(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019437
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ゴンドラ用の収納式床装置
(51)【国際特許分類】
E04G 3/30 20060101AFI20161020BHJP
E04G 5/14 20060101ALI20161020BHJP
E04G 5/06 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
E04G3/30 301C
E04G5/14 301G
E04G5/06 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-98741(P2012-98741)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-227738(P2013-227738A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229689
【氏名又は名称】日本ビソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】山口 利雄
(72)【発明者】
【氏名】門脇 紀和
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−132087(JP,A)
【文献】
実開平03−037136(JP,U)
【文献】
実公平07−036000(JP,Y2)
【文献】
実公平03−048247(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/30
E04G 5/06
E04G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物から吊り下げられ構造物側面に沿って移動される作業ケージを備えたゴンドラ装置に設けられ前記構造物側面の凹凸作業面に対してハネ出し収納式の床板から作業を可能としたゴンドラ用の収納式床装置であって、
前記作業ケージの床面の一端部にハネ出し収納可能に連結されるハネ出し収納式の床板と、
前記ハネ出し収納式の床板の前記作業ケージ側を除く前方および両側面に前記作業ケージの本体手摺とほぼ同一高さに設けられるハネ出し手摺枠と、を備えており、
前記ハネ出し手摺枠は、前方手摺枠と側部手摺枠とを備えて構成され、
前記前方手摺枠は、前方上手摺枠と前方下手摺枠とが折り畳み可能に連結されて前記本体手摺の高さに前記前方上手摺枠を折り畳み収納可能に構成され、
前記側部手摺枠は、上部横手摺リンクを備え、前記上部横手摺リンクの一端部が前記本体手摺の上端部に回動可能に連結され、前記上部横手摺リンクの他端部が前記側部手摺枠から突き出す連結ピンに長孔を介して回動可能に連結されて前記上部横手摺リンクを前記本体手摺の高さに折り畳み収納可能に構成した、
ことを特徴とするゴンドラ用の収納式床装置。
【請求項2】
前記ハネ出し手摺枠には、折り畳み収納状態を保持するストッパ部材を設けて構成したことを特徴とする請求項1に記載のゴンドラ用の収納式床装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はゴンドラ用の収納式床装置に関し、建築物などの構造物の上部から垂下したワイヤロープなどの索条を介して作業ケージから作業を行うゴンドラ装置で、構造物側面に凹凸作業面があっても床板およびハネ出し手摺枠を設けて作業ができるとともに、収納した状態でハネ出し手摺枠が上方に突き出すなど通常の作業ケージからの作業に支障を及ぼさずに作業ができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビル、エレベータピット、船舶、発電所、タンク、煙突、そして橋梁などの構造物での機器の設置、構造物の壁面などの側面の構築や補修などの高所作業を安全かつ能率的に行うためワイヤロープなどの索条で吊り下げた作業者が搭乗する作業ケージを備えたゴンドラ装置や自動窓拭き装置などを搭載する作業ケージなどを吊り下げたゴンドラ装置を用いることも多く、作業ケージを一定高さに設置したり、昇降機構で上下に昇降可能としたり、さらに必要に応じて上下の昇降だけでなく左右の横行も可能とすることを組み合わせて作業ケージを移動させることで広範囲の作業を行うようにしている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
このような作業ケージを備えるゴンドラ装置で作業を行う場合に、例えばビルの各階を仕切る梁などのように、構造物の側面に凹凸部分があり、突き出した部分への作業と、窪んだ部分への作業を繰り返し行う必要がある場合も少なくない。
【0004】
このような突き出した部分と窪んだ部分にゴンドラ装置で作業を行う場合には、突き出した部分に対して昇降できる作業ケージを備えたゴンドラ装置に、作業ケージから突き出す床板を伸縮機構や回動機構で収納可能に設置しておき、この突き出す床板部分に乗り移って作業を行うことが考えられており、この突き出す床板部分に対しても安全に作業ができるように作業ケージと同様に手摺を設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−30851号公報
【特許文献2】特開平8−114027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、突き出す床部分に設けた手摺を収納すると作業ケージに設置されている手摺より上方に突き出してしまう場合があり、突き出して高くなった手摺によって突き出した作業面への作業が連続してできず、高く突き出した手摺部分で中断しなければならないという問題がある。
一方、突き出す床部分の手摺を着脱式として取り外すことも考えられるが、作業面に凹凸が繰り返し存在する場合には、繰り返し着脱しなければならず煩雑となり、作業効率が低下するという問題もある。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、構造物側面に凹凸作業面があっても床板を収納した状態で手摺枠が上方に突き出すなど通常の作業ケージからの作業に支障を及ぼさずに作業ができるゴンドラ用の収納式床装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載のゴンドラ用の収納式床装置は、構造物から吊り下げられ構造物側面に沿って移動される作業ケージを備えたゴンドラ装置に設けられ
前記構造物側面の凹凸作業面に対してハネ出し収納式の床板から作業を可能としたゴンドラ用の収納式床装置であって、前記作業ケージの床面の一端部にハネ出し収納可能に
連結されるハネ出し収納式の床板
と、前記ハネ出し収納式の床板の
前記作業ケージ側を除く前方および両側面に
前記作業ケージの本体手摺とほぼ同一高さ
に設けられるハネ出し手摺枠
と、を備えており、前記ハネ出し手摺枠
は、前方手摺枠と側部手摺枠とを備えて構成され、前記前方手摺枠は、前方上手摺枠と前方下手摺枠とが折り畳み可能に連結されて前記本体手摺の高さ
に前記前方上手摺枠を折り畳み収納可能に構成
され、前記側部手摺枠は、上部横手摺リンクを備え、前記上部横手摺リンクの一端部が前記本体手摺の上端部に回動可能に連結され、前記上部横手摺リンクの他端部が前記側部手摺枠から突き出す連結ピンに長孔を介して回動可能に連結されて前記上部横手摺リンクを前記本体手摺の高さに折り畳み収納可能に構成した
、ことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項
2記載のゴンドラ用の収納式床装置は、請求項1
に記載の構成に加え、前記ハネ出し手摺枠には、折り畳み収納状態を保持するストッパ部材を設けて構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1記載のゴンドラ用の収納式床装置によれば、構造物から吊り下げられ構造物側面に沿って移動される作業ケージを備えたゴンドラ装置に設けられ
前記構造物側面の凹凸作業面に対してハネ出し収納式の床板から作業を可能としたゴンドラ用の収納式床装置であって、前記作業ケージの床面の一端部にハネ出し収納可能に
連結されるハネ出し収納式の床板
と、前記ハネ出し収納式の床板の
前記作業ケージ側を除く前方および両側面に
前記作業ケージの本体手摺とほぼ同一高さ
に設けられるハネ出し手摺枠
と、を備えており、前記ハネ出し手摺枠
は、前方手摺枠と側部手摺枠とを備えて構成され、前記前方手摺枠は、前方上手摺枠と前方下手摺枠とが折り畳み可能に連結されて前記本体手摺の高さ
に前記前方上手摺枠を折り畳み収納可能に構成
され、前記側部手摺枠は、上部横手摺リンクを備え、前記上部横手摺リンクの一端部が前記本体手摺の上端部に回動可能に連結され、前記上部横手摺リンクの他端部が前記側部手摺枠から突き出す連結ピンに長孔を介して回動可能に連結されて前記上部横手摺リンクを前記本体手摺の高さに折り畳み収納可能に構成したので、ハネ出し式の床板を収納するとともに、ハネ出し手摺枠を収納した後折り畳むことで、本体手摺とほぼ同一の高さまで低くすることができ、収納状態での作業に支障を与えることがなく、通常の作業ケージと同様に、スムーズに連続して作業することができる。
また、前記側部手摺枠は、上部横手摺リンクを備え、前記上部横手摺リンクの一端部が前記本体手摺の上端部に回動可能に連結され、前記上部横手摺リンクの他端部が前記側部手摺枠から突き出す連結ピンに長孔を介して回動可能に連結されているので、側部手摺枠を簡単に操作して本体手摺とほぼ同一の高さまで低くすることができ、収納状態での作業に支障を及ぼすことがなく、スムーズに連続して作業することができる。
【0012】
この発明の請求項
2記載のゴンドラ用の収納式床装置によれば、前記ハネ出し手摺枠には、折り畳み収納状態を保持するストッパ部材を設けて構成したので、ストッパ部材で折り畳み状態を保持することで、昇降などの移動を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかり、(a)は左半分の平面図、(b)は左半分の正面図、(c)は左側面図である。
【
図2】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかり、(a)はハネ出し状態の側面図、(b)はハネ出し状態の正面図である。
【
図3】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかり、(a)は収納状態の側面図、(b)は収納状態の正面図である。
【
図4】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかるハネ出し状態から収納状態までの過程の動作説明図である。
【
図5】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかり、(a)は収納式の床板の平面図、(b)は収納式の床板の正面図である。
【
図6】この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態にかかり、(a)はハネ出し手摺枠の前方上手摺枠の正面図および側面図、(b)はハネ出し手摺枠の前方下手摺枠の正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明のゴンドラ用の収納式床装置の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
このゴンドラ用の収納式床装置10は、構造物から吊り下げられ構造物の側面に沿って移動されるゴンドラ装置1の作業ユニットを構成する作業ケージ2に設けられ、作業ケージ2の床面から延長させてハネ出し収納式の床板11を設け、このハネ出し収納式の床板11に作業ケージ2から乗り移って作業をできるようにするものである。このハネ出し収納式の床板11には、作業ケージ2側を除く前方と両側面にそれぞれ作業ケージ2の本体手摺3と同一高さのハネ出し手摺枠12が設置され、床板11のハネ出し収納に連動してハネ出して設置されるとともに、収納できるように構成してある。
【0015】
このゴンドラ用の収納式床装置10は、例えば
図1に示すように、作業ケージ2の前面の左右の2箇所(図示例では、左半分の1箇所のみを示し、左半分のもう1箇所は省略してある)に設け、構造物の凹凸作業面に対応してハネ出しと収納を行う。
なお、ゴンドラ装置の作業ケージの形式や形状、あるいは
ゴンドラ用の収納式床装置10の設置位置や設置個数などは、作業内容により適宜設定すれば良い。
【0016】
ゴンドラ用の収納式床装置10の床板11は、矩形のフレーム11aの基端部の2か所が連結ボルト11bで回動可能に作業ケージ2の床フレームに取り付けられ、連結ボルト11bを中心に水平にはね出させて使用状態としたり、作業ケージ2の前面に沿うように回動させて収納状態にできるようになっている。
また、この床板11には、前方および両側面が枠板11cで囲んであり、踏み外したり、ものが落下しないようにしてある。
【0017】
この床板11の前方および両側面に、ハネ出し手摺枠12が設けられ、前方手摺枠12aと両側の側部手摺枠12b,12bで構成されて枠組みされている。
前方手摺枠12aは前方上手摺枠13および前方下手摺枠14で構成され、両側面の側部手摺枠12b,12bは側部手摺18、18で構成される。
【0018】
前方手摺枠12aは、
図6に示すように、前方上手摺枠13と前方下手摺枠14とがヒンジ15で折り畳み可能に連結されて構成される。そして、前方上手摺枠13は、上下の上下部手摺部材13a、13bおよび両側の側部手摺部材13c,13cとを用いて溶接などで矩形に構成され、中間上部には、水平の補強部材13dが配置されて溶接してある。
この前方上手摺枠13の両側の側部手摺部材13c,13cの上端部には、それぞれ外側に突き出す連結ピン13e,13eが溶接などで取り付けてある。また、下端部の下部手摺部材13bには、2箇所にヒンジ取付部13fが設けられるとともに、ヒンジ取付部13fに隣接して2箇所に固定ピン用の差込筒13gが設けてある。
【0019】
この前方上手摺枠13にヒンジ15を介して連結される前方下手摺枠14は、上部手摺部材14aと両側の側部手摺部材14b,14bとを用いて溶接などで連結されて下方が開口したコ字状に構成され、上端部には、水平の補強部材14cが配置されて溶接されている。
また、両側の側部手摺部材14b,14bの下端部には、それぞれ段付連結ボルト11d用のボルト装着孔14dが設けられ、床板11の先端部に段付連結ボルト11dで床板11のフレーム11aに連結される。さらに、上端部の上部手摺部材14aには、前方上手摺枠13に対応して2箇所にヒンジ取付部14eが設けられるとともに、ヒンジ取付部14eに隣接して2箇所に固定ピン16用の差込筒14fが設けてある。
また、側部手摺部材14b,14bには、収納状態を保持するためのストッパ取付部14g,14gが2箇所設けられ、ストッパ17のロッド17aを突出させて受け孔17bに差し込むことでストッパとして機能させるようにしてある。
【0020】
このような前方手摺枠12aは、前方上手摺枠13と前方下手摺枠14とがヒンジ取付部13f,14eに取り付けたヒンジ15で折り畳み可能に連結される一方、差込筒13g,14fに固定ピン16を差し込むことで上下に連結した直線状の伸長状態が保持される。
【0021】
この前方手摺枠12aの両側の側部手摺枠12b,12bは、新たに設ける手摺リンク部材としての上部横手摺リンク18aと中間部横手摺リンク18bとを備えて枠状とされて側部手摺枠18が構成されるが、他の手摺リンク部材は本体手摺3、前方手摺枠12aおよび床板11が手摺リンク部材として兼用される。
すなわち、側部手摺枠12bの前方の手摺リンク部材が前方手摺枠12aの側部手摺部材13c,14bで兼用され、後方の手摺リンク部材が本体手摺3の手摺支柱3aで兼用され、さらに下方の手摺リンク部材が床板11のフレーム11aで兼用される。
【0022】
そして、この側部手摺枠18では、上部横手摺
リンク18aが本体手摺3の手摺支柱3aの上端部に連結ピンで連結されるとともに、側部手摺部材13cの外側に突き出す連結ピン13eに長孔18cを介して連結してある。
この上部横手摺
リンク18aの前方側に長孔18cを形成することで、上手摺枠13の側部手摺部材13cをヒンジ15を介して折り畳むように回動させる場合連結ピン13eが長孔18c内をスライドし、リンクの長さの相違を吸収してスムーズに回動させて折り畳むことができるようにしてある。
また、中間部横手摺
リンク18bが本体手摺3の手摺支柱3aの中間部に連結ピンで連結されるとともに、前方下手摺枠14の側部手摺部材14bの補強部材14cの下部に連結ピンで連結してある。
【0023】
さらに、ハネ出し床板11を水平に保持するとともに、ハネ出し手摺枠12をハネ出した使用状態に保持するため、中間部横手摺
リンク18bの手摺支柱3aの連結ピンと床板11の前方の側部手摺部材14bの下端のボルト装着孔14dに段付連結ボルト11dとの間の対角線上に保持リンク19が連結されている。この保持リンク19は中間部がピンで連結された2つの保持リンク部材19a,19bで構成され、中間部のピンから折り畳むことができるようになっている。
【0024】
このように構成したゴンドラ用の収納式床装置10では、ハネだし収納式の床板11をハネ出して床板11上から作業を行う場合には、
図2に示すように、前方上手摺枠13と前方下手摺枠14とを連結するヒンジ15を直線状に伸長して差込筒13g,14fに固定ピン16を差し込んでおく。
この状態で床板11を水平となるように連結ボルト11bを支点として回動させることで、床板11がはり出して保持リンク19a,19bによって保持されるとともに、ハネ出し手摺枠12で前方および両側面が本体手摺3と同一高さに設置された状態となる(
図3,4参照)。
【0025】
そこで、ハネ出した床板11に作業ケージ2から乗り移ることで、作業側面が窪んでいても支障なく安全に作業を行うことが可能となる。
【0026】
次に、作業壁面が突き出した部分に移動したり、そこで作業を行う場合には、収納式床装置10を収納状態とする。
まず、床板11およびハネ出し手摺枠12のハネ出し状態から床板11を基端部の連結ボルト11bを中心に跳ね上げるようにすると、側部手摺枠12b,12bもそれぞれ上下部横手摺リンク18a,18bの基端部の連結ピンを中心に跳ね上がるように回動し、保持リング19の2つの保持リンク部材19a,19bが連結部で折れ曲がることで、前方手摺枠12aが本体手摺3の手摺支柱3aに重なるようになる。
この状態では、前方手摺枠12aが中間部横手摺リンク18bとの連結ピンからの高さ分だけ上方に突き出した状態となる(
図3(a)参照)。
【0027】
そこで、前方上手摺枠13と前方下手摺枠14とが連結してあるヒンジ15を固定している固定ピン16を固定ピン用の差込筒13g,14fから抜き出し、ヒンジ15を中心に前方上手摺枠13を前方下手摺14に折り重ねるように回動させる。
すると、上部横手摺リンク18aはその基端部が本体手摺3の手摺支柱3aとの固定された連結ピンを中心に水平状態から垂直状態を経てさらに回転し、手摺支柱3aに重なるようになる。これと同時に、前方上手摺枠13の上端部の連結ピン13eが上部横手摺リンク18aの前方の長孔18cを介して連結されているので、長孔18cにガイドされながらヒンジ15を支点として上部横手摺リンク18aの内側に入るようにして本体手摺3の手摺支柱3aに折り重なるように収納される。
【0028】
このハネ出し収納式の床板11およびハネ出し手摺枠12の収納された後、ストッパ17のロッド17aを前方下手摺枠14の受け孔17bを介してその外側に重なるように収納された中間部横手摺リンク18bに形成した受け孔18dに差し込むことで収納状態を保持する。
【0029】
このハネ出し手摺枠12の収納状態では、前方上手摺枠13をヒンジ15部分から折り畳んで作業ケージ2の内側に収納されることで、本体手摺3と同一高さとなり、作業ケージ2での左右方向へ移動しながら行う作業を中断することなく連続して行うことができる。
【0030】
なお、上記の実施の形態では、ゴンドラ装置の昇降や横行については特に説明しなかったが、構造物側に巻き取り・巻き戻し装置を設置し手作業ケージを昇降させるいわゆる本設形式や作業ケージ内にワイヤを巻き掛けて巻き掛け位置を変えながら昇降するエンドレスワインダを備える仮設形式など、どのような形式であっても同様に適用できるものである。
また、ハネダシ収納式の床板のハネ出し長さによっては、ハネ出し手摺枠を1箇所のヒンジで本体手摺の高さまで収納できない場合にもあるが、複数箇所で折り畳んで収納するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 ゴンドラ装置
2 作業ケージ
3 本体手摺
3a 手摺支柱
10 ゴンドラ用の収納式床装置
11 収納式の床板
11a 矩形のフレーム
11b 連結ボルト
11c 枠板
11d 段付連結ボルト
12 ハネ出し手摺枠
12a 前方手摺枠
12b 側部手摺枠
13 前方上手摺枠
13a 上部手摺部材
13b 下部手摺部材
13c 側部手摺部材
13d 補強部材
13e 連結ピン
13f ヒンジ取付部
13g 固定ピン用の差込筒
14 前方下手摺枠
14a 上部手摺部材
14b 側部手摺部材
14c 補強部材
14d ボルト装着孔
14e ヒンジ取付部
14f 固定ピン用の差込筒
15 ヒンジ
16 固定ピン
17 ストッパ
17a ロッド
17b 受け孔
18 側部手摺枠
18a 上部横手摺リンク
18b 中間部横手摺リンク
18c 長孔
18d ロッドの受け孔
19 保持リンク
19a 保持リンク部材
19b 保持リンク部材