特許第6019975号(P6019975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019975車両用灯具の半導体型光源ユニット、車両用灯具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019975
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】車両用灯具の半導体型光源ユニット、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20161020BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20161020BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20161020BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161020BHJP
【FI】
   F21S8/10 354
   F21S8/10 352
   F21S8/10 530
   F21S8/10 360
   F21V31/00 100
   F21V29/503
   F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-203157(P2012-203157)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-59981(P2014-59981A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中野 勝昭
(72)【発明者】
【氏名】松岡 健二
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−134677(JP,A)
【文献】 特開2011−138664(JP,A)
【文献】 特開2011−082095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21V 29/503
F21V 31/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、ソケット部と、を備え、
前記光源部は、第1実装面と第2実装面とに折り曲げられている基板と、前記第1実装面に実装されている半導体発光素子と、を有し、
前記ソケット部は、前記光源部が取り付けられている取付部材と、前記取付部材に前記第1実装面と平行もしくはほぼ平行に取り付けられていて、かつ、前記第2実装面に電気的に取り付けられている給電部材と、前記第2実装面を前記取付部材に押圧する押圧突起と、を有する、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項2】
光源部と、ソケット部と、を備え、
前記光源部は、第1実装面と第2実装面とに折り曲げられている基板と、前記第1実装面に実装されている半導体発光素子と、を有し、
前記ソケット部は、前記光源部が取り付けられている取付部材と、前記取付部材に前記第1実装面と平行もしくはほぼ平行に取り付けられていて、かつ、前記第2実装面に電気的に取り付けられている給電部材と、を有し、
前記取付部材には、前記第2実装面に前記給電部材を電気的に取り付ける際の取付開口が設けられていて、
前記取付開口の縁には、蓋が水密に取り付けられている、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項3】
前記基板は、折曲可能な部材から構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項4】
前記第2実装面のうち、前記第1実装面との折曲箇所と反対側の箇所には、前記給電部材を挟み込む切欠が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項5】
前記切欠の縁には、ガイドが設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項6】
前記取付部材には、前記基板を前記取付部材に取り付ける際の取付ガイドが設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項7】
前記基板の前記第1実装面と前記第2実装面との境界の折曲箇所には、スリットが設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項8】
前記第1実装面および前記第2実装面には、前記半導体発光素子と前記給電部材とを電気的に接続する制御素子および配線素子が実装されていて、
前記制御素子のうち発熱量が比較的大きい前記制御素子は、前記第2実装面に実装されている、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニット。
【請求項9】
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記ソケット部が前記ランプハウジングに取り付けられていて、かつ、前記光源部が前記灯室内に配置されている前記請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源ユニットを光源とする車両用灯具に関するものである。特に、この発明は、半導体型光源ユニットを車両用灯具に取り付ける取付方向と、半導体型光源ユニットに電源側のコネクタとを取り付ける取付方向とが、垂直あるいはほぼ垂直である、いわゆるコネクタ横差タイプのものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体型光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の半導体型光源ユニットについて説明する。従来の半導体型光源ユニットは、光源部と、ソケット部と、を備え、光源部が、基板と、基板に実装されている半導体発光素子と、を有し、ソケット部が、光源部が取り付けられている取付部材と、取付部材に取り付けられていて、かつ、基板に電気的に取り付けられている給電部材と、を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−74186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記の従来の半導体型光源ユニットは、給電部材がほぼ中間部において、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げられている。このために、前記の従来の半導体型光源ユニットは、給電部材の構造が複雑なので、ソケット部の金型構造(金型の抜き構造)が複雑となり、製造コスト上において課題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の半導体型光源では、給電部材の構造が複雑なので、ソケット部の金型構造(金型の抜き構造)が複雑となり、製造コスト上において課題があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源部と、ソケット部と、を備え、光源部が、第1実装面と第2実装面とに折り曲げられている基板と、第1実装面に実装されている半導体発光素子と、を有し、ソケット部が、光源部が取り付けられている取付部材と、取付部材に第1実装面と平行もしくはほぼ平行に取り付けられていて、かつ、第2実装面に電気的に取り付けられている給電部材と、を有する、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、基板が、折曲可能な部材から構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、第2実装面のうち、第1実装面との折曲箇所と反対側の箇所には、給電部材を挟み込む切欠が設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項4にかかる発明)は、切欠の縁には、ガイドが設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
この発明(請求項5にかかる発明)は、取付部材には、基板を取付部材に取り付ける際の取付ガイドが設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
この発明(請求項6にかかる発明)は、基板の第1実装面と第2実装面との境界の折曲箇所には、スリットが設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
この発明(請求項7にかかる発明)は、第1実装面および第2実装面には、半導体発光素子と給電部材とを電気的に接続する制御素子および配線素子が実装されていて、制御素子のうち発熱量が比較的大きい制御素子が、第2実装面に実装されている、ことを特徴とする。
【0013】
この発明(請求項8にかかる発明)は、ソケット部には、第2実装面を取付部材に押圧する押圧突起が設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
この発明(請求項9にかかる発明)は、取付部材には、第2実装面に給電部材を電気的に取り付ける際の取付開口が設けられていて、取付開口の縁には、蓋が水密に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0015】
この発明(請求項10にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、ソケット部がランプハウジングに取り付けられていて、かつ、光源部が灯室内に配置されている前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明の車両用灯具の半導体型光源ユニット、および、この発明の車両用灯具は、給電部材が取付部材に第1実装面と平行もしくはほぼ平行に取り付けられている、すなわち、給電部材がストレート形状をなしている。このために、給電部材がほぼ中間部において、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げられている前記の従来の半導体型光源ユニットと比較して、給電部材の構造が簡単なので、ソケット部の金型構造(金型の抜き構造)が簡単となり、製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの実施形態、および、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示し、半導体型光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態の横断面図(水平断面図)である。
図2図2は、レンズ部を除いた光源部(半導体型光源)とソケット部とを組み付けた状態の半導体型光源ユニットを示す正面図である。
図3図3は、レンズ部および光源部(半導体型光源)を除いたソケット部のみの半導体型光源ユニットを示す正面図である。
図4図4は、図2におけるIV−IV線断面図である。
図5図5は、光源部(半導体型光源)とソケット部との分解状態を示す断面図(図2におけるIV−IV線断面図)である。
図6図6は、折り曲げられる前の状態の基板を示す光源部(半導体型光源)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源ユニットの実施形態(実施例)、および、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この明細書および特許請求の範囲において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」とは、車両用灯具を車両に搭載した際の「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」である。
【0019】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニットおよびこの実施形態における車両用灯具の構成について説明する。図1において、符号100は、この実施形態における車両用灯具である。
【0020】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では、1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯、すなわち、1個のランプ、1個の灯具、でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能、たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能、クリアランスランプ機能、リアフォグランプ機能、と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0021】
前記車両用灯具100は、図1に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、この実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1と、を備えるものである。
【0022】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方(後方)が開口し、他方(前方)が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、取付孔104が設けられている。前記取付孔104は、四角形形状をなす。
【0023】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材、例えば、透明樹脂部材やガラス部材から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方(前方)が開口し、他方(後方)が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0024】
前記リフレクタ103は、前記半導体型光源ユニット1から放射される光を所定の配光パターンに配光制御する配光制御部である。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材、例えば、樹脂部材や金属部材から構成されている。前記リフレクタ103は、一方(後方)が開口し、他方(前方)が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記取付孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0025】
(半導体型光源ユニット1の説明)
前記半導体型光源ユニット1は、図1図5に示すように、半導体型光源としての光源部10と、ソケット部11と、光学部品としてのレンズ部12と、を備える。前記光源部10は、前記ソケット部11の一端部(この例では、後端部)および一側部(左側部もしくは右側部)に取り付けられている。前記レンズ部12は、前記ソケット部11の一端部に固定もしくは着脱可能に取り付けられている。前記光源部10は、前記ソケット部11と、キャップ形状もしくはカバー形状の前記レンズ部12と、により覆われている。
【0026】
前記半導体型光源ユニット1は、図1に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(リングリング)108を介してスクリュー109により取り付けられている。前記光源部10および前記レンズ部12が前記ランプハウジング101の前記取付孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0027】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図2図4図6に示すように、基板3と、複数個この例では5個の半導体発光素子(LEDチップ、発光チップ)40、41、42、43、44(以下、「40〜44」と記載する場合がある)と、制御素子としての抵抗R1、R2およびダイオードDおよびコンデンサCと、配線素子としての配線パターン6およびボンディングワイヤおよび導電性接着剤および実装パッドおよびワイヤパッドと、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備えるものである。前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDの発熱量は、前記コンデンサCの発熱量と比較して大きい。
【0028】
(基板3の説明)
前記基板3は、図2図4図6に示すように、折曲可能な部材(基材)から構成されている。前記基板3は、この例では、ポリイミドやポリエステルなどからなるFPC(フレキシブルプリントサーキット)の部材、または、FPCに熱抵抗を下げるための薄い部材(たとえば、銅、アルミニウム、鉄、タングステンなどの金属箔)を設けた部材、から構成されている。
【0029】
前記基板3は、四角形平面の第1実装面31を有する第1部分33と、四角形平面の第2実装面32を有する第2部分34と、から構成されている。前記第1実装面31は、前記第2実装面32と比較して小さい。なお、前記基板3のうち少なくとも前記第1実装面31には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面を設けても良い。
【0030】
前記基板3の前記第1実装面31の前記第1部分33と前記第2実装面32の前記第2部分34との境界(図6中の二点鎖線を参照)の折曲箇所には、スリット30が設けられている。前記基板3は、前記スリット30を含む前記境界において、前記第1実装面31の前記第1部分33と前記第2実装面32の前記第2部分34とに直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げられている。
【0031】
前記第1実装面31には、前記半導体発光素子40〜44、前記制御素子のうち発熱量が小さい前記コンデンサC、前記配線パターン6などの前記配線素子の一部、前記包囲壁部材18、前記封止部材180が実装されている。一方、前記第2実装面32には、前記制御素子のうち発熱量が大きい前記抵抗R1、R2および前記ダイオードD、前記配線パターン6などの残りの前記配線素子が実装されている。
【0032】
前記第2実装面32の前記第2部分34のうち、前記第1実装面31の前記第1部分33との折曲箇所と反対側の箇所には、3本の給電部材91、92、93(以下、「91〜93」と記載する場合がある)をそれぞれ挟み込む3本のスリット状の切欠35が設けられている。前記切欠35の縁には、テーパ状のガイド36が設けられている。
【0033】
(半導体発光素子40〜44の説明)
前記5個の半導体発光素子40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施形態1ではLED)を使用する。前記半導体発光素子40〜44は、図2に示すように、正面方向(前記基板3の前記第1実装面31に対して垂直方向)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の半導体発光素子40〜44は、前記第1実装面31に実装されている。前記5個の半導体発光素子40〜44は、前記第1実装面31に実装されている面以外の一正面および4側面から光を放射する。
【0034】
前記5個の半導体発光素子40〜44は、図2に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11の中心Oもしくはその近傍に1個(40)配置されていて、かつ、前記焦点Fおよび前記中心Oもしくはその近傍を中心とする円周上に4個(41〜44)ほぼ等間隔の隙間を開けて配置されている。
【0035】
前記5個の半導体発光素子40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の半導体発光素子40すなわち第1グループの半導体発光素子40と、大電流(前記半導体発光素子40に供給される電流と比較して大電流)が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の半導体発光素子41〜44すなわち第2グループの半導体発光素子41〜44と、に区分されている。
【0036】
前記テールランプ機能(テールランプの光源)の1個の半導体発光素子40は、前記焦点Fおよび前記中心Oであって、円周上に配置されている前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の4個の半導体発光素子41〜44の中心に配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の半導体発光素子40は、前記4個の半導体発光素子41〜44の真中に位置する。前記ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44は、順方向(電流が流れる方向)に直列に接続されている。
【0037】
(制御素子の説明)
前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDおよび前記コンデンサCは、前記基板3に実装されていて、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93と5個の前記半導体発光素子40〜44との間を前記配線素子を介して電気的に接続されている。前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDおよび前記コンデンサCは、5個の前記半導体発光素子40〜44に供給する電流を制御する素子であって、チップタイプの素子である。前記抵抗R1は、5個の前記半導体発光素子40〜44のバラツキを制御するトリミング用の抵抗である。発熱量が前記コンデンサCと比較して大きい前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDは、前記第2実装面32に実装されている。発熱量が前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDと比較して小さい前記コンデンサCは、前記第1実装面31に実装されている。
【0038】
(配線素子の説明)
前記配線素子は、図6に示すように、複数の配線パターン6と、5本のボンディングワイヤと、5個の導電性接着剤と、5個の実装パッドと、5個のワイヤパッドと、から構成されている。前記配線素子は、前記第1実装面31および前記第2実装面32に実装されている。前記配線素子は、半田62を介して前記ソケット部11の給電部材91〜93と電気的にかつ機械的に接続されていて、前記制御素子を介して5個の前記半導体発光素子40〜44に給電するものである。
【0039】
複数の前記配線パターン6には、前記抵抗R1、R2および前記ダイオードDおよび前記コンデンサCが接続されている。複数の前記配線パターン6には、前記実装パッドと前記ワイヤパッドとがそれぞれ設けられている。複数の前記配線パターン6は、相互に所定の間隔(隙間)を開けて配線されている。
【0040】
(包囲壁部材18の説明)
前記包囲壁部材18は、絶縁性部材たとえば樹脂、この例では、反射率を上げた樹脂から構成されている。前記包囲壁部材18は、図2図4図6に示すように、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線素子の一部(複数の前記配線パターン6の一部および5本の前記ボンディングワイヤ全部および5個の前記導電性接着剤全部および5個の前記実装パッド全部および5個の前記ワイヤパッド全部)を包囲する円環状形状をなすものである。すなわち、前記包囲壁部材18は、中央部が中空部であり、かつ、周囲部が壁部である円環状形状をなすものである。前記包囲壁部材18の前記壁部の肉厚(前記壁部の内周面から外周面までの厚さ)は、ほぼ均一(均等)である。
【0041】
前記包囲壁部材18は、前記半導体発光素子40〜44および前記配線素子の高さよりも十分な高さを有する。前記包囲壁部材18は、前記封止部材180を充填(注入、モールド、モールディング)する容量(範囲)を小容量に規制する部材(土手、ダム)である。前記包囲壁部材18の前記壁部の一端面は、前記第1実装面31の前記第1部分33に、嵌合接着により、固定されかつ位置決めされている。
【0042】
前記包囲壁部材18の前記壁部の内周面には、前記半導体発光素子40〜44(特に、前記半導体発光素子40〜44の4側面)から放射される光(図示せず)を所定の方向(たとえば、前記半導体発光素子40〜44の一正面から放射される光の方向とほぼ同方向)に反射させる反射面が設けられている。
【0043】
(封止部材180の説明)
前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、エポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂から構成されている。
【0044】
前記封止部材180は、前記第1実装面31に、前記半導体発光素子40〜44が実装され、かつ、ワイヤがボンディング配線された後に、前記第1実装面31に実装された前記包囲壁部材18の前記中空部中であって、前記第1実装面31と前記包囲壁部材18の前記壁部の内周面とにより区画されている空間中に充填される。前記封止部材180が硬化することにより、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線素子の一部が前記封止部材180により封止されることとなる。
【0045】
前記封止部材180は、5個の前記半導体発光素子40〜44全部と、前記配線素子の一部を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記封止部材180は、5個の前記半導体発光素子40〜44などを外乱から保護するものである。
【0046】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1図6に示すように、取付部材としての絶縁部材7と、同じく取付部材としての放熱部材8と、3本の前記給電部材91〜93と、を備えるものである。すなわち、前記ソケット部11は、前記光源部10が取り付けられている取付部材としての前記絶縁部材7および前記放熱部材8と、前記取付部材としての前記絶縁部材7および前記放熱部材8に前記第1実装面31と平行もしくはほぼ平行に取り付けられていて、かつ、前記第2実装面32に電気的に取り付けられている前記給電部材91〜93と、を有するものである。
【0047】
熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。
【0048】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、図4図5に示すように、前記給電部材91〜93の一部の中間部を外装して、前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とを相互に絶縁状態で組み込むものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7の一端面から前記給電部材91〜93の一端部が突出している。前記絶縁部材7の他端面から前記給電部材91〜93の他端部が突出している。
【0049】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性なお導電性をも有する樹脂部材からなる。樹脂部材の前記放熱部材(熱伝導樹脂部材)8は、熱伝導性樹脂、たとえば、炭素繊維(短炭素繊維)、あるいは、炭素顆粒、あるいは、炭素繊維と炭素顆粒との混合物を含有する樹脂から構成されている。前記放熱部材8は、この例では、少なくとも炭素繊維を含有する樹脂の射出成形品から構成されている。なお、前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性なお導電性をも有するアルミダイカストから構成されているものであっても良い。
【0050】
前記放熱部材8は、前記ソケット部11の外装部分(外側の部分)を形成する。前記放熱部材8は、図2図5に示すように、ほぼ直方体形状をなす。前記放熱部材8の一端部の端面には、四角環形状の保護壁80が一体に設けられている。前記保護壁80により囲まれている端面には、第1固定面81が設けられている。
【0051】
前記放熱部材8の一側部には、収納空間83が、前記第1固定面81に対して直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に、かつ、前記保護壁80の内側面より内側に、設けられている。前記収納空間83の一側面には、第2固定面82が設けられている。前記第1固定面81と前記第2固定面82とは、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)になす。前記収納空間83の両端面の上部には、押圧突起84がそれぞれ設けられている。前記押圧突起84には、テーパ状の取付ガイド85が設けられている。なお、前記押圧突起84は、図示の例では、前記収納空間83の上部に設けられているものであるが、前記収納空間83の下部まで延長して設けられているものであっても良い。
【0052】
前記保護壁80中には、前記第1部分33が収納されていて、かつ、前記保護壁80により保護されている。前記第1固定面81には、前記第1部分33の前記第1実装面31と反対側の面(裏面)が接着剤(熱伝導性接着剤)を介して接着固定されている。これにより、5個の前記半導体発光素子40〜44は、前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)もしくはその近傍箇所に位置する。
【0053】
前記収納空間83中には、前記第2部分34が前記押圧突起84の前記取付ガイド85によりガイドされながら収納されていて、かつ、前記収納空間83により保護されている。前記第2固定面82には、前記第2部分34の前記第2実装面32と反対側の面(裏面)が前記押圧突起84により押圧固定されている。これにより、3本の前記給電部材91〜93は、前記第2部分34の3本の前記切欠35中に前記ガイド36によりガイドされながら挟み込まれている。
【0054】
前記放熱部材8の一端部の前記保護壁80の外周面には、前記パッキン108を前記ランプハウジング101に圧接する四角板形状の鍔部86が一体に設けられている。前記鍔部86の外周面には、複数個この例では2個の舌形状の取付部87が一体に設けられている。前記取付部87には、前記スクリュー109が挿通する小円形孔が設けられている。
【0055】
前記鍔部86および2個の前記取付部87は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するための取付部を構成する。すなわち、前記ソケット部11の前記レンズ部12側の一部を前記ランプハウジング101の前記取付孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106中に図1中の矢印A方向に挿入する。前記取付部87を前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して前記スクリュー109により取り付ける。前記半導体型光源ユニット1の前記車両用灯具100への取付方向Aは、前記半導体発光素子40〜44、前記第1実装面31に対して直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)である。
【0056】
この結果、前記半導体型光源ユニット1の前記ソケット部11は、図1に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられる。この時点において、図1に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分よりも大である。
【0057】
前記放熱部材8の中間部には、複数枚のフィン部88が一体に設けられている。前記フィン部88は、前記半導体型光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備した際に、上下方向に位置する。この結果、複数枚の前記フィン部88の間の貫通空隙が上下方向となる。このために、下から上への自然対流が発生し易く、放熱効果が向上される。
【0058】
前記放熱部材8の他端部(この例では、前端部)には、中空状の長方形状をなすコネクタ嵌合部89が一体に設けられている。前記コネクタ嵌合部89の他端面(前端面)には、ロック部890が設けられている。前記コネクタ嵌合部89の内部には、凹部800が設けられている。前記凹部800は、前記第1固定面81と平行もしくはほぼ平行であり、かつ、前記第2固定面82および前記収納空間83と直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)になす。前記凹部800の開口部は、前記収納空間83と反対側に設けられている。
【0059】
前記放熱部材8の内部のうち、前記第2固定面82と前記凹部800の底との間の部分には、取付貫通孔801が設けられている。前記取付貫通孔801中には、前記給電部材91〜93が一体に組み込まれている前記絶縁部材7が、前記凹部800から前記第2固定面82側に挿入固定されている。この結果、前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とは、前記絶縁部材7を介して、絶縁状態で一体に組み込まれている。すなわち、前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在されている。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0060】
前記放熱部材8の一側部のうち3本の前記給電部材91〜93と対応する箇所には、取付開口802が設けられている。前記取付開口802は、前記第2実装面32に3本の前記給電部材91〜93を前記半田62により電気的に取り付ける作業のための開口である。
【0061】
前記取付開口802の縁には、蓋803がパッキン(Oリング)804を解して水密に取り付けられている。すなわち、前記放熱部材8の前記取付開口802の周縁には、凹溝805が設けられている。前記凹溝805中には、前記パッキン804が収納されている。この状態で、前記蓋803を前記放熱部材8に適宜の取付手段(スクリュー、弾性嵌合、係合など)により取り付ける。なお、前記蓋803を前記放熱部材8に溶着などにより水密に取り付けても良い。
【0062】
図4図5中の二点鎖線にて示すように、前記蓋803の下部に押圧突部806を一体に設けて、前記押圧突起84と前記押圧突部806とにより、前記第2部分34を前記第2固定面82に固定するように構成しても良い。なお、前記押圧突部806は、図示の例では、前記蓋803の下部に設けられているものであるが、前記蓋803のうち、前記第2実装面32に実装されている前記抵抗R1、R2および前記ダイオードD、前記配線パターン6などの残りの前記配線素子を除いた部分に対応する箇所に適宜に設けても良い。
【0063】
(金属体2の説明)
図4図5中の二点鎖線で示すように、前記放熱部材8の前記第1固定面81および前記第2固定面82に金属体2を設けても良い。なお、前記金属体2は、図示の例では、前記基板3の前記第1実装面31に対応する部分と前記第2実装面32に対応する部分とが一体になっているものであるが、前記第1実装面31と前記第2実装面32とを個別に熱抵抗を下げる目的で、前記第1実装面31に対応する部分と前記第2実装面32に対応する部分とが分割されているものであっても良いし、また、前記第1固定面81あるいは前記第2固定面82のいずれか一方に設けるだけであっても良い。前記金属体2は、たとえば、アルミニウム製の板形状をなし、プレス加工により成形されている。前記金属体2の一面の固定面は、グリース(熱伝導性グリース)を介して前記第1固定面81および前記第2固定面82に固定されている。たとえば、前記放熱部材8の一部を前記金属体2に超音波溶着により加締め付けて、前記金属体2を前記放熱部材8に固定する。前記金属体2の他面の当接面には、図示しない熱伝導性媒体(たとえば、熱伝導性接着剤や熱伝導性グリースなど)を介して前記第1部分33の裏面および前記第2部分34の裏面が密着している。
【0064】
(給電部材91〜93の説明)
3本の前記給電部材91〜93は、図4図6に示すように、取付部材としての前記絶縁部材7および前記放熱部材8に前記第1実装面31と平行もしくはほぼ平行に取り付けられている。すなわち、3本の前記給電部材91〜93は、図4図6に示すように、ストレート形状をなす。3本の前記給電部材91〜93は、前記光源部10に電気的に接続されていて、前記光源部10に給電するものである。なお、図4図5においては、1本の前記給電部材93を図示する。
【0065】
前記給電部材91〜93の一端部(前記第2部分34に取り付けられる端部)は、それぞれストレートピンからなる。ストレートピンの前記給電部材91〜93の一端部は、横一直線上に配置されていて、前記絶縁部材7の一端面(前記第2部分34に対向する面)から突出している。前記給電部材91〜93の一端部は、前記第2部分34の前記切欠35に差し込まれていて、前記半田62により、前記第2実装面32に電気的に接続されていて、かつ、前記第2部分34に機械的に取り付けられている。なお、前記半田62の代わりにレーザー溶接などであっても良い。
【0066】
前記給電部材91〜93の他端部(前記第2部分34に取り付けられる端部と反対側の端部)は、一直線上に配置されていて、前記絶縁部材7の他端面(前記第2部分34に対向する面と反対側の面)から突出している。前記給電部材91〜93の他端部は、前記コネクタ嵌合部89の前記凹部800中に一直線上に配置されているターミナルを構成する。
【0067】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記放熱部材8の一部の前記コネクタ嵌合部89および前記給電部材91〜93の一部の前記ターミナルは、コネクタ部13を構成する。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が、図1中の矢印B方向に、機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。前記コネクタ14は、前記ロック部890により、前記コネクタ部13に確実に取り付けられている。
【0068】
図1に示すように、前記コネクタ14は、3本のハーネス140(なお、図1中においては、1本を図示)およびスイッチ(図示せず)を介して図示しない電源(直流電源のバッテリー)に接続されていて、かつ、アースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のターミナル、電源側の前記3本のターミナル)タイプの防水構造のコネクタ部およびコネクタである。
【0069】
前記コネクタ14の前記コネクタ部13への取付方向Bと、前記半導体型光源ユニット1の前記車両用灯具100への取付方向Aとは、相互に、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)である。
【0070】
(レンズ部12の説明)
前記レンズ部12は、光透過性部材からなる光学部品でかつカバー部材である。前記レンズ部12は、図1に示すように、前記光源部10をカバーするように、前記ソケット部11に着脱可能にまたは固定的に取り付けられている。前記レンズ部12と前記ソケット部11とには、誤組付部(図示せず)が設けられている。
【0071】
前記レンズ部12には、前記半導体発光素子40〜44から放射される光を光学制御して出射させるプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記レンズ部12は、前記封止部材180と共に、前記半導体発光素子40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記レンズ部12は、前記半導体発光素子40〜44を外乱から保護するものである。また、前記レンズ部12は、前記半導体発光素子40〜44以外に、前記制御素子C、D、R1、R2および前記配線素子6、62および前記導電性接着剤をも外乱から保護するものである。
【0072】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態における車両用灯具の半導体型光源ユニット1およびこの実施形態における車両用灯具100(以下、「この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0073】
まず、スイッチをテールランプ点灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能の制御素子および配線素子を経て、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40が発光する。
【0074】
このテールランプ機能の1個の半導体発光素子40から放射された光は、封止部材180、空気層、光源ユニット1のレンズ部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子40から放射された光の一部は、基板3の第1実装面31でレンズ部12側に反射される。配光制御された光は、直接、車両用灯具100のランプレンズ102を透過し、あるいは、リフレクタ103の反射面107で反射されて、ランプレンズ102を透過し、再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0075】
つぎに、スイッチをストップランプ点灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能の制御素子および配線素子を経て、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44が発光する。
【0076】
このストップランプ機能の4個の半導体発光素子41〜44から放射された光は、封止部材180、空気層、光源ユニット1のレンズ部12を透過して配光制御される。なお、半導体発光素子41〜44から放射された光の一部は、基板3の第1実装面31でレンズ部12側に反射される。配光制御された光は、直接、車両用灯具100のランプレンズ102を透過し、あるいは、リフレクタ103の反射面107で反射されて、ランプレンズ102を透過し、再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、輝度、光度、照度が大である)。
【0077】
それから、スイッチを消灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、遮断される。この結果、1個の半導体発光素子40もしくは4個の半導体発光素子41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0078】
ここで、光源部10の半導体発光素子40〜44および制御素子C、D、R1、R2および配線素子6、62において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体(および金属体2)を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0079】
すなわち、放熱部材8の第1固定面81および第2固定面82に伝達された熱は、フィン部88、保護壁80、鍔部86、取付部87、コネクタ嵌合部89に伝達され、そのフィン部88、保護壁80、鍔部86、取付部87、コネクタ嵌合部89の表面から外部に放射(輻射)される。
【0080】
また、放熱部材8のフィン部88に伝達される熱の一部は、放熱部材8のフィン部88の間の貫通空隙内において、対流熱として発生する。その対流熱は、放熱部材8の貫通空隙の下から上へと外部に放出される。
【0081】
なお、放熱部材8の外面、すなわち、フィン部88、保護壁80、鍔部86、取付部87、コネクタ嵌合部89の外面に小凹凸を設けることにより、この小凹凸において乱流が発生する。その乱流の発生に伴って、第1固定面81および第2固定面82からフィン部88、保護壁80、鍔部86、取付部87、コネクタ嵌合部89に伝達される熱は、そのフィン部88、保護壁80、鍔部86、取付部87、コネクタ嵌合部89の外面から外部に放射(輻射)される。また、放熱部材8の外面の小凹凸により、放射(輻射)面積が増して、その分、熱が効率良く外部に放射(輻射)される。
【0082】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0083】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93が取付部材としての絶縁部材7および放熱部材8に第1実装面31と平行もしくはほぼ平行に取り付けられている。すなわち、給電部材91〜93は、ストレート形状をなしている。このために、給電部材がほぼ中間部において、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げられている前記の従来の半導体型光源ユニットと比較して、給電部材91〜93の構造が簡単なので、ソケット部11特に放熱部材8の金型構造(金型の抜き構造)が簡単となり、製造コストを安価にすることができる。
【0084】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3の第1実装面31の第1部分33と第2実装面32の第2部分34とを直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げ、第1実装面31に半導体発光素子40〜44を実装し、第1実装面31と平行もしくはほぼ平行な給電部材91〜93を第2実装面32に直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に電気的に取り付けるものである。このために、半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向Aは、第1実装面31および半導体発光素子40〜44の発光面に対して直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)となる。一方、コネクタ14のコネクタ部13への取付方向Bは、第2実装面32に対して直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)となる。この結果、半導体型光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向Aと、コネクタ14のコネクタ部13への取付方向Bとは、相互に、直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)となる。これにより、コネクタ14を横差タイプとすることができる。また、コネクタ14を横差タイプとすることにより、半導体型光源ユニット1において、車両用灯具100への取付方向Aの寸法を小さくすることができる。
【0085】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3が折曲可能な部材から構成されているので、基板3の第1実装面31の第1部分33と第2実装面32の第2部分34とを直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げる際において、第1実装面31および第2実装面32に実装されている半導体発光素子40〜44および制御素子C、D、R1、R2および配線素子6、62にストレスがかかるのを極力抑制することができる。
【0086】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3が折曲可能な部材、すなわち、ポリイミドやポリエステルなどからなるFPC(フレキシブルプリントサーキット)の部材、または、FPCに熱抵抗を下げるための薄い部材(たとえば、銅、アルミニウム、鉄、タングステンなどの金属箔)を設けた部材、から構成されている。このために、セラミックス(窒化セラミックスを含む)・アルミ基板と比較して、安価である。この結果、製造コストを安価にすることができる。
【0087】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、第2実装面32の第2部分34うち、第1実装面31の第1部分33との折曲箇所と反対側の箇所には、給電部材91〜93を挟み込む切欠35が設けられている。このために、光源部10の基板3をソケット部11の取付部材としての放熱部材8に取り付ける際に、すなわち、第2実装面32の第2部分34を収納空間83中に収納して第2固定面82に固定させる際に、給電部材91〜93が切欠35に挟み込まれる。これにより、給電部材91〜93が第2実装面32の第2部分34に対して交差する方向に位置していても、第2実装面32の第2部分34の収納空間83中への収納および第2固定面82への固定に対してなんら支障をきたすようなことが無い。
【0088】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、切欠35の縁には、テーパ状のガイド36が設けられている。このために、第2実装面32の第2部分34を収納空間83中に収納して第2固定面82に固定させる際に、給電部材91〜93を切欠35に簡単にかつ確実に挟み込ませることができる。
【0089】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、取付部材としての放熱部材8には、基板3を取付部材としての放熱部材8に取り付ける際の取付ガイド85が設けられている。このために、取付ガイド85により、第2実装面32の第2部分34を収納空間83中に簡単にかつ確実に収納することができ、かつ、第2実装面32の第2部分34を第2固定面82に簡単にかつ確実に固定することができる。
【0090】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3の第1実装面31の第1部分33と第2実装面32の第2部分34との境界の折曲箇所には、スリット30が設けられている。このために、基板3の第1実装面31の第1部分33と第2実装面32の第2部分34とを直角もしくはほぼ直角(垂直もしくはほぼ垂直)に折り曲げる際において、第1実装面31および第2実装面32に実装されている半導体発光素子40〜44および制御素子C、D、R1、R2および配線素子6、62にストレスがかかるのを極力抑制することができる。
【0091】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、基板3の第1実装面31および第2実装面32には、半導体発光素子40〜44と給電部材91〜93とを電気的に接続する制御素子(コンデンサC、ダイオードD、抵抗R1、R2)および配線素子(配線パターン6、半田62)が実装されていて、制御素子のうち発熱量が比較的大きい制御素子(ダイオードD、抵抗R1、R2)が、第2実装面32に実装されている。このために、第1実装面31に実装されている半導体発光素子40〜44のジャンクション温度を低減させることができる。特に、基板3の第1実装面31の第1部分33と第2実装面32の第2部分34との境界の折曲箇所にスリット30が設けられている場合においては、半導体発光素子40〜44のジャンクション温度をさらに低減させることができる。
【0092】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11の放熱部材8には、第2実装面32の第2部分34を取付部材としての放熱部材8の第2固定面82に押圧する押圧突起84が設けられている。このために、第2実装面32の第2部分34が放熱部材8の第2固定面82に密着するので、第2実装面32に実装されている制御素子のうち発熱量が比較的大きい制御素子(ダイオードD、抵抗R1、R2)において発生した熱を放熱部材8を介して外部に効率良く放射(放出)させることができる。特に、この実施形態においては、蓋803に押圧突部806を設けるものであるから、第2実装面32の第2部分34を放熱部材8の第2固定面82にさらに高密度に密着させることができる。これにより、第2実装面32に実装されている制御素子(ダイオードD、抵抗R1、R2)において発生した熱を放熱部材8を介して外部にさらに効率良く放射(放出)させることができる。
【0093】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、取付部材としての放熱部材8には、第2実装面32に給電部材91〜93を電気的に取り付ける際の取付開口802が設けられている。このために、取付開口802により、第2実装面32に給電部材91〜93を電気的に取り付ける作業を容易にかつ確実に行うことができる。これにより、製造コストを安価にすることができる。
【0094】
この実施形態における半導体型光源ユニット1および車両用灯具100は、取付開口802の縁には、蓋803が水密に取り付けられている。このために、車両用灯具100の外側に位置する放熱部材8に取付開口802を設けても、防水上なんら問題が無い。
【0095】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、5個の半導体発光素子40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、半導体発光素子を1個〜4個、もしくは、6個以上使用しても良い。
【0096】
また、前記の実施形態においては、焦点Fと中心Oとが一致もしくはほぼ一致している。ところが、この発明においては、焦点Fと中心Oとが一致していなくても良い。この場合においては、5個の半導体発光素子40〜44の中心、すなわち、テールランプ機能の1個の半導体発光素子40の中心と焦点Fとが一致もしくはほぼ一致するものであれば良い。
【符号の説明】
【0097】
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 取付孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
109 スクリュー
1 半導体型光源ユニット
10 光源部(半導体型光源)
11 ソケット部
12 レンズ部
13 コネクタ部
14 コネクタ
140 ハーネス
18 包囲壁部材
180 封止部材
2 金属体
3 基板
30 スリット
31 第1実装面
32 第2実装面
33 第1部分
34 第2部分
35 切欠
36 ガイド
40、41、42、43、44 半導体発光素子
6 配線パターン
62 半田
7 絶縁部材
8 放熱部材
80 保護壁
81 第1固定面
82 第2固定面
83 収納空間
84 押圧突起
85 取付ガイド
86 鍔部
87 取付部
88 フィン部
89 コネクタ嵌合部
890 ロック部
800 凹部
801 取付貫通孔
802 取付開口
803 蓋
804 パッキン
805 凹溝
806 押圧突部
91、92、93 給電部材
A 半導体型光源ユニットの車両用灯具への取付方向
B コネクタのコネクタ部への取付方向
C コンデンサ
D ダイオード
F 焦点
O 中心
R1、R2 抵抗
図1
図2
図3
図5
図6
図4