特許第6019833号(P6019833)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019833
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】自動変速機の油圧制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   F16H61/02
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-151960(P2012-151960)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2014-15952(P2014-15952A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119644
【弁理士】
【氏名又は名称】綾田 正道
(72)【発明者】
【氏名】根耒 司
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−149418(JP,A)
【文献】 特開平10−141456(JP,A)
【文献】 特開平08−004892(JP,A)
【文献】 特開2011−069406(JP,A)
【文献】 米国特許第05518469(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0188180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/00−61/12
F16H 61/16−61/24
F16H 61/66−61/70
F16H 63/40−63/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動変速機の冷却を含む各潤滑部位に対し作動油を供給する潤滑回路上に、上流側から供給された作動油の前記各潤滑部位への供給量と発進要素の締結手段への供給量との配分比率を調整する第1の切り替え弁を設けた自動変速機の変速制御装置であって、
前記締結手段は、作動油非供給時に入力側と出力側とを機械的に締結し、作動油供給時に前記締結を解除するノーマリークローズタイプの締結手段であり、
前記第1の切り替え弁は、車速またはアクセル開度が低いほど前記締結手段への供給量の配分比率を大きくすることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記発進要素は、前記締結手段としてノーマリークローズタイプのロックアップクラッチを有するトルクコンバータであり、
前記第1の切り替え弁と前記トルクコンバータとの間に、ロックアップ解放制御圧を供給すると共に前記トルクコンバータの内部を潤滑する作動油を供給する第1供給路と、前記トルクコンバータの内部を潤滑する作動油を供給する第2供給路との間で前記トルクコンバータへの作動油の供給路を切り替える第2の切り替え弁を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
【請求項3】
請求項に記載の自動変速機の油圧制御装置において、
前記発進要素は、前記締結手段としてノーマリークローズタイプのクラッチ機構を有する湿式クラッチであり、
前記第1の切り替え弁と前記湿式クラッチとの間に、クラッチ解放制御圧を供給すると共に前記クラッチ機構の内部を潤滑する作動油を供給する第1供給路と、前記クラッチ機構を経由せずにドレーンする第2供給路との間で前記クラッチ機構への作動油の供給路を切り替える第2の切り替え弁を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の油圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機の油圧制御装置において、高車速域や高アクセル開度領域では、部品耐力を確保するために自動変速機の潤滑(冷却を含む)回路に供給される自動変速機油(作動油)の流量を増加させ、逆に低車速域や低アクセル開度領域では、フリクションを抑えるために自動変速機油の流量を減らすのが好ましい。
特許文献1には、トルクコンバータ(発進要素)のロックアップクラッチにCVTフルードを供給する油路に、エンジントルクに相関する信号に応じて潤滑回路に供給するCVTフルードの流量を調整する制御弁を設けた自動変速機の油圧制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−4892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、トルクコンバータの制御用に供給されたCVTフルードのうち、余剰分が潤滑回路への供給量となる。すなわち、潤滑回路への作動油の供給量(潤滑油量)がトルクコンバータの状態に依存するため、必要に応じて潤滑油量をコントロールできないという問題があった。
本発明の目的は、発進要素の状態にかかわらず、必要に応じて潤滑油量をコントロールできる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、自動変速機の冷却を含む各潤滑部位に対し作動油を供給する潤滑回路上に、上流側から供給された作動油の各潤滑部位への供給量と発進要素の締結手段への供給量との配分比率を調整する第1の切り替え弁を設けた自動変速機の変速制御装置であって、締結手段は、作動油非供給時に入力側と出力側とを機械的に締結し、作動油供給時に前記締結を解除するノーマリークローズタイプの締結手段であり、第1の切り替え弁は、車速またはアクセル開度が低いほど締結手段への供給量の配分比率を大きくする
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、発進要素の状態にかかわらず、必要に応じて潤滑油量をコントロールできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1のベルト式無段変速機の油圧回路図である。
図2】実施例1の潤滑リリーフバルブ17の構成を示す模式図である。
図3】実施例2のベルト式無段変速機の油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例1の自動変速機の油圧制御装置を実施するための形態を、図面に基づく実施例を用いて説明する。
【0009】
〔実施例1〕
図1は、実施例1のベルト式無段変速機(CVT)の油圧回路図である。
プレッシャレギュレータバルブ(P.REG/V)1は、オイルポンプ2の吐出圧をライン圧として調圧する。
プライマリバルブ(PRI/V)3は、ライン圧を調圧してCVTのプライマリプーリ(PRI/P)4のシリンダ室にプーリクランプ圧を供給する。プーリクランプ圧は圧力センサ5によりセンシングされる。
セカンダリバルブ(SEC/V)6は、ライン圧を調圧してCVTのセカンダリプーリ(SEC/P)8のシリンダ室にプーリクランプ圧を供給する。プーリンクランプ圧は圧力センサ7によりセンシングされる。
クラッチレギュレータバルブ(CL.REG/V)9は、ライン圧をライン圧よりも低い一定圧に調圧する。
セレクトコントロールバルブ(ST.CON/V)10は、クラッチレギュレータバルブ9により調圧されたCVTフルード(作動油)を一定圧に調圧する。
マニュアルバルブ(MANU/V)11は、セレクトコントロールバルブ10により調圧されたCVTフルードをセレクトレバーの位置に応じて選択的にフォワードクラッチ(FWD/C)12またはリバースブレーキ(REV/B)13に供給する。
【0010】
プレッシャモディファイアバルブ(P.MOD/V)14は、クラッチレギュレータバルブ9により調圧されたCVTフルードを調圧して信号圧を生成し、プレッシャレギュレータバルブ1へ供給する。
プライマリモディファイアバルブ(PRI.MOD/V)15は、クラッチレギュレータバルブ9により調圧されたCVTフルードを調圧して信号圧を生成し、プライマリバルブ3へ供給する。
セカンダリモディファイアバルブ(SEC.MOD/V)16は、クラッチレギュレータバルブ9により調圧されたCVTフルードを調圧して信号圧を生成し、セカンダリバルブ6へ供給する。
各モディファイアバルブ14,15,16は、図外のCVTコントロールユニットから出力される制御信号に基づいて信号圧を生成する。
【0011】
潤滑リリーフバルブ(LUB.RLF/V,第1の切り替え弁)17は、プレッシャレギュレータバルブ1からドレーンされたCVTフルードの冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bへの供給量とトルクコンバータ(発進要素)のロックアップクラッチ(締結手段)19への供給量との配分比率を調整する。
パイロットバルブ(PLT/V)20は、クラッチレギュレータバルブ9により調圧されたCVTフルードを調圧して一定圧のパイロット圧を生成し、潤滑ソレノイド21へ供給する。
潤滑ソレノイド(LUB/S)21は、パイロットバルブ20から供給されるパイロット圧を、CVTコントロールユニットから出力される制御信号に基づいて変化させ、それを信号圧として潤滑リリーフバルブ17へ出力する。
【0012】
図2は、実施例1の潤滑リリーフバルブ17の構成を示す模式図である。
スプール17aは、油室17bに供給されるフィードバック圧(プレッシャレギュレータバルブ1からドレーンされたCVTフルード)と、スプール17aを図中左方向に付勢するコイルスプリング17cの付勢力と、油室17dに供給される信号圧とにより位置が調整される。
油室17dに信号圧が供給されていないとき、スプール17aは図の位置にあり、このとき、入力ポート17eと出力ポート17fは連通している。油室17dに信号圧が供給されると、信号圧が高くなるほどスプール17aは図中左方向に移動し、出力ポート17fからのCVTフルードの流出量が制限される。
CVTコントロールユニットは、車速が低いほど、またはアクセル開度が低いほど、ロックアップクラッチ19へのCVTフルードの供給量が多くなるよう、潤滑ソレノイド21に出力する制御信号を生成する。
【0013】
潤滑回路18は、CVTの潤滑部へCVTフルードを供給する回路であり、潤滑回路18は、冷却が必要な冷却・潤滑部22aへCVTフルードを供給する油路18aと、冷却が不要な潤滑部22bへCVTフルードを供給する油路18bとに分岐している。油路18aには、オイルクーラ18cおよびオイルフィルター18dが設けられている。
トルコンスイッチバルブ(TC.SW/V,第2の切り替え弁)23は、ソレノイドバルブ25からの指令信号に応じて、潤滑リリーフバルブ17から出力されたCVTフルードの供給経路を、第1供給路24aと第2供給路24bとで選択的に切り替える。
ソレノイドバルブ(SOL/V)25は、CVTコントロールユニットから出力される制御信号に基づいてトルコンスイッチバルブ23へ出力する指令信号を切り替える。
CVTコントロールユニットは、車両の発進時には第1供給路24aが選択され、それ以外の場合には第2供給路24bが選択されるよう、ソレノイドバルブ25に出力する制御信号を生成する。
【0014】
第1供給路24aは、ロックアップクラッチ19の解放制御圧を供給すると共にトルクコンバータの内部を潤滑するCVTフルードを供給するための経路である。
第2供給路24bは、トルクコンバータの内部を潤滑するCVTフルードを供給するための経路である。
実施例1のロックアップクラッチ19は、非制御時には図外のコイルスプリングによってロックアップ締結状態が維持され、ロックアップ解放制御圧が供給される制御時にロックアップ解放状態となるノーマリークローズタイプ(常閉型)である。
【0015】
次に、作用を説明する。
実施例1では、潤滑回路18上に、プレッシャレギュレータバルブ1からドレーンされたCVTフルードの冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bへの供給量とロックアップクラッチ19への供給量との配分比率を調整する潤滑リリーフバルブ17を設けた。つまり、ロックアップクラッチ19にCVTフルードを供給する経路よりも上流側に冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bにCVTフルードを供給する経路(潤滑回路18)を設けたため、トルクコンバータの状態にかかわらず、必要に応じて潤滑油量をコントロールできる。
【0016】
潤滑リリーフバルブ17は、車速が低いほど、またはアクセル開度が低いほどロックアップクラッチ19への供給量の配分比率を高くする。
よって、発進時等の低車速での走行時には、ロックアップクラッチ19への油圧配分が多くなるため、ロックアップ状態を解除するために必要な解放制御圧をロックアップクラッチ19に供給できる。また、発進時や低車速での走行時には、潤滑回路18への油圧配分が少なくなるため、冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bへの過剰な潤滑油量の供給を抑えてフリクションを小さくでき、燃費の悪化を抑制できる。
なお、発進時や低車速での走行時であっても、潤滑回路18には最低限のCVTフルードが供給されるため、部品耐力の低下を防止できる。
【0017】
一方、高車速や高アクセル開度での走行時には、潤滑回路18への油圧配分が多くなるため、冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bに十分な潤滑油量を供給でき、部品耐力を向上できる。このとき、ロックアップクラッチ19への油圧配分は少なくなるため、仮にロックアップクラッチ19がノーマリーオープンタイプである場合、ロックアップ締結状態が維持できず、燃費の悪化を招くおそれがある。これに対し、実施例1では、ロックアップクラッチ19をノーマリークローズタイプとしたため、高車速や高アクセル開度での走行時であっても、ロックアップ締結状態を維持できる。
【0018】
また、ロックアップクラッチ19をノーマリークローズタイプとしたことで、ノーマリーオープンタイプのロックアップクラッチにおいて締結側と解放側の差圧を制御するための必須の構成であるロックアップコントロールバルブが不要であるため、部品点数の増加を抑えてコストアップを抑制できる。
また、実施例1では、トルクコンバータへのCVTフルードの供給路を、発進時には第1供給路24aとし、それ以外の場合は第2供給路24bとするトルコンスイッチバルブ23を設けたため、ロックアップ締結状態であってもトルクコンバータの内部循環を確保でき、部品耐力の低下を防止できる。
【0019】
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機の油圧制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) CVTの冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bに対しCVTフルードを供給する潤滑回路18上に、プレッシャレギュレータバルブ1からドレーンされたCVTフルードの冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bへの供給量と締結手段への供給量との配分比率を調整する潤滑リリーフバルブ17を設けた。
これにより、トルクコンバータの状態にかかわらず、必要に応じて潤滑油量をコントロールできる。
【0020】
(2) 締結手段は、作動油非供給時に入力側と出力側とを機械的に締結し、作動油供給時に締結を解除するノーマリークローズタイプの締結手段であり、潤滑リリーフバルブ17は、車速またはアクセル開度が低いほど締結手段への供給量の配分比率を大きくする。
これにより、発進時等の低車速での走行時には、ロックアップ状態を解除するために必要な解放制御圧をロックアップクラッチ19に供給できると共に、冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bへの過剰な潤滑油量の供給を抑えてフリクションを小さくでき、燃費の悪化を抑制できる。また、高車速や高アクセル開度での走行時には、冷却・潤滑部22aおよび潤滑部22bに十分な潤滑油量を供給でき、部品耐力を向上できると共に、ロックアップ締結状態を維持できる。
さらに、部品点数の増加を抑えてコストアップを抑制できる。
【0021】
(3) 発進要素は、締結手段としてノーマリークローズタイプのロックアップクラッチ19を有するトルクコンバータであり、潤滑リリーフバルブ17とトルクコンバータとの間に、ロックアップ解放制御圧を供給すると共にトルクコンバータの内部を潤滑するCVTフルードを供給する第1供給路24aと、トルクコンバータの内部を潤滑するCVTフルードを供給する第2供給路24bとの間でトルクコンバータへのCVTフルードの供給路を切り替えるトルコンスイッチバルブ23を設けた。
これにより、ロックアップ締結状態であってもトルクコンバータの内部潤滑を確保できる。
【0022】
〔実施例2〕
図3は、実施例2のベルト式無段変速機(CVT)の油圧回路図である。
実施例2では、発進要素として湿式クラッチ26を用いた点で実施例1と異なる。
実施例2の湿式クラッチ26は、非制御時には図外のコイルスプリングによってクラッチ締結状態が維持され、クラッチ解放制御圧が供給される制御時にクラッチ解放状態となるノーマリークローズタイプ(常閉型)のクラッチ機構を有する。
【0023】
クラッチスイッチバルブ(CL.SW/V,第2の切り替え弁)27は、ソレノイドバルブ28からの指令信号に応じて、潤滑リリーフバルブ17から出力されたCVTフルードの供給回路を、第1供給路29aと第2供給路29bとで選択的に切り替える。
ソレノイドバルブ(SOL/V)28は、CVTコントロールユニットから出力される制御信号に基づいてクラッチスイッチバルブ27へ出力する指令信号を切り替える。
CVTコントロールユニットは、車両の発進時には第1供給路29aが選択され、それ以外の場合は第2供給路29bが選択されるよう、ソレノイドバルブ28に出力する制御信号を生成する。
第1供給路29aは、クラッチ機構の解放制御圧を供給すると共にクラッチ機構の内部を潤滑するCVTフルードを供給するための経路である。
第2供給路29bは、クラッチ機構を経由せずにドレーンするための経路である。
なお、他の構成は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0024】
次に、作用を説明する。
実施例2では、湿式クラッチ26のクラッチ機構をノーマリークローズタイプとしたことで、ノーマリーオープンタイプのロックアップクラッチにおいて締結側と解放側の差圧を制御するために必須の構成であるロックアップコントロールバルブが不要となり、部品点数の増加を抑えてコストアップを抑制できる。
【0025】
また、実施例2では、クラッチ機構へのCVTフルードの供給路を、発進時には第1供給路29aとし、それ以外の場合は第2供給路24bとするクラッチスイッチバルブ27を設けたため、クラッチ締結後はクラッチ機構に不要なCVTフルードが供給されるのを防止できる。また、潤滑回路18に過剰なCVTフルードが供給されるのを防止できるため、フリクションを小さくして燃費の悪化を抑制できる。
【0026】
次に、効果を説明する。
実施例2の自動変速機の油圧制御装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果を奏する。
(4) 発進要素は、締結手段としてノーマリークローズタイプのクラッチ機構を有する湿式クラッチ26であり、潤滑リリーフバルブ17と湿式クラッチとの間に、クラッチ解放制御圧を供給すると共にクラッチ機構の内部を潤滑するCVTフルードを供給する第1供給路29aと、クラッチ機構を経由せずにドレーンする第2供給路29bとの間でクラッチ機構への作動油の供給路を切り替えるクラッチスイッチバルブ27を設けた。
これにより、クラッチ締結後はクラッチ機構に不要なCVTフルードが供給されるのを防止できる。また、潤滑回路18に過剰なCVTフルードが供給されることでフリクションが増大するのを防止できる。
【0027】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、プレッシャレギュレータバルブからドレーンされたCVTフルードを潤滑回路または発進要素に供給する例を示したが、クラッチレギュレータバルブからドレーンされたCVTフルードを潤滑回路または発進要素に供給する構成としても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 プレッシャレギュレータバルブ
2 オイルポンプ
3 プライマリバルブ
4 プライマリプーリ
5,7 圧力センサ
6 セカンダリバルブ
8 セカンダリプーリ
9 クラッチレギュレータバルブ
10 セレクトコントロールバルブ
11 マニュアルバルブ
12 フォワードクラッチ
13 リバースブレーキ
14 プレッシャモディファイアバルブ
15 プライマリモディファイアバルブ
16 セカンダリモディファイアバルブ
17 潤滑リリーフバルブ(第1の切り替え弁)
17a スプール
17b,17d 油室
17c コイルスプリング
17e 入力ポート
17f 出力ポート
18 潤滑回路
18a,18b 油路
18c オイルクーラ
18d オイルフィルター
19 ロックアップクラッチ(締結手段)
20 パイロットバルブ
21 潤滑ソレノイド
22a 冷却・潤滑部
22b 潤滑部
23 トルコンスイッチバルブ(第2の切り替え弁)
24a,29a 第1供給路
24b,29b 第2供給路
25 ソレノイドバルブ
26 湿式クラッチ
27 クラッチスイッチバルブ(第2の切り替え弁)
28 ソレノイドバルブ
図1
図2
図3