(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駒部材の係合部は自由回転可能な回転体であって中心軸と周面部と端面部とを有し、中心軸が物品押圧部に対して略垂直姿勢に垂下されていて周面部がガイド又は誘導部材と接触するものであり、
降下阻止用係合部は、水平方向に張り出す係合フランジであり、
昇降部材が上昇位置にある際に係合フランジが、前記回転体の端面部と係合して昇降部材の降下を阻止することを特徴とする請求項2に記載の物品仕分装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで特許文献1に開示されているような物品仕分装置を使用すると、物品の向きが変化してしまうという不満がある。そのため搬送先等の情報(RFIDタグ等)が、物品の特定の部位に付されている場合、物品の向きが変化して、センサによる検出がしにくくなる場合がある。
【0006】
そこで本件出願人は、物品の向きを変化させることなく所望の仕分け方向へ仕分けることができる物品仕分装置280を試作した。物品仕分装置280では、
図47に示す様に、物品270が載置されているスラット(物品載置部材)281上のシュー(駒部材)282を、一斉に移動させ、物品270の側面に同時に複数のシュー282を当接させて物品270を押し出す。物品仕分装置280によると、物品270は元の搬送方向を向いた状態で仕分方向へ移動する。
【0007】
以下、
図47に示す物品仕分装置280について説明する。
物品仕分装置280には、複数のガイド283と、誘導部材285とが設けられている。各ガイド283は、スラット281の移動方向に対して傾斜する方向にのびている。各誘導部材285は、ガイド283の一端側に配置されている。そして各誘導部材285は、軸を中心として回転揺動する。即ち誘導部材285は棒状であり、水平姿勢に配置されている。そして誘導部材285は、垂直方向にのびる軸290を中心として回転揺動する。具体的には、
図47(b)の実線に示すように、ガイド283の端部を閉じる姿勢から、同図の破線に示すように、ガイド283の端部を延長するが如くにガイドに沿った方向となる姿勢に回転揺動する。
そのため各誘導部材285を回転揺動させると、各誘導部材285がシュー282の下部に設けられた当接部284に係合したり、係合が解除されたりする。
【0008】
図47に示す物品仕分装置280は、物品270を、元の搬送方向を向いた状態で仕分方向へ移動させることができるものではあるが、部品点数が多く、且つ各部品の位置関係や動作タイミングの調整が難しいという欠点がある。即ち物品仕分装置280は、第1の問題点として、部品点数が多く、製造や調整が困難である。
即ち物品仕分装置280は、各誘導部材285を個々に回転揺動することによって、各誘導部材285をシュー282の下部に設けられた当接部284の進路上に出没させるものである。物品仕分装置280は、各誘導部材285を個々に回転揺動させるものであるため、各誘導部材285を個々に回転可能に支持することが必要である。従って物品仕分装置280の構成によると、各誘導部材285に、回転軸と、軸受けが必要であり、回転軸と、軸受けの数だけでも相当数に昇り、部品点数が多い。
図47に示す物品仕分装置280は、搬送方向を切り替える際に、実際に動く部品が多いので部品点数が多いとも言える。即ち
図47に示す物品仕分装置280は、可動部分が多いので部品点数が多い。また
図47に示す物品仕分装置280は、搬送方向を切り替える際に実際に動く部品が多いので調節が難しいとも言える。即ち
図47に示す物品仕分装置280は、可動部分が多いので調節が難しい。
【0009】
また
図47に示す物品仕分装置280では、各誘導部材285を同期的に回転揺動させるものであるが、各誘導部材285を同期的に回転揺動させるための機構も複雑なものとなり、部品点数が多い。
即ち物品仕分装置280では、複数の回転軸(物品仕分装置280の回転軸)290を有し、これらはいずれも垂直姿勢であって且つ水平方向に分布している。そのためこれらの回転軸290を同期的に回転させるためには、各回転軸290の間を歯車で結合するか、リンク機構で結合する必要がある。
いずれの場合についても、各回転軸290に歯車やリンクが必要であり、部品点数が多い。
また部品点数が多いので、組み立てや調整に時間が掛かってしまう。
【0010】
さらに第2の問題点として、各誘導部材285を回転揺動させた際に、シュー282の下部に設けられた当接部284と衝突したり、噛み込んでしまったりするという問題があった。
【0011】
即ち
図47に示す物品仕分装置280では、同期して回転揺動する各誘導部材285が、シュー282の下部に設けられた当接部284の進路上に出没する。各誘導部材285が前記進路上に配置されると、各シュー282は、同時に各誘導部材285によってガイド283へ導かれ、搬送方向と直交する方向に同時に移動する。よって、スラット281上の物品270は、向きを変更することなく仕分方向へ移動する。
【0012】
ところが、本件出願人が、
図47に示す構造の物品仕分装置280を試運転したところ、新たな問題が発覚した(第2の問題点)。すなわち、各誘導部材285を、シュー282の当接部284の進路上に出現させるタイミングを計るのが困難であり、各誘導部材285を開くタイミングが遅れると、
図47(c)に示す様に、各シュー282の当接部284が、誘導部材285と物品仕分装置の側壁286の間に同時に咬み込まれてしまう。その結果、最悪の場合には、誘導部材285やシュー282等の部材が破損する恐れがあることが判明した。
【0013】
本発明は、上記した第1の問題に対処するものであり、部品点数が少ない物品仕分装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、環状に接続されていて少なくとも一方向に走行する無端軌道と、前記無端軌道に取り付けられて前記無端軌道と共に走行する複数の物品載置部材と、前記物品載置部材に取り付けられた駒部材とを有し、当該駒部材は、物品載置部材の走行に伴って走行すると共に、物品載置部材に対して相対的に移動可能であり、駒部材は、物品載置部材上の物品を押圧する物品押圧部と、当該物品載置部材の下にあって物品押圧部と共に移動する係合部とを備え、無端軌道に対して傾斜して延びるガイドを有し、物品載置部材の走行に伴って走行する係合部を前記ガイドに誘導し、係合部をガイドに沿って移動させることによって駒部材を物品載置部材に対して相対移動させることができる物品仕分装置において、前記ガイドを複数有し、さらに前記係合部を前記ガイドに誘導する複数の誘導部材と、昇降部材とを有し、複数の誘導部材が共通の昇降部材に固定されており、物品載置部材の走行に伴って駒部材が走行する際に、前記駒部材の特定の部位が通過する通常通行路があり、前記昇降部材を昇降させることによって前記複数の誘導部材が通常通行路に出没し、前記昇降部材が上昇位置にある際には複数の誘導部材が通常通行路に出現して駒部材の特定の部位に接して前記係合部を前記ガイドに誘導し、昇降部材が降下位置にある際には前記駒部材の特定の部位が通常通行路を素通りする
ものであり、昇降部材又は誘導部材の少なくとも一部に緩衝部が設けられており、昇降部材を上昇させる際に誘導部材が駒部材の一部を突き上げて昇降部材の上昇が妨げられた場合に前記緩衝部が弾性変形し、誘導部材の突き上げ力を緩和することを特徴とする物品仕分装置である。
請求項2に記載の発明は、環状に接続されていて少なくとも一方向に走行する無端軌道と、前記無端軌道に取り付けられて前記無端軌道と共に走行する複数の物品載置部材と、前記物品載置部材に取り付けられた駒部材とを有し、当該駒部材は、物品載置部材の走行に伴って走行すると共に、物品載置部材に対して相対的に移動可能であり、駒部材は、物品載置部材上の物品を押圧する物品押圧部と、当該物品載置部材の下にあって物品押圧部と共に移動する係合部とを備え、無端軌道に対して傾斜して延びるガイドを有し、物品載置部材の走行に伴って走行する係合部を前記ガイドに誘導し、係合部をガイドに沿って移動させることによって駒部材を物品載置部材に対して相対移動させることができる物品仕分装置において、前記ガイドを複数有し、さらに前記係合部を前記ガイドに誘導する複数の誘導部材と、昇降部材とを有し、複数の誘導部材が共通の昇降部材に固定されており、物品載置部材の走行に伴って駒部材が走行する際に、前記駒部材の特定の部位が通過する通常通行路があり、前記昇降部材を昇降させることによって前記複数の誘導部材が通常通行路に出没し、前記昇降部材が上昇位置にある際には複数の誘導部材が通常通行路に出現して駒部材の特定の部位に接して前記係合部を前記ガイドに誘導し、昇降部材が降下位置にある際には前記駒部材の特定の部位が通常通行路を素通りするものであり、誘導部材又は昇降部材の一部に降下阻止用係合部があり、昇降部材が上昇位置にある際に駒部材の一部が降下阻止用係合部と係合し、昇降部材の降下を阻止することを特徴とする物品仕分装置である。
上記した発明は、環状に接続されていて少なくとも一方向に走行する無端軌道と、前記無端軌道に取り付けられて前記無端軌道と共に走行する複数の物品載置部材と、前記物品載置部材に取り付けられた駒部材とを有し、当該駒部材は、物品載置部材の走行に伴って走行すると共に、物品載置部材に対して相対的に移動可能であり、駒部材は、物品載置部材上の物品を押圧する物品押圧部と、当該物品載置部材の下にあって物品押圧部と共に移動する係合部とを備え、無端軌道に対して傾斜して延びるガイドを有し、物品載置部材の走行に伴って走行する係合部を前記ガイドに誘導し、係合部をガイドに沿って移動させることによって駒部材を物品載置部材に対して相対移動させることができる物品仕分装置において、前記ガイドを複数有し、さらに前記係合部を前記ガイドに誘導する複数の誘導部材と、昇降部材とを有し、複数の誘導部材が共通の昇降部材に固定されており、物品載置部材の走行に伴って駒部材が走行する際に、前記駒部材の特定の部位が通過する通常通行路があり、前記昇降部材を昇降させることによって前記複数の誘導部材が通常通行路に出没し、前記昇降部材が上昇位置にある際には複数の誘導部材が通常通行路に出現して駒部材の特定の部位に接して前記係合部を前記ガイドに誘導し、昇降部材が降下位置にある際には前記駒部材の特定の部位が通常通行路を素通りすることを特徴とする。
【0015】
請求項1
,2に記載の発明では、複数のガイドを有し、これに対応して複数の誘導部材を有している。そして本発明では、昇降部材を上昇させて複数の誘導部材を通常通行路に出現させ、駒部材の係合部を前記ガイドに誘導する。
本発明の物品仕分装置では、複数の誘導部材が共通の昇降部材に固定されているから、昇降部材を昇降させるだけで複数の誘導部材を同時に通常通行路に出没させることができる。本発明の物品仕分装置では、搬送方向を切り替える際に動作するのは、昇降部材のみであり、可動部分が少ない。そのため本発明の物品仕分装置は、部品点数が少ない。また同様の理由から調節も簡単である。
【0016】
請求項
1に記載の発明は、昇降部材又は誘導部材の少なくとも一部に緩衝部が設けられており、昇降部材を上昇させる際に誘導部材が駒部材の一部を突き上げて昇降部材の上昇が妨げられた場合に前記緩衝部が弾性変形し、誘導部材の突き上げ力を緩和することを特徴とす
る。
【0017】
請求項
1に記載の発明は、前記した第2の問題点を解消することを目的とするものである。本発明の前提た
る発明では、昇降部材を上昇させて複数の誘導部材を通常通行路に出現させるから、回転揺動による噛み込みは無いものの、昇降部材を上昇させる際に誘導部材が駒部材の一部を突き上げる事態は想定される。即ち本発明の前提た
る発明では、昇降部材を上昇させて複数の誘導部材を通常通行路に出現させるものであるが、昇降部材を上昇させるタイミングが合わない場合の問題点を解消するものである。
本発明は、昇降部材を上昇させて複数の誘導部材を通常通行路に出現させるものであり、昇降部材の上昇によって、複数の誘導部材が、それぞれ対応する駒部材の直前に出現させることが理想である。逆に言えば、昇降部材を上昇させる際に誘導部材の上部(誘導部材が上がって出現せんとする位置)には駒部材が存在しないことが理想である。
しかしながら、昇降部材を上昇させるタイミングを正確に決めることは困難であり、昇降部材を上昇させる際に誘導部材の上部に駒部材が存在する場合もある。
請求項
1に記載の発明は、この問題に対処するものであり、昇降部材又は誘導部材の少なくとも一部に緩衝部が設けられている。そして昇降部材を上昇させる際に誘導部材が駒部材の一部を突き上げて昇降部材の上昇が妨げられた場合に緩衝部が弾性変形し、誘導部材の突き上げ力を緩和する。
緩衝部は、例えばバネ、ゴム、樹脂等が考えられる。また緩衝部は昇降部材又は誘導部材の少なくとも一部に設けられる。例えば昇降部材が実際に昇降する本体部と、本体部を押し上げる押し上げ装置によって構成されている場合を想定すると、本体部と押し上げ装置との境界部分にバネやゴム等の緩衝部を設けることが考えられる。
押し上げ装置としては、例えばシリンダー、カム、クランク、ソレノイド等が考えられ、例えば本体部の裏面や、辺部側等に押し上げ装置の一部を当接させて本体部を昇降させる構成が考えられるが、本体部と押し上げ装置との境界部分に緩衝部を設けることができる。
またシリンダー、カム、クランク、ソレノイド等の押し上げ装置と押し上げ装置が載置されたベースとの間に緩衝部を設けてもよい。
誘導部材の一部や誘導部材と昇降部材との境界部分に緩衝部を設けてもよい。さらに昇降部材自身を弾性体で作り、昇降部材を撓ませる等によって誘導部材の突き上げ力を緩和することも可能である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、昇降部材は、本体部と、押し上げ装置とを有し、前記本体部の一部が他の部材に軸止されていて上下方向に揺動することによって昇降するものであり、押し上げ装置は、本体部の一部と当接して本体部を上昇させるものであり、前記本体部の一部であって、押し上げ装置の一部が当接する当接部に、バネによって構成される前記緩衝部が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の物品仕分装置である。
【0019】
本発明の物品仕分装置では、昇降部材が本体部を有し、本体部は一部が他の部材に軸止されていて上下方向に揺動することによって昇降する。そのため昇降部材の昇降軌跡が安定する。また昇降部材の昇降軌跡を規制するガイト等が不用であるため、部品点数が少ない。
【0020】
請求項
2に記載の発明は、誘導部材又は昇降部材の一部に降下阻止用係合部があり、昇降部材が上昇位置にある際に駒部材の一部が降下阻止用係合部と係合し、昇降部材の降下を阻止することを特徴とす
る。
【0021】
本発明は、昇降部材を降下させるタイミングが合わない場合の問題点を解消するものである。
即ち本発明の前提た
る発明では、昇降部材を上昇させて複数の誘導部材を通常通行路に出現させて駒部材の係合部をガイドに誘導する。そして係合部がガイドに渡った後に昇降部材を降下させる。即ち係合部がガイドに渡った後、速やかに昇降部材を降下させるのが理想である。
しかしながら、昇降部材を降下させるタイミングを完璧に調節することは困難であり、係合部がガイドに渡りきらない内に昇降部材を降下させてしまう事態が想定される。
そこで本発明では、誘導部材又は昇降部材の一部に降下阻止用係合部を設け、昇降部材が上昇位置にある際に駒部材の一部が降下阻止用係合部と係合させて昇降部材の降下を阻止することとした。
降下阻止用係合部は誘導部材に設けても昇降部材に設けてもよいが、降下阻止用係合部は誘導部材に設けることが推奨される。即ち前記した様に、係合部がガイドに渡った後、速やかに昇降部材を降下させるのが理想である。降下阻止用係合部を誘導部材に設けると、係合部がガイドに渡ると同時に降下阻止用係合部と駒部材との係合関係を解消させることができるので、係合部がガイドに渡った後、速やかに昇降部材を降下させることができる。
【0022】
請求項
4に記載の発明は、駒部材の係合部は自由回転可能な回転体であって中心軸と周面部と端面部とを有し、中心軸が略垂直姿勢に垂下されていて周面部がガイド又は誘導部材と接触するものであり、降下阻止用係合部は、水平方向に張り出す係合フランジであり、昇降部材が上昇位置にある際に係合フランジが、前記回転体の端面部と係合して昇降部材の降下を阻止することを特徴とする請求項
2に記載の物品仕分装置である。
【0023】
本発明によると、係合部がガイドに渡ると同時に降下阻止用係合部と駒部材との係合関係を解消させることができるので、係合部がガイドに渡った後、速やかに昇降部材を降下させることができる。
請求項5に記載の発明は、環状に接続されていて少なくとも一方向に走行する無端軌道と、前記無端軌道に取り付けられて前記無端軌道と共に走行する複数の物品載置部材と、前記物品載置部材に取り付けられた駒部材とを有し、当該駒部材は、物品載置部材の走行に伴って走行すると共に、物品載置部材に対して相対的に移動可能であり、駒部材は、物品載置部材上の物品を押圧する物品押圧部と、当該物品載置部材の下にあって物品押圧部と共に移動する係合部とを備え、無端軌道に対して傾斜して延びるガイドを有し、物品載置部材の走行に伴って走行する係合部を前記ガイドに誘導し、係合部をガイドに沿って移動させることによって駒部材を物品載置部材に対して相対移動させることができる物品仕分装置において、前記ガイドを複数有し、さらに前記係合部を前記ガイドに誘導する複数の誘導部材と、昇降部材とを有し、複数の誘導部材が共通の昇降部材に固定されており、物品載置部材の走行に伴って駒部材が走行する際に、前記駒部材の特定の部位が通過する通常通行路があり、前記昇降部材を昇降させることによって前記複数の誘導部材が通常通行路に出没し、前記昇降部材が上昇位置にある際には複数の誘導部材が通常通行路に出現して駒部材の特定の部位に接して前記係合部を前記ガイドに誘導し、昇降部材が降下位置にある際には前記駒部材の特定の部位が通常通行路を素通りするものであり、前記昇降部材は、前記複数の誘導部材が固定された昇降板と、カム部材を有し、前記昇降板は、前記カム部材上に載置され、前記カム部材が回転することによって昇降するものであり、前記昇降部材が上昇位置にある際には、昇降部材が降下位置にある際に比べて、前記カム部材の頂点が高い位置にあることを特徴とする物品仕分装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の物品仕分装置は部品点数が少なく、且つ切り替え時に動作する部材が少ない。そのため本発明の物品仕分装置は、製造や調整が容易である。また本発明の物品仕分装置は故障が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の説明に先立ち、理解を容易にするため、発明者が先に出願した物品仕分装置1について説明する。
なお、図面を参照しながら先に出願した発明の実施形態の物品仕分装置1の構成を説明する。
本実施形態の物品仕分装置1は、
図19、
図20に示すようにコンベア装置100の一部を構成するものである。すなわち、
図19、
図20に示すようにコンベア装置100は、上流側コンベア97、物品仕分装置1、下流側コンベア98、分岐側コンベア99を備えている。物品仕分装置1は、コンベア装置100の分岐箇所に配置される。すなわち、物品96(被搬送物)の搬送方向の上流側には上流側コンベア97が配置され、上流側コンベア97の下流側に物品仕分装置1が隣接配置されている。また、物品仕分装置1の下流側には下流側コンベア98が隣接配置されている。さらに物品仕分装置1の側方には分岐側コンベア99が隣接配置されている。
【0027】
物品96は、上流側コンベア97から物品仕分装置1へ搬送される。そして
図19、
図20に示すように、物品96はさらに下流側コンベア98又は分岐側コンベア99のいずれかへ搬送される。この様に、物品仕分装置1は、物品96を下流側コンベア98又は分岐側コンベア99のいずれかに移載するものである。以下、物品仕分装置1の構成を説明する。
【0028】
図5に示すように物品仕分装置1は、基台2、切換誘導装置10、平行出し用ガイド16a〜16f、斜行出し用ガイド18、チェーン3a、3b(無端軌道)、チェーン駆動装置44a,44b、物品載置部材4(4a、4b、・・・)、駒部材7等を有する。以下、順に説明する。
【0029】
基台2は、
図3、
図5に示すように、強度を有する鋼製の縦フレーム2a、2bと、横フレーム2c、2d、2eとで構成される。
【0030】
縦フレーム2aは、
図5に示す様に、垂直壁部56aと水平壁部56bとを有し、横断面がL字形の部材である。垂直壁部56aの両端付近には、各々孔58a,58bが設けられている。また、垂直壁部56aには、開口60、61が設けられている。
【0031】
縦フレーム2bは、垂直壁部57aと水平壁部57bとを有し、横断面がL字形の部材であり、縦フレーム2aと同様の構成を有する。ただし、垂直壁部57aには垂直壁部56aのような開口60、61は設けられていない。
【0032】
横フレーム2c〜2eは、断面が略コの字形状を呈し、剛性を有する長尺状の部材である。
【0033】
基台2は、縦フレーム2a,2bの垂直壁部56a,57aが所定の距離を隔てて対向されると共に、縦フレーム2a,2bの水平壁部56b,57bが互いに外側に向けて配置され、その間に横フレーム2c,2d,2eが掛け渡され、ネジ止めや溶接等によって一体化されて成るものである。
縦フレーム2aの垂直壁部56aは、第一走行路85(通常通行路)と裏面側走行路94を構成し、縦フレーム2bの垂直壁部57aは、後述する第二走行路92を構成する。
【0034】
基台2には、支持板72がネジ止め又は溶接によって固定されている。支持板72は、平面視すると長方形を呈する薄板状の部材である。支持板72は、縦フレーム2a、2bと同方向にのびるように配置され、横フレーム2c、2eにネジ止め又は溶接されている。支持板72には、後述の平行出し用ガイド16a〜16fをネジ止めするための複数の孔が設けられている。
【0035】
平行出し用ガイド16a〜16fは、細長い四角柱状又は平板状のレール部材である。各平行出し用ガイド16a〜16fは、等間隔に所定の間隔を置いて配列されており、支持板72上にネジ止めや溶接等の固定手段で固定されている。
図3、
図4に示す様に、各平行出し用ガイド16a〜16fは、横フレーム2cと縦フレーム2aの接続側(第一走行路85の上流側)から横フレーム2eと縦フレーム2bの接続側(第二走行路92の下流側)に向かってのび、支持板72に対して傾斜して固定されている。
【0036】
斜行出し用ガイド18は、細長い四角柱状又は平板状のレール部材であり、平行出し用ガイド16fと平行に配置され、支持板72上にネジ止め又は溶接されている。斜行出し用ガイド18と平行出し用ガイド16fの間隔は、平行出し用ガイド16a〜16fの間隔よりも大きい。
【0037】
また、横フレーム2c、2eには、細長い四角柱状又は平板状のレール部材である裏面側ガイド62(
図5)がネジ止めされている。裏面側ガイド62は、横フレーム2c、2eにおける、支持板72の設置位置とは反対側(裏面側、下側)に固定されている。裏面側ガイド62は、横フレーム2cにおける縦フレーム2aの近傍と、横フレーム2eにおける縦フレーム2bの近傍にかけて、縦フレーム2a、2bに対して交差する姿勢で横フレーム2c、2eに固定されている。裏面側ガイド62は、基台2を平面視して平行出し用ガイド16a〜16f、斜行出し用ガイド18と同じ方向に傾斜した状態で横フレーム2c、2eの下側にネジ止めされている。そして、裏面側ガイド62は、後述の戻り走行路116を構成する。
【0038】
図6〜
図8に示す様に、切換誘導装置10は、支持板73、支持部材19、昇降装置8、平行出し用誘導部材13a〜13f、セットスイッチ部材12、リンク装置14、リセット装置15等を有する。
【0039】
図8、
図11(a)、(b)に示す様に、支持板73は、固定部73aと装着部73bとを有する薄く細長い平板状の部材である。固定部73aと装着部73bは、互いに直交している。
【0040】
固定部73aの複数箇所にはボルト挿通孔(図示せず)が設けられており、支持板73は、基台2の縦フレーム2aの垂直壁部56aに対してボルト・ナット(図示せず)で固定されている。
【0041】
図8に示す様に、装着部73bは、長手方向に沿って装着孔76a〜76gが設けられている。これらのうちの装着孔76a〜76fは等間隔であり、装着孔76fと装着孔76gの間隔だけが広い。また、装着孔76fと装着孔76gの間には、装着孔77が設けられている。装着孔76a〜76eには、支持板73の上面側から軸受82a〜82eが装着されている。
また、装着孔76f、76g、77には、支持板73の下面側から軸受82f、82g、63が装着されている。
【0042】
図8に示す様に、固定部73aの途中の部位には切り欠き74が設けられている。そして支持板73は、装着部73bが屈曲変形して段部75が形成されている。段部75によって、支持板73には高所部78と低所部79とが形成されている。高所部78には、装着孔76a〜76eが設けられており、低所部79には、装着孔76f、76g、及び装着孔77が設けられている。
【0043】
装着孔76a〜76fと装着孔77は、各々軸受82a〜82f、63を介して、後述の平行出し用誘導部材13a〜13f及びリセット装置15を装着するための孔であり、装着孔76gは、軸受82gを介して斜行出し用誘導部材17を装着するための孔である。
【0044】
支持部材19は、支持板73の下方に支持板73と平行に配置されている。支持部材19は、固定部19aと装着部19bとを有する平板状の部材である。固定部19aは、装着部19bの縁が折り曲げられて、装着部19bと直交する部位である。支持部材19は、基台2の縦フレーム2aの垂直壁部56aに対して、ネジ止め又は溶接固定されている。
【0045】
装着部19bには、軸受24a〜24gと軸受112を配置する孔が設けられている。これらの孔の中心間隔は、前述の支持板73の装着孔76a〜76g、77の中心間隔と一致している。軸受24a〜24g、112は、ユニット化されて、支持部材19の装着部19b上に装着されている。
【0046】
支持板73に装着された軸受82a〜82gと、支持部材19に装着された軸受24a〜24gは、各々軸部材23a〜23gを回転可能に支持しており、軸受63と軸受112は、軸部材40を回転可能に支持している。
【0047】
図9(a)、(b)に示す様に、各平行出し用誘導部材13a〜13fは、各々誘導部80a〜80f、固定部81a〜81fを有する。誘導部80a〜80fは、先細りした略ブロック状の部材である。固定部81a〜81fは、中心に孔68a〜68fを有する円板状の部位である。固定部81a〜81fの上面側の外周付近に、誘導部80a〜80fが固定部81a〜81fの接線方向にのびる様に一体固着されている。
【0048】
各固定部81a〜81fの孔68a〜68fには、軸部材23a〜23fが挿通されている。軸部材23a〜23fの横断面の形状は、円形ではなく、円の2箇所が平行線でカットされた様な形状である。固定部81a〜81fの孔68a〜68fは、この軸部材23a〜23fをちょうど挿通することができる孔である。よって、各平行出し用誘導部材13a〜13fは、各々軸部材23a〜23fと一体に回動可能である。
【0049】
図6、7、11(a)、11(b)に示す様に、昇降装置8は、ソレノイド52と梃子53とで構成されている。梃子53は、ちりとりのような形状を呈しており、対向する側壁には、軸部材102を挿通する孔が設けられている。また、コの字形を呈する支持部材101が、支持板73上に、コの字の開口側を上にした状態で固定されている。支持部材101の対向する壁面には、軸部材102を挿通する孔が設けられている。軸部材102は、支持部材101と梃子53とを挿通している。そのため、梃子53は、支持部材101(基台2)に対して軸部材102を中心に揺動可能である。軸部材102は、梃子53の支点53aを構成する。
【0050】
図10、
図11に示す様に、ソレノイド52は、基台2の水平壁部57b上に載置され且つ固定されている。ソレノイド52は、上下に駆動される可動鉄心52aを有する。可動鉄心52aは、梃子53の力点53bと連結されている。梃子53の作用点53cに相当する領域には、後述のセットスイッチ部材12が載置されている。
【0051】
図8、10(a)、10(b)に示す様に、セットスイッチ部材12は、基部12aと当接部12bとを有する。基部12aは、平板状の部位であり、軸部材23fを挿通させる孔55が設けられている。当接部12bはブロック状の部位である。当接部12bは、平板状の基部12aの端部に一体固着されている。当接部12bは、当接面54を有する。当接面54は、平板状の基部12aと直交する面である。また、当接面54は、基部12aと当接部12bとを結ぶ方向に広がる面であって、且つ、孔55の設置位置と当接部12bの設置位置とを結ぶ直線を含む面に対して傾斜する面である。
【0052】
図10(a)、(b)に示す様に、セットスイッチ部材12の当接部12bは、軸部材23fに沿って上下移動が可能であると共に、軸部材23fと一体に回動可能である。さらに軸部材23fには、ギヤ70が固定されている。すなわち、軸部材23fとギヤ70は、一体に回動する。
【0053】
また、セットスイッチ部材12は、昇降装置8によって上下に駆動される。すなわち、セットスイッチ部材12は、梃子53の作用点53c上に載置されており、昇降装置8によって揺動する梃子53の動作によって、セットスイッチ部材12は、軸部材23fに沿って上下移動が可能である。セットスイッチ部材12は、さらに軸部材23fと一体に回動可能である。すなわち、軸部材23fは、ギヤ70、セットスイッチ部材12、及び前述の平行出し用誘導部材13fと一体に回動可能である。
【0054】
図8、9(a)、9(b)に示す様に、リンク装置14は、導出部材83a〜83fと連結部材84とで構成されている。各導出部材83a〜83fには、各軸部材23a〜23fが挿通される孔86a〜86fと、連結部材84と連結するための孔89a〜89fが設けられている。連結部材84には、所定の一定間隔を置いて孔90a〜90fが設けられている。連結部材84の各孔90a〜90fは、各々導出部材83a〜83fの孔89a〜89fとピンで回動可能に連結されている。
【0055】
以上説明した構成を、各軸部材23a〜23fに見ると、
図9(a)に示す様に、軸部材23a〜23eには、それぞれ平行出し用誘導部材13a〜13eと導出部材83a〜83eとが一体に回動可能に装着されている。また、
図10(a)に示す様に、軸部材23fには、上から順に平行出し用誘導部材13f、セットスイッチ部材12、導出部材83f、ギヤ70が一体に回動可能に装着されている。そして、各平行出し用誘導部材13a〜13fの各誘導部80a〜80fは、同じ方向を向いており、リンク装置14によって、同時に同方向を向くように動作する。
【0056】
図8、12(a)〜(c)に示す様に、リセット装置15(リセットスイッチ部材)は、軸部材40、ギヤ71、当接部材91で構成されている。軸部材40は、支持部材19及び支持板73に対して、軸受112、63を介して回動可能に取り付けられている。軸部材40の途中の部位にはギヤ71が取り付けられている。また、軸部材40には当接部材91が一体に回動可能に取り付けられている。
【0057】
当接部材91は、肉厚のある円板状の部材であり、中心に孔91bが設けられている。また、当接部材91は、円板の一部が半径方向外側へ突出した突出部91cを有する。突出部91cは、当接部材91の肉厚と同等の肉厚を有する。そして、突出部91cの先端には、突出部91cの設置位置と孔91bの設置位置とを結ぶ直線と、孔91bの中心線の両方を含む平面に対して傾斜する当接面91aが設けられている。孔91bには軸部材40が挿通される。
【0058】
図12(a)〜(c)に示す様に、ギヤ71は、ギヤ70と咬み合っている。よって、いずれか一方のギヤが回動すると、他方のギヤは逆向きに回動する。
【0059】
リセット装置15は、セットスイッチ部材12よりもチェーン3a、3b(無端軌道)の上側(表側)の走行方向(
図4の矢印Bで示す方向)の前方側(下流側)に隣接して配置されている。
【0060】
チェーン駆動装置44a,44bは、
図13に示すモータ内蔵ローラ20a,20bを主体とする装置である。
【0061】
すなわちモータ内蔵ローラ20aは、
図13の様に円筒状のローラ本体45、モータ46、減速機47、支軸48a,48b等を有する。モータ46と減速機47は、ローラ本体45内に配置されており、ローラ本体45の両端は蓋49a,49bで閉塞されている。支軸48aは蓋49aを貫通してローラ本体45の外部に突出しており、支軸48bは蓋49bを貫通してローラ本体45の外部に突出している。また、支軸48a,48bは、基台2の縦フレーム2a,2bの孔58a,58bで支持される。
【0062】
モータ46は、ローラ本体45の外部に設けられた図示しない電源と電線50で接続されている。電線50は、ローラ本体45の外部の電源と内部のモータ46とを支軸48bを介して接続する。また、モータ46の動作(回転駆動と停止)は、外部の制御装置(図示せず)によって制御される。
【0063】
ローラ本体45の一方の端部付近には、スプロケット21aが一体的に固着されている。同様にローラ本体45の他方の端部付近には、スプロケット21bが一体固着されている。すなわち、ローラ本体45の両端部にはスプロケット21a,22aがあり、当該スプロケット21b,22bは、ローラ本体45と一体に回転可能である。
【0064】
モータ内蔵ローラ20bは、モータ内蔵ローラ20aと同じ構成を有する。すなわち、モータ内蔵ローラ20bのローラ本体には、スプロケット22a,22bが一体固着されている。モータ内蔵ローラ20a,20bは、所定の間隔を置いて平行に配置され、基台2に固定される。
【0065】
チェーン3aとチェーン3bは公知のものであり、各々環状(無端軌道)に繋がれている。チェーン3aは、スプロケット21a,21bと係合している。また、チェーン3aには、片側の側方に突出する一対のピン51a,51bを複数組有する。複数組のピン51a,51bは、チェーン3aの側方に等間隔で固定されている。
【0066】
物品載置部材4は一般にスラットと呼ばれ、
図14、
図15に示すように樹脂材からなる被覆部材5と金属板6a、6bとを有する。被覆部材5は長尺状であり、長方形の板状体の長手方向にのびる両側の縁が近接対向するように4箇所で折り曲げられたような構造を呈する。すなわち、被覆部材5は、長方形の中央部分である基部31の両側に、基部31と直交する垂下部30a、30bを有し、さらに垂下部30aと直交し且つ基部31と平行に対向する壁部5cと、垂下部30bと直交し且つ基部31と平行に対向する壁部5bとを有する。
【0067】
壁部5bの先端(縁)と壁部5cの先端(縁)は近接対向し、両壁部の間には開口25が形成されている。そして被覆部材5内には内部空間26が形成されている。内部空間26は、開口25を介して外部と連通している。壁部5b、5cの上面から基部31の内側の天面5aまでの高さ寸法と、垂下部30aの内面から垂下部30bの内面までの幅寸法は、金属板6a、6bをちょうど挿通可能な大きさである。
【0068】
金属板6a、6bは同じ大きさ及び形状を有する。金属板6aは長尺状であり、一端には直角に折り曲げられた垂下部27aが設けられており、他端には傾斜端部29が設けられている。傾斜端部29aは、先端(他端)へいくほど幅方向の寸法が小さくなり、金属板6aと金属板6bを同一直線状に配置し、さらに垂下部27a,27bが同じ側に起立するように配置すると、金属板6aの傾斜端部29aと金属板6bの傾斜端部29bは平行に近接対向する。
【0069】
金属板6aの垂下部27aには、金属板6aの幅方向にのびる長孔28aが設けられている。長孔28aの代わりに、長孔28aの両端に相当する位置に同径の孔が2つ開いていてもよい。
【0070】
金属板6aの垂下部27aには、長孔28aの上にピン孔67aが設けられている。また、垂下部27aには支持部材65が装着される。支持部材65にはピン孔65aと長孔65bが設けられている。ピン孔65aを垂下部27aのピン孔67aに一致させると、長孔65bと垂下部27aの長孔28aも一致する。そして垂下部27aのピン孔67aとピン孔65aに共通のピン66を挿通し、垂下部27aに支持部材65を固定する。その結果、垂下部27aの長孔28aと支持部材65の長孔65bが一致する。すなわち、長孔28aの奥行きが延長された状態となる。
金属板6bの垂下部27bにも同様に支持部材65が取り付けられる。
【0071】
そして被覆部材5の一方の端部から内部空間26内に金属板6aの傾斜端部29a側を挿入し、被覆部材5の他方の端部から内部空間26内に金属板6bの傾斜端部29b側を挿入すると、
図14に示すように物品載置部材4が構成される。
図14に示す物品載置部材4は、各金属板6a、6bの垂下部27a、27bが、被覆部材5の開口25(
図15)側に配置されている。また、物品載置部材4の両端に垂下部27a、27bが配置される。
【0072】
駒部材7は一般にスライドシュー又はマウスと呼ばれ、
図16に示すように筐体32、平板33,69、板ばね36、ボルト34、ナット35及び当接部11を有する。
【0073】
筐体32は、耐摩耗性及び摺動特性の優れた熱可塑性樹脂等で形成されている。また筐体32は、挿通部37、垂直ガイド38a,38b、底壁39、側壁41a,41b、上壁42、押圧面201を有する。筐体32の内部には空洞部43が形成されている。空洞部43は、前述の物品載置部材4を挿通させる部位である。すなわち、駒部材7の空洞部43に物品載置部材4が挿通されており、駒部材7は物品載置部材4に沿って円滑に移動することができる。
【0074】
筐体32における空洞部43の開口が形成される部位には、押圧面201(物品押圧部)が形成されている。押圧面201は、物品載置部材4上の物品に押圧される面である。平板33は、長方形形状を呈する薄板である。平板33の中央には孔33aが設けられている。
【0075】
当接部11は、ベアリングで構成される。当接部11の中央の軸挿通部113には回転軸として機能するボルト34が挿通されている。ボルト34は、
図17に示す様に、当接部11の軸挿通部113、板ばね36の孔36a、平板69の孔69a,筐体32の挿通部37,平板33の孔33aを貫通し、ナット35と螺合する。当接部11は、第一走行路85を通過する部位である。
【0076】
次に、物品仕分装置1の各部材同士の関係を説明する。
図3、4に示す様に、前記したチェーン駆動装置44a,44bは、基台2の両端近傍に固定されている。すなわち縦フレーム2a、2bの間に、チェーン駆動装置44a,44bが取り付けられている。より具体的には、縦フレーム2aの孔58a(
図5)にモータ内蔵ローラ20aの支軸48aが挿通されている。モータ内蔵ローラ20aの支軸48bは、同様に縦フレーム2bの対応する孔に挿通されている。よって、モータ内蔵ローラ20a(ローラ本体)は、縦フレーム2a,2bで回転可能に支持される。モータ内蔵ローラ20b(ローラ本体)も同様に、縦フレーム2a,2bに回転可能に支持されている。
【0077】
チェーン3a(無端軌道)は、モータ内蔵ローラ20aのスプロケット21aと、モータ内蔵ローラ20bのスプロケット21bに懸架されている。その際、チェーン3aに設けた複数対のピン51a,51bは、基台2の内側に突出するように配置される。同様にチェーン3b(無端軌道)は、モータ内蔵ローラ20aのスプロケット22aと、モータ内蔵ローラ20bのスプロケット22bに懸架されている。チェーン3bに設けた複数対のピン51a,51bも基台2の内側に配置されている。
すなわち、チェーン3aの各対のピン51a,51bと、チェーン3bの各対のピン51a,51bが各々対向する。
【0078】
また、チェーン3a,3bは、物品載置部材4の両端を支持している。物品載置部材4は複数(多数)あり、チェーン3a,3bは各物品載置部材4(4a,4b,・・・)の両端を支持している。その結果、
図1、2に示す様に、多数の物品載置部材4(4a,4b,・・・)が連続的に近接配置されている。各物品載置部材4(4a,4b,・・・)の上面は、搬送物である物品96を載置する載置面として機能する。
【0079】
チェーン3aのピン51a,51b(
図3、
図15)は、物品載置部材4の金属板6bの長孔28bと支持部材65の長孔65bを挿通しており、チェーン3bのピン51a,51bは、物品載置部材4の金属板6aの長孔28aと支持部材65の長孔65bを挿通している。ピン51aとピン51bの間隔は、長孔28aの開口の長さと略一致している。よって、長孔28a,65bにピン51a,51bが挿通されて、チェーン3a,3bに対して物品載置部材4が固定されている。ピン51a,51bは、金属板6a,6bの長孔28a,28bに加えて金属板6a,6bに装着された支持部材65の長孔65bを挿通しているため、物品載置部材4に対する姿勢が安定している。
【0080】
モータ内蔵ローラ20a,20bは同期して回転する。よってチェーン3a,3b(2つの無端軌道)は、円滑に循環走行する。なお本実施の形態では、2つのモータ内蔵ローラ20a,20bで2つのチェーン3a,3b(2つの無端軌道)を駆動するように構成したが、一方(例えばモータ内蔵ローラ20b)を、駆動源をもたない従動連結軸とすることもできる。
【0081】
物品載置部材4が並べられた上部側平面の下に、前記した切換誘導装置10が配置されている。すなわち、切換誘導装置10のセットスイッチ部材12の各平行出し用誘導部材13a〜13fと、支持板73に固定した平行出し用ガイド16a〜16fとが同じ高さとなるように、切換誘導装置10は上部側平面の下に配置されている。
【0082】
次に本実施形態の物品仕分装置1の動作について説明する。
物品仕分装置1は、前記した
図19、
図20に示すようにコンベア装置100の一部を構成するものである。すなわち
図19、
図20に示すようにコンベア装置100は、上流側コンベア97、物品仕分装置1、下流側コンベア98、分岐側コンベア99を備えている。
【0083】
また前記した上流側コンベア97、物品仕分装置1、下流側コンベア98、分岐側コンベア99は、いずれも自己のゾーン(コンベア)に物品96があり、下流側のゾーン(コンベア)に物品96が存在しないか、あるいは下流側のゾーン(コンベア)が駆動していることを条件として駆動する。例えば上流側コンベア97に物品があり、下流の物品仕分装置1に物品が無い場合に上流側コンベア97が起動する。そのため、各ゾーンには物品96の有無を検知する在荷センサ261乃至264が設けられている。
【0084】
また上流側コンベア97には、物品96の搬送先を検知する搬送先読み取り装置267が設けられており、物品96の搬送先が、下流側コンベア98であるのか、分岐側コンベア99であるのかが判定される。そして、図示しない制御装置による制御によって、各コンベアが必要に応じて駆動される。
【0085】
物品仕分装置1において、モータ内蔵ローラ20a、20bを駆動すると、チェーン3a,3bに結合された物品載置部材4が上流側から下流側へ走行する。このとき、駒部材7の当接部11(係合部)は、第一走行路85(
図5)を通過し、裏面側走行路94を通って第一走行路85の上流側端部に戻る。
【0086】
ここで第一走行路85、裏面側走行路94とは、
図23に模式的に示す経路である。第一走行路85と裏面側走行路94は、垂直壁部56aに沿っており、循環移動する駒部材7の当接部11は、基台2の縦フレーム2aの垂直壁部56aに沿って移動する。
【0087】
上流側コンベア97に到達した物品96が、下流側コンベア98に搬送すべきものである場合には、切換誘導装置10の昇降装置8は作動させず、セットスイッチ部材12が、第一走行路85の下方に退避した状態が維持される。すなわち、第一走行路85には、駒部材7の当接部11の障害となるものは存在しない。そのため、駒部材7の当接部11は、第一走行路85を直進する。その結果、上流側コンベア97から物品仕分装置1に移動した物品96は、物品載置部材4上に載置され、駒部材7に搬送方向を変更されることなく、そのまま下流側コンベア98側へ搬送される。
【0088】
物品載置部材4は、基台2の裏面側(下側)を通過して上流側端部に戻る。そして同様に、駒部材7は、
図23に示す様に、第一走行路85の下流側端部から裏面側走行路94を通り、第一走行路85の上流側端部に戻る。
【0089】
一方、上流側コンベア97に到達した物品96が、分岐側コンベア99に仕分けられるべきものである場合には、昇降装置8を作動させ、
図11(a)に示す状態から
図11(b)に示す状態に切換誘導装置10を切り換える。すなわち、セットスイッチ部材12を上昇させ、第一走行路85に配置する。セットスイッチ部材12の第一走行路85への出没は、昇降装置8によって切り換えられる。
【0090】
より詳細には、昇降装置8を作動させると、梃子53の力点53b(可動鉄心52a)が下がり、作用点53c側が、セットスイッチ部材12をリフトする。その結果、セットスイッチ部材12の当接部12bが上昇して第一走行路85に配置される。このとき、第一走行路85に配置された当接部12bの当接面54は、第一走行路85の上流側を向いている。
図18(a)に示す状態では、切換誘導装置10は、誘導部80a〜80fを第一走行路85から退避させた通過姿勢となっている。
【0091】
図18(a)に示す様に、物品載置部材4aに装着されている駒部材7aの当接部11a(係合部)が、セットスイッチ部材12を通過する直前で、図示しない制御装置が、昇降装置8を作動させる。ここで駒部材7aは、セットスイッチ部材12を通過していない物品載置部材4のうちの、セットスイッチ部材12に最も近い物品載置部材4aに装着されている。第一走行路85を移動する当接部11aは、第一走行路85上に配置された当接部12bの当接面54に当接する。
【0092】
駒部材7aの当接部11aは、モータ内蔵ローラ20a、20bで駆動されており、セットスイッチ部材12の当接面54を押圧する。その結果、
図18(b)に示す様に、セットスイッチ部材12が軸部材23fを中心に回動し、セットスイッチ部材12の当接部12bが、第一走行路85から押しのけられる。
【0093】
そして、軸部材23fが回動によって、軸部材23fに装着されている平行出し用誘導部材13fが回動移動し、第一走行路85に配置される。また、ギヤ70、71が係合していることにより、軸部材40も同時に回動し、当接部材91の当接面91aが第一走行路85に配置される。さらに、軸部材23fは、軸部材23a〜23eとリンク装置14で接続されており、軸部材23fと共に同方向へ回動し、
図18(b)に示す様に、平行出し用誘導部材13fの誘導部80fと共に、平行出し用誘導部材13a〜13eの誘導部80a〜80eが、第一走行路85に配置される。すなわち、切換誘導装置10は、駒部材7b〜7gの当接部11b〜11gを、平行出し用ガイド16a〜16f側に導く誘導姿勢をとる。
【0094】
駒部材7a〜7gの当接部11a〜11gは、所定間隔を保ちながら上流側から下流側へ移動する。そして、
図18(c)に示す様に、駒部材7aを除いた駒部材7b〜7gは、平行出し用誘導部材13a〜13fに沿って平行出し用ガイド16a〜16fへ移動し、
図18(d)に示す様に、平行出し用ガイド16a〜16fに沿って第一走行路85側から第二走行路92へ移動する。その結果、駒部材7b〜7gは、物品載置部材4上を移動(摺動)し、物品載置部材4上の物品96は、各駒部材7b〜7gによって分岐側コンベア99へ押し出され、仕分される。
【0095】
このときの駒部材7aを除いた各駒部材7b〜7g(当接部11b〜11g)は、
図24に示す様に、第一走行路85、平行出し用ガイド16a〜16f、第二走行路92、戻り走行路116(裏面側ガイド62)を経由して第一走行路85の上流側に戻る。一方、駒部材7a(当接部11a)は、
図23に示す第一走行路85から裏面側走行路94を通って第一走行路85の上流側へ戻る。
【0096】
また、
図18(c)に示す様に、駒部材7b〜7gの当接部11b〜11gが、平行出し用ガイド16aから16f側に導かれた直後、駒部材7aの当接部11aが第一走行路85を直進し、リセット装置15の当接面91aに当接し、且つ、押圧する。そして当接部11aは当接面91aを押しのけ、当接部材91が軸部材40及びギヤ71と共に回動し、
図18(d)に示す様に、当接面91aが第一走行路85から退避する。
【0097】
また、ギヤ71と咬み合っているギヤ70が回動し、ギヤ70と一体の軸部材23fが回動する。その結果、軸部材23fと一体の導出部材83fが回動し、リンク装置14によって、各軸部材23a〜23eも同時に回動し、各平行出し用誘導部材13a〜13fの誘導部80a〜80fが、
図18(d)に示す様に、第一走行路85から退避する。そして、セットスイッチ部材12の当接部12bの当接面54が、再び第一走行路85に配置される。
【0098】
ここで、図示しない制御装置は、昇降装置8によってセットスイッチ部材12の当接部12bを下降させ、当接部12bを第一走行路85の下方へ退避させる。このとき、切換誘導装置10は、誘導姿勢から通過姿勢に戻っている。そして、図示しない制御装置は、次に上流側コンベア97から搬送されてくる物品96の搬送先を検出し、昇降装置8を作動させるか否かを判断する。
【0099】
ここで、昇降装置8を作動させ、セットスイッチ部材12の当接部12bを第一走行路85まで上昇させる際、仮に、そのタイミングが遅くなり、駒部材7aの当接部11aが、セットスイッチ部材12の当接部12bの当接面54に当接せず、当接部12bで突き上げられた場合について考える。
【0100】
駒部材7aと一体の物品載置部材4は、チェーン3a,3bによって支持されている。そして当然チェーン3a,3bには隙間が存在していて弛みがある。そのため二つのスプロケット21a,22a(21b,22b)に懸架されたチェーン3a,3bの中間部は、当然に上下方向の自由度があり、物品載置部材4は上方に移動することができる。そのためセットスイッチ部材12の当接部12bに突き上げられた駒部材7aの当接部11aは、上方に逃げて当接部12bに乗り上げ、当接部12bを難なく通過する。そのため当接部11が致命的な引っ掛かりを起こすことは無く、物品載置部材4は走行を維持する。
【0101】
そして、
図18(a)に示す駒部材7aの次の駒部材7bが、セットスイッチ部材12の当接面54に当接し、当接部12bを押しのける。その後の動作は、上述の通りである。
【0102】
先に出願した発明の物品仕分装置は、搬送路の幅が物品の幅に対して十分に広い場合に、搬送路の片側に各物品を幅寄せして一列に整列させる場合にも使用できる。すなわち、搬送路に対して傾斜する分岐ガイドを、途中で搬送路と平行になるように構成する。その結果、各物品載置部材に設置された駒部材は、下流側へ進むにつれて無端軌道の走行方向と直交する方向にも移動し、駒部材が無端軌道の走行方向と平行な部位に達すると、以降は無端軌道の走行方向と直交する方向への移動はなくなり、各物品は物品載置部材上で一列に整列する。そして、下流側コンベアへ搬送される。
【0103】
よって作業者は、下流側コンベアの片側にいて手を延ばさなくても物品に手が届き、作業能率が向上する。また、物品仕分装置の下流側コンベアの搬送幅は、物品仕分装置や上流側コンベアの搬送幅よりも小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。
【0104】
また、物品仕分装置1は、物品96を斜行出しすることもできる。
物品96を斜行出しする際には、
図21(a)、(b)に示す斜行出し用誘導部材17と前述の斜行出し用ガイド18を使用する。
【0105】
図21(a)、(b)に示す様に、斜行出し用誘導部材17は、厚肉の円板状の装着部105と、先細りした細長いブロック状の誘導部110とを有する。装着部105には、孔106が設けられている。孔106には軸部材23gが挿通される。軸部材23gの下端は、支持部材19及び軸受112によって支持されている。また、軸部材23gの中央付近が支持板73に装着された軸受82gによって支持されている。斜行出し用誘導部材17は、軸部材23gに沿って上下移動が可能である。
【0106】
図4に示す様に、基台2には、平行出し用の昇降装置8に隣接して昇降装置9が設置されている。昇降装置9は、昇降装置8と同じ構成を有している。すなわち、昇降装置9は、
図21に示す様に、ソレノイド109と梃子107とで構成されている。梃子107の支点107aは、支持部材121と軸部材122を介して、基台2の縦フレーム2aと一体の支持板73に固定されている。すなわち、軸部材122は、基台2に固定されて梃子107の支点107aを構成する。
【0107】
梃子107の力点107bは、基台2の外側に配置されており、作用点107cは基台2の内側に配置されている。ソレノイド109は、基台2の水平壁部57b上に載置され且つ固定されており、上下に駆動される可動鉄心108aが、梃子107の力点107bに連結されている。梃子107の作用点107cには、斜行出し用誘導部材17の誘導部110が載置されている。
【0108】
斜行出し用誘導部材17の誘導部110は、梃子107の作用点107cに支持されており、作用点107cの上下移動に伴って、誘導部110は軸部材23gに沿って上下移動する。普段は、誘導部110は、第一走行路85の下方に退避している。そして、昇降装置9を作動させると、誘導部110が上昇して第一走行路85に配置される。
【0109】
図22に示す上流側コンベア97から搬送されてきた物品96が、分岐側コンベア99へ仕分けられる際、図示しない制御装置は、昇降装置9を作動させ、軸部材23gに沿って誘導部110を上昇させ、誘導部110を第一走行路85に配置する。物品96を載置した物品載置部材4に装着された駒部材7aの当接部11aは、誘導部110に当接し、誘導部110に沿って移動し、斜行出し用ガイド18に導かれる。
【0110】
駒部材7aに続く駒部材7b〜7fの当接部11b〜11fも、同様に誘導部110から斜行出し用ガイド18に導かれる。各当接部11a〜11f(駒部材7a)は、斜行出し用ガイド18に沿って移動し、物品載置部材4上の物品96を、
図22に示す様に、進行方向に対して分岐側コンベア99へ押し出す。そして、分岐側コンベア99へ仕分けられた物品96は、向きが90度変更された状態で分岐側コンベア99から先のコンベアに向けて搬送される。
【0111】
このときの当接部11a(駒部材7a)〜11f(駒部材7f)の移動経路は、
図25に示す通りである。すなわち、当接部11a〜11fは、順に第一走行路95から斜行出し用ガイド18に沿って第二走行路92へ移動し、第二走行路92から裏面側ガイド62で構成される戻り走行路116を経由して第一走行路95の上流側に戻る。
【0112】
斜行出しを終了するには、図示しない制御装置が、昇降装置9によって誘導部110を下降させ、誘導部110を第一走行路85から退避させる。これにより、各駒部材7の当接部11は第一走行路85上を直進することができるようになる。
以上が先に出願した物品仕分装置1の説明である。
【0113】
発明者は、上記した発明を背景に、構成部材の低減、構造の簡略化を図って本発明の物品仕分装置400の開発に至った。すなわち、物品仕分装置1と同様の昇降機能を備えつつ、切換誘導装置10の構造を簡略化した構造を模索し、本発明の物品仕分装置400を導き出した。以下、物品仕分装置400について説明する。なお、上記した内容と重複する部分については、説明を省略する。なお、以下の説明において、特に断りがない限り、切換誘導装置300の上下の位置関係は、
図26の姿勢(通過姿勢)を基準に説明する。
【0114】
物品仕分装置400は、物品仕分装置1と同様、コンベア装置100の一部を形成するものである。物品仕分装置400は、
図27のように切換誘導装置300と斜行出し用誘導部材320を備えている。
【0115】
切換誘導装置300は、上記した実施形態と同様、
図31のように誘導部305a〜305fを第一走行路85から退避させた通過姿勢(
図31(a))と、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fを、平行出し用ガイド16a〜16f側に導く誘導姿勢(
図31(b))をとるものである。
【0116】
切換誘導装置300は、
図28のように、モータ内蔵ローラ301と、カム部材302と、昇降板303と、ヒンジ部306と、固定板307等を有する。
モータ内蔵ローラ301は、公知のモータ内蔵ローラである。
カム部材302は、所謂偏心カムであり、中心からずれた位置に軸孔304が形成されている。具体的には、カム部材302は、
図30のように正面視すると、円形状の板状体であり、軸孔304の中心がカム部材302の中心からリフトHだけずれた位置に設けられている。すなわち、最大径(軸孔304から最も遠い周縁(円弧)までの距離)と最小径(軸孔304から最も近い周縁までの距離)の差が後述する昇降板303(
図3(a)参照)の傾斜高さと同程度となっている。言い換えると、カム部材302の周縁上の最大径となる部位とカム部材302の周縁上の最小径となる部位を結んだ線は、カム部材302の軸孔304を通っており、前記最大径となる部位と前記最小径となる部位は、軸孔304を挟んで対向している。
また、軸孔304には、モータ内蔵ローラ301の回転軸が挿通可能となっている。
【0117】
昇降板303は、
図28,
図32のように、取り付け部306a,306bを接続するヒンジ軸306cを介して回動可能な平板状の部材である。
昇降板303は、
図28,
図29のように本体部310と、誘導部305a〜305fと、弾性部材312から形成されている。
【0118】
本体部310は、平面視すると長方形状の板状の部位であり、昇降板303の骨格となる部位である。
【0119】
誘導部305a〜305fは、
図26,
図28のように切換誘導装置300の組み立て時において、内側(平行出し用ガイド16a〜16f側)から外側(チェーン3a,3b側)に向けて先細りしたブロック状の部材である。
誘導部305a〜305fは、
図28のように流路形成部308と、降下阻止用係合部309(降下阻止用係合部)を有している。流路形成部308は、平面視すると、弓状をした部位である。
降下阻止用係合部309は、平行出し用ガイド16a〜16fの延伸方向に延びたフランジである。
【0120】
誘導部305(305a〜305f)についてさらに説明すると、
図39のように、誘導部305は、降下阻止用係合部309を備えた当接領域350と、当接領域の外側であって駒部材7の流れを内側に流す方向変更領域351を有している。
誘導部305の当接領域350は、ほぼ直線状に延伸しており、方向変更領域351は、当接領域350側から外側に向かって、搬送方向の上流側に緩やかに湾曲している。
誘導部305の当接領域350に位置する降下阻止用係合部309は、誘導部305の上下方向の上端であって、かつ当接領域350全体に亘って設けられている。また、降下阻止用係合部309は、誘導部305の搬送方向の上流側(当接部11の進入方向上流側)に設けられている。
誘導部305の上下方向の上端であって、降下阻止用係合部309と反対側の角部には、面取りがなされており、面取り部352が形成されている。すなわち、面取り部352は、誘導部305の搬送方向の下流側(当接部11の進入方向下流側)に設けられている。
面取り部352は、傾斜面であって、他の部分の面取りよりも遙かに大きな面取りがなされている。
【0121】
誘導部305a〜305fの先端側(迎え側)に位置する降下阻止用係合部309は、後述する降下制止機能を有した部位であり、本体部310と段状に連続した部位である。
降下阻止用係合部309の厚みは、本体部310の厚みより薄く、駒部材7の当接部11と板ばね36の間の隙間に嵌挿可能な厚みとなっている。
【0122】
各誘導部305a〜305fは、
図28のように本体部310上に等間隔に所定の間隔を置いて並設されており、本体部310上に公知の締結要素等によって一体的に固定されている。
具体的には、各誘導部305a〜305fは、本体部310の天地方向上面に位置しており、各誘導部305a〜305fは平行に並んでおり、さらに、平行出し用ガイド16a〜16fに対して平行に並んでいる。さらに詳細には、後述する誘導姿勢(先の発明の誘導姿勢に対応)において、平行出し用ガイド16a〜16fの延伸方向(長手方向)の延長上に誘導部305a〜305fがそれぞれ配されている。
すなわち、誘導部305a〜305fの長手方向は、チェーン3a、3b(無端軌道)の上側(表側)の走行方向に対して平行な成分(内外成分)と垂直な成分(搬送成分)を有している。
【0123】
弾性部材312は、
図28,
図31のように板状の弾性本体部315と、弾性本体部315を昇降板303に対して所定の間隔を空けて固定する間隔維持部材316から形成されている。
弾性本体部315は、具体的には板ばねであり、
図31のように間隔維持部材316に固定される固定部317と、弾性部318から形成されている。すなわち、弾性本体部315(固定部317)は、昇降板303の本体部310の下面に間隔維持部材316を介して固定されており、弾性本体部315は間隔維持部材316によって片持ち状に支持されている。言い換えると、弾性本体部315と本体部310の下面との間には空間が形成されている。
弾性部材312は、本体部310の内外方向(幅方向)の外側に取り付けられている。
【0124】
昇降板303の長手方向両端に位置するヒンジ部306に目を移すと、ヒンジ部306は、公知のヒンジであり、
図29のように昇降板303と支持板72を接続し、昇降板303を支持板72に対して揺動可能とする部材である。
ヒンジ部306は、
図32のように取り付け部306a,306bと、取り付け部306a,306bを接続するヒンジ軸306cから形成されている。
【0125】
固定板307(
図28参照)は、昇降板303を横フレーム2c,2d(
図27参照)に固定するための板部材であり、横フレーム2c,2dに公知の締結要素によって固定可能となっている。固定板307は、モータ内蔵ローラ301を取り付け可能となっている。
【0126】
ここで、駒部材7a〜7gについての説明を付言すると、駒部材7a〜7gの当接部11(係合部)は、自由回転可能な回転体となっている。すなわち、駒部材7a〜7gの当接部11は、
図36に示すように中心軸345と周面部346と端面部347を有している。そして、切換誘導装置300を組み立てた姿勢においては、中心軸345が筐体32に対して略垂直姿勢に垂下されており、周面部346が平行出し用ガイド16a〜16f又は誘導部305a〜305fと接触可能となっている。
【0127】
以下、切換誘導装置300の各姿勢における各構成部材の位置関係について説明する。なお、説明の都合上、まず通過姿勢について説明する。
切換誘導装置300は、その殆どが固定板307の天地方向の投影面上に設置されている。固定板307上にモータ内蔵ローラ301が取り付けられており、モータ内蔵ローラ301の回転軸は、物品載置部材4(
図1参照)の長手方向に対して直交する方向を向いている。モータ内蔵ローラ301の回転軸には、カム部材302が取り付けられている。
図31(a)に示すように通過姿勢においては、カム部材302の周縁上の最大径となる部位が下方向を向いており、カム部材302の周縁上の最小径となる部位が上方向を向いている。
すなわち、昇降板303の本体部310は、取り付け部306a、306bを接続するヒンジ軸306cを支点として傾斜している。具体的には、昇降板303の本体部310は、内側(ヒンジ部306側)から外側(誘導部305a〜305f側)に向けて下り傾斜している。
図31(a)に示される昇降板303の本体部310の傾斜角度θは、10度程度となっており、緩やかな傾斜となっている。そして、誘導部305a〜305fの頂点は、駒部材7の当接部11よりも低い位置となっている。
要するに、誘導部305a〜305fは、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fに接触しておらず、第一走行路85上に突出(上昇)していない。そのため、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fの移動が妨げられず、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fは、第一走行路85を通過可能となっている。
【0128】
横フレーム2c,2dには、固定板307が取り付けられており、固定板307の天地方向の上方であって、支持板72には取り付け部306a,306bを介して昇降板303が取り付けられている。
昇降板303は、カム部材302上に載置されており、本体部310とカム部材302との間には、弾性部材312が介在している。すなわち、カム部材302から受ける動力は、弾性部材312を介して本体部310に伝達される。
【0129】
続いて、誘導姿勢について説明する。
誘導姿勢では、
図31(b)のようにカム部材302の周縁上の最小径となる部位が下方向を向いており、カム部材302の周縁上の最大径となる部位が上方向を向いている。すなわち、通過姿勢のカム部材302に比べて、カム部材302の頂点は高い位置にある。具体的には、カム部材302のリフトH(
図30参照)の分だけ高い位置にある。
昇降板303は、カム部材302上に載置されており、カム部材302によって弾性部材312が押圧されている。そして弾性部材312の弾性力によって本体部310が押し上げられている。
そのため、昇降板303の本体部310は、取り付け部306a,306bを接続するヒンジ軸306cを支点としてほぼ水平となっている。そして、誘導部305a〜305fの頂点は、駒部材7の当接部11よりも高い位置となっている。
要するに、誘導部305a〜305fは、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fに接触可能となっており、第一走行路85上に突出している。そのため、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが誘導部305a〜305fに当接することで、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fの軌道を平行出し用ガイド16a〜16f側に変更することが可能となっている。
【0130】
切換誘導装置300における仕分け動作の際には、上記したような通過姿勢と、誘導姿勢をとる。そして、切換誘導装置300における仕分け動作の際には、搬入される物品96(
図22参照)に応じてモータ内蔵ローラ301を作動させ、通過姿勢と誘導姿勢を切り替える。
以下、この切換誘導装置300における仕分け動作について説明するが、上記した実施形態の動作とほとんど同様であるため、簡潔に説明する。
【0131】
上流側コンベア97に到達した物品96が、下流側コンベア98に搬送するものである場合には、切換誘導装置300は作動させず、各誘導部305a〜305fは、第一走行路85の下方に退避した状態が維持される(通過姿勢)。
通過姿勢においては、第一走行路85には、上記したように駒部材7の当接部11の障害となるものは存在しない。そのため、駒部材7の当接部11は、第一走行路85を直進する。
その結果、上流側コンベア97から物品仕分装置400に移動した物品96は、物品載置部材4上に載置され、駒部材7に搬送方向を変更されることなく、そのまま下流側コンベア98側へ搬送される。物品載置部材4は、基台2の裏面側(下側)を通過して上流側端部に戻る。そして同様に、駒部材7は、
図23に示すように、第一走行路85の下流側端部から裏面側走行路94を通り、第一走行路85の上流側端部に戻る。
【0132】
一方、上流側コンベア97に到達した物品96が、分岐側コンベア99への仕分け対象である場合には、モータ内蔵ローラ301を作動させ、
図31(a)に示す状態(通過姿勢)から
図31(b)に示す状態(誘導姿勢)に切換誘導装置300を切り換える。すなわち、モータ内蔵ローラ301を回転させることによるカム機構を利用し、各誘導部305a〜305fを第一走行路85に配置する。
【0133】
より詳細には、モータ内蔵ローラ301を作動(正回転)させると、回転軸の回転によって、カム部材302が回転し、上記したようにカム部材302の頂点の位置がリフトHの分だけ高くなる。
その結果、弾性部材312を介して本体部310に動力が伝わり、本体部310が傾斜する。それに伴って、誘導部305が上昇して第一走行路85に配置される。
このとき、第一走行路85に配置された誘導部305a〜305fの降下阻止用係合部309は、第一走行路85の上流側を向いており、かつ水平方向を向いている。具体的には、誘導部305a〜305fの降下阻止用係合部309は、それぞれ駒部材7の板ばね36と当接部11との間に形成された空間(
図17参照)に対応する高さとなっている。
このように、誘導姿勢においては、誘導部305a〜305fが上昇して第一走行路85に配置されるため、駒部材7の当接部11は、誘導部305a〜305fに誘導されて、平行出し用ガイド16f〜16aに移動する。
【0134】
そして、上記した実施形態と同様、各駒部材7は、平行出し用ガイド16a〜16fに沿って第一走行路85側から第二走行路92へ移動する。その結果、駒部材7a〜7fは、物品載置部材4上を移動(摺動)し、物品載置部材4上の物品96は、各駒部材7a〜7fによって分岐側コンベア99へ押し出され、仕分される。
【0135】
誘導姿勢から通過姿勢に戻す際には、モータ内蔵ローラ301を逆回転させて、カム部材302の位置をリフト(カム部材302の中心からのずれ)の分だけ低くする。
その結果、本体部310が水平となり、誘導部305a〜305fが下降して第一走行路85から退避する。
【0136】
ここで、通過姿勢から誘導姿勢に切り替わる際に、誘導部305a〜305fが上昇する際に、誘導部305a〜305fの上方に駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが位置してしまうと、誘導部305a〜305fが駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fを押し上げてしまう場合がある。
例えば、
図33のように誘導部305a〜305fの上方に駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが位置する場合、モータ内蔵ローラ301の動力によって、カム部材302が回転し、それに伴い、弾性部材312に押し上げる力が働く。そのため、誘導部305a〜305fが押し上げられ、誘導部305a〜305fが第一走行路85上に突出する。
一方、駒部材7a〜7f側からみると、駒部材7a〜7fの重量によって誘導部305a〜305fは押さえつけられている。すなわち、誘導部305a〜305fに双方の力が働くことによって、衝撃音が生じるとともに、チェーン3a,3bにたわみが生じるおそれがある。
そこで、本実施形態の切換誘導装置300では、昇降板303に弾性部材312を備えることによって、
図34のように弾性部材312がモータ内蔵ローラ301による押し上げる力と駒部材7a〜7fの重量の押さえつける力を緩衝し、誘導部305a〜305fが駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fを押し上げる力を緩和している。そのため、衝撃音が発生せず、チェーン3a,3bのたわみを抑制する。
また、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが誘導部305a〜305f上を通過した直後には、面取り部352が設けられているため、緩やかに駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが落下し、衝撃音が発生しない。
【0137】
また、分岐側コンベア99への仕分け対象の物品96の後に続く物品96が下流側コンベア98に搬送するものである場合には、誘導姿勢から通過姿勢に戻す必要がある。そこで、本実施形態の切換誘導装置300は、誘導姿勢に変更後、所定の時間が経過すると、モータ内蔵ローラ301が作動し、通過姿勢に戻す構成となっている。
ところが、誘導姿勢から通過姿勢に変更する際に、物品96の搬送速度に比べてモータ内蔵ローラ301によるカム部材302のタイミングが早いため、昇降板303上の誘導部305a〜305fが急激に下降する場合がある。例えば、誘導部305の下降時に駒部材7a〜7fが、平行出し用ガイド16b〜16fと昇降板303との境界部位に位置する場合がある。この場合、平行出し用ガイド16b〜16fと昇降板303との間で段差が生じ、駒部材7a〜7fが不安定となる。
【0138】
そこで、本実施形態の切換誘導装置300は、誘導部305に降下阻止用係合部309を備えている。誘導部305a〜305fの降下阻止用係合部309は、
図35,
図36のように誘導姿勢において、駒部材7の当接部11と板ばね36との間の隙間に嵌挿可能となっている。具体的には、誘導部305a〜305fの降下阻止用係合部309は、駒部材7a〜7gの当接部11の端面部347と係合可能となっている。
そのため、平行出し用ガイド16b〜16fと昇降板303との間で段差が生じた際には、駒部材7a〜7fが昇降板303上に位置する状態においては、端面部347に降下阻止用係合部309が係合し、駒部材7a〜7fによって昇降板303が支持される。そのため、カム部材302の周縁上の最大径となる部位が下方向を向いている場合(カム部材302の周縁上の最小径となる部位が上方向を向いている場合)であっても、昇降板303が下降しない。一方、駒部材7a〜7fが平行出し用ガイド16b〜16fの位置まで進行した状態においては、誘導部305の降下阻止用係合部309と、駒部材7との係合が解除されて誘導部305が下降する。
【0139】
この点について更に詳細に説明する。すなわち、降下阻止用係合部309の作用を詳細に説明する。
誘導部305’に降下阻止用係合部309が無い場合における当接部11の通過軌跡は、
図40の通りであり、昇降板303(
図40には図示せず)が上昇して第一走行路85に誘導部305’が出現した状態で当接部11が第一走行路85を流れると、時刻Aで当接部11が誘導部305’の方向変更領域351に当接し、誘導部305に沿って斜め方向に走行する。すなわち、当接部11は、チェーン3a,3bの走行に伴って、下流側に移動しようとするが、誘導部305’と当接することによって、中央方向に向かう分力が生じ、誘導部305’に沿って斜め方向に走行する。
そして当接部11は、時刻Bのときに誘導部305の当接領域350に至る。さらに当接部11は、時刻Cのときに誘導部305と平行出し用ガイド16との境界部分を通過して平行出し用ガイド16に入り、時刻D以降は、平行出し用ガイド16に沿って斜め方向に進行する。
【0140】
上記した時刻Aから時刻Dに至る間に、昇降板303は上昇状態を維持していることが必要である。仮に
図41のように、時刻Cの段階で昇降板303が降下してしまうと、誘導部305’が下がって当接部11との係合関係が解消する。そのため当接部11の中央方向に向かう分力が消失し、当接部11は、チェーン3a,3bの走行に伴って真っ直ぐ下流側に進むこととなる。その結果、当接部11は、平行出し用ガイド16の突端部分と衝突し、平行出し用ガイド16の突端部分に乗り上げ、故障の原因となる。
【0141】
これに対して本実施形態で採用する誘導部305は、当接領域350に降下阻止用係合部309が設けられているから、時刻Bで当接部11が誘導部305の当接領域350に至ると、当接部11の端面部347(
図42,
図43には図示せず)が降下阻止用係合部309と係合し、
図42,
図43のように昇降板303の降下を阻止する。そのため、時刻Cで、当接部11が誘導部305と平行出し用ガイド16との境界部分に至った際にも昇降板303は上昇状態を維持する。すなわち、たとえ時刻BからCの間にモータ内蔵ローラ301が回転し、カム部材302の最大径となる位置が下方向に向くこととなっても昇降板303は降下せず、当接部11は誘導部305と係合し続ける。そのため、時刻Cのときに誘導部305と平行出し用ガイド16との境界部分を通過して平行出し用ガイド16に入り、時刻D以降は、平行出し用ガイド16に沿って斜め方向に進行する。
このように、駒部材7a〜7fの通過時においては、誘導部305a〜305fが下降せず、水平状態を維持しているため、駒部材77a〜7fがガタつくことなく、スムーズに移動することできる。また、モータ内蔵ローラ301を速く回転させても、誘導部305a〜305fの姿勢を維持できるため、制御しやすい。
【0142】
また、本実施形態の物品仕分装置400も上記した先の物品仕分装置1と同様、物品96を斜行出しすることができる。
物品96を斜行出しする際には、
図27に示される斜行出し用誘導部材320と前述の斜行出し用ガイド18を使用する。
【0143】
斜行出し用誘導部材320は、
図37に示すように、骨格部321と、支持部322と、誘導部材323と、支持固定軸335と、誘導固定軸340とを有する。
骨格部321は、一枚の板部材を折り曲げ加工が施されて形成されている。骨格部321は、支持部322を固定する支持固定部330と、誘導部材323を固定する誘導固定部331を有している。
支持固定部330は、支持固定軸335を介して支持部322と接続されて支持部322を固定可能な部材であり、1本の支持固定軸335を挿通可能な支持固定孔341a,341bを有している。すなわち、支持固定孔341a,341bはそれぞれの中心が同一直線上に並んでいる。
誘導固定部331は、誘導固定軸340を介して誘導部材323と接続されて誘導部材323を固定可能な部材であり、1本の誘導固定軸340を挿通可能な誘導固定孔342a,342bを有している。すなわち、誘導固定孔342a,342bはそれぞれの中心が同一直線上に並んでいる。
誘導固定孔342a,342bは、支持固定部330の支持固定孔341a,341bと反対側に設けられている。言い換えると、支持固定孔341a,341bと誘導固定孔342a,342bは、骨格部321の対辺近傍に設けられている。
【0144】
支持部322は、誘導部材323を支持する部材であり、ソレノイド109の昇降に合わせて摺動可能な部材である。支持部322は、ソレノイド109と接続される昇降部332と、誘導部材323を押し上げ可能な押圧部333を有している。昇降部332と押圧部333との中間部には、支持固定軸335が挿入可能な挿通孔336a,336bを備えている。
【0145】
誘導部材323は、誘導部325と、本体部326から形成されている。誘導部325は、誘導部305(
図39)とほぼ同様の構成を備えた部位である。すなわち、誘導部325によって駒部材7の流れを変更可能となっている。
本体部326は、
図37のように金属板を折り曲げ加工を施して形成されており、天面部343と、天面部343の1対の対辺から下方向に折り曲げられた側壁部337a,337bと、当該対辺に挟まれた辺から下方向に折り曲げられた補強壁部338を有している。側壁部337a,337bはともに補強壁部338に対して内側(平行出し用ガイド16側)に向かって張りだしており、当該張り出し部分に誘導固定軸340を挿入可能な挿通孔339a,339bを有している。
【0146】
本実施形態の切換誘導装置300は、上記した実施形態(切換誘導装置10)と同様、斜行出し用誘導部材320においても、通過姿勢と、斜め出し姿勢をとる。以下、斜行出し用誘導部材320の各姿勢における各構成部材の位置関係について説明する。なお、説明の都合上、まず通過姿勢について説明する。
【0147】
図38(a)のように骨格部321の内側には誘導部材323が位置しており、さらにその内側には支持部322が位置している。骨格部321の支持固定孔341a,341bと支持部322の挿通孔336a,336bは同一直線上に並んでおり、一つの貫通孔を形成している。また、当該貫通孔に支持固定軸335が挿通されている。すなわち、支持部322は、支持固定部330に対して相対的に軸支されている。言い換えると、ソレノイド109の昇降動作に付随して、支持固定軸335を支点として揺動可能となっている。
また、誘導固定部331の誘導固定孔342a,342bと誘導部325の挿通孔339a,339bは同一直線上に並んでおり、一つの貫通孔を形成している。また、当該貫通孔に誘導固定軸340が挿通されている。すなわち、誘導部325は、誘導固定部331に対して相対的に軸支されている。言い換えると、ソレノイド109の昇降動作に付随して、誘導固定軸340を支点として揺動可能となっている。
【0148】
図38(a)のようにソレノイド109は、支持部322の昇降部332が水平となる高さまで上昇している。すなわち、支持部322は、ほぼ水平状態となっており、誘導部材323の本体部326もほぼ水平状態となっている。そのため、誘導部325の頂点は、駒部材7の当接部11よりも低い位置となっている。要するに、誘導部325は、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fに接触する高さに至っておらず、第一走行路85上に突出していない。駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fの移動が妨げられていないため、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fは、第一走行路85を通過可能となっている。
【0149】
続いて、斜め出し姿勢について説明する。
図38(b)のようにソレノイド109の下降しており、支持部322の昇降部332が引き下げられている。そして、上記したように支持固定軸335によって支持部322は骨格部321に対して固定されているため、支持部322が傾斜し、押圧部333がテコの原理によって押し上げられて、誘導部325を押圧している。誘導部材323においては、誘導部325が支持部322に押圧されているため、天地方向上向きに力が働き、誘導固定軸340を中心とした周方向に回転して誘導部325が上昇する。そのため、誘導部325の頂点は、駒部材7の当接部11よりも高い位置となっている。
要するに、誘導部325は、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fに接触する高さに位置しており、第一走行路85上に突出している。そのため、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fが誘導部325に当接することで、駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fの軌道を斜行出し用ガイド18側に変更することが可能となっている
【0150】
斜行出し用誘導部材320における斜行出しを行う動作の際には、上記したような通過姿勢と、斜め出し姿勢をとる。そして、切換誘導装置300における斜行出し動作の際には、物品96に応じて斜行出しを行う動作を作動させ、通過姿勢と斜め出し姿勢を切り替える。
以下、この切換誘導装置300における斜行出し動作について説明するが、上記した実施形態の動作とほとんど重複するため、簡潔に説明する。
図25に示す上流側コンベア97から搬送されてきた物品96が、分岐側コンベア99へ仕分けられる際、図示しない制御装置は、ソレノイド109を作動させて、誘導部325を第一走行路85に配置する。物品96を載置した物品載置部材4に装着された駒部材7aの当接部11aは、誘導部325に当接し、誘導部325に沿って移動し、斜行出し用ガイド18に導かれる。
【0151】
駒部材7aに続く駒部材7b〜7fの当接部11b〜11fも、同様に誘導部325から斜行出し用ガイド18に導かれる。各当接部11a〜11f(駒部材7a〜7f)は、斜行出し用ガイド18に沿って移動し、物品載置部材4上の物品96を、
図22に示す様に、進行方向に対して分岐側コンベア99へ押し出す。そして、分岐側コンベア99へ仕分けられた物品96は、向きが90度変更された状態で分岐側コンベア99から先のコンベアに向けて搬送される。
【0152】
斜行出しを終了するには、図示しない制御装置が、ソレノイド109によって誘導部325を下降させ、誘導部325を第一走行路85から退避させる。これにより、各駒部材7の当接部11は第一走行路85上を直進することができるようになる。
【0153】
上記した実施形態では、弾性部材312を本体部310とカム部材302との間に設けることによって、誘導部305a〜305fと駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fとの天地方向の衝突を緩和させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、誘導部305に弾性部材を備えても良い。また、
図44のように本体部310に弾性を持たせてもよい。
【0154】
上記した実施形態では、弾性によって誘導部305a〜305fと駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fとの天地方向の衝突を緩和させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、部材の上下動作によって緩和させてもよい。例えば、誘導部305a〜305fが、
図45のように駒部材7a〜7fの当接部11a〜11fとの衝突に合わせて天地方向下方に下がる(凹む)構造であってもよいし、モータ内蔵ローラが下がる構造であってもよい。
【0155】
上記した実施形態では、斜行出し動作の際にソレノイド109によって昇降させたが、本発明はこれに限定されるものでなく、昇降機能を有する装置であればよい。
【0156】
上記した実施形態では、カム部材302を180回転させて昇降したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カム部材302の回転角度は限定されない。例えば30度だけ回転させて昇降してもよい。この場合、カム部材302には、リフトを大きくすることができる観点から円形の偏心カムよりも
図46のような卵形の偏心カムを用いることが好ましい。
【0157】
上記した実施形態では、通過姿勢及び誘導姿勢において、カム部材302が常に弾性部材312と接触する場合について、説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、通過姿勢において、誘導部305a〜305fが第一走行路85上に突出していなければよい。すなわち、カム部材302が常に弾性部材212と接触していなくてもよい。