特許第6019431号(P6019431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019431
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ガスコンロ装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   F24C3/12 S
   F24C3/12 U
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-189217(P2014-189217)
(22)【出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-61481(P2016-61481A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】小野田 博行
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−196937(JP,A)
【文献】 特開2005−257154(JP,A)
【文献】 特開2004−258768(JP,A)
【文献】 特開2014−092309(JP,A)
【文献】 特開平11−294763(JP,A)
【文献】 特開2005−106338(JP,A)
【文献】 特開2003−130334(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0264269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火位置から点火位置まで押し込むことによりガスバーナに点火し、その後燃焼位置まで戻った状態でガスバーナの燃焼を維持し、燃焼位置から再度押し込むことによって最初の消火位置に戻ってガスバーナを消火させる点消火手段を備え、この点消火手段を点火位置まで押し込んだ状態で強制的に開弁される弁体と、その弁体を開弁状態で保持する電磁石とを備えた電磁安全弁と、この電磁安全弁に対して直列に接続され、電動アクチュエータによって駆動されることよってガスバーナへのガスの供給量を増減して火力調節を行う火力調節部と、点消火手段を消火位置から点火位置まで押し込む途中でオンする第1接点および点火位置に到達した状態でオンする第2接点とが設けられており、第1接点がオンすると制御部への通電が開始されると共に上記電磁安全弁の電磁石に保持電流の通電が開始され、第2接点がオンするとイグナイタが作動するガスコンロ装置において、上記ガスバーナの消火動作がされて第1接点がオフになると、上記制御部は、上記電動アクチュエータを駆動させて、上記火力調節部の開度を次回の点火に備えて点火火力に相当する開度にイニシャライズすると共に、イニシャライズが完了したことを不揮発性メモリに書き込んだ後に制御部自身への通電を停止すると共に、次回点火時に上記第1接点がオンになることにより制御部への通電が開始されると、制御部は不揮発性メモリを読み、火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていないと判断した場合には、上記電磁安全弁の電磁石への保持電流の通電を禁止すると共に、上記第2接点がオンになってもイグナイタの作動を禁止した状態で待機することを特徴とするガスコンロ装置。
【請求項2】
上記第1接点がオンになった時点で火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていない場合に、直ちにイニシャライズを行うことを特徴とする請求項1に記載のガスコンロ装置。
【請求項3】
上記第1接点がオンになった時点で火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていない場合に、消火操作による第1接点のオフ後にイニシャライズを行うことを特徴とする請求項1に記載のガスコンロ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し込み操作によってガスコンロの点消火を行う点消火ボタンと、この点消火ボタンの押し込み位置によってオンになる第1接点および第2接点を備えたガスコンロ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁安全弁を備えたガス流量制御装置であって、点消火ボタンを押し込むと、弁軸が奥に移動し、その弁軸の先端で電磁安全弁の弁体を強制的に開弁させるものが知られている。このようなガス流量制御装置では、弁軸の途中にさらに元弁となる弁体を取り付け、点消火ボタンを押し込むと最初に元弁が開弁し、さらに押し込むことによって電磁安全弁が開弁するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、点消火ボタンの押し込み位置によってオンになる2個の接点が設けられており、そのうちの第1接点は元弁が開弁するタイミングでオンになり、残りの第2接点は電磁安全弁が開弁するタイミングでオンになるように設定されている。
【0004】
したがって、第1接点がオンになり、さらに第2接点がオンになった時点でスパーカを作動させてガスバーナに点火を行い、その後、第1接点がオフになると、元弁が閉弁してガスバーナへのガスの供給が停止した状態、すなわちガスバーナが消火状態になったことを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−196937号公報(段落0025)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のガスコンロ装置では、外部の商用電源から電力の供給を受けており、そのため、電源スイッチがオンにされた後、再び電源スイッチがオフにされるまで制御部に通電をし続けても、電源の電力が枯渇するおそれはない。ただし、使用していない状態でも制御部に通電され続けるので、省エネの観点から望ましくない。また、作動用の電力を外部の商用電源からではなく、内蔵させた乾電池から供給されるように設定すると、火力調節操作によって火力調節装置の開度を増減する動作はそれほど電力を消費しないが、点火操作時に電磁安全弁の弁体を強制的に開弁させる動作には大きな電力を必要とする。
【0007】
そこで、作動用の電力を内蔵する乾電池から供給させるように構成し、さらに、点火時に電磁安全弁の開弁操作を手動で行い、その後の火力調節動作をモータによって行うように構成すると、点火操作が行われるまでは制御部に通電せず、点火動作開始から消火されるまで制御部に通電するように構成することが望ましい。
【0008】
ところが、このように構成すると、点火操作開始によって制御部に通電が開始されたあと、直ちにイグナイタを作動させなければ、未燃焼の生ガスがガスバーナから噴出して望ましくない。
【0009】
一方、イグナイタが作動する時点での火力調節装置の開度は点火に適した火力、すなわち点火火力に相当する開度になっていなければ、ガスバーナへのガスの供給量が少なすぎると確実に点火できず点火不良が生じ、逆にガスの供給量が多すぎると、点火時に大きな音が生じる爆着や、点火後の炎が鍋などから外側に溢れる炎あふれが生じる。
【0010】
このような不具合を防止するため上記従来のもののように、制御部に通電が開始されてからモータの原点出しを行い、その後に点火火力に相当する開度に調節していたのでは、上述のように生ガスがガスバーナから噴出し続けるという不具合が生じる。
【0011】
そこで、点火操作によって制御部に通電が開始されたあと、点火されるまでに生ガスの噴出量を可及的に少なくするため、前回の消火後に制御部への通電を停止する前に、火力調節部の開度を次回の点火時のために点火火力に相当する開度にイニシャライズした後、制御部への通電を停止するように構成することが望ましい。
【0012】
なお、制御部への通電が停止されるので、イニシャライズが完了したことを揮発性メモリに格納したのでは、通電の停止によって格納した内容が失われるので、不揮発性メモリにイニシャライズされたことを格納する必要がある。
【0013】
ところが、前回の消火時に何らかの異常によってインシャライズが完了しなかったため、次回制御部に通電されたときに不揮発性メモリを読んだ際にイニシャライズされていないデータが書き込まれている場合は、火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていないので、イグナイタを作動すべきではないが、電磁安全弁は手動で開弁されるので、そのような場合に電磁安全弁を開弁保持したのでは生ガスが漏出するという不具合が生じる。
【0014】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、制御部への通電が開始された時点でイニシャライズされていない場合に、生ガスの漏出を可及的に低減することのできるガスコンロ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明によるガスコンロ装置は、消火位置から点火位置まで押し込むことによりガスバーナに点火し、その後燃焼位置まで戻った状態でガスバーナの燃焼を維持し、燃焼位置から再度押し込むことによって最初の消火位置に戻ってガスバーナを消火させる点消火手段を備え、この点消火手段を点火位置まで押し込んだ状態で強制的に開弁される弁体と、その弁体を開弁状態で保持する電磁石とを備えた電磁安全弁と、この電磁安全弁に対して直列に接続され、電動アクチュエータによって駆動されることよってガスバーナへのガスの供給量を増減して火力調節を行う火力調節部と、点消火手段を消火位置から点火位置まで押し込む途中でオンする第1接点および点火位置に到達した状態でオンする第2接点とが設けられており、第1接点がオンすると制御部への通電が開始されると共に上記電磁安全弁の電磁石に保持電流の通電が開始され、第2接点がオンするとイグナイタが作動するガスコンロ装置において、上記ガスバーナの消火動作がされて第1接点がオフになると、上記制御部は、上記電動アクチュエータを駆動させて、上記火力調節部の開度を次回の点火に備えて点火火力に相当する開度にイニシャライズすると共に、イニシャライズが完了したことを不揮発性メモリに書き込んだ後に制御部自身への通電を停止すると共に、次回点火時に上記第1接点がオンになることにより制御部への通電が開始されると、制御部は不揮発性メモリを読み、火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていないと判断した場合には、上記電磁安全弁の電磁石への保持電流の通電を禁止すると共に、上記第2接点がオンになってもイグナイタの作動を禁止した状態で待機することを特徴とする。
【0016】
イニシャライズされていない場合にはガスバーナへの点火を行わないが、その際電磁安全弁が開弁保持されないように、電磁安全弁の電磁石への通電を禁止することとした。
【0017】
なお、このようにイニシャライズされていない場合には、イニシャライズすることによって再度ガスバーナを使用することができるようになる。そこで、上記第1接点がオンになった時点で火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていない場合に、直ちにイニシャライズを行うようにしてもよく、あるいは、上記第1接点がオンになった時点で火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていない場合に、消火操作による第1接点のオフ後にイニシャライズを行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から明らかなように、本発明は、点火操作時に制御部への通電が開始され、その時点で火力調節部のイニシャライズが完了していない場合には電磁安全弁の電磁石への通電を禁止して、点消火ボタンが点火位置から手前に戻れば電磁安全弁が閉弁してガスバーナからの生ガスの漏出が停止される。そのため、生ガスの漏出量を可及的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるガスコンロを正面から見た斜視図
図2】ガスコンロ内の配管状態を示す図
図3】火力調節装置の斜視図
図4】位置センサであるマイクロスイッチの作動状態を示す図
図5】点火操作時にイニシャライズが完了していない場合の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照して、1は本発明によるガスコンロ装置の一例である。このガスコンロ装置1の上面にはガラス製の天板11が設けられており、その天板11には3個のガスバーナ11a、11b、11cが設けられている。一方、このガスコンロ1の前面パネル12には各ガスバーナ11a、11b、11cの点消火操作及び火力調節操作を行うための火力調節装置13a、13b、13cが設けられている。また、前面パネル12の略中央にはグリル庫14が設けられており、グリル庫14内には上火バーナ14aと下火バーナ14bとが設置されている。そして、上火バーナ14aと下火バーナ14bの点消火及び火力調節は火力調節装置15によって行われる。
【0021】
図2を参照して、本実施の形態では、ガスの供給管路は4本に並列に分岐され、その分岐された供給管路の各々に火力調節装置13a、13b、13c,15が設けられている。そのうちの火力調節装置13aを例に説明すると、火力調節装置13a内には点消火を行うための開閉弁部2と火力調節を行うための流量調節部3とを備えている。
【0022】
開閉弁部2内には手動操作により開弁される元弁21aと電磁安全弁の弁体22aとが直列に設けられている。一方、流量調節部3には電動アクチュエータとしてモータ31が連結されており、モータ31を駆動させることにより流量を増減するように構成されている。なお、火力調節装置13b、13cは共に火力調節装置13aと同じ構造であるが、火力調節装置15は開閉弁部2は同じ構造であるものの流量調節部3の構造が他のものと相違する。
【0023】
火力調節装置15の流量調節部3は並列な2系統に分岐され、その各々に電磁力によって開閉する開閉弁15a、15bが設けられ、かつ、両開閉弁15a、15bをバイパスするオリフィス16が設けられている。従って、例えば開閉弁15aが開弁すれば上火バーナ14aの火力は強火になり、開閉弁15aが閉弁すればオリフィス16を通るガスによって弱火になる。
【0024】
図3および図4を参照して、引き続き火力調節装置13aを例に、火力調節装置13aの構造を説明する。
【0025】
4は操作つまみであり、点消火時に押し込まれ、また火力調節時には外周面をつままれて回動されるものである。操作つまみ4は常に手前側に向かって付勢されている。操作つまみ4が消火位置から付勢力に抗して押し込まれると、角筒状のガイド部材5内に収納されている部材に設けられたドッグ6が、この部材と共に押されて奥側に移動する。そして、ドッグ6が設けられている部材は奥に向かって移動することにより、開閉弁部2内に収納されている電磁安全弁の弁体を強制的に開弁させて、同じく電磁安全弁内に収納されている電磁石にその弁体を押接させる。
【0026】
図示しない制御部からその電磁石に直流電力が供給されると電磁石は励磁して弁体を開弁状態に吸着保持する。その状態で操作つまみ4に対する押し込み力を解除すると、操作つまみ4は上記付勢力によって手前側の火力調節位置まで突出する。消火する際には、操作つまみ4を消火位置を越えるまで一旦押し込んで押し込み力を解除すると、操作つまみ4は消火位置まで戻って、その位置で保持される。
【0027】
操作つまみ4が火力調節位置まで突出している状態で操作つまみ4を回動すると、ギヤトレインを介して回転センサであるロータリーエンコーダ41の回転軸が回転して、操作つまみ4の回動量に比例したパルス信号を上記制御部に出力する。制御部はこのパルス信号を受信すると、火力調節部3のモータ31を駆動して、流量を調節するように構成されている。
【0028】
ガイド部材5の正面から見て左側面にはドッグ6の前後位置によってオンオフする2つの接点を内蔵したマイクロスイッチ51が取り付けられている。このマイクロスイッチ51には2個の接点SW1,SW2が設けられている。第1接点SW1は制御部への通電を開始する位置を検知するための位置センサで有り、第2接点SW2は点火位置まで押し込まれていることを検知する位置センサである。
【0029】
図4に示すように、ドッグ6が手前から奥に向かって移動すると、最初に第1接点SW1がONになる。さらに操作つまみ4を押し込んで操作つまみ4が点火位置に到達すると、第2接点SW2がオンする。なお、点火位置で操作つまみ4に対する押し込み力を解除すると、上述のように操作つまみ4は火力調節位置まで手前側に後退して突出するが、ドッグ6が形成されている部材は図示しないストッパ機構によって、第1接点SW1がオン状態となる位置まで戻った状態で保持される。
【0030】
図に示すように、マイクロスイッチ51はガイド部材5の側面に形成された3本の爪5aで抱き込まれるようにして固定されている。なお、2本の突起5bがマイクロスイッチ51に形成されている取り付け穴に挿通されることによりマイクロスイッチ51の位置決めを行っている。従って、マイクロスイッチ51をガイド部材5に取り付ける際にネジを使用していない。
【0031】
操作つまみ4が消火位置にある状態ではドッグ6はプランジャ部51aを押し下げていないので、マイクロスイッチ51に内蔵されている第1接点SW1,SW2は共にオフの状態になっている(図4(a))。この状態から、操作つまみ4が押し込まれると、ドッグ6は後方、すなわち図4では左側に移動するので、ドッグ6は(b)に示すように、プランジャ部51aを押し下げ、第1接点SW1をオンにする。この時点では、第2接点SW2はオフのままである。
【0032】
さらに操作つまみ4を点火位置まで押し込むと、(c)に示すように、ドッグ6はプランジャ部51aをさらに押し込み、第2接点SW2をオンにする。
【0033】
上記第1接点SW1がONになると、図外の制御部に通電が開始される。本実施の形態のガスコンロ1は作動用の電源として乾電池を内蔵している。すべての操作つまみ4が消火位置にある状態では、制御部を作動させる必要がないので、制御部への通電は停止している。そして、いずれかの操作つまみ4が点火すべく押し込まれると、点火位置に到達する前に、図4(b)に示すように、第1接点SW1がオンとなって制御部に通電が開始され、続いて第2接点SW2がONになることによって、その操作つまみ4が点火位置まで押し込まれたことを制御部が検知することになる。なお、既にいずれかの操作つまみ4が火力調節位置に有り、制御部に通電されている状態で他の操作つまみ4が押し込まれ、新たに第1接点SW1がオンになった場合、制御部には既に通電されているので、制御部は新たに第1接点SW1がオンになったことを検知する。
【0034】
このような点火動作の詳細を図5を参照して説明する。上述のように、点火操作のため操作つまみ4を押し込むと、操作つまみ4が点火位置に到達する前に第1接点SW1がONになり、この第1接点SW1のONによって制御部に通電が開始される(S1)。すると、制御部は、直ちに制御部に内蔵されている不揮発性メモリであるEEPROMに格納されているパラメータM1の値を読む(S2)。このパラメータM1は、前回の消火操作時点で火力調節部3の開度が点火火力に相当する開度である場合には「1」が書き込まれており、それ以外の開度であると「0」が書き込まれる。
【0035】
通常であると、消火操作時にパラメータM1に1を書き込むので、このときのパラメータM1には1が書き込まれているはずである。パラメータM1に1が書き込まれていれば、火力調節部3の開度は点火火力に相当する開度になっているので、イグナイタを作動させてガスバーナへ点火を行う(S2→S3)。そして、点火したことが確認されると(S4)、イグナイタをオフにして(S5)点火が完了する。その後は火力調節されてガスバーナによる加熱調理が行われる。
【0036】
以上は正常な場合の点火動作であるが、前回の消火時に何らかの不具合によりインシャライズが完了していない場合は、S2の時点でパラメータM1の値が1以外、すなわち0となり、火力調節部3の開度が点火火力に相当する開度になっていないので、電磁安全弁(SV)への保持電流の通電を禁止する(S6)。これにより、その後電磁安全弁が開弁保持されて開弁したままの状態になることが防止される。そして、続けてイグナイタの作動を禁止する(S7)。これにより、その後に例え第2接点SW2がオンになってもイグナイタが作動せず、ガスバーナに点火されることが防止される。そして、さらに続けてエラー報知を開始する(S8)。このエラー報知はブザー音の発音やLEDなどによる表示など、いずれでもよい。
【0037】
そして、この時点では火力調節部の開度が点火火力に相当する開度になっていないので、イニシャライズを開始し(S9)、イニシャライズが完了すると(S10)、エラー報知を停止して(S11)、そのまま待機する。
【0038】
なお、待機状態から脱するためには再度操作つまみ4を押し込んで操作つまみ4を最初の消火位置に戻す必要がある。そして、このように操作つまみ4が消火位置に戻ると、第1接点SW1がオフになるので制御部への通電が停止して制御部がリセットされる。
【0039】
上記S11で、イニシャライズが終了した場合にエラー報知を停止させたが、エラー報知を停止すること無く継続させておき、この制御部のリセットでエラー報知が停止するようにしてもよい。また、この制御部がリセットされる時点では既にS10でイニシャライズが完了しているので、パラメータM1には1が書き込まれている。したがって、点火操作をやり直せば、今度は上記S2からS3へとフローが流れて、最終的に点火が正常に完了することになる。
【0040】
なお、上記の説明では、パラメータM1が1では無かった場合に直ちにS9,S10でイニシャライズを行ったが、通常の消火操作時と同じく、ここではイニシャライズを行わずエラー報知のみを行い、待機状態から消火操作がされた際にイニシャライズを行ってから制御部への通電を停止するようにしてもよい。
【0041】
上記実施の形態では、1つの操作つまみに点消火機能と火力調節機能の双方の機能を具備させたが、点消火機能は操作つまみで行い、火力調節機能は、例えば、タクタイルスイッチ等別個の操作部で行うようにしてもよい。
【0042】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0043】
1 ガスコンロ
2 開閉弁部
3 流量調節部
4 操作つまみ
5 ガイド部材
13a 火力調節装置
13b 火力調節装置
15 火力調節装置
31 モータ
41 ロータリーエンコーダ
51 マイクロスイッチ
6 ドッグ
SW1 接点
SW2 接点
図1
図2
図3
図4
図5