特許第6019722号(P6019722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019722
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】液体濾過装置およびバラスト水処理装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/22 20060101AFI20161020BHJP
   B01D 33/06 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 24/46 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 33/44 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 33/58 20060101ALI20161020BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 63/14 20060101ALI20161020BHJP
   B01D 65/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B01D35/22
   B01D33/06 A
   B01D33/36
   C02F1/44 A
   B01D63/14
   B01D65/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-106652(P2012-106652)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-233495(P2013-233495A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年4月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116366
【弁理士】
【氏名又は名称】二島 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100139387
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100144691
【弁理士】
【氏名又は名称】小副川 みさ子
(74)【代理人】
【識別番号】100146802
【弁理士】
【氏名又は名称】戸谷 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100157794
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100159374
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 顕
(72)【発明者】
【氏名】宮武 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】中井 龍資
(72)【発明者】
【氏名】上山 宗譜
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0252214(US,A1)
【文献】 特開2011−251284(JP,A)
【文献】 特開2006−167383(JP,A)
【文献】 特表2008−507391(JP,A)
【文献】 特開2007−229575(JP,A)
【文献】 特表2012−509763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 35/22
B01D 24/46
B01D 33/06
B01D 33/44
B01D 33/58
B01D 63/14
B01D 65/02
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に配置された濾過膜を有するフィルターと、
前記フィルターを収容するように設けられたケースと、
前記フィルターの円筒内部に被処理液を供給する被処理液流路と、
前記フィルターにより濾過された濾過液を前記ケースの外部へ取り出す濾過液流路と、
前記フィルターにより濾過されなかった被処理液を前記フィルターの円筒内部から外部へ取り出す排出液流路とを備えた液体濾過装置を備えるバラスト水処理装置であって、
前記被処理液流路から前記フィルターの前記濾過膜の内面向けて被処理液を噴出するように設けられた被処理液ノズルを有し、
前記被処理液ノズルが、前記フィルターの円筒軸を中心として回転するように構成されており、
前記濾過膜が、前記円筒軸と直交する方向に折り目をなすように山部と谷部が複数連続したプリーツ形状を備えた水平プリーツフィルターであることを特徴とするバラスト水処理装置
【請求項2】
前記被処理液ノズルを複数備え、該複数の被処理液ノズルは、前記円筒軸の方向および前記円筒軸を中心とする円周方向に互いに離間して設けられており、
前記複数の被処理液ノズルは、前記プリーツ形状のプリーツの間隔に合わせて配置されていることを特徴とする請求項に記載のバラスト水処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に液体を濾過する液体濾過装置に関するものであり、特に、船舶に貯留されるバラスト水処理装置として利用可能な液体濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気体や液体から混入物としての固体を分離除去する目的では多種多様なフィルターが用いられており、特許文献1には、工作機械の切削液からスラッジを除去するためのフィルター装置として円筒形状に形成されたプリーツフィルターを用いた例が示されている。この装置では、円筒形状フィルターを回転させながら、フィルター外面に向かって液体を噴出させることで、フィルターの洗浄効果の高いフィルター装置を提供できるとされている。
【0003】
一方、近年、船舶に積載するバラスト水の処理が問題となっている。バラスト水は空荷状態でも安全に航行するために船舶に積載される海水であり、バラスト水を浄化処理して微生物を除去あるいは死滅、不活性化する方法が種々検討されている。たとえば特許文献1には、液体から粒子と微生物を除去するための濾過・分離装置であって、円錐状の流入室と、濾過・分離室と、汚泥排出口を具えた排出室と、上側排出パイプと、スクリーンフィルターと、下側排出パイプとを有する構成の濾過・分離装置が記載されている。また、特許文献2には、回転自在に円筒配置されたフィルターを用い、フィルターの外周面に向けて被処理水を流出する被処理水ノズルによって、フィルター外面を洗浄しつつ濾過を行う構成のバラスト水の製造装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4817601号公報
【特許文献2】特開2011−251284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
海水淡水化やバラスト水などの汽水・海水利用、あるいは下水、生活排水、工業排水など水処理に際しては、水中の異物やゴミ、微生物を除去処理する前濾過処理が必要となる。このような濾過装置においては大量の処理液をできるだけ短時間で濾過する必要があるが、大規模・高流量の運転は概して早期の目詰まりによる処理量や濾過機能の低下を招きやすいことが技術的な問題となっている。特許文献1では、渦動を形成する円形流れにより、遠心運動で液体より重い粒子を分離し、粒子を含まない液体を濾過する構成としている。しかし、濾過面の洗浄は行われないために目詰まりは避けられず、一定量の運転後に薬液洗浄等の処置が必要である。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、円筒形状のフィルターを回転させ、その外表面に被処理水をノズルから噴出することによって、フィルターの濾過面を洗浄しつつ濾過を行う構成としている。かかる構成により、フィルターの濾過面は繰り返し洗浄されつつ濾過を行えるので、目詰まりが起こりにくく、大量の濾過を長時間継続して行うことが可能である。かかる装置でバラスト水処理など大量の濾過を行うためには、濾過面積を大きくする必要があり、自ずと円筒状のフィルター自体が大きく重くなる。そのようなフィルターを回転させるために大型のモーターが必要となり、運転のための電力量が多くなる課題がある。また、被処理水をプリーツ状フィルターの外周面に噴出することによって、フィルターのプリーツを押し広げるように力が加わり、フィルターの上下湖底部や折り曲げ部にかかる応力によって、破損が生じかねないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明では、より簡便な構成で大量の被処理液を濾過でき、また長時間濾過運転が可能な液体濾過装置およびそれを用いたバラスト水の処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、円筒状に配置された濾過膜を有するフィルターと、前記フィルターを収容するように設けられたケースと、前記フィルターの円筒内部に被処理液を供給する被処理液流路と、前記フィルターにより濾過された濾過液を前記ケースの外部へ取り出す濾過液流路と、前記フィルターにより濾過されなかった被処理液を前記フィルターの円筒内部から外部へ取り出す排出液流路とを備えた液体濾過装置であって、前記被処理液流路から前記フィルターの前記濾過膜の内面向けて被処理液を噴出するように設けられた被処理液ノズルを有し、前記被処理液ノズルが、前記フィルターの円筒軸を中心として回転するように構成されていることを特徴とする液体濾過装置、である。
【0009】
上述の通り、従来考えられてきた装置では、円筒状フィルターを回転させ、その外部に固定されたノズルから洗浄液を濾過面であるフィルター外周面に噴出する構成であった。本願発明の装置は、フィルター内面から外部に向かって濾過を行うという構成とし、被処理液を円筒状フィルターの内部に供給するものである。このため、フィルターを回転させることなく、被処理液ノズルを回転させれば良くなる。ノズルはフィルターに比べて軽量であり、かつ、円筒内部に収納されることから小型でもあるため、回転のトルクが小さくて済み、モーターを小型化できると共に、運転電力を低く抑えることができる。さらに、回転軸とケースとの摺動部分からの液漏れを防止するために通常の可動シールが必要になるが、大型のフィルターの回転軸よりも軽量なノズルの回転軸のシール機構の方が、より簡単な構造で確実なシールを行うことが可能となる。
【0010】
濾過膜が、円筒軸方向に折り目をなすように山部と谷部が複数連続したプリーツ形状を備えた垂直プリーツフィルターであると良い。濾過面積を大きく確保することができ、コンパクトな装置で大量の液体を濾過することが可能と出来るからである。また、本願発明は、このようなプリーツフィルターである場合に更なる効果をもたらす。すなわち、プリーツ外面から洗浄液となる被処理液を噴出する場合に比べて、内面への噴出の場合の方がプリーツに加わる繰り返し応力が小さくなり、フィルター破損が起こりにくくなる。
【0011】
また、濾過膜が、円筒軸と直交する方向に折り目をなすように山部と谷部が複数連続したプリーツ形状を備えた水平プリーツフィルターであると良い。濾過面積を大きく確保することができ、コンパクトな装置で大量の液体を濾過することが可能と出来るからである。また、本願発明は、水平プリーツフィルターでは、円筒上下を上蓋および底蓋で封止固定する構造でも、上下端以外のプリーツは固定されずにフリーな状態にあることから生じる更なる効果をもたらす。すなわち、洗浄液の噴出によりプリーツを拡げる方向の力が加わった場合に、垂直プリーツフィルターでは上下端が固定されていることから応力が加わり、破断の可能性が生じることに比べて、フリーな状態の水平プリーツにおいては固定端が無いためにそのような応力が生じにくく、破断が起こりにくい。さらには、水平プリーツフィルターでは、提灯のように折りたたんで収納できるという点で、可搬性、保管性が著しく向上し、コストメリットが大きい。
【0012】
このような水平プリーツフィルターを用いる場合は、ノズルの回転軸方向に洗浄対象となるフィルターのプリーツが並ぶ配置となるため、洗浄ノズルはフィルターのプリーツ間隔に合わせて配置することができる。すなわち、被処理液ノズルを複数備え、該複数の被処理液ノズルは、前記円筒軸の方向および前記円筒軸を中心とした円周方向に互いに離間して設けるようにすれば良い。ノズルを螺旋状に離散配置することが好ましく、各プリーツに対応したノズルによって、十分に押し広げた洗浄効果が得られる。洗浄効果が高い事は、より少ない被処理液の排出量での濾過が可能であることを意味し、濾過効率の向上によるポンプ設備コストや動力コストの低減につながる。
【0013】
また、本願発明は、上記のような液体濾過装置を海水の濾過装置として用いるバラスト水処理装置を提供する。大容量化が可能で大量の液体を長時間継続濾過可能な本願発明の液体濾過装置は、比較的コンパクトな構成で、運転電力コストを抑制するメリットがあり、船舶用バラスト水の処理装置として用いることに適している。
【発明の効果】
【0014】
以上の発明によれば、より簡便な構成で大量の被処理液を濾過でき、また長時間濾過運転が可能な液体濾過装置およびそれを用いたバラスト水の処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の液体濾過装置の構成例を示す断面模式図である。
図2図1のA−A横断面を示す模式図である。
図3】本発明に用いられるフィルターとしての垂直プリーツフィルターを示す図である。
図4】本発明の別な液体濾過装置の構成例を示す断面模式図である。
図5】本発明に用いられるノズルの構造例を示す模式図である。
図6】本発明に用いられるフィルターとしての水平プリーツフィルターを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかる液体濾過装置の構成を図面を参照して説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0017】
図1は、本発明による液体濾過装置の一例を示す図であり、装置縦断面を模式的に示している。また、図2図1におけるA−A横断面を示す模式図である。
【0018】
円筒形状のフィルター10がケース30内に収納されている。フィルター10は、その側面(円筒面)が濾過膜で構成されており、上面および下面はそれぞれ配管を接続可能な蓋板で封止されている。濾過膜は図3に示されるように円筒半径方向に山谷を繰り返すように中心軸Cに平行な折り目が付けられた垂直プリーツフィルターである。このフィルターは帯状の平面基材を山谷交互に折りたたむことで、いわゆるプリーツ形状とし、さらに円筒状につなぎ合わせて構成される。
【0019】
フィルター10内には、フィルターの円筒内部に被処理液を供給するための被処理液流路41に繋がる回転部材20が収納されている。回転部材20は、被処理液流路41とは回転継手22によって接続されており、モーター(図示せず)によって円筒中心を軸に回転可能である。回転部材20は、その円筒側面に被処理液ノズル21を備えており、被処理液をフィルター10の濾過膜内面向けて噴出するように設けられている。図では回転部材20を半径の大きな円筒のように示しているが、これに限定されるものではない。被処理液ノズル21の先端がフィルター10の内面に被処理液を噴出して洗浄可能な程度な位置関係に設けられていることが必要であって、回転部材20と被処理液ノズル21の大きさ関係は、回転の容易さ等を考慮して設計可能である。また、被処理液ノズルを複数設けても良い。
【0020】
フィルター10の底面には排出液流路42が接続されている。また、ケース30の底面には濾過液流路43が接続されている。
【0021】
上記の構成における濾過の機能を説明する。被処理液流路41から供給される被処理液は、回転部材20内から被処理液ノズル21に導かれ、フィルター10の濾過膜内面に向けて噴出される。被処理液は濾過膜にて濾過され、フィルター10の外部へ流れる。また、一部の被処理液は、濾過されずに排出液流路42から外部に排出される。被処理液が濾過膜内面に噴出する力を利用して、濾過膜内面は洗浄され、洗浄された濁質分等は排出液に混じって排出液流路42から排出される。また、被処理液ノズル21は円筒状の濾過膜内面を回転しつつ洗浄を行うことから、濾過膜全面が順次洗浄されることになる。このような動作によって、フィルターが目詰まりし難く、長時間の濾過が可能となるのである。フィルター10の外部へ流れ出た濾過液は、ケース30内部から濾過液流路43を通って、外部に取り出される。
【0022】
図4は、本発明による別な液体濾過装置の例を示す図であり、装置縦断面を模式的に示している。図1の例との違いは、フィルターの構造と、それに対応した回転部材およびノズルの構成である。
【0023】
円筒形状のフィルター11がケース30内に収納されている。フィルター11は、その側面(円筒面)が濾過膜で構成されており、上面および下面はそれぞれ配管を接続可能な蓋板で封止されている。濾過膜は図6に示されるように円筒半径方向に山谷を繰り返すように中心軸Cと垂直な折り目が付けられた水平プリーツフィルターである。このフィルターは帯状の平面基材を山谷交互に折りたたむことで、いわゆるプリーツ形状とし、さらに円筒状につなぎ合わせて構成される。
【0024】
フィルター11内には、フィルターの円筒内部に被処理液を供給するための被処理液流路41に繋がる回転部材23が収納されている。回転部材23は、被処理液流路41とは回転継手25によって接続されており、モーター(図示せず)によって円筒中心を軸に回転可能である。回転部材23は、その円筒側面に被処理液ノズル24を備えており、被処理液をフィルター11の濾過膜内面向けて噴出するように設けられている。被処理液ノズル24の先端がフィルター11の内面に被処理液を噴出して洗浄可能な程度な位置関係に設けられていることが必要であって、回転部材23と被処理液ノズル24の大きさ関係は、回転の容易さ等を考慮して設計可能である。
【0025】
図5は、回転部材23の構造例を示す。回転部材23の円筒側面には、複数の被処理液ノズル24が設けられている。フィルター11のプリーツが、円筒軸方向に凹凸を繰り返す構造であるので、円筒軸方向に複数の被処理液ノズル24を各折り目に対応した位置に設け、円筒方向に密集させることなく順次離散して設けてある。
【0026】
フィルター11の底面には排出液流路42が接続されている。また、ケース30の底面には濾過液流路43が接続されている。
【0027】
上記の構成における濾過の機能を説明する。被処理液配管41から供給される被処理液は、回転部材23内から被処理液ノズル24に導かれ、フィルター11の濾過膜内面に向けて噴出される。被処理液は濾過膜にて濾過され、フィルター11の外部へ流れる。また、一部の被処理液は、濾過されずに排出液流路42から外部に排出される。被処理液が濾過膜内面に噴出する力を利用して、濾過膜内面は洗浄され、洗浄された濁質分等は排出液に混じって排出液流路42から排出される。また、被処理液ノズル24は円筒状の濾過膜内面を回転しつつ洗浄を行うことから、濾過膜全面が順次洗浄されることになる。このような動作によって、フィルターが目詰まりし難く、長時間の濾過が可能となるのである。フィルター11の外部へ流れ出た濾過液は、ケース30内部から濾過液流路43を通って、外部に取り出される。
【0028】
本構成では、さらに、フィルターのプリーツ個々に被処理液ノズル24を対応させているので、洗浄効果が高い。また、ノズルの回転によってプリーツを横断する方向の洗浄圧力の変化が生じにくく、すなわちプリーツを開閉する方向の水流の変化が少ないため、折り目に加わる機械的な力が少なくなり、フィルターの長寿命化が期待できる。
【0029】
フィルター10またはフィルター11の基材には多孔質樹脂シートが用いられる。材質として例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PUR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等からなる延伸多孔質体、相分離多孔体、不織布等の多孔質構造物が利用される。バラスト水処理では高流量処理を行うため、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる不織布が特に好適に用いられる。また、寸法例として、プリーツフィルターの外径は700mm、軸方向長さ320mm、有効面積としての高さ280mm、プリーツ深さ70mm、プリーツ数420折、が挙げられ、必要な処理水量に応じて有効面積を変えたり、複数のフィルターを並列に用いたりすることなどが可能である。
【0030】
回転部材20または回転部材23のモーターによる回転は、回転速度を任意に設定、変更できるメリットがある。回転数は一定でも良いし、人為的に任意に定めることも可能であるが、濾過の状態に応じて制御するとより好ましい。濾過水の状態や流量などを検出する検出部設け、検出情報に応じて回転数を変化させるように制御を行うと良い。濾過水の検出部としては、具体的には、濾過水流量検出部、濾過水圧力検出部や、濁度検出部等が挙げられる。
【0031】
以上の液体濾過装置は、船舶に用いられるバラスト水の処理装置として好適に用いることができる。バラスト水の処理装置は濾過装置部分と紫外線等の手段による殺菌部とから構成されるものが多く、本発明は濾過装置部として適用できる。バラスト水の処理は10〜20ton/時間、さらには100ton/時間を超える量の海水を出来るだけ短時間で処理するという要求から、フィルターの大型化、連続的な洗浄などが求められるところ、本発明の装置によれば比較的簡便な構造により実現することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の濾過装置は回転洗浄による安定した高透過流量の連続運転が可能であるため、海水淡水化やバラスト水などの汽水・海水利用、あるいは下水、生活排水、工業排水など処理量の大きな水処理に際して、水中の異物やゴミ、微生物を除去処理する前濾過処理に好適に利用できる。また、高濁質・高SS(Suspended Solid)の水処理や濃縮処理にも優れているため、食品分野などの有価物回収分野にも応用が可能である。
【符号の説明】
【0033】
10,11 フィルター
20,23 回転部材
21,24 被処理液ノズル
22,25 回転継手
30 ケース
41 被処理液流路
42 排出液流路
43 濾過液流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6