(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して乱数を抽出すると共に、該乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選での当選により遊技者に予め定められた遊技価値を付与する主制御装置を備える弾球遊技機であって、
前記主制御装置は、
基準時間を示す複数の基準時間データを記憶している基準時間データ記憶手段と、
前記基準時間分のウェイトを繰り返す回数であるループ回数を定めるための回数データを複数記憶している回数データ記憶手段と、
予め定められた処理時間の生成に用いられるデータであって、前記基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられると共に、前記回数データに対応している回数指定データとして用いられるデータである時間生成データを複数記憶している時間生成データ記憶手段と、
前記時間生成データを前記基準時間指定データとして用い、該基準時間指定データに対応する前記基準時間分の前記ウェイトを生成するウェイト生成手段と、
前記ウェイト生成手段により前記時間生成データに基づき生成された前記ウェイトと、前記回数指定データとして用いられる該時間生成データに対応している前記回数データにより定められる前記ループ回数とに基づき、該時間生成データに係る前記処理時間を生成する時間生成手段と、
少なくとも前記大当り抽選の結果に基づいていずれかの前記時間生成データを選択すると、該選択された時間生成データに基づいて前記時間生成手段により生成された前記処理時間を特別図柄の変動時間とし、該変動時間にわたり特別図柄の変動表示を行った後、該特別図柄を停止表示させることで、前記大当り抽選の結果を報知する特別図柄制御手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている二つの始動口を有する弾球遊技機においては、各始動口に対応する特別図柄の変動表示処理は類似した内容となるため、これらの処理を行うルーチンを共通化することで、遊技性を低下させること無く主制御装置のプログラムサイズを低減させることができる。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、始動口が一つしか設けられていない弾球遊技機には適用することはできない。
【0006】
本願発明は上記課題に鑑みてなされた場合であり、遊技性を低下させること無く、主制御装置の記憶容量を低減させることができる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の弾球遊技機は、遊技盤に設けられた始動口への入球に起因して乱数を抽出すると共に、該乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選での当選により遊技者に予め定められた遊技価値を付与する主制御装置を備える。そして、主制御装置は、基準時間を示す複数の基準時間データを記憶している基準時間データ記憶手段と、基準時間分のウェイトを繰り返す回数であるループ回数を定めるための回数データを複数記憶している回数データ記憶手段と、予め定められた処理時間の生成に用いられるデータであって、基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられると共に、回数データに対応している回数指定データとして用いられるデータである時間生成データを複数記憶している時間生成データ記憶手段と、を備える。また、主制御装置は、時間生成データを基準時間指定データとして用い、該基準時間指定データに対応する基準時間分の前記ウェイトを生成するウェイト生成手段と、ウェイト生成手段により時間生成データに基づき生成されたウェイトと、回数指定データとして用いられる該時間生成データに対応している回数データにより定められる
ループ回数とに基づき、該時間生成データに係る処理時間を生成する時間生成手段と、少なくとも大当り抽選の結果に基づいていずれかの時間生成データを選択すると、該選択された時間生成データに基づいて時間生成手段により生成された処理時間を特別図柄の変動時間とし、該変動時間にわたり特別図柄の変動表示を行った後、該特別図柄を停止表示させることで、大当り抽選の結果を報知する特別図柄制御手段と、を備える。
【0008】
始動口への入球に基づき大当り判定用乱数を含む複数の乱数を抽出し、大当り判定用乱数に基づき大当り抽選を行うと共に、演出図柄の変動表示を行い、大当り抽選の結果を報知する弾球遊技機が知られている。このような弾球遊技機の主制御装置では、異なる長さの演出図柄の変動時間に対応する複数の時間データが予めROMに記憶されており、始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づき選択されたいずれかの時間データの値と、周期的に更新される周期更新カウンタの値とを随時比較することで、変動時間を生成する処理が行われる。
【0009】
また、上述したように、主制御装置のROM容量は規則により制限されているが、近年では、演出効果を高めるため、およそ150種類もの変動時間のバリエーションが設けられる場合があり、このような場合には、仮に時間データのデータ長を2バイトに設定すると、時間データの全データサイズは300バイト程度にも及ぶ。
【0010】
これに対し、請求項1に記載の弾球遊技機では、主制御装置には、異なる基準時間を示す基準時間データが複数記憶されていると共に、基準時間
分のウェイトを繰り返す回数であるループ回数を定めるための回数データが複数記憶されている。また、基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられると共に、回数データに対応している回数指定データとして用いられる時間生成データが複数記憶されており、
少なくとも大当り抽選の結果に基づいて、時間生成データが選択される。
【0011】
そして、選択された時間生成データが基準時間指定データとして用いられ、該基準時間指定データに対応する基準時間分のウェイトが生成される。また、該時間生成データが回数指定データとして用いられ、該ウェイト
と、該回数指定データに対応する回数データにより定められる
ループ回数とに基づき、処理時間が生成され、該処理時間が特別図柄の変動時間として用いられる。
【0012】
このため、基準時間データのデータ長を基準時間指定データよりも長くすると共に、回数データのデータ長を回数指定データよりも長くすることで、時間生成データと同じデータ長の時間データと上述の周期更新カウンタとを随時比較して変動時間を生成する場合よりも、より長い時間を生成することが可能となる。
【0013】
したがって、請求項1に記載の弾球遊技機では、上記時間データを多数設けて異なる長さの変動時間を生成可能とする場合に比べ、変動時間の生成に必要なデータのサイズを低減させることができる。このため、生成される変動時間のバリエーションや、変動時間の長さを制限することなく、必要なデータサイズを低減することができ、遊技性を低下させること無く、主制御装置の記憶容量を低減させることができるのである。
【0014】
また、変動時間の生成に必要なデータサイズを低減させることで、不正行為の防止機能を実現するためのプログラムを主制御装置に搭載することが可能となり、遊技性を低下させること無く、不正行為を防止可能な弾球遊技機を提供することが可能となる。
【0015】
また、時間生成データよりも長いデータ長の回数データを用いることが可能となり、より長期間の変動時間を多くの種類にわたり生成することができる。
なお、次のような弾球遊技機を構成しても良い。すなわち、主制御装置は、基準時間を示す複数の基準時間データを記憶している基準時間データ記憶手段と、予め定められた処理時間の生成に用いられるデータであって、基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられると共に、基準時間
分のウェイトの生成回数を定めるための回数データとして用いられるデータである時間生成データを複数記憶している時間生成データ記憶手段と、時間生成データを基準時間指定データとして用い、該基準時間指定データに対応する基準時間
分のウェイトを生成する
ウェイト生成手段と、を備えていても良い。また、主制御装置は、
ウェイト生成手段により時間生成データに基づき生成された
ウェイトと、該時間生成データを回数データとして用いることで定められる生成回数とに基づき、該時間生成データに係る処理時間
を生成する時間生成手段と、
少なくとも大当り抽選の結果に基づいていずれかの時間生成データを選択すると共に、該時間生成データに基づき
時間生成手段により生成される処理時間を変動時間とし、該変動時間にわたり特別図柄の変動表示を行った後、該特別図柄を停止表示させることで、大当り抽選の結果を報知する特別図柄制御手段と、を備えていても良い。
【0016】
このような構成を有する場合であっても、請求項1に記載の弾球遊技機と同様に、生成される変動時間のバリエーションや、変動時間の長さを制限することなく、必要なデータサイズを低減することができ、遊技性を低下させること無く、主制御装置の記憶容量を低減させることができる。
【0017】
また、弾球遊技機では、大当り抽選の確率が上昇する確変状態や、始動口への入賞が容易となる開放延長状態等が設けられている。
そこで、弾球遊技機は、大当り抽選での当選確率と、始動口への入球の容易さのうちの少なくとも一方が異なる複数の遊技状態を有しており、特別図柄制御手段は、乱数に応じて、遊技状態に応じた基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられるいずれかの時間生成データを選択しても良い。
【0018】
こうすることにより、時間生成データを用いて遊技状態に応じた長さの変動時間を生成することができる。
また、弾球遊技機では、一般的に、保留記憶の数が多い場合には、保留記憶の消化を促すため、変動時間が短縮される。
【0019】
そこで、弾球遊技機は、乱数の保留記憶を行うよう構成されており、特別図柄制御手段は、乱数に応じて、保留記憶の数に応じた基準時間に対応している基準時間指定データとして用いられるいずれかの時間生成データを選択しても良い。
【0020】
こうすることにより、時間生成データを用いて保留記憶の数に応じた長さの変動時間を生成することができる。
なお、基準時間指定データは、複数の基準時間に対応付けられており、
ウェイト生成手段は、時間生成データを基準時間指定データとして用い、該基準時間指定データに対応する基準時間のうち、遊技状態に対応する基準時間
分のウェイトを生成しても良い。
【0021】
このような構成を有する場合にも、時間生成データを用いて遊技状態に応じた長さの変動時間を生成することができる。
また、基準時間指定データは、複数の基準時間に対応付けられており、
ウェイト生成手段は、時間生成データを基準時間指定データとして用い、該基準時間指定データに対応する基準時間のうち、保留記憶の数に対応する基準時間
分のウェイトを生成しても良い。
【0022】
このような構成を有する場合にも、時間生成データを用いて保留記憶の数に応じた長さの変動時間を生成することができる。
また、時間生成データにより生成された処理時間に基づき、各種演出を行っても良い。
【0023】
すなわち
、弾球遊技機は、主制御装置からのコマンドに応じて各種演出を行うサブ制御装置をさらに備え、主制御装置は、サブ制御装置に対してコマンドを送信することで、サブ制御装置に演出を行わせる演出手段をさらに備え、演出手段は、いずれかの時間生成データに基づき
時間生成手段により生成された処理時間の経過に応じてコマンドを送信しても良い。
【0024】
こうすることにより、バリエーションに富んだ演出を可能としつつ、主制御装置の記憶容量を低減させることができる。
また、時間生成データにより生成された処理時間を、演出図柄の変動時間として用いても良い。
【0025】
すなわち
、サブ制御装置は、演出として、コマンドに応じて、演出図柄の変動表示を行った後に大当り抽選の結果に応じた演出図柄を停止表示させ、演出手段は、コマンドを送信することで、サブ制御装置に変動表示を開始させ、
時間生成手段により生成された変動時間の経過に応じてコマンドを送信することで、サブ制御装置に停止表示をさせても良い。
【0026】
こうすることにより、バリエーションに富んだ演出図柄の変動表示を行いつつ、主制御装置の記憶容量を低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0029】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠21にて構成の各部を保持する構造を有している。
【0030】
外枠21の左側上下には、ヒンジ5bが設けられており、該ヒンジ5bの他方側には内枠が取り付けられており、内枠は外枠21に対して開閉可能な構成になっている。
前枠5cには、板ガラス9が取り外し自在に設けられており、板ガラス9の奥には
図2に記載する遊技盤8が内枠に取り付けられている。
【0031】
前枠5cの上側左右には、スピーカ11が設けられており、該スピーカ11からは、遊技の趣向性を向上させるための各種遊技音が出力される。また、遊技の趣向性を向上させるために前枠5cに遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプも複数設けられている。
【0032】
前枠5cの下方には、上皿12と下皿13が一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル18が取り付けられており、該発射ハンドル18を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が作動し、上皿12から供給された遊技球が遊技盤8に向けて発射される。
【0033】
下皿13の左側には、遊技者が操作可能な停止ボタン14が備えられており、遊技者が所定期間中に、該停止ボタン14を操作することで後述する演出図柄表示装置54bに表示される内容が変化したり、スピーカ11より出力される遊技音が変化する。
【0034】
また、このパチンコ機1はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)5aが付属しており、パチンコ機1には、貸出ボタン16、精算ボタン17及び精算表示装置15を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0035】
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置50、払出制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53、発射制御装置52、電源基板が設けられている。主制御装置50、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53は遊技盤8に設けられており、払出制御装置51、発射制御装置52、電源基板が内枠に設けられている。
【0036】
図2に示すように遊技盤8には、公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられている。この遊技領域26には多数の遊技釘27が打ち付けられている。
【0037】
遊技領域26のほぼ中央部には、センターケース28が配されている。センターケース28は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置54b(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓28a等を備えている。
【0038】
窓28aの上側には7セグメントの特別図柄表示装置29及び普通図柄表示装置30と、4個のLEDからなる特別図柄保留数表示装置29a及び普通図柄保留数表示装置30aが設置されている。
【0039】
センターケース28の下方には普通図柄作動ゲート42が配置されていると共に、普通図柄作動ゲート42の下方には始動口31が配置されている。
始動口31は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。また、始動口31は、羽根40が開閉する電動チューリップとして構成されており、遊技球が普通図柄作動ゲート42を通過することで行われる普通図柄抽選で当選し、普通図柄表示装置30に当りの普通図柄が確定表示されると、始動口31は開放されて入球容易になる。
【0040】
また、センターケース28の両側には、一般入賞口35が設けられている。この一般入賞口35は、入球率が変化しない普通入賞口である。
始動口31の下方にはアタッカー式の大入賞口33aが配置され、その下方にはアウト穴34が設けられている。
【0041】
(2)電気的構成について
このパチンコ機1の電気的構成は、
図3のブロック図に示すとおり、主制御装置50を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板及び電源基板等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置50、払出制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では、発射制御装置52、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置52にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0042】
主制御装置50には、始動口31に入球した遊技球を検出する入球検知スイッチである特図始動SW31a、普通図柄作動ゲート42に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW42a、大入賞口33aに入球した遊技球を計数するためのカウントSW33b、一般入賞口35に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW35a等の検出信号が入力される。なお、特図始動SW31a,普通図柄作動SW42a,カウントSW33bは、上述した入球検知スイッチに相当する。
【0043】
主制御装置50は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。
【0044】
また、主制御装置50は、図柄表示装置中継端子板64を介して接続されている特別図柄表示装置29,普通図柄表示装置30の表示や、特別図柄保留数表示装置29a,普通図柄保留数表示装置30aの点灯を制御する。
【0045】
さらに、主制御装置50は、大入賞口ソレノイド33cを制御することで大入賞口33aの開閉を制御し、普通役物ソレノイド40bを制御すること始動口31の開閉を制御する。
【0046】
主制御装置50からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子61に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信が可能である。
【0047】
払出制御装置51は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて払出モータ24aを稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW24bの検出信号は払出制御装置51に入力され、払出制御装置51で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置50と払出制御装置51に払出SW24bの検出信号が入力され、主制御装置50と払出制御装置51の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0048】
なお、払出制御装置51は、前面枠閉鎖SW38、意匠枠閉鎖SW39、球切れSW23a、払出SW24b、満杯SW13aからの信号が入力され、満杯SW13aにより下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れSW23aにより球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ24aを停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW13a、球切れSW23aも、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置51は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ24a駆動を再開させる。
【0049】
また、払出制御装置51はCRユニット端子板60を介してCRユニット5aと交信することで払出モータ24aを作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW24bに検出され、検出信号は払出制御装置51に入力される。また、CRユニット端子板60は精算表示装置15とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置15には、遊技球の貸出しを要求するための球貸SW16a、精算を要求するための精算SW17aが設けられている。
【0050】
また、払出制御装置51は、外部接続端子61を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠5c)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。
【0051】
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置52は発射モータ22を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。
【0052】
なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチSW20aからのタッチ信号、発射停止SW19aから発射停止信号が入力される。
【0053】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0054】
サブ統合装置53は、主制御装置50から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置54aに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ11からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ37を制御する。なお、サブ統合装置53から主制御装置50へのデータの送信は行われない。
【0055】
サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
【0056】
[動作の説明]
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
(1)概要について
本実施形態のパチンコ機1の主制御装置50は、始動口31への入球に応じて大当り判定用乱数等の各種乱数を抽出して保留記憶する(最大4個)。また、保留記憶された大当り判定用乱数等を読み出し、大当り判定用乱数に基づく当否判定を行うことで、保留記憶を消化し、大当りに当選した際には大当り遊技を行う。大当り遊技では、大入賞口33aが長期間にわたり開放され、遊技者は、大入賞口33aに遊技球を入球させることで大量の賞球を獲得できる。
【0057】
また、主制御装置50は、大当り抽選を行う際に、サブ統合装置53に各種コマンドを送信することで、演出図柄表示装置54bにて大当り抽選の結果を報知するための大当り演出を行う。大当り演出では、主制御装置50にて特別図柄表示装置29での特別図柄の変動表示が行われると共に、演出図柄表示装置54bにて演出図柄の変動表示が行われ、大当りに当選した際には、大当たりを示す特別図柄を特別図柄表示装置29上に停止表示されると共に、同じ種類の演出図柄が三つ並んだ状態で演出図柄表示装置54b上に停止表示される。
【0058】
また、主制御装置50は、遊技球が普通図柄作動ゲート42を通過すると、普通図柄抽選乱数を抽出して保留記憶する(最大4個)と共に、保留記憶された普通図柄抽選乱数を読み出して普通図柄抽選を行う。そして、普通図柄抽選に当選した際には、一定期間にわたり羽根40が開放され、始動口31への入球が容易となる。なお、普通図柄抽選の際にも、主制御装置50は、普通図柄表示装置30を介して所定の変動時間にわたり普通図柄の変動表示を行い、その後、普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を普通図柄表示装置30に停止表示させる。
【0059】
また、本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選での当選確率が上昇する確変モードや、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選で当選した際の始動口31の開放期間が延長される時短モードを有しており、大当りに当選した際に停止表示された特別図柄の種類に応じて、大当り遊技後に確変モードや時短モードとなるか否かが定められる。
【0060】
(2)大当り演出について
次に、本実施形態のパチンコ機1における大当り演出について説明する。大当り演出では、主制御装置50は、特別図柄表示装置29を直接制御し、変動パターン指定コマンドに規定された時間だけ変動表示を行うと共に、規定された時間の経過後に大当たりの有無や、大当たりの終了後に確変モードや時短モードとなるか否かを示す特別図柄を表示する。また、サブ統合装置53に対して変動パターン指定コマンドを送信すると共に、変動時間の経過後に変動パターン確定コマンドを送信することで、該変動時間にわたり演出図柄の変動表示を行わせる。
【0061】
本実施形態では、主制御装置50は、1バイトの変動時間演算用データに基づき変動時間を生成する。
図4(a−1)に記載されているように、変動時間演算用データの上位2ビットは、主制御装置50のROMに記憶されている基準時間データ(13,79,173,251)のうちのいずれかを示す基準時間指定データとして構成されていると共に、下位6ビットは、基準時間データにより生成される基準時間分のウェイトを繰り返す回数(ループ回数)を示すループ回数データとして構成されている。
【0062】
主制御装置50のROMには、00000000b〜11111111bの256個の変動時間演算用データを記憶することができる。主制御装置50は、始動口への入賞に起因して抽出された大当り判定用乱数、図柄決定用乱数1,2、リーチ決定用乱数、変動時間決定用乱数の各種乱数に基づき変動時間演算用データを選択し、選択した変動時間演算用データの基準時間指定データにより生成される基準時間分のウェイトを、ループ回数データが示すループ回数に応じた数分繰り返すことで、基準時間を整数倍した時間に相当する変動時間を生成する。
【0063】
なお、変動時間演算用データを構成する基準時間指定データやループ回数データのデータ長や、各データが変動時間演算用データのどのビットに配置されるかは、上記に限定されることは無い。
【0064】
また、
図4(b)に記載されているように、1バイトの変動時間演算用データの8ビット全てをループ回数データとして用いると共に、下位2ビットを基準時間指定データとして用いても良い。こうすることにより、0〜63の範囲であったループ回数データを、0〜255の範囲にすることができ、4倍の長さの時間を生成することが可能となる。また、下位2ビットを基準時間指定データとして用いることで、基準時間指定データの値が変動時間の長さに与える影響を抑えることができる。
【0065】
また、主制御装置50のROMにループ回数データを記憶しておき、
図5(a−1)に記載されているように、変動時間演算用データの上位2ビットを基準時間指定データとすると共に、下位6ビットをいずれかのループ回数を指定するループ回数指定データとしても良い。また、
図5(a−2)に記載されているように、変動時間演算用データの8ビット全てをループ回数指定データとすると共に、下位2ビットを基準時間指定データとして用いても良い。
【0066】
また、生成される変動時間が重複してしまうことを防ぐと共に、十分な長さの変動時間を生成するため、基準時間データの数をn個とした場合には、少なくともn−1個の基準時間データについては基準時間指定データよりも長いデータ長の値が設定される。また、本実施形態では、基準時間データとして13,79,173,251の素数値が設けられており、基準時間データの値はこれに限定されることは無いが、基準時間データを素数値とすることで、各基準時間データに基づき生成される変動時間が互いに重複してしまうことを確実に防ぐことができる。
【0067】
また、ループ回数データに関しても、基準時間指定データと同様に、ループ回数データが示す各値が予め定められた複数種類のループ回数のうちのいずれかに対応付けられており、該ループ回数に基づき変動時間を生成しても良い。
【0068】
以下では、始動口31への入賞を検出する始動口入賞処理と、保留記憶を消化して大当り抽選等を行う保留記憶消化処理について説明することで、変動時間演算用データに基づく変動時間の生成方法について詳しく説明する。
【0069】
(2−1)始動口入賞処理について
まず、始動口への入賞に起因して各種乱数を抽出し、これらの乱数の保留記憶を行う始動口入賞処理について、
図5(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、主制御装置50にて2ms周期で実行される処理である。
【0070】
S105では、主制御装置50は、特図始動SW31aからの信号に基づき、始動口31への入賞の有無を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S105:Yes)、S110に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S105:No)、本処理を終了する。
【0071】
S110では、主制御装置50は、大当り抽選に用いられる大当り判定用乱数や、大当りに当選した際に停止表示される演出図柄を決定するための図柄決定用乱数1,2を抽出する。また、大当り演出においてリーチとするか否かを決定するためのリーチ決定用乱数や、大当り演出における演出図柄の変動パターンを決定するための変動時間決定用乱数を抽出する。そして、S115に処理を移行する。
【0072】
S115では、主制御装置50は、抽出した乱数を保留記憶し、本処理を終了する。
(2−2)保留記憶消化処理について
次に、保留記憶された各種乱数に基づき大当り抽選や大当り演出等を行う保留記憶消化処理について、
図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、主制御装置50にて2ms周期で実行される処理である。
【0073】
S205では、主制御装置50は、図柄変動の開始が可能か否かを判定する。具体的には、大当り遊技の最中や、特別図柄や演出図柄の変動表示中等は、図柄変動の開始が不可能と判定され、これら以外の期間では、図柄変動の開始が可能と判定される。そして、肯定判定が得られた場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S205:No)、S255に処理を移行する。
【0074】
S210では、主制御装置50は、保留記憶の有無を判定し、肯定判定が得られた場合には(S210:Yes)、S215に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S210:No)、本処理を終了する。
【0075】
S215では、主制御装置50は、最も古い保留記憶に係る大当り判定用乱数等の各種乱数を読み出すと共に、他の保留記憶が消化される順番を繰り上げ、該大当り判定用乱数により当否判定を行う保留シフト処理を行い、S220に処理を移行する。
【0076】
S220では、主制御装置50は、当否判定で大当りに当選したか否かの判定を行い、肯定判定が得られた場合には(S220:Yes)、S240に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S220:No)、S225に処理を移行する。
【0077】
S225では、主制御装置50は、図柄決定用乱数1,2に基づいてはずれ用図柄を選択し、S230に処理を移行する。
S230では、主制御装置50は、当否判定の結果と、リーチ決定用乱数及び変動時間決定用乱数に基づいて変動時間演算用データを選択し、S235に処理を移行する。
【0078】
S235では、変動時間演算用データの基準時間指定データに対応する基準時間データをタイマ値に設定すると共に、変動時間演算用データのループ回数データをカウンタに設定する。そして、S250に処理を移行する。
【0079】
一方、S220にて大当りに当選すると判定された際に移行するS240では、主制御装置50は、図柄決定用乱数1,2に基づいて大当り用図柄を選択し、S245に処理を移行する。
【0080】
S245では、主制御装置50は、当否判定の結果と、リーチ決定用乱数及び変動時間決定用乱数に基づいて変動時間演算用データを選択し、その後、上述のS235を実行した後にS250に処理を移行する。
【0081】
S250では、主制御装置50は、特別図柄表示装置29により特別図柄の変動表示を開始すると共に、サブ統合装置53に対し、演出図柄の変動表示の開始を指示する変動パターン指定コマンドを送信する。サブ統合装置53へのコマンドは、1バイト長の動作Noと識別Noとを有しており、動作Noには、変動パターン指定コマンドであることを示す50hが設定されると共に、識別Noには変動時間演算用データが設定される。そして、本処理を終了する。
【0082】
なお、変動パターン指定コマンドを受け取ったサブ統合装置53では、変動時間演算用データと変動時間との対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、該テーブルに基づき、識別Noとして設定された変動時間演算用データにより生成される変動時間が特定される。そして、演出図柄制御装置54aに、変動時間に応じたパターンでの演出図柄の変動表示を行わせる。
【0083】
このようにして識別Noに変動時間演算用データをそのまま設定した場合であっても、サブ統合装置53は、十分なROM容量や処理速度を有しているため、変動時間を特定する処理を行うことは大きな負担にはならず、また、これにより、主制御装置50の処理負荷や通信負荷を低減させつつ、サブ統合装置53にて変動時間を特定することができる。
【0084】
また、S205にて図柄変動の開始が不可能と判定された場合に移行するS255では、主制御装置50は、特別図柄や演出図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S255:Yes)、S260に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S255:No)、本処理を終了する。
【0085】
S260では、主制御装置50は、タイマ値が0か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S260:Yes)、S270に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S260:No)、S265に処理を移行する。なお、タイマ値に基準時間データが設定された後からS260でタイマ値が0と判定されるまでの時間が、基準時間となる。
【0086】
S265では、主制御装置50は、タイマ値をデクリメントして本処理を終了する。
また、S270では、主制御装置50は、カウンタが0か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S270:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S270:No)、S275に処理を移行する。
【0087】
S275では、主制御装置50は、カウンタをデクリメントし、S280に処理を移行する。
S280では、主制御装置50は、タイマ値に基準時間データを再度設定し、本処理を終了する。
【0088】
一方、S285では、主制御装置50は、特別図柄表示装置29により特別図柄の停止表示を行うと共に、演出図柄制御装置54aに対し、演出図柄を停止表示させる変動確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0089】
[変形例について]
(1)保留記憶消化処理について
上述の保留記憶消化処理は、当否判定の結果と、リーチ決定用乱数及び変動時間決定用乱数に基づいて変動時間演算用データを選択するという構成を有しているが、これらに加え、さらに、遊技状態又は特別図柄の保留記憶数を関連付けて変動時間演算用データを選択しても良い。
【0090】
すなわち、遊技機の遊技状態として、大当たり確率が通常状態よりも大当たり確率が高く設定される高確率状態、特別図柄及び/又は普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される時短状態、普通電動役物の開放時間が通常状態よりも長く設定される開放延長状態がある。
【0091】
さらに、これらの状態が組み合わされた「高確率、時短、開放延長」(所謂、確変遊技状態)、「高確率」又は「高確率、時短、開放延長」(所謂、潜伏遊技状態)、「通常確率、時短、開放延長」(所謂、時短遊技状態)、「通常確率」(通常遊技状態)がある。
【0092】
そして、遊技状態を関連付けた選択を行う場合、潜伏遊技状態及び通常遊技状態では、当否判定の結果がはずれで、リーチ決定用乱数がリーチを示す値ではないとき、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「01」である変動時間演算用データから1つを選択し、リーチ決定用乱数がリーチを示す値であるとき、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「11」である変動時間演算用データから1つを選択しても良い。また、確変遊技状態及び時短遊技状態では、当否判定の結果がはずれで、リーチ決定用乱数がリーチを示す値ではないとき、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「00」である変動時間演算用データから1つを選択し、リーチ決定用乱数がリーチを示す値であるとき、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「10」である変動時間演算用データから1つを選択しても良い。
【0093】
また、特別図柄の保留記憶数を関連させる場合、当否判定の結果がはずれで、リーチ決定用乱数がリーチを示す値ではないとき、シフト処理後の保留記憶数が0〜2であれば、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「01」である変動時間演算用データから1つを選択し、シフト処理後の保留記憶数が3であれば、変動時間決定用乱数に基づいて基準時間指定データが「00」である変動時間演算用データから1つを選択しても良い。
【0094】
なお、当否判定の結果が当りの場合や、当否判定の結果がはずれでもリーチ判定用乱数がリーチを示す値である場合においては、特別図柄の保留記憶数を関連させても良いが、関連しないように構成しても良い。
【0095】
(2)基準時間指定データについて
上述の実施形態においては、一つの基準時間に対応付けられている基準時間指定データを含む変動時間演算用データ(
図4(a−2)参照)を用いて変動時間を生成する場合について説明した。しかしながら、
図7(a),(b)に記載されているように、各基準時間指定データに対し、それぞれが異なる遊技状態(或いは保留記憶の数)に対応する複数の基準時間データを設定しておき、遊技状態や保留記憶の数に応じて、各基準時間指定データに対応するいずれかの基準時間データを選択することが望ましい。
【0096】
すなわち、上述したように、遊技機の遊技状態として、高確率状態や、時短状態や、開放延長状態があり、さらに、これらの遊技状態が組み合わされた「高確率、時短、開放延長」(所謂、確変遊技状態)、「高確率」又は「高確率、時短、開放延長」(所謂、潜伏遊技状態)、「通常確率、時短、開放延長」(所謂、時短遊技状態)、「通常確率」(通常遊技状態)がある。
【0097】
そして、基準時間指定データ及び遊技状態によって基準時間を設定する場合、確変遊技状態及び/又は時短遊技状態において基準時間指定データに対して設定される基準時間と、通常遊技状態において基準時間指定データに対して設定される基準時間とを、異なる数値とすることもでき、遊技状態に応じた異なる変動時間を容易に設定することができる。
【0098】
また、潜伏遊技状態では、「高確率」の場合には通常遊技状態と、「高確率、時短、開放延長」の場合には確変遊技状態及び/又は時短遊技状態と、それぞれ基準時間指定データに対して設定される基準時間を同じ数値とすることもでき、特別図柄の変動時間によって遊技状態が高確率であるか否かを見た目上判断不能とすることもできる。
【0099】
また、確変遊技状態と時短遊技状態とは、特別図柄の変動時間によって遊技状態が高確率であるか否かを見た目上判断不能とするために、基準時間指定データに対して設定される基準時間を同じ数値とすることが望ましいが、異なる数値としても何ら差し支えない。
【0100】
なお、基準時間指定データに対して設定される基準時間を異なる数値とするとは、基準時間指定データに対応するすべての基準時間を異なる数値とすること、一部の基準時間を異なる数値とすることも含む。同様に、基準時間指定データに対して設定される基準時間を同じ数値とするのは、基準時間指定データに対応するすべての基準時間を同じ数値とすること、一部の基準時間を同じ数値とすることを含む。
【0101】
一方、基準時間指定データ及び特別図柄の保留記憶数によって基準時間を設定する場合、基準時間指定データに対して複数の基準時間が設定され、特別図柄の保留記憶数によって複数の基準時間からいずれか1つを選択する構成であれば良い。
【0102】
なお、特別図柄として、第1特別図柄と第2特別図柄とを有し、第1特別図柄の保留記憶数を最大4個、第2特別図柄の保留記憶数を最大4個とした場合、個々の保留記憶数によって上記したような基準時間が設定されてもよいし、保留記憶数の合算値によって基準時間を設定してもよい。
【0103】
当然、遊技状態及び特別図柄の保留記憶数によって基準時間を設定することできる。
[効果]
本実施形態のパチンコ機1の主制御装置50のROMには、1バイトの変動時間演算用データが256個記憶されていると共に、1バイトの基準時間データが4個記憶されており、これらのデータサイズは260バイトとなる。
【0104】
また、現状のパチンコ遊技機の変動時間は、大当りの期待値の高いものでは2分強程度であるが、本実施形態では、主制御装置50では、2ms周期で更新されるタイマ値と、基準時間が経過する度に更新されるカウンタとにより変動時間が生成されており、変動時間演算用データにより生成される変動時間の最大値は30秒程度となる。仮に、該タイマ値の更新回数と予め定められた時間データが示す値とを随時比較して変動時間を生成するとした場合には、30秒程度の時間を生成するためには時間データのデータ長を2バイトとする必要があり、256種類の変動時間を生成するために必要となる時間データのデータサイズは、512バイトとなる。
【0105】
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、複数の上記時間データを設けて異なる長さの変動時間を生成可能とする場合に比べ、変動時間の生成に必要なデータのサイズを低減させることができる。したがって、変動時間のバリエーションや、変動時間の長さを制限することなく、必要なデータサイズを低減することができ、遊技性を低下させること無く、主制御装置50の記憶容量を低減させることができるのである。
さらに、基準時間指定データに対応する基準時間データの容量を増やすこと(例えば、2バイト)や、ループ回数データを複数のカウンタに設定(例えば、4個のカウンタ)又は固定数倍の値を設定すること(例えば4倍)、それらを組み合わせることで、変動時間を現状のパチンコ遊技機と同程度の時間とすることができ、従来の方法に比べて記憶容量を低減させることができる。
【0106】
また、ループ回数データを8ビットとし、ループ回数データの下位2ビットを基準時間指定データとして利用することで、従来に近い変動時間を選択する構成とすることもできる。
【0107】
また、ループ回数データを別途記憶しておき、基準時間指定データと同様に、ループ回数を指定するループ回数指定データとして変動時間演算用データを用いることで、より長期間の変動時間を多くの種類にわたり生成することができる。
【0108】
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、演出図柄の変動時間が変動時間演算用データにより生成されるが、変動時間演算用データと同様に構成されたデータを用いて、普通図柄の変動時間や、保留記憶されている乱数により大当り抽選に当選するか否かを予告する先読み演出の時間等、他の処理時間を生成しても良い。また、言うまでも無く、いわゆる羽ものや権利ものと呼ばれるパチンコ機においても、本実施形態の変動時間演算用データと同様に構成されたデータを用いて、各種処理時間を生成することができる。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0109】
(2)また、基本変動時間と付加変動時間とを加算した時間を演出図柄の変動時間として用いることで、データ容量の増加を抑えつつ変動時間のバリエーションを増やすことが提案されているが(例えば、特開2007−275129号公報)、本実施形態の変動時間演算用データによって生成される変動時間を基本変動時間とし、別途付加変動時間を生成する構成としても良い。
【0110】
具体的には、例えば、始動入賞時に大当り判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動時間決定用乱数1,2、大当たり図柄決定用乱数を抽出するように構成し、大当り判定用乱数、リーチ決定用乱数及び変動時間決定用乱数1によって選択された変動時間演算用データに基づく処理時間を基本変動時間とし、リーチ決定用乱数及び変動時間決定用乱数2によって選択された付加変動時間演算用データに基づく処理時間を付加変動時間とし、両処理時間(いずれの処理を先に行っても良いが同時に処理は行わない)を変動時間(基本変動時間+付加変動時間)とし、該変動時間にわたり特別図柄の変動表示を行った後、該特別図柄を停止表示させることで、大当り抽選の結果を報知する特別図柄制御手段としても良い。なお、変動時間演算用データに基づく処理時間を変動時間としたときと同様に、この変動時間についても演出又は演出図柄の変動表示に利用される。その際、基本変動時間に係る基本変動パターン指定コマンドと付加変動時間に係る付加変動パターン指定コマンドを送信するようにしても良い。
【0111】
この組み合わせによって、主制御装置50の記憶容量を抑えつつも変動時間のパターンを圧倒的に増加させることができ、変動時間のパターンが増えることで演出図柄の変動表示が複雑化した興趣溢れる遊技機を遊技者に提供することができる。
【0112】
(3)また、本実施形態のパチンコ機1によれば、変動時間を生成するために必要なデータサイズを低減させることができるが、該データサイズの低減により生じた主制御装置50のROMの空き容量を利用して、不正行為の防止機能を実現するためのプログラムを搭載しても良い。こうすることにより、遊技性を低下させること無く、不正行為を防止することが可能となる。
【0113】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0114】
パチンコ機1の主制御装置50のROMが基準時間データ記憶手段,時間生成データ記憶手段,回数データ記憶手段
に、変動時間演算用データが時間生成データに、ループ回数データが回数データに相当する
。
【0115】
また、保留記憶消化処理のS260が
ウェイト生成手段に、S270が
時間生成手段に、S250,S285が特別図柄制御手
段に相当する。