特許第6019919号(P6019919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019919液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019919
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/13 20060101AFI20161020BHJP
   G03G 9/12 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G03G9/12 321
   G03G9/12
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-180885(P2012-180885)
(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公開番号】特開2014-38234(P2014-38234A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大木 正啓
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 義弘
(72)【発明者】
【氏名】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】小林 孝子
(72)【発明者】
【氏名】吉野 大典
(72)【発明者】
【氏名】堀場 幸治
【審査官】 福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−065135(JP,A)
【文献】 特開2010−181595(JP,A)
【文献】 特開2005−062466(JP,A)
【文献】 特開2007−219229(JP,A)
【文献】 特開2005−115244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/12−9/135
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア液と、
ポリアリルアミン類およびメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質された、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子と、
を含有することを特徴とする液体現像剤。
【請求項2】
前記キャリア液が、ジメチルシリコーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の液体現像剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体現像剤が収容されていることを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の液体現像剤が収容されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1または2に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1または2に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に潜像(静電潜像)を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。乾式現像方式で用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
【0003】
一方、湿式現像方式で用いられる液体現像剤は、絶縁性のキャリア液中にトナー粒子を分散させたものであり、揮発性のキャリア液中に熱可塑性樹脂を含むトナー粒子が分散されたタイプや、難揮発性のキャリア液中に熱可塑性樹脂を含むトナー粒子が分散されたタイプ等が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポリアルキレンイミンと特定のシリコーン系化合物との組み合わせでロジン系樹脂を含むトナー粒子の水中表面改質を行った液体現像剤が記載されている。
【0005】
特許文献2には、トナー粒子と、メルカプト変性シリコーンオイル、および、アミノ基を有するシランカップリング剤とを含む液体現像剤が記載されている。
【0006】
特許文献3には、
トナー粒子と、メルカプト基、アミノ基、カルボキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、グリシジル基から選ばれた任意の基を有するシリコーンオイルおよび、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物の結合の一部または全部がアセチルアセトネートと置換された有機アルミニウム化合物、またはそれらの混合物を含有する液体現像剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−039308号公報
【特許文献2】特許第4022814号公報
【特許文献3】特許第4049687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、分散安定性に優れる液体現像剤、その液体現像剤を用いる現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、キャリア液と、ポリアリルアミン類およびメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質された、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子と、を含有する液体現像剤である。
【0011】
請求項に係る発明は、前記キャリア液が、ジメチルシリコーンを含む請求項1に記載の液体現像剤である。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載の液体現像剤が収容されている現像剤カートリッジである。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載の液体現像剤が収容されているプロセスカートリッジである。
【0014】
請求項に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1または2に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える画像形成装置である。
【0015】
請求項に係る発明は、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を、現像剤保持体の表面に保持された請求項1または2に記載の液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像工程と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着工程と、を含む画像形成方法である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によると、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有しない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤が提供される。
【0017】
また、請求項に係る発明によると、トナー粒子がポリアリルアミン類により表面改質されていない場合と比較して、分散安定性および帯電性に優れる液体現像剤が提供される。
【0018】
請求項に係る発明によると、キャリア液がジメチルシリコーンを含まない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤が提供される。
【0019】
請求項に係る発明によると、液体現像剤がメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有しない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤が収容されている現像剤カートリッジが提供される。
【0020】
請求項に係る発明によると、液体現像剤がメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有しない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤が収容されているプロセスカートリッジが提供される。
【0021】
請求項に係る発明によると、液体現像剤がメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有しない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤を用いる画像形成装置が提供される。
【0022】
請求項に係る発明によると、液体現像剤がメルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有しない場合と比較して、分散安定性に優れる液体現像剤を用いる画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0025】
<液体現像剤>
本実施形態に係る液体現像剤は、キャリア液と、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子と、を含有する。
【0026】
液体中に粒子を分散させるには通常、分散剤を使用するが、キャリア液としてシリコーン等を使用する場合、シリコーン系の分散剤、特に液体現像剤で使用するキャリア粘度域に適用可能なシリコーン系の分散剤は少ない。分散剤は極性基を有しているが、極性基を有する材料は通常シリコーン等のキャリア液に溶解しにくく、シリコーンの粘度が高くなるとより溶解しにくくなるためと考えられる。そこで、本発明者らは、例えば水中表面改質等によってシリコーン系化合物によりトナー粒子の表面を改質し、トナー粒子表面とシリコーン等のキャリア液との濡れ性を向上させてトナー粒子を分散させる方法を検討し、水中表面改質等でトナー粒子表面をメルカプト変性シリコーン化合物で改質させることによって、分散安定性に優れる液体現像剤が得られることを見出した。例えば、乾燥後の表面改質トナー粒子をシリコーン等のキャリア液中に混合すれば表面改質トナー粒子が容易に分散される。これにより、液体現像剤の作製の際に別途、分散剤を添加しなくてもよい。液体現像剤の作製の際に分散剤を添加しなくてもよいので、混合する添加剤が減り、液体現像剤の抵抗低下が抑えられ、現像性への悪影響が少なくなり、リサイクルもしやすくなる。
【0027】
また、本発明者らは、あらかじめポリアリルアミンで表面改質したトナー粒子をメルカプト変性シリコーン化合物で表面改質することにより、分散安定性および帯電性に優れる液体現像剤が得られることを見出した。ポリアリルアミン層がメルカプト変性シリコーン化合物層で完全被覆されることがないように2段階表面改質を行えば、ポリアリルアミン層がプロトン受容層として機能し、トナー粒子に帯電性と分散性とが付与される。メルカプト変性シリコーン化合物は、例えばアニオン性界面活性剤でエマルジョン化されたものを使用すればよい。このようにすることで、例えばあらかじめポリアリルアミンで表面改質されたトナー粒子表面がメルカプト変性シリコーン化合物で容易に改質される。
【0028】
以下、本実施形態に係る液体現像剤の構成成分について、詳細に説明する。
【0029】
[トナー粒子]
本実施形態に係る液体現像剤に含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、離型剤等のその他成分を含んでもよい。トナー粒子は、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたものである。
【0030】
本実施形態で使用するメルカプト変性シリコーン化合物は、例えば、トリメチルシロキサン末端ポリジメチルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびメチルメルカプトプロピルポリシロキサン等を原料として、塩基性触媒を用いて高温で重合を行い、さらに窒素置換高温減圧ストリッピング法により低分子シロキサンを除去することによって製造される。また、メルカプト基は−Y−SH(Yは後述の通り)の構造を有するが、S−H間の分極が弱く酸として弱いため、正帯電性を阻害しにくいと考えられる。また、メルカプト基は吸着性に優れることから、紙等の記録媒体に対する定着性が阻害されにくいと考えられる。
【0031】
(メルカプト変性シリコーン化合物)
メルカプト変性シリコーン化合物としては、下記一般式(1),(2),(3)で示される化合物等が挙げられる。
【化1】

(1)
(式(1)中、Xは−Y−SHを示し、Yは炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基であり、mは1以上1,500以下の整数を示し、nは0.002以上100以下を示す。)
【化2】

(2)
(式(2)中、Xはそれぞれ独立して−Y−SHを示し、Yは炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基であり、nは1以上1,500以下の整数を示す。)
【化3】

(3)
(式(3)中、Xは−Y−SHを示し、Yは炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rはアルキル基を示し、nは1以上1,500以下の整数を示す。)
【0032】
式(1),(2),(3)において、炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0033】
トナー粒子に対するメルカプト変性シリコーン化合物の量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲であることがより好ましい。トナー粒子に対するメルカプト変性シリコーン化合物の量がトナー粒子100質量部に対して0.1質量部未満であると、分散安定性に劣る場合があり、10質量部を超えると、定着不良が発生する場合がある。
【0034】
メルカプト変性シリコーン化合物の重量平均分子量は、190以上95,000以下の範囲であることが好ましく、1,000以上30,000以下の範囲であることがより好ましい。メルカプト変性シリコーン化合物の重量平均分子量が190未満であると、分散不良の場合があり、95,000を超えると、定着不良が発生する場合がある。
【0035】
メルカプト変性シリコーン化合物としては、例えば、市販されているメルカプト基含有シリコーンKF−2001、KF−2004、X−22−167B(以上、信越化学工業社製)等が用いられる。また、後述するように、メルカプト変性シリコーン化合物として、メルカプト基含有シリコーンエマルジョンを用いてもよい。メルカプト基含有シリコーンエマルジョンとしては、例えば、市販されている上記メルカプト基含有シリコーンをアニオン性界面活性剤で乳化したエマルジョンを使用してもよいし、市販されている製品X−52−8001(信越化学工業社製)を使用してもよい。アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0036】
(ポリアリルアミン類)
本実施形態において、トナー粒子が、ポリアリルアミン類により表面改質されたものであることが好ましい。トナー粒子は、例えば、ポリアリルアミン類により表面改質されて(1段目の改質)トナー粒子表面を覆うポリアリルアミンの層が形成され、さらに、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されて(2段目の改質)メルカプト変性シリコーン化合物の層が形成されたものである。トナー粒子は、好ましくは、ポリアリルアミン類により表面改質されて(1段目の改質)トナー粒子表面を覆うポリアリルアミンの層が形成され、さらに、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されて(2段目の改質)ポリアリルアミン類の層の一部を覆う斑状のメルカプト変性シリコーン化合物の層が形成されたものである。
【0037】

ポリアリルアミン類はカチオン性が高い物質であり、この材料がトナー粒子の表層に存在すると、プロトン吸着層として機能することからトナー粒子が正帯電化しやすくなると考えられる。また、ポリアリルアミン類とメルカプト変性シリコーン化合物の2段階改質を行う場合、ポリアリルアミン類を1段目の改質で使用することにより、2段目で使用するメルカプト変性シリコーン化合物をトナー粒子の表層に引き寄せる役目も果たすと考えられる。
【0038】
ポリアリルアミン類としては、下記一般式(4),(5)で示されるポリアリルアミン類等が挙げられる。
【化4】

(4)
(式(4)中、nは、20以上1,000以下の整数であり、20以上500以下の整数が好ましい。)
【化5】

(5)
(式(5)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基を示し、mおよびnは、それぞれ独立して1以上1,000以下の整数を示す。)
【0039】
およびRは、水素原子または炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基であり、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が好ましい。炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、直鎖または分岐のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0040】
mおよびnは、それぞれ独立して1以上1,000以下の整数であり、1以上500以下の整数が好ましい。
【0041】
トナー粒子に対するポリアリルアミン類の量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲であることがより好ましい。トナー粒子に対するポリアリルアミン類の量がトナー粒子100質量部に対して0.1質量部未満であると、帯電性に劣る場合があり、10質量部を超えると、帯電性が高すぎて、転写性が低下する場合がある。
【0042】
ポリアリルアミン類の重量平均分子量は、1,000以上25,000以下の範囲であることが好ましく、3,000以上25,000以下の範囲であることがより好ましく、15,000以上25,000以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアリルアミン類の重量平均分子量が1,000未満であると、正帯電性が弱く、目的とする現像性が得られない場合があり、25,000を超えると、トナー粒子の樹脂種類によっては正帯電性が十分に得られない場合がある。また、ポリアリルアミン類の重量平均分子量が25,000を超えると、トナーの転写性が悪化する場合がある。よって、ポリアリルアミン類の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、より効果的に正帯電性に優れた液体現像剤が得られる。
【0043】
ポリアリルアミン類としては、例えば、市販されているPAA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15C、PAA−25、PAA−1112、PAA−N5000、PAA−U5000、PAS−21(以上、ニットーボーケミカル社製)等が用いられる。
【0044】
(結着樹脂)
結着樹脂は、主成分としてポリエステル樹脂を含む。ポリエステル樹脂は、酸(多価カルボン酸)成分とアルコール(多価アルコール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。主成分とは、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して50質量部以上のことをいう。
【0045】
[酸由来構成成分]
酸由来構成成分は、特に制限はなく、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。また芳香族カルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類の低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。さらに良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。また、前述のアルケニルコハク酸類の具体的なものとしては、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸、ステアリルコハク酸、オクチルコハク酸、オクセニルコハク酸等が挙げられる。
【0046】
[アルコール由来構成成分]
アルコール由来構成成分としては特に制限はないが、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が用いられる。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
【0047】
ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく、酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、単量体の種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
【0048】
ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、重合反応が部分的に早くなったり、遅くなる場合があり、無着色粒子を多く発生する場合があるため、高沸点の溶媒を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶媒を留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合はあらかじめ相溶性の悪い単量体と、その単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させてもよい。
【0049】
ポリエステル樹脂の製造時に使用してもよい触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。この中でも、例えば、スズ、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド等のスズ含有触媒を用いることが好ましい。
【0050】
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられる。
【0051】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは5,000以上であることが好ましく、5,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。このポリエステル樹脂を含むと、擦摺性に優位である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5,000を下回ると、場合によっては分離しやすくなることから、遊離した樹脂に由来する問題(フィルミング、脆さによる微粉増加、粉体流動性悪化など)が発生する場合がある。
【0052】
本実施形態に係るトナーにおいて、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含んでもよい。ポリエステル樹脂以外の樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
結着樹脂の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して65質量%以上95質量%以下の範囲である。
【0054】
(その他の成分)
本実施形態に係るトナー粒子は、必要に応じて、着色剤、離型剤、帯電制御剤、シリカ粉末、金属酸化物等の他の添加剤を含有してもよい。これら添加剤は、結着樹脂に混練するなどして内添してもよいし、粒子としてトナー粒子を得たのち混合処理を施すなどして外添してもよい。
【0055】
着色剤としては、特に制限はなく、公知の顔料が用いられ、必要に応じて、公知の染料を含んでもよい。具体的には、以下に示すイエロー、マゼンタ、シアン、黒(ブラック)等の各顔料が用いられる。
【0056】
イエローの顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が用いられる。
【0057】
マゼンタの顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。
【0058】
シアンの顔料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が用いられる。
【0059】
黒の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が用いられる。
【0060】
着色剤の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して1質量%以上20質量%以下の範囲である。
【0061】
離型剤としては、特に制限はなく、例えば、カルナバワックス、木蝋、米糠蝋等の植物性ワックス;蜜ワックス、昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物性ワックス、エステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュワックス(FTワックス)、特殊脂肪酸エステル、多価アルコールエステル等の合成脂肪酸固体エステルワックス;パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックス;等が挙げられる。離型剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0062】
離型剤の含有量は、例えばトナー粒子全体に対して0.1質量%以上15質量%以下の範囲である。
【0063】
帯電制御剤としては、特に制限はなく、従来公知の帯電制御剤が使用される。例えば、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、アミド系化合物、イミド系化合物、有機金属化合物等の正帯電性帯電制御剤;オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等の負帯電性帯電制御剤;等が挙げられる。帯電制御剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0064】
金属酸化物としては、特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。金属酸化物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0065】
(トナー粒子の製造方法)
本実施形態で用いるトナー粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、粉砕トナーをキャリア液中で粉砕したり、もしくは液中乳化乾燥トナーや重合トナー等の製造方法で製造したトナーをキャリア液中で解砕して得られる。
【0066】
例えば、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤等をヘンシェルミキサー等の混合装置に投入して混合し、この混合物を二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等で溶融混練した後、ドラムフレーカー等で冷却し、ハンマーミル等の粉砕機で粗粉砕し、さらにジェットミル等の粉砕機で粉砕した後、風力分級機等を用いて分級することにより、粉砕トナーが得られる。
【0067】
また、結着樹脂、必要に応じて、着色剤、他の添加剤を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、炭酸カルシウム等の分散安定剤が添加された水中に乳化、懸濁し、溶剤を除去した後、分散安定剤を除去して得られた粒子を濾過、乾燥することによって液中乳化乾燥トナーが得られる。
【0068】
また、結着樹脂を形成する重合性単量体、着色剤、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等)および他の添加剤等を含有する組成物を水相中に撹拌下で加えて造粒し、重合反応後、粒子を濾過、乾燥することによって重合トナーが得られる。
【0069】
なお、トナーを得る際の各材料(結着樹脂、着色剤、その他の添加剤等)の配合割合は、要求される特性、低温定着性、色等を考慮して設定すればよい。得られたトナーは、ボールミル、ビーズミル、高圧湿式微粒化装置等の公知の粉砕装置を用いて、キャリアオイル中で粉砕することにより本実施形態の液体現像剤用のトナー粒子が得られる。
【0070】
(表面改質方法)
本実施形態に係るトナー粒子は、例えば、トナー粒子をポリアリルアミン類により表面改質してトナー粒子表面を覆うポリアリルアミン類の層を形成する工程(1段目の改質:ポリアリルアミン層形成工程)、さらに、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質してポリアリルアミン類の層の少なくとも一部、好ましくは一部を覆うメルカプト変性シリコーン化合物の層を形成する工程(2段目の改質:メルカプト変性シリコーン化合物層形成工程)を含む方法により作製される。
【0071】
メルカプト変性シリコーン化合物による表面改質は、例えば、シリコーンエマルジョンにより行われる。ポリアリルアミン層の改質の場合には、アニオン性のシリコーンエマルジョンを使用することが好ましい。この反応のメカニズムとしては、ポリアリルアミン類は通常1〜3級アミンを含有しており、カチオン性が非常に高く、アニオン性材料を引き付ける効果があり、さらにポリアリルアミン類で改質した後のスラリはpH10程度のカチオン性であるため、このスラリにアニオン性のエマルジョンを添加すると、エマルジョンが不安定になりエマルジョンが壊れ、トナー粒子表面にシリコーンが吸着しやすくなると推定される。
【0072】
トナー粒子の表面改質は、具体的には、例えば、以下の方法により作製される。
(1)トナー粒子、水を含むスラリに酸(1N程度の塩酸または硝酸)を添加してpH4程度に調整してトナー粒子表面の酸サイトをできるだけ確実に酸に戻す
(2)遠心分離等により固液分離を行い、余分な酸を除去する
(3)リスラリした後、水溶性のポリアリルアミン類を添加し、例えば30〜60分程度撹拌する
(4)遠心分離等により固液分離を行い、余分なポリアミンを除去する(例えば、導電率20μS/cm以下程度となるまで)
(5)メルカプト変性シリコーン化合物を含むアニオン性のシリコーンエマルジョンを添加し、例えば30〜60分程度撹拌する
(6)遠心分離等により固液分離を行い、余分なシリコーンを除去する(例えば、導電率20μS/cm以下程度となるまで)
(7)ろ過した後、乾燥(例えば、35℃程度、最低24時間程度)し、解砕する
【0073】
トナー粒子の結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用し、ポリエステル樹脂の酸価が10程度である場合、洗浄後のろ液がアルカリ性になっていることから、トナー粒子表面の酸サイト(例えば−COOH基)が中和されて塩構造(例えば−COONa、−COONH)になっている部分が多いと思われる。よって、(1)の工程を行うことでトナー粒子表面の塩構造を酸(例えば−COOH基)に戻してポリアリルアミン類が酸塩基反応でより吸着しやすいようにすることが好ましい。
【0074】
トナー粒子を水中で造粒している場合、シリコーン化合物をエマルジョン化し、水中表面改質でトナー粒子表面にシリコーン化合物を付加させれば、トナー粒子表面がシリコーンで容易に改質される。乾燥後のトナー粒子をシリコーンオイル等のキャリア液に混合すれば表面改質トナー粒子が分散された液体現像剤が容易に得られる。
【0075】
シリコーン化合物としてアニオン性シリコーンエマルジョンを使用することにより、カチオン性のポリアリルアミン類で表面改質されたトナー粒子表面にアニオン性のエマルジョンが引き寄せられ、さらにエマルジョンが不安定して崩壊することでトナー粒子表面がシリコーン系物質で改質されると考えられる。
【0076】
(トナー粒子の特性)
トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。上記範囲内であることで、付着力が高く、現像性の向上が図られる。また、画像の解像性の向上も図られる。トナー粒子の体積平均粒径D50vは、0.8μm以上4.0μm以下の範囲であることがより好ましく、1.0μm以上3.0μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
【0077】
トナー粒子の体積平均粒径D50v、数平均粒度分布指標(GSDp)、体積平均粒度分布指標(GSDv)等は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置、例えば、LA920(堀場製作所社製)を用いて測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
【0078】
[キャリア液]
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族炭化水素を主成分とする脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーM等)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20P等)が挙げられ、それらの中に、トルエン等の芳香族化合物等を含有させてもよい。また、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン等のシリコーンオイル(シリコーン系溶剤)が挙げられる。これらのうち、今回見出した表面改質剤との親和性等の観点から、シリコーンオイルが好ましい。
【0079】
本実施形態に係る液体現像剤に含まれるキャリア液は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。キャリア液を2種以上の混合系として用いる場合は、例えば、パラフィン系溶剤と植物油との混合系や、シリコーン系溶剤と植物油との混合系等が挙げられる。
【0080】
キャリア液の体積抵抗率としては、例えば1.0×1010Ω・cm以上1.0×1014Ω・cm以下の範囲が挙げられ、1.0×1010Ω・cm以上1.0×1013Ω・cm以下の範囲であってもよい。
【0081】
キャリア液は、各種副資材、例えば、分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
【0082】
[液体現像剤の製造方法]
本実施形態に係る液体現像剤は、上記トナー粒子とキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等の分散機を用いて混合し、粉砕して、トナー粒子をキャリア液中に分散することにより得られる。なお、トナー粒子のキャリア液中への分散は分散機に限られず、ミキサーのごとく、特殊な撹拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザーとして知られるローター・ステーターの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。
【0083】
キャリア液中のトナー粒子の濃度は、現像剤の粘度を適性に制御し、現像機内の現像液循環を円滑にする等の観点から、0.5質量%以上40質量%以下の範囲とすることが好ましく、1質量%以上30質量%以下の範囲とすることがより好ましい。
【0084】
その後、得られた分散液を、例えば孔径100μm程度の膜フィルタ等のフィルタ等を用いて濾過し、ゴミおよび粗大粒子等を除去してもよい。
【0085】
<現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体(以下、「感光体」という場合がある)と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、像保持体の表面に潜像(静電潜像)を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像を、現像剤保持体の表面に保持された上記本実施形態に係る液体現像剤により現像して、トナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させて定着画像を形成する定着手段と、を備える。
【0086】
上記画像形成装置において、例えば現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。このプロセスカートリッジとしては、上記本実施形態に係る液体現像剤が収容されているものであればよく、特に制限はない。プロセスカートリッジは、例えば、上記本実施形態に係る液体現像剤を収容し、像保持体上に形成された潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるものである。
【0087】
また、本実施形態に係る現像剤カートリッジは、上記本実施形態に係る液体現像剤が収容されているものであればよく、特に制限はない。現像剤カートリッジは、例えば、上記本実施形態に係る液体現像剤を収容し、像保持体上に形成された潜像を液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備える画像形成装置に着脱されるものである。
【0088】
以下、本実施形態における、液体現像剤を用いた画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
【0089】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。画像形成装置100は、感光体(像保持体)10と、帯電装置(帯電手段)20と、露光装置(潜像形成手段)12と、現像装置(現像手段)14と、中間転写体(転写手段)16と、クリーナ(清掃手段)18と、転写定着ローラ(転写手段、定着手段)28とを含んで構成される。感光体10は円筒形状を有し、感光体10の外周に、帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、および、クリーナ18が順次に設けられている。
【0090】
以下、この画像形成装置100の動作について説明する。
【0091】
帯電装置20が感光体10の表面を予め定められた電位に帯電させ(帯電工程)、帯電された表面を画像信号に基づき、露光装置12が、例えばレーザ光線等によって露光して潜像(静電潜像)を形成する(潜像形成工程)。
【0092】
現像装置14は、現像ローラ14aと現像剤収納容器14bとを含んで構成される。現像ローラ14aは、現像剤収納容器14bに収納される液体現像剤24に一部が浸るようにして設けられる。液体現像剤24は、絶縁性のキャリア液と、結着樹脂を含むトナー粒子と、上記帯電制御剤とを含む。
【0093】
液体現像剤24中では、トナー粒子は分散されているが、例えば液体現像剤24を、さらに現像剤収納容器14b内に設けられる撹拌部材によって撹拌し続けることで、液体現像剤24中のトナー粒子の濃度の位置ばらつきは低減される。これにより図の矢印A方向に回転する現像ローラ14aには、トナー粒子の濃度バラツキが低減された液体現像剤24が供給される。
【0094】
現像ローラ14aに供給された液体現像剤24は、規制部材によって一定の供給量に制限された状態で感光体10に搬送され、現像ローラ14aと感光体10とが近接(あるいは接触)する位置で静電潜像に供給される。これによって静電潜像は顕像化されてトナー像26となる(現像工程)。
【0095】
現像されたトナー像26は、図の矢印B方向に回転する感光体10に搬送され、用紙(記録媒体)30に転写されるが、本実施形態では、用紙30に転写する前に、感光体10からのトナー像の剥離効率を含めた記録媒体への転写効率を向上させ、さらに記録媒体への転写と同時に定着を行うため、一旦中間転写体16にトナー像を転写する(中間転写工程)。このとき、感光体10および中間転写体16間に周速差を設けてもよい。
【0096】
次いで、中間転写体16により矢印C方向に搬送されたトナー像は、転写定着ローラ28との接触位置において用紙30に転写されると共に定着される(転写工程、定着工程)。転写定着ローラ28は、中間転写体16と共に用紙30を挟み、中間転写体16上のトナー像を用紙30に密着させる。これによって用紙30にトナー像を転写し、用紙上にトナー像が定着され、定着画像29となる。トナー像の定着は、転写定着ローラ28に発熱体を設けて加圧および加熱により行うことが好ましい。定着温度は、通常、120℃以上200℃以下の範囲である。
【0097】
中間転写体16が図1に示すようにローラ形状であれば、転写定着ローラ28とローラ対を構成するため、中間転写体16、転写定着ローラ28が各々定着装置における定着ローラ、押圧ローラに準じた構成となって定着機能を発揮する。すなわち、用紙30が中間転写体16と転写定着ローラ28との間で形成されるニップを通過する際、トナー像が転写されると共に転写定着ローラ28により中間転写体16に対して加熱および押圧される。これにより、トナー像を構成するトナー粒子中の結着樹脂が軟化すると共に、トナー像が用紙30の繊維中に浸潤して、用紙30に定着画像29が形成される。
【0098】
本実施形態では用紙30への転写と同時に定着を行っているが、転写工程と定着工程とを別々として、転写を行った後に定着を行ってもよい。この場合には、感光体10からトナー像を転写する転写ローラが、中間転写体16に準じた機能を有することとなる。
【0099】
一方、中間転写体16にトナー像26を転写した感光体10では、転写されずに残留したトナー粒子がクリーナ18との接触位置まで運ばれ、クリーナ18によって回収される。なお、転写効率が100%に近く、残留トナーが問題とならない場合は、クリーナ18は設けなくてもよい。
【0100】
画像形成装置100は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体10の表面を除電する除電装置(図示せず)を備えていてもよい。
【0101】
画像形成装置100に備えられる帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、転写定着ローラ28、および、クリーナ18等は、例えば、すべてが感光体10の回転速度と同期をとって動作されてもよい。
【実施例】
【0102】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0103】
[実施例1]
(トナー粒子の調製)
本実施例のトナーは、以下の方法により得られる。すなわち、下記の樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製した。次いで、これらを所定量混合撹拌しながら、これに無機金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させ、上記各粒子の凝集体を形成させて、所望のトナー粒子径を得た。次いで、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調整後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し、合一融合させた。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得た。
【0104】
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
5L(リットル)のフラスコに、セバシン酸1982質量部、エチレングリコール1490質量部、イソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウム59.2質量部、およびジブチルスズオキシド0.8質量部を、窒素雰囲気下、180℃で5時間反応させ、続いて、減圧下220℃で縮合反応を行った。途中ポリマーをサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量がMw(重量平均分子量)=20,000、Mn(数平均分子量)=8,500になったところで、反応を止め、結晶性ポリエステル樹脂を得た。溶解温度(DSCのピーク温度)は71℃であった。NMRによるイソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウムの含有量の測定結果は1モル%(対全構成成分)であった。
【0105】
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液)
結晶性ポリエステル樹脂160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、75℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、10℃/分の降温速度にて40℃まで降温し、脱溶剤することにより結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
【0106】
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチル200質量部と、1,3−ブタンジオール85質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械撹拌にて180rpmで5時間撹拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、非結晶性ポリエステル樹脂(芳香族ジカルボン酸由来構成成分の含有量が100構成モル%である酸由来構成成分と、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が100構成モル%であるアルコール由来構成成分と、を含む非結晶性ポリエステル樹脂)240部を合成した。
【0107】
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)の結果、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は9,500であり、数平均分子量(Mn)は4,200であった。また、非結晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCスペクトルを、前述の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移温度は55℃であった。なお樹脂酸価は18mgKOH/gであった。
【0108】
(非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液)
非結晶性ポリエステル樹脂(1)160質量部と、酢酸エチル233質量部と、水酸化ナトリウム水溶液(0.3N)0.1質量部とを用意し、これらを500mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモータ(新東科学株式会社)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに撹拌しながら、徐々にイオン交換水373質量部を加え、転相乳化させ、1℃/分の降温速度にて40℃まで降温し脱溶剤することにより非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分濃度:30質量%)を得た。
【0109】
(着色剤分散液の調製)
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化製) 45質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散
し、体積平均粒径170nmの着色剤分散液を得た。
【0110】
(離型剤分散液の調製)
アルキルワックスFNP0085(溶解温度86℃、日本精蝋社製) 45質量部
カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を90℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分量24.3質量%の離型剤分散液を得た。
【0111】
(トナー製造例)
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 15質量部
非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 80質量部
着色剤分散液 18質量部
離型剤分散液 18質量部
以上の成分に固形分量16質量%となるようイオン交換水を添加し、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら47℃まで加熱した。47℃で60分保持した後、ここに非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を緩やかに46質量部を追加した。その後、0.55モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3.5時間保持した。この時の粒子径を測定したところ体積平均粒径は2.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24、数平均粒度分布指標GSDpは1.30であった。上記処理終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液の電気伝導度が9.7μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo4Aろ紙を用いて固液分離を行った。
【0112】
(トナー粒子の表面改質)
得られたトナー粒子100質量部をイオン交換水900質量部に加えスラリー(固形分濃度10質量%)を調製した。そのスラリに1N塩酸を添加してpH4に調整して、10分間撹拌した後、遠心分離により固液分離を行って上澄み液を捨て、余分な酸を除去した。その後、イオン交換水900質量部を添加してリスラリ化を行い、このスラリにポリアリルアミンPAA−25(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=265、重量平均分子量25,000)の10質量%水溶液10質量部を添加し、60分撹拌した。この後、遠心分離により固液分離を行い、上澄み液を捨て、余分なポリアミンを除去した。洗浄液の導電率が20μS/cm以下となるまで、イオン交換水添加、10分の撹拌、遠心分離を繰り返した。次に、イオン交換水900質量部を添加してリスラリ化を行い、このスラリにメルカプト変性シリコーン化合物(上記式(1)において、Y=1、m=110、n=50、重量平均分子量=10,000)を10質量%含むアニオン性のシリコーンエマルジョンであるX−52−8001(信越化学工業社製)を20質量部添加し、60分撹拌した。遠心分離により固液分離を行い、上澄み液を捨て、余分なシリコーン化合物を除去した。洗浄液の導電率が20μS/cm以下となるまで、イオン交換水添加、10分の撹拌、遠心分離を繰り返した。ろ紙(アドバンテック社製、No4A)を用いてろ過し、イオン交換水で洗浄した後、35℃で24時間乾燥し、解砕して、表面改質トナー粒子を得た。
【0113】
(液体現像剤の調製)
上記で得られた表面改質トナー粒子60質量部を、シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF−96 20cs)140質量部と混合し、固形分濃度30質量%の液体現像剤を得た。
【0114】
(メルカプト基の検出)
表面改質トナー粒子におけるメルカプト基の検出は赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−4100)を用いて行った。メルカプト基は、赤外吸収スペクトルにおいて2550cm−1〜2600cm−1付近に吸収特性がある。例えば特許第4022814号に記載のような現像液作製時にメルカプト変性シリコーンオイルを添加する従来法では、キャリア液中に遊離したメルカプト変性シリコーンが存在するが、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子の場合は、トナー粒子表面にメルカプト変性シリコーン化合物が化学的に結合しているためキャリア中に遊離することがほとんどなく、トナー粒子を分析しない限りメルカプト基はほとんど検出されない。
【0115】
(ポリアリルアミンの検出)
表面改質トナー粒子におけるポリアリルアミンの検出は赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−4100)を用いて行った。ポリアリルアミンの検出は、赤外吸収スペクトルにおいて1650cm−1、1570cm−1付近に吸収特性がある。
【0116】
なお、表面改質トナー粒子は液体現像剤から以下の方法により採取することができる。液体現像剤を遠心分離(3,000rpm×5分)により沈降させ、上澄み液をデカンテーションによって取り除き、トナー粒子を取り出す。取り出したトナー粒子を溶媒KF−96L 0.65cs等で洗浄する(混合溶媒は、トナー樹脂により適宜変更すればよい)。
【0117】
(評価)
[現像効率]
図1に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラ上に各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vでほぼ均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラとの間を通過した後の、現像ローラ上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラ上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の5段階の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
A:現像効率が96%以上であり、現像効率に特に優れる
B:現像効率が91%以上96%未満であり、現像効率に優れる
C:現像効率が85%以上91%未満であり、実用上問題のない
D:現像効率が55%以上85%未満であり、現像効率に劣る
E:現像効率が55%よりも小さく、現像効率に特に劣る
【0118】
[定着強度]
図1に示すような画像形成装置を用いて、各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(富士ゼロックス社製、上質紙C2)上に形成した。その後、定着の設定温度を130℃として、熱定着を行った。その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(トンボ鉛筆社製、砂消しゴム「ES−512A」)を押圧荷重1.2kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite 530」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
A:画像濃度残存率が96%以上(非常に良い)
B:画像濃度残存率が90%以上96%未満(良い)
C:画像濃度残存率が80%以上90%未満(普通)
D:画像濃度残存率が70%以上80%未満(やや悪い)
E:画像濃度残存率が70%未満(非常に悪い)
【0119】
[分散安定性]
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、14日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが0mm
B:沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下
C:沈降した深さが2mmよりも大きく、4mm以下
D:沈降した深さが4mmよりも大きく、6mm以下
E:沈降した深さが6mmよりも大きい
【0120】
[リサイクル性]
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、それぞれ、図1に示すような画像形成装置により、所定パターンの画像を50,000枚の記録紙(富士ゼロックス社製、上質紙C)上に形成した。この画像形成は、各色の液体現像剤タンクから対応する各色の撹拌装置への液体現像剤の供給を停止した状態で行った。50,000枚の記録紙への画像形成を行った後、固形分含有率が30質量%となるように、撹拌装置に回収されたトナー粒子を絶縁性液体で希釈することにより再生した液体現像剤(リサイクル液体現像剤)について、以下の方法で試験を行い、リサイクルについての適応性(リサイクル性)を評価した。
【0121】
各実施例および各比較例についてのリサイクル液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、10日間静置後の沈降した深さを測定し、以下の5段階の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
A:沈降した深さが1mm以下
B:沈降した深さが1mmよりも大きく、3mm以下
C:沈降した深さが3mmよりも大きく、5mm以下
D:沈降した深さが5mmよりも大きく、7mm以下
E:沈降した深さが7mmよりも大きい
【0122】
[実施例2]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0123】
[実施例3]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0124】
[実施例4]
ポリアリルアミンをPAA−1112(ニットーボーケミカル社製、上記式(5)において、R=メチル基、R=メチル基、m=9、n=8、重量平均分子量1,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0125】
[実施例5]
ポリアリルアミンをPAA−01(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=30、重量平均分子量1,600)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0126】
[実施例6]
ポリアリルアミンをPAA−03(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=55、重量平均分子量3,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0127】
[実施例7]
ポリアリルアミンをPAA−05(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=90、重量平均分子量5,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0128】
[実施例8]
ポリアリルアミンをPAA−08(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=140、重量平均分子量8,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0129】
[実施例9]
ポリアリルアミンをPAA−15(ニットーボーケミカル社製、上記式(4)において、n=265、重量平均分子量15,000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0130】
[実施例10]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0131】
[実施例11]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0132】
[実施例12]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を130質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0133】
[実施例13]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001の使用量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0134】
[実施例14]
ポリアリルアミンPAA−25の使用量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0135】
比較
ポリアリルアミンPAA−25を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0136】
比較
ポリアリルアミンPAA−25の代わりにポリエチレンイミン(Polysciences製、重量平均分子量25,000)を使用した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0137】
[比較例1]
ポリアリルアミンをポリエチレンイミン(Polysciences製、重量平均分子量25,000)に変更し、アニオン性シリコーンエマルジョンを、アクリル系分散剤(KP−578、信越化学工業社製)0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0138】
[比較例2]
アクリル系分散剤KP−578を使用しなかった以外は、比較例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0139】
[比較例3]
ポリエチレンイミンを使用しなかった以外は、比較例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0140】
[比較例4]
実施例1で得た表面改質前のトナー粒子を使用した以外は、実施例1と同様にして、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0141】
[比較例5]
アニオン性シリコーンエマルジョンX−52−8001による処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、表面改質トナー粒子、液体現像剤を得た。以下、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】
このように、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有する液体現像剤を用いた実施例では、比較例に比べて、分散安定性に優れた。また、メルカプト変性シリコーン化合物により表面改質されたトナー粒子を含有する液体現像剤を用いた実施例では、比較例に比べて、現像効率、定着強度、リサイクル性にも優れていた。
【符号の説明】
【0144】
10 感光体(像保持体)、12 露光装置(潜像形成手段)、14 現像装置(現像手段)、14a 現像ローラ(現像剤保持体)、14b 現像剤収納容器、16 中間転写体(転写手段)、18 クリーナ(清掃手段)、20 帯電装置(帯電手段)、24 液体現像剤、26 トナー像、28 転写定着ローラ(転写手段、定着手段)、29 定着画像、30 用紙(記録媒体)、100 画像形成装置。
図1