」とは、パチンコ機50から遊技盤1を除いた側の構成であり、「遊技盤側」とは、少なくとも遊技盤1を含む側の構成である。よって、少なくとも電源基板85を備えると共に遊技盤1を備えない側の構成を「遊技枠側」、遊技盤1を備える側の構成を「遊技盤側」と呼称する。
なお、「遊技盤側」には遊技盤1に具備される主制御装置(図には主制御基板と記載)80と副基板90が設けられている。一方「遊技枠側」には、上記した電源基板85に加えて、払出制御装置81(
図23には図示せず)が備えられている。
したがって、遊技盤1をパチンコ機50の本体から離脱させる面(盤)換え作業等は、パチンコ機50を「遊技枠側」と「遊技盤側」に一旦分離して離隔した後、新たな「遊技盤側」の構成を「遊技枠側」に設置する作業である。そして、上記分離および離隔に伴い、所定のコネクタからワイヤーハーネス等を抜き取る等の処置によって、パチンコ機50の電気系統は、必然的に「遊技枠側」と「遊技盤側」の間において、回路が開く状態を発生させる作業である。
【0095】
構成についてより詳述すると、「遊技枠側」には少なくとも「遊技盤側」の主制御装置80に各種電源を供給する電源基板85が設けられている。また「遊技盤側」には、主制御装置80が設けられ、該主制御装置80の電源基板85側、すなわち、電源基板85と主制御装置80の間には、本発明の中継基板としての副基板90が設けられている。
【0096】
電源基板85は、ON状態とOFF状態に維持可能であると共に、前記状態となることにより電源の供給および遮断を行うための電源スイッチを備える。また、該電源スイッチをOFF状態からON状態に変化させたとき、図示したトランスからAC24Vを、パチンコ機50に取り込むための電源基板第1コネクタ85aを備える。
また、電源基板85は、取り込んだAC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを「遊技盤側」に出力するための電源基板第2コネクタ85bを備える。さらに、電源基板第2コネクタ85bは、後述する副基板90で生成され副基板第1コネクタ90aから出力されたバックアップ電源VBBを電源基板85内に入力する機能と、該入力したバックアップ電源VBBを再度、副基板第1コネクタ90aに向けて出力する機能と、を併せて有する。
さらに、本実施形態の電源基板85は、上述したようにAC24VからDC12V、DC5V、およびGNDを生成する、すなわち入力電圧の切換機能を備える。但し、当該切換機能以外の電源電圧等を任意に調整或いは設定出来る機能を備えるものではない。
【0097】
副基板90は、図示電源基板85側に副基板第1コネクタ90aと、主制御装置80側に副基板第2コネクタ90bとを備える。
また、副基板90は、電源基板85から取り込んだDC5Vに基づいて、コンデンサによりバックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段を備える。
さらに本実施形態の中継基板としての副基板90は、CPUすなわちマイクロプロセッサー(電子計算機の中央演算処理装置を構成する集積回路)や、ROMすなわちリードオンリーメモリーを実装しない構成となっている。
【0098】
電源基板85側の副基板第1コネクタ90aは、上述した電源基板第2コネクタ85bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、「遊技盤側」に、さらにいえば副基板90に取り込む(入力する)機能を有する。さらに、上記バックアップ電源生成手段が生成したバックアップ電源VBBを「遊技枠側」すなわち電源基板85の電源基板第2コネクタ85bに向けて出力する機能と、電源基板85から戻ってきた該バックアップ電源VBBを、再び副基板90に入力する機能を有する。
【0099】
主制御装置80側の副基板第2コネクタ90bは、副基板第1コネクタ90aから入力されたDC12V、DC5V、GNDおよび電源基板85から回帰してきたバックアップ電源VBBを、主制御装置80の主制御装置第1コネクタ80aに向けて出力する機能を有する。
【0100】
主制御装置80は、図示副基板90側に主制御装置第1コネクタ80aと、副基板90の反対側に主制御装置第2コネクタ80bとを備える。
また、上述したように、主制御装置80は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、バックアップ電源VBBにより記憶情報を保持可能なRAMを備える。
【0101】
副基板90側の主制御装置第1コネクタ80aは、上述した副基板第2コネクタ90bから出力されたDC12V、DC5V、GNDおよび電源基板85から回帰してきたバックアップ電源VBBを、主制御装置80内に取り込む(入力する)機能を有する。なお、取り込まれたバックアップ電源VBBは、RAM(RWM)に供給されるよう構成されている。
【0102】
さらに構成について補足すると、本実施形態の少なくとも、電源基板第2コネクタ85bと副基板第1コネクタ90a、および当該両コネクタを導通させる上記ワイヤーハーネスは、DC12V、DC5V、およびGNDの導通を遮断したときには、バックアップ電源VBBも共に導通が遮断される構成となっている。すなわち、バックアップ電源VBBのみは導通させておいて、DC12V、DC5V、およびGNDの導通を遮断可能な構成ではない。要するに、面(盤)換え作業等の際に、「遊技枠側」から「遊技盤側」の構成を離隔して、ワイヤーハーネス端部の何れかの多芯コネクタを、電源基板第2コネクタ85b或いは副基板第1コネクタ90aから取り外したとき、バックアップ電源VBBを含む全ての各種電源及び制御信号の流れが、「遊技枠側」と「遊技盤側」の間において途絶する構成である。
【0103】
続いて、上述した本実施形態の構成による作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板85は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ85aを介して入力する。電源基板85は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板85は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ85bを介して、「遊技盤側」の副基板90に向けて出力する。
副基板90は、電源基板第2コネクタ85bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ90aを介して入力する。副基板90のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを副基板第1コネクタ90aを介して、再度、電源基板第2コネクタ85bに出力する。
電源基板85は、副基板第1コネクタ90aから出力されたバックアップ電源VBBを、電源基板第2コネクタ85bを介して一旦入力し、入力後に再び電源基板第2コネクタ85bを介して、副基板第1コネクタ90aに向けて出力する。
なお、電源基板85は、電源基板第2コネクタ85bから入力したバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び電源基板第2コネクタ85bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた電源基板85を介して「遊技盤側」に設けられた主制御装置80に供給される。
副基板90は、電源基板第2コネクタ85bから出力され回帰してきたバックアップ電源VBBを、副基板第1コネクタ90aを介して入力する。次いで、副基板90は、DC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを、副基板第2コネクタ90bを介して、主制御装置80の主制御装置第1コネクタ80aに向けて出力する。すなわち、本実施形態の副基板90は、生成したバックアップ電源VBBを、直接主制御装置80のRAMに供給するのではなく、一旦「遊技盤側」から「遊技枠側」の電源基板85を経由して回帰してから主制御装置80に供給する。
主制御装置80は、副基板第2コネクタ90bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを、主制御装置第1コネクタ80aを介して入力する。主制御装置80は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置80は、入力したバックアップ電源VBBを、実装したRAMに供給する。
【0104】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、電源基板85から副基板90を介して主制御装置80に供給されなくなる。但し、バックアップ電源VBBのみは、上述した条件のままRAMに対して、一定時間の間、供給が維持される。
【0105】
さらに、例えば面(盤)換え作業等に伴う、電源基板第2コネクタ85b或いは副基板第1コネクタ90aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板90から一旦電源基板85を迂回してから再度副基板90に回帰するバックアップ電源VBBの導通経路が断たれることにより、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0106】
本実施形態は、このように作用することによって、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板85とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板90に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源VBBが遮断されてRAM(RWM)の記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0107】
[第2実施形態]
次に、本発明の他の実施の形態である第2実施形態について、
図24を参照して説明する。
図24は、第2実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。なお、第2実施形態を含めて以下に説明する他の実施形態は、弾球遊技機としての基本的な構成において、上述した第1実施形態と同様の構成を備える。したがって、第1実施形態との相違点およびその関連する構成に限定して説明し、他の構成は便宜上割愛するものとする。
【0108】
先ず、第2実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第2実施形態は、第1実施形態で説明したバックアップ電源等に関する給電系統に、払出制御装置(図には払出制御基板と記載)181を付加した構成となっている。払出制御装置181は、電源基板185と副基板190の間であって、且つ「遊技枠側」に設けられている。
副基板190が生成するバックアップ電源VBBは、電源基板185ではなく、払出制御装置181に戻されてから副基板190に回帰した後、主制御装置(図には主制御基板と記載)に供給される。電源基板185で生成されたDC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置181から、副基板190を介して、主制御装置に供給される。
【0109】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板185と、払出制御装置181が設けられている。
電源基板185は、図示しないトランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ185a、およびAC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力するための電源基板第2コネクタ185bを具備してなる。
また、払出制御装置181は、電源基板185からDC12V、DC5V、およびGNDを入力するための払出制御装置第1コネクタ181a、および副基板190からバックアップ電源VBBを入力すると共に、該バックアップ電源VBB、DC12V、DC5V、およびGNDを出力するための払出制御装置第2コネクタ181bとを具備してなる。
【0110】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板190と、主制御装置が設けられている。
副基板190は、バックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段と、生成したバックアップ電源VBBを払出制御装置181に出力すると共に、払出制御装置181から回帰した該バックアップ電源VBB、DC12V、DC5V、およびGNDを入力するための副基板第1コネクタ190aと、入力したバックアップ電源VBB、DC12V、DC5V、およびGNDを主制御装置に出力するための副基板第2コネクタ190bとを具備してなる。
主制御装置(図示しない)は、第1実施形態と同様で、詳細は割愛するが、RAM(RWM)を実装している。
【0111】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板185は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ185aを介して入力する。電源基板185は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板185は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ185bを介して、払出制御装置181に向けて出力する。
払出制御装置181は、電源基板第2コネクタ185bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、払出制御装置第1コネクタ181aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを払出制御装置第2コネクタ181bを介して、「遊技盤側」の副基板190に向けて出力する。
副基板190は、払出制御装置第2コネクタ181bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ190aを介して入力する。副基板190のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを副基板第1コネクタ190aを介して、再度、払出制御装置第2コネクタ181bに出力する。
払出制御装置181は、副基板第1コネクタ190aから出力されたバックアップ電源VBBを、払出制御装置第2コネクタ181bを介して一旦入力し、入力後に再び払出制御装置第2コネクタ181bを介して、副基板第1コネクタ190aに向けて出力する。
なお、払出制御装置181は、払出制御装置第2コネクタ181bから入力したバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び払出制御装置第2コネクタ181bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた払出制御装置181を介して「遊技盤側」に設けられた主制御装置に供給される。
副基板190は、払出制御装置第2コネクタ181bから出力され回帰してきたバックアップ電源VBBを、副基板第1コネクタ190aを介して入力する。次いで、副基板190は、DC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを、副基板第2コネクタ190bを介して、主制御装置の図示しない主制御装置第1コネクタに向けて出力する。すなわち、本実施形態の副基板190も、生成したバックアップ電源VBBを、直接主制御装置のRAMに供給するのではなく、一旦「遊技盤側」から「遊技枠側」の払出制御装置181を経由して回帰してから主制御装置に供給する。
なお、本実施形態の副基板190は、「遊技枠側」の払出制御装置181から主制御装置への、各種電源の供給を中継する本発明の中継基板である。
主制御装置は、副基板第2コネクタ190bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを、図示しない主制御装置第1コネクタを介して入力する。主制御装置は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置は、入力したバックアップ電源VBBを、実装したRAMに供給する。
【0112】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置181から副基板190を介して主制御装置180に供給されなくなる。但し、バックアップ電源VBBのみは、上述した条件のままRAMに対して、一定時間の間、供給が維持される。
【0113】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、払出制御装置第2コネクタ181b或いは副基板第1コネクタ190aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板190から一旦払出制御装置181を迂回してから再度副基板190に回帰するバックアップ電源VBBの導通経路が断たれることにより、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0114】
本実施形態のように構成しても、第1実施形態と同様に、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板185とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板190に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源VBBが遮断されてRAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0115】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、
図25を参照して説明する。
図25は、第3実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
【0116】
先ず、第3実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第3実施形態は、第1実施形態で説明したバックアップ電源等に関する給電系統と略同様の構成を備えるが、副基板290により生成されて電源基板285に入力されたバックアップ電源VBBの給電系統の構成において相違する。すなわち、バックアップ電源VBBを電源基板285から主制御装置280に供給するための専用の構成(コネクタ)を備える点が相違点となる。
【0117】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板285が設けられている。
電源基板285は、トランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ285a、AC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力し且つ副基板290からバックアップ電源VBBを入力するための電源基板第2コネクタ285b、および入力したバックアップ電源VBBを主制御装置280に出力する機能に特化した電源基板第3コネクタ285cと、を具備してなる。
【0118】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板290と、主制御装置(図には主制御基板と記載)280が設けられている。
副基板290は、バックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段と、生成したバックアップ電源VBBを電源基板285に出力すると共に、電源基板285からDC12V、DC5V、およびGNDを入力するための副基板第1コネクタ290aと、入力したDC12V、DC5V、およびGNDを主制御装置に出力するための副基板第2コネクタ290bとを具備してなる。
主制御装置280は、図示副基板290側に主制御装置第1コネクタ280aと、副基板290の反対側に主制御装置第2コネクタ280bとを備える。
また、本実施形態の主制御装置280は、副基板290側に、バックアップ電源VBBを主制御装置280に入力する機能に特化した主制御装置第3コネクタ280cを備える。
さらに、主制御装置280は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、バックアップ電源VBBにより記憶情報を保持可能なRAM(RWM)を備える。
【0119】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板285は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ285aを介して入力する。電源基板285は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板285は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ285bを介して、「遊技盤側」の副基板290に向けて出力する。
副基板290は、電源基板第2コネクタ285bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ290aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを副基板第2コネクタ290bを介して、主制御装置280に向けて出力する。
副基板290のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを副基板第1コネクタ290aを介して、再度、電源基板第2コネクタ285bに出力する。
電源基板285は、副基板第1コネクタ290aから出力されたバックアップ電源VBBを、電源基板第2コネクタ285bを介して一旦入力し、入力後に電源基板第3コネクタ285cを介して、主制御装置第3コネクタ280cに向けて出力する。すなわち、本実施形態の副基板290も、生成したバックアップ電源VBBを、直接主制御装置のRAMに供給するのではなく、一旦「遊技盤側」から「遊技枠側」の電源基板285を経由して、バックアップ電源VBB専用のコネクタを介して主制御装置に供給する。
なお、電源基板285は、電源基板第2コネクタ285bから入力したバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び電源基板第3コネクタ285cから出力するものである。すなわち、バックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた電源基板285を介して「遊技盤側」に設けられた主制御装置280に供給される。
主制御装置280は、副基板第2コネクタ290bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、主制御装置第1コネクタ280aを介して入力する。主制御装置280は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置280は、バックアップ電源VBBを主制御装置第3コネクタ280cを介して入力し、実装したRAMに供給する。
【0120】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、電源基板285から副基板290を介して主制御装置280に供給されなくなる。但し、バックアップ電源VBBのみは、上述した条件のままRAMに対して、一定時間の間、供給が維持される。
【0121】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、電源基板第2コネクタ285b或いは副基板第1コネクタ290aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板290から電源基板285へ供給されるバックアップ電源VBBの導通経路が断たれることにより、RAMの記憶情報の保持が不能となる。また、電源基板第3コネクタ285c或いは主制御装置第3コネクタ280cからコネクタを取り外した場合においても、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0122】
本実施形態のように構成しても、第1実施形態と同様に、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板285とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板290に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源VBBが遮断されてRAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0123】
なお、本実施形態の構成に、第2実施形態で説明した、電源基板285と副基板290との間に払出制御装置を更に付加しても良い。すなわち、副基板290で生成され払出制御装置に出力されたバックアップ電源VBBが、「遊技盤側」へ戻ったことに基づいて、払出制御装置に設けられたバックアップ電源VBB専用コネクタを介して、主制御装置280に供給される構成であっても良い。このように構成しても、同様の効果を奏し得る。
【0124】
さらに、本実施形態の構成や、上述した払出制御装置を付加した構成に、後述するバックアップ電源用スイッチの構成を更に付加しても良い。すなわち、副基板290で生成され電源基板285に出力されたバックアップ電源VBBが、電源基板第3コネクタ285cを介して、「遊技盤側」に回帰したことに基づいて、主制御装置280に供給するためのバックアップ電源用スイッチを備えたものであっても良い。バックアップ電源用スイッチは、副基板290でなくても、「遊技盤側」の何れかの構成に設けるものであれば良い。すなわち、「遊技枠側」を経由して「遊技盤側」に回帰してきたことを判断できる構成であれば良い。このように構成しても、同様の効果を奏し得る。
【0125】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、
図26を参照して説明する。
図26は、第4実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
【0126】
第4実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第4実施形態は、第1実施形態で説明したバックアップ電源等に関する給電系統と略同様の構成を備えるが、副基板390により生成されたバックアップ電源VBBが電源基板385に入力される電源基板第2コネクタ385bの構成において相違する。
具体的には、電源基板第2コネクタ385bは、副基板390から出力されたバックアップ電源VBBを、当該電源基板第2コネクタ385b内に取り込み、電源基板385の内部に入力することなく、再度副基板390に出力して戻す構成である。要するに、上述してきた各実施形態の各コネクタは、該コネクタを備える基板の内部まで一旦はバックアップ電源VBBを取り込む構成であったが、本実施形態の電源基板第2コネクタ385bは、その内部にバックアップ電源VBBの迂回する給電経路を備える。これにより、電源基板385の電気的構成に影響を及ぼすことの無い構成となっている。すなわち、「遊技盤側」から供給されるバックアップ電源VBBを「遊技枠側」で取り込むためのコネクタの構成において相違し、該コネクタは供給されるバックアップ電源VBBを、該コネクタから電源基板385の内部に送出することなく、再度、「遊技盤側」に向けて出力する。
【0127】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板385が設けられている。
電源基板385は、トランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ385a、AC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力する電源基板第2コネクタ385bを具備してなる。
電源基板第2コネクタ385bは、上述したように、副基板390からのバックアップ電源VBBを、電源基板385内に入力することなく取り込み、そのまま副基板390に出力する機能を有する。
【0128】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板390と、主制御装置(図には主制御基板と記載)380が設けられている。
副基板390は、バックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段と、生成したバックアップ電源VBBを電源基板385に出力すると共に、電源基板385からDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを入力するための副基板第1コネクタ390aと、入力したDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを主制御装置380に出力するための副基板第2コネクタ390bとを具備してなる。
主制御装置380は、図示副基板390側に主制御装置第1コネクタ380aと、副基板390の反対側に主制御装置第2コネクタ380bとを備える。
また、主制御装置380は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、バックアップ電源VBBにより記憶情報を保持可能なRAM(RWM)を備える。
【0129】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板385は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ385aを介して入力する。電源基板385は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板385は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ385bを介して、「遊技盤側」の副基板390に向けて出力する。
副基板390は、電源基板第2コネクタ385bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ390aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを副基板第2コネクタ390bを介して、主制御装置380に向けて出力する。
副基板390のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを副基板第1コネクタ390aを介して、再度、電源基板第2コネクタ385bに出力する。
電源基板385は、副基板第1コネクタ390aから出力されたバックアップ電源VBBを、電源基板第2コネクタ385bに取り込むが、該電源基板385内部に入力せず、取り込み後に電源基板第2コネクタ385bから、副基板第1コネクタ390aに向けて出力する。すなわち、本実施形態の副基板390も、生成したバックアップ電源VBBを、直接主制御装置のRAMに供給するのではなく、一旦「遊技盤側」から「遊技枠側」の電源基板385の電源基板第2コネクタ385bを経由して、「遊技盤側」に回帰させた後に主制御装置380に供給する。
なお、電源基板385は、電源基板第2コネクタ385b内に取り込んだバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に取り込んだままの状態で、再び電源基板第2コネクタ385bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた電源基板385を介して「遊技盤側」に設けられた主制御装置380に供給される。
主制御装置380は、副基板第2コネクタ390bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBBを、主制御装置第1コネクタ380aを介して入力する。主制御装置380は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置380は、入力したバックアップ電源VBBを、実装したRAMに供給する。
【0130】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、電源基板385から副基板390を介して主制御装置380に供給されなくなる。但し、バックアップ電源VBBのみは、上述した条件のままRAMに対して、一定時間の間、供給が維持される。
【0131】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、電源基板第2コネクタ385b或いは副基板第1コネクタ390aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板390から電源基板385の電源基板第2コネクタ385bへ供給されるバックアップ電源VBBの導通経路が断たれることにより、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0132】
本実施形態のように構成しても、第1実施形態と同様に、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板385とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板390に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源VBBが遮断されてRAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0133】
なお、本実施形態の構成に、第2実施形態で説明した、電源基板385と副基板390との間に払出制御装置を更に付加しても良い。すなわち、副基板390で生成され払出制御装置に出力されたバックアップ電源VBBが、払出制御装置の内部には入力されずコネクタに取り込まれて、該コネクタから副基板390へ戻ったことに基づいて、主制御装置380に供給される構成であっても良い。このように構成しても、同様の効果を奏し得る。
【0134】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、
図27を参照して説明する。
図27は、第5実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
【0135】
先ず、第5実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第5実施形態は、第2実施形態と略同様の構成である。第5実施形態は、第2実施形態で説明したバックアップ電源等に関する給電系統に対して、払出制御装置(図には払出制御基板と記載)481のRAM(RWM)用のバックアップ電源の給電系統を付加した構成となっている。
すなわち、本実施形態の副基板490のバックアップ電源生成手段は、主制御装置480および払出制御装置481の其々のRAM(RWM)をバックアップするためのバックアップ電源を生成する。図示したバックアップ電源VBB1は、主制御装置480のRAMをバックアップし、バックアップ電源VBB2は、払出制御装置481のRAMをバックアップする。
払出制御装置481は、電源基板(図示しない)と副基板490の間であって、且つ「遊技枠側」に設けられている。
副基板490が生成するバックアップ電源VBB2は、払出制御装置481に戻されて払出制御装置481のRAMに供給される。また、バックアップ電源VBB1は、払出制御装置481に戻されてから副基板490に回帰した後、主制御装置(図には主制御基板と記載)480のRAMに供給される。
電源基板(図示しない)で生成されたDC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置481から、副基板490を介して、主制御装置480に供給される。
【0136】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板(図示しない)と、払出制御装置481が設けられている。
電源基板は、図示しないトランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ(図示しない)、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ(図示しない)、およびAC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力するための電源基板第2コネクタ(図示しない)を具備してなる。
また、払出制御装置481は、電源基板からDC12V、DC5V、およびGNDを入力するための払出制御装置第1コネクタ481a、および副基板490からバックアップ電源VBB1およびバックアップ電源VBB2を入力すると共に、該バックアップ電源VBB1、DC12V、DC5V、およびGNDを出力するための払出制御装置第2コネクタ481bとを具備してなる。
【0137】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板490と、主制御装置480が設けられている。
副基板490は、バックアップ電源VBB1およびバックアップ電源VBB2を生成するバックアップ電源生成手段と、生成した各バックアップ電源VBBを払出制御装置481に出力すると共に、払出制御装置481から回帰したバックアップ電源VBB1、DC12V、DC5V、およびGNDを入力するための副基板第1コネクタ490aと、入力したバックアップ電源VBB1、DC12V、DC5V、およびGNDを主制御装置480に出力するための副基板第2コネクタ490bとを具備してなる。
主制御装置480は、図示副基板490側に主制御装置第1コネクタ480aと、副基板490の反対側に主制御装置第2コネクタ480bとを備える。
また、主制御装置480は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、バックアップ電源VBB1により記憶情報を保持可能なRAMを備える。
【0138】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板(図示しない)は、AC24Vをトランス(図示しない)から電源基板第1コネクタ(図示しない)を介して入力する。電源基板は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ(図示しない)を介して、払出制御装置481に向けて出力する。
払出制御装置481は、電源基板第2コネクタから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、払出制御装置第1コネクタ481aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを払出制御装置第2コネクタ481bを介して、「遊技盤側」の副基板490に向けて出力する。
副基板490は、払出制御装置第2コネクタ481bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ490aを介して入力する。副基板490のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBB1およびバックアップ電源VBB2を生成し、該バックアップ電源VBB1およびバックアップ電源VBB2を副基板第1コネクタ490aを介して、再度、払出制御装置第2コネクタ481bに出力する。
払出制御装置481は、副基板第1コネクタ490aから出力されたバックアップ電源VBB1を、払出制御装置第2コネクタ481bを介して一旦入力し、入力後に再び払出制御装置第2コネクタ481bを介して、副基板第1コネクタ490aに向けて出力する。
なお、払出制御装置481は、払出制御装置第2コネクタ481bから入力したバックアップ電源VBB1を、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び払出制御装置第2コネクタ481bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源VBB1は、「遊技枠側」に設けられた払出制御装置481を介して「遊技盤側」に設けられた主制御装置480に供給される。
また、払出制御装置481は、副基板第1コネクタ490aから出力されたバックアップ電源VBB2を、払出制御装置第2コネクタ481bを介して入力し、払出制御装置481が実装するRAMに供給する。
副基板490は、払出制御装置第2コネクタ481bから出力され回帰してきたバックアップ電源VBB1を、副基板第1コネクタ490aを介して入力する。次いで、副基板490は、DC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBB1を、副基板第2コネクタ490bを介して、主制御装置480の主制御装置第1コネクタ480aに向けて出力する。すなわち、本実施形態の副基板490も、生成したバックアップ電源VBB1を、直接主制御装置480のRAMに供給するのではなく、一旦「遊技盤側」から「遊技枠側」の払出制御装置481を経由して回帰してから主制御装置480に供給する。
なお、本実施形態の副基板490は、「遊技枠側」の払出制御装置481から主制御装置480への、各種電源の供給を中継する本発明の中継基板である。
主制御装置480は、副基板第2コネクタ490bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびバックアップ電源VBB1を、主制御装置第1コネクタ480aを介して入力する。主制御装置480は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置480は、入力したバックアップ電源VBB1を、実装したRAMに供給する。
【0139】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置481から副基板490を介して主制御装置480に供給されなくなる。但し、バックアップ電源VBB1とバックアップ電源VBB2のみは、上述した条件のまま主制御装置480のRAMと払出制御装置481のRAMに対して、一定時間の間、供給が維持される。
【0140】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、払出制御装置第2コネクタ481b或いは副基板第1コネクタ490aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板490から一旦払出制御装置481を迂回してから再度副基板490に回帰するバックアップ電源VBB1の導通経路が断たれることにより、主制御装置480のRAMの記憶情報の保持が不能となる。同じく、副基板490から払出制御装置481に戻されるバックアップ電源VBB2の導通経路が断たれることにより、払出制御装置481のRAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0141】
本実施形態のように構成しても、第2実施形態と同様に、バックアップ電源VBB1のバックアップ電源生成手段を、電源基板とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板490に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源VBB1が遮断されてRAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0142】
さらに、本実施形態の構成に、後述するバックアップ電源用スイッチの構成を更に付加しても良い。すなわち、副基板490で生成され払出制御装置481に出力されたバックアップ電源VBB1が、払出制御装置第2コネクタ481bを介して、「遊技盤側」の副基板490に回帰したことに基づいて、主制御装置480に供給するためのバックアップ電源用スイッチを備えたものであっても良い。このように構成しても、同様の効果を奏し得る。
【0143】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について、
図28を参照して説明する。
図28は、第6実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
【0144】
第6実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第6実施形態は、第1実施形態で説明したバックアップ電源等に関する給電系統と略同様の構成を備えるが、副基板590が、主制御装置580のRWMに供給するバックアップ電源VBBの導通経路(バックアップ電源RWM用導通経路)を「遊技枠側」に迂回させず直接に主制御装置580へ供給可能な構成とした点や、該導通経路にバックアップ電源用スイッチ590cを備えた点等において相違する。
具体的には、副基板590は、生成したバックアップ電源VBBを主制御装置580に供給するバックアップ電源RWM用導通経路(副基板590の図示VBBから右方向すなわち主制御装置580に延設される導通経路)を備える。バックアップ電源RWM用導通経路は、該バックアップ電源RWM用導通経路を介して前記バックアップ電源VBBを副基板590から主制御装置580に供給又は遮断するためのバックアップ電源用スイッチ590cを備える。更に、副基板590は、生成したバックアップ電源VBBを利用して、主制御装置580ではなく、バックアップ電源用スイッチ590cに供給するためのバックアップ電源スイッチ用導通経路(副基板590の図示VBBから左方向すなわち電源基板585に延設されてから迂回してバックアップ電源用スイッチ590cに接続される導通経路)を備える。バックアップ電源用スイッチ590cは、バックアップ電源スイッチ用導通経路を介して供給されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧よりも高い場合(HI)にはON状態となり、低い場合(LOW)にはOFF状態となることで、主制御装置580に実装されたRAM(RWM)への、バックアップ電源RWM用導通経路を介して供給されるバックアップ電源VBBの給電を、実行或いは非実行とする手段である。
これにより、面(盤)換え作業等により「遊技枠側」と「遊技盤側」の間に設けられるバックアップ電源VBBのバックアップ電源スイッチ用導通経路が遮断されると、バックアップ電源用スイッチ590cに供給されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧よりも低くなり、バックアップ電源用スイッチ590cのOFF状態が発生して、バックアップ電源RWM用導通経路を介してのバックアップ電源VBBが遮断されて主制御装置580のRAMがバックアップされなくなる。
【0145】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板585が設けられている。
電源基板585は、トランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ585a、AC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力する電源基板第2コネクタ585bを具備してなる。
【0146】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板590と、主制御装置(図には主制御基板と記載)580が設けられている。
副基板590は、バックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段と、生成したバックアップ電源VBBをバックアップ電源用スイッチ590cに供給するために一旦電源基板585に出力すると共に、電源基板585からDC12V、DC5V、GND、および前記バックアップ電源用スイッチ590cに供給用のバックアップ電源VBBを入力するための副基板第1コネクタ590aと、入力したDC12V、DC5V、GND、および生成したバックアップ電源VBBを主制御装置580のRWMに供給するために主制御装置580に出力するための副基板第2コネクタ590bとを具備してなる。
上述したように、本実施形態では、バックアップ電源生成手段が生成したバックアップ電源VBBは、主制御装置580のRWMに供給されて該RWMのバックアップのために供される機能と、バックアップ電源用スイッチ590cに供給されて該バックアップ電源用スイッチ590cをON状態とするために供される機能と、を併せ持つ。
副基板590は、主制御装置580のRWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを、副基板第2コネクタ590bを介して、主制御装置580のRWMに供給するためのバックアップ電源RWM用導通経路(図示副基板590のVBBから副基板第2コネクタ590bを介して主制御装置580まで延設される導通経路)を備える。該バックアップ電源RWM用導通経路は、バックアップ電源用スイッチ590cを備える。
また、副基板590は、バックアップ電源用スイッチ590cに供されるバックアップ電源VBBを、副基板第1コネクタ590aを介して、電源基板585に対してUターンする往路と復路を少なくとも具備し、回帰した後にバックアップ電源用スイッチ590cに接続されることによりバックアップ電源用スイッチ590cに供給するための、バックアップ電源スイッチ用導通経路(図示副基板590のVBBから副基板第1コネクタ590aを介して電源基板585を往復してバックアップ電源用スイッチ590cまで延設される導通経路)を備える。
さらに、本実施形態の副基板590は、上述したように、バックアップ電源スイッチ用導通経路を流れるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高い場合にON状態となって、バックアップ電源RWM用導通経路を閉じることでRWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを主制御装置580のRAMに供給するバックアップ電源用スイッチ590cを備える。バックアップ電源用スイッチ590cには、トランジスタ、FET、或いはフォトカプラ等の電気的構成を採用することが好適である。
なお、無論ではあるが、上記副基板第2コネクタ590bは、当該バックアップ電源用スイッチ590cがON状態の場合に、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを主制御装置580に出力する。
主制御装置580は、図示副基板590側に主制御装置第1コネクタ580aと、副基板590の反対側に主制御装置第2コネクタ580bとを備える。
また、主制御装置580は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBにより記憶情報を保持可能なRAMを備える。本実施形態では、前記一定期間を超えてバックアップ電源用スイッチ590cに供されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より低くなると、バックアップ電源用スイッチ590cのOFF状態が発生して、主制御装置580のRAMへの給電が停止する構成となっている。
【0147】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板585は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ585aを介して入力する。電源基板585は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板585は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ585bを介して、「遊技盤側」の副基板590に向けて出力する。
副基板590は、電源基板第2コネクタ585bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ590aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを副基板第2コネクタ590bを介して、主制御装置580に向けて出力する。
副基板590のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを、バックアップ電源用スイッチ590cに供するために、バックアップ電源スイッチ用導通経路により副基板第1コネクタ590aを介して、再度、電源基板第2コネクタ585bに出力する。
電源基板585は、副基板第1コネクタ590aから出力されたバックアップ電源VBBを、電源基板第2コネクタ585bを介して入力し、一旦入力した後に、迂回して形成されるバックアップ電源スイッチ用導通経路により再度電源基板第2コネクタ585bから、副基板第1コネクタ590aに向けて出力する。
なお、電源基板585は、電源基板第2コネクタ585bから入力したバックアップ電源用スイッチ590cに供するためのバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び電源基板第2コネクタ585bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源用スイッチ590cに供するためのバックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた電源基板585を介してバックアップ電源用スイッチ590cに供給される。
副基板590は、バックアップ電源用スイッチ590cに供するためのバックアップ電源VBBが、バックアップ電源スイッチ用導通経路により回帰して供給されることで、バックアップ電源用スイッチ590cがON状態である場合、すなわちバックアップ電源スイッチ用導通経路のバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高い場合に、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBをバックアップ電源RWM用導通経路を通じて主制御装置580に供給する。
主制御装置580は、副基板第2コネクタ590bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBを、主制御装置第1コネクタ580aを介して入力する。主制御装置580は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置580は、入力したバックアップ電源VBBを、実装したRAMに供給する。
【0148】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、電源基板585から副基板590を介して主制御装置580に供給されなくなる。但し、RWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBのみは、バックアップ電源用スイッチ590cに供するためのバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高いことによりバックアップ電源用スイッチ590cがON状態である場合、上述した条件のままRAMに対して、供給が維持される。
【0149】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、電源基板第2コネクタ585b或いは副基板第1コネクタ590aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板590から電源基板585の電源基板第2コネクタ585bへ供給されるバックアップ電源VBBのバックアップ電源スイッチ用導通経路が断たれることにより、バックアップ電源用スイッチ590cがOFF状態になり、バックアップ電源RWM用導通経路が開くのでRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBの供給が遮断され、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0150】
本実施形態のように構成しても、第1実施形態と同様に、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板585とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板590に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源用スイッチ590cに供するためのバックアップ電源VBBが遮断されて、バックアップ電源用スイッチ590cがOFF状態となることでRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBが遮断され、RAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0151】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態について、
図29を参照して説明する。
図29は、第7実施形態におけるバックアップ電源等に関する給電系統を説明する概略ブロック図である。
【0152】
先ず、第7実施形態の特徴となる構成および作用の、概要を説明する。
第7実施形態は、第6実施形態で説明した、すなわちバックアップ電源用スイッチ690cを備えたバックアップ電源等に関する給電系統に、払出制御装置(図には払出制御基板と記載)681を付加した構成となっている。払出制御装置681は、電源基板685と副基板690の間であって、且つ「遊技枠側」に設けられている。
副基板690が生成するバックアップ電源用スイッチ690cに供給するためのバックアップ電源VBBは、電源基板685ではなく、払出制御装置681に戻されてから副基板690に回帰した後、バックアップ電源用スイッチ690cに供給され、主制御装置のRWMに供給するためのバックアップ電源VBBは、バックアップ電源用スイッチ690cがON状態にあるとき主制御装置(図には主制御基板と記載)に供給される。電源基板685で生成されたDC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置681から、副基板690を介して、主制御装置に供給される。
本実施形態においても、第6実施形態と同様に、副基板690は、バックアップ電源RWM用導通経路およびバックアップ電源スイッチ用導通経路を備える。
なお、バックアップ電源用スイッチ690cの構成は、第6実施形態のバックアップ電源用スイッチ590cと同様であるが、再度説明しておく。
バックアップ電源用スイッチ690cは、バックアップ電源スイッチ用導通経路を介して供給されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧よりも高い場合(HI)にはON状態となり、低い場合(LOW)にはOFF状態となることで、主制御装置に実装されたRAM(RWM)へのバックアップ電源VBBの給電を実行或いは非実行とする手段である。
これにより、面(盤)換え作業等により「遊技枠側」と「遊技盤側」の間に設けられるバックアップ電源VBBのバックアップ電源スイッチ用導通経路が遮断されると、バックアップ電源用スイッチ690cに供給されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧よりも低くなり、バックアップ電源用スイッチ690cのOFF状態が発生して、バックアップ電源RWM用導通経路を介してのバックアップ電源VBBが遮断されて主制御装置のRAMがバックアップされなくなる。
【0153】
次いで、本実施形態の構成について詳述する。
本実施形態の「遊技枠側」には、電源基板685と、払出制御装置681が設けられている。
電源基板685は、図示しないトランスからAC24Vの供給および遮断を切り換える電源スイッチ、AC24Vを入力するための電源基板第1コネクタ685a、およびAC24Vから生成したDC12V、DC5V、およびGNDを出力するための電源基板第2コネクタ685bを具備してなる。
また、払出制御装置681は、電源基板685からDC12V、DC5V、およびGNDを入力するための払出制御装置第1コネクタ681a、および副基板690からバックアップ電源用スイッチ690cに供給されるバックアップ電源VBBを入力すると共に、該バックアップ電源VBB、DC12V、DC5V、およびGNDを出力するための払出制御装置第2コネクタ681bとを具備してなる。
【0154】
本実施形態の「遊技盤側」には、副基板690と、主制御装置(図には主制御基板と記載)が設けられている。
副基板690は、バックアップ電源VBBを生成するバックアップ電源生成手段と、生成したバックアップ電源VBBをバックアップ電源用スイッチ690cに供給するために一旦払出制御装置681に出力すると共に、払出制御装置681から回帰した該バックアップ電源VBB、DC12V、DC5V、およびGNDを入力するための副基板第1コネクタ690aと、入力したDC12V、DC5V、GNDおよび生成したバックアップ電源VBBを主制御装置のRWMに供給するために主制御装置に出力するための副基板第2コネクタ690bとを具備してなる。
上述したように、本実施形態では、バックアップ電源生成手段が生成したバックアップ電源VBBは、主制御装置のRWMに供給されて該RWMのバックアップのために供される機能と、バックアップ電源用スイッチ690cに供給されて該バックアップ電源用スイッチ690cをON状態とするために供される機能と、を併せ持つ。
副基板690は、主制御装置のRWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを、副基板第2コネクタ690bを介して、主制御装置のRWMに供給するためのバックアップ電源RWM用導通経路(図示副基板690のVBBから副基板第2コネクタ690bを介して主制御装置まで延設される導通経路)を備える。該バックアップ電源RWM用導通経路は、バックアップ電源用スイッチ690cを備える。
また、副基板690は、バックアップ電源用スイッチ690cに供されるバックアップ電源VBBを、副基板第1コネクタ690aを介して、払出制御基板681に対してUターンする往路と復路を少なくとも具備し、回帰した後にバックアップ電源用スイッチ690cに接続されることによりバックアップ電源用スイッチ690cに供給するための、バックアップ電源スイッチ用導通経路(図示副基板690のVBBから副基板第1コネクタ690aを介して払出制御基板681を往復してバックアップ電源用スイッチ690cまで延設される導通経路)を備える。
さらに、本実施形態の副基板690は、上述したように、バックアップ電源スイッチ用導通経路を流れるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高い場合にON状態となって、バックアップ電源RWM用導通経路を閉じることでRWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを主制御装置の図示しないRAMに供給するバックアップ電源用スイッチ690cを備える。バックアップ電源用スイッチ690cには、トランジスタ、FET、或いはフォトカプラ等の電気的構成を採用することが好適である。
なお、無論ではあるが、上記副基板第2コネクタ690bは、当該バックアップ電源用スイッチ690cがON状態の場合に、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを主制御装置に出力する。
主制御装置は、図示副基板690側に主制御装置第1コネクタ(図示しない)と、副基板590の反対側に主制御装置第2コネクタ(図示しない)とを備える。
また、主制御装置は、トランスから供給されるAC24Vの電源が遮断されても、一定期間の間は、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBにより記憶情報を保持可能なRAMを備える。本実施形態では、前記一定期間を超えてバックアップ電源用スイッチ690cに供されるバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より低くなると、バックアップ電源用スイッチ690cのOFF状態が発生して、主制御装置のRAMへの給電が停止する構成となっている。
【0155】
次に、本実施形態の作用について説明する。
先ず、パチンコ機50への電源供給時において、電源スイッチをOFF状態からON状態にすると、電源基板685は、AC24Vをトランスから電源基板第1コネクタ685aを介して入力する。電源基板685は、入力したAC24Vから、DC12V、DC5V、およびGNDを生成する。さらに電源基板685は、該生成したDC12V、DC5V、およびGNDを、電源基板第2コネクタ685bを介して、払出制御装置681に向けて出力する。
払出制御装置681は、電源基板第2コネクタ685bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、払出制御装置第1コネクタ681aを介して入力する。そして、DC12V、DC5V、およびGNDを払出制御装置第2コネクタ681bを介して、「遊技盤側」の副基板690に向けて出力する。
副基板690は、払出制御装置第2コネクタ681bから出力されたDC12V、DC5V、およびGNDを、副基板第1コネクタ690aを介して入力する。副基板690のバックアップ電源生成手段は、入力したDC5Vからバックアップ電源VBBを生成し、該バックアップ電源VBBを、バックアップ電源用スイッチ690cに供するために、バックアップ電源スイッチ用導通経路により副基板第1コネクタ690aを介して、再度、払出制御装置第2コネクタ681bに出力する。
払出制御装置681は、副基板第1コネクタ690aから出力されたバックアップ電源VBBを、払出制御装置第2コネクタ681bを介して一旦入力し、入力後に迂回して形成されるバックアップ電源スイッチ用導通経路により再び払出制御装置第2コネクタ681bを介して、副基板第1コネクタ690aに向けて出力する。
なお、払出制御装置681は、払出制御装置第2コネクタ681bから入力したバックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBを、何らかの機能のために利用或いはこれに基づき他の電源を生成する等の一切の作用を行うことなく、単に入力したままの状態で、再び払出制御装置第2コネクタ681bから出力するものである。すなわち、バックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBは、「遊技枠側」に設けられた払出制御装置681を介してバックアップ電源用スイッチ690cに供給される。
副基板690は、払出制御装置第2コネクタ681bから出力され回帰してきたバックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBを、副基板第1コネクタ690aを介して入力する。そして、入力した該バックアップ電源VBBを、バックアップ電源用スイッチ690cに供給して、バックアップ電源用スイッチ690cをON状態とする。次いで、副基板690は、DC12V、DC5V、GND、およびRWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBを、副基板第2コネクタ690bを介して、主制御装置の図示しない主制御装置第1コネクタに向けて出力する。
副基板690は、バックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBが、バックアップ電源スイッチ用導通経路により回帰して供給されることで、バックアップ電源用スイッチ690cがON状態である場合、すなわちバックアップ電源スイッチ用導通経路のバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高い場合に、RWMのバックアップに供されるバックアップ電源VBBをバックアップ電源RWM用導通経路を通じて主制御装置に供給する。
なお、本実施形態の副基板690は、「遊技枠側」の払出制御装置681から主制御装置への、各種電源の供給を中継する本発明の中継基板である。
主制御装置は、副基板第2コネクタ690bから出力されたDC12V、DC5V、GND、およびRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBを、図示しない主制御装置第1コネクタを介して入力する。主制御装置は、入力したDC12V、DC5V、およびGNDにより、パチンコ機50の統括的な遊技制御を実行する。さらに、主制御装置は、入力したバックアップ電源VBBを、実装したRAMに供給する。
【0156】
次に、パチンコ機50への電源遮断時において、DC12V、DC5V、およびGNDは、払出制御装置681から副基板690を介して主制御装置に供給されなくなる。但し、RWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBのみは、バックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBの電圧が所定の電圧より高いことによりバックアップ電源用スイッチ690cがON状態である場合、上述した条件のままRAMに対して、供給が維持される。
【0157】
さらに、本実施形態においても、例えば面(盤)換え作業等に伴う、払出制御装置第2コネクタ681b或いは副基板第1コネクタ690aからワイヤーハーネスの多芯コネクタの取り外し時において、副基板690から一旦払出制御装置681を迂回してから再度副基板690に回帰するバックアップ電源VBBのバックアップ電源スイッチ用導通経路が断たれることにより、バックアップ電源用スイッチ690cがOFF状態になり、バックアップ電源RWM用導通経路が開くのでRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBの供給が遮断され、RAMの記憶情報の保持が不能となる。
【0158】
本実施形態のように構成しても、第6実施形態と同様に、バックアップ電源VBBのバックアップ電源生成手段を、電源基板685とは異なる基板に備え、且つ遊技盤側の副基板690に備えたとしても、「遊技枠側」から遊技盤1を離隔するとバックアップ電源用スイッチ690cに供するためのバックアップ電源VBBが遮断されて、バックアップ電源用スイッチ690cがOFF状態となることでRWMのバックアップに供されるためのバックアップ電源VBBが遮断され、RAMの記憶情報の保持が不能となるため、遊技盤1を交換することで実行されるモーニングを不可能とすることができる。
【0159】
このように、各種実施の形態を説明してきたが、本発明は、従来の技術には無い技術思想により成されているものである。ここに改めて、当該特徴的な技術思想の要旨をまとめて記載しておく。
先ず、請求項1に記載の発明の弾球遊技機は、遊技盤(主制御基板を具備)を備える「遊技盤側」の中継基板にて主制御基板のバックアップ電源を備えているにも拘わらず、該バックアップ電源を直接主制御基板に供給せず、一旦「遊技枠側」を迂回させてから主制御基板に供給する構成を備えている。
次いで、本発明の弾球遊技機は、電源を「遊技枠側」に設けられた電源基板又は払出制御基板から、「遊技盤側」の中継基板に供給し、該電源に基づいて中継基板は同じく「遊技盤側」の主制御基板のバックアップ電源を生成するにも拘わらず、該バックアップ電源を再度、電源基板又は払出制御基板に戻す構成を備えている。
さらに、請求項2に記載の発明の弾球遊技機は、請求項1に記載の発明と異なり、主制御基板のRWMをバックアップするためのバックアップ電源を主制御基板に直接供給する構成を備えている。但し、該バックアップ電源に他の機能を担わせ、すなわち、「遊技盤側」と「遊技枠側」が電気的に接続状態にあるか否かの判断基準としている。つまり、主制御基板に供給する導通経路とは異なる導通経路を「遊技盤側」から「遊技枠側」に迂回して回帰するように設け、回帰した導通経路をスイッチに接続し、該スイッチを通電によりONし非通電によりOFFするようにし、さらに該スイッチを主制御基板に供給する導通経路上に備えた。これにより、1つのバックアップ電源を、主制御基板に供給される客体としての機能と、前記供給の実行可否の決定に係る起因としての機能を担わせている。
このような本発明の特異な構成は、従来の技術では備えられておらず、新規な技術思想であり、この特異な構成によって、上述した特段の効果を奏し得るものである。
【0160】
以上、本発明に係る実施の形態を説明してきたが、本発明の技術思想から逸脱しない限り、これに限定するものではない。例えば、上述した実施形態では、電源基板はトランスからAC24Vの供給を受けて、これからDC12V、DC5V、およびGNDを生成する構成となっている。しかし、取り込まれる電源はAC24Vに限らず、AC100でも良い。
このように構成することにより、トランスによる変圧処理を行わなくても家庭用電源による使用が可能となり、弾球遊技機の設置場所が従来よりも広がると共に、設計の自由度が増す。
【0161】
また、上述した第1実施形態のRAMクリアスイッチは、上述したように図示省略したが、電源基板85、主制御装置80、或いは副基板90の何れに備える構成としても良い。この点については、他の実施形態でも同様である。
このように構成することにより、例えばRAMクリア処理を行う際の便宜上、最も好適な基板に備えることで、作業性が向上すると共に、重要度の高いRAMクリア処理を確実に行うことが可能となる。
【0162】
[特許請求の範囲との対応]
内枠70、或いは内枠70と前枠52、或いは内枠70と外枠51、或いは内枠70、前枠52、及び外枠51が、遊技枠に相当する。
払出制御装置81、181、481、および681が、払出制御基板に相当する。
RAMが、RWMに相当する。
主制御装置80、280、380、480、および580が、主制御基板に相当する。
パチンコ機50が、弾球遊技機に相当する。
副基板90、190、290、390、490、590、および690が、中継基板に相当する。
バックアップ電源VBB、およびバックアップ電源VBB1が、バックアップ電源に相当する。
バックアップ電源用スイッチ590c、および690cが、スイッチに相当する。