(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明性及び柔軟性を有する材料から成る中空のクッション部と、前記クッション部の下面から下方にのびることで当該下面の下方に空気流通路を形成する脚部と、映像表示面を上向きにした状態の映像再生装置を前記クッション部の下面に固定するための固定手段とを備えることを特徴とする抱き枕。
前記凹部内に圧電素子を備えており、前記映像再生装置で再生するための人物の動画像を前記圧電素子から生じる電気信号に基いて生成する動画像生成手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の抱き枕。
前記クッション部の上面から前記映像表示面の映像を見ている使用者の各部位の動きをカメラで検出し、検出した前記各部位の動きを数値座標データとして生成するモーションキャプチャ手段と、前記数値座標データに基いて前記映像再生装置で再生するための人物の動画像を生成する動画像生成手段とを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の抱き枕。
請求項1〜8のいずれか一項に記載の抱き枕を第1地点と第2地点に備えており、各抱き枕は前記クッション部の上面から前記映像表示面の映像を見ている使用者を撮影するカメラを備えており、当該カメラで撮影した一方の地点の使用者の動画像をインターネット回線を介して送信して他方の地点の使用者の前記映像再生装置で再生することを特徴とする映像コミュニケーションシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来技術では以下の問題がある。
すなわち、特許文献1及び2の技術は静止画像が印刷されているだけなので変化に乏しく、飽き易いという問題がある。
また、特許文献3〜5の技術は身体部位に直接的に刺激を与えるものであり視覚刺激に乏しいという問題がある。また、起き上がって椅子等に座った状態やベッド等に仰向けの姿勢で寝た状態で使用することを想定しており、うつ伏せの姿勢で寝た状態では使用し辛いため、体の動きに制限がある障害者にとっては使用に支障が生じる場合がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、仰向け、うつ伏せ、横向き等の様々な姿勢で動画像を視聴でき、更に使用者の身体部位に刺激を与えることもできる抱き枕及びこの抱き枕を使用した映像コミュニケーションシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の抱き枕は、透明性及び柔軟性を有する材料から成る中空のクッション部と、前記クッション部の下面から下方にのびることで当該下面の下方に空気流通路を形成する脚部と、映像表示面を上向きにした状態の映像再生装置を前記クッション部の下面に固定するための固定手段とを備えることを特徴とする。
また、前記固定手段が、前記映像再生装置を挿入するポケットであることを特徴とする。
また、前記固定手段が、前記映像再生装置を前記クッション部の下面に押さえつけるベルトであることを特徴とする。
また、前記クッション部の下面と前記映像再生装置の間に、透明性を有する材料から成る補強板を備えることを特徴とする。
また、前記脚部を備えておらず、水を入れた第2クッション部を前記クッション部の底面に取り付けることを特徴とする。
また、前記クッション部の底面及び側面を囲む外骨格部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記クッション部の上面に、精子採取器又は小型マッサージ器を格納するための凹部を備えることを特徴とする。
また、前記凹部内に圧電素子を備えており、前記映像再生装置で再生するための人物の動画像を前記圧電素子から生じる電気信号に基いて生成する動画像生成手段を備えることを特徴とする。
また、前記クッション部の上面から前記映像表示面の映像を見ている使用者の各部位の動きをカメラで検出し、検出した前記各部位の動きを数値座標データとして生成するモーションキャプチャ手段と、前記数値座標データに基いて前記映像再生装置で再生するための人物の動画像を生成する動画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の映像コミュニケーションシステムは、上記抱き枕を第1地点と第2地点に備えており、各抱き枕は前記クッション部の上面から前記映像表示面の映像を見ている使用者を撮影するカメラを備えており、当該カメラで撮影した一方の地点の使用者の動画像をインターネット回線を介して送信して他方の地点の使用者の前記映像再生装置で再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の抱き枕は透明性を有するクッション部の下面に映像再生装置を備えるため、使用者は仰向け、うつ伏せ、横向き等の様々な姿勢で動画像を視聴できる。
映像再生装置から生じる熱は脚部によって形成される隙間を利用して外部に放出できる。
ポケットやベルトを利用することで映像再生装置を容易にクッション部の下面に固定でき、映像再生装置の向きの変更も容易になる。
補強板をクッション部の下面と映像再生装置の間に備えることで映像表示面の歪みを抑制できる。
脚部の替わりに第2クッション部を用いることにすれば、第2クッション部に水を入れた水冷機構で映像再生装置を冷やすことができる。
クッション部の底面及び側面を囲む外骨格部を用いることにすればクッション部の撓みを抑制できる。
【0011】
クッション部の上面に凹部を設けて精子採取器又は小型マッサージ器を格納することにすれば、使用者は身体部位に刺激を与えながら動画像を視聴できる。
また、凹部内に圧電素子を取り付け、圧電素子から生じる電気信号に基いて動画像を生成したり、モーションキャプチャ技術を用いて使用者の動作に応じて動画像を生成することにすれば、インタラクティブ性を高めたヴァーチャル性行為を実現できる。
【0012】
本発明の映像コミュニケーションシステムによれば、第1地点と第2地点に配置した抱き枕の相互間で動画像をやり取りできるので遠隔地間での疑似性行為が可能になり、遠隔地の夫婦のストレス緩和や精神的結びつきを維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施の形態における抱き枕の平面図(a)及び底面図(b)
【
図2】抱き枕の側面図(a)及び使用状態を示す側面図(b)
【
図3】抱き枕の形状の変形例を示す側面図及び縦断面図(a)〜(c)
【
図8】コードの処理例を示す底面図(a)及び(b)及び側面図(c)
【
図9】ポケットの変形例を示す側面図(a)及び(b)
【
図10】シートの形状を示す側面図(a)及び(b)
【
図11】映像再生装置の配置例を示す平面図(a)〜(d)
【
図12】ベルトの形状を示す側面図(a)及び(b)及び縦断面図(c)
【
図13】ベルトで映像再生装置を固定した状態を示す平面図
【
図14】ゴムベルトの形状を示す側面図(a)及び(b)及び縦断面図(c)
【
図16】補強板の変形例を示す側面図(a)及び(b)
【
図17】シートの変形例を示す側面図(a)及び(b)
【
図18】映像再生装置の配置例を示す平面図(a)〜(c)
【
図19】透過型プロジェクタースクリーンを配置した状態を示す側面図(a)及び(b)
【
図20】透過型プロジェクタースクリーンを備える抱き枕の使用状態を示す側面図(a)及び(b)及び平面図(c)
【
図21】操作ボタンを保護シートで覆った状態を示す側面図(a)〜(c)
【
図23】抱き枕の使用状態を示す側面図(a)〜(c)
【
図25】取っ手を付けた状態を示す側面図(a)及び(b)
【
図26】第2の実施の形態の抱き枕において第2クッション部を付けた状態を示す平面図(a)及び側面図(b)及び(c)
【
図27】第3の実施の形態の抱き枕において外骨格部を取り付けた状態を示す側面図(a)、平面図(b)、外骨格部を取り付けていない状態を示す側面図(c)及び取り付けた状態を示す側面図(d)
【
図28】第4の実施の形態の抱き枕において凹部に精子採取器又は小型マッサージ器を格納した状態を示す側面図
【
図29】凹部に精子採取器又は小型マッサージ器を格納した状態を示す平面図
【
図31】抱き枕の使用状態を示す側面図(a)及び(b)
【
図32】第5の実施の形態の抱き枕において凹部に圧電素子を取り付けた状態を示す側面図
【
図34】第6の実施の形態の抱き枕においてカメラを取り付けた状態を示す平面図(a)及び側面図(b)
【
図35】バネでカメラを映像再生装置に固定した状態を示す図(a)、側面図(b)及び平面図(c)
【
図36】クランプでカメラを映像再生装置に固定した状態を示す図(a)、側面図(b)及び平面図(c)
【
図37】ポケットでカメラをクッション部に固定した状態を示す側面図(a)、側面図(b)及び平面図(c)
【
図38】映像コミュニケーションシステムの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の抱き枕について図面を用いて説明する。
図1及び
図2に示すように抱き枕1はクッション部10、脚部20、映像再生装置30及び固定手段40から概略構成される。
クッション部10は透明性及び柔軟性を有する材料によって中空状に成形されている。クッション部10の形状は下面に映像再生装置30を固定できれば特に制限されないが、例えば
図3に示すように直方体、断面かまぼこ型、断面半月型が挙げられる。
透明性及び柔軟性を有する材料としては例えば軟質塩化ビニールが挙げられるが必ずしもこれに限定されない。クッション部10の内部には注入口11を介して空気を充填するが、他に水等の透明な液体や透明性を有するジェル等の物質を充填してもよい。
クッション部10の寸法に特に制限はないが、本実施の形態ではクッション部10の全長を使用者の身長よりも長くしている。
【0015】
脚部20はクッション部10の下面から下方にのびる部材である。本実施の形態ではクッション部10の下面の四隅に計4本の脚部20を設けているが、使用者の体重や映像再生装置30の重量等を考慮し、4本以上設けることで耐荷重を増してもよい。
具体的には
図4に示すように脚部20は大型の雌ねじ21と雄ねじ22から構成されている。
雌ねじ21の頭部21aをクッション部10の下面に接触させ、雌ねじ21の軸21bをシート23の開口に通した状態で、当該シート23を接着剤、熱圧着、高周波電流を利用した熱溶着等の周知の接合手段を利用してクッション部10の下面に接合している(
図4の斜線が接合箇所。他の図においても同様)。そして、軸21bの周囲のシート23をOリング24で縛ることで脚部20をクッション部10に固定している。
雄ねじ22の頭部22aは床面に接触しており、雌ねじ21に嵌合させた雄ねじ22を軸周りに回転させることで脚部20の高さを調節する仕組みになっている。なお、雌ねじ21を下側(床面に接触する側)、雄ねじ22を上側にしてもよい。
脚部20によってクッション部10と床面との間に空隙が生じ、この空隙を空気流通路Sとして利用する。映像再生装置30から生じる熱気は空気流通路Sを介して外部に放出される。
【0016】
なお、
図5に示すように左右2箇所のねじ穴25aを備える土台25をクッション部10の下面に複数のベルト26で固定し、当該ねじ穴25aに第1雄ねじ27aを嵌合させ、更に第1雄ねじ27aの下面に設けたねじ穴25aに第2雄ねじ27bを嵌合させることで脚部20を構成してもよい。この場合、第2雄ねじ27bを軸周りに回転させることで脚部20の高さを調節する。第1雄ねじ27a及び第2雄ねじ27bの周囲にクッション材を巻いてもよい。
また、
図6に示すようにU字状の脚部28を左右に取り付けることにしてもよい。U字状の脚部28を中空にしてクッション部10と連続的に繋がるようにクッション部10と一体的に成形すれば、U字状の脚部28が弾力性を有するので抱き枕使用時の快適性を向上させることができる。なお、U字状の脚部28を中実にしてクッション部10と別体に設けてもよい。
【0017】
映像再生装置30は使用者に動画像を見せるための装置であり、映像表示面31を上向きにした状態でクッション部10の下面に固定する。
映像再生装置30は平板状であればよく、例えば液晶や有機ELを使用したテレビ、ディスプレイ、タブレット端末等が挙げられる。
固定手段40は映像再生装置30をクッション部10の下面に固定するための部材であり、本実施の形態ではポケット41を使用する。
ポケット41は左右方向にのびる袋体でありその長手方向の一辺が開口している。
図7に示すように前後2つのポケット41各々の上面を接着剤、熱圧着、高周波電流を利用した熱溶着等の周知の接合手段を利用してクッション部10の下面に接合し、各ポケット41の内部に映像再生装置30の前後を挿入することで映像再生装置30を固定する。
ポケット41にスリット42を設けることにすれば映像再生装置30から生じる熱気をより効果的に下方に流し、空気流通路Sを介して外部に放出できる。
図8に示すように映像再生装置30に電源やHDMI(登録商標)等のコード32が付いている場合、これらコード32をポケット41の開口やスリット42を通して結束バンド33でまとめればよい。
【0018】
本実施の形態ではクッション部10の下面に3台の映像再生装置30を固定しており、
図1に示すように3つの映像表示面31にそれぞれ人物の上部、中央部、下部を映すことでほぼ等身大の人物の動画像を映すことができる。
使用者Uはうつ伏せ状態で抱き枕1を抱くことで、透明のクッション部10を介して映像表示面31のほぼ等身大の人物の動画像を見ることができる。
【0019】
なお、
図9に示すようにポケット41の内部の形状に合わせた充填材43を、ゴムやウレタン等の柔軟性や低反発性を有する材料で形成してもよい。充填材43の側面にホゾ43a及び放熱用のスリット43bを形成して映像再生装置30の前後を嵌め込むことにすれば映像再生装置30をより強固に固定できると共に映像再生装置30の角によってクッション部10が傷ついたり穴が空いたりする事態を防止できる。
図10に示すようにポケット41ではなく大判のシート44で映像再生装置30の下面全体を覆うことにしてもよい。この場合、シートの4辺のうち3辺をクッション部10の下面に接合し、一辺をホック45或いはチャック、ボタン、面ファスナー等で留めることにすればよい。シート44には放熱用のスリット46を設けるのが好ましい。
【0020】
抱き枕1に固定する映像再生装置30の数は特に限定されるものではなく、1台以上であればよい。
図11(a)は映像表示面31の長手方向が左右方向となるようにポケット41を利用して映像再生装置30を前後に3台固定した状態を示している。
図11(b)は映像表示面31の長手方向が前後方向となるようにポケット41を利用して映像再生装置30を前後に3台固定した状態を示している。この場合、ポケット41の左右に生じる隙間をスペーサー47で埋めることで各映像再生装置30のズレを防止している。
図11(c)は映像表示面31の長手方向が左右方向となるように大判のシート44を利用して映像再生装置30を前後に3台固定した状態を示している。この場合、前後の映像再生装置30の間に生じる隙間をスペーサー47で埋めている。
図11(d)は映像表示面31の長手方向が前後方向となるようにポケット41を利用して映像再生装置30を前後に2台固定した状態を示している。ポケット41のサイズ及び前後2つのポケット41の間隔を変えることでサイズが異なる2つの映像表示面31に対応できる。
図12に示すように固定手段40として映像再生装置30をクッション部10の下面に押さえつけるベルト48を使用してもよい。
ベルト48は2本1組になっており、一方のベルト48の一端をクッション部10の下面の右側に接合し、他方のベルト48の一端をクッション部10の下面の左側に接合する。そして、2本のベルト48の他端同士をバックル48a等の周知の締結手段によって結びつけることで映像再生装置30をクッション部10の下面に押さえつけて固定することができる。
図13では一つの映像再生装置30に対して2組み又は3組みのベルト48を用いている。また、
図14に示すように伸縮性を有するゴムベルト49を用いてもよい。
【0021】
図15に示すようにクッション部10の下面と映像再生装置30の間にアクリルやポリカーボネート等の透明性を有する材料から成る補強板50を取り付けてもよい。映像表示面31はクッション部10に充填する空気や水等で保護されるが、補強板50を取り付けることで耐荷重を増すことができる。
補強板50は
図16に示すようにクッション部10の下面全体を覆う程度の大型のものであってもよい。大型の補強板50を取り付けることで複数の映像表示面31を歪ませずに同一平面内に位置させることができるので動画像が見易くなる。また、
図17に示すように複数のポケット41を接合したシート60を、当該シート60よりも大判のシート61の下面にチャック62等で接合し、大判のシート61とクッション部10の下面に補強板50を挿入する構成にしてもよい。大判のシート61は3辺を接合し、1辺をチャック63等で留めることにすればよい。
図18に示すようにポケット41の位置を変えたシート61を複数枚用意しておき、適宜付け替えることで映像再生装置30のレイアウトを変更できる。また、ポケット41を接合したシート60を取り付けずに、
図19に示すように大判のシート61内に、透明板に貼り付けた透過型スクリーン64を挿入すれば、
図20に示すように外部に設けたプロジェクターPの光を当該透過型スクリーン64に投写して使用者が視聴することができる。
【0022】
図21に示すように映像再生装置30の操作ボタン34を保護シート35で覆うことで使用中に誤って操作ボタンが押されてしまう事態を防止できる。
図22〜
図24に示すように使用者はうつ伏せ、横向き、仰向け、跨った姿勢で動画像を視聴できる。
図25に示すように視聴時の姿勢を安定させるためにクッション部10の左右に取っ手12を設けてもよい。
【0023】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態について説明するが、上記第1実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図26に示すように本実施の形態の抱き枕は、脚部20を取り外して、クッション部10の底面に第2クッション部70を取り付ける点に特徴を有する。クッション部10と第2クッション部70はホック71やチャック等の周知の接合手段を用いて取り付ければよい。第2クッション部70内に水を入れることにすれば、映像再生装置30の熱を水が吸収するのでいわゆる水冷機構を備えることになり、放熱効率を高めることができる。
【0024】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図27に示すように本実施の形態の抱き枕は、クッション部10の底面及び側面を囲む外骨格部72を備える点に特徴を有する。
外骨格部72は上部に開口を備える箱型であり、クッション部10がほぼ隙間なく収まるような内寸を備える。外骨格部72を取り付けることで矢印で示すクッション部10の前後左右方向への撓みが抑制されるため、使用者は姿勢を安定させることができると共に各映像再生装置30の歪みも抑制できる。外骨格部の材質としては適度なクッション性を有したウレタン等が挙げられる。
【0025】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図28〜
図30に示すように本実施の形態の抱き枕は、クッション部10の上面に、精子採取器80又は小型マッサージ器81を格納するための凹部13を備えることを特徴とする。
【0026】
本実施の形態の凹部13はクッション部10の上面から下面まで貫通する穴であり、この穴に精子採取器80又は小型マッサージ器81を挿入する。
図30に示すようにウレタン等の低反発素材からなる筒状部材であってその厚みを変えたスペーサー14を数種類用意しておいてもよい。凹部13のサイズと精子採取器80又は小型マッサージ器81のサイズを合わせるべくスペーサー14を適宜入れ替えればよい。凹部13に嵌め込んだスペーサー14は周囲からの圧力によって固定されるので使用中にずれにくくなる。面ファスナーやホック等でスペーサー14を凹部13に完全に固定することにしてもよい。凹部13は必ずしもクッション部10の上下を貫通する必要はなく、クッション部10の上面を窪ませるだけでもよい。
図31(a)は抱き枕を男性が使用している状態を示しており、
図31(b)は女性が使用している状態を示している。3台の映像再生装置30には例えば等身大の異性の動画像が再生されており、使用者は動画像を視聴しながらうつ伏せや跨った姿勢で精子採取器80や小型マッサージ器81を利用して自身の身体部位に刺激を与えることができる。当然のことながらうつ伏せや横向きでも抱き枕を使用できる。
【0027】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図32及び
図33に示すように本実施の形態の抱き枕は、凹部13内に圧電素子90を備えており、映像再生装置30で再生するための人物の動画像を圧電素子90から生じる電気信号に基いて生成する動画像生成手段101を備えることを特徴とする。
具体的には圧電素子90を凹部13の内周面や底面に接合した状態で凹部13内に精子採取器80を挿入する。抱き枕の使用中に精子採取器80は前後左右上下方向に移動・膨張するので、圧電素子90がこの移動・膨張を検知し、コンピューター100内の動画像生成手段101に電気信号を送信する。動画像生成手段101は電気信号を受信してリアルタイム解析を行い、当該移動・膨張に対応した動画像を生成して映像再生装置30で再生する。
【0028】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構成となる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図34に示すように本実施の形態の抱き枕は、クッション部10の上面から映像表示面31の映像を見ている使用者の各部位の動きを小型カメラ(WEBカメラ等)110で検出し、検出した各部位の動きを数値座標データとして生成するモーションキャプチャ手段102と、数値座標データに基いて映像再生装置30で再生するための人物の動画像を生成する動画像生成手段103とを備えることを特徴とする。
【0029】
小型カメラ110は
図35及び
図36に示すようにバネ111やクランプ112を利用して映像再生装置30の一部に一台又は複数台固定している。なお、
図37に示すように小型カメラを格納するためのポケット113を別途設けてもよい。
小型カメラ110で撮影した使用者の動画像データはコンピューター100内のモーションキャプチャ手段102に取り込まれる。動画像データには音声データを含んでもよい。
モーションキャプチャ手段102は、予めコンピューター100の記憶手段104に格納している人体の様々な特徴を有する静止画像や動画像等のパターンデータと、取り込んだ動画像データとをマッチングさせる。そして、モーションキャプチャ手段102は使用者の画像から「頭」「腕」「脚」「手」「指先」などの各部位を認識し、各部位の動きをXYZの数値座標データとして算出する。
【0030】
コンピューター100内の記憶手段104には等身大の仮想人物の「頭」「腕」「脚」「手」「指先」などの各部位の数値座標データが予め格納されている。
コンピューター100内の動画像生成手段103は、モーションキャプチャ手段102によって算出された使用者の「頭」「腕」「脚」「手」「指先」などの各部位に関する数値座標データと、記憶手段104に格納されている等身大の仮想人物の「頭」「腕」「脚」「手」「指先」などの各部位の数値座標データとを比較する。
そして、動画像生成手段103は、使用者と仮想人物の各部位いずれかのXYZ座標が一致していれば、使用者と仮想人物が当該部位で触れているとみなして、それを反映させた等身大の仮想人物の動画像を生成して複数の映像再生装置30に出力する。
なお、動画像生成手段103で行なう処理はCollision Detectionやヒットテスト等と呼ばれる一般的で周知の処理手法である。処理を軽くするために例えばZ座標を一定としてZ座標に関しては上記使用者と仮想人物とが常に触れているとしてヒットテスト処理の一部を省略して処理速度を優先する方法も考えられる。
なお、上述したモーションキャプチャ手段102及び動画像生成手段103による各処理は、使用者が映像生成装置30で再生されている等身大の仮想の人物に疑似的に触るという場合のインタラクティブな処理の一例を示したものである。他にも例えば使用者の右手の動きを感知したら仮想人物の表情が変化する等単純な処理方法を採用してもよい。
【0031】
本発明の映像コミュニケーションシステムについて説明する。
図38に示すように映像コミュニケーションシステム120は、上記抱き枕1を第1地点P1と第2地点P2に備えており、各抱き枕1は前記クッション部10の上面から映像表示面31の映像を見ている使用者を撮影する小型カメラ121を一台又は複数台備えており、当該小型カメラ121で撮影した一方の地点P1の使用者U1の動画像をインターネット回線を介して送信して他方の地点P2の使用者U2の前記映像再生装置30で再生することを特徴とする。
【0032】
具体的には、第1地点P1にいる一方の使用者U1の抱き枕の映像再生装置30に小型カメラ121を取り付け、この小型カメラ121で撮影した動画像データをコンピューター130で取り込む。そして、圧縮やセキュリテイのための暗号化等の周知の処理を行った上でパケットデータ化してインターネットを介して第2地点P2にいる他方の使用者U2のコンピューター130に送る。
他方の使用者U2のコンピューター130では、受け取った動画像データに対して解凍や復号化等の周知の処理を行い、複数の映像再生装置30各々のサイズや向き等に合わせたマルチディスプレイ用の処理を行い、複数の映像再生装置30で再生する。動画像データには音声データを含んでもよい。
他方の使用者U2側でも同様にして他方の使用者U2の動画像データを一方の使用者U1側に送り、一方の使用者U1の複数の映像再生装置30で再生する。
本映像コミュニケーションシステム120によれば例えば一方の抱き枕に男性用自慰具80を装着し、他方の抱き枕に女性用マッサージ器具81を装着すれば遠隔地間での疑似性行為が可能になる。
【課題】仰向け、うつ伏せ、横向き等の様々な姿勢で動画像を視聴でき、更に使用者の身体部位に刺激を与えることもできる抱き枕及びこの抱き枕を使用した映像コミュニケーションシステムを提供する。
【解決手段】本発明の抱き枕1は、透明性及び柔軟性を有する材料から成る中空のクッション部10と、前記クッション部の下面から下方にのびることで当該下面の下方に空気流通路Sを形成する脚部20と、映像表示面31を上向きにした状態の映像再生装置30を前記クッション部の下面に固定するための固定手段40とを備える。本発明の抱き枕は透明性を有するクッション部の下面に映像再生装置を備えるため、使用者は仰向け、うつ伏せ、横向き等の様々な姿勢で動画像を視聴できる。