(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態(実施例)によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
「実施形態1の構成の説明」
図1〜
図17は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。
【0013】
(電動格納式ドアミラー装置1の説明)
図1において、符号1は、この実施形態1における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では、電動格納式ドアミラー装置(電動格納型のドアミラー)である。前記電動格納式ドアミラー装置1は、自動車の左右のドアD(左側のドアを図示、右側のドアを図示せず)にそれぞれ装備される。以下、自動車の左側のドアDに装備される電動格納式ドアミラー装置1の構成について説明する。なお、自動車の右側のドアに装備される電動格納式ドアミラー装置の構成は、この実施形態1の電動格納式ドアミラー装置1の構成とほぼ同一であり、かつ、配置がほぼ左右逆であるから説明を省略する。
【0014】
前記電動格納式ドアミラー装置1は、
図1に示すように、ベース(ミラーベース)2と、電動格納ユニット3と、ミラーアセンブリ4と、から構成されているものである。前記ベース2は、前記ドアDに固定されるものである。前記ミラーアセンブリ4は、前記電動格納ユニット3を介して前記ベース2に回転可能に取り付けられるものである。すなわち、前記ミラーアセンブリ4は、前記電動格納ユニット3および前記ベース2を介して前記車体Dに回転可能に取り付けられるものである。
【0015】
(ミラーアセンブリ4の説明)
前記ミラーアセンブリ4は、
図1に示すように、ミラーハウジング5と、取付ブラケット(図示せず)と、パワーユニット(図示せず)と、図示しないミラー(ミラーユニット)と、から構成されている。前記ミラーハウジング5内には、前記取付ブラケットが取り付けられている。前記取付ブラケットには、前記パワーユニットが取り付けられている。前記パワーユニットには、前記ミラーが上下左右に傾動可能に取り付けられている。
【0016】
(電動格納ユニット3の説明)
前記電動格納ユニット3は、
図2、
図9、
図10に示すように、シャフトホルダ(シャフトベース)9と、シャフト10と、ケーシングとしてのギアケース11およびカバー12と、ミラーアセンブリ使用位置決定機構と、ミラーアセンブリ回転範囲規制機構と、第1緩衝機構59(ストッパ部材6)と、モータ13と、回転力伝達機構としての減速機構14およびクラッチ機構15と、第2緩衝機構と、ストッパ部材ロック機構と、軸受部材16と、を備えるものである。
【0017】
(シャフトホルダ9およびシャフト10の説明)
前記シャフトホルダ9は、前記ベース2に固定されている。なお、前記シャフトホルダ9を前記ベース2に一体に設けても良い。前記シャフトホルダ9の一方の面(上面)の中央には、前記シャフト10が一体に固定されている。なお、前記シャフトホルダ9に前記シャフト10を一体に設けても良い。前記シャフト10は、中空形状をなしていて、ハーネス(図示せず)が挿通するように構成されている。
【0018】
(ギアケース11およびカバー12の説明)
前記ギアケース11と前記カバー12とは、相互に嵌合固定されていて、中空形状のケーシングを構成する。前記ギアケース11、前記カバー12には、挿入孔19、39がそれぞれ設けられている。前記挿入孔19、39中には、前記シャフト10が挿入されている。この結果、前記ギアケース11および前記カバー12は、前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能に取り付けられている。
【0019】
前記ギアケース11には、前記ミラーアセンブリ4の前記取付ブラケットが取り付けられている。この結果、前記ミラーアセンブリ4は、前記ギアケース11を介して前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能に取り付けられている。
【0020】
前記カバー12には、中空形状の前記シャフト10と連通するハーネス挿通筒部26が一体に設けられている。前記カバー12には、ソケット部7が設けられている。前記ソケット部7には、図示しない電源(バッテリー)側と電気的に接続されているコネクタ8が電気的に断続可能に接続しかつ機械的に着脱可能に取り付けられる。前記ソケット部7には、基板27が取り付けられている。前記基板27は、前記モータ13と電気的に接続されている。前記基板27には、前記モータ13の駆動停止を制御するスイッチ回路が実装されている。この結果、前記モータ13は、前記基板27および前記ソケット部7を介して前記コネクタ8と電気的に接続される。
【0021】
前記ギアケース11、前記カバー12には、収納部18がそれぞれ設けられている。前記ギアケース11および前記カバー12の前記収納部18中には、前記ミラーアセンブリ使用位置決定機構と、前記ミラーアセンブリ回転範囲規制機構と、前記第1緩衝機構59(ストッパ部材6)と、前記モータ13と、前記回転力伝達機構としての前記減速機構14および前記クラッチ機構15と、前記第2緩衝機構と、前記ストッパ部材ロック機構と、前記軸受部材16と、前記基板27と、がスクリューなどによりそれぞれ固定収納されている。
【0022】
(ストッパ部材6の説明)
前記ストッパ部材6は、筒部20と、鍔部23と、から一体に構成されている。前記筒部20中には、前記シャフト10が挿入されている。前記ストッパ部材6は、前記シャフト10に回転可能に嵌合されている。前記ストッパ部材6は、前記シャフトホルダ9と前記ギアケース11との間に設けられている。
【0023】
(ミラーアセンブリ使用位置決定機構の説明)
図2、
図8、
図11に示すように、前記シャフト10の一方の面(上面)には、2個のストッパ凸部43が前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に等間隔に一体に設けられている。一方、
図2、
図7、
図11に示すように、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の一方の面(下面)には、2個のストッパ凸部44が前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に前記シャフト10の前記ストッパ凸部43と対応して等間隔に一体に設けられている。
【0024】
図11(A)に示すように、前記ストッパ部材6の前記ストッパ凸部44の一方の面(当接面)45が前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の一方の面(当接面)49に当接すると、
図1に示すように、前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して使用位置Aに位置する。前記ストッパ部材6の前記ストッパ凸部44の前記当接面45と前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の前記当接面49とは、前記ミラーアセンブリ使用位置決定機構を構成する。
【0025】
(ミラーアセンブリ回転範囲規制機構の説明)
図2、
図8に示すように、前記シャフトホルダ9の上面には、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円弧形状の円弧凸部21が一体に設けられている。前記円弧凸部21の両端面には、当接面22がそれぞれ設けられている。一方、
図2、
図5に示すように、前記ギアケース11の下面には、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円弧形状の円弧溝24が設けられている。前記円弧溝24の両端面には、当接面25がそれぞれ設けられている。
【0026】
前記ギアケース11の前記円弧溝24には、前記シャフトホルダ9の前記円弧凸部21が係合されている。前記円弧凸部21と前記円弧溝24とは、前記ギアケース11が前記シャフトホルダ9に対して前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転する際、すなわち、
図1に示すように、前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して使用位置Aと格納位置(後方格納位置)Bとの間および使用位置Aと前方傾倒位置Cとの間を後方(上から見て反時計方向)または前方(上から見て時計方向)に回転する際のガイドとなるガイド部材を構成する。
図1において、符号Eは、車両の後方を示し、符号Fは、車両の前方を示す。
【0027】
前記円弧凸部21の前記当接面22と前記円弧溝24の前記当接面25とは、前記ミラーアセンブリ回転範囲規制機構を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ4が前記格納位置Bに位置するときには、
図11(B)に示すように、前記円弧凸部21の一方の前記当接面22と前記円弧溝24の一方の前記当接面25とが当接して、前記ミラーアセンブリ4の回転が規制される。前記ミラーアセンブリ4が前記前方傾倒位置Cに位置するときには、
図11(C)に示すように、前記円弧凸部21の他方の前記当接面22と前記円弧溝24の他方の前記当接面25とが当接して、前記ミラーアセンブリ4の回転が規制される。
【0028】
(第1緩衝機構59の説明)
前記ストッパ部材6は、前記第1緩衝機構59の第1部材を構成する。前記ギアケース11は、前記第1緩衝機構59の第2部材を構成する。前記クラッチ機構15のスプリング36は、前記第1緩衝機構59のスプリングを構成する。
【0029】
図6に示すように、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の他方の面(上面)には、2個(2セット)の第1ノッチ部(凸部)47と2個の第2ノッチ部(凸部)50、51とが、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に、交互にかつほぼ等間隔に、一体に設けられている。2個の前記第1ノッチ部47と2個の前記第2ノッチ部50、51とは、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の狭い円環状の上面に設けられている。2個の前記第1ノッチ部47の円周方向の長さは、2個の前記第2ノッチ部50、51の円周方向の長さより長い。2個の前記第2ノッチ部50、51の前記シャフト10の径方向の長さが異なる。すなわち、一方の前記第2ノッチ部50の径方向の長さが他方の前記第2ノッチ部51の径方向の長さより長い。この結果、一方の前記第2ノッチ部50は、他方の前記第2ノッチ部51より前記シャフト10の回転中心O−Oから外側に存在する。
【0030】
2個の前記第1ノッチ部47の両側面と2個の前記第2ノッチ部50、51の両側面とには、斜面(ノッチ面)28、52がそれぞれ設けられている。2個の前記第1ノッチ部47には、1個の前記第1ノッチ部47に対して、複数この例では、平面から見て時計方向の4個の斜面28、および、平面から見て反時計方向の4個の斜面28がそれぞれ設けられている。すなわち、2個の前記第1ノッチ部47には、4個の小凸部がそれぞれ設けられていて、4個の前記小凸部の両側面には、前記斜面28がそれぞれ設けられている。前記ストッパ部材6において、平面から見て時計方向の前記斜面28、52の合計数は、10個であり、平面から見て反時計方向の前記斜面28、52の合計数は、10個である。ここで、4個の前記小凸部からなる1個の前記第1ノッチ部47が1セットの前記第1ノッチ部47である。
【0031】
図5に示すように、前記ギアケース11の前記挿入孔19と前記円弧溝24との間であって前記鍔部23の上面と対向する面(下面)には、同じく、2個(2セット)の第1ノッチ部(凹部)48と2個の第2ノッチ部(凹部)53、54とが、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に、交互にかつほぼ等間隔に、一体に設けられている。2個の前記第1ノッチ部48と2個の前記第2ノッチ部53、54とは、前記ギアケース11の前記挿入孔19と前記円弧溝24との間の狭い円環状の下面に設けられている。2個の前記第1ノッチ部48の円周方向の長さは、2個の前記第2ノッチ部53、54の円周方向の長さより長い。2個の前記第2ノッチ部53、54の前記シャフト10の径方向の長さが異なる。すなわち、一方の前記第2ノッチ部53の径方向の長さが他方の前記第2ノッチ部54の径方向の長さより長い。この結果、一方の前記第2ノッチ部53は、他方の前記第2ノッチ部54より前記シャフト10の回転中心O−Oから外側に存在する。
【0032】
2個の前記第1ノッチ部48の両側面と2個の前記第2ノッチ部53、54の両側面とには、斜面(ノッチ面)34、55が前記ストッパ部材6の前記斜面28、52に対応してそれぞれ設けられている。2個の前記第1ノッチ部48には、1個の前記第1ノッチ部48に対して、複数この例では、底面から見て時計方向の4個の斜面34、および、底面から見て反時計方向の4個の斜面34がそれぞれ設けられている。すなわち、2個の前記第1ノッチ部48には、4個の小凹部がそれぞれ設けられていて、4個の前記小凹部の両側面には、前記斜面34がそれぞれ設けられている。前記ギアケース11において、底面から見て時計方向の前記斜面34、55の合計数は、10個であり、底面から見て反時計方向の前記斜面34、55の合計数は、10個である。ここで、4個の前記小凹部からなる1個の前記第1ノッチ部48が1セットの前記第1ノッチ部48である。
【0033】
前記ストッパ部材6と前記ギアケース11と前記クラッチ機構15の前記スプリング36とは、前記第1緩衝機構59を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ4が前記使用位置Aと前記格納位置Bとの間に位置するときには、
図12、
図13(A)、
図14(B)に示すように、前記クラッチ機構15の前記スプリング36のスプリング力により前記ストッパ部材6の前記斜面28、52と前記ギアケース11の前記斜面34、55とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ4が緩衝のために前記シャフト10に対し前記使用位置Aから前方に回転するときには、
図13(B)に示すように、前記スプリング36のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ4側の前記ギアケース11の前記斜面34、55が前記シャフト10側の前記ストッパ部材6の前記斜面28、52に沿って乗り上がる。前記ギアケース11の前記斜面34、55が前記ストッパ部材6の前記斜面28、52に沿って乗り上がると、
図13(C)、(D)、(E)に示すように、前記ミラーアセンブリ4側の前記ギアケース11が前記シャフト10側の前記ストッパ部材6に対し前記使用位置Aから前方に回転する。
【0034】
前記ストッパ部材6において、前記第2ノッチ部50、51の高さは、前記第1ノッチ部47の高さよりも高い。この結果、
図13(C)に示すように、前記ギアケース11の前記第1ノッチ部48が前記ストッパ部材6の前記第1ノッチ部47から外れた段階では、前記ギアケース11の前記第2ノッチ部53、54の角部と前記ストッパ部材6の前記第2ノッチ部50、51の角部とが、重なり合う(
図13(C)中の二点鎖線小円中を参照)。
【0035】
前記ストッパ部材6の10個の前記斜面28、52の傾斜角度(乗り上げ角度)および前記ギアケース11の10個の前記斜面34、55の傾斜角度(乗り上げ角度)は、基本的に同一とする。基本的に同一にするとは、設計的に同一であって、実際の製品精度範囲内の誤差も含む。また、前記ストッパ部材6と前記ギアケース11の材質の組み合わせにより、どちらかの傾斜角度を大きくする場合がある。たとえば、前記ストッパ部材6の前記斜面28、52の傾斜角度に対して、前記ギアケース11の前記斜面34、55の傾斜角度に0°〜3°を足す。あるいは、前記ストッパ部材6の前記斜面28、52の傾斜角度に対して、前記ギアケース11の前記斜面34、55の傾斜角度に0°〜3°を引く。
【0036】
(回転力伝達機構の説明)
前記回転力伝達機構の前記減速機構14および前記クラッチ機構15は、前記モータ13の出力軸(図示せず)と前記シャフト10との間に設けられ、前記モータ13の回転力を前記シャフト10に伝達するものである。前記モータ13および前記回転力伝達機構の前記減速機構14および前記クラッチ機構15は、前記ミラーアセンブリ4を前記シャフト10に対して前記シャフト10の回転中心O−O回りに電動回転させるものである。
【0037】
(減速機構14の説明)
前記減速機構14は、第1段目のギアとしての第1ウォームギア29と、前記第1ウォームギア29に噛み合う第2段目のギアとしてのヘリカルギア30と、第3段目のギアとしての第2ウォームギア31と、前記第2ウォームギア31が噛み合う最終段目のギアとしてのクラッチギア32と、から構成されている。
【0038】
前記第1ウォームギア29は、前記ギアケース11および前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記第1ウォームギア29は、ジョイント17を介して前記モータ13の出力軸に連結されている。前記ヘリカルギア30は、前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記第2ウォームギア31は、前記ギアケース11および前記軸受部材16に回転可能に軸受されている。前記ヘリカルギア30と前記第2ウォームギア31とは、一体に回転可能に連結されている。
【0039】
(クラッチ機構15の説明)
前記クラッチ機構15は、前記クラッチギア32と、クラッチ33と、クラッチホルダ35と、前記スプリング36と、プッシュナット37と、を備える。前記クラッチギア32と前記クラッチ33とは、それぞれ別個のもので、一体に組み合わせてなるものであって、相互に一体で作動する。なお、前記クラッチギア32と前記クラッチ33とは、一体に構成したものであっても良い。前記クラッチ機構15は、前記シャフト10に、前記クラッチギア32、前記クラッチ33、前記クラッチホルダ35、前記スプリング36、を順次嵌め合せ、前記プッシュナット37を前記シャフト10に止めて、前記スプリング36を圧縮状態にすることによって構成されている。前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とは、断続可能に連結されている。前記減速機構14の前記第2ウォームギア31と前記減速機構14および前記クラッチ機構15の前記クラッチギア32とが噛合うことにより、前記モータ13の回転力が前記シャフト10に伝達されることとなる。
【0040】
前記クラッチ33は、前記シャフト10に前記シャフト10の回転中心O−O回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に取り付けられている。前記クラッチホルダ35は、前記シャフト10に回転不可能にかつ軸方向に移動可能に嵌合状態で取り付けられている。
図2〜
図4に示すように、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35との相互に対向する面、すなわち、前記クラッチ33の一方の面(上面)側と前記クラッチホルダ35の一方の面(下面)側とには、山形形状のクラッチ凸部40と谷形形状のクラッチ凹部41とが設けられている。
【0041】
前記クラッチ凸部40と前記クラッチ凹部41とが嵌合状態にあるときには、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とが続状態(外れていない状態、つながっている状態)にあり、前記クラッチ凸部40と前記クラッチ凹部41とが嵌合解除状態にあるときには、前記クラッチ33と前記クラッチホルダ35とは、断状態(外れている状態、切れている状態)にある。前記クラッチ機構15は、前記モータ13および前記回転力伝達機構(前記減速機構14および前記クラッチ機構15)の電動回転力では外れず、かつ、前記電動回転力以上の力で外れて前記ミラーアセンブリ4を前記シャフト10に対して回転可能とする。
【0042】
前記クラッチ部材のうち前記クラッチギア32の他方の面(下面)側は、前記ギアケース11の底部の一面(上面)に直接もしくはワッシャ46を介して当接する。一方、前記クラッチ部材のうち前記クラッチホルダ35の他方の面(上面)側は、前記スプリング36に直接当接する。
【0043】
(第2緩衝機構の説明)
前記クラッチホルダ35は、前記第2緩衝機構の第1部材を構成する。前記クラッチ33は、前記第2緩衝機構の第2部材を構成する。前記クラッチ機構15の前記スプリング36は、前記第2緩衝機構のスプリングを構成する。前記クラッチ機構15の前記スプリング36は、前記第1緩衝機構59のスプリングと前記第2緩衝機構のスプリングとに兼用される。
【0044】
図3に示すように、前記クラッチホルダ35の下面には、3個(3セット)のノッチ部すなわち前記クラッチ凹部41が、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に等間隔に設けられている。3個の前記クラッチ凹部41は、前記クラッチホルダ35の狭い円環状の下面に設けられている。3個の前記クラッチ凹部41の両側面には、斜面(ノッチ面)38がそれぞれ設けられている。3個の前記クラッチ凹部41には、1個の前記クラッチ凹部41に対して、複数この例では、底面から見て時計方向の2個の斜面38、および、底面から見て反時計方向の2個の斜面38がそれぞれ設けられている。すなわち、3個の前記クラッチ凹部41には、2個の小凹部がそれぞれ設けられていて、2個の前記小凹部の両側面には、前記斜面38がそれぞれ設けられている。前記クラッチホルダ35において、底面から見て時計方向の前記斜面38の合計数は、6個であり、底面から見て反時計方向の前記斜面38の合計数は、6個である。ここで、2個の前記小凹部からなる1個の前記クラッチ凹部41が1セットの前記クラッチ凹部41である。
【0045】
図4に示すように、前記クラッチ33の上面には、3個(3セット)のノッチ部すなわち前記クラッチ凸部40が、前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上に等間隔に設けられている。3個の前記クラッチ凸部40は、前記クラッチ33の狭い円環状の上面に設けられている。3個の前記クラッチ凸部40の両側面には、斜面(ノッチ面)42が前記クラッチホルダ35の前記斜面38に対応してそれぞれ設けられている。3個の前記クラッチ凸部40には、1個の前記クラッチ凸部40に対して、複数この例では、平面から見て時計方向の2個の斜面42、および、平面から見て反時計方向の2個の斜面42がそれぞれ設けられている。すなわち、3個の前記クラッチ凸部40には、2個の小凸部がそれぞれ設けられていて、2個の前記小凸部の両側面には、前記斜面42がそれぞれ設けられている。前記クラッチ33において、平面から見て時計方向の前記斜面42の合計数は、6個であり、平面から見て反時計方向の前記斜面42の合計数は、6個である。ここで、2個の前記小凸部からなる1個の前記クラッチ凸部40が1セットの前記クラッチ凸部40である。
【0046】
前記クラッチホルダ35と前記クラッチ33と前記スプリング36とは、前記クラッチ機構15を構成するとともに、前記第2緩衝機構を構成する。すなわち、
図15(A)に示すように、前記スプリング36のスプリング力により前記クラッチホルダ35の前記クラッチ凹部41の前記斜面38と前記クラッチ33の前記クラッチ凸部40の前記斜面42とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ4が前記電動格納ユニット3の電動回転力以上の力で回転するときには、
図15(B)に示すように、前記スプリング36のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ4側の前記クラッチ33の前記斜面42が前記シャフト10側の前記クラッチホルダ35を前記クラッチホルダ35の前記斜面38に沿って押し上げる。前記クラッチ33の前記斜面42が前記クラッチホルダ35を前記クラッチホルダ35の前記斜面38に沿って押し上げると、
図16(A)、(B)に示すように、前記ミラーアセンブリ4側の前記クラッチ33が前記シャフト10側の前記クラッチホルダ35に対し前記使用位置Aから前方に回転する。
【0047】
前記クラッチホルダ35の6個の前記斜面38の傾斜角度(乗り上げ角度)および前記クラッチ33の6個の前記斜面42の傾斜角度(乗り上げ角度)は、基本的に同一とする。基本的に同一にするとは、設計的に同一であって、実際の製品精度範囲内の誤差も含む。また、前記クラッチホルダ35と前記クラッチ33の材質の組み合わせにより、どちらかの傾斜角度を大きくする場合がある。たとえば、前記クラッチホルダ35の前記斜面38の傾斜角度に対して、前記クラッチ33の前記斜面42の傾斜角度に0°〜3°を足す。あるいは、前記クラッチホルダ35の前記斜面38の傾斜角度に対して、前記クラッチ33の前記斜面42の傾斜角度に0°〜3°を引く。
【0048】
(ストッパ部材ロック機構の説明)
図7、
図13、
図14に示すように、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の下面には、2個のロック凸部56が前記シャフト10の回転中心O−Oを中心とする円周上にかつ2個の前記ストッパ凸部44の間に等間隔に一体に設けられている。前記ロック凸部56と前記第2ノッチ部50、51とは、前記鍔部23を介して上下に位置する。
【0049】
前記ストッパ部材6の前記鍔部23のうち前記ロック凸部56の両側には、肉薄部57がそれぞれ設けられている。すなわち、前記ストッパ部材6の前記鍔部23の下面のうち前記ロック凸部56の両側には、浅い凹部が設けられている。一方、前記ストッパ部材6の前記筒部20の前記鍔部23との接続部分のうち、前記第2ノッチ部50、51に対応する部分には、切欠58が設けられている。この結果、前記肉薄部57の可撓性および前記切欠58により、前記ロック凸部56は、前記ストッパ凸部44に対して前記シャフト10の軸方向(上下方向)に変形移動可能である。
【0050】
前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56と前記シャフト10の前記ストッパ凸部43とは、前記ストッパ部材ロック機構を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ4が前記使用位置Aから前方(
図1中の時計方向)に回転するときには、
図13(D)、(E)に示すように、前記ギアケース11の下面が前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56を実線矢印方向に押し下げる。このとき、前記ストッパ部材6の前記肉薄部57が弾性変形して、前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56が実線矢印方向に押し下げられる。これにより、前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56の一方の面が前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の他方の面(前記当接面49と反対側の面)に当接する。この結果、前記前方傾倒位置Cに位置する前記ミラーアセンブリ4を前記使用位置Aに戻す際に、前記第1緩衝機構59の第1部材としての前記ストッパ部材6が前記シャフト10に対して
図1中における反時計方向(前記前方傾倒位置Aから前記後方格納位置Bへの方向)に回転するのをロックすることができる。
【0051】
この実施形態においては、前記ミラーアセンブリ4が前記使用位置Aから前方(
図1中の時計方向)に回転するときには、
図13(D)、(E)、
図14(A)に示すように、前記ストッパ部材6の前記ストッパ凸部44の前記当接面45が前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の前記当接面49に当接している。このために、前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56の一方の面が前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の他方の面に当接すると、前記ストッパ部材6の前記ストッパ凸部44と前記ロック凸部56とが前記シャフト10の前記ストッパ凸部43を両側から挟みこんだ状態となる。この結果、前記ストッパ部材6は、前記シャフト10にロックされた状態、すなわち、前記シャフト10に対して回転不可能な状態となる。
【0052】
前記ミラーアセンブリ4が前記前方傾倒位置Cから前記使用位置Aに位置する直前のときには、
図14(A)に示すように、前記ギアケース11の前記第2ノッチ部53、54が前記ストップ部材6の前記第2ノッチ部50、51に位置する。すると、今まで弾性変形していた前記ストップ部材6の前記肉薄部57が弾性復帰して、今まで前記ギアケース11の下面により下方に押し下げられていた前記ストップ部材6の前記第2ノッチ部50、51が実線矢印方向に上がる。これにより、前記ストッパ部材6の前記ロック凸部56の一方の面と前記シャフト10の前記ストッパ凸部43の他方の面との当接状態が解除される。この結果、前記ストッパ部材6は、前記シャフト10に対して前記使用位置Aから後方への回転が可能となる。
【0053】
「実施形態1の作用の説明」
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0054】
(使用位置Aの説明)
まず、
図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を格納位置Bに電動回転させて格納させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置する状態(セット状態、使用状態)のときにおいては、ミラーアセンブリ使用位置決定機構が
図11(A)、
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示す状態にあり、ミラーアセンブリ回転範囲規制機構が
図11(A)に示す状態にあり、第1緩衝機構59が
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示す状態にあり、第2緩衝機構としてのクラッチ機構15が
図15(A)に示す状態にあり、ストッパ部材ロック機構が
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示す状態にある。
【0055】
すなわち、ミラーアセンブリ使用位置決定機構は、
図11(A)、
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示すように、ストッパ部材6のストッパ凸部44の当接面45がシャフト10のストッパ凸部43の当接面49に当接している状態にある。この結果、ストッパ部材6は、シャフト10に対して
図11(A)中の時計方向の回転が阻止されている。すなわち、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから前方方向の回転が阻止されている。これにより、ミラーアセンブリ4は、振れることなく確実に使用位置Aに位置する。
【0056】
ミラーアセンブリ回転範囲規制機構は、
図11(A)に示すように、シャフトホルダ9の円弧凸部21の2個の当接面22と、ギアケース11の円弧溝24の2個の当接面25とが非当接状態にある。この結果、ギアケース11は、シャフトホルダ9に対して回転可能である。
【0057】
第1緩衝機構59は、
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示すように、クラッチ機構15のスプリング36のスプリング力により、ストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28および第2ノッチ部50の斜面52とギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34および第2ノッチ部53の斜面55とが相互に当接している。この結果、ギアケース11とストッパ部材6とは、一体の状態にあるので、ギアケース11は、ストッパ部材6を介してシャフト10に対して、
図11(A)中の時計方向の回転が阻止されている。すなわち、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから前方方向の回転が阻止されている。これにより、ミラーアセンブリ4は、振れることなく確実に使用位置Aに位置する。
【0058】
第2緩衝機構としてのクラッチ機構15は、
図15(A)に示すように、クラッチ33のクラッチ凸部40の斜面42とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41の斜面38とが嵌合状態にあるので、クラッチギア32とクラッチホルダ35とが続状態にある。このために、クラッチギア32およびクラッチ33は、クラッチホルダ35と共に、シャフト10に対して回転不可能の状態にある。これにより、ミラーアセンブリ4は、振れることなく確実に使用位置Aに位置する。
【0059】
ストッパ部材ロック機構は、
図12(A)、
図13(A)、
図14(B)に示すように、ストッパ部材6のロック凸部56の一方の面とシャフト10のストッパ凸部43の他方の面とが非当接状態にある。この結果、ストッパ部材6は、シャフト10に対して、
図11(A)中の反時計方向に回転可能である。
【0060】
(使用位置Aから格納位置Bへの電動回転の説明)
このセット状態(使用状態)において、自動車の室内のスイッチ(図示せず)を操作して、コネクタ8、ソケット部7、基板27を介してモータ13に給電してモータ13を駆動させる。すると、モータ13の回転力は、出力軸、減速機構14を介してシャフト10に固定されたクラッチギア32に伝達される。このとき、クラッチギア32は、クラッチ33およびクラッチホルダ35と共に、シャフト10に対して回転不可能の状態にあるので、減速機構14の第2ウォームギア31がクラッチギア32を固定ギアとしてシャフト10の回転中心O−O回りに回転する。この回転により電動格納ユニット3を内蔵したミラーアセンブリ4は、
図1に示すように、シャフト10の回転中心O−O回りに使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転する。
【0061】
このミラーアセンブリ4が使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転すると、電動格納ユニット3のギアケース11とストッパ部材6がシャフト10に対して同様に上から見て反時計方向(
図11(B)および
図12(B)中の実線矢印方向)に回転する。これに伴って、ストッパ部材6のストッパ凸部44の当接面45がシャフト10のストッパ凸部43の当接面49から離れる。
【0062】
ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置すると、
図11(B)に示すように、ギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22に当たって、ギアケース11の回転が停止する。これと同時に、モータ13に供給される電流(作動電流)の値が上昇して所定値に達して、基板27のスイッチ回路が作動してモータ13への電流供給が遮断される。この結果、ミラーアセンブリ4が
図1に示す所定の位置の格納位置Bに停止して位置する。
【0063】
(格納位置Bから使用位置Aへの電動回転復帰の説明)
つぎに、
図1に示すように、格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4を使用位置Aに電動回転させて復帰させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が格納位置Bに位置する状態(格納状態)において、自動車の室内のスイッチ(図示せず)を操作してモータ13を駆動させる。すると、モータ13の回転力が減速機構14を介して回転不可能の状態にあるクラッチギア32に伝達される。これにより、電動格納ユニット3を内蔵したミラーアセンブリ4は、
図1に示すように、シャフト10の回転中心O−O回りに格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転する。
【0064】
このミラーアセンブリ4が格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転していると、電動格納ユニット3のギアケース11とストッパ部材6がシャフト10に対して同様に上から見て時計方向(
図11(B)および
図12(B)中の実線矢印方向と逆方向)に回転している。これに伴って、ギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22から離れる。
【0065】
ミラーアセンブリ4が使用位置Aに位置すると、
図11(A)に示すように、ストッパ部材6のストッパ凸部44の当接面45がシャフト10のストッパ凸部43の当接面49に当接する。この結果、ギアケース11とストッパ部材6との回転が停止する。これと同時に、モータ13に供給される電流(作動電流)の値が上昇して所定値に達して、基板27のスイッチ回路が作動してモータ13への電流供給が遮断される。この結果、ミラーアセンブリ4が
図1に示す所定の位置の使用位置Aに停止して位置する。
【0066】
(使用位置Aから前方傾倒位置Cへの緩衝傾倒の説明)
さらに、
図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を緩衝のために前方傾倒位置Cに傾倒させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4のセット状態(使用状態)において、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に上から見て時計方向の力であって、モータ13および減速機構14による電動回転力よりも大きい力(手動による力、何かがミラーアセンブリ4に当たったときの力)がかかる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11が上から見て時計方向(
図11(C)、
図13(A)中の実線矢印方向)に回転しようとする。
【0067】
すると、
図13(B)中の実線矢印に示すように、スプリング36のスプリング力に抗して、ギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34、第2ノッチ部53、54の斜面55がストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28、第2ノッチ部50、51の斜面52に沿って乗り上がる。すなわち、ギアケース11がストッパ部材6およびシャフト10に対して移動(回転上昇)する。つぎに、ギアケース11がさらに上から見て時計方向に回転しようとする。すると、
図9に示すように、クラッチギア32と第2ウォームギア31との間のバックラッシュが詰まり、その第2ウォームギア31のスラスト方向の隙間が詰まり、シャフト10とクラッチホルダ35との間の嵌合隙間が詰まる。
【0068】
クラッチホルダ35は、シャフト10に回転不可能に嵌合されているので、
図15(A)中の実線矢印に示すように、ギアケース11側のクラッチ33がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35に対して回転しようとする。すると、
図15(B)中の実線矢印に示すように、ギアケース11側のクラッチ33のクラッチ凸部40の斜面42がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35を押し上げる。そして、
図16(A)中の実線矢印に示すように、クラッチ33のクラッチ凸部40の斜面42とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41の斜面38との嵌合状態が外れる。このとき、クラッチホルダ35は、スプリング36のスプリング力に抗してシャフト10に対して移動(回転上昇)し、クラッチ33は、
図16(B)中の実線矢印に示すように、時計方向に回転する。
【0069】
この結果、ギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)は、上から見て時計方向に回転する。このとき、
図13(C)に示すように、ストッパ部材6において、第2ノッチ部50、51の高さが第1ノッチ部47の高さよりも高い。この結果、ギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34がストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28を乗り上げているが、ギアケース11の第2ノッチ部53、54の斜面55がストッパ部材6の第2ノッチ部50、51の斜面52を乗り上げていない。このために、
図13(C)中の二点鎖線小円中に示すように、ギアケース11の第2ノッチ部53、54の角部とストッパ部材6の前記第2ノッチ部50、51の角部とが、重なり合う。
【0070】
したがって、ギアケース11が時計方向(
図13(D)中の実線矢印方向)に回転して、
図13(D)に示すように、ギアケース11の下面(第1ノッチ部48と第2ノッチ部53、54との間の下面)がストッパ部材6の上面(第1ノッチ部47と第2ノッチ部50、51との間の上面)に乗り上げる。すると、ストッパ部材6の肉薄部57が弾性変形して、ストッパ部材6の第2ノッチ部50、51およびロック凸部56が
図13(D)中の実線矢印方向に押し下げられる。
【0071】
これにより、ストッパ部材6のロック凸部56の一方の面がシャフト10のストッパ凸部43の他方の面に当接する。すなわち、ストッパ部材6のストッパ凸部44とロック凸部56とがシャフト10のストッパ凸部43を両側から挟みこんだ状態となる。この結果、ストッパ部材6は、シャフト10にロックされた状態、すなわち、シャフト10に対して回転不可能な状態となる。
【0072】
この状態において、ギアケース11が時計方向に回転する。すると、
図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから前方傾倒位置Cへと上から見て時計方向に回転して、
図11(C)に示すように、シャフトホルダ9の円弧凸部21の他方の当接面22がギアケース11の円弧溝24の他方の当接面25に当接した時点で、前方傾倒位置Cに位置する。このとき、
図13(E)に示すように、ストッパ部材6のストッパ凸部44とロック凸部56とがシャフト10のストッパ凸部43を両側から挟みこんだ状態であるから、ストッパ部材6は、シャフト10にロックされた状態、すなわち、シャフト10に対して回転不可能な状態にある。
【0073】
(前方傾倒位置Cから使用位置Aへの復帰の説明)
さらにまた、
図1に示すように、前方傾倒位置Cに位置するミラーアセンブリ4を使用位置Aに電動回転または手動回転により復帰させる場合について説明する。ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cに位置する状態(前方傾倒状態)において、ミラーアセンブリ4を電動または手動により反時計方向に回転させる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)が上から見て反時計方向(
図11(C)および
図13(D)中の実線矢印方向と逆方向、
図14(A)中の実線矢印方向、
図15、
図16中の実線矢印方向と逆方向)に回転する。
【0074】
これに伴って、ギアケース11の円弧溝24の他方の当接面25がシャフトホルダ9の円弧凸部21の他方の当接面22から離れる。また、
図15(A)に示すように、スプリング36のスプリング力により、ギアケース11側のクラッチ33のクラッチ凸部40の斜面42がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35のクラッチ凹部41の斜面38に嵌合する。このとき、クラッチホルダ35がシャフト10に対して移動(下降)する。
【0075】
ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cから使用位置Aに位置する(戻る、復帰する)と、
図14(A)に示すように、ギアケース11の第1ノッチ部48、第2ノッチ部53、54がストッパ部材6の第1ノッチ部47、第2ノッチ部50、51に対向位置する。この結果、いままで弾性変形していたストッパ部材6の肉薄部57が弾性復帰して、ギアケース11の下面により押し下げられていたストッパ部材6の第2ノッチ部50、51およびロック凸部56が
図14(A)中の実線矢印方向に上がる。
【0076】
このために、
図14(B)に示すように、ストッパ部材6のロック凸部56の一方の面がシャフト10のストッパ凸部43の他方の面から離れる。これにより、ストッパ部材6は、シャフト10にロックされた状態から解放されて、シャフト10に対して、使用位置Aと格納位置Bとの間において回転可能な状態となる。
【0077】
これと同時に、ギアケース11が、
図14(B)中の実線矢印に示すように、スプリング36のスプリング力により、ストッパ部材6およびシャフト10に対して移動(回転下降)する。これに伴って、ギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34と第2ノッチ部53、54の斜面55がストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28および第2ノッチ部50、51の斜面52に嵌合する。この結果、
図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aに位置する。
【0078】
(使用位置Aから格納位置Bへの緩衝傾倒の説明)
さらにまた、
図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4を緩衝のために格納位置Bに傾倒させる場合について説明する。使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に上から見て反時計方向の力であって、電動回転力よりも大きい力(手動による力、何かがミラーアセンブリ4に当たったときの力)がかかる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11が上から見て反時計方向に回転しようとする。このとき、クラッチホルダ35は、シャフト10に回転不可能に嵌合されているので、ギアケース11側のクラッチ33のクラッチ凸部40の斜面42がシャフト10の固定側のクラッチホルダ35を押し上げて、クラッチ33のクラッチ凸部40とクラッチホルダ35のクラッチ凹部41との嵌合状態が外れる。このとき、クラッチホルダ35は、スプリング36のスプリング力に抗して移動(上昇)する。
【0079】
この結果、ギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)は、上から見て反時計方向に回転する。これにより、
図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aから格納位置Bへと上から見て反時計方向に回転して、シャフトホルダ9の円弧凸部21の一方の当接面22がギアケース11の円弧溝24の一方の当接面25に当接する。この結果、ギアケース11の回転が停止して、ミラーアセンブリ4が格納位置Bに停止して位置する。
【0080】
(格納位置Bから使用位置Aへの復帰の説明)
そして、
図1に示すように、格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4を電動回転力あるいは手動力により上から見て時計方向に回転させる。すると、ミラーアセンブリ4に取り付けられているギアケース11(カバー12、モータ13、減速機構14、軸受部材16、クラッチギア32、クラッチ33を含む)が上から見て時計方向に回転するので、
図1に示すように、ミラーアセンブリ4が格納位置Bから使用位置Aへと上から見て時計方向に回転する。
【0081】
すると、クラッチギア32のクラッチ凸部40の斜面42がクラッチホルダ35のクラッチ凹部41の斜面38に嵌合してクラッチ機構15が続状態となる。この結果、
図1に示すように、ミラーアセンブリ4は、使用位置Aに位置する。
【0082】
「実施形態1の効果の説明」
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0083】
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、第1緩衝機構59の第1部材としてのストッパ部材6の第1ノッチ部47と第2部材としてのギアケース11の第1ノッチ部48とには、1個のノッチ部に対して、それぞれ複数この例では4個の斜面28、34が設けられている。また、第2緩衝機構の第1部材としてのクラッチホルダ35のノッチ部としてのクラッチ凹部41と第2部材としてのクラッチ33のノッチ部としてのクラッチ凸部40とには、1個のノッチ部に対して、それぞれ複数この例では2個の斜面38、42が設けられている。この結果、この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、1個のノッチ部の複数の斜面28、34、38、42の面圧を1個のノッチ部の1個の斜面の面圧よりも下げることができるので、別部品を使用せずに、第1緩衝機構59の第1部材としてのストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28および第2部材としてのギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34および第2緩衝機構の第1部材としてのクラッチホルダ35のノッチ部としてのクラッチ凹部41の斜面38および第2部材としてのクラッチ33のノッチ部としてのクラッチ凸部40の斜面42の摩耗を軽減することができる。
【0084】
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、ノッチ部の斜面の摩耗を軽減することができるので、すなわち、ノッチ部の斜面の耐摩耗性が向上される。このために、ミラーアセンブリ4の保持力維持性能が同一条件の場合においては、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)の小型化が可能であり、電動格納ユニット3を小型化することができる。または、小型化せずに、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)の材質を安価な材質にすることができ、製造コストを安価にすることができる。
【0085】
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、部材(クラッチホルダ35、クラッチ33、ストッパ部材6、ギアケース11)を小型化しても、ノッチ部の斜面の耐摩耗性が向上される。このために、シャフト10中に挿通するハーネスの本数を増やすためにシャフト10の外径を大きくすることができ、一方、電動格納ユニット3を小型化することができる。
【0086】
特に、この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、中央部にシャフト10が挿通するための空間(挿入孔19)が設けられているストッパ部材6、ギアケース11、クラッチホルダ35、クラッチ33の狭い円環状の面にノッチ部47、50、51、48、53、54、41、40が設けられている構造に最適である。
【0087】
(
図17に基づく効果の説明)
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、ノッチ部の斜面の摩耗を軽減することができるので、
図17に示すように、使用年数経過時においても、ミラーアセンブリ4の保持力を長く維持することができる。
図17は、第1緩衝機構59および第2緩衝機構(クラッチ機構)の摩耗に対する性能を示す説明図である。縦軸は「作動トルク」を示す。横軸は「手動格納回数」を示す。グラフの直線62、64、66、68は、「前方の格納開始トルク」を示すものであって、手動格納回数が増すことにより作動トルクが低下することを示す。直線62は、1個の部材に対してノッチ部の斜面が2個の場合における測定値の近似線である。直線64は、1個の部材に対してノッチ部の斜面が4個の場合における測定値の近似線である。直線66は、1個の部材に対してノッチ部の斜面が6個の場合における測定値の近似線である。直線68は、1個の部材に対してノッチ部の斜面が8個の場合における測定値の近似線である。
【0088】
図17において、直線60は「最大電動トルク」を示す。直線61は「接触時の安全トルク」を示す。直線63は「目標作動回数(手動格納回数)」を示す。ここで、
図17における「前方の格納開始トルク」は、ミラーアセンブリ4を手動により使用位置Aから前方傾倒位置Cに倒したときの作動トルクであって、手動格納回数が増すことにより作動トルクが低下する。
【0089】
図17における「前方の格納開始トルク」は、
図17における「最大電動トルク」60(電動のトルク)より大きいことが必要である。すなわち、「前方の格納開始トルク」が「最大電動トルク」60よりも小さいと、電動でミラーアセンブリ4が前方(前方傾倒位置C)に倒れてしまうからである。また、
図17における「接触時の安全トルク」61は、ミラーアセンブリ4が物などに当たった際に、ミラーアセンブリ4や物などが損傷しない程度のトルクである。さらに、
図17における「目標作動回数」63は、市場で実際に使用されると思われる回数よりも多い回数であって、この例では、3000回である。
【0090】
図17の直線62、64、66、68に示すように、1個の部材に対してノッチ部の斜面が多ければ、多いほど、ノッチ部の斜面の摩耗を軽減することができ、使用年数経過時においても、ミラーアセンブリ4の保持力を長く維持することができる。
【0091】
(その他の効果の説明)
ここで、車種によっては、ミラーアセンブリ4が使用位置Aから前方傾倒位置Cに回転する角度が180°を越す場合がある。一方、ギアケース11の第1ノッチ部48、第2ノッチ部53、54とストッパ部材6の第1ノッチ部47、第2ノッチ部50、51とは、
図5、
図6に示すように、回転中心O−Oを中心として180°点対称に設けられている。このために、ミラーアセンブリ4が使用位置Aから前方傾倒位置Cに180°回転すると、乗り上げていたギアケース11の第1ノッチ部48の斜面34、第2ノッチ部53、54の斜面55がストッパ部材6の第1ノッチ部47の斜面28、第2ノッチ部50、51の斜面52に、180°相対位置がずれた状態で嵌合する場合がある。
【0092】
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、
図5、
図6に示すように、ギアケース11、ストッパ部材6の一方の第2ノッチ部53、50の径方向の長さが他方の第2ノッチ部54、51の径方向の長さより長い。すなわち、ギアケース11、ストッパ部材6の一方の第2ノッチ部53、50は、他方の第2ノッチ部54、51よりシャフト10の回転中心O−Oから外側に存在する。このために、ミラーアセンブリ4が使用位置Aから前方傾倒位置Cに180°回転しても、ギアケース11の一方の第2ノッチ部53がストッパ部材6の他方の第2ノッチ部51に、かつ、ギアケース11の他方の第2ノッチ部54がストッパ部材6の一方の第2ノッチ部50に、180°相対位置がずれた状態で互い違いに嵌合することを防ぐことができる。なお、前記のように、ノッチ部の径方向の長さを変える以外に、ノッチ部の周方向の長さを変えることにより、前記の誤嵌合を防ぐことができる。
【0093】
(ストッパ部材ロック機構の効果)
ミラーアセンブリ4が使用位置Aから前方傾倒位置Cに回転し、かつ、ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cから使用位置Aに回転復帰するまでの間においては、
図13(D)、(E)、
図14(A)に示すように、ストッパ部材6のロック凸部56の一方の面がシャフト10のストッパ凸部43の他方の面に当接していてストッパ部材6のストッパ凸部44とロック凸部56とがシャフト10のストッパ凸部43を両側から挟みこんだ状態、すなわち、ストッパ部材6がシャフト10にロックされた状態であって、ストッパ部材6がシャフト10に対して回転不可能な状態である。
【0094】
この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cから使用位置Aに回転復帰する際に、ストッパ部材6とシャフト10との間の摩擦と、ストッパ部材6とギアケース11との間の摩擦と、の相対関係により、ストッパ部材6がギアケース11と共に回転するのを確実に防ぐことができる。この結果、ミラーアセンブリ4を所定の使用位置Aに確実に位置させることができる。
【0095】
すなわち、ストッパ部材ロック機構が設けられていない場合においては、ミラーアセンブリ4が前方傾倒位置Cから使用位置Aに回転復帰する際に、ストッパ部材6とシャフト10との間の摩擦と、ストッパ部材6とギアケース11との間の摩擦と、の相対関係により、ストッパ部材6がギアケース11と共に回転する場合がある。この場合においては、ミラーアセンブリ4が停止する使用位置Aの位置がずれてしまう。ところが、この実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1は、ストッパ部材ロック機構により、ミラーアセンブリ4が停止する使用位置Aの位置ずれを確実に防止することができる。
【0096】
「実施形態2の説明」
図18〜
図20は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用アウトサイドミラー装置について説明する。図中、
図1〜
図17と同符号は、同一のものを示す。
【0097】
「実施形態2の構成の説明」
前記の実施形態1の車両用アウトサイドミラー装置は、電動格納式ドアミラー装置1である。これに対して、この実施形態2の車両用アウトサイドミラー装置は、手動格納式ドアミラー装置100である。
【0098】
前記手動格納式ドアミラー装置100は、
図18に示すように、車体(自動車のドア)に固定されるベース(ミラーベース)102と、前記ベース102に固定されているシャフト103と、前記シャフト103に可倒可能に取り付けられているミラーアセンブリ104と、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104との間に設けられているクラッチ機構108と、緩衝機構と、を備えるものである。
【0099】
前記ミラーアセンブリ104は、ミラーハウジング105と、パワーユニット(図示せず)と、図示しないミラー(ミラーユニット)と、から構成されている。前記ミラーハウジング105は、取付ブラケットを兼用する本体部106と、前記本体部106に取り付けられているカバー部107と、から構成されている。前記本体部106には、前記パワーユニットが取り付けられている。前記パワーユニットには、前記ミラーが上下左右に傾動可能に取り付けられている。
【0100】
前記ミラーアセンブリ104の前記本体部106には、前記シャフト103の回転中心O−O回りに回転可能に前記シャフト103に外から嵌合(外嵌)する収納部109が一体に設けられている。前記収納部109は、断面円環形状の円筒部をなす。前記収納部109の一端面(下端面)には、1個もしくは複数個の固定凸部が等間隔(等開角度)に一体に設けられている。
【0101】
前記シャフト103は、
図20に示すように、中空の円筒形状をなしていて、ハーネス(図示せず)が挿通するように構成されている。前記シャフト103の上端部には、溝111が設けられている。前記シャフト103の下端部には、シャフトホルダ112が一体に設けられている。
【0102】
前記シャフトホルダ112の一面(上面)には、1個もしくは複数個、この例では、3個(3セット)のクラッチ凹部113が等間隔(等開角度)に一体に設けられている。3個の前記クラッチ凹部113の両側面には、斜面(ノッチ面)123がそれぞれ設けられている。3個の前記クラッチ凹部113には、1個の前記クラッチ凹部113に対して、複数この例では、平面から見て時計方向の2個の斜面123、および、平面から見て反時計方向の2個の斜面123がそれぞれ設けられている。すなわち、3個の前記クラッチ凹部113には、2個の小凹部がそれぞれ設けられていて、2個の前記小凹部の両側面には、前記斜面123がそれぞれ設けられている。前記シャフトホルダ112において、平面から見て時計方向の前記斜面123の合計数は、6個であり、平面から見て反時計方向の前記斜面123の合計数は、6個である。ここで、2個の前記小凹部からなる1個の前記クラッチ凹部113が1セットの前記クラッチ凹部113である。
【0103】
前記シャフト103の前記シャフトホルダ112は、前記ベース102にスクリュー(図示せず)などにより固定されている。前記ベース102は、前記ドアに固定されるものである。前記ベース102の下部には、カバー114が取り付けられている。
【0104】
前記シャフト103には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109が前記シャフト103の回転中心O−O回りに回転可能に外嵌する。この結果、前記ミラーアセンブリ104は、前記シャフト103に傾倒可能に取り付けられ、かつ、前記ドアに傾倒可能に取り付けられる。
【0105】
前記クラッチ機構108は、ノッチ部材115と、ワッシャ116と、スプリング117と、プッシュナット118と、を備えるものである。前記クラッチ機構108は、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104との間に設けられている。
【0106】
前記ノッチ部材115は、固定側の前記シャフト103と回転側の前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109との間に介在されている。前記ノッチ部材115は、前記クラッチ機構108のトルクを安定させるものである。
【0107】
前記ワッシャ116は、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109と前記スプリング117との間に介在されている。前記ワッシャ116は、前記ミラーアセンブリ104が前記スプリング117に対して円滑(スムーズ)に回転するためのものである。
【0108】
前記スプリング117は、前記シャフト103に外嵌し、かつ、固定側の前記シャフト103の前記プッシュナット118と回転側の前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記ワッシャ116との間に介在されている。前記スプリング117は、車両の走行中などにおいて、前記ミラーアセンブリ104のミラー面(鏡面)がぶれないように、適度の保持力を得るためのものである。
【0109】
前記プッシュナット118は、前記シャフト103の前記溝111に係合固定されている。前記プッシュナット118は、前記スプリング117の弾性力を保持するものである。
【0110】
前記ノッチ部材115は、
図19に示すように、ノッチ部119と、筒部120と、から構成されている。前記筒部120は、断面円形の円筒形状をなす。前記筒部120の一端部(下端部)には、前記ノッチ部119が一体に設けられている。
【0111】
前記ノッチ部119の一面(上面)側には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記固定凸部が嵌合固定する固定凹部121が、設けられている。前記固定凹部121は、前記固定凸部と対応して、1個もしくは複数個、この例では、3個等間隔(等開角度)に設けられている。前記ノッチ部材115の前記ノッチ部119の前記固定凹部121には、前記ミラーアセンブリ104の前記収納部109の前記固定凸部が嵌合固定されている。
【0112】
前記ノッチ部119の他面(下面)側には、クラッチ凸部122が一体に設けられている。前記クラッチ凸部122は、前記クラッチ凹部113と対応して、1個もしくは複数個、この例では、3個(3セット)等間隔(等開角度)に設けられている。3個の前記クラッチ凸部122の両側面には、斜面(ノッチ面)124が前記シャフトホルダ112の前記斜面123に対応してそれぞれ設けられている。3個の前記クラッチ凸部122には、1個の前記クラッチ凸部122に対して、複数この例では、平面から見て時計方向の2個の斜面124、および、平面から見て反時計方向の2個の斜面124がそれぞれ設けられている。すなわち、3個の前記クラッチ凸部122には、2個の小凸部がそれぞれ設けられていて、2個の前記小凸部の両側面には、前記斜面124がそれぞれ設けられている。前記ノッチ部材115において、平面から見て時計方向の前記斜面124の合計数は、6個であり、平面から見て反時計方向の前記斜面124の合計数は、6個である。ここで、2個の前記小凸部からなる1個の前記クラッチ凸部122が1セットの前記クラッチ凸部122である。
【0113】
前記ノッチ部材115の前記ノッチ部119の前記クラッチ凸部122の前記斜面124が前記シャフト103の前記シャフトホルダ112の前記クラッチ凹部113の前記斜面123に断続可能に嵌合している。
【0114】
前記シャフトホルダ112は、前記緩衝機構の第1部材を構成する。前記ノッチ部材115は、前記緩衝機構の第2部材を構成する。前記クラッチ機構108の前記スプリング117は、前記緩衝機構のスプリングを構成する。
【0115】
前記シャフトホルダ112と前記ノッチ部材115と前記スプリング117とは、前記緩衝機構を構成する。すなわち、前記ミラーアセンブリ104が使用位置に位置するときには、前記スプリング117のスプリング力により前記シャフトホルダ112の前記斜面123と前記ノッチ部材115の前記斜面124とが相互に当接している。前記ミラーアセンブリ104に前記スプリング117のスプリング力以上の力が作用するときには、前記スプリング117のスプリング力に抗して、前記ミラーアセンブリ104側の前記ノッチ部材115の前記斜面124が前記シャフト103側の前記シャフトホルダ112の前記斜面123に沿って乗り上がる。前記ノッチ部材115の前記斜面124が前記シャフトホルダ112の前記斜面123に沿って乗り上がると、前記ミラーアセンブリ104が緩衝のために前記シャフト103に対して前記シャフト103の回転中心O−O回りに前記使用位置から前方または後方に回転する。
【0116】
「実施形態2の作用の説明」
この実施形態2における手動格納式ドアミラー装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0117】
通常、緩衝機構のスプリング117のスプリング力により、クラッチ機構108のクラッチ凸部122の斜面124とシャフト103のクラッチ凹部113の斜面123とが相互に嵌合している。この結果、ミラーアセンブリ104は、使用位置に位置する。使用位置に位置するミラーアセンブリ104をスプリング117のスプリング力以上の力で回転させようとする。すると、スプリング117のスプリング力に抗して、ノッチ部材115の斜面124がシャフトホルダ112の斜面123に沿って乗り上がる。ノッチ部材115の斜面124がシャフトホルダ112の斜面123に沿って乗り上がると、ミラーアセンブリ104が緩衝のためにシャフト103に対してシャフト103の回転中心O−O回りに使用位置から前方または後方に回転する。
【0118】
「実施形態2の効果の説明」
この実施形態2における手動格納式ドアミラー装置100は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1の電動格納式ドアミラー装置1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0119】
すなわち、この実施形態2における手動格納式ドアミラー装置100は、緩衝機構の第1部材としてのシャフトホルダ112のノッチ部としてのクラッチ凹部113と第2部材としてのノッチ部材115のノッチ部としてのクラッチ凸部122とには、1個のノッチ部に対して、それぞれ複数この例では2個の斜面123、124が設けられている。この結果、この実施形態2における手動格納式ドアミラー装置100は、1個のノッチ部の複数の斜面123、124の面圧を1個のノッチ部の1個の斜面の面圧よりも下げることができるので、別部品を使用せずに、緩衝機構の第1部材としてのシャフトホルダ112の斜面123および第2部材としてのノッチ部材115の斜面124の摩耗を軽減することができる。
【0120】
なお、この実施形態2における手動格納式ドアミラー装置100において、前記の実施形態1における電動格納式ドアミラー装置1と同様に、3個(3セット)のクラッチ凹部113、クラッチ凸部122(クラッチ凹部113の2個の小凹部、クラッチ凸部122の2個の小凸部)を、シャフト10の回転中心O−Oに対して内外に配置し、あるいは、周方向の長さを代えることにより、クラッチ凹部113とクラッチ凸部122との誤嵌合を防ぐことができる。
【0121】
「実施形態1、2以外の例の説明」
なお、前記の実施形態1においては、電動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、電動格納式のドアミラー装置以外の車両用アウトサイドミラー装置にも適用できる。たとえば、電動格納式の車両用フェンダミラー装置などの電動格納式の車両用アウトサイドミラー装置に適用することができる。
【0122】
また、前記の実施形態1においては、第1緩衝機構59の第1部材のストッパ部材6の第1ノッチ部47、第2部材のギアケース11の第1ノッチ部48には、4個の斜面28、34がそれぞれ設けられていて、一方、第2緩衝機構のクラッチ機構15の第1部材のクラッチホルダ35のノッチ部のクラッチ凹部41、第2部材のクラッチ33のノッチ部のクラッチ凸部40には、2個の斜面38、42がそれぞれ設けられているものである。ところが、この発明においては、第1緩衝機構59のストッパ部材6の第1ノッチ部47、ギアケース11の第1ノッチ部48の斜面を複数個として、一方、第2緩衝機構のクラッチ機構15のクラッチホルダ35のクラッチ凹部41、クラッチ33のクラッチ凸部40の斜面を1個としても良い。あるいは、逆に、第1緩衝機構59のストッパ部材6の第1ノッチ部47、ギアケース11の第1ノッチ部48の斜面を1個として、一方、第2緩衝機構のクラッチ機構15のクラッチホルダ35のクラッチ凹部41、クラッチ33のクラッチ凸部40の斜面を複数個としても良い。
【0123】
また、前記の実施形態2においては、手動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、手動格納式のドアミラー装置以外の車両用アウトサイドミラー装置にも適用できる。たとえば、手動格納式の車両用フェンダミラー装置などの手動格納式の車両用アウトサイドミラー装置に適用することができる。