特許第6019512号(P6019512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019512
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】沈砂池の除砂方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/18 20060101AFI20161020BHJP
   B01D 21/24 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 21/30 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 21/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B01D21/18 K
   B01D21/24 M
   B01D21/30 H
   B01D21/00 C
   B01D21/24 S
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-85017(P2015-85017)
(22)【出願日】2015年4月17日
(62)【分割の表示】特願2010-119372(P2010-119372)の分割
【原出願日】2010年5月25日
(65)【公開番号】特開2015-128773(P2015-128773A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】508165490
【氏名又は名称】アクアインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 賢二
(72)【発明者】
【氏名】川上 直哉
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−334217(JP,A)
【文献】 特開2010−058044(JP,A)
【文献】 特開2010−036151(JP,A)
【文献】 特開2007−100305(JP,A)
【文献】 特開2000−288312(JP,A)
【文献】 特開2008−126145(JP,A)
【文献】 特開2008−086997(JP,A)
【文献】 特開2003−205285(JP,A)
【文献】 特開平07−100305(JP,A)
【文献】 特開平07−100306(JP,A)
【文献】 特開2011−245385(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第0670034(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00−21/34
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集砂ピットに設置された揚砂ポンプを駆動して沈砂池の水位を低圧集砂ができる排水状態を維持しつつ、トラフノズルから主トラフ及び集砂ピット傾斜面に吐水させるとともに、前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる領域に設けたノズルからの吐水を領域ごとに行って、当該領域に堆積した土砂を前記主トラフに流し、さらに集砂ピットに集めて、その集砂ピットに集められた土砂を前記揚砂ポンプの吸引口付近に配置された撹拌ノズルからの吐水により撹拌しながら、または撹拌した後、前記揚砂ポンプにより水と共に汲み上げて除く除砂方法において、各領域の前記ノズルからの吐水を開始させる直前または開始と同時に、前記トラフノズル及び前記撹拌ノズルからの吐水を所定時間同時に行うことを特徴とする除砂方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理設備の沈砂池に沈殿した土砂を集砂ピットに集め、その集めた土砂をポンプにより水と共に汲み上げて除く除砂方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沈砂池内の水を排水ポンプで排出した状態(排水状態)で沈砂池の底面にノズルから低圧力水を噴射して沈砂池の底面に堆積した土砂を流し、沈砂池の底部に設けた集砂ピットに集め、その集めた土砂を集砂ピットに設置した揚砂ポンプにより水と共に汲み上げて汚水沈砂池に移送する低圧集砂方式の除砂装置は、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記除砂装置による低圧集砂を行う沈砂池には、次のような構造が備えられる。すなわち、沈砂池の底部の一部、例えば中央に集砂ピットを形成するとともに、沈砂池の底面を集砂ピットの周辺が最深となるように傾斜させるとともに、その沈砂池の底部には沈砂池内水流方向と平行に延びるトラフ(以下、主トラフという。)を集砂ピット側が深くなるように形成し、同底部の長手方向中央には沈砂池の両側の側壁から集砂ピットの底面まで下り傾斜する面(以下、集砂ピット傾斜面という。)を、さらに、沈砂池の底面には沈砂池内水流方向と直交する方向に平行に延びる多数の小トラフをそれぞれ形成してある。
【0004】
また、低圧集砂を行うために、多数のノズルが次のように設置されている。すなわち、主トラフの上端部及び集砂ピット傾斜面の上端部と、沈砂池の底面を主トラフの両側において複数に区分した領域の上端部と、集砂ピット内とにそれぞれノズルが設置されている。主トラフの上端部及び集砂ピット傾斜面の上端部に設けられたノズルは、以下、トラフノズルという。領域に設置されるノズル(以下、領域ノズルという。)は、各領域において沈砂池の側壁に沿って設置されたノズルヘッダーに複数個が等間隔で取付けられている。集砂ピット内に設置されるノズルは、後述されるように、集砂ピット内の土砂を撹拌するためのもの(以下、撹拌ノズルという。)である。
【0005】
また、低圧集砂を行うために、沈砂池の下流側に連設されているポンプ井に設置された給水ポンプから供給される加圧水を前記トラフノズルと撹拌ノズル及びノズルヘッダーに供給(通水)したり、その供給を止めたり(止水)するための切換弁群、すなわち、トラフノズル用切換弁と、各ノズルヘッダー用切換弁と、撹拌ノズル用切換弁とが備えられている。そして、除砂装置は、これらの各切換弁の開閉切換動作を所定の順序でさせる切換弁制御手段を有している。
【0006】
除砂動作の準備として、沈砂池の上流側に設けられ、開放されて雨水や汚水等の下水を沈砂池に進入させていたダム装置が閉じられて、その沈砂池への下水進入を阻止する。その後、除砂装置を始動させると、除砂装置制御装置がポンプ井に設置された排水ポンプの運転を開始させて、沈砂池の水を終末処理場等へ移送する。排水ポンプによる排水により沈砂池及びポンプ井の水量が減少してその水面が沈砂池とポンプ井の間に設けてある堰の上面の高さになった時、排水ポンプの運転を停止させる。これにより、除砂動作の準備が完了する。
【0007】
続いて、除砂装置に除砂動作を開始させると、揚砂ポンプ制御手段が揚砂ポンプの自動運転モードを開始させる。自動運転モードにおいては、揚砂ポンプは集砂ピットに設置した水位センサが集砂ピット内の水面が所定の高水位以上になったことを検知したときは自動的に運転を開始し、揚砂ポンプの運転により水位センサが集砂ピット内の水面が所定の低水位になったことを検知したときは自動的に運転を停止するように構成されている。すなわち、揚砂ポンプは、沈砂池内の水面が集砂ピット内に位置する排水状態を維持するように稼働する。
【0008】
また、除砂動作を開始させたことに基づき、切換弁制御手段による切換弁の制御が行なわれる。しかし、従来は、揚砂ポンプの制御と切換弁の制御は、それぞれ独立して行われていた。
【0009】
これをさらに詳述すると、揚砂ポンプの自動運転モードが開始されたときは、集砂ピット内の水面が高水位以上にあるため揚砂ポンプが直ちに運転を開始し、これにより集砂ピット内の水面が所定の低水位まで低下したとき、揚砂ポンプが運転を停止する。一方、切換弁制御手段は次のように切換弁の制御を行う。以下に、沈砂池の底面が4領域に区分されている場合を例に説明する。
【0010】
a)切換弁制御手段は、先ず、トラフノズル用切換弁を開ける(通水状態にする)。これにより、給水ポンプからの水がトラフノズルに供給され、そのトラフノズルから水が吐出される。このトラフノズルからの吐水により主トラフ及び集砂ピット傾斜面の土砂と水が集砂ピットに流れ込んで集砂ピット内の水面が上昇する。その水面が高水位以上になると揚砂ポンプが再び運転を開始する。
b)揚砂ポンプの運転開始と同時又はその直前に、切換弁制御手段は撹拌ノズル用切換弁を開ける。
c)トラフノズル用切換弁の通水切換後、主トラフ及び集砂ピット傾斜面内の土砂が集砂ピットに流れ切るのに必要な時間Txの経過後に、沈砂池の底面の第1領域のノズルヘッダー用切換弁を一定時間T1開ける。
d)その一定時間T1経過後に第1領域のノズルヘッダー用切換弁を閉める(止水状態にする)とともに、第2領域のノズルヘッダー用切換弁を一定時間T2開ける。
e)その一定時間T2経過後に第2領域のノズルヘッダー用切換弁を閉めるとともに、第3領域のノズルヘッダー用切換弁を一定時間T3開ける。
f)その一定時間T3経過後に第3領域のノズルヘッダー用切換弁を閉めるとともに、第4領域のノズルヘッダー用切換弁を一定時間T4開ける。
g)その一定時間T4経過後に第4領域のノズルヘッダー用切換弁を閉めるとともに、トラフ用切換弁を閉める。
上記一定時間T1〜T4は、当該領域の土砂堆積量を流すのに必要な時間である。
【0011】
第4領域のノズルヘッダー用切換弁を閉じた後は、沈砂池内の水が集砂ピットに流下し、沈砂池が排水状態になったとき、すなわち、水位センサが低水位を検知したときに揚砂ポンプが運転を停止する。これにより、一連の除砂動作が終了する。この一連の除砂動作が終了したとき、揚砂ポンプの自動運転モードが解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3315489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、従来の除砂装置においては、高水位以上で揚砂ポンプを始動し、低水位になった時に揚砂ポンプを止めた後の、トラフノズルからの吐水により主トラフ及び集砂ピット傾斜面内の土砂と水が集砂ピットに流れ込んで、集砂ピット内の水面が高水位以上になると揚砂ポンプが運転を開始し、それと同時に、又はその直前から撹拌ノズルからの吐水を開始していた。しかし、トラフノズルからの最初の吐水時に最も多量の土砂が集砂ピットに集まり易いので、集砂ピット内の水面が高水位以上になったときに揚砂ポンプが運転を開始するときには、揚砂ポンプが土砂に埋没して、閉そくを起こし、除砂できない事態が発生する虞があった。
【0014】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、除砂動作の開始当初等に集砂ピットに集められる土砂に揚砂ポンプが埋没しないようにした除砂方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記目的を達成するため、集砂ピットに設置された揚砂ポンプを駆動して沈砂池の水位を低圧集砂ができる排水状態を維持しつつ、トラフノズルから主トラフ及び集砂ピット傾斜面に吐水させるとともに、前記沈砂池の底面を沈砂池内水流方向に複数に区分してなる領域に設けたノズルからの吐水を領域ごとに行って、当該領域に堆積した土砂を前記主トラフに流し、さらに集砂ピットに集めて、その集砂ピットに集められた土砂を前記揚砂ポンプの吸引口付近に配置された撹拌ノズルからの吐水により撹拌しながら、または撹拌した後、前記揚砂ポンプにより水と共に汲み上げて除く除砂方法において、各領域のノズルからの吐水を開始させる直前または開始と同時に、トラフノズル及び撹拌ノズルからの吐水を所定時間同時に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、各領域の領域ノズルからの吐水を開始させる直前又は開始と同時に、主トラフおよび集砂ピット傾斜面に吐水するトラフノズル及び撹拌ノズルからの吐水を同時に所定時間行うので、除砂動作の開始当初等に揚砂ポンプが集砂ピットに集められる土砂に埋没することを防止できる
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】沈砂池を含む雨水処理設備の縦断面図である。
図2図1のX−Xの範囲の一部省略平面図である。
図3図2のY1−Y1線断面図である。
図4図2のY2−Y2線断面図である。
図5図2のY3−Y3線断面図である。
図6】集砂ピットの周辺の平面図である。
図7図6のZ1−Z1断面図である。
図8図6のZ2−Z2断面図である。
図9】給水系統図である。
図10】1実施の形態における制御装置を例示する制御系統図である。
図11】集砂ピットの水位センサによる検知水位を示す断面図である。
図12】揚砂ポンプ制御手段のフローチャートである。
図13】切換弁制御手段のフローチャートである。
図14】切換弁制御手段のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1において、1は雨水処理設備であり、側壁Wa,Wb(図2参照)の間に形成された沈砂池2とポンプ井3とを有する。沈砂池2は図外の下水管から雨水や汚水等の下水が集められる流入渠4に接続されている。流入渠4の下流側端部には、流入渠4から沈砂池2への下水の流入の許容又は阻止を行なうためのダム装置5が設置され、そのダム装置5の下流側で、沈砂池2の上流側端部の直前に夾雑物捕捉用スクリーン6が設置されている。
【0019】
ポンプ井3には、後述される排水ポンプP1と、滞留水ポンプを兼ねる給水ポンプP2とが設置され、集砂ピット7内に後述される揚砂ポンプP3が設置されている。図1のFは、沈砂池2の下流側端部に設置されているろ過機である。
【0020】
また、主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bの上端部にトラフノズル9aが設置され、沈砂池の底面を主トラフ8aの両側において沈砂池内水流方向に複数(図2及び図6では4。合計8)に区分した領域の上端部に領域ノズル9bが設置されている。領域ノズル9bは、それぞれの領域に側壁Wa,Wbの近傍において設置されたノズルヘッダーNHに複数個が等間隔に設置されている。図5には、複数個の領域ノズル9bを所定の間隔で母管10に取り付けてなるノズルヘッダーNH1,NH2・・・を用いている例が示されている。集砂ピット7内には撹拌ノズル9cが設置されている。撹拌ノズル9cは、複数個(図2においては4個)が、揚砂ポンプP3の下部の周辺の接線に近い位置において揚砂ポンプP3の下部に相対する2方向から吐出するように設置されている。図面の簡明化のため、図4には撹拌ノズル9cが、図5には揚砂ポンプP3の図示が省略されている。
【0021】
そして、図5及び図6に例示するように、ポンプ井3の給水ポンプP2からの水を前記各ノズル9a,9b,9cに供給(通水)したり、その供給を止めたり(止水)するための電磁弁により構成されている切換弁群VG1,VG2、すなわち、トラフノズル用切換弁Vaと、各ノズルヘッダー用切換弁Vbと、撹拌用ノズル用切換弁Vcとが備えられている。図2図9に例示するように、沈砂池の底面が8領域に区分されている場合は、ノズルヘッダー用切換弁Vbが8個(Vb1〜Vb8)用いられる。
【0022】
給水ポンプP2と切換弁群VG1,VG2とを結合する管路には、切換弁Vdを介してリリーフ回路11が設けられ、切換弁の全てが閉められている場合の給水ポンプP2からの水を沈砂池2に逃すように構成されている。
【0023】
本発明方法を実施する除砂装置の制御装置100には、図10に例示するように、排水ポンプ制御回路PCON1、給水ポンプ制御回路PCON2及び揚砂ポンプ制御回路PCON3が内蔵され、さらに、切換弁制御回路VCONが内蔵されている。制御装置100の操作盤101に付加されている除砂始動スイッチ(図示せず)を操作すると、除砂開始信号が制御装置100に与えられる。
【0024】
切換弁制御回路VCONは、図10に例示するように、また、後述されるように、ノズルヘッダーから水を噴射すべき領域の順位を順次指定する順位指定部102と、一つの順位の領域のノズルヘッダー用切換弁が閉められたときに順位指定部102により指定されている領域の順位が最後順か否かを判定する順位判定部103と、リリーフ回路の切換弁Vdの開閉を制御する第1切換弁制御部104と、トラフノズル用切換弁Va,Vcの開閉を制御する第2切換弁制御部105と、順位を指定された領域のノズルヘッダー用切換弁Vb1〜Vb8を開け、後記水位センサ13からの中間水位検知信号に基づいて閉める第3切換弁制御部106とを含む。これらの制御部は、前記一群の切換弁Va,Vb,Vc,Vdに所定の順序で開動作又は閉動作を駆動させるための制御信号を与えるものである。
【0025】
また、制御装置100には、集砂ピット7内の水面の高さを検知する水位センサ13(図10、11参照)が電気的に接続されている。この水位センサ13は、集砂ピット7内の水面が図11に概念的に示す所定の高水位HWL以上、中間水位MWL及び低水位LWLのいずれにあるかを検知して、高水位検知信号、中間水位検知信号又は低水位検知信号を出力するものである。
【0026】
上記構成による作用を説明する。ダム装置5が開放されたときは、下水は沈砂池2に流入し、さらにポンプ井3まで流入して、その水位が所定の高さになる。除砂始動スイッチを操作すると、制御装置100の排水ポンプ制御回路PCON1により、ポンプ井3に設けてある排水ポンプP1が運転されてポンプ井3内の水が汲み上げられ、図外の終末処理場等に移送される。
【0027】
その移送の間に、沈砂池2に流入した土砂混じりの下水から土砂が沈殿し、沈砂池の底面2aに堆積する。その堆積量が所定値に達すると、ダム装置5が閉鎖されて沈砂池2への下水の流入が阻止される。そして、排水ポンプP1による排水により沈砂池2とポンプ井3の水面が下がり、沈砂池2とポンプ井3の間に設けてある堰の上面と等しい水位(図1のWL)になると、排水ポンプ制御回路PCON1は排水ポンプP1の運転を止める。
【0028】
また、沈砂池2の水面が上記水位(図1のWL)になると、制御装置100は給水ポンプ制御回路PCON2、揚砂ポンプ制御回路PCON3及び切換弁制御回路VCONを起動させる。
【0029】
起動された揚砂ポンプ制御回路PCON3は、図12に示すように、揚砂ポンプP3の自動運転モードを開始させる(S11)。そして、水位センサ13からの検知信号により集砂ピット7内の水面が所定の高水位HWL以上か否かを調べる(S12)。この時点では、排水ポンプP1の運転停止直後で、沈砂池2の水面がWLにあって、高水位HWL以上であるから、揚砂ポンプP3は直ちに運転を開始する(S13)。これにより、集砂ピット7内の水面はWLから下がり始める。
【0030】
一方、切換弁制御回路VCONは、図13に示すように、起動されると、第1切換弁制御部104が先ずリリーフ回路の切換弁Vdを開けて、給水ポンプP2の駆動の準備をする(図13のステップS21)。続いて、第2切換弁制御部105がトラフノズル用切換弁Va及び撹拌ノズルVcを開けた(S22)後、直ちに給水ポンプ制御回路PCON2が給水ポンプP2の運転を開始させ、その後に第1切換弁制御部104がリリーフ回路の切換弁Vdを閉める(S23)ので、給水ポンプP2からの水がトラフノズル9aから主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bに吐出される。これにより、主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bの土砂が水とともに集砂ピット7に向けて流される。
【0031】
本発明の実施の形態においては、切換弁制御回路VCONは、トラフノズル用切換弁Vaを開けると同時に撹拌ノズル用切換弁Vcを開ける(S22)。したがって、主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bへの吐水並びに集砂ピット内の撹拌と揚砂ポンプの運転開始とがほぼ同時に行われる。したがって、除砂動作開始当初は集砂ピットに流入する土砂の量は特に多いが、揚砂ポンプP3が砂に埋没することなく、円滑に除砂される。
【0032】
また、多量の土砂により集砂ピット7内の水位は一時上昇するが、給水ポンプP2の吐出量よりも揚砂ポンプP3の吐出量が多いので、集砂ピット7内の水面は低下する。低下する水面が所定の中間水位MWLになったことが水位センサ13により検知されると(S24においてYのとき)、切換弁制御回路VCONの順位指定部102が集砂対象領域の順位を、例えば+1して、第1領域B1に指定する(S25)ので、第3切換弁制御部106が第1領域B1のノズルヘッダー用切換弁Vb(b1)を開ける(S26)ため、そのノズルヘッダーのノズルから水が噴射され、第1領域B1に堆積していた土砂が水とともに主トラフに向けて流され、さらに集砂ピット7に流入する。こうして、集砂ピット7に集められ、撹拌された土砂混じりの下水は、揚砂ポンプP3により汲み上げられ、汚水沈砂池に移送される。第1領域B1からの土砂と水の流入により集砂ピット7内の水面は一時的に中間水位MWLよりも上昇するが、やがて低下する。
【0033】
その水面が再び中間水位MWLになったことが水位センサ13により検知されると(S27においてYのとき)、第3切換弁制御部によりノズルヘッダー用切換弁Vb(b1)が閉められる。順位判定部103がそのときに指定されている順位を調べ、最後順でない場合は、S25に戻って次順の領域のノズルヘッダー用切換弁Vb(b2)を開け(S26)、水位センサ13が所定の中間水位になったことを検知したとき、第3切換弁制御部によりノズルヘッダー用切換弁Vb(b2)が閉められる。そして、集砂対象領域が最後順になるまで、S25(順位指定)からS28(ノズルヘッダー用切換弁の閉鎖)までが繰り返される。また、主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bへの吐水並びに集砂ピット内の撹拌と揚砂ポンプの運転も、集砂対象領域が最後順になるまで繰り返される。この間、トラフノズル及び撹拌ノズルからの吐水は継続され、水位は上昇と低下を反復する。
【0034】
そして、最後順の領域である第8領域B8まで集砂動作が行なわれた後は、水位センサ13が低水位LWLになったことを検知したとき(S210でYのとき)、第1切換片制御部104ないし第3切換弁制御部106が、リリーフ回路の切換弁Vdを開けるとともに、トラフノズル用切換弁Va及び撹拌ノズル用切換弁Vc、並びにノズルヘッダー用切換弁Vb(b8)を閉めて、一連の切換弁制御を完了する。また、給水ポンプ制御回路PCON2も給水ポンプP2の運転を停止する。
【0035】
他方、揚砂ポンプ制御回路PCON3は、揚砂ポンプP3の運転開始時から水位センサ13の検知状態を常に監視しており、第8領域B8のノズルヘッダー用切換弁Vb4を閉じたことにより、集砂ピット7内の水面が低水位LWLまで低下するので(S14においてYのとき)、揚砂ポンプP3の運転を停止する(S15)。その後、揚砂ポンプ制御回路PCON3は、切換弁の制御を完了したか否かを調べ(S16)、完了していない場合はステップS12に戻り、高水位HWLになった場合(S12においてYのとき)は、再び揚砂ポンプP3の運転を開始するが、切換弁制御の完了を確認した(S16においてYのとき)後は、揚砂ポンプの自動運転モードを解除する(S17)。
【0036】
上述のように、揚砂ポンプP3は、自動運転モードを開始すると集砂ピット7内を排水状態に維持するために、集砂ピット内の水面が高水位HWL以上にあるときは自動的に運転を開始し、その水面が低水位LWLまで低下したときは自動的に運転を停止する。本発明方法においては、集砂ピット内の水面が高水位HWLと低水位LWLの間の中間水位MWLまで低下した時に、最後順の領域まで、先順の領域のノズルヘッダー用切換弁を閉めるとともに後順の領域のノズルヘッダー用切換弁を開けるので、それらの切換弁の切換動作の間に、集砂ピット内の水面は先順の領域のノズルヘッダー用切換弁の閉動作による水噴射の停止、揚砂ポンプの汲み上げ及び後順の領域のノズルヘッダー用切換弁の開動作による水噴射の開始により変動する。そこで、最後の領域の集砂が終わる前に低水位LWLを検知して揚砂ポンプP3が自動的に運転を停止することがないように、切換弁の切換動作の時間的基準となる中間水位を切換弁の切換動作の間に集砂ピット内の水面が低水位LWLまで低下しない高さ位置に設定されている。その高さ位置は、各トラフ及び各ノズルヘッダーの噴射量、集砂池の断面積、揚砂ポンプの吐出量などから算出可能である。
【0037】
そして、ノズルヘッダー用切換弁に切換動作の速い自動電磁弁を使用すれば、先順の領域に対する水噴射の終了から次順の領域に対する水噴射の開始までの間の集砂ピット内の水面の低下量を少なくすることができるので、中間水位MWLの位置設定の精度が緩和される。また、揚砂ポンプの負荷が安定するので、寿命が伸長する。
【0038】
上記の実施の形態においては、切換弁制御回路VCONは、水位センサ13が中間水位を検知したことに基づいて各領域のノズルヘッダー用切換弁の開閉のタイミングを設定したが、水位センサ13のみを用いる代わりに、切換弁制御回路VCONに備えたタイマーを用いて、所定時間経過時に先順の領域のノズルヘッダー用切換弁を閉め、その後、水位センサ13が中間水位MWLを検知したときに、次順の領域のノズルヘッダー用切換弁を開けるように制御しても良い。
【0039】
また、各領域のノズルヘッダー用切換弁を開ける直又は開けると同時に、トラフ用切換弁Va及び撹拌ノズル用切換弁Vcを所定時間同時に開けるようにすると、集砂効率が一層向上する。
【0040】
以下には、タイマーと水位センサを用いる場合の実施の形態について説明する。
この実施の形態における切換弁制御回路VCONは、図10に例示するように、また、後述されるように、ノズルヘッダーから水を噴射すべき領域の順位を順次指定する順位指定部102と、後記水位センサ14からの中間水位検知信号を入力するたびに、そのときに順位指定部102により指定されている領域の順位が最後順か否かを判定する順位判定部103と、リリーフ回路の切換弁Vdの開閉を制御する第1切換弁制御部104と、除砂動作開始指令入力後又は水位センサ14からの中間水位検知信号を入力したときの順位判定部103の判定結果が最後順でないときに、トラフノズル用切換弁Va,撹拌ノズル用切換弁Vcを所定時間開ける第2切換弁制御部105と、順位を指定された領域のノズルヘッダー用切換弁Vb1〜Vb8をそれぞれ所定時間開ける第3切換弁制御部106とを含み、前記一群の切換弁Va,Vb,Vc,Vdに所定の順序で開動作又は閉動作を駆動させるための制御信号を与えるものである。
【0041】
切換弁制御回路VCONは、図14に示すように、操作盤101からの除砂動作開始指令入力に基づいて制御プログラムを起動し、最初に第1切換弁制御部104がリリーフ回路の切換弁Vdを開けて給水ポンプP2の駆動の準備をする(図14のステップS31)。続いて、第2切換弁制御部105がトラフノズル用切換弁Va及び土砂撹拌用ノズル用切換弁Vcを開けた(S32)後、第1タイマー(図示せず)を始動させる(S33)とともに、第1切換弁制御部104がリリーフ回路11の切換弁Vdを閉める(S33’)。第1タイマーがタイムアップしたとき、すなわち、給水ポンプP2からの水がトラフノズル9aから主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bに所定時間噴射されたとき(S34でY)、トラフノズル用切換弁Va及び土砂撹拌用ノズル用切換弁Vcが閉められる(S35)。続いて、切換弁制御回路VCONの順位指定部102が順位をインクリメント(+1)する(S36)ので、第3切換弁制御部106がその順位指定部102により指定された順位の領域、すなわち、この場合は、第1領域B1のノズルヘッダー用切換弁Vb1を開ける(S37)ため、そのノズルヘッダーNH1の各ノズルから水が噴射され、第1領域B1に堆積していた土砂が主トラフ8aに向けて流され、さらに集砂ピット7に流入する。こうして、集砂ピット7に集められ、撹拌された土砂混じりの下水は、揚砂ポンプP3により汲み上げられ、沈砂分離機11を経て汚水沈砂池13に移送される。
【0042】
第1領域B1のノズルヘッダー用切換弁Vb1が開けられると、第2タイマー(図示せず)が始動され、予め設定されている所定時間の経過によりタイムアップする(S39でY)と、第1領域B1のノズルヘッダー用切換弁Vb1が閉められる。
【0043】
揚砂ポンプP3の吐出量は給水ポンプP2の吐出量よりも大に設計されているので、集砂ピット7内の水面は水と土砂の流入により当初一時的に上昇するが、やがて低下する。そして、その後、集砂ピット内の水面が所定の中間水位になったことが水位センサ14により検知されると(S311においてYのとき)、切換弁制御回路VCONの順位判定部103がそのとき順位指定部102に指定されている順位が最後順か否かを判定する(S312)。
【0044】
最後順でない場合は、S22に戻り、第2切換弁制御部105による主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bへの所定時間の吐水(S32−S35)が行われた後、順位指定部102により次順の領域が指定され(S36)、切換弁制御回路VCONは第2領域B2のノズルヘッダー用切換弁Vb2を所定時間開けた後、閉める。再び、水位センサ14により集砂ピット内の水面が所定の中間水位MWLになったことが検知されると、そのとき順位が最後順か否かが判定される(S312)。すなわち、水噴射対象領域が最後順になるまで、当該領域に対するトラフノズル9aからの主トラフ8a及び集砂ピット傾斜面8bへの所定時間の吐水(S32−S35)及びノズルヘッダーからの所定時間の吐水(S37−S310)が繰り返される。これにより、沈砂池の底面の全領域の土砂が水とともに主トラフ8aに流され、集砂ピット7に向けて流される。
【0045】
順位判定部103が最後順、すなわち、第4領域B4と判定したとき(S312でYのとき)は、水位センサ14が集砂ピット内の水面が所定の低水位になったことを検知したとき(S313でYのとき)に、切換弁制御回路VCONの第1切換弁制御部104がリリーフ回路の切換弁Vdを開ける制御を行なって、一連の切換弁制御を完了する。また、給水ポンプ制御回路PCON2も給水ポンプP2の運転を停止する。
【0046】
各領域のノズルヘッダー用切換弁を開ける直前又は開始と同時、トラフ用切換弁Va及び撹拌ノズル用切換弁Vcを所定時間同時に開けることを実行するには、切換弁制御手段VCONによる図14におけるS32とS35の制御を行なうことに代えて、S37において、当該順位の領域のノズルヘッダー用切換弁(Vb)を開ける直前又は開けると同時に、トラフ用切換弁Va及び撹拌ノズル用切換弁Vcを所定時間同時に開ける制御を行なえばよい。
【符号の説明】
【0047】
1 雨水処理設備
2 沈砂池
2a 沈砂池の底面
3 ポンプ井
7 集砂ピット
P1 排水ポンプ
P2 給水ポンプ
P3 揚砂ポンプ
8a 主トラフ
8b 集砂ピット傾斜面
8c 小トラフ
9a トラフノズル
9b 領域ノズル
9c 撹拌ノズル
NH1〜NH8 ノズルヘッダー
13 水位センサ
HWL 高水位
MWL 中間水位
LWL 低水位
Va,Vb,Vc,Vd 切換弁
図1
図2
図3
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図5
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図10
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図14