(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技場管理装置と、この遊技場管理装置を備える遊技場システムの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
[遊技場システム]
本実施形態に係る遊技場システム1は、
図1に示すように、遊技機10、台間機20、呼出しランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、遊技場管理装置60で構成されている。
これらの装置は、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介して接続され、遊技機10から出力された遊技に関する信号が、呼出しランプ30等を介して遊技場管理装置60へ送信されるようになっている。
以下、遊技場システム1を構成する各装置について詳述する。
【0017】
遊技機10は、パチンコ機10a、スロットマシン10b、パロット、アレンジボール、雀球等、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う各種の遊技機が含まれる。
【0018】
この遊技機10が実行可能な遊技の状態には、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態と、この通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態とがある。
ここで、遊技機10がパチンコ機10aの場合、このパチンコ機10aが実行可能な特別遊技状態には、特定遊技状態と、確変状態と、時短状態がある。
特定遊技状態とは、盤面に配設された始動口に入賞した遊技球を検出することで抽選を行い、この抽選の結果、大当りになると移行する遊技状態であって、盤面に配設され扉状に形成された大入賞口が所定時間及び所定回数開放されて、遊技球の入賞率が高まる遊技状態をいう。
【0019】
確変状態とは、パチンコ機10aの大当り抽選確率がアップした状態をいう。
時短状態とは、盤面中央の図柄表示手段の図柄が特定の組合せで停止すると、通常の大当り状態が発生するとともに、次回の大当りが発生するまでの間又は所定の回数、図柄表示手段の図柄の変動時間が短縮されるというもので、通常より多くの図柄抽選が行われることによって、次回の大当りを発生し易くするものをいう。
このように、パチンコ機10aは、複数種類の特別遊技状態を実行可能となっている。
【0020】
また、遊技機10がスロットマシン10bの場合、このスロットマシン10bが実行可能な特別遊技状態には、例えば、レギュラーボーナスゲーム(RB)、ビッグボーナスゲーム(BB)、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、アシストリプレイタイム(ART)などがある。
レギュラーボーナスゲーム(RB)とは、内部抽選の結果、RBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することで、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームと呼ばれる特定遊技状態が開始し、そのボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば百枚以上の遊技媒体が払い出される遊技状態をいう。
ビッグボーナスゲーム(BB)とは、内部抽選の結果、BBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することでボーナスゲーム(特定遊技状態)が開始し、このボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば数百枚の大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される遊技状態をいう。
【0021】
アシストタイム(AT)とは、リールの停止順や当選した小役に対応する図柄の組合せを遊技者に報知することで、その停止順で停止ボタンが押された場合に所定の入賞配列が揃う遊技状態をいう。
リプレイタイム(RT)とは、メダルの投入なしで次回のゲームが行えるリプレイ役(再遊技)が高確率で揃う遊技状態をいう。
アシストリプレイタイム(ART)とは、再遊技が高確率で発生するとともに、液晶表示器やランプなどによって、当選した小役に対応する図柄の組合せやリールの停止順が報知(アシスト)される遊技状態をいう。
このように、スロットマシン10bは、複数種類の特別遊技状態を実行可能となっている。
【0022】
さらに、遊技機10は、稼動に伴って生成する遊技信号を出力可能に構成されており、例えば、遊技機10がパチンコ機10aの場合には、
図2に示すように、このパチンコ機10aに投入された遊技球の数を示すアウト信号、パチンコ機10aから払出された遊技球の数を示すセーフ信号、所定の大当り状態を示す特賞信号、確変状態を示す確変信号、時短状態を示す時短信号、所定の可変表示装置の変動・停止ごとに出力されるスタート信号などの遊技信号を出力する。
【0023】
また、遊技機10がスロットマシン10bの場合には、そのスロットマシン10bの機種によって、出力される遊技信号の種類が異なる。
例えば、
図3に示すように、遊技媒体であるメダルの投入数を示すメダル投入信号と、メダルの払出数を示すメダル払出信号と、ビッグボーナスゲームであることを示すBB信号と、レギュラーボーナスゲームであることを示すRB信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10bがある。
また、
図4に示すように、メダル投入信号と、メダル払出信号と、ビッグボーナスゲームであること又はレギュラーボーナスゲームであることを示すBB+RB信号と、ARTであることを示すART信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10bがある。
【0024】
さらに、
図5に示すように、BB信号、ART信号、SBB信号のうちの二つの信号と、メダル投入信号と、メダル払出信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10bがある。なお、SBB信号とは、スーパービッグボーナスゲームであることを示す信号をいい、スーパービッグボーナスゲームとは、例えば、ビッグボーナス終了後にART状態への移行が保証されているボーナスゲームである。
そして、
図6に示すように、メダル投入信号と、メダル払出信号と、ART信号とを、遊技信号として出力するスロットマシン10bも存在する。
【0025】
また、遊技機10は、RAMの初期化作業が実行されたことを示すRAMクリア信号を出力可能に構成されている。
これら遊技信号及びRAMクリア信号は、遊技機10から出力されると呼出しランプ30に入力されるようになっている。
【0026】
台間機20は、遊技機10ごとに設置された装置であって、現金、プリペイドカード、会員カード(例えば、獲得した遊技媒体を預け入れ又は引き出し可能な貯玉会員カード)などの投入に基づいて所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を貸し出す遊技媒体の貸出装置である。
【0027】
呼出しランプ30は、遊技機10ごとに設置された装置であって、大当り回数、スタート回数などの遊技データを表示する液晶表示器や、店員を呼び出す際に操作される呼び出しボタン、この呼び出しボタンが操作されると点灯する呼び出し表示手段、遊技機10から入力された遊技信号やRAMクリア信号を台コンピュータ40へ送信する通信手段などを備えた構成となっている。
【0028】
台コンピュータ40は、遊技機10ごとに設けられる情報処理装置であって、呼出しランプ30から入力される遊技信号やRAMクリア信号を島コンピュータ50に中継する中継装置として機能する。
島コンピュータ50は、複数の台コンピュータ40と接続される上位の情報処理装置であって、台コンピュータ40から入力される遊技信号やRAMクリア信号を遊技場管理装置60に中継する中継装置として機能する。
【0029】
遊技場管理装置60は、複数の島コンピュータ50と接続される上位の情報処理装置であって、島コンピュータ50から送信された遊技信号やRAMクリア信号を受信するとともに、遊技信号にもとづいて所定の遊技情報を算出し、かつ、所定の遊技情報を集計管理する、いわゆるホールコンピュータである。
【0030】
このような各装置から構成される遊技場システム1において、遊技場管理装置60では、営業時間の終了後に、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出して出力表示部64に表示可能となっており、この表示内容を確認した遊技場の店員が、その表示された特別遊技状態遊技機をRAMの初期化作業が必要な遊技機10として選別して、効率的にRAM初期化作業を実行できるようになっている。
以下、このような特徴的な機能を発揮する遊技場管理装置60について説明する。
【0031】
[遊技場管理装置]
本実施形態の遊技場管理装置60は、遊技場の店員が入室可能な遊技場の管理室などに設置され、島コンピュータ50から出力された遊技情報を集計する、いわゆるホールコンピュータとして構成されている。
遊技場管理装置60は、
図7に示すように、島コンピュータ50から出力された遊技情報やRAMクリア信号を受信する通信手段からなる通信部61と、所定のプログラムやデータを記憶可能な記憶手段(例えば、不揮発性ROM、ハードディスク等)からなる記憶部62と、所定の情報や命令などを入力するためのキーボードやマウスなどの入力操作手段からなる入力操作部63と、所定の情報を画面表示する液晶ディスプレイなどの表示手段と所定の情報を所定の用紙に印字出力するプリンターなどの出力手段とを含む出力表示部64と、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータとして動作する制御部65とを備えている。
【0032】
制御部65は、ROMに記憶された制御プログラム、データに基づいて各部からの入力を監視しながら各部を制御することにより、通信部61で受信された遊技情報にもとづいて遊技に関する所定の情報を集計し、記憶部62に記憶させる。例えば、通信部61で受信されたアウト信号にもとづいて、遊技機10毎又は機種毎の所定時間内におけるアウト数を算出し、記憶部62に記憶させる。また、通信部61で受信されたセーフ信号にもとづいて、遊技機10毎又は機種毎の所定時間内におけるセーフ数を算出し、記憶部62に記憶させる。さらに、通信部61で受信された特賞信号にもとづいて、遊技機10毎又は機種毎の所定時間内における特賞回数を算出し、記憶部62に記憶させる。このように、制御部65は、通信部61で受信された遊技情報にもとづいて、遊技に関する所定の情報を遊技機10毎又は機種毎に集計し、記憶部62に記憶させる。
【0033】
記憶部62に記憶された遊技に関する情報は、店員が入力操作部63を操作することにより、出力表示部64である液晶ディスプレイに画面表示させたり、出力表示部64であるプリンターにて所定の用紙に印字出力させたりすることができる。そして、これら画面表示され、あるいは印字出力された遊技に関する情報は、これらの情報により示された営業の実績が遊技場の店員により解析され、その後の営業方針の指標として使用される。
さらに、遊技場管理装置60は、上記のような基本的な動作を行いつつ、制御部65が自ら又は上記各部を制御することにより、以下のような特徴的な動作を行う。
【0034】
具体的には、遊技場管理装置60は、制御部65が自ら設定手段として動作し、遊技場の営業開始時刻である「開店時刻」、遊技場の営業終了時刻である「閉店時刻」、閉店時刻からの過去所定時間であって遊技機10の遊技状態を判定する時間帯である「遊技状態判定時間」をそれぞれ設定する。
【0035】
この場合、制御部65が出力表示部64に「時刻設定画面」を表示させる。
「時刻設定画面」は、
図8に示すように、設定される項目の名称(例えば、「開店時刻」、「閉店時刻」、「遊技状態判定時間」)や、設定項目に関する時刻又は時間を入力するためのテキストボックス、入力された時刻又は時間を各設定項目の時刻又は時間として設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
この「時刻設定画面」が出力表示部64に表示された状態において、店員による入力操作部63の操作により、その「時刻設定画面」に表示されたテキストボックスに、「開店時刻」等として設定すべき時刻又は時間が入力され、すべての設定項目について時刻又は時間の入力が完了して「設定」ボタンが押されると、制御部65が、それらテキストボックスに入力された時刻又は時間を対応する「開店時刻」等の設定項目に関連付けて記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻又は時間がそれぞれ「開店時刻」、「閉店時刻」、「遊技状態判定時間」の時刻又は時間として設定される。
【0036】
また、制御部65が自ら抽出対象遊技機設定手段として動作し、遊技場に設置されている遊技機10ごとに、閉店時刻の時点で特別遊技状態であったか否かの判定を行う処理(特別遊技状態遊技機抽出処理)を実行するか否かを設定する。
【0037】
この場合、制御部65が出力表示部64に「抽出遊技機設定画面」を表示させる。
「抽出遊技機設定画面」は、
図9、
図10に示すように、遊技場に設置されている遊技機10の機種名及び台番号(例えば、
図9に示す「AAA:1番台」など)や、それら遊技機10ごとに、特別遊技状態遊技機抽出処理の対象とするか否かを示す「対象」又は「非対象」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン、選択された「対象」又は「非対象」を設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
なお、「対象」を選択する際に所定のマークが付されるラジオボタンや、「非対象」を選択する際に所定のマークが付されるラジオボタンのように、「対象」又は「非対象」を選択するためのウィジェットと、これに付記された「対象」や「非対象」などの項目の表記を、「抽出対象遊技機選択表示」というものとする。
【0038】
この「抽出遊技機設定画面」が出力表示部64に表示された状態において、店員による入力操作部63の操作により、その「抽出遊技機設定画面」に表示された「対象」のラジオボタン又は「非対象」のラジオボタンのいずれか一方が選択され、すべての遊技機10について「対象」又は「非対象」のいずれかが選択されて「設定」ボタンが押されると、制御部65が、それら選択された「対象」又は「非対象」を対応する遊技機10に関連付けて記憶部62に記憶させる。これにより、遊技場に設置されたすべての遊技機10に対して、遊技機10ごとに、特別遊技状態遊技機抽出処理の実行対象とするか否かが設定される。
なお、
図9、
図10に示す「抽出遊技機設定画面」においては、遊技機10ごとに「対象」又は「非対象」の選択を行うようになっているが、その選択は、遊技機10ごとに限るものではなく、機種ごとに行うようにすることもできる。
【0039】
また、制御部65が自ら遊技状態の判定に用いる情報の種類を設定する設定手段として動作し、「抽出遊技機設定画面」にて「対象」が選択され設定された遊技機10(以下、「抽出対象遊技機」という。)ごとに、遊技状態の判定に用いる情報として、遊技信号又はベースのいずれか一方を設定する。
【0040】
この場合、制御部65が出力表示部64に「抽出遊技機判定種類設定画面」を表示させる。
「抽出遊技機判定種類設定画面」は、
図11に示すように、制御部65が抽出対象遊技機の機種名及び台番号(例えば、
図11に示す「aaa:401番台」など)や、閉店時刻又は遊技状態判定時間における抽出対象遊技機の遊技状態を判定する際に使用される情報として「信号」又は「ベース」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン、選択された「信号」又は「ベース」を設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
なお、「信号」とは、遊技機10から出力される遊技信号のことである。
また、「信号」を選択する際に所定のマークが付されるラジオボタンや、「ベース」を選択する際に所定のマークが付されるラジオボタンのように、「信号」又は「ベース」を選択するためのウィジェットと、これに付記された「信号」や「ベース」などの項目の表記を、「判定種類選択表示」というものとする。
【0041】
この「抽出遊技機判定種類設定画面」が出力表示部64に表示された状態において、店員による入力操作部63の操作により、その「抽出遊技機判定種類設定画面」に表示された「信号」のラジオボタン又は「ベース」のラジオボタンのいずれか一方が選択され、その「抽出遊技機判定種類設定画面」に表示された抽出対象遊技機のすべてについて「信号」又は「ベース」のいずれかが選択されて「設定」ボタンが押されると、制御部65が、それら選択された「信号」又は「ベース」を対応する抽出対象遊技機に関連付けて記憶部62に記憶させる。これにより、抽出対象遊技機のすべてに対して、「信号」又は「ベース」のいずれかが設定される。
【0042】
なお、
図11に示す「抽出遊技機判定種類設定画面」においては、遊技機10ごとに「信号」又は「ベース」の選択を行うようになっているが、その選択は、遊技機10ごとに限るものではなく、機種ごとに行うようにすることもできる。
また、「抽出遊技機判定種類設定画面」には、抽出対象遊技機(「抽出遊技機設定画面」において「対象」が選択された遊技機10)が表示されるようになっているが、その表示される遊技機10は、抽出対象遊技機に限るものではなく、遊技場に設置されているすべての遊技機10を表示するようにしてもよい。
【0043】
また、制御部65が自ら特別遊技状態遊技機抽出手段として動作し、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった抽出対象遊技機を特別遊技状態遊技機として抽出する。この抽出処理を「特別遊技状態遊技機抽出処理」というものとし、この「特別遊技状態遊技機抽出処理」を実行した制御部65が、抽出した特別遊技状態遊技機を記憶部62に記憶させる。
【0044】
さらに、制御部65が出力表示部64に「RAM初期化対象機種表示画面」を表示させる。
「RAM初期化対象機種表示画面」は、特別遊技状態遊技機抽出手段として動作した制御部65により抽出された特別遊技状態遊技機を識別可能に列記した一覧表であって、
図13、
図14に示すように、特別遊技状態遊技機の機種名及び台番号と、特別遊技状態遊技機ごとに、RAM初期化作業が実行されていないことを示す「未」の表示と、RAM初期化作業が実行されたことを示す「済」の表示と、これら「未」又は「済」のいずれの状態であるかを示すラジオボタンが表示された画面である。
この「RAM初期化対象機種表示画面」においては、特別遊技状態遊技機抽出手段として動作した制御部65により抽出されなかった遊技機10は、表示されない。すなわち、抽出対象遊技機のうち、閉店時刻の時点で特別遊技状態でなかった遊技機10については、「RAM初期化対象機種表示画面」に表示されないようになっている。これにより、「RAM初期化対象機種表示画面」には、RAM初期化作業を実行すべき遊技機10のみが表示されるので、その表示された遊技機10に対してのみRAM初期化作業を行えばよく、効率的な作業が可能となる。
【0045】
なお、「RAM初期化対象機種表示画面」に表示される内容のうち、「未」の状態であることを示すラジオボタンや、「済」の状態であることを示すラジオボタンのように、「未」又は「済」を示すためのウィジェットと、これに付記された「未」や「済」などの項目の表記については、「初期化作業実行・非実行表示」というものとする。
また、「初期化作業実行・非実行表示」は、初期状態(特別遊技状態遊技機が抽出された後、RAM初期化作業が実行される前に、「RAM初期化対象機種表示画面」が表示されたときの状態)においては、特別遊技状態遊技機のすべてについて、「未」のラジオボタンに所定のマークが表示され、「済」のラジオボタンにはマークが表示されないようになっている(
図13参照)。
【0046】
また、制御部65が自ら、「抽出開始可能時刻」を設定するとともに、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を設定する設定手段として動作する。
「抽出開始可能時刻」とは、「特別遊技状態遊技機抽出処理」を実行可能な時刻として設定される時刻をいう。
「抽出自動設定」とは、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達した時点で、自動的に、特別遊技状態遊技機抽出処理を実行することとする設定をいう。
「抽出手動設定」とは、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達していること、及び、特別遊技状態遊技機抽出処理を開始するための入力操作が入力操作部63で実行されたことを条件とし、これらの条件をいずれも満たしたときに、特別遊技状態遊技機抽出処理を実行することとする設定をいう。
【0047】
この場合、制御部65が出力表示部64に「抽出開始可能時刻等設定画面」を表示させる。「抽出開始可能時刻等設定画面」は、
図12に示すように、「抽出開始可能時刻」として設定される時刻を入力するためのテキストボックス、「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を選択するためのラジオボタン、テキストボックスに入力された時刻を「抽出開始可能時刻」として設定するとともに、選択された「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」を設定するための「設定」ボタンなどを表示した画面である。
この「抽出開始可能時刻等設定画面」が出力表示部64に表示された状態において、店員による入力操作部63の操作により、その「抽出開始可能時刻等設定画面」に表示されたテキストボックスに「抽出開始可能時刻」として設定すべき時刻が入力されるとともに、「抽出自動設定」のラジオボタン又は「抽出手動設定」のラジオボタンのいずれか一方が選択されて「設定」ボタンが押されると、制御部65が、テキストボックスに入力された時刻を「抽出開始可能時刻」に関連付けて記憶部62に記憶させるとともに、選択された「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方を特定して記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻が「抽出開始可能時刻」として設定されるとともに、選択された「抽出自動設定」又は「抽出手動設定」のいずれか一方が設定される。
【0048】
また、制御部65が自ら初期化情報検出手段として動作し、通信部61でRAMクリア信号が受信されたことを検出すると、そのRAMクリア信号を送信してきた遊技機10においてRAM初期化作業が実行されたものと判断する。このとき、制御部65は、通信部61にてRAMクリア信号が受信された時刻を、遊技機10にてRAM初期化作業が実行された時刻として特定する。
また、制御部65が自ら比較手段として動作し、記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機と、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10とを比較する。すなわち、制御部65は、記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機を参照し、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10がその記憶されている特別遊技状態遊技機の中に存在しているか否かの検索を実行する。そして、検索の結果、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機の中に存在しているときに、この特別遊技状態遊技機をRAM初期化作業が完了した遊技機であるものとして判定し、この遊技機を初期化完了遊技機として検出する。
【0049】
さらに、制御部65が初期化完了遊技機を検出した場合において、「RAM初期化対象機種表示画面」(
図13参照)が出力表示部64に表示されているとき、制御部65が、その「RAM初期化対象機種表示画面」に表示されている「初期化作業実行・非実行表示」のうち、初期化完了遊技機に対応する「未」のラジオボタンに表示されていたマークを消去し、「済」のラジオボタンに所定のマークを表示させる。
例えば、初期化完了遊技機が、「CR:aaa」という機種名のパチンコ機10a(セブン機)であって、台番号が「101番台」であるとき(
図13参照)、制御部65は、出力表示部64に表示されている「RAM初期化対象機種表示画面」において、その「101番台」における「未」のラジオボタンに表示されていたマークを消去して、「済」のラジオボタンに所定のマークを表示させる。これにより、
図14に示すように、その「101番台」についての初期化作業実行・非実行表示が、「未」から「済」に自動的に切り換わって表示される。
【0050】
また、制御部65が自ら日替わり処理手段として動作し、営業時間終了後に当日の遊技データをクリアする処理(日替わり処理)を実行する。
また、制御部65が自ら初期化未処理遊技機特定手段として動作し、日替わり処理を実行する際、特別遊技状態遊技機の中にRAM初期化作業が実行されていない特別遊技状態遊技機(初期化未処理遊技機)があるか否かを判断し、この初期化未処理遊技機を特定して、記憶部62に記憶させる。また、制御部65が、営業時間の開始に先立って、記憶部62に記憶されているRAM初期化未処理遊技機を出力表示部64に画面表示させる。
【0051】
また、制御部65が自ら遊技状態判定手段として動作し、遊技信号又はベースにもとづいて遊技機10の遊技状態を判定する。
これら遊技信号を用いた遊技状態の判定方法と、ベースを用いた遊技状態の判定方法について、順に説明する。
【0052】
(1)遊技信号を用いた遊技状態の判定方法
遊技信号を用いた判定方法には、閉店時刻に所定の特別遊技状態信号を検出して判定する方法と、遊技状態判定時間内に特別遊技状態信号を検出して判定する方法がある。これらをそれぞれ項目分けして説明する。
【0053】
(1-1)閉店時刻に所定の特別遊技状態信号を検出して判定する方法
例えば、
図15(a)、(b)に示すように特別遊技状態信号が出力された場合、制御部65は、閉店時刻の時点で通信部61にて特別遊技状態信号が受信されたことを検出すると、当該遊技機10については、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあったものとして判定する。
また、
図15(c)、(d)に示すように特別遊技状態信号が出力された場合、制御部65は、閉店時刻の時点で通信部61にて特別遊技状態信号が受信されたことを検出できないので、当該遊技機10については、閉店時刻の時点で通常遊技状態にあったものとして判定する。
そして、制御部65は、閉店時刻の時点で特別遊技状態であったものと判定した遊技機10(
図15にあっては、(a)、(b)に示すような特別遊技状態信号を出力した遊技機10)を特別遊技状態遊技機として抽出する。
【0054】
(1-2)遊技状態判定時間内に特別遊技状態信号を検出して判定する方法
例えば、
図16(a)〜(c)に示すように特別遊技状態信号が出力された場合、制御部65は、遊技状態判定時間内に通信部61にて特別遊技状態信号が受信されたことを検出すると、当該遊技機10については、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあったものとして判定する。
また、
図16(d)に示すように特別遊技状態信号が出力された場合、制御部65は、遊技状態判定時間内に通信部61にて特別遊技状態信号が受信されたことを検出できないので、当該遊技機10については、閉店時刻の時点で通常遊技状態にあったものとして判定する。
そして、制御部65は、閉店時刻の時点で特別遊技状態であったものと判定された遊技機10(
図16にあっては、(a)〜(c)に示すような特別遊技状態信号を出力した遊技機10)を特別遊技状態遊技機として抽出する。
【0055】
なお、
図16(a)、(b)に示す場合は、閉店時刻の時点で遊技機10の遊技状態が特別遊技状態であるが、これに対し、
図16(c)に示す場合は、閉店時刻の時点でその遊技状態が特別遊技状態ではない。しかしながら、遊技機10の仕様には種々のものが存在しており、例えば、特別遊技状態の終了にともなって特別遊技状態信号の出力を停止したものの、その特別遊技状態の終了後に他の特別遊技状態の当選確率が高まった状態に移行するものがある。この高確率状態で閉店時刻に達したときは、当該高確率状態を翌営業日に持ち越さないようにするためにRAMの初期化作業を行う必要がある。よって、
図16(c)に示すように閉店時刻の直前で特別遊技状態が終了した遊技機10についても、閉店時刻の時点で特別遊技状態であったものとみなし、特別遊技状態遊技機として抽出するものである。
【0056】
(2)ベースを用いた遊技状態の判定方法
ベースとは、特賞中以外のアウト数とセーフ数との割合をいう。つまり、特賞中以外の出玉率のことであり、次式によって算出できる。
ベース(%)=(セーフ/アウト)×100 ・・・(式1)
この式1からもわかるように、ベースは、遊技者が獲得した遊技媒体の増加量を示す遊技情報であり、ベースの数値が多いほど、遊技者が獲得した遊技媒体の数量が多いことを示している。
【0057】
このベースを用いた遊技状態の判定方法は、遊技場管理装置60において、次の手順で実行される。
制御部65は、自ら判定種類を設定する設定手段として動作したときに「ベースを用いて判定を行う遊技機10」として設定した遊技機10のそれぞれについて、遊技状態判定時間におけるベースの平均値を算出する。すなわち、遊技状態判定時間におけるセーフとアウトを演算し、これらを式1に代入することにより、当該遊技状態判定時間におけるベースの平均値を算出する。なお、この平均値は、非稼動時間のベースを含まないものとなっている。すなわち、遊技機10が非稼動の状態ではアウト信号が出力されないことからベースを算出できない。よって、遊技機10の遊技状態を判定できないので、非稼動状態のベースを除外するものである。
【0058】
次いで、制御部65は、算出したベースの平均値が通常遊技状態におけるベースよりも高いか否か、すなわち、遊技媒体の増加量が通常遊技状態における遊技媒体の増加量よりも高いか否かを判断する。
例えば、遊技機10がパチンコ機10aの場合、通常遊技状態におけるベースは25%であるのに対し、確変・時短中のベースは95〜102%である。よって、ベースの平均値が例えば25%よりも高い値を示すときは、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間があるものと判断できる。
また、遊技機10がスロットマシン10bの場合、通常遊技状態におけるベースは40%であるのに対し、ART中のベースは120%程度である。よって、ベースの平均値が例えば40%よりも高い値を示すときは、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間があるものと判断できる。
【0059】
具体的に、例えば、
図17(a)〜(c)に示すように、遊技状態判定時間におけるベースの平均値が通常遊技状態におけるベースBn(%)よりも高い値を示しているとき、制御部65は、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間があったものと判定する。
また、
図17(d)に示すように、遊技状態判定時間におけるベースの平均値が通常遊技状態におけるベースBn(%)と同じ値を示しているとき、制御部65は、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間がなかったものと判定する。
【0060】
続いて、制御部65は、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間があるものと判定した遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出する。
一方、制御部65は、遊技状態判定時間内に特別遊技状態で遊技が行われていた時間がなかったものと判定した遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出しないようにする。
具体的には、例えば、ベースの平均値が
図17(a)〜(c)に示す値で算出された遊技機10については、特別遊技状態遊技機として抽出される。一方、ベースの平均値が
図17(d)に示す値で算出された遊技機10については、特別遊技状態遊技機として抽出されない。
【0061】
なお、
図17(a)、(b)に示す場合は、閉店時刻の時点で遊技機10の遊技状態が特別遊技状態であるが、これに対し、
図17(c)に示す場合は、閉店時刻の時点でその遊技状態が通常遊技状態であって特別遊技状態ではない。しかしながら、遊技機10の仕様には種々のものが存在しており、例えば、特別遊技状態の終了後に他の特別遊技状態の当選確率が高まった状態に移行するものがある。この高確率状態で閉店時刻に達したときは、当該高確率状態を翌営業日に持ち越さないようにするためにRAMの初期化作業を行う必要がある。よって、
図17(c)に示すように閉店時刻の直前で特別遊技状態が終了した遊技機10についても、閉店時刻の時点で特別遊技状態であったものとみなし、特別遊技状態遊技機として抽出するものである。
【0062】
以上のように、遊技状態判定時間におけるベースの平均値を参照することにより、遊技機10が閉店時刻の時点で特別遊技状態にあったものか否かを判定できる。ただし、ベースは、上述したように、非稼動時間のものを含まない。
【0063】
以上のように、遊技機10の遊技状態を判定する方法として、遊技信号にもとづく方法とベースにもとづく方法の二つの方法を用いることとしたが、その理由は、次による。
第一に、特別遊技状態であることを示す遊技信号(特別遊技状態信号)を監視することでその遊技機10が特別遊技状態であるか否かを判定することは可能であるが、遊技機10の中には所定の遊技信号は出力するもののAT信号を出力しないものが存在し、このようにAT信号を出力しない遊技機10については、そのAT信号にもとづいて特別遊技状態であるAT状態を判定することができない。このため、特別遊技状態信号を用いない新たな方法として、ベースを用いた方法を採用するものである。
【0064】
第二に、遊技機10が特別遊技状態信号を出力する場合でも、その特別遊技状態信号が特別遊技状態中に単発的にしか出力されないときは、特別遊技状態の継続中の殆どのタイミングで特別遊技状態信号が出力されていない状況となる。例えば、
図18に示すように、ART信号の信号パターンがパターンBやパターンCの場合には、RTの開始から終了までの間にART信号が出力されていない時間が存在する。そのような信号パターンでART信号を出力する遊技機10については、ART信号を検出するだけでは、特別遊技状態であるか否かを正確に判定することができない。そこで、特別遊技状態信号に代わる判断要素として、ベースを用いるものである。
【0065】
第三に、ベースは、特賞中以外のアウト数とセーフ数との割合として算出される遊技情報であるが、このベースが示す数値は、遊技者が獲得した遊技媒体の増加量を示しており、通常遊技状態における遊技媒体の増加量と特別遊技状態における遊技媒体の増加量との間に大きな開きがあることから、このベースを参照することにより遊技機10が特別遊技状態であるか否かを判定可能とするものである。
これら三つの理由から、遊技機10の遊技状態を判定する方法に、遊技信号にもとづく方法とベースにもとづく方法の二つの方法を用いるものである。
【0066】
以上のような構成を備えた遊技場管理装置60は、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機10を特別遊技状態遊技機として抽出して出力表示部64に表示させる機能を備えている。また、遊技場管理装置60は、特別遊技状態遊技機にてRAMの初期化作業が実行されたことを画面表示する機能も備えている。
これら特徴的な動作は、制御部65が遊技場管理装置60の構成各部を制御しながら特別遊技状態遊技機の抽出や表示等といった各種機能を実行させることで実現される。
以下、遊技場管理装置60の有する上記機能を発揮するために当該遊技場管理装置60が実行する動作の手順を、「特別遊技状態遊技機表示方法」として、
図19〜
図23に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0067】
[特別遊技状態遊技機表示方法]
ここでは、「特別遊技状態遊技機表示方法」の内訳として、この特別遊技状態遊技機表示方法の実行に際して使用される種々の情報を入力・設定するための「各種情報設定処理」、特別遊技状態遊技機を抽出して表示するための「特別遊技状態遊技機抽出処理」、RAMの初期化が実行された特別遊技状態遊技機を検出するための「特別遊技状態遊技機初期化検出処理」、当日の遊技情報を初期化(クリア)するための「日替わり処理」、営業時間の開始に先立って実行される「営業開始処理」のそれぞれの実行手順について、順に説明する。
【0068】
(1)各種情報設定処理
各種情報設定処理とは、後記の「(2)特別遊技状態遊技機抽出処理」〜「(5)営業開始処理」で説明する各処理を実行するに際して使用される種々の情報を入力・設定する処理をいう。このため、各種情報設定処理は、後記の「(2)特別遊技状態遊技機抽出処理」〜「(5)営業開始処理」で説明する各処理を実行する前に、事前に実行される。
【0069】
この各種情報設定処理においては、
図19に示すように、遊技場の営業開始時刻を示す「開店時刻」(S10)、遊技場の営業終了時刻を示す「閉店時刻」(S11)、閉店時刻からの過去所定時間を示す「遊技状態判定時間」(S12)、「特別遊技状態遊技機の抽出条件」(S13)が設定される。
【0070】
ここで、遊技場の店員による入力操作部63の操作により、「開店時刻」、「閉店時刻」、「遊技状態判定時間」の設定を開始するための指示が入力されると、制御部65は、出力表示部64に「時刻設定画面」(
図8参照)を表示させる。
店員による入力操作部63の操作により、「時刻設定画面」に表示されたテキストボックスに、「開店時刻」等として設定すべき時刻又は時間が入力され、すべての設定項目について時刻又は時間の入力が完了して「設定」ボタンが押されると、制御部65は、テキストボックスに入力された時刻又は時間を設定項目の時刻又は時間としてそれぞれ記憶部62に記憶させる。これにより、テキストボックスに入力された時刻又は時間が、設定項目の時刻又は時間としてそれぞれ設定される。
【0071】
特別遊技状態遊技機の抽出条件(S13)においては、抽出対象遊技機の設定と、特別遊技状態の判定種類の選択設定が行われる。
【0072】
ここで、遊技場の店員による入力操作部63の操作により「抽出対象遊技機の設定」を開始するための指示が入力されると、制御部65は、出力表示部64に「抽出遊技機設定画面」(
図9、
図10参照)を表示させる。
店員による入力操作部63の操作により、「抽出遊技機設定画面」に表示されたすべての遊技機10(遊技場に設置されたすべての遊技機10)について「対象」又は「非対象」が選択され、「設定」ボタンが押されると、制御部65は、それら選択された「対象」又は「非対象」を各遊技機10に関連付けて記憶部62に記憶させる。これにより、遊技機10ごとに、抽出対象遊技機であるか否かが設定される。
【0073】
また、遊技場の店員による入力操作部63の操作により「特別遊技状態の判定種類の選択設定」を開始するための指示が入力されると、制御部65は、出力表示部64に「抽出遊技機判定種類設定画面」(
図11参照)を表示させる。
店員による入力操作部63の操作により、「抽出遊技機判定種類設定画面」に表示されたすべての遊技機10(抽出対象遊技機として設定されたすべての遊技機10)について「信号」又は「ベース」が選択され、「設定」ボタンが押されると、制御部65は、それら選択された「信号」又は「ベース」を遊技機10ごとに記憶部62に記憶させる。これにより、抽出対象遊技機ごとに判定種類が設定される。
【0074】
なお、
図19に示すフローチャートにおいては、開店時刻の入力(S10)、閉店時刻の入力(S11)、遊技状態判定時間の入力(S12)、特別遊技状態遊技機抽出条件の入力(S13)の順番で実行することとなっているが、各入力処理を実行する順番は、順不同であり、先後は問わない。
また、
図19に示すフローチャートでは、「開店時刻」、「閉店時刻」、「遊技状態判定時間」、「特別遊技状態遊技機の抽出条件」を入力・設定することとしているが、この各種情報設定処理で設定される項目は、それら「開店時刻」等に限るものではなく、例えば、抽出開始可能時刻の設定、抽出自動設定又は抽出手動設定のいずれかの選択・設定、閾値となる通常特別状態のベース値の入力などを含めることができる。
【0075】
(2)特別遊技状態遊技機抽出処理
「特別遊技状態遊技機抽出処理」とは、前述したように、特別遊技状態遊技機を抽出して画面表示するために実行される処理をいう。
図20に示すように、制御部65は、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達しているか否かを判断する(S20)。
判断の結果、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達していないときは(S20−No)、抽出開始可能時刻に到達するまで待機する。
【0076】
一方、現在の時刻が抽出開始可能時刻に到達したときは(S20−Yes)、制御部65は、抽出自動設定又は抽出手動設定のいずれが設定されているかを判断する(S21)。
判断の結果、抽出自動設定又は抽出手動設定のうち抽出手動設定が設定されているときは(S21−抽出手動設定)、制御部65は、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われたか否かを判断する(S22)。
判断の結果、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われていないときは(S22−No)、S20の処理に戻る。
【0077】
一方、遊技場の店員による入力操作部63の操作により特別遊技状態遊技機の抽出処理を開始するための入力操作が行われたとき(S22−Yes)、又は、S21の判断の結果、抽出自動設定若しくは抽出手動設定のうち抽出自動設定が設定されているときは(S21−抽出自動設定)、制御部65は、遊技信号にもとづいて特別遊技状態を判定する設定がされている遊技機10を特定し、この特定した遊技機10について、閉店時刻における遊技状態又は遊技状態判定時間内における遊技状態を遊技信号にもとづいて判定する。そして、この判定の結果にもとづいて、閉店時刻における遊技状態又は遊技状態判定時間内における遊技状態が特別遊技状態である遊技機10を抽出する(S23)。
【0078】
また、制御部65は、ベースにもとづいて特別遊技状態を判定する設定がされている遊技機10について、遊技状態判定時間内の遊技状態をベースにもとづいて判定する。そして、制御部65は、遊技状態判定時間内における遊技状態が特別遊技状態である遊技機10を抽出する(S24)。
【0079】
さらに、制御部65は、S23とS24にて抽出した遊技機10を特別遊技状態遊技機として特定する(S25)。これら特定された特別遊技状態遊技機は、記憶部62に記憶される。
【0080】
制御部65は、出力表示部64を制御して、特定した特別遊技状態遊技機を識別可能に一覧表として列記した「RAM初期化対象機種表示画面」を表示させる(S26)。
なお、プリンターなどの印刷装置が出力表示部64として遊技場管理装置60に設けられているときは、特別遊技状態遊技機の一覧表を、所定の用紙に印字出力させることもできる。
また、出力表示部64は、制御部65で抽出された特別遊技状態遊技機を表示することから、「出力手段」としての機能を有している。
【0081】
出力表示部64が特別遊技状態遊技機を画面表示又は印字出力すると、遊技場の店員は、それら画面表示等された特別遊技状態遊技機を確認する。これにより、遊技場の店員は、特別遊技状態遊技機をRAMの初期化作業が必要な遊技機10として容易に選別でき、しかも、それ以外の遊技機10をRAMの初期化作業が必要でない遊技機10として確実に選別できる。
また、遊技場の店員は、特別遊技状態遊技機が実際に設置されている遊技場の営業フロアへ行き、特別遊技状態遊技機の一台一台に対してRAMの初期化作業を実行する。これにより、特別遊技状態遊技機においては、RAMに記憶されていた特別遊技状態に関するデータがクリアされ、翌営業日には、通常遊技状態から遊技を開始することができる。
【0082】
さらに、特別遊技状態遊技機は、RAMの初期化作業が実行されたことにともなって、RAMクリア信号を出力する。このRAMクリア信号は、呼出しランプ30等を介して遊技場管理装置60へ送信される。遊技場管理装置60は、RAMクリア信号を受信すると、次に説明する「特別遊技状態遊技機初期化検出処理」を実行する。
【0083】
(3)特別遊技状態遊技機初期化検出処理
図21に示すように、制御部65は、通信部61がRAMクリア信号を受信したか否かを判断する(S30)。
判断の結果、通信部61がRAMクリア信号を受信していないときは(S30−No)、通信部61がRAMクリア信号を受信するまで待機する。
一方、通信部61がRAMクリア信号を受信したときは(S30−Yes)、制御部65は、そのRAMクリア信号が通信部61にて受信された時刻、つまり、遊技機10にてRAMの初期化作業が実行された時刻を特定し、この特定した時刻が閉店時刻以降であるか否かを判断する(S31)。
【0084】
判断の結果、遊技機10にてRAMの初期化作業が実行された時刻が閉店時刻以前であるときは(S31−No)、S30の処理に戻る。なお、閉店時刻以前にRAMの初期化作業が実行される場合としては、例えば、営業時間内に遊技機10で何らかのトラブルが発生したためにRAMを初期化する必要が生じた場合などが挙げられる。このように閉店時刻以前に実行されたRAMの初期化作業は、特別遊技状態を翌営業日に持ち越さないようにするために実行されるものとは異なるため、S32以降の処理を実行しないようにするためにS31の判断を実行するものである。
【0085】
一方、遊技機10にてRAMの初期化作業が実行された時刻が閉店時刻以降であるときは(S31−Yes)、制御部65は、記憶部62に記憶されている特別遊技状態遊技機を参照し、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機であるか否かを判断する(S32)。
判断の結果、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機でないときは(S32−No)、S30の処理に戻る。
一方、RAMクリア信号を送信してきた遊技機10が特別遊技状態遊技機であるときは(S32−Yes)、制御部65は、この特別遊技状態遊技機について、RAMの初期化作業が実行されたことを示すRAM初期化済みデータを記憶部62に記憶させる(当該抽出遊技機をRAM初期化済みに更新、S33)。
【0086】
また、制御部65は、
図13に示す「RAM初期化対象機種表示画面」が出力表示部64に表示されている場合、RAMの初期化作業が実行された特別遊技状態遊技機について、「未」のラジオボタンに表示されていたマークを消去し、「済」のラジオボタンに所定のマークを表示させる(
図14参照)。
【0087】
このように、遊技場の店員が特別遊技状態遊技機に対してRAMの初期化作業を実行すると、これにともなって、遊技場管理装置60の出力表示部64では、「RAM初期化対象機種表示画面」において、その特別遊技状態遊技機の「初期化作業実行・非実行表示」が「未」から「済」に自動的に切り換わって表示される。また、遊技場に設置された複数の特別遊技状態遊技機に対して店員がRAMの初期化作業を順次実行していくと、出力表示部64は、初期化作業が完了した特別遊技状態遊技機の「初期化作業実行・非実行表示」を「未」から「済」に順次切り換えて表示していく。
遊技場の店員は、適宜、出力表示部64に表示された「RAM初期化対象機種表示画面」の「初期化作業実行・非実行表示」を確認することにより、「済」に所定のマークが表示された特別遊技状態遊技機をRAM初期化作業が完了した特別遊技状態遊技機として特定し、「未」に所定のマークが表示された特別遊技状態遊技機を未だRAM初期化作業が完了していない特別遊技状態遊技機として特定することができ、後者については、RAM初期化作業を実行して、特別遊技状態を翌営業日に確実に持ち越さないようにすることができる。
【0088】
ただし、RAM初期化作業を未だ実行していない特別遊技状態遊技機が出力表示部64に表示されているにもかかわらず、何らかの理由でこれを見落としてしまったり、あるいは、出力表示部64の表示内容は確認したものの遊技場の営業フロアにおいて特別遊技状態遊技機に対してRAM初期化作業を実行し忘れたりすることも考えられる。
そこで、こうした出力表示部64の表示に対する看過や、RAM初期化作業の忘失に対応するために、次に説明する「(4)日替わり処理」及び「(5)営業開始処理」を実行するものである。
【0089】
(4)日替わり処理
日替わり処理とは、営業時間の終了後に、遊技場管理装置60にて遊技に関する情報の集計が完了すると、これを記憶部62に記憶させるとともに、当日の遊技情報を初期化(クリア)する処理をいう。
【0090】
営業時間の終了後、所定の時刻になると、制御部65は、
図22に示すように、特別遊技状態遊技機のすべてにおいてRAM初期化作業が実行されたか否かを判断する(S40)。
判断の結果、特別遊技状態遊技機のすべてにおいてRAM初期化作業が実行されているものと判断したときは(S40−Yes)、制御部65は、当日の遊技情報を初期化(クリア)する日替わり処理を実行する(S41)。
【0091】
一方、特別遊技状態遊技機の中にRAM初期化作業が実行されていない特別遊技状態遊技機(RAM初期化未処理遊技機)があるものと判断したときは(S40−No)、制御部65は、そのRAM初期化未処理遊技機を特定し、記憶部62に記憶させる(S42)。
記憶部62は、記憶したRAM初期化未処理遊技機を翌営業日まで継続的に記憶する。これにより、RAM初期化未処理遊技機については、記憶部62に記憶された状態で、翌営業日まで持ち越される。
なお、この日替わり処理は、営業時間の終了後に実行される処理であるが、翌営業日の営業時間開始前には、次に説明する「営業開始処理」が実行される。
【0092】
(5)営業開始処理
営業開始処理とは、営業時間の開始に先立って実行される処理をいう。
【0093】
図23に示すように、制御部65は、RAM初期化未処理遊技機が記憶部62に記憶されているか否かを判断する(S50)。
判断の結果、RAM初期化未処理遊技機が記憶部62に記憶されていないときは(S50−No)、営業時間の開始前に実行される所定の処理が実行される(S51)。
一方、RAM初期化未処理遊技機が記憶部62に記憶されているときは(S50−Yes)、制御部65は、そのRAM初期化未処理遊技機を出力表示部64に画面表示させる(S52)。これにより、RAM初期化未処理遊技機が、営業日当日の営業終了後と翌営業日の営業開始前の二営業日にわたって表示される。
RAM初期化未処理遊技機が出力表示部64に表示された後は、所定の処理が実行される(S51)。
【0094】
これら日替わり処理及び営業開始処理を実行することにより、遊技場の店員は、営業時間の開始前に、出力表示部64の表示内容を確認することで、前営業日にRAM初期化作業が実行されなかった特別遊技状態遊技機があるか否かを確認することができる。そして、RAM初期化作業が実行されなかった特別遊技状態遊技機があるときは、その営業時間開始前に、当該特別遊技状態遊技機に対してRAM初期化作業を実行することができる。これにより、前営業日に看過してしまった特別遊技状態遊技機やRAM初期化作業を忘失してしまった特別遊技状態遊技機に対しても、翌営業日の営業時間開始前に確実にRAM初期化作業を実行することができるので、営業時間の開始から特別遊技状態で遊技が開始することによる遊技場の損失を未然に防ぐことができる。
【0095】
以上説明したように、本発明の遊技場管理装置によれば、閉店時刻の時点で特別遊技状態にあった遊技機を特別遊技状態遊技機として抽出し、この抽出された特別遊技状態遊技機を出力表示手段に出力させることとしたので、遊技場の店員は、その表示内容を確認することにより、その特別遊技状態遊技機をRAM初期化作業が必要な遊技機として容易に選別でき、それ以外の遊技機をRAM初期化作業が必要でない遊技機として確実に選別できる。
また、遊技場の店員は、遊技場管理装置に表示された特別遊技状態遊技機に対してのみRAM初期化作業を行えばよく、それ以外の遊技機に対してはその作業を行わなくてもよいことから、そのRAM初期化作業を効率的に行うことができ、かつ、当該作業に要する時間を最小限に抑えることができるので、店員の作業負担を軽減できる。
【0096】
さらに、遊技場管理装置においては、遊技機が閉店時刻の時点で特別遊技状態にあったか否かを判定するにあたり、閉店時刻から過去所定時間内について算出された遊技情報を参照してその判定を行う遊技状態判定手段を設けたので、特別遊技状態であることを示す信号を出力しない遊技機についても特別遊技状態遊技機であるか否かを確実に判定できる。
【0097】
以上、本発明の遊技場管理装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技場管理装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、遊技機がRAMクリア信号を出力するようにしているが、これに限るものではなく、RAMクリア信号を出力しない遊技機にも本発明を適用できる。ただし、後者の場合は、店員がリモコンや呼び出しボタンなどを操作してRAM初期化作業の完了を示す信号を遊技場管理装置へ送信することによって、遊技場管理装置の表示を初期化済みに変更させるようにする。また、リモコンを使用せずに、遊技場管理装置に直接入力するようにしてもよい。
【0098】
また、上述した実施形態においては、スロットマシンにおける特別遊技状態として、レギュラーボーナスゲーム(RB)、ビッグボーナスゲーム(BB)、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、アシストリプレイタイム(ART)を挙げたが、例えば、短期間にメダルが増加する状態ではなく、遊技回数が多くなるにつれて段々とメダルが増加する状態を特別遊技状態として定義することもできる。