(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変位許容部が、前記フレーム脚部における前記装置幅方向の中間部に形成され、該フレーム脚部における前記装置幅方向の端部よりも断面積が小さくされた小断面部である、
請求項1に記載の電子装置。
前記一対のヒンジ軸部の各々が、前記一対のフレームサイド部の前記一端部から前記装置幅方向の外側へ延出すると共に、該フレームサイド部に対する前記装置幅方向の外側で前記ブラケットに支持され、
前記係止部が、前記ヒンジ軸部と反対側から前記滑り止め用弾性体に着脱可能に係止され、
前記変位許容部が、前記フレーム脚部の前記ヒンジ軸部側への変位を許容する、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電子装置。
前記収納位置に位置する前記スタンドフレームの前記変位許容部に対して前記ヒンジ軸部側又は該ヒンジ軸部と反対側に配置されると共に、該変位許容部に対して接離可能に前記装置本体の前記背面側に支持され、前記変位許容部側へ操作力が加えられることにより該変位許容部を前記係止部と反対側へ押圧する押圧部を備えた、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電子装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本願が開示する電子装置の実施例について説明する。なお、各図において適宜示される矢印Wは、電子装置の幅方向(装置幅方向)を示している。また、矢印Hは、電子装置の上下方向(装置上下方向)を示している。さらに、矢印Tは、電子装置の厚さ方向(装置厚さ方向、装置前後方向)を示している。
【0014】
図1に示されるように、第1実施例に係る電子装置10は、装置厚さ方向(矢印T方向)から見て全体として矩形状に形成された薄型の装置本体12を有している。装置本体12は、タッチパネル14と、タッチパネル14を収納する筐体16とを有している。タッチパネル14の前面は、画像や映像等を表示する表示部の一例としての表示面14Aとされている。この表示面14Aは、利用者の指や専用のペン先が触れた位置を検出する入力装置としても機能する。
【0015】
筐体16は、タッチパネル14の表示面14Aの外周部を覆うフロントカバー18と、タッチパネル14の背面を覆うバックカバー20とを有している。装置本体12の前面側を構成するフロントカバー18は枠状に形成されており、その内側からタッチパネル14の表示面14Aが露出している。なお、表示部は、タッチパネル14の表示面14Aに限らず、画像等を表示する表示パネルの表示面であっても良い。
【0016】
図2に示されるように、装置本体12の背面側を構成するバックカバー20には、スタンドフレーム40が設けられている。スタンドフレーム40は、装置本体12が設置される机等の設置面22に対してバックカバー20を支持し、設置面22に対して表示面14Aを所定の傾斜角度で保持可能に構成されている。
【0017】
図3に示されるように、スタンドフレーム40は、一対のブラケット50を介してバックカバー20に取り付けられている。具体的には、バックカバー20の中央部には、一対のブラケット50を収納するブラケット収納部24が形成されている。このブラケット収納部24は、バックカバー20を背面20A側から見て装置幅方向(矢印W方向)を長手方向とした長方形状に形成されており、バックカバー20の背面20Aに対してフロントカバー18(
図2参照)側へ凹んでいる。このブラケット収納部24の装置幅方向の両側に、一対のブラケット50が収納されている。なお、ブラケット収納部24には、
図2に示されるように、一対のブラケット50を覆うブラケットカバー26が取り付けられる。また、一対のブラケット50は、装置幅方向の中央部に対して線対称に構成されている。
【0018】
図4に示されるように、ブラケット50は、バックカバー20を背面20A側から見て、全体として装置幅方向を長手方向とした長方形状に形成されている。このブラケット50は、ブラケット本体52と、ブラケット本体52の下部に設けられたヒンジベース62とを有している。
【0019】
ブラケット本体52は平板状に形成されており、ブラケット収納部24の底壁部24Aに重ねられている。このブラケット50の下部には、装置幅方向を軸方向とした筒状のヒンジベース62が一体に設けられている。ヒンジベース62は、後述するヒンジ軸部42と共にヒンジ部64を構成しており、内部に挿入されたヒンジ軸部42を回動可能に支持している。また、ヒンジベース62は、ヒンジ軸部42の外周面との間に発生する摩擦力によって、ヒンジ軸部42を所定の回動角度で保持可能に構成されている。このヒンジベース62によってヒンジ軸部42を所定の回動角度で保持することにより、バックカバー20に対してスタンドフレーム40が所定の傾斜角度で保持される。
【0020】
ブラケット本体52の上部における装置幅方向の外側には、当該ブラケット本体52を板厚方向に貫通する軸孔54が形成されている。この軸孔54を介してブラケット収納部24に形成された図示しないボス部に段付きビス56(
図3参照)を装置厚さ方向に捻じ込むことにより、ブラケット本体52がバックカバー20に段付きビス56の段部56Aを回転軸として回動可能に取り付けられている。つまり、ブラケット50は、装置厚さ方向に延びる回転軸の一例としての段付きビス56の段部56Aを中心として、バックカバー20に回動可能に取り付けられている。この段付きビス56は、後述するフレームサイド部44に対して装置幅方向の外側に離間した位置に配置されている。
【0021】
一方、ブラケット本体52の上部における装置幅方向の内側(バックカバー20の中央部側)には、当該ブラケット本体52を板厚方向に貫通すると共に、装置上下方向(矢印H方向)に延びる長孔58が形成されている。この長孔58を介してブラケット収納部24に形成された図示しないボス部に段付きビス60(
図3参照)が捻じ込まれている。段付きビス60の段部60Aは、長孔58に当該長孔58に沿ってスライド可能に挿入されている。この段部60Aが長孔58の上縁部58U又は下縁部58Lと当接することにより、段付きビス56の段部56Aを中心としたブラケット本体52の回動が規制されるように構成されている。つまり、長孔58及び段付きビス60は、段付きビス56の段部56Aを中心としたブラケット50の回動を規制するストッパ部として機能する。
【0022】
なお、初期状態では、長孔58における下縁部58L側に段付きビス60の段部60Aが位置している。これにより、収納位置に位置するスタンドフレーム40が下方へ変位する方向(矢印J方向)のブラケット50の回動が許容されている。
【0023】
図3に示されるように、スタンドフレーム40は、断面円形状の金属製の線材で形成されており、一対のヒンジ軸部42と、一対のフレームサイド部44と、フレーム脚部46とを有している。一対のヒンジ軸部42は、装置幅方向にそれぞれ延びると共に互いに同軸上に配置されている。これらのヒンジ軸部42は、前述したヒンジベース62に回動可能に支持されている。これにより、スタンドフレーム40が、一対のヒンジ軸部42を中心として、バックカバー20に形成されたフレーム収納部28に収納される収納位置と、設置面22に対してバックカバー20を支持する展開位置との間を回動可能に構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、スタンドフレーム40が収納位置に位置した状態(
図3に示す状態)の上下方向をスタンドフレーム40の上下方向として説明する。
【0024】
一対のフレームサイド部44及びフレーム脚部46は、全体として下方が開放されたU字形状に形成されており、収納位置においてバックカバー20に収納されている。具体的には、バックカバー20におけるブラケット収納部24の上方には、フレーム収納部28が形成されている。このフレーム収納部28は、一対のフレームサイド部44及びフレーム脚部46に沿って延びる溝とされており、一対のフレームサイド部44がそれぞれ収納される一対のサイド収納部30と、フレーム脚部46が収納される脚収納部32とを有している。一対のサイド収納部30の下端部は、ブラケット収納部24にそれぞれ接続されており、一対のフレームサイド部44がサイド収納部30とブラケット収納部24とに亘って収納されている。
【0025】
一対のフレームサイド部44は、スタンドフレーム40の側部を構成しており、装置幅方向に互いに離間して配置されると共に一対のヒンジ軸部42の径方向にそれぞれ延びている。各フレームサイド部44の一端部(下端部)44Lは、ヒンジ軸部42の装置幅方向の内側の端部42Aに接続され、当該端部42Aに支持されている。換言すると、一対のヒンジ軸部42は、一対のフレームサイド部44の一端部44Lの各々から装置幅方向の外側へ延出している。
【0026】
図5に示されるように、フレーム脚部46は、スタンドフレーム40の脚部を構成しており、装置幅方向に延びると共に、一対のフレームサイド部44の他端部(上端部)44Uを装置幅方向に連結している。このフレーム脚部46の装置幅方向の中間部46Aには、滑り止め用弾性体の一例としての滑り止め用ゴム70が取り付けられている。なお、
図5では、滑り止め用ゴム70の外形が二点鎖線で示されている。
【0027】
滑り止め用ゴム70は摩擦係数が大きい筒状のゴムで形成されており、フレーム脚部46の外面(外周面)46Sを被覆している。この滑り止め用ゴム70は、スタンドフレーム40が展開位置に位置したときに、設置面22(
図2参照)に接触し、設置面22に対するフレーム脚部46の滑りを抑制する滑り止めとして機能する。
【0028】
また、滑り止め用ゴム70は、収納位置に位置した状態で、即ちバックカバー20に形成された脚収納部32に収納された状態で、脚収納部32の上縁部32Uに設けられた一対の係止部の一例としての一対の爪部34に着脱可能に係止されている。これらの爪部34は、装置幅方向に互いに離間して配置されている。
【0029】
図6に示されるように、各爪部34は、脚収納部32の上縁部32Uから下方へ突出し、滑り止め用ゴム70の上端部70Uに対してスタンドフレーム40の展開方向側(矢印P1方向側)に配置されると共に、当該上端部70Uに着脱可能に係止されている。つまり、一対の爪部34は、滑り止め用ゴム70の上端部70Uに対して、ヒンジ軸部42と反対側から着脱可能に係止されている。これにより、滑り止め用ゴム70及びスタンドフレーム40が、フレーム収納部28に収納された状態で保持されるように構成されている。
【0030】
図5に示されるように、脚収納部32における一対の爪部34の間には、滑り止め用ゴム70の上方(ヒンジ軸部42と反対側)を開放する開放凹部36が形成されている。この開放凹部36を介して利用者が滑り止め用ゴム70に指等を引っ掛け、フレーム脚部46を一対の爪部34と反対側へ撓ませることにより、一対の爪部34から滑り止め用ゴム70が外れるように構成されている。
【0031】
ここで、
図5及び
図7に示されるように、フレーム脚部46における装置幅方向の中間部46Aには、変位許容部の一例としての小断面部48が形成されている。小断面部48は、フレーム脚部46における一対の爪部34と反対側(ヒンジ軸部42側)を切り欠いて形成されており、その断面積がフレーム脚部46の装置幅方向の端部46Bの断面積よりも小さくなっている。
【0032】
より具体的には、小断面部48の断面積は、装置幅方向の外側から中央部に向うに従って小さくなっており、装置幅方向の中央部において最小になっている。この小断面部48によって、フレーム脚部46が一対の爪部34と反対側へ撓み易くなっている。つまり、小断面部48によって、フレーム脚部46の一対の爪部34と反対側への変位が許容されている。
【0033】
また、
図6に示されるように、小断面部48における一対の爪部34と反対側には、当該爪部34と反対側を向く切欠き面48Fが形成されている。この切欠き面48Fは、断面視(横断面視)にて装置厚さ方向に延びると共に、バックカバー20の背面20A側から見て上方に凸を成すように湾曲している。この切欠き面48Fによって、小断面部48の回動方向の強度の低下が低減されている。
【0034】
次に、第1実施例の作用について説明する。
【0035】
図5に示されるように、脚収納部32の上縁部32Uには、一対の爪部34が設けられている。これらの爪部34には、スタンドフレーム40が収納位置に位置したときに、即ちフレーム脚部46が脚収納部32に収納されたときに、フレーム脚部46の外面46Sを被覆する滑り止め用ゴム70の上端部70Uが係止される。これにより、フレーム脚部46の展開方向の回動が規制され、スタンドフレーム40がフレーム収納部28に収納された状態で保持される。
【0036】
この状態で、脚収納部32の上方に形成された開放凹部36から利用者が滑り止め用ゴム70に指等を引っ掛け、フレーム脚部46を一対の爪部34と反対側へ撓ませる。これにより、
図6に二点鎖線で示されるように、滑り止め用ゴム70が一対の爪部34と反対側へ変位し、一対の爪部34の各々から滑り止め用ゴム70が外れる。この結果、スタンドフレーム40が展開方向へ回動可能になる。
【0037】
ここで、フレーム脚部46の装置幅方向の中間部46Aには、小断面部48が形成されている。この小断面部48は、フレーム脚部46の装置幅方向の端部46Bよりも断面積が小さくされている。これにより、小断面部48が一対の爪部34と反対側へ撓み易くなっている。したがって、一対の爪部34から滑り止め用ゴム70が外れ易くなる。
【0038】
また、
図4に示されるように、一対のブラケット50は、バックカバー20に対し、一対のフレームサイド部44の装置幅方向の外側に配置された段付きビス56を中心として回動可能に取り付けられている。そのため、
図8に二点鎖線で示されるように、小断面部48を一対の爪部34と反対側へ撓ませると、一対のブラケット50がバックカバー20に対して以下のように回動する。即ち、一対のフレームサイド部44の他端部44U同士が互いに接近するように、一対のブラケット50がバックカバー20に対して段付きビス56の段部56Aを中心として矢印J方向へ回動する。これにより、一対のブラケット50がバックカバー20に対して回動しない場合と比較して、滑り止め用ゴム70の一対の爪部34と反対側への変位量が大きくなる。したがって、一対の爪部34から滑り止め用ゴム70がさらに外れ易くなる。
【0039】
一方、スタンドフレーム40をフレーム収納部28に収納するときには、一対のヒンジ軸部42を中心としてスタンドフレーム40を収納方向(矢印P2方向)へ回動させ、一対の爪部34に対して滑り止め用ゴム70を押し付ける。このとき、
図6に二点鎖線で示されるように、小断面部48が一対の爪部34と反対側へ撓み、滑り止め用ゴム70が一対の爪部34と反対側へ変位する。
【0040】
また、小断面部48の撓みに伴って、
図8に二点鎖線で示されるように、一対のフレームサイド部44の他端部44U同士が互いに接近するように、各ブラケット50がバックカバー20に対して段付きビス56の段部56Aを中心として矢印J方向へ回動する。これにより、滑り止め用ゴム70が一対の爪部34と反対側へさらに変位する。この結果、
図6に実線で示されるように、滑り止め用ゴム70が一対の爪部34の下方(ヒンジ軸部42側)を通過して脚収納部32に収納されると共に、滑り止め用ゴム70の上端部70Uに一対の爪部34が係止される。
【0041】
このように本実施例では、一対の爪部34に対して滑り止め用ゴム70を着脱するときに、滑り止め用ゴム70が一対の爪部34と反対側へ変位するため、一対の爪部34によって滑り止め用ゴム70が削られることが抑制される。したがって、滑り止め用ゴム70の破損が抑制される。
【0042】
また、本実施例では、一対のフレームサイド部44の他端部44U同士が互いに接近するように、一対のブラケット50がバックカバー20に対してそれぞれ回動する。これにより、一対のブラケット50の各々がバックカバー20に対して回動しない構成と比較して、一対のフレームサイド部44の強度を下げずに、滑り止め用ゴム70の爪部34と反対側への変位量を大きくすることができる。つまり、本実施例では、設置面22に対してバックカバー20を支持する一対のフレームサイド部44の支持強度の低下を抑制しつつ、滑り止め用ゴム70の破損を抑制することができる。
【0043】
また、小断面部48における爪部34と反対側には、当該爪部34と反対側を向く切欠き面48Fが形成されている。この切欠き面48Fによって、小断面部48の回動方向の剛性の低下が低減される。つまり、本実施例では、小断面部48の爪部34と反対側への変位を許容しつつ、小断面部48の回動方向の剛性の低下を低減することができる。したがって、スタンドフレーム40を回動させるときに、フレーム脚部46の破損等を抑制することができる。
【0044】
さらに、小断面部48は、フレーム脚部46における爪部34と反対側、即ち展開位置において設置面22と反対側を切り欠いて形成されている。これにより、展開位置において、小断面部48を被覆する滑り止め用ゴム70が設置面22に密着し易くなる。したがって、設置面22に対するフレーム脚部46の滑りを効率的に抑制することができる。
【0045】
次に、第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同じ構成のものは同符号を付すると共に、適宜説明を省略する。
【0046】
図9に示されるように、第2実施例に係る電子装置80では、スタンドフレーム82が、一対のフレームサイド部44の装置幅方向の内側に配置された一対のブラケット90を介してバックカバー20に取り付けられている。このスタンドフレーム82は、収納位置に位置するフレーム脚部46を上方へ引き上げることにより、一対の爪部102から滑り止め用ゴム70が外れるように構成されている。
【0047】
具体的には、スタンドフレーム82は、一対のヒンジ軸部84と、一対のフレームサイド部44と、フレーム脚部46とを有している。一対のヒンジ軸部84は、一対のフレームサイド部44の一端部(下端部)44Lから装置幅方向の内側へ延出している。これら一対のヒンジ軸部84は、装置幅方向に延びると共に、互いに同軸上に配置されている。
【0048】
各ヒンジ軸部84は、フレームサイド部44の装置幅方向の内側に配置されたブラケット90のヒンジベース62に回動可能に支持されている。これにより、スタンドフレーム82が、一対のヒンジ軸部84を中心として、バックカバー20に形成されたフレーム収納部28に収納される収納位置と、設置面22(
図2参照)に対してバックカバー20を支持する展開位置との間を回動可能に構成されている。また、ヒンジ軸部84は、ヒンジベース62と共にヒンジ部86を構成している。
【0049】
一対のブラケット90は、ブラケット本体92とヒンジベース62とを有し、バックカバー20に形成されたブラケット収納部88の装置幅方向の両側に収納されている。また、一対のブラケット90は、装置幅方向の中央部に対して線対称に構成されている。
【0050】
図10に示されるように、ブラケット本体92の上部における装置幅方向の内側には、当該ブラケット本体92を板厚方向に貫通する軸孔94が形成されている。この軸孔94を介してブラケット収納部88に形成された図示しないボス部に段付きビス96(
図9参照)を装置厚さ方向に捻じ込むことにより、ブラケット本体92がバックカバー20に段付きビス96の段部96Aを回転軸として回動可能に取り付けられている。つまり、ブラケット90は、装置厚さ方向に延びる回転軸の一例としての段付きビス96の段部96Aを中心として、バックカバー20に回動可能に取り付けられている。この段付きビス96は、フレームサイド部44に対して装置幅方向の内側(中央部側)に離間した位置に配置されている。
【0051】
一方、ブラケット本体92の上部における装置幅方向の外側には、当該ブラケット本体92を板厚方向に貫通すると共に、装置上下方向(矢印H方向)に延びる長孔98が形成されている。この長孔98を介してブラケット収納部88に形成された図示しないボス部に段付きビス100(
図9参照)が捻じ込まれている。段付きビス100の段部100Aは、長孔98に当該長孔98に沿ってスライド可能に挿入されている。この段部100Aが長孔98の上縁部98U又は下縁部98Lと当接することにより、段付きビス96の段部96Aを中心としたブラケット本体92の回動が規制されるように構成されている。つまり、長孔98及び段付きビス100は、段付きビス96の段部96Aを中心としたブラケット90の回動を規制するストッパ部として機能する。
【0052】
なお、初期状態では、長孔98における上縁部98U側に段付きビス100の段部100Aが位置している。これにより、収納位置に位置するスタンドフレーム82が上方へ変位する方向(矢印K方向)のブラケット90の回動が許容されている。
【0053】
図11に示されるように、脚収納部32の下縁部32Lには、一対の係止部の一例としての一対の爪部102が設けられている。これらの爪部102は、装置幅方向に互いに離間して配置されている。各爪部102は、脚収納部32の下縁部32Lから上方へ突出し、滑り止め用ゴム70の下端部70Lに対してスタンドフレーム82の展開方向側に配置されると共に、当該下端部70Lに着脱可能に係止されている。つまり、一対の爪部102は、滑り止め用ゴム70の下端部70Lに対してヒンジ軸部84側から着脱可能に係止されている。これにより、滑り止め用ゴム70及びスタンドフレーム82がフレーム収納部28に収納された状態で保持されるように構成されている。
【0054】
また、脚収納部32における一対の爪部102の間には、滑り止め用ゴム70の下方(ヒンジ軸部84側)を開放する開放凹部104が形成されている。この開放凹部104を介して利用者が滑り止め用ゴム70に指等を引っ掛けて引き上げ、フレーム脚部46を一対の爪部102と反対側へ撓ませることにより、一対の爪部102の各々から滑り止め用ゴム70が外れるように構成されている。
【0055】
ここで、フレーム脚部46における装置幅方向の中間部46Aには、変位許容部の一例としての小断面部106が形成されている。小断面部106は、断面視(横断面視)にてフレーム脚部46における爪部102と反対側を切り欠いて形成されており、その断面積がフレーム脚部46の装置幅方向の端部46Bの断面積よりも小さくなっている。
【0056】
また、小断面部106における爪部102と反対側には、当該爪部102と反対側を向く切欠き面106Fが形成されている。この切欠き面106Fは、装置厚さ方向に延びると共に、バックカバー20の背面20A側から見て下方に凸を成すように湾曲している。この切欠き面48Fによって、小断面部106の回動方向の強度の低下が低減されている。
【0057】
次に、第2実施例の作用について説明する。
【0058】
図11に示されるように、脚収納部32の下縁部32Lには、一対の爪部102が形成されている。これらの爪部102には、スタンドフレーム82が収納位置に位置したときに、即ちフレーム脚部46が脚収納部32に収納されたときに、フレーム脚部46の外面46Sを被覆する滑り止め用ゴム70の下端部70Lが係止される。これにより、フレーム脚部46の展開方向の回動が規制され、スタンドフレーム82がフレーム収納部28に収納された状態で保持される。
【0059】
この状態で、脚収納部32の下方に形成された開放凹部104から利用者が滑り止め用ゴム70に指等を引っ掛けて上方へ引き上げ、フレーム脚部46を爪部102と反対側へ撓ませる。これにより、滑り止め用ゴム70が一対の爪部102と反対側へ変位し、一対の爪部102の各々から滑り止め用ゴム70が外れる。この結果、フレーム脚部46が展開方向へ回動可能になる。
【0060】
ここで、フレーム脚部46の装置幅方向の中間部46Aには、小断面部106が形成されている。この小断面部106は、フレーム脚部46の装置幅方向の端部46Bよりも断面積が小さくされている。これにより、小断面部106が一対の爪部102と反対側へ撓み易くなっている。したがって、一対の爪部102の各々から滑り止め用ゴム70が外れ易くなる。
【0061】
また、一対のブラケット90は、バックカバー20に対し、一対のフレームサイド部44の装置幅方向の内側に配置された段付きビス96を中心として回動可能に取り付けられている。そのため、
図12に二点鎖線で示されるように、小断面部106を爪部102と反対側へ撓ませると、一対のブラケット90がバックカバー20に対して以下のように回動する。即ち、一対のフレームサイド部44の他端部44U同士が互いに接近するように、一対のブラケット90が段付きビス96の段部96Aを中心として矢印K方向へ回動する。これにより、一対のブラケット90がバックカバー20に対して回動しない場合と比較して、滑り止め用ゴム70の爪部102と反対側へ変位量が大きくなる。したがって、一対の爪部102の各々から滑り止め用ゴム70がさらに外れ易くなる。
【0062】
一方、スタンドフレーム82をフレーム収納部28に収納するときには、一対のヒンジ軸部84を中心としてスタンドフレーム82を収納方向へ回動させ、一対の爪部102に対して滑り止め用ゴム70を押し付ける。このとき、小断面部106が爪部102と反対側へ撓み、滑り止め用ゴム70が爪部102と反対側へ変位する。
【0063】
また、小断面部106の撓みに伴って、
図12に二点鎖線で示されるように、一対のフレームサイド部44の他端部44U同士が互いに接近するように、一対のブラケット90がバックカバー20に対して段付きビス96の段部96Aを中心として矢印K方向へ回動する。これにより、滑り止め用ゴム70が爪部102と反対側へさらに変位する。この結果、滑り止め用ゴム70が一対の爪部102の上方を通過して脚収納部32に収納されると共に、滑り止め用ゴム70の下端部70L(
図11参照)に一対の爪部102が係止される。
【0064】
このように本実施例では、一対の爪部102に対して滑り止め用ゴム70を着脱するときに、滑り止め用ゴム70が一対の爪部102と反対側へ変位するため、一対の爪部102によって滑り止め用ゴム70が削られることが抑制される。したがって、滑り止め用ゴム70の破損が抑制される。
【0065】
また、一対のブラケット90が一対のフレームサイド部44の装置幅方向の内側に配置されるため、第1実施例と比較して、一対のブラケット90の収納するブラケット収納部88を小さくすることができる。
【0066】
次に、上記第1,第2実施例の変形例について説明する。なお、以下では、上記第1実施例を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は第2実施例にも適用可能である。
【0067】
先ず、
図13及び
図14に示される変形例では、押圧部の一例としてのスライドスイッチ110がバックカバー20に設けられている。なお、
図13及び
図14に示される変形例では、小断面部48の装置幅方向の両端部に滑り止め用ゴム70がそれぞれ取付けられており、小断面部48の装置幅方向の中間部が露出している。このスライドスイッチ110は、利用者によって下方へ押し下げられることにより、小断面部48を下方へ押圧し、当該小断面部48を一対の爪部102と反対側へ撓ませるものである。
【0068】
具体的には、スライドスイッチ110は、バックカバー20の背面20A側から見て矩形状に形成されており、脚収納部32の上方に形成されたスイッチ収納部112に収納されている。このスライドスイッチ110は、収納位置に位置する小断面部48に対してヒンジ軸部42と反対側に配置されると共に、当該小断面部48に対して装置上下方向に接離可能にバックカバー20に支持されている。また、スライドスイッチ110は、図示しないコイルスプリング等の弾性体によって小断面部48から離間する方向へ付勢されており、当該小断面部48から離間した位置で保持されている。
【0069】
このスライドスイッチ110に利用者が小断面部48側(下方側)へ操作力を加えることにより、当該スライドスイッチ110を介して小断面部48が一対の爪部34と反対側へ押圧される。これにより、小断面部48が一対の爪部34と反対側へ撓み、一対の爪部34の各々から滑り止め用ゴム70が外れるように構成されている。
【0070】
ここで、前述したように、ヒンジベース62は、ヒンジ軸部42の外周面との間に発生する摩擦力によって、ヒンジ軸部42を所定の回動角度で保持する。そのため、スタンドフレーム40を収納方向に回動させ、フレーム脚部46を脚収納部32に収納するときに、前述した摩擦力によってフレームサイド部44が収納方向へ湾曲した状態で、一対の爪部34に滑り止め用ゴム70が係止される。したがって、スライドスイッチ110によって一対の爪部34から滑り止め用ゴム70を外すことにより、湾曲した一対のフレームサイド部44が元の形状に復元する。この結果、一対の滑り止め用ゴム70が展開方向へ回動し、一対の爪部34の各々から滑り止め用ゴム70が外れた状態で保持される。したがって、一対の爪部34の各々から滑り止め用ゴム70を容易に取り外すことができる。
【0071】
次に、
図15及び
図16に示される変形例では、フレーム脚部46が、装置幅方向に分割された一対の分割フレーム部72,74を有している。一対の分割フレーム部72,74は断面円形状の金属製の線材で形成されている。また、一対の分割フレーム部72,74には、滑り止め用ゴム70がそれぞれ取り付けられている。これら一対の分割フレーム部72,74の間には、変位許容部の一例としての弾性体76(
図16参照)が設けられている。この弾性体76によって一対の分割フレーム部72,74の端部72A,74A同士が連結されており、フレーム脚部46の爪部34と反対側への変位が許容されている。
【0072】
具体的には、
図16に示されるように、一方の分割フレーム部72の端部72Aには、円筒状のカバー体78が設けられている。このカバー体78の内部に、ゴムやシリコンで構成された弾性体76が設けられている。この弾性体76の一端部76Aは、カバー体76の底部78Aに接合されている。一方、弾性体76の他端部76Bには、他方の分割フレーム部74の端部74Aが接合されている。
【0073】
これにより、フレーム脚部46が一対の爪部34と反対側へ押圧されたときに、
図16に二点鎖線で示されるように、弾性体76が下方へ凸を成すように湾曲し、フレーム脚部46が全体として一対の爪部34と反対側へ撓む。このフレーム脚部46の撓みに伴って、第1実施例と同様に、一対のブラケット50(
図8参照)が段付きビス56の段部56Aを中心として回動する。この結果、一対の分割フレーム部72,74に取り付けられた滑り止め用ゴム70(
図15参照)が一対の爪部34と反対側へさらに変位し、一対の爪部34の各々から滑り止め用ゴム70が外れる。したがって、第1実施例と同様の作用を得ることができる。
【0074】
また、弾性体76の剛性を増減することにより、フレーム脚部46の爪部34と反対側への変位量を調整することができる。
【0075】
次に、上記第1実施例では、一対の爪部34を一対の係止部の一例として説明したが、これに限らない。爪部34の形状や配置、数は適宜変更可能である。また、係止部としては、例えば、突起等を用いることができる。
【0076】
また、上記第1実施例では、ゴムで形成された滑り止め用ゴム70を滑り止め用弾性体の一例として説明したが、これに限らない。滑り止め用弾性体としては、例えば、シリコン等を用いることができる。
【0077】
以上、本願が開示する技術の第1,第2実施例について説明したが、本願が開示する技術は上記第1,第2実施例に限定されるものでない。また、上記第1,第2実施例及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本願が開示する技術の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0078】
なお、以上の実施例1,2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0079】
(付記1)
表示部を前面側に有する装置本体と、
前記装置本体の背面側に配置され、該装置本体の装置幅方向にそれぞれ延びると共に同軸上に配置された一対のヒンジ軸部と、前記装置幅方向に互いに離間して配置され、前記一対のヒンジ軸部の径方向に延びると共に各々の一端部が該ヒンジ軸部に支持された一対のフレームサイド部と、前記一対のフレームサイド部の他端部同士を前記装置幅方向に連結するフレーム脚部と、を有し、前記ヒンジ軸部を中心として前記装置本体の背面側に収納される収納位置と前記装置本体が設置される設置面に対して該装置本体の背面側を支持する展開位置との間を回動可能とされたスタンドフレームと、
前記フレーム脚部の外面に取り付けられ、前記スタンドフレームが展開位置に位置したときに、前記設置面に接触される滑り止め用弾性体と、
前記装置本体の前記背面側に設けられ、前記スタンドフレームが前記収納位置に位置したときに、前記滑り止め用弾性体に対して前記ヒンジ軸部側又は該ヒンジ軸部と反対側から着脱可能に係止される係止部と、
前記フレームサイド部から前記装置幅方向に離間すると共に前記装置本体の装置厚さ方向に延びる回転軸を中心として前記装置本体の背面側に回動可能に取り付けられ、前記一対のヒンジ軸部の各々を支持する一対のブラケットと、
前記フレーム脚部に設けられ、該フレーム脚部の前記係止部と反対側への変位を許容すると共に、該変位に伴って前記一対のフレームサイド部の前記他端部同士が互いに接近するように前記装置本体に対して前記一対のブラケットの各々を回動させる変位許容部と、
を備えた電子装置。
【0080】
(付記2)
前記変位許容部が、前記フレーム脚部における前記装置幅方向の中間部に形成され、該フレーム脚部における前記装置幅方向の端部よりも断面積が小さくされた小断面部である、
付記1に記載の電子装置。
【0081】
(付記3)
前記フレーム脚部が、断面円形状に形成され、
前記小断面部における前記係止部と反対側には、前記フレーム脚部を切り欠いて形成され、前記係止部と反対側を向く切欠き面が形成されている、
付記2に記載の電子装置。
【0082】
(付記4)
前記フレーム脚部が、前記装置幅方向に分割された一対の分割フレーム部を有し、
前記変位許容部が、前記一対の分割フレーム部の間に設けられ、該分割フレーム部同士を連結する弾性体である、
付記1に記載の電子装置。
【0083】
(付記5)
前記一対のヒンジ軸部の各々が、前記一対のフレームサイド部の前記一端部から前記装置幅方向の外側へ延出すると共に、該フレームサイド部に対する前記装置幅方向の外側で前記ブラケットに支持され、
前記係止部が、前記ヒンジ軸部と反対側から前記滑り止め用弾性体に着脱可能に係止され、
前記変位許容部が、前記フレーム脚部の前記ヒンジ軸部側への変位を許容する、
付記1〜付記4の何れか一つに記載の電子装置。
【0084】
(付記6)
前記収納位置に位置する前記スタンドフレームの前記変位許容部に対して前記ヒンジ軸部側又は該ヒンジ軸部と反対側に配置されると共に、該変位許容部に対して接離可能に前記装置本体の前記背面側に支持され、前記変位許容部側へ操作力が加えられることにより該変位許容部を前記係止部と反対側へ押圧する押圧部を備えた、
付記1〜付記5の何れか一つに記載の電子装置。
【0085】
(付記7)
前記一対のヒンジ軸部の各々が、前記一対のフレームサイド部の前記一端部から前記装置幅方向の内側へ延出すると共に、該フレームサイド部に対する前記装置幅方向の内側で前記ブラケットに支持され、
前記係止部が、前記ヒンジ軸部側から前記滑り止め用弾性体に着脱可能に係止され、
前記変位許容部が、前記フレーム脚部の前記ヒンジ軸部と反対側への変位を許容する、
付記1〜付記4の何れか一つに記載の電子装置。
【0086】
(付記8)
前記一対のブラケットの回動を規制するストッパ部を備えた、
付記1〜付記7の何れか一つに記載の電子装置。
【0087】
(付記9)
前記係止部が、前記滑り止め用弾性体側へ突出する爪部である、
付記1〜付記8の何れか一つに記載の電子装置。
【0088】
(付記10)
前記回転軸が、前記ブラケットに形成された軸孔を装置厚さ方向に貫通する段付きビスの段部である、
付記1〜付記9の何れか一つに記載の電子装置。
【0089】
(付記11)
前記滑り止め用弾性体が、滑り止め用ゴムである、
付記1〜付記10の何れか一つに記載の電子装置。
【0090】
(付記12)
前記表示部が、タッチパネルの表示面である、
付記1〜付記11の何れか一つに記載の電子装置。