(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ステップ及び前記第2ステップにおける前記ビット拡張処理は、前記第1発光データ又は前記第2発光データの各ビットの上位に1ビットを追加し、その値を0とするものであり、
前記共通ビット拡張処理は、前記発光データの各ビットの上位に1ビットを追加し、その値を0とするとともに、下位ビットを前記第1発光データの各ビットと前記第2発光データの各ビットの論理積とするものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
第1色で発光する第1発光素子と、第2色で発光する第2発光素子とを含む発光素子であって、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方が発光するときの当該発光素子の駆動電流(以下「第1電流」と記す)と、前記第1発光素子と前記第2発光素子の両方が発光するときのそれぞれの駆動電流(以下「第2電流」と記す)とが異なるように制御される発光素子を備える遊技機において当該発光素子を制御するために用いられる駆動データを生成する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1発光素子に対する第1発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第1ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記す)を行う第1ステップと、
前記第2発光素子に対する第2発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第2ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第2オリジナルビット」と記す)を行う第2ステップと、
前記第1発光データ及び前記第2発光データに基づきデータを生成する共通ビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「共通ビット拡張発光データ」と記す)を行う第3ステップと、
前記第1ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第1駆動データ」と記す)を行う第4ステップと、
前記第2ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第2駆動データ」と記す)を行う第5ステップとを備え、
前記第1駆動データを前記第1発光素子の駆動データとし、
前記第2駆動データを前記第2発光素子の駆動データとすることを特徴とするプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技機において遊技の興趣向上を図るためになされる演出として、いわゆる7セグLEDの表示や、電飾装置の発光素子(発光ダイオードやランプ)を点滅させるものがある。
【0006】
一般的には、7セグLEDは予め定められた英数字を表示するので、専用のIC(デコーダ)が用意されていて、これに英数字のコードを入力することで当該英数字を表示させる。しかし、遊技機においては演出の一環として英数字以外の表示、例えばランダムなパターンを表示させることがあり、このため専用のICを使用せずに、7セグLEDの各セグメントを直接制御するようにしている。この制御のやり方は複数の発光素子を備える電飾装置についての制御と同様である。
【0007】
すなわち、7セグLEDの各セグメントや電飾装置に設けられた各発光素子に1ビットを割り当てこれのオンオフ(0と1)で当該セグメントや発光素子を点滅させる。例えば、1バイトのデータ(発光データ)を用意し、7セグLEDの7つのセグメントを各ビットに割り当てる(
図5及びその説明参照)。このやり方は単純でわかりやすく発光データを容易に作成できるとともに、各発光素子(7セグLEDのセグメント)の点灯状況を直感的に把握できる優れたものである。また、このやり方によればサブ基板からLED基板などの周辺基板へ発光データをそのまま送り、受けた基板側で発光データの各ビットを、各発光素子に1対1に設けられた駆動回路に入力するだけでよく、当該手法はサブ基板の処理及び周辺基板の回路の構成の点においても、簡単で信頼性の高い優れたものである。
【0008】
ところで、7セグLEDの各セグメントに異なる発色の複数の発光素子(発光ダイオード、LED)を備え、多色発光が可能なものがある。このような素子を採用することで、演出にさらに奥行きを持たせることができる。例えば、セグメントに赤色発光ダイオード(R-LED)と緑色発光ダイオード(G-LED)とを備え、赤色、緑色、オレンジの発光が可能なものがある。このような多色発光素子についても上述の制御手法を採用することができる。
【0009】
しかし、多色発光素子には単色の発光素子にはない制約が存在する。例えば、セグメントの赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードのいずれか一方を点灯させるときは定格電流(輝度)の100%を流すことができるが、両方を点灯させるときは信頼性確保のためにそれぞれ70%にしなければならない。このような制約は従来なかったものであるから、新しい制御手法を開発しなければならない。
【0010】
一方、従来の手法は優れたものでありそれを踏襲することが好ましい。この点は従来の発光データとの共通化、その流用を可能にし、発光データの作成作業を軽減するためにも重要である。
【0011】
また、上記制約に対応した制御処理は従来の制御手法にはなかった追加の処理であり、これを遊技機のサブ基板で行うとそのCPU負荷が増えるので好ましくない。CPU負荷を軽減する手法を開発すべきである。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、遊技機において、多色発光素子の制御を多色発光素子特有の制約に適応しつつ容易に行うことのできる制御手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、第1色で発光する第1発光素子と、第2色で発光する第2発光素子とを含む発光素子であって、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方が発光するときの当該発光素子の駆動電流(以下「第1電流」と記す)と、前記第1発光素子と前記第2発光素子の両方が発光するときのそれぞれの駆動電流(以下「第2電流」と記す)とが異なるように制御される発光素子を備える遊技機において当該発光素子を制御するために用いられる駆動データを生成する方法であって、
前記第1発光素子に対する第1発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第1ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記す)を行う第1ステップと、
前記第2発光素子に対する第2発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第2ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第2オリジナルビット」と記す)を行う第2ステップと、
前記第1発光データ及び前記第2発光データに基づきデータを生成する共通ビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「共通ビット拡張発光データ」と記す)を行う第3ステップと、
前記第1ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第1駆動データ」と記す)を行う第4ステップと、
前記第2ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第2駆動データ」と記す)を行う第5ステップとを備え、
前記第1駆動データを前記第1発光素子の駆動データとし、
前記第2駆動データを前記第2発光素子の駆動データとするものである。
【0014】
前記第1ステップ及び前記第2ステップにおける前記ビット拡張処理は、前記第1発光データ又は前記第2発光データの各ビットの上位に1ビットを追加し、その値を0とするものであり、
前記共通ビット拡張処理は、前記発光データの各ビットの上位に1ビットを追加し、その値を0とするとともに、下位ビットを前記第1発光データの各ビットと前記第2発光データの各ビットの論理積とするものである。
【0015】
この発明は、内部抽選処理を含む遊技に係る制御を実行するメイン基板と、
前記メイン基板からコマンドを受けて演出に関する処理を実行するサブ基板と、
前記演出を行うために、基板内部に設けられた発光素子を発光制御するか、又は、基板外の発光素子を発光制御する発光基板とを備え、
前記サブ基板から前記発光基板へ駆動データを送り、当該駆動データに基づき前記発光素子を発光させる遊技機において、
前記サブ基板は、上記多色発光素子の駆動データ生成方法により生成された前記第1駆動データと前記第2駆動データを記憶し、
前記発光基板は、
前記第1発光素子を前記第1電流で駆動する第1色第1点灯部と、
前記第1発光素子を前記第2電流で駆動する第1色第2点灯部と、
前記第2発光素子を前記第1電流で駆動する第2色第1点灯部と、
前記第2発光素子を前記第2電流で駆動する第2色第2点灯部とを備え、
前記第1駆動データの前記第1オリジナルビットを前記第1色第1点灯部の入力とし、
前記第1駆動データの拡張されたビットを前記第1色第2点灯部の入力とし、
前記第2駆動データの前記第2オリジナルビットを前記第2色第1点灯部の入力とし、
前記第2駆動データの拡張されたビットを前記第2色第2点灯部の入力としたものである。
【0016】
この発明は、内部抽選処理を含む遊技に係る制御を実行するメイン基板と、
前記メイン基板からコマンドを受けて演出に関する処理を実行するサブ基板と、
前記演出を行うために、基板内部に設けられた発光素子を発光制御するか、又は、基板外の発光素子を発光制御する発光基板とを備え、
前記サブ基板は、前記発光基板へ駆動データを送り、当該駆動データに基づき前記発光素子を発光させる遊技機において、
前記発光素子は、第1色で発光する第1発光素子と、第2色で発光する第2発光素子とを含み、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方が発光するときの当該発光素子の駆動電流(以下「第1電流」と記す)と、前記第1発光素子と前記第2発光素子の両方が発光するときのそれぞれの駆動電流(以下「第2電流」と記す)とが異なるように制御されるものであり、
前記サブ基板は、
前記第1発光素子に対する第1発光データのビットを拡張するビット拡張処理と(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第1ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記す)、
前記第2発光素子に対する第2発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第2ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第2オリジナルビット」と記す)と、
前記第1発光データ及び前記第2発光データに基づきデータを生成する共通ビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「共通ビット拡張発光データ」と記す)と、
前記第1ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理と(以下、当該加算処理により得られたデータを「第1駆動データ」と記す)、
前記第2ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理と(以下、当該加算処理により得られたデータを「第2駆動データ」と記す)、を実行し、
前記第1駆動データ及び前記第2駆動データを前記発光基板へ送り、
前記発光基板は、
前記第1発光素子を前記第1電流で駆動する第1色第1点灯部と、
前記第1発光素子を前記第2電流で駆動する第1色第2点灯部と、
前記第2発光素子を前記第1電流で駆動する第2色第1点灯部と、
前記第2発光素子を前記第2電流で駆動する第2色第2点灯部とを備え、
前記第1駆動データの前記第1オリジナルビットを前記第1色第1点灯部の入力とし、
前記第1駆動データの拡張されたビットを前記第1色第2点灯部の入力とし、
前記第2駆動データの前記第2オリジナルビットを前記第2色第1点灯部の入力とし、
前記第2駆動データの拡張されたビットを前記第2色第2点灯部の入力としたものである。
【0017】
第1色で発光する第1発光素子と、第2色で発光する第2発光素子とを含む発光素子であって、前記第1発光素子と前記第2発光素子のいずれか一方が発光するときの当該発光素子の駆動電流(以下「第1電流」と記す)と、前記第1発光素子と前記第2発光素子の両方が発光するときのそれぞれの駆動電流(以下「第2電流」と記す)とが異なるように制御される発光素子を備える遊技機において当該発光素子を制御するために用いられる駆動データを生成する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1発光素子に対する第1発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第1ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記す)を行う第1ステップと、
前記第2発光素子に対する第2発光データのビットを拡張するビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第2ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第2オリジナルビット」と記す)を行う第2ステップと、
前記第1発光データ及び前記第2発光データに基づきデータを生成する共通ビット拡張処理(以下、当該ビット拡張処理の施されたデータを「共通ビット拡張発光データ」と記す)を行う第3ステップと、
前記第1ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第1駆動データ」と記す)を行う第4ステップと、
前記第2ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理(以下、当該加算処理により得られたデータを「第2駆動データ」と記す)を行う第5ステップとを備え、
前記第1駆動データを前記第1発光素子の駆動データとし、
前記第2駆動データを前記第2発光素子の駆動データとすることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、第1発光素子に対する第1発光データのビットを拡張するビット拡張処理と、第2発光素子に対する第2発光データのビットを拡張するビット拡張処理と、前記第1発光データ及び前記第2発光データに基づきデータを生成する共通ビット拡張処理と、前記第1ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理と、前記第2ビット拡張発光データと前記共通ビット拡張発光データを加算する加算処理とを実行し、これらを第1駆動データ及び第2駆動データとして発光基板へ送り、オリジナルビットと拡張されたビットに応じて異なる輝度で多色発光素子を発光させるようにしたので、第1発光素子と第2発光素子の片方の点灯と両方の点灯で輝度(電流値)を変えなければならないという制約のもとでも、単色の発光データを使用することができるようになる。これにより発光データを容易に作成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、
図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0021】
図1及び
図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、
図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、
図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0022】
前記ゲーム表示部131の下方には、演出用の表示部である中部基板204が設けられている。これは前扉130に設けられた透明の窓からその表示内容が遊技者に見えるようになっている。中部基板204には5つの7セグLEDが設けられている(
図5参照)。
【0023】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0024】
スロットマシン本体120の内部には、
図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0025】
前記前扉130の裏面には、
図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0026】
また、メダルセレクタ1の下側には、
図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0027】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0028】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0029】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0030】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0031】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202、中部基板204などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
【0032】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダル計数センサSEN1及びSEN2が接続されている。
【0033】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダル計数センサSEN1及びSEN2が設けられている。メダル計数センサSEN1及びSEN2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダル計数センサSEN1とSEN2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダル計数センサSEN1、SEN2は、それぞれが、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0034】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0035】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダル計数センサSEN1とSEN2の出力を受け、遊技に必要な規定投入数まではベットされ、それを超えた分は、所定枚数を限度としてクレジットされる。投入受付部1050は、規定投入数に相当する枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0036】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは、メダルを投入してもメダル計数センサSEN1、SEN2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0037】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0038】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0039】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0040】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0041】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0042】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0043】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0044】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0045】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0047】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0048】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0049】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0050】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0051】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0052】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0053】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0054】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0055】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0056】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0057】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0058】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0059】
次に、遊技機における遊技処理について
図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0060】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、
図4の処理が開始される。
【0061】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
【0062】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0063】
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
【0064】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0065】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0066】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0067】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0068】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0069】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0070】
図5(a)は中部基板204の正面図、同図(b)は7セグLEDのセグメントの説明図、同図(c)は発光データの各ビットとセグメントの対応関係の説明図である。
【0071】
図5(a)に示すように、中部基板204は5つの7セグLEDを備え、5桁の表示が可能である。発光制御は桁ごとに独立しているので、以下においてはひとつの7セグLEDの発光制御について説明を加える。この発光制御はどの桁にも適用することができる。
【0072】
図5(b)に示すように1つの桁の7セグLEDは7つの棒状のセグメント(発光部分)を備える。説明の便宜上、各セグメントにa〜gの符号を付している。図示しないが、各セグメントは赤色発光素子R−LEDと緑色発光素子G−LEDとを含む多色発光素子である。なお、以下の説明では、赤色発光素子R−LED、緑色発光素子G−LEDを、単にR−LED、G−LEDと表記することがある。
【0073】
図5(c)に示すように、R(赤色)発光データとG(緑色)発光データはそれぞれ1バイトであり、その各ビットに各セグメントa〜gが割り当てられている。例えば、R発光データ=0x01111111、G発光データ=0x00111111であるとすると、「日」の字の全部が点灯するが、中棒はR−LEDのみが点灯し、他はR−LEDとG−LEDの両方が点灯するので、中棒のみが赤色で他はオレンジとなる(
図10(a)参照)。なお、0x01111111の「01111111」は1バイトのデータの各ビットに対応しており、「0」はBit7(MSB)であり、以下、各桁は下位(右)に向かって順番にBit6, Bit5, Bit4, Bit3, Bit2, Bit0(LSB)である。
【0074】
図6は、発明の実施の形態に係る発光素子の制御方法の説明図である。
【0075】
設計中の遊技機においてどのような演出を行うかが決定されると、当該遊技機の設計者により当該演出の内容に基づき発光データが作成される。この発光データは上記のようなものであり、R−LEDとG−LEDをそれぞれ制御するR発光データとG発光データである。
【0076】
これらR発光データとG発光データに基づき、コンパイル(コンパイラ)CMLによりサブ基板20のROMに格納すべきデータ(駆動データ)を作成する。コンパイルCMLは、発光データを含む演出に係るデータ(例えば設計者により作成されている)をサブ基板20のCPUで取り扱う形式のデータに変換する。発光データについては、コンパイルCMLは後述の
図8のS10〜S16の処理を行う。
【0077】
コンパイルCMLにより生成された駆動データはROMに書き込まれる。この状態で遊技機は出荷される。
【0078】
動作中の遊技機は所定の契機で中部基板204の演出を行う。すなわち、サブ基板20がメイン基板10からのコマンドを受けて中部基板204に表示を行うとき、当該コマンドに対応する駆動データをサブ基板20のROMから読み出し、これをそのまま中部基板204へ送る。中部基板204は、受けた駆動データをそのまま発光素子の駆動回路(点灯回路)に入力する。この処理により前記発光データの通りに発光素子が点灯する。なお、サブ基板20は、メイン基板10からコマンドを受けて演出に関する処理を実行する「演出制御基板」である。
【0079】
このように、コンパイルCMLにおいて発光データを中部基板204などの周辺基板(発光基板)へ直接送ることのできる駆動データに予め変換しておくことで、サブ基板20はROMから読み出した駆動データをそのまま中部基板204へ送るという簡単な処理を行うだけで済み、処理負荷が軽減される。サブ基板20は、コンパイルCMLが行う
図8のS10〜S16の処理を行う必要がない(なお、サブ基板20がS10〜S16の処理を行うようにしてもよい)。
【0080】
図7は、
図6の処理系統をより詳しく説明するためのブロック図である。同図はそれぞれn個(nは自然数)のR−LEDとG−LED(発光素子)を制御する例を示している。図中、「/」とn、2nは、当該箇所のビット幅を示している。7セグLEDの場合はn=7である。なお、理解を容易にするために、各1個のR−LEDとG−LEDについての制御ブロック図と真理値表を後述するので、併せて参照されたい(
図11、
図12)。
【0081】
R−LEDは、赤色(第1色)で発光するR発光素子(第1発光素子)である。
【0082】
G−LEDは、緑色(第2色)で発光するG発光素子(第2発光素子)である。
【0083】
R発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDは、ひとつの多色発光素子を構成する。例えば、
図5(b)のセグメントa〜gのそれぞれに相当する。
【0084】
R発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDは、演出を行うための発光基板(中部基板204)に設けられている。なお、周辺基板(LED基板202)の外部に設けられていて当該周辺基板により駆動されるようにしてもよい。すなわち、発光基板(中部基板204)は、その基板内部に設けられた発光素子を発光制御するか、又は、その基板外の発光素子を発光制御するものである。
【0085】
R発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDについては次のような制約がある。すなわち、R発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDのいずれか一方が点灯するときの当該発光素子の駆動電流(第1電流)と、R発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDの両方が発光するときのそれぞれの駆動電流(第2電流)とが異なるように制御される。例えば、第1電流は定格の100%であり100%の輝度で発光する(実際は100%以下の任意の輝度で発光可能)が、第2電流は定格の70%であり70%の輝度で発光する(実際は70%以下の任意の輝度で発光可能)。両方の発光素子が同時に点灯すると過大な発熱により素子の寿命などに悪影響が生じるためである。
【0086】
301Rは、R発光素子に対する発光データ(R発光データ)のビット拡張処理を行うビット拡張部である。ビット拡張処理の詳細は後述する。前述のように、R発光データは1バイトのデータであり、当該バイトの各ビットはそれぞれひとつの発光素子(セグメントa〜g)に対応している(G発光データも同様)。以下の説明において、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第1ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記すことがある。
【0087】
301Gは、G発光素子に対する発光データ(G発光データ)のビット拡張処理を行うビット拡張部である。以下の説明において、当該ビット拡張処理の施されたデータを「第2ビット拡張発光データ」、ビット拡張の基になったビットを「第1オリジナルビット」と記すことがある。
【0088】
後述の
図12(a)のビット拡張結果の上位ビット(値=0)が拡張されたビットであり、下位ビットがオリジナルビットに相当する。
【0089】
302は、R発光データ及びG発光データに基づきRG両方の処理に使用される共通データを生成する共通ビット拡張処理を行うRG共通ビット拡張部である。以下の説明において、当該ビット拡張処理の施されたデータを「共通ビット拡張発光データ」と記すことがある。
【0090】
303Rは、ビット拡張部301Rの出力の第1ビット拡張発光データとRG共通ビット拡張部302の出力の共通ビット拡張発光データを加算する加算部である。以下、当該加算処理により得られたデータを「第1駆動データ」と記すことがある。
【0091】
303Gは、ビット拡張部301Gの出力の第2ビット拡張発光データとRG共通ビット拡張部302の出力の共通ビット拡張発光データを加算する加算部である。以下、当該加算処理により得られたデータを「第2駆動データ」と記すことがある。
【0092】
304R−1は、R発光素子R−LEDを第1電流で駆動するR第1点灯部である。R発光素子R−LEDは、
図5(b)の7セグLEDのセグメントa〜gの赤色発光素子である。R第1点灯部304R−1はセグメントの数に対応して7個ある。図面に実際の数のR第1点灯部304R−1を描くと見づらくまたわかりづらくなるので、1つのブロックで7個の要素をまとめて表示している。
【0093】
各セグメントと1バイトのデータの各ビットの対応関係は
図5(c)のようである。R第1点灯部304R−1の数には制限がなく、一般的にはnを自然数として、R第1点灯部304R−1はn個(例えば7個)あり、それぞれ、1バイト(あるいは2バイト以上)のデータのnビットのうちの1ビットを入力とし、複数の発光素子(例えばセグメントa〜g)をそれぞれ駆動する。例えば、入力が「1」であるとき第1電流でR発光素子R−LEDを発光させる(他の点灯部も同様)。
【0094】
304R−2は、R第1点灯部304R−1と同様に、R発光素子R−LEDを第2電流で駆動するR第2点灯部である。
【0095】
304G−1は、R第1点灯部304R−1と同様に、G発光素子G−LEDを第1電流で駆動するG第1点灯部である。
【0096】
304G−2は、R第1点灯部304R−1と同様に、G発光素子G−LEDを第2電流で駆動するG第2点灯部である。
【0097】
第1駆動データのオリジナルビットが、R第1点灯部304R−1の入力となる。
【0098】
第1駆動データの拡張されたビットが、R第2点灯部304R−2の入力となる。
【0099】
第2駆動データのオリジナルビットが、G第1点灯部304G−1の入力となる。
【0100】
第2駆動データの拡張されたビットが、G第2点灯部304G−2の入力となる。
【0101】
なお、
図6との対比において、
図7のビット拡張部301R、301G、RG共通ビット拡張部302、加算部303R、303Gが、コンパイルCMLに相当する。点灯部304R−1〜304G−2、発光素子R−LED、G−LEDが、中部基板204に相当する。加算部303R、303Gから点灯部304R−1〜304G−2へのデータの伝播が、サブ基板20の送信処理に相当する。
【0102】
図8及び
図9を参照して、
図7の装置の動作について説明を加える。
図8はコンパイルCMLが行う処理を示し、
図9はサブ基板20が行う処理を示す。なお、
図8の処理をサブ基板20が行うようにしてもよい。
図9はR発光素子についての処理フローチャートであるが、G発光素子についても同じである(G発光素子の処理フローチャートは省略する)。
【0103】
図8において、
S10:ビット拡張部301R、RG共通ビット拡張部302が、R点灯データ(以下「x」と記すことがある)を取得する。
【0104】
S11:ビット拡張部301G、RG共通ビット拡張部302が、G点灯データ(以下「y」と記すことがある)を取得する。
【0105】
R点灯データ、G点灯データは予め生成されている。
【0106】
S12:ビット拡張部301RがR点灯データのビット拡張を行う。
例えば次のような論理積とビットシフトを組み合わせた演算を行う。
conv x = ( ( x & 0x0001 ) \
| ( ( x & 0x0002 ) << 1 ) \
| ( ( x & 0x0004 ) << 2 ) \
| ( ( x & 0x0008 ) << 3 ) \
| ( ( x & 0x0010 ) << 4 ) \
| ( ( x & 0x0020 ) << 5 ) \
| ( ( x & 0x0040 ) << 6 ) )
【0107】
S13:ビット拡張部301GがG点灯データのビット拡張を行う。
この処理はS12と同様である。
【0108】
S14:RG共通ビット拡張部302がRG共通のビット拡張を行う。
例えば次のような論理積とビットシフトを組み合わせた演算を行う。
conv x&y = ( ( (x & y) & 0x0001 ) \
| ( (x & y) & 0x0002 ) << 1 ) \
| ( (x & y) & 0x0004 ) << 2 ) \
| ( (x & y) & 0x0008 ) << 3 ) \
| ( (x & y) & 0x0010 ) << 4 ) \
| ( (x & y) & 0x0020 ) << 5 ) \
| ( (x & y) & 0x0040 ) << 6 ) )
【0109】
S15:加算部303Rが、R発光データのビット拡張されたものとRG共通のビット拡張されたものを加算する。この結果をR駆動データ(第1駆動データ)とする。
R駆動データをSegTbl(x)とすると次のように表される。
SegTbl(x) = conv x + conv x&y
【0110】
S16:加算部303Gが、G発光データのビット拡張されたものとRG共通のビット拡張されたものを加算する。この結果をG駆動データ(第2駆動データ)とする。
G駆動データをSegTbl(y)とすると次のように表される。
SegTbl(y) = conv y + conv x&y
【0111】
S17:サブ基板20が中部基板204へR駆動データとG駆動データを出力する。
【0112】
図9において、
S20:中部基板204がR駆動データSegTbl(x)を取得する。
【0113】
S21:中部基板204がR駆動データSegTbl(x)の2ビットごと(拡張されたビットとオリジナルビットの組、以下これを「素子単位」と記すことがある)に発光素子を割り当てる。
【0114】
図7において、オリジナルビットをひとつのR発光素子のR第1点灯部304R−1に割り当て(入力し)、拡張されたビットをひとつのR発光素子のR第2点灯部304R−2に割り当てる(入力する)。
【0115】
S22:中部基板204が、各素子単位ごとに「1」のビットがあるかどうか判定する。
「1」のビットがないときは、処理を終了する。
【0116】
S23:オリジナルビットが「1」であるとき、対応する発光素子を第1電流で駆動する。
R第1点灯部304R−1が動作し、R第2点灯部304R−2は動作しない。
【0117】
S24:拡張されたビットが「1」であるとき、対応する発光素子を第2電流で駆動する。
R第1点灯部304R−2が動作し、R第2点灯部304R−1は動作しない。
【0118】
図10の具体例を参照して、
図7〜
図9の動作例について説明を加える。
【0119】
図10(a)は点灯の様子を示す。セグメントa〜fはR−LEDとG−LEDの両方が点灯してオレンジで発色し、セグメントgはR−LEDのみが点灯するものとする。
【0120】
図10(a)のように点灯させる発光データは、
図10(b)のようになる。同図において、xはR発光データを示し、yはG発光データを示す。x=0x01111111、y=0x00111111であるので、
図10(a)のように「日」の字の全部が点灯するが、中棒gはR−LEDのみが点灯し、他のa乃至fはR−LEDとG−LEDの両方が点灯する。中棒gのみが赤色で他はオレンジとなる。
【0121】
図10(b)に発光データに対してRビット拡張とRG共通ビット拡張を行うと、
図10(c)のようになる。「conv」は論理積とビットシフトを組み合わせた演算を行うことを意味する。この演算の具体的な内容については前述した。「&」は論理積を意味する。
【0122】
Rビット拡張の結果、第1ビット拡張発光データ(conv x)として、0x00 01 01 01 01 01 01 01が得られる。RG共通ビット拡張の結果、拡張共通ビットデータ(conv x&y)として、0x00 00 01 01 01 01 01 01が得られる。すなわち、x&y=0x00111111であるから、各ビットについて拡張することにより0x00 00 01 01 01 01 01 01が得られる。
【0123】
図10(c)を求めるための処理は、
図8のS12とS14に相当する。
【0124】
図10(c)の2つのデータを加算すると
図10(d)のようになり、これがR駆動データとなる。素子単位に区切り、セグメントa〜gとの対応関係を示している。「SegTbl」は、前述のようにSegTbl(x) = conv x + conv x&yと定義されている。
図10(c)のように求められたconv x = 0x00 01 01 01 01 01 01 01とconv x&y=0x00 00 01 01 01 01 01 01の算術和を求めることで、
図10(d)が得られる。セグメントa〜fはいずれも「10」、セグメントgは「01」である。
【0125】
図10(d)を求めるための処理は、
図8のS15に相当する。
【0126】
図10(b)に発光データに対してGビット拡張とRG共通ビット拡張を行うと、
図10(e)のようになる。「conv」は、前述のように論理積とビットシフトを組み合わせた演算を行うことを意味する。
【0127】
Gビット拡張の結果、第2ビット拡張発光データ(conv y)として、0x00 00 01 01 01 01 01 01が得られる。RG共通ビット拡張の結果は同じである。
【0128】
図10(e)を求めるための処理は、
図8のS13とS14に相当する。
【0129】
図10(e)の2つのデータを加算すると
図10(f)のようになり、これがG駆動データとなる。素子単位に区切り、セグメントa〜gとの対応関係を示している。「SegTbl」は、前述のようにSegTbl(x) = conv x + conv x&yである。セグメントa〜fはいずれも「10」、セグメントgは「00」である。
【0130】
図10(f)を求めるための処理は、
図8のS16に相当する。
【0131】
図10(g)は、点灯部304R−1〜304G−2へ渡される駆動データを示す。駆動データとセグメントa〜gの対応関係は
図10(d)(f)と同じであり、例えば、R駆動データ=0x00 「01」 10 10 10 10 10 「10」の「01」はセグメントgのR発光素子に対応し、「10」セグメントaのR発光素子に対応している。G駆動データ=0x00 「00」 10 10 10 10 「10」 「10」の「00」はセグメントgのG発光素子に対応し、「10」セグメントaのG発光素子に対応している。
【0132】
図10(h)は、素子単位ごとの駆動データと点灯状況(輝度)を示す。同図の上位ビットはR第2点灯部340R-2、G第2点灯部340G-2に入力され、下位ビットはR第1点灯部340R-1、G第1点灯部340G-1に入力される。これによれば、セグメントa〜fのR発光素子R−LEDとG発光素子G−LEDはいずれも70%の輝度(第2電流)で発光し、セグメントgのR発光素子R−LEDは100%の輝度(第1電流)で発光し、G発光素子G−LEDは消灯している。
【0133】
このように、
図7〜
図9によれば、単色の発光素子についての発光データ(例えば
図10(b))を用いて多色の発光素子の駆動データを生成できる。得られた駆動データは電流に関する前述の制約を満たしている。
【0134】
理解を容易にするために、
図11にn=1ビットとしたブロック図を示し、
図12にそのときの真理値表を示す。
図7の装置は、
図11の1ビットの装置をn個備えるものと考えることができる。なお、
図11においては発光素子を発光ダイオード(LED)とし、点灯部を抵抗とスイッチ(ANDゲートなどの回路)で構成される回路としている。
図12(c)に示すように、抵抗Tは抵抗T’よりも小さい。これにより、第1電流>第2電流となる。
【0135】
図12(a)を参照すれば、ビット拡張部301R、301Gによるビット拡張は、発光データの1ビット(オリジナルビット)の上位に1ビットを追加し、その値を0とするものである。
【0136】
図12(b)を参照すれば、RGビット拡張部302による共通ビット拡張処理は、発光データの1ビットの上位に1ビットを追加し、その値を0とするとともに、下位ビットをR発光データとG発光データの論理積としたものである。
【0137】
図12(c)は、抵抗Tと抵抗T’の関係を示す。
【0138】
発明の実施の形態によれば、次の効果を奏する。
【0139】
(1)単色の発光素子を備える中部基板や電飾装置に使用していた発光データを、多色の発光素子を備える中部基板や電飾装置に、そのまま使用することができる。従来の発光データと互換性があることは、このこと自体大きなメリットである。また、当該発光データは発光素子との関係が単純明快であり、データ作成の作業性が向上するとともにバグの発生を抑制することができ、この点もメリットである。
【0140】
(2)発色を変えるときにも、前記発光データをそのまま使用することができる。発色に応じて点灯する色を適宜選択すればよい。
【0141】
(3)発色の状態に応じて輝度(電流値)を変える必要があるときに、輝度ごとに駆動回路を用意し、それらを並列に接続することで発光素子の駆動回路を構成できる。発光データのビット拡張を行っているので、各ビットの値をそのまま、輝度ごとの駆動回路の入力とすることができる。特に、「01」で100%点灯、「10」で70%点灯のように定義するとともに、01+00=01、01+01=10のように加算により駆動データを得ているので、簡単な処理により各ビットに特定の輝度(駆動回路)を割り当てることができる。
以上により、中部基板や電飾装置にデコーダ回路などを設ける必要がなくなり、それらの構成を簡単にすることができコストダウンが可能になる。また、この構成により発光素子との関係が単純明快な前記発光データの使用が可能になる。
【0142】
(4)3色以上の多色発光素子への応用も簡単である。各色ごとの発光データを用意すると共に、追加された色に対応する駆動回路を用意すればよい。2色の発光データに追加された色の発光データを新たに用意するだけでよい。
【0143】
以上の説明において、スロットマシンを例に取り説明を加えてきたが、パチンコ機などの他の遊技機にも本発明の実施の形態を適用することができる。
【0144】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。