特許第6019482号(P6019482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019482
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】接続ブロック結合体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/514 20060101AFI20161020BHJP
   H01H 85/20 20060101ALI20161020BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20161020BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01R13/514
   H01H85/20 D
   H01R31/06 A
   H01R31/06 P
   H02G3/16
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-245943(P2012-245943)
(22)【出願日】2012年11月8日
(65)【公開番号】特開2014-96233(P2014-96233A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】牧野 公利
(72)【発明者】
【氏名】上園 浩一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健造
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−251952(JP,A)
【文献】 特開2012−142221(JP,A)
【文献】 実開平06−068356(JP,U)
【文献】 特開平10−229621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40〜13/533
H01H 85/20〜85/22
H01R 31/06
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品を接続するための接続ブロックパーツを複数個結合してなるもの、又は、複数種の接続ブロックパーツを複数個結合してなるものであり、
該接続ブロックパーツは、電気接続部及び該電気接続部から直線的に延在する延在部を有する導電性の複数本の端子と、該複数本の端子を前記延在部の位置で固定する絶縁性の樹脂基材とを有し、さらに、前記延在部の延在方向に直交し且つ前記複数本の端子の並び方向に直交する方向を結合方向とすると、前記樹脂基材の前記結合方向側の一方の壁には、前記樹脂基材によって固定された前記複数本の端子の間の位置に凸形状に結合部が形成され、他方の壁には、前記樹脂基材によって固定された前記複数本の端子の間の位置に前記結合部の形状に合わせて凹形状に被結合部が形成されてなり、前記結合部と前記被結合部とは、圧入状態で結合されるように形成されてなる
ことを特徴とする接続ブロック結合体。
【請求項2】
請求項1に記載の接続ブロック結合体において、
前記複数本の端子は、前記樹脂基材にインサート成型される
ことを特徴とする接続ブロック結合体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接続ブロック結合体において、
前記樹脂基材の前記並び方向側に位置する一方の壁には、他の接続ブロックとなる第二
接続ブロックに対する第二の結合部、又は第二の被結合部が形成される
ことを特徴とする接続ブロック結合体。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の接続ブロック結合体において、
前記複数本の端子は、回路基板に接続され、前記電気接続部には、ヒューズに設けられ
るヒューズ端子が接続される
ことを特徴とする接続ブロック結合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続ブロックパーツを結合してなる接続ブロック結合体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される電気機器としては、例えば電気接続箱が挙げられる。電気接続箱は、リレーボックスやヒューズボックス、或いはジャンクションブロックや電子制御ユニットボックス等を総称するものとして知られる。
【0003】
下記特許文献1に開示された電気接続箱は、ワイヤハーネスを介して下流側に複数の負荷が接続される。電気接続箱は、複数の負荷に対し電力等を分配する構成及び構造を有する。以下、特許文献1の電気接続箱について説明をする。
【0004】
図15において、引用符号101は電気接続箱を示す。ここではカバー部材を省略した状態で電気接続箱101を示す。電気接続箱101は、回路基板102と、電子部品103と、コネクタ104、105(コネクタブロック)と、ヒューズブロック106と、ECU接続コネクタ107と、その他の構成部材とを備えて構成される。
【0005】
回路基板102には、電子部品103が実装される。また、回路基板102には、コネクタ104、105やヒューズブロック106、ECU接続コネクタ107も組み付けられる。電子部品103、コネクタ104、105、ヒューズブロック106、及びECU接続コネクタ107は、回路基板102に形成された回路パターンの所定位置に電気的に接続される。電子部品103は、複数のスイッチングトランジスタ108や、集積回路109であり、それぞれの端子の接続部を介して電気的に接続される。
【0006】
コネクタ104は、コネクタハウジング110と、複数のL字状端子111とを備えて構成される。コネクタハウジング110は、樹脂部品であって、図示しない相手コネクタが嵌合するハウジング本体112と、回路基板102にネジ止めされるハウジング固定部とを有する。L字状端子111は、この一端がハウジング本体112に囲まれて図示しない相手側コネクタとの電気的な接続が可能な状態に配置される。また、L字状端子111の他端は、回路基板102のスルーホールに挿通されて所定の回路パターンに対し半田付けされる。
【0007】
コネクタ105は、上記コネクタ104と同様に構成される。すなわち、コネクタハウジング113と、複数のL字状端子114とを備えて構成される。コネクタハウジング113は、樹脂部品であって、図示しない相手コネクタが嵌合するハウジング本体115と、回路基板102にネジ止めされるハウジング固定部とを有する。L字状端子114は、この一端がハウジング本体113に囲まれて図示しない相手側コネクタとの電気的な接続が可能な状態に配置される。また、L字状端子114の他端は、回路基板102のスルーホールに挿通されて所定の回路パターンに対し半田付けされる。
【0008】
図15及び図16において、ヒューズブロック106は、ブレード型のヒューズが搭載される部分であって、ヒューズカバー116と、端子ホルダー117と、層状端子群118とを備えて構成される。ヒューズカバー116及び端子ホルダー117は、樹脂製の構造体であり、絶縁性を有する。また、層状端子群118は、端子群119〜122を複数の層の状態に配置してなり、導電性を有する。
【0009】
ヒューズカバー116は、ヒューズ搭載部123、124と、ハウジング125と、コネクタハウジング126と、係止アーム127とを有し、ヒューズ搭載部123がヒューズ搭載部124の上に配置形成され、ヒューズ搭載部123の左側には、ハウジング125とコネクタハウジング126とが配置形成される。また、ヒューズ搭載部123、124の右側には、係止アーム127が配置形成される。
【0010】
ヒューズ搭載部123、124は、それぞれ複数のヒューズキャビティ128を有する。複数のヒューズキャビティ128は、左右方向に並ぶように配置形成される。ヒューズキャビティ128には、この前方から後方に向けてブレード型のヒューズが押し込まれるようになる。ヒューズ搭載部123、124は、上下に配置される。ハウジング125は、ヒュージブルリンクの搭載部分として形成される。また、コネクタハウジング126は、主電源及びオルタネータ電源用の接続部分として形成される。
【0011】
端子ホルダー117は、層状端子群118を構成する端子群119〜122を保持することができるように形成される。端子ホルダー117の側部には、ヒューズカバー116の係止アーム127が引っ掛かる係止突起129が形成される。
【0012】
層状端子群118は、上記の如く複数の端子群119〜122から構成される。下から上に向けて順に説明すると、端子群119は第一層目、端子群120は第二層目、端子群121は第三層目、端子群122は第四層目に配置される。
【0013】
第一層目となる端子群119は、複数のL字状端子130を有し、この複数のL字状端子130を左右方向に並べることによりなる。また、端子群119は、上記の他に電源入力端子部131を有する。L字状端子130の一端には、音叉状端子部132が形成される。また、他端には、基板接続部133が形成される。
【0014】
第二層目となる端子群120は、複数のL字状端子134を有し、この複数のL字状端子134を左右方向に並べることによりなる。また、端子群120は、上記の他に電源入力端子部135を有する。L字状端子134の一端には、音叉状端子部136が形成される。また、他端には、基板接続部137が形成される。
【0015】
第三層目となる端子群121は、複数のL字状端子138を有し、この複数のL字状端子138を左右方向に並べることによりなる。また、端子群121は、上記の他にヒュージブルリンク用端子部139を有する。L字状端子138の一端には、音叉状端子部140が形成される。また、他端には、基板接続部141が形成される。
【0016】
第四層目となる端子群122は、複数のL字状端子142を有し、この複数のL字状端子142を左右方向に並べることによりなる。また、端子群122は、上記の他にヒュージブルリンク用端子部143を有する。L字状端子142の一端には、音叉状端子部144が形成される。また、他端には、基板接続部145が形成される。
【0017】
複数のL字状端子130、134、138、142は、これらの中間部分が端子ホルダー117に各々収容保持される。そして、この後にヒューズカバー116が端子ホルダー117に係止されると、音叉状端子部132、136、140、144が対応するヒューズキャビティ128に各々収容保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−333583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、上記従来技術にあっては、構造上、ヒューズやヒュージブルリンクなどのヒューズ搭載数(接続数)が決まってしまうことから、例えば車両のグレードアップなどによりヒューズ搭載数を増やそうとしても柔軟に対応することができず、そのため汎用性が低いという問題点を有する。
【0020】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、電気部品の搭載数を増減させることが可能な汎用性の高い接続ブロック結合体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の接続ブロック結合体は、電気部品を接続するための接続ブロックパーツを複数個結合してなるもの、又は、複数種の接続ブロックパーツを複数個結合してなるものであり、該接続ブロックパーツは、電気接続部及び該電気接続部から直線的に延在する延在部を有する導電性の複数本の端子と、該複数本の端子を前記延在部の位置で固定する絶縁性の樹脂基材とを有し、さらに、前記延在部の延在方向に直交し且つ前記複数本の端子の並び方向に直交する方向を結合方向とすると、前記樹脂基材の前記結合方向側の一方の壁には、前記樹脂基材によって固定された前記複数本の端子の間の位置に凸形状に結合部が形成され、他方の壁には、前記樹脂基材によって固定された前記複数本の端子の間の位置に前記結合部の形状に合わせて凹形状に被結合部が形成されてなり、前記結合部と前記被結合部とは、圧入状態で結合されるように形成されてなることを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する本発明によれば、隣り合う接続ブロックパーツの結合部と被結合部とを結合させることにより、電気部品の搭載数に合わせた数の接続ブロックパーツからなる接続ブロック結合体が得られる。
【0024】
このような特徴を有する本発明によれば、凹凸形状の圧入にて隣り合う接続ブロックパーツ同士が結合する。
【0025】
請求項に記載の本発明は、請求項に記載の接続ブロック結合体において、前記複数本の端子は、前記樹脂基材にインサート成型されることを特徴とする。
【0026】
このような特徴を有する本発明によれば、インサート成型により複数本の端子が樹脂基材に固定される。
【0027】
請求項に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の接続ブロック結合体において、前記樹脂基材の前記並び方向側に位置する一方の壁には、他の接続ブロックとなる第二接続ブロックに対する第二の結合部、又は第二の被結合部が形成されることを特徴とする。
【0028】
このような特徴を有する本発明によれば、第二の結合部又は第二の被結合部を介して他の接続ブロックとなる第二接続ブロックとの結合も可能になる。尚、他の接続ブロックとは、パーツ状のものや、パーツを結合してなる結合体のいずれであってもよいものとする。
【0029】
請求項に記載の本発明は、請求項1、2又は3に記載の接続ブロック結合体において、前記複数本の端子は、回路基板に接続され、前記電気接続部には、ヒューズに設けられるヒューズ端子が接続されることを特徴とする。
【0030】
このような特徴を有する本発明によれば、必要な数のヒューズが搭載され且つ回路基板に接続されるヒューズブロックとして機能する。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に記載された本発明によれば、電気部品の搭載数に合わせて接続ブロックパーツを増減させることができるという効果を奏する。従って、汎用性を高めることができるという効果を奏する。
【0032】
請求項に記載された本発明によれば、次のような効果も奏する。すなわち、凹凸形状の圧入にて隣り合う接続ブロックパーツ同士を結合することができるという効果を奏する。本発明によれば、簡単な構造で且つ簡単に結合することができるという効果や、安定した状態に結合することができるという効果を奏する。
【0033】
請求項に記載された本発明によれば、請求項1の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、複数本の端子をインサート成型により樹脂基材に固定することから、ガタ付きなく且つ精度良く複数本の端子を固定することができるという効果を奏する。
【0034】
請求項に記載された本発明によれば、請求項1又は2の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、第二の結合部又は第二の被結合部を更に有することから、他の接続ブロックとなる第二接続ブロックとの結合を可能にすることができるという効果を奏する。
【0035】
請求項に記載された本発明によれば、請求項1、2又は3の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、ヒューズブロックとして提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の接続ブロック結合体に係る第一ヒューズブロックを構成に含む電気接続箱の斜視図である(実施例1)。
図2図1の電気接続箱の正面図である。
図3】第一ヒューズブロック及び第二ヒューズブロックの結合前の斜視図である。
図4】第一ヒューズブロックの斜視図であり且つヒューズブロックパーツを結合する途中状態の斜視図である。
図5】ヒューズブロックパーツの図であり、(a)及び(c)は斜視図、(b)は平面図である。
図6】ヒューズブロックパーツの図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図7】ヒューズブロックパーツを結合する途中状態の拡大斜視図である。
図8】ヒューズブロックパーツの結合完了状態の拡大斜視図である。
図9】本発明の接続ブロック結合体に係る第一ヒューズブロックの図であり、(a)は結合途中状態の斜視図、(b)は結合完了状態の斜視図である(実施例2)。
図10図9と同様の図であり、(a)は結合途中状態の斜視図、(b)は結合完了状態の斜視図である。
図11】ヒューズブロックパーツの図であり、(a)及び(c)は斜視図、(b)は平面図である。
図12】F/Lブロックパーツの図であり、(a)及び(c)は斜視図、(b)は平面図である。
図13】F/Lブロックパーツを結合する途中状態の拡大斜視図である。
図14】F/Lブロックパーツの結合完了状態の拡大斜視図である。
図15】従来例の電気接続箱を示す斜視図である。
図16図15のヒューズブロックの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
接続ブロック結合体は、電気部品を接続するための接続ブロックパーツを複数個結合して、又は、複数種の接続ブロックパーツを複数個結合してなる。接続ブロック結合体は、ヒューズブロックとして回路基板に接続され、このような接続ブロック結合体には、必要数のヒューズが搭載される。
【実施例1】
【0038】
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明の接続ブロック結合体に係る第一ヒューズブロックを構成に含む電気接続箱の斜視図である。また、図2図1の電気接続箱の正面図、図3はヒューズブロック結合前の斜視図、図4はヒューズブロックパーツを結合する途中状態の斜視図、図5及び図6はヒューズブロックパーツの図、図7及び図8はヒューズブロックパーツを結合する途中状態及び結合完了状態の拡大斜視図である。
【0039】
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。また、自動車に搭載される電気接続箱を例に挙げて説明するが、自動車の電気接続箱以外にも例えば多種多様な電気機器等に本発明を採用することができるものとする。
【0040】
図1及び図2において、引用符号1は電気接続箱を示す。ここではカバー部材を省略した状態で電気接続箱1を示す。電気接続箱1は、回路基板2と、基板実装部品3と、第一コネクタブロック4及び第二コネクタブロック5と、第一ヒューズブロック6及び第二ヒューズブロック7と、ECU接続コネクタ8とを含んで構成される。
【0041】
回路基板2には、基板実装部品3が実装される。また、回路基板2には、第一コネクタブロック4、第二コネクタブロック5、第一ヒューズブロック6、第二ヒューズブロック7、ECU接続コネクタ8も組み付けられる。これら基板実装部品3〜ECU接続コネクタ8は、回路基板2に形成された回路パターンの所定位置に電気的に接続される。
【0042】
基板実装部品3としては、リレー等の電気部品が挙げられる(従来例と同様のスイッチングトランジスタや、集積回路などを実装してもよいものとする)。尚、第一コネクタブロック4、第二コネクタブロック5、ECU接続コネクタ8は公知のものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略するものとする。
【0043】
先ず、本発明に係る第一ヒューズブロック6と、この第一ヒューズブロック6に結合する第二ヒューズブロック7の構成及び構造について説明をする。
【0044】
以下の説明では、図中の矢印P方向を上下方向、矢印Q方向を左右方向、矢印R方向を前後方向として示すものとする。また、矢印P方向を第一ヒューズブロック6及び第二ヒューズブロック7の結合方向として示すとともに、後述するヒューズブロックパーツ16の端子並び方向として示し、さらには、矢印Q方向をヒューズブロックパーツ16の結合方向として、矢印R方向を後述する水平板部24(延在部)の延在方として示すものとする。
【0045】
図1ないし図3において、第一ヒューズブロック6は、回路基板2に載せられるように組み付けられる。また、第二ヒューズブロック7は、第一ヒューズブロック6の上に結合した状態で回路基板2に組み付けられる。
【0046】
第二ヒューズブロック7について先に説明すると、第二ヒューズブロック7は、特許請求の範囲に記載された他の接続ブロックとなる第二接続ブロックであって、導電性の層状端子群9と、この層状端子群9を固定する絶縁性の樹脂基材10とを含んで構成される。
【0047】
層状端子群9は、複数本且つ複数種の端子を矢印Q方向(左右方向)に並べてなる端子群11、12を矢印P方向(上下方向)に層状に配置してなる。端子群11、12は、前方に突出するように形成される音叉状端子部13及びヒュージブルリンク用端子部14を有する。また、下方に突出するように形成される基板接続部15も有する。樹脂基材10は、端子群11、12の所定位置を固定することができるように形成される。また、第一ヒューズブロック6に対し結合することができるようにも形成される。この結合部分は、特許請求の範囲に記載された第二の結合部(図示省略)に相当するものとする。
【0048】
図3及び図4において、第一ヒューズブロック6は、本発明の接続ブロック結合体に該当するものである。具体的には、電気部品(ここでは図示しないヒューズ)を接続するためのヒューズブロックパーツ16(接続ブロックパーツ)を複数個(ここでは17個。数は一例であるものとする)、矢印Q方向(左右方向)に結合させてなるものである。ヒューズブロックパーツ16は、導電性の複数本のL字状端子17〜20(端子)と、この複数本のL字状端子17〜20を固定する絶縁性の樹脂基材21とを含んで構成される。
【0049】
図5及び図6において、L字状端子17〜20は、それぞれ所定の長さとなる帯状の板をL字状に折り曲げて形成される。尚、L字状端子17〜20はサイズが異なるのみであり、各部分は同一の機能を有する。ここでは同一の符号を付すものとする。L字状端子17〜20は、回路基板2に対する上記ヒューズの搭載方向に配慮してL字状に折り曲げ形成される(搭載方向が回路基板2に対し垂直の場合はこの限りでないものとする)。
【0050】
L字状端子17〜20の一端には、音叉状端子部22(電気接続部)が形成される。また、中間には、折り曲げ部23が形成される。音叉状端子部22は、上記ヒューズのヒューズ端子を接続する部分として音叉形状に形成される。音叉状端子部22と折り曲げ部23との間には、回路基板2(図1参照)に対し略水平で且つ矢印R方向(前後方向)に延在する水平板部24(延在部)が形成される。さらに、他端側には、回路基板2に対し略垂直で且つ矢印P方向(上下方向)に延在する垂直板部25が形成される。この垂直板部25には、ピン状の基板接続部26が連成される。
【0051】
L字状端子17〜20の音叉状端子部22は、ヒューズブロックパーツ16の状態において同一位置に配置される。また、L字状端子17と18の各音叉状端子部22、及びL字状端子19と20の各音叉状端子部22は、上記ヒューズ端子の位置に合わせて配置される。さらに、L字状端子17〜20の各基板接続部26は、ヒューズブロックパーツ16の状態において等ピッチで配置される。この他、水平板部24及び垂直板部25は、L字状端子17が一番短くなるように形成される。そして、次第に長くなって、L字状端子20が一番長くなるように形成される。
【0052】
L字状端子17〜20は、水平板部24の位置で樹脂基材21に固定される。本実施例においては、インサート成型により固定される。尚、固定方法はインサート成型に限らないものとする。一例として他の固定方法を挙げると、水平板部24の側部に係止爪を形成し、この係止爪を樹脂基材21の圧入穴に引っ掛けて固定する方法などが挙げられる。
【0053】
樹脂基材21は、樹脂成型からなる部分であって、上面27及び下面28と、左側面29及び右側面30と、前面31及び後面32、33とを有する。後面32、33は、上下二段となる階段状に形成される。また、樹脂基材21は、上記ヒューズに合わせた所定の幅寸法及び高さ寸法にて形成される。このような樹脂基材21の前面31は、音叉状端子部22が真っ直ぐ前方へ突出する部分として形成される。また、右側面30には結合部34、35が形成され、左側面29には被結合部36、37が形成される。さらに、上面27には、第二の被結合部38が形成される。この他、左側面29及び右側面30を貫通するように肉盗み部39が形成される。
【0054】
結合部34、35は、形状の異なる矩形の凸部分としてそれぞれ形成される。一方、被結合部36、37は、結合部34、35の形状に合わせて形成される。具体的には、結合部34、35が差し込まれる矩形の凹部分として形成される。結合部34、35及び被結合部36、37は、圧入状態にて結合するように形成される。
【0055】
尚、結合部34、35と被結合部36、37の配置を左右逆にしてもよいものとする。また、後述する実施例2のように一側面に両方を配置してもよいものとする。
【0056】
第二の被結合部38は、第二ヒューズブロック7との結合部分として形成される。具体的には、第二ヒューズブロック7の図示しない第二の結合部が差し込まれて結合状態になるような部分として形成される。尚、第二の被結合部38は、上記のような凹状の被結合部でなく凸状の結合部として形成してもよいものとする(この場合、第二ヒューズブロック7の方を被結合部として形成するものとする)。
【0057】
次に、図7及び図8を参照しながら本発明に係る第一ヒューズブロック6の組み立て(結合)について説明をする。
【0058】
図7及び図8において、第一ヒューズブロック6は、ヒューズブロックパーツ16を必要数分だけ結合することにより組み立てが完了する。具体的には、隣り合うヒューズブロックパーツ16の結合部34、35と被結合部36、37とを圧入により結合させると、図示しないヒューズの搭載数に合わせた数のヒューズブロックパーツ16からなる第一ヒューズブロック6の組み立てが完了する。
【0059】
尚、上記「搭載数に合わせた数」とは、本実施例のヒューズブロックパーツ16の場合、これ一つに二つのヒューズを搭載できることから、必要搭載数の1/2の数となる。
【0060】
以上、図1ないし図8を参照しながら説明してきたように、第一ヒューズブロック6は、図示しないヒューズの搭載数に合わせてヒューズブロックパーツ16を増減させることができる。従って、汎用性を高めることができる。
【実施例2】
【0061】
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図9及び10は本発明の接続ブロック結合体に係る第一ヒューズブロックの斜視図である。また、図11はヒューズブロックパーツの図、図12はF/Lブロックパーツの図、図13及び図14はF/Lブロックパーツを結合する途中状態及び結合完了状態の拡大斜視図である。
【0062】
図9及び図10において、実施例2の第一ヒューズブロック51は、本発明の接続ブロック結合体に該当するものである。具体的には、図示しないヒューズ(電気部品)を接続するためのヒューズブロックパーツ52(接続ブロックパーツ)を複数個(ここでは8個。数は一例であるものとする)、また、図示しないヒュージブルリンク(電気部品)を接続するためのF/Lブロックパーツ53(接続ブロックパーツ)を複数個(ここでは3個。数は一例であるものとする)、矢印Q方向(左右方向)に結合させてなるものである。
【0063】
ヒューズブロックパーツ52は、導電性の一対の端子54、55と、この一対の端子54、55を固定する絶縁性の樹脂基材56とを含んで構成される。また、F/Lブロックパーツ53も同様に、導電性の一対の端子57、58と、この一対の端子57、58を固定する絶縁性の樹脂基材59とを含んで構成される。
【0064】
図11において、ヒューズブロックパーツ52における一対の端子54、55は若干形状が異なるのみであり、各部分は同一の機能を有する。ここでは同一の符号を付すものとする。一対の端子54、55の一端には、音叉状端子部60(電気接続部)が形成される。また、中間及び他端側には、前後方向に延在する延在部61が形成される。この延在部61には、圧接刃62が連成される。
【0065】
樹脂基材56は、上面63及び下面64と、左側面65及び右側面66と、前面67及び後面68とを有する。また、樹脂基材56は、上記ヒューズに合わせた所定の幅寸法及び高さ寸法にて形成される。このような樹脂基材56の前面67は、音叉状端子部60が真っ直ぐ前方へ突出する部分として形成される。また、左側面65及び右側面66には、結合部69と被結合部70とがそれぞれ形成される。さらに、下面64には、第二の被結合部71が形成される。この他、左側面65及び右側面66には、肉盗み部72が形成される。
【0066】
結合部69は、凸部分として形成される。また、被結合部70は、結合部69の形状に合わせて凹部分として形成される。結合部69及び被結合部70は、圧入状態にて結合するように形成される。
【0067】
図12において、F/Lブロックパーツ53における一対の端子57、58は若干形状が異なるのみであり、各部分は同一の機能を有する。ここでは同一の符号を付すものとする。一対の端子57、58の一端には、ヒュージブルリンク用端子部73(電気接続部)が形成される。また、中間及び他端側には、前後方向に延在する延在部74が形成される。この延在部74には、圧接刃75が連成される。
【0068】
樹脂基材59は、上面76及び下面77と、左側面78及び右側面79と、前面80及び後面81とを有する。また、樹脂基材59は、上記ヒュージブルリンクに合わせた所定の幅寸法及び高さ寸法にて形成される。このような樹脂基材59の前面80は、ヒュージブルリンク用端子部73が真っ直ぐ前方へ突出する部分として形成される。また、左側面78及び右側面79には、結合部82と被結合部83とがそれぞれ形成される。
【0069】
結合部82は、凸部分として形成される。また、被結合部83は、結合部82の形状に合わせて凹部分として形成される。結合部82及び被結合部83は、圧入状態にて結合するように形成される。
【0070】
次に、図13及び図14を参照しながら本発明に係る第一ヒューズブロック51の組み立て(結合)について説明をする。
【0071】
図13及び図14において、第一ヒューズブロック51は、ヒューズブロックパーツ52とF/Lブロックパーツ53とを必要数分だけ結合することにより組み立てが完了する。具体的には、隣り合うヒューズブロックパーツ52の結合部69と被結合部70とを圧入により結合させることにより、また、隣り合うヒューズブロックパーツ52とF/Lブロックパーツ53の結合部69と被結合部83とを圧入により結合させ且つ被係合部70と結合部82とを圧入により結合させると、図示しないヒューズやヒュージブルリンクの搭載数に合わせた数の接続ブロックパーツからなる第一ヒューズブロック51の組み立てが完了する。
【0072】
以上、図9ないし図14を参照しながら説明してきたように、第一ヒューズブロック51は、図示しないヒューズやヒュージブルリンクの搭載数に合わせてヒューズブロックパーツ52及びF/Lブロックパーツ53を増減させることができる。従って、汎用性を高めることができる。
【0073】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
1…電気接続箱、 2…回路基板、 3…基板実装部品、 4…第一コネクタブロック、 5…第二コネクタブロック、 6…第一ヒューズブロック(接続ブロック結合体)、 7…第二ヒューズブロック(他の接続ブロック、第二接続ブロック)、 8…ECU接続コネクタ、 9…層状端子群、 10…樹脂基材、 11、12…端子群、 13…音叉状端子部、 14…ヒュージブルリンク用端子部、 15…基板接続部、 16…ヒューズブロックパーツ(接続ブロックパーツ)、 17〜20…L字状端子(端子)、 21…樹脂基材、 22…音叉状端子部(電気接続部)、 23…折り曲げ部、 24…水平板部(延在部)、 25…垂直板部、 26…基板接続部、 27…上面、 28…下面、 29…左側面、 30…右側面、 31…前面、 32、33…後面、 34、35…結合部、 36、37…被結合部、 38…第二の被結合部、 39…肉盗み部、 51…第一ヒューズブロック(接続ブロック結合体)、 52…ヒューズブロックパーツ(接続ブロックパーツ)、 53…F/Lブロックパーツ(接続ブロックパーツ)、 54、55…端子、 56…樹脂基材、 57、58…端子、 59…樹脂基材、 60…音叉状端子部(電気接続部)、 61…延在部、 62…圧接刃、 63…上面、 64…下面、 65…左側面、 66…右側面、 67…前面、 68…後面、 69…結合部、 70…被結合部、 71…第二の被結合部、 72…肉盗み部、 73…ヒュージブルリンク用端子部(電気接続部)、 74…延在部、 75…圧接刃、 76…上面、 77…下面、 78…左側面、 79…右側面、 80…前面、 81…後面、 82…結合部、 83…被結合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
図16