(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で紹介された技術では、タンク内湯温が低下して高温給湯経路への出湯が停止されても、混合給湯経路からの出湯は可能である。しかしながら、高温給湯経路から給湯される湯と、混合給湯経路から給湯される湯との用途に鑑みれば、前者は後者に代替されにくい。食器洗い機などは高温給湯経路から給湯される湯が必要であり、また、単なる低温水との混合では温度低下は可能であっても、温度上昇はできないからである。他方、後者は単なる低温水で代替できる用途に供される場合が多い(例えば手洗いなど)。
【0006】
もちろん、食器洗い機に別途に加熱手段を設け、混合給湯経路から給湯される湯を当該加熱手段によって加熱し、以て食器洗い機への使用に供することも可能ではあろう。しかしながらかかる加熱手段による加熱は新たなエネルギーの消費を必要とする観点で望ましくない。かかる観点に鑑みれば、特許文献1で示された技術は、高温給湯経路に接続される給湯端末の洗浄能力自体は確保できたとしても、当該給湯端末の利用効率を確保できるものとは言い難い。
【0007】
特にヒートポンプを採用した貯湯式給湯器では、電気抵抗を利用した加熱よりもヒートポンプの方が加熱効率が高いので、ヒートポンプによって湯水を加熱することが望ましい。
【0008】
よって本願発明はヒートポンプを用いた給湯装置によって、高温の温水を必要とする設備、例えば食器洗浄機を利用する際、ヒートポンプ以外の熱源によって別途に加熱して当該装置へと給湯する必要性を低下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかる給湯装置は、ヒートポンプ(9)と、貯湯タンク(1)と、高温給湯経路(20)と、中温給湯経路(30,32,33)と、高温水バルブ(21)と、中温水バルブ(31)と、バルブコントローラ(4)とを備える。
【0010】
前記貯湯タンクは前記ヒートポンプによって加熱された温水を蓄える。前記高温給湯経路は、前記貯湯タンクに蓄えられた前記温水を前記温水の上部から取得して直接に給湯する。前記中温給湯経路は、前記貯湯タンクに蓄えられた前記温水を前記温水の上部から取得し、取得された当該温水を、前記貯湯タンクとは別個に取得される低温水と混合して給湯する。前記高温水バルブは前記高温給湯経路上に設けられ、前記中温水バルブは前記中温給湯経路上に設けられる。前記バルブコントローラはバルブ閉鎖処理(S2〜S5;S33,S23)を行う。
【0011】
この発明の第1の態様にかかる給湯装置において、前記バルブ閉鎖処理では、前記貯湯タンクに蓄えられた熱量が第1閾値よりも低下した場合に前記高温水バルブを開けたまま前記中温水バルブを閉じ、前記第1閾値よりも低い第2閾値よりも前記熱量が低下した場合に前記高温水バルブと前記中温水バルブの両方を閉じる。
【0012】
そして、前記バルブコントローラ(4)は、所定条件下(S6)で前記中温水バルブ及び前記高温水バルブを開くバルブ開放処理(S7)を更に行う。
【0013】
前記所定条件は、前記高温給湯経路からの給湯量が所定量以下であること(S6)である。
【0014】
この発明にかかる給湯装置の第4の態様において、前記バルブ閉鎖処理では、前記貯湯タンクの第1位置における前記温水の温度たる第1温度(Th1)が第1閾値(TC+α)以下である場合(S32)に前記中温水バルブを閉じ、前記貯湯タンクで前記第1位置と同じ、もしくは前記第1位置よりも高い第2位置における前記温水の温度たる第2温度(Th2)が前記第1閾値よりも低い第2閾値(TC)以下である場合に(S22)前記高温水バルブと前記中温水バルブの両方を閉じる。
【0015】
そして、前記バルブコントローラ(4)は、前記中温水バルブ(31)が閉じられた後、前記第1温度が前記第1閾値よりも高い第3閾値(TH+β)以上であること(S34)を条件として、前記中温水バルブを開く中温水バルブ開放処理(S31)を更に行う。
【0016】
そして、前記バルブコントローラ(4)は、前記高温水バルブ(21)が閉じられた後、前記第2温度が前記第1閾値よりも高く前記第3閾値よりも低い第4閾値(TH)以上であること(S24)を条件として、前記高温水バルブを開く高温水バルブ開放処理(S21)を更に行う。
【0017】
この発明にかかる給湯装置の第
3の態様は、その第
2の態
様であって、前記第1位置は、前記高温給湯経路からの給湯量が多いほど低く設定される。
この発明にかかる給湯装置の第4の態様において、前記バルブ閉鎖処理では、前記貯湯タンクの第1位置における前記温水の温度たる第1温度(Th1)が第1閾値(TC+α)以下である場合(S32)に前記中温水バルブを閉じ、前記貯湯タンクで前記第1位置と同じ、もしくは前記第1位置よりも高い第2位置における前記温水の温度たる第2温度(Th2)が前記第1閾値よりも低い第2閾値(TC)以下である場合に(S22)前記高温水バルブと前記中温水バルブの両方を閉じる。そして前記第1位置は、前記高温給湯経路からの給湯量が多いほど低く設定される。
【0018】
この発明にかかる給湯装置の第
5の態様は、その第
2乃至第
4の態様のいずれかであって、前記中温水バルブを閉じるときには前記加熱手段による加熱が実行される。
【0019】
この発明にかかる給湯装置の第
6の態様は、その第1乃至第
5の態様のいずれかであって、前記中温給湯経路は、第1経路(33)と、第2経路(32)と、接続部(34)とを有する。前記第1経路(33)は、前記貯湯タンクに蓄えられた前記温水を前記温水の上部から取得する。前記第2経路は前記低温水を取得する。前記接続部は前記第1経路と前記第2経路とを接続する。
【0020】
そして前記中温水バルブ(31)は前記接続部に対して下流側で前記中温給湯経路(30)上に設けられる。
【0021】
この発明にかかる給湯装置の第
7の態様は、その第
1の態
様であって、測温手段(5)と熱量計算手段(6)とを更に備える。
【0022】
前記測温手段は、前記貯湯タンクに蓄えられた前記温水の温度を測定する。前記熱量計算手段は、前記測温手段に基づいて前記熱量を計算する。
【発明の効果】
【0023】
この発明にかかる給湯装置の第1の態様によれば、貯湯タンクの熱量が低下しても、高温給湯経路の流量が低減する前に、中温給湯経路の流量が低減するので、高温給湯経路からの給湯が優先的に確保される。これは高温の温水を必要とする装置、例えば食器洗浄機の利用において、別途に加熱して当該装置へと給湯する必要性を低下させる。
【0024】
そして、一旦、バルブ閉鎖処理が行われても、貯湯タンクの熱量以外の条件によってバルブが再び開放される。それにより、高温の給湯、中温の給湯が可能となる。
【0025】
そして、貯湯タンクの熱量が低くても、高温給湯経路からの給湯量が低い場合、高温の温水を必要とする装置への給湯はもとより、中温給湯経路からの給湯も不足しない。よってこの場合にバルブ開放処理を行うことによって快適な給湯を得ることができる。
【0026】
この発明にかかる給湯装置の
第2の態様及び第4の態様によれば、貯湯タンクの温水の温度が低下しても、高温給湯経路の流量が低減する前に、中温給湯経路の流量が低減するので、高温給湯経路からの給湯が優先的に確保される。
【0027】
特に第2の態様によれば、一旦、バルブ閉鎖処理が行われても、貯湯タンク1内の温水の温度上昇に応答して、高温の給湯、中温の給湯が可能となる。
【0028】
この発明にかかる給湯装置の第
3の態様及び第4の態様によれば、温水の使用量に鑑みた湯切れの防止を行うことができる。
【0029】
この発明にかかる給湯装置の第
5の態様によれば、起動してから定格能力を出力する安定状態に達するまでに時間がかかるヒートポンプによる加熱を用いても、早期に貯湯タンクの熱量を確保することができる。
【0030】
この発明にかかる給湯装置の第
7の態様によれば、バルブ閉鎖処理を行うか否かの判断基準となる熱量が推定される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1はこの発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態にかかる給湯装置の構成を例示するブロック図である。図中、白抜き矢印は、湯(あるいは水)が流れる向きを示す。
【0033】
当該給湯装置は、貯湯タンク1と、高温給湯経路20と、中温給湯経路30とを備える。
【0034】
貯湯タンク1には往き配管11及び戻り配管12によってヒートポンプ9が接続される。往き配管11を経由して貯湯タンク1の下部の水が取得されてヒートポンプ9によって加熱され、戻り配管12を経由して貯湯タンク1の上部に供給される。つまり貯湯タンク1はヒートポンプ9によって加熱された温水が蓄えられている、と把握することができる。
【0035】
図2はヒートポンプ9の構成を例示するブロック図である。ヒートポンプ9は、熱交換器91、減圧機構92、蒸発器93、圧縮機94を有する冷媒サイクルを備えている。熱交換器91は冷凍サイクル側の配管(これは凝縮器として機能する)と、往き配管11及び戻り配管12と接続された配管とを有している。これら一対の配管同士の間で熱交換が行われることにより、貯湯タンク1に蓄えられる温水がヒートポンプ9によって加熱される。
【0036】
貯湯タンク1は密閉されるのでその上部における湯温が下部における湯温よりも高い。よって貯湯タンク1の上部はヒートポンプ9で加熱された湯温がほぼ維持され、貯湯タンク1内では上部から下部に向かう温度勾配が維持される。
【0037】
高温給湯経路20は、貯湯タンク1に蓄えられた温水を当該温水の上部から取得して直接に給湯する。高温給湯経路20上には高温水バルブ21が設けられる。高温給湯経路20上には高温水バルブ21よりも下流側に、高温の温水を必要とする装置、例えば食器洗浄機7が接続されている。よって高温水バルブ21を開けることによって、貯湯タンク1に蓄えられた温水のうち高温の部分が高温給湯経路20を経由して食器洗浄機7に供給される。また高温水バルブ21を閉じることによって、貯湯タンク1から食器洗浄機7への温水の供給が停止される。
【0038】
中温給湯経路30は、貯湯タンク1に蓄えられた温水の高温の部分と、貯湯タンク1とは別個に取得される低温水と混合して給湯する。
【0039】
第1経路33は、貯湯タンク1に蓄えられた温水を当該温水の上部から取得する。第2経路32は低温水を取得する。接続部34は第1経路33と第2経路32とを接続し、温水と低温水とを所望の割合で混合して中温給湯経路30へ与える。よって中温給湯経路30のみならず、第1経路33、第2経路32、接続部34をも含めて広義の中温給湯経路と把握することもできる。広義の中温給湯経路上には中温水バルブ31が設けられる。ここでは中温水バルブ31は広義の中温給湯経路のうち、接続部34に対して下流側、つまり中温給湯経路30上に設けられる。
【0040】
なお、接続部34には例えば混合弁を採用することで、上記の機能を果たすことができる。この混合弁の開度を変えることにより、所望の割合に応じることができるので、所望の、例えば不図示のリモートコントローラで設定される温度で中温給湯経路30から当該温度の湯を得ることができる。
【0041】
中温水バルブ31に対して貯湯タンク1とは反対側の(広義の)中温給湯経路上には、中温の温水を必要とする装置、例えば温水用蛇口8が接続されている。よって中温水バルブ31を開けることによって、貯湯タンク1に蓄えられた温水のうち高温の部分が低温水と混合して温水用蛇口8に供給される。また中温水バルブ31を閉じることによって、温水用蛇口8への温水の供給は停止される。
【0042】
第2経路32は外部から、例えば給水経路たる市水管10から低温水を得る。当該低温水は貯湯タンク1の下部にも低温水を供給し、貯湯タンク1内は湯水によって満水になっている。
【0043】
バルブコントローラ4は、後述するバルブ閉鎖処理や、バルブ開放処理を高温水バルブ21及び中温水バルブ31に対して行う。このような処理を行うことは、
図1においてバルブコントローラ4から高温水バルブ21及び中温水バルブ31に向かう破線矢印で示されている。
【0044】
また、バルブコントローラ4が、上述した接続部34の混合弁の開度の制御を行ってもよい。
【0045】
第1の実施の形態.
第1の実施の形態では、バルブ閉鎖処理、バルブ開放処理は貯湯タンク1内の熱量に基づいており、当該熱量は、貯湯タンクに蓄えられた温水の温度に基づいて、熱量計算手段6が計算する。バルブ閉鎖処理を行うか否かの判断基準となる熱量が推定されるのである。熱量計算手段6からバルブコントローラ4に向かう矢印は、上記の熱量についての情報が伝達されることを示している。
【0046】
当該温度は、貯湯タンク1に設けられた測温手段5によって測定される。例えば測温手段5は貯湯タンク1の側壁において高さを異ならせて配置された複数のサーミスタ50,51,52,…、5mである。サーミスタ50,51,52,…、5mはこの順に貯湯タンク1の下方へと配置される。サーミスタ50はサーミスタ51,52,…,5mのいずれよりも高い位置で貯湯タンク1に設けられ、具体的には例えば貯湯タンク1の最上部(いわゆる「缶体上」)に設けられる。
【0047】
測温手段5による温度測定や、熱量計算手段6による熱量計算は周知の技術によって容易に実現されるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
バルブコントローラ4によるバルブ閉鎖処理は、次の二つのステップを含む。まず第1に、貯湯タンク1に蓄えられた熱量が、第1閾値よりも低下した場合に高温水バルブ21を開けたまま中温水バルブ31を閉じる。そして貯湯タンク1に蓄えられた熱量が、第1閾値よりも低い第2閾値よりも熱量が低下した場合に、中温水バルブ31を閉じたまま高温水バルブも閉じる。
【0049】
このようなバルブ閉鎖処理により、高温給湯経路20からの給湯が優先的に確保される。これは高温の温水を必要とする装置、例えば食器洗浄機7の利用において、別途に加熱して当該装置へと給湯する必要性を低下させる点で望ましい。もちろん別途の加熱を採用しても良いが、その場合でも当該別途の加熱に要求されるエネルギー消費が低減される。
【0050】
バルブコントローラ4によるバルブ開放処理は、所定条件下では中温水バルブ及び高温水バルブを開く処理である。一旦、バルブ閉鎖処理が行われても、貯湯タンク1の熱量以外の条件によってバルブが再び開放される。それにより、高温の給湯、中温の給湯が可能となる。
【0051】
熱量計算手段6はバルブコントローラ4とともに、あるいは個別に構成される。当該構成の一例としてマイクロコンピュータと記憶装置を含んだ構成を選択することができる。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、熱量計算手段6及び/又はバルブコントローラ4はこれに限らず、実行する各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
【0052】
図3は、この発明の一実施の形態にかかる給湯装置の動作を例示するフローチャートである。当該フローチャートはその終了(図中「END」)後、改めて開始(図中「START」)から再実行される。
【0053】
まずステップS1において熱量算出処理が行われる。これは上述のように、測温手段5による温度測定に基づいて、熱量計算手段6が貯湯タンク1内の熱量を算出する処理である。
【0054】
次にステップS2において、当該熱量が第1閾値未満であるかどうかが判断される。貯湯タンク1における熱量が第1閾値以上であれば、高温給湯経路20から食器洗浄機7へと温水を供給しても、貯湯タンク1において上部の温水が消費し尽くされる、いわゆる湯切れが発生しそうにはないと判断されるのである。従って、ステップS2の判断結果が否定的である場合にはステップS7へと処理が進み、高温水バルブ21、中温水バルブ31のいずれもが開放される。
【0055】
他方、ステップS2において、貯湯タンク1における熱量が第1閾値未満であるとの肯定的判断がなされれば、ステップS3へと処理が進み、中温水バルブ31が閉鎖される。つまりステップS3は上述のバルブ閉鎖処理の一部である。このように温水用蛇口8への温水の供給を止めてでも、高温給湯経路20から食器洗浄機7への(高温の)温水を供給し続けることにより、別個の加熱手段を用いることなく食器洗浄機7の利用効率が高められる。
【0056】
この際、ステップS3においては、ヒートポンプ9による加熱処理が実行されることが望ましい。ヒートポンプ9は、起動してから定格能力を出力する安定状態に達するまでに時間がかかる。このため、中温水バルブ31と高温水バルブ21の両方を閉じてからヒートポンプ9による加熱を開始するよりも、中温水バルブ31が閉じられた時点で当該加熱を開始することが、早期に貯湯タンク1の熱量を確保する観点で望ましい。更に言えば、中温水バルブ31と高温水バルブ21の両方が閉じているということは全く湯水が使えない状態であるので、そのようになる前に熱量を確保する(加熱を開始する)ことが望ましい。
【0057】
ステップS3におけるバルブ閉鎖処理が行われた後、ステップS4へと処理が進み、当該熱量が第2閾値未満であるかどうかが判断される。ステップS4の判断結果が否定的であれば、中温給湯経路30から温水用蛇口8へと温水を供給しても、貯湯タンク1において上部の温水が消費し尽くされる、いわゆる湯切れが発生しそうにはないと推測し、ステップS1へと処理が戻り、再び熱量を考慮したバルブ閉鎖処理の要否が検討される。上述のように当該フローチャートは繰り返し実行されることに鑑みれば、ステップS4の判断結果が否定的である場合には当該フローチャートに則った処理が一旦修了しても良い。
【0058】
例えば、一旦ステップS2において肯定的判断結果が得られてステップS3において進み、中温水バルブ31が閉鎖された場合を考える。このとき、上述のようにヒートポンプ9による加熱処理が伴えば、ステップS4において否定的判断結果が得られてステップS1が再度実行される時点では、熱量が増大してステップS2における判断結果は否定的(熱量が第1閾値以上)になるかもしれない。この場合、ステップS7へと処理が進み、閉じられていた中温水バルブ31が開放される。
【0059】
ステップS4の判断結果が肯定的である場合にはステップS5へ進み、高温水バルブ21も閉じられる。これにより、特許文献1に記載された技術と類似して、食器洗浄機7の洗浄能力が確保されることになる。
【0060】
但し、所定条件下においては高温水バルブ21を開いてもよい場合がある。そのような場合にはステップS7に処理を進め、高温水バルブ21を開き、あるいは更に中温水バルブ31をも開いても良い。
図3に例示されたフローチャートでは、当該所定条件の他の例として、「所定期間にわたって高温の温水を使用した」ことを挙げている。ステップS6においてかかる使用の有無が判断され、使用した場合(肯定的判断結果「Y」)には湯切れの懸念が解消されないので、処理が一旦終了する(あるいはステップS1へと処理が戻る)。
【0061】
ステップS6において否定的な判断結果(「N」)が得られれば、湯切れの懸念がないと判断してステップS7に処理が進む。
【0062】
このように高温給湯経路20からの給湯量が所定量以下であれば、貯湯タンク1の熱量が低くても、高温の温水を必要とする食器洗浄機7への給湯はもとより、中温給湯経路30からの給湯も不足しない。よってこの場合にバルブ開放処理を行うことによって快適な給湯を得ることができる。
【0063】
第2の実施の形態.
食器洗浄機7に対して高温の温水を供給する観点からは、貯湯タンク1の上部において温水の温度は高い方が望ましい。そこで、当該実施の形態では、貯湯タンク1における各部の温度を判断基準として中温水バルブ31と高温水バルブ21の閉鎖及び開放を行う技術を提示する。なお食器洗浄機7に加熱手段が設けられている場合、当該加熱手段におけるエネルギーの消費軽減を目指すべきであり、この観点からは、貯湯タンク1における各部の温度よりも、ステップS2、S4における判断基準とした貯湯タンク1における熱量を、バルブ閉鎖処理の判断基準として採用することがより望ましい。
【0064】
図4及び
図5は、第1位置設定制御についての異なる動作を示すフローチャートである。これらにおいて第1位置は第2位置と同じ、もしくは第2位置よりも低い位置に設定される。換言すれば第2位置は第1位置と同じ、もしくは第1位置よりも高い。例えば第2位置として貯湯タンク1の最上部を設定する。よって第2位置における温度はサーミスタ50が測定する温水の温度であり、これを第2温度Th2とする。また、第1位置における温度を第1温度Th1とする。
【0065】
貯湯タンク1において温水は、上方から下方に向かって低下する温度勾配を有するので、Th1≦Th2の関係がある。
【0066】
温度Th1は、第1位置がどこに設定されるかにより、サーミスタ50,51,52,…,5mのどれによって測定されるかが異なる。
【0067】
図4及び
図5において、第1位置設定制御についてのフローチャートにおいて、ステップS11ではユーザによって高温水確保の設定の有無が確認される。当該設定は高温水として要望する湯水の量を、ユーザが行う設定である。そのようなユーザによる設定がなければ、ステップS11の判断結果は否定的であり、処理はステップS13(
図4に示された動作の場合)あるいはステップS12(
図5に示された動作の場合)に進む。
【0068】
ステップS13では、湯切れを回避するために第1位置は第2位置よりも低い所定位置に設定される。これにより温水の使用量に鑑みた、湯切れの防止を行うことができる。例えば第1位置は、貯湯タンク1の容積が460Lであれば、貯湯タンク1の上方から150Lの容積を得る位置に設定される。もちろん、温度Th1を測定すべく、第1位置はサーミスタ51,52,…,5mのいずれかから予め選定されたものの位置に設定される。
【0069】
ステップS12では、第1実施の形態のステップS6と類似して、所定期間にわたって使用された高温の温水の量に応じて第1位置が設定される。当該温水の量が多いほど、湯切れの可能性が高い。よって処理がステップS13へと進み、当該温水の量が多いほど第1位置は低く設定されることになる。極端な例として、所定期間にわたって高温の温水を使用しなかった場合には、湯切れの可能性が低い。この場合には第1位置を第2位置に設定してもよい。つまり温度Th1は温度Th2と等しくなる。
【0070】
ステップS11の判断結果が肯定的であれば、ユーザが高温水として要望する湯水の量の設定を行う。即ち、処理はステップS15へ進み、ユーザが第1位置を設定する。具体的にはサーミスタ50,51,52,…,5mの内の一つを、温度Th1を測定するものとして特定する。第1位置は第2位置と同じ場所に設定することができる。これは第2位置が貯湯タンク1の最上部よりも低い場合に、例えばサーミスタ51が設けられる位置を第2位置とする場合にあり得る設定である。
【0071】
このように第2位置は必ずしも貯湯タンク1の最上部に設定する必要はない。しかし、実際上、高温の温水の確保の有無に従ってバルブの制御を行うには、第2位置は貯湯タンク1の最上部に設定する。以下、第2位置はかかる位置にあるとして説明を行う。
【0072】
図6は高温水バルブ21を制御する処理を示すフローチャートであり、
図7は中温水バルブ31を制御する処理を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS21では高温水バルブ21を開き、ステップS31では中温水バルブ31を開く。ステップS22では第2温度Th2が閾値TC以下であるか否かが判断される。ステップS22の判断結果が肯定的であれば、処理はステップS23に進み、高温水バルブ21が閉鎖される。当該判断結果が否定的であればステップS21、S22の処理が繰り返される。ステップS32では第1温度Th1が閾値TC+α(α>0)以下であるか否かが判断される。ステップS32の判断結果が肯定的であれば、処理はステップS33に進み、中温水バルブ31が閉鎖される。当該判断結果が否定的であればステップS31、S32の処理が繰り返される。ここで例えばTC=45℃であり、α=1℃である。
【0074】
上述のように、Th1≦Th2の関係があるので、Th1>TC+αであればTh2>TCであり、ステップS22,S32の判断結果はいずれも否定的となり、中温水バルブ31も高温水バルブ21も開放されたままである。
【0075】
もしステップS22の判断結果が否定的であり、Th2>TCであっても、TC+α>Th2>TC≧Th1となる場合がある。この場合には、第2位置に対応する位置における位置までは温度TCより高い温水は確保されているが、第1位置に対応する位置までは温度TCより温度が高い温水は確保されていない可能性がある。この場合、ステップS32の判断結果は肯定的となり、高温水バルブ21は閉じられず、中温水バルブ31が閉じられる。
【0076】
上述のように貯湯タンク1の温水は上方から消費されるので、中温水バルブ31が閉じられる時点では、必ず高温水バルブ21は開放されている。
【0077】
更に貯湯タンク1の温水が消費されると、第2温度Th2も低下し、Th2≦TCとなれば、TC+α>TC≧Th2≧Th1が成立するので、ステップS22、S32のいずれの判断も肯定的となり、ステップS23、33によって高温水バルブ21及び中温水バルブ31のいずれも閉じられる。
【0078】
このようにして、貯湯タンク1の温水が消費されるにつれ、高温水バルブ21が閉じられるよりも前に中温水バルブ31が閉じられる。よって貯湯タンク1が格納する温水の温度が低下しても、高温給湯経路20の流量が低減する前に、中温給湯経路30の流量が低減するので、高温給湯経路20からの給湯が優先的に確保される。
【0079】
中温水バルブ31が閉じられた後、ステップS34が実行され、第1温度Th1がTH+β(>TC+α:TH>TC)以上であるか否かが判断される。当該判断結果が肯定的であれば、ステップS31へと処理が戻り、中温水バルブ31を開く。当該判断結果が否定的であれば、ステップS33,S34が繰り返し実行される。
【0080】
高温水バルブ21が閉じられた後、ステップS24が実行され、第2温度Th2がTC以上であるか否かが判断される。当該判断結果が肯定的であれば、ステップS21へと処理が戻り、高温水バルブ21を開く。当該判断結果が否定的であれば、ステップS23,S24が繰り返し実行される。
【0081】
TH=TCとせず、TH>TCとすることにより、高温水バルブ21及び中温水バルブ31の閉鎖/開放についてのハンチングの発生を抑制できる。例えばTH=49℃、β=1℃である。
【0082】
このようなステップS24,S21及びステップS34,S31の処理により、一旦、バルブ閉鎖処理が行われても、貯湯タンク1内の温水の温度上昇に応答して、高温の給湯、中温の給湯が可能となる。
【0083】
但し、ステップS12において第1の位置を第2の位置に設定し、第2位置が貯湯タンク1の最上部に選定されている場合、上記のステップS32において例外的にα=0と設定することができる。これにより高温の温水の確保の為の、バルブの閉鎖/開放の処理が実質的に無効化されることになる。
【0084】
なお、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、中温水バルブ31を閉じるときにはヒートポンプ9による加熱を実行することが望ましい。