特許第6019421号(P6019421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019421
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】直流開閉器
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/44 20060101AFI20161020BHJP
   H01H 33/20 20060101ALI20161020BHJP
   H01H 73/18 20060101ALI20161020BHJP
   H01H 33/18 20060101ALI20161020BHJP
   H01H 73/06 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01H9/44 A
   H01H33/20
   H01H73/18 A
   H01H33/18 Z
   H01H73/18 Z
   H01H73/06 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-108178(P2012-108178)
(22)【出願日】2012年5月10日
(65)【公開番号】特開2013-235748(P2013-235748A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】波多野 晶也
(72)【発明者】
【氏名】納所 大輔
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−185590(JP,A)
【文献】 特開2011−150983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/44
H01H 33/18
H01H 33/20
H01H 73/06
H01H 73/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する分割式のケースの内部に、固定接触子と、ケース分割面と平行に動作する可動接触子とを収納するとともに、固定接触子と可動接触子との接触位置の近傍にアークを消弧するための永久磁石を配置した直流開閉器において、
前記永久磁石は外郭を構成するケースと一体に成形された磁石収納部に収納されており、かつこの磁石収納部は少なくとも固定接触子側とケース内部側を覆う壁部を備え、ケース開口側に永久磁石の挿入口を備えたものであることを特徴とする直流開閉器。
【請求項2】
固定接触子の先端にアークランナーが延設され、該アークランナーの先方に前記磁石収納部を配置したことを特徴とする請求項1記載の直流開閉器。
【請求項3】
前記永久磁石をケースによって両側から位置規制したことを特徴とする請求項2記載の直流開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点開放時に発生するアークの消弧性を向上させた直流開閉器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直流開閉器はハンドルと連動する可動接触子を固定接触子とともにケースの内部に組み込み、直流回路の開閉を行なう機器である。電流値が増加すると、接点を開いて直流電流を遮断したときに接点間にアークが発生することが避けられず、発生したアークを速やかに消弧することが、遮断能力の向上のために求められる。特に近年、太陽光発電の技術向上やバッテリーの性能向上により直流の高電圧化、高電流化が進み、直流開閉器の遮断能力の向上が強く求められている。
【0003】
そこで従来から、可動接点と固定接点との間に永久磁石を配置してアークを引き伸ばし、アークを速やかに消滅させる技術が用いられている。しかし消弧室内に永久磁石を露出配置すると、発生したアークに曝されて次第に磁力が低下し、消弧性能が失われるという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、特許文献1に示されるように消弧板に永久磁石を取付け、絶縁板で保護した構造の直流開閉器が提案されている。この構造は永久磁石が直接アークに曝されることはない利点がある。しかしその反面、絶縁板の部品が増加し、また絶縁板の取付作業が発生するため、コストアップにつながるという問題があった。
【0005】
このほか、プラスチック部品に永久磁石を封入したものもあるが、プラスチック部品の部品点数が増加するという問題があった。また消弧室にプラスチック部品の収納スペースを確保する必要があるため、内部機器の設置スペースが削減され、遮断能力向上を図り難いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−320375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、部品点数を増加させたり消弧室に余分のスペースを設けたりすることなく接点付近に永久磁石を配置し、安定した消弧性能を確保することができる直流開閉器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の直流開閉器は、外郭を構成する分割式のケースの内部に、固定接触子と、ケース分割面と平行に動作する可動接触子とを収納するとともに、固定接触子と可動接触子との接触位置の近傍にアークを消弧するための永久磁石を配置した直流開閉器において、前記永久磁石は外郭を構成するケースと一体に成形された磁石収納部に収納されており、かつこの磁石収納部は少なくとも固定接触子側とケース内部側を覆う壁部を備え、ケース開口側に永久磁石の挿入口を備えたものであることを特徴とするものである。
【0009】
なお、固定接触子の先端にアークランナーが延設され、該アークランナーの先方に前記磁石収納部を配置した構造とすることが好ましく、また、前記永久磁石をケースによって両側から位置規制した構造とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の直流開閉器は、永久磁石をケースと一体に成形された磁石収納部に収納したので、永久磁石を取付ける余分のプラスチック部品は不要であり、部品点数が少なくて済む。またアークは永久磁石により消弧されることはもちろん、磁石収納部は少なくとも固定接触子側とケース内部側を覆う壁部を備えているので、永久磁石がアークに直接曝されることもないので磁力の低下がなく、消弧性能が低下することがない。しかも、固定接触子の反対側またはケース開口側に永久磁石の挿入口を備えたものであるから、永久磁石の取付作業も容易である。
【0011】
なお、アークランナーの先方に前記磁石収納部を配置した構造とすれば、消弧性能を更に向上させることができ、永久磁石をケースによって両側から位置規制した構造とすれば、簡単な構造でありながら、永久磁石を確実に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の直流開閉器を示す外観斜視図である。
図2】手前側の右ケースを取り除き、内部構造を示した斜視図である。
図3】永久磁石の挿入位置を示す斜視図である。
図4】磁石収納部の拡大断面図である。
図5】左ケースの斜視図である。
図6】オン状態における内部構造の説明図である。
図7】オフ状態における内部構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の直流開閉器を示す外観図である。外郭を構成するケース1は樹脂製であり、幅方向に3分割された中央ケース2、右ケース3、左ケース4から構成されている。この実施形態の直流開閉器は2極の接点機構を備えたものであり、5はハンドル、6は電源側端子、7は負荷側端子である。
【0014】
図2は図面手前側の右ケース3を取り除き、内部構造を示した斜視図である。中央ケース2はその中央隔壁の両側の内部空間にそれぞれ開閉機構部8を格納している。これらの開閉機構部8は上部のハンドル5と連動して可動接触子9をケース1の分割面と平行に動作させる。可動接触子9の先端部には可動接点10が設けられている。可動接触子9はより線11によって負荷側端子7に接続されている。
【0015】
また、ケース1の電源側の端部には前記した電源側端子6と一体に固定接触子12が配置されている。固定接触子12はケース中心に向かう傾斜部13に固定接点14を備えている。傾斜部13の先端はケース1の底面と平行に延びたアークランナー15となっている。
【0016】
アークランナー15の先方には、偏平な箱状に形成された磁石収納部16が配置されている。図3に示すように、磁石収納部16は中央ケース2の底部に一体成形されたものであり、固定接触子12の側とケース内部側を覆う壁部17を備えている。そして図3の手前側のケース開口側には、永久磁石19の挿入口18が形成されている。磁石収納部16は中央ケース2の底部と平行に形成されているので、アークガスの噴射を妨げない。また磁石収納部16はアークが接触する固定接触子12の側とケース内部側を壁部17により覆われた構造であるので、永久磁石19がアークと直接接触することを防止することができる。このため永久磁石19が磁力低下することがなく、遮断性能を維持することができる。
【0017】
図3のように中央ケース2に形成された磁石収納部16に永久磁石19を挿入したうえで右ケース3と左ケース4をその両側に取付ければ、図4の要部断面図に示すように永久磁石19は右ケース3と左ケース4とによって両側から位置規制され、外れることはない。このような構造は、ケース1を成形するための金型構造を簡素化するうえでも有利である。なお図5に右ケースを示す。20が磁石収納部16の側面を押える部位である。また図6にオン状態における内部構造、図7にオフ状態における内部構造を示す。
【0018】
永久磁石19の磁極を可動接点10の移動経路に向けて設置すれば、磁力によりアークガスを湾曲させて、確実に消弧させることができる。永久磁石19の表面は樹脂製の壁部17により覆われており、磁力に影響が生じないことはいうまでもない。
【0019】
なお、可動接点10と固定接点14の延長線上は箱状に形成された磁石収納部16によって覆われ、延長線上にケースどうしの合わせ面が位置しないように構成してある。また、磁石収納部16の下面はケース底面と兼用されているので、スペース的に有効である。
【0020】
上記した実施形態では過電流遮断機能のない直流開閉器を示したが、過電流により可動接触子9をトリップさせて回路を遮断するブレーカ機能を持たせてもよい。
【0021】
また上記した実施形態では2極の開閉機構を中央ケース2、右ケース3、左ケース4から構成される3分割式のケース1の内部に格納したが、本発明は左右2枚のケースからなる2分割式のものにも適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 ケース
2 中央ケース
3 右ケース
4 左ケース
5 ハンドル
6 電源側端子
7 負荷側端子
8 開閉機構部
9 可動接触子
10 可動接点
11 より線
12 固定接触子
13 傾斜部
14 固定接点
15 アークランナー
16 磁石収納部
17 壁部
18 挿入口
19 永久磁石
20 磁石収納部の側面を押える部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7