(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、本発明に係るタッチパネル装置を、文書の印刷・複写・ファクシミリといった複数の機能を複合的に備えた複合機に設けた構成を例に挙げて説明する。
【0016】
図1には、本発明に係るタッチパネル装置の機能ブロックの例を示してある。
本例のタッチパネル装置は、表示パネル1、タッチパネル2、データ記憶部3、表示処理部4、操作検出部5、サイズ変更部6等の機能部を有する。
【0017】
表示パネル1は、各種の情報を表示出力する面状のパネルである。表示パネル1としては、例えば、液晶パネルが用いられる。
タッチパネル2は、表示パネル1に対してその表示面に重ねて設けられる面状の透明パネルであり、タッチ位置(物体の接触位置)を検出してその信号を出力する機能を有する。タッチパネル2としては、抵抗膜方式や静電容量方式といった種々の動作原理のものを用いることができる。
【0018】
データ記憶部3は、表示パネル1による表示を構成する構成要素のデータを記憶する。構成要素としては、例えば、宛先表や印刷文書一覧等のリスト、スキャン文書や写真等の画像、説明文等のテキストを表示するテキストエリア、各種の操作ボタン、といった種々の種別のものがある。構成要素のデータには、例えば、構成要素を識別する識別情報、構成要素の種別を示す種別情報、構成要素の表示内容を示す内容情報、構成要素の表示領域を示す領域情報、構成要素の表示内容のサイズ変更の可否を示す変更可否フラグ、といった種々の情報が格納される。
【0019】
表示処理部4は、データ記憶部3に記憶されている構成要素のデータを読み出し、当該構成要素を画像化して表示パネル1に表示させる。
操作検出部5は、タッチパネル2上の2点をタッチした状態でタッチ位置を変化させる操作(所謂「ピンチ操作」)を検出する。
【0020】
サイズ変更部6は、操作検出部5によりピンチ操作が検出されたことに応じて、表示パネル1による表示の中から選択された構成要素の表示内容を、ピンチ操作による2点間の位置関係の変化方向に沿ってサイズ変更する。すなわち、2点間の位置関係が縦方向(XY平面のY軸方向)に変化するピンチ操作が検出された場合には、構成要素の表示内容に対して縦方向のサイズ変更を行う。また、2点間の位置関係が横方向(XY平面のX軸方向)に変化するピンチ操作が検出された場合には、構成要素の表示内容に対して横方向のサイズ変更を行う。また、2点間の位置関係が斜め方向に変化するピンチ操作、すなわち、縦方向の成分と横方向の成分を共に含むピンチ操作が検出された場合には、構成要素の表示内容に対する縦方向と横方向のサイズ変更を行うことで、構成要素の表示内容に対する斜め方向のサイズ変更を行う。
【0021】
サイズ変更部6の動作について更に説明する。
サイズ変更部6は、ピンチ操作に係る2点のタッチ位置の座標に基づいて、表示内容をサイズ変更する対象の構成要素を選択する。本例では、ピンチ操作に係る2点のタッチ位置の座標を表示領域内に含む構成要素を選択する。具体的には、2点のタッチ位置の座標と各構成要素の領域情報とを比較し、上記の要件を満たす構成要素が見つかった場合に、当該構成要素の表示内容のサイズ変更が可能であればサイズ変更の対象に選択する。なお、構成要素の表示内容のサイズ変更が可能か否かは、当該構成要素の変更可否フラグを参照することで判定できる。
【0022】
また、サイズ変更部6は、ピンチ操作による2点間の位置関係の変化量を縦方向と横方向のそれぞれについて算出する。具体的には、ピンチ操作前における2点間の縦方向の距離y1と、ピンチ操作後における2点間の縦方向の距離y2を算出し、これらの差分(=y2−y1)を、ピンチ操作における縦方向の変化量として算出する。また、ピンチ操作前における2点間の横方向の距離x1と、ピンチ操作後における2点間の横方向の距離x2を算出し、これらの差分(=x2−x1)を、ピンチ操作における横方向の変化量として算出する。
【0023】
そして、サイズ変更部6は、サイズ変更の対象に選択した構成要素について、ピンチ操作による2点間の位置関係の縦方向と横方向の各変化量に従って表示内容のサイズ変更を行う。具体的には、ピンチ操作における縦方向の変化量に応じて、対象の構成要素の表示内容に対する縦方向のサイズ変更を行い、また、ピンチ操作における横方向の変化量に応じて、対象の構成要素の表示内容に対する横方向のサイズ変更を行い、変更結果の情報を表示処理部4に通知して、表示パネル1の表示に含まれる対象の構成要素の表示内容をサイズ変更後の態様に更新させる。
【0024】
ピンチ操作による構成要素の表示内容のサイズ変更の具体例について説明する。
図2には、表示パネル1による表示の例を示してある。
図2は、電子メールの宛先を選択する画面の例であり、当該画面の表示に含まれる構成要素として、宛先表リスト10を有する。宛先表リスト10は、初期状態として、宛先毎に設けられた横長のラダーボタンを縦方向に並べた構成となっており、縦方向に収まらないラダーボタンは縦スクロール操作により表示させることができる。また、各ラダーボタンには、宛先の名前、メールアドレス等の項目が表示される。
【0025】
図3を参照して、宛先表リスト10に対する縦方向のピンチ操作による表示内容のサイズ変更を説明する。
図3には、縦方向のピンチ操作による宛先表リスト10の表示内容のサイズ変更の例を示してある。
宛先表リスト10aは初期状態であり、宛先表リスト10aに対して縦方向のピンチイン(2点の縦方向の位置関係を狭めるピンチ操作)を行うと、各ラダーボタンの縦方向の長さ(高さ)を縮めた態様の宛先表リスト10bの状態となる。また、宛先表リスト10bに対して縦方向のピンチインを行うと各ラダーボタンの縦方向の長さを更に縮めた態様の宛先表リスト10cの状態となる。
すなわち、2点の縦方向の間隔(距離)が減少した場合に、各々のラダーボタンの縦方向の長さ(高さ)を減少させる。これにより、リスト表示されるラダーボタンの数が増加するので、一覧性が向上する。また、所望のラダーボタンがリスト表示から外れている場合に、当該所望のラダーボタンを表示させるために必要となる縦スクロール操作が減少する。
【0026】
これとは逆に、宛先表リスト10cに対して縦方向のピンチアウト(2点の縦方向の位置関係を広げるピンチ操作)を行うと宛先表リスト10bの状態となり、宛先表リスト10bに対して更なる縦方向のピンチアウトを行うと宛先表リスト10aに戻る。
すなわち、2点の縦方向の間隔(距離)が増加した場合に、各々のラダーボタンの縦方向の長さ(高さ)を増加させる。これにより、リスト内の各ラダーボタンの面積が増加するので、ラダーボタン上に多くの文字(多くの情報)を表示させることができる。また、文字サイズを大きくできるので、見易さが向上する。
【0027】
次に、
図4を参照して、宛先表リスト10に対する横方向のピンチ操作による表示内容のサイズ変更を説明する。
図4には、横方向のピンチ操作による宛先表リスト10の表示内容のサイズ変更の例を示してある。
宛先表リスト10aは初期状態であり、宛先表リスト10aに対して横方向のピンチイン(2点の横方向の位置関係を狭めるピンチ操作)を行うと、各ラダーボタンの横方向の長さ(幅)を縮めた態様の宛先表リスト10dの状態となる。また、宛先表リスト10dに対して横方向のピンチインを行うと各ラダーボタンの横方向の長さを更に縮めた態様の宛先表リスト10eの状態となる。
すなわち、2点の横方向の間隔(距離)が減少した場合に、各々のラダーボタンの横方向の長さ(幅)を減少させる。これにより、複数のラダーボタンを横方向に並べて配置することができ、リスト表示されるラダーボタンの数が増加するので、一覧性が向上する。また、所望のラダーボタンがリスト表示から外れている場合に、当該所望のラダーボタンを表示させるために必要となる縦スクロール操作の量が減少する。
【0028】
これとは逆に、宛先表リスト10eに対して横方向のピンチアウト(2点の横方向の位置関係を広げるピンチ操作)を行うと宛先表リスト10dの状態となり、宛先表リスト10dに対して更なる横方向のピンチアウトを行うと宛先表リスト10aに戻る。
すなわち、2点の横方向の間隔(距離)が増加した場合に、各々のラダーボタンの横方向の長さ(幅)を増加させる。これにより、リスト内の各ラダーボタンの面積が増加するので、ラダーボタン上に多くの文字(多くの情報)を表示させることができる。また、表示の文字サイズを大きくできるので、見易さが向上する。また、メールアドレスや電話番号といった、或る程度の長さを持った情報を欠落無しに表示できるようになる。
【0029】
以上のように、本例のタッチパネル装置では、縦方向のピンチ操作と横方向のピンチ操作とで異なる態様のサイズ変更を行うようにした。
ここで、上記の説明では、縦方向のピンチ操作と横方向のピンチ操作を分けて説明したが、斜め方向のピンチ操作が行なわれた場合には、斜め方向のピンチ操作における縦方向の成分と横方向の成分を用いて、縦方向のサイズ変更と横方向のサイズ変更をそれぞれ行えば、斜め方向のサイズ変更を実現することができる。
【0030】
また、上記の説明では、縦方向のピンチ操作に応じた各ラダーボタンの縦方向の長さ(高さ)の変更と、横方向のピンチ操作に応じた各ラダーボタンの横方向の長さ(幅)の変更といったように、縦方向のサイズ変更と横方向のサイズ変更は同種の性質(共に長さの変更)を有しているが、以下に
図5を参照して説明するように、縦方向のピンチ操作と横方向のピンチ操作とで全く異なる性質のサイズ変更を行うようにしても構わない。
【0031】
図5には、横方向のピンチ操作による蓄積文書リスト20の表示内容のサイズ変更の例を示してある。蓄積文書リスト20は、初期状態として、蓄積文書毎に設けられた横長のラダーボタンを縦方向に並べた構成となっており、縦方向に収まらないラダーボタンは縦スクロール操作により表示させることができる。
【0032】
初期状態の蓄積文書リスト20aでは、各ラダーボタンには蓄積文書の名前が表示される。蓄積文書リスト20aに対して横方向のピンチインを行うと、各ラダーボタンの表示にユーザ(所有者)及びホスト名(格納先)が追加された蓄積文書リスト20bの状態となる。蓄積文書リスト20bに対して横方向のピンチインを行うと、各ラダーボタンの表示に印刷形式(両面/片面や白黒/カラーの情報)が更に追加された蓄積文書リスト20cの状態となる。
すなわち、2点の横方向の間隔(距離)が減少した場合に、各々のラダーボタン内に表示させる項目の数を増加させる。これにより、リスト内の各ラダーボタンに多様な情報を表示できるので、検索性が向上する。
【0033】
これとは逆に、蓄積文書リスト20cに対して横方向のピンチアウトを行うと蓄積文書リスト20bの状態となり、蓄積文書リスト20bに対して更なる横方向のピンチアウトを行うと蓄積文書リスト20aに戻る。
すなわち、2点の横方向の間隔(距離)が増加した場合に、各々のラダーボタン内に表示させる項目の数を減少させる。これにより、1種の項目を表示させるために使用できる領域が増えるので、或る程度の長さを持った情報を欠落無しに表示できるようになる。また、各項目の文字サイズを大きくできるので、見易さが向上する。
【0034】
ここで、本例では、横方向のピンチ操作に応じた各ラダーボタンの横方向の長さ(幅)の変更は行なわず、文字サイズを変更することで表示可能な情報量を変化させ、ラダーボタン内に表示させる項目の数の変更を実現している。
なお、蓄積文書リスト20に対する縦方向のピンチ操作によるサイズ変更の態様は、
図3に例示した宛先表リスト10と同様な各ラダーボタンの縦方向の長さ(高さ)の変更であるので、説明を省略する。
このように、横方向のピンチ操作では各ラダーボタンの横方向の長さ(幅)の変更は行なわず、縦方向のピンチ操作で縦方向の長さ(高さ)の変更を行うといったように、縦方向のピンチ操作と横方向のピンチ操作とで全く異なる性質のサイズ変更を行うようにしてもよい。
【0035】
次に、タッチパネル装置の拡張例として、構成要素の表示内容のサイズ変更が可能な方向をユーザに報知する構成について説明する。
図6には、構成要素の表示内容のサイズ変更が可能な方向を示す画像を表示する例を示してある。
図6(a)は、横方向のサイズ変更のみが可能な場合の画像の例である。すなわち、左右方向の矢印のガイダンス画像を表示することで、横方向のサイズ変更のみ可能(横方向のピンチ操作のみが有効)であることを示している。これは、例えば、リスト表示において全てのリスト項目が画面に収まっているために縦方向のピンチ操作が無意味な場合などに、横方向のピンチ操作にのみ意味がある旨を利用者に知らしめるためのものである。
図6(b)は、縦方向及び横方向のサイズ変更が可能な場合の画像の例である。すなわち、左右方向の矢印と上下方向の矢印を組み合わせたガイダンス画像を表示することで、縦方向のサイズ変更及び横方向のサイズ変更が可能(縦方向のピンチ操作及び横方向のピンチ操作が共に有効)であることを示している。
【0036】
上述した矢印の画像の表示は、例えば、2点のタッチが行なわれた際に、操作検出部5(又はサイズ変更部6)により、縦方向のピンチ操作及び横方向のピンチ操作が有効であるかを判定し、その結果に応じて、表示処理部4により、タッチ位置(或いはその近傍)に対応する表示パネル1上の位置に、有効なピンチ操作の方向を示すガイダンス画像の表示を付加することで行なわれる。なお、矢印以外のガイダンス画像を用いてもよく、有効なピンチ操作の方向をユーザが認識可能な態様の画像であればよい。
このようなガイダンス画像の表示を付加するようにすれば、ユーザは、2点のタッチを行なった際に、その後どのような操作が可能であるかを把握することができ、操作性が向上する。
【0037】
図7には、ピンチ操作による構成要素の表示内容のサイズ変更をメニュー画面30に適用した例を示してある。メニュー画面30は、初期状態として、画面内に6個(2行×3列)のメニューボタンを配置した構成となっており、画面内に収まらないメニューボタンは縦スクロール操作(又は横スクロール操作)により表示させることができる。
メニュー画面30aは初期状態であり、メニュー画面30aに対して横方向のピンチ操作を行うと、各メニューボタンの横方向の長さ(幅)を変化させたメニュー画面30bの状態となる。このとき、例えば、ピンチアウトによってメニューボタンの幅が広がった場合に、メニューボタン上に各種の属性値の設定を受け付ける部位を設けることで、従来であれば設定画面に遷移して行なっていた属性値の設定をメニュー画面上で行なえるようになり、操作の簡易化を図ることができる。
また、メニュー画面30aに対して縦方向のピンチ操作を行うと、各メニューボタンの縦方向の長さ(高さ)を変化させたメニュー画面30cの状態となる。これにより、例えば、ピンチインによって各メニューボタンの高さを縮めれば、画面内に表示されるメニューボタンの数を増やすことができるので、一覧性が向上し、少ないスクロール操作で機能選択(所望するメニューボタンの押下)を行なえるようになる。
【0038】
以上のように、本例のタッチパネル装置では、操作検出部5が、タッチパネル2上の2点をタッチした状態でタッチ位置を変化させるピンチ操作の検出を行い、サイズ変更部6が、操作検出部5によりピンチ操作が検出されたことに応じて、表示パネル1による表示に含まれる構成要素の表示内容を、ピンチ操作による2点間の位置関係の変化方向に沿ってサイズ変更するようにした。
このため、ユーザは、表示パネルに表示される構成要素の表示内容のサイズ変更をピンチ操作によって指示できるだけでなく、表示内容のサイズ変更の態様をピンチ操作の方向に応じて変化させることができる。
【0039】
なお、ピンチ操作による2点間の位置関係の縦方向の変化量が予め定めた閾値以下の場合には、縦方向のピンチ操作でないものと見做し、構成要素の表示内容の縦方向のサイズ変更を行わないようにしてもよい。同様に、ピンチ操作による2点間の位置関係の横方向の変化量が予め定めた閾値以下の場合には、横方向のピンチ操作でないものと見做し、構成要素の表示内容の横方向のサイズ変更を行わないようにしてもよい。これにより、操作感に若干の遊びを持たせることができる。
【0040】
また、構成要素の領域サイズをそのままに表示内容のサイズ変更を行う構成に代えて、構成要素の領域サイズ自体をサイズ変更し、これに連動して表示内容のサイズ変更を行うようにしても構わない。
【0041】
ここで、本例のタッチパネル装置は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUの作業領域となるRAM(Random Access Memory)や基本的な制御プログラムなどを記録したROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、各種のプログラムやデータを記憶する補助記憶装置、各種の情報を表示出力する表示パネル等の出力機器及び操作者により入力操作に用いられる操作ボタンやタッチパネル等の入力機器とのインタフェースである入出力I/F、他の装置との間で有線又は無線により通信を行うインタフェースである通信I/F、といったハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。
【0042】
そして、本発明に係るプログラムを補助記憶装置等から読み出してRAMに展開し、これをCPUにより実行させることで、本発明に係るタッチパネル装置の機能をコンピュータ上に実現している。
すなわち、本発明に係る検出手段の機能を操作検出部5により実現し、本発明に係る変更手段の機能をサイズ変更部6により実現し、本発明に係る表示処理手段の機能を表示処理部4により実現している。
なお、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現するのではなく、各機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
【0043】
ここで、以上の説明では、複合機に設けられたタッチパネル装置を例にしたが、本発明はこのような態様に限定するものではなく、種々の機器に設けられるタッチパネル装置に対して適用することができる。特に、携帯電話端末等の小型の機器にタッチパネルを設けた構成の場合には、小型の表示パネルに表示する情報の量や粒度を、ユーザが簡易な操作で自由に変更することが可能になるので効果的である。