(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る棒金収納装置について、この装置を備えたシステムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
1.棒金収納管理システムの全体構成の説明
先ず、第1の実施形態に係る棒金収納装置10を適用したレジシステム(棒金収納管理システム)12の構成例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る棒金収納管理システムであるレジシステム12の構成例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、レジシステム12は、POSレジスタ(金銭登録装置)14と、貨幣処理装置16と、棒金収納装置10とを備える。レジシステム12は、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置され、釣銭や棒金の管理・収納等を行うためのシステム(棒金収納管理システム)を構成する。
【0018】
POSレジスタ14は、装置の統括的な制御や各種の演算処理等を行う制御ユニット15を備え、利用者であるレジ担当者の操作により商品のコードを読み取り、商品のコード、数量を登録する一方、商品のコードから商品のアイテム、商品の金額を呼び出し、商品の合計金額(請求金額)と顧客から受け取ったお金との差額(釣銭額)とを算出する。そして、POSレジスタ14は、これに付随する金額表示器(図示せず)に算出した請求金額を表示すると共に、釣銭額を表示する。これにより、顧客は請求金額と釣銭額とを知ることができる。POSレジスタ14の制御ユニット15からは、貨幣処理装置16を構成する釣銭機18の制御ユニット19へと釣銭額(出金額)が通知される。
【0019】
POSレジスタ14には、貨幣処理装置16を構成する釣銭機18が接続してある。釣銭機18は、装置の統括的な制御や各種の演算処理等を行う制御ユニット19を備える。釣銭機18には、該釣銭機18と共に貨幣処理装置16を構成する釣札機20が接続してある。貨幣処理装置16は、レジ担当者が投入した貨幣(硬貨及び紙幣)を受け入れる一方、釣銭となる貨幣を払い出すもので、釣銭機18において、受け入れた貨幣の金額(入金額)、払い出された貨幣の金額(出金額)、有り高を管理する。そして、釣銭機18は、釣銭機18又は釣札機20が貨幣を受け入れた場合にその入金額をPOSレジスタ14に通知する一方、POSレジスタ14の制御ユニット15から通知された出金額を受信し、釣銭機18又は釣札機20から出金額に相当する貨幣を払い出す。これにより、レジ担当者は、貨幣を数えることなく釣銭を出金できる。
【0020】
釣銭機18には、棒金収納装置10が接続してある。棒金収納装置10は、装置の統括的な制御や各種の演算処理、さらには後述する棒金種類の判別処理等を行う制御ユニット21を備え、釣銭機18に補充する硬貨を準備金として収納するものである。棒金収納装置10の制御ユニット21から釣銭機18の制御ユニット19へと、該棒金収納装置10に収納している棒金(棒状硬貨)の種類や数量が通知される。ここで、棒金(棒状硬貨)とは、同一種類の硬貨を予め設定した枚数だけ積層して包装し、1つの取扱単位として構成したものである。本実施形態に係る棒金収納装置10は、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨をそれぞれ所定の枚数ずつ包装した棒金を収納対象としており、特に同一硬貨を積層枚数の違いによって種類分けされた棒金(本実施形態では500円硬貨の棒金)の収納に有効である。棒金収納装置10は、釣銭機18ではなく釣札機20に接続してもよい。
【0021】
上記のレジシステム12を用いて商品の代金を精算する場合には、先ず、レジ担当者がPOSレジスタ14を操作し、商品のコード、数量を入力することにより、POSレジスタ14に商品のコード、数量を登録する。商品のコード、数量がPOSレジスタ14に登録されると、制御ユニット15は、商品のコードから商品のアイテム、商品の金額を呼び出し商品の合計金額(請求金額)を算出し、POSレジスタ14に付随する金額表示器に請求金額を表示する。これにより、顧客は請求金額を認識し、請求金額以上のお金(預かり金)をレジ担当者に支払うことになる。
【0022】
レジ担当者は、顧客が支払ったお金を確認して受け取り、それを貨幣処理装置16に投入する。貨幣処理装置16は、レジ担当者が投入したお金(貨幣)を受け入れ、受け入れた金額(入金額)を釣銭機18からPOSレジスタ14に通知する。POSレジスタ14は、釣銭機18から通知された金額を預かり金として金額表示器に表示する。そして、レジ担当者がお金の投入完了をPOSレジスタ14に入力すると、制御ユニット15は、預かり金と請求金額の差額を算出し、釣銭額として金額表示器に表示すると共に、その差額を出金額として釣銭機18の制御ユニット19に通知し、POSレジスタ14に付随するプリンタ(図示せず)からレシートを出力する。
【0023】
POSレジスタ14から釣銭機18に出金額が通知されると、釣銭機18は、釣札機20と釣銭機18とから出金額に相当する金額の貨幣を払い出す。レジ担当者は、プリンタから出力されたレシートと共にこの貨幣をお釣りとして顧客に受け渡し、代金の精算を終了する。
【0024】
このようなレジシステム12において、釣銭機18の硬貨が足りなくなると、釣銭機18からPOSレジスタ14に硬貨の補充が必要である旨を通知する。釣銭機18からPOSレジスタ14に硬貨の補充が必要である旨が通知されると、POSレジスタ14は、その旨をPOSレジスタ14に付随する表示部(図示せず)に表示する。この表示を見てレジ担当者がPOSレジスタ14に付随する操作部(図示せず)から補充操作を入力すると、POSレジスタ14から釣銭機18に補充指令を通知する。POSレジスタ14から補充指令が通知された釣銭機18は、硬貨の補充を許可し、棒金収納装置10から棒金の取り出しを可能にする。これにより、レジ担当者は棒金収納装置10から棒金を取り出して、釣銭機18に硬貨を補充することになる。釣銭機18への硬貨の補充が終了すると、釣銭機18はPOSレジスタ14に硬貨の補充を終了した旨を通知する。釣銭機18から硬貨の補充が終了した旨が通知されると、POSレジスタ14は、商品の代金の精算が可能な状態に復帰する。
【0025】
2.棒金収納装置の構成例の説明
2.1 第1の実施形態に係る棒金収納装置の説明
次に、第1の実施形態に係る棒金収納装置(棒金収納庫)10について説明する。
【0026】
図2は、貨幣処理装置16と棒金収納装置10の正面図であり、
図3は、
図2に示す貨幣処理装置16の平面図である。
図4は、
図2に示す棒金収納装置10の斜視図であり、
図5は、
図4に示す棒金収納装置10において、装置本体22から引出し24を引出した状態を示す斜視図である。
【0027】
図2〜
図5に示すように、本実施形態に係る棒金収納装置10は、装置本体(筐体)22と、装置本体22に収納可能且つ装置本体22の前面から手前側に引出し可能な引出し24とを備え、制御ユニット21は、例えば装置本体22内に搭載される。装置本体22は、引出し24を内部に収納可能且つ外部に引出し可能な形状で前面に開口した開口部(開口空間、引出し収納部)22aを有し、直方体形状からなる。引出し24は、開口部22a内に完全に挿入・収納可能な大きさに構成した箱体であり、上面が開口した直方体形状からなる。開口部22aの内壁面(本実施形態では天面22b)には、後述する棒金移動部材27が設けられている。装置本体22は、引出し24を引出し可能に収納可能な筐体(ハウジング)であればよく、必ずしも制御ユニット21を備えたものでなくてもよく、さらに開口部22aは一方向のみが開口したもの以外であってもよい。
【0028】
図5に示すように、引出し24の内部には、収納トレイ26が取り付けてある。収納トレイ26は、予め定めた種類の棒金を予め定めた位置に収納するためのものである。
図5に示す例において、収納トレイ26には、棒金を収納する複数の収納ポケット(収納溝)28と、紙幣や商品券等の紙葉類を収納する紙葉類収納庫30と、棒金をばらしたバラ硬貨等を収納するバラ硬貨収納庫32とが設けてある。
【0029】
ところで、上記したように、一般的に用いられる棒金において、10円や100円等の硬貨は、同一種類を、例えば50枚単位で包装したものが用いられているが、例えば500円硬貨は、積層枚数が異なる2種類の棒金、すなわち、50枚単位の棒金(通常棒金、長棒金)と20枚単位の棒金(短棒金)とが用いられている。
【0030】
図6(A)及び
図6(B)に示すように、50枚単位の棒金である通常棒金(第1棒金)Aの長手方向(積層方向)の長さをLA(例えば、500円硬貨の場合に94mm程度)と称し、20枚単位の棒金である短棒金(第2棒金)Bの長手方向(積層方向)の長さをLB(例えば、500円硬貨の場合に40mm程度)と称すると、当然に、長さLA>長さLBとなる。ここで、短棒金Bの長さLBは、通常棒金Aの長さLAの半分未満であり、また長さLBは長さLAの3分の1より大きい値となっており(1/3LA<LB<1/2LA)、LB×2<LA、とも言える。通常、これら通常棒金A及び短棒金B等の棒金は、その長手方向両端面に、硬貨を包み込むラミネート材の端縁部分である丸まり部分33(例えば、長手方向左右にそれぞれ2mm程度)が形成されている。
【0031】
棒金収納装置10は、このように積層枚数の違いによって区別された複数種類の棒金が収納ポケット28に収納された場合に、その種類と本数を検出・判別する検出手段及び判別手段を有することにより、収納される種類を予め設定等する必要がなく、利用者の利便性が高いものとなっている。
【0032】
図7は、第1の実施形態に係る棒金収納装置10に設けられる収納ポケット28の構成図であり、
図7(A)は、収納ポケット28を上面側から見た斜視図であり、
図7(B)は、収納ポケット28を底面側から見た斜視図である。
図8は、
図7に示す収納ポケット28の側面断面図であり、収納ポケット28に棒金を収納せず、引出し24を開口部22aの内部で奥部が突き当たる所定の収納位置まで収納した状態を示している。
図8では、図面の見易さを確保するため、収納ポケット28等の断面ハッチング等を省略して図示しており、以降の各図面についても同様である。
【0033】
図7(A)、
図7(B)及び
図8に示すように、棒金収納装置10は、同一硬貨の積層枚数が異なる複数種類、ここでは2種類の棒金である通常棒金A又は短棒金Bが収納ポケット28に収納された場合に、該収納された棒金を検出する検出部(検出手段)34と、収納ポケット28内に収納された棒金を検出部34による所定の検出位置に移動させる棒金移動部材27と、検出部34による検出結果を受けて、収納ポケット28内に収納された棒金の種類と本数を判別する棒金制御部(判別手段)36とを備える。
【0034】
棒金制御部36は、制御ユニット21に設けられ、上位となる釣銭機18の制御ユニット19との間で情報のやり取りが可能であり、釣銭機18からの指示により、検出部34によって検出された棒金の種類及び本数を釣銭機18に通知し、さらに引出し24に付設されたロック機構(図示せず)に対して引出し24の開閉の要否(ロック指示及びアンロック指示)を通知する。
【0035】
棒金制御部36は、棒金収納装置10の制御ユニット21ではなく、
図1に示すように、貨幣処理装置16を構成する釣銭機18の制御ユニット19、POSレジスタ14の制御ユニット15、又は釣札機20の制御ユニット23に設けてもよい。さらには、これらPOSレジスタ14、貨幣処理装置16及び棒金収納装置10とは別体で制御ユニット(制御装置)25を設け、この制御ユニット25に棒金制御部36を設けてもよい。制御ユニット25は、少なくとも棒金収納装置10、貨幣処理装置16及びPOSレジスタ14のいずれか1つと通信可能に接続されればよい。
【0036】
検出部34は、収納ポケット28への棒金の収納方向である長手方向に沿って、一端側から他端側に向かって順に並べられた第1センサS1、第2センサS2、及び第3センサS3からなる3個のセンサを有する。第2センサS2は、収納ポケット28の長手方向中央に配置されている。第1センサS1は、収納ポケット28の長手方向一端側の一端面28aからやや中央寄りに配置され、第3センサS3は、収納ポケット28の他端面28bからやや中央寄りに配置されている。
【0037】
図7(A)及び
図7(B)に示すように、本実施形態の場合、検出部34を構成する各センサS1〜S3は、それぞれ投光器35a及び受光器35bからなる光センサである。センサS1〜S3は、収納ポケット28内に載置された棒金の有無を検知できるものであればよく、例えば、上下動式やレバー式等のON・OFFスイッチ(リミットスイッチ)や、棒金を構成する磁性体(金属媒体)に反応する磁気コイル式のセンサ等で構成してもよい。また、各センサS1〜S3をそれぞれ異なる方式のセンサによって構成してもよい。
【0038】
各センサS1〜S3は、投光器35aからの光を受光器35bが受光している場合には非検出状態(OFF)となり、この光が収納ポケット28内に収納された棒金によって遮断されると検出状態(ON)となることで、センサS1〜S3が各位置での棒金の有無を検出し、検出結果(検出信号)を外部に出力する。このような検出部34からの検出結果は、図示しないセンサ処理回路等を介して棒金制御部36に送信される。そこで、棒金制御部36は、送信された検出結果に基づき、棒金の種類や本数を特定する判別処理を実行し、判別結果をPOSレジスタ14等に送信する。
【0039】
棒金移動部材27は、収納ポケット28内で棒金を一端面28a側に移動させることで検出部34による検出位置にセットし、検出部34による棒金種類及び本数の正確な検出を促すためのものである。
【0040】
図7(A)及び
図8に示すように、棒金移動部材27は、先端側に突部(V形状部、押圧部)27aを有し、基端側が開口部22aの天面22bに固定され、突部27aが収納ポケット28の底部に向かって付勢された板ばね(板状弾性部材)である。突部27aは、板ばねの先端側を斜め下方へと折り曲げた後、先端部を上方に折り返した側面視V字形状である。突部27aの基端側部分は、矢印Z2方向に向かって下方に傾斜する傾斜面27bを形成している。
【0041】
棒金移動部材27は、開口部22aの天面22bにおいて、収納ポケット28と相対する位置に固定されており、棒金移動部材27に外力が作用していない自然姿勢で、突部27aが収納ポケット28内に収納された棒金に当接可能となる高さ位置に設定されている。つまり、突部27aの最下部と収納ポケット28の底面との間の高さ寸法は、棒金の外径よりも小さい。
【0042】
棒金移動部材27は装置本体22側に固定されているため、引出し24の引出し動作(矢印Z1方向への移動)及び収納動作(矢印Z2方向への移動)の際、該引出し24に対して相対的に逆方向に移動する。このため、突部27aは、引出し24を装置本体22へと収納する際の棒金と天面22bとの相対的な逆方向(近接方向)への移動により、収納された棒金の端面(他端面28b側の端面)に引っ掛かり係止されることで該棒金を一端面28a側に引寄せ移動させる。棒金を一端面28aに当接する位置まで引寄せ移動させると、突部27aは傾斜面27bが棒金の端面周縁部に摺接しながら弾性変形し、該棒金の外周面(上面)に乗り上げるため、引出し24の収納を妨げることがない(例えば、
図10(A)〜
図10(C)参照)。
【0043】
突部27aは、棒金を押圧移動させることができ、棒金が一端面28aに当接してその移動が規制された後は、棒金の周面に逃げることができるものであればいかなる形状であってもよく、例えば、板ばねの幅方向に延びる半円状又は三角形状のリブや、半球状の突起等であってもよく、棒金移動部材27は板ばね以外の構造であってもよい。また、棒金移動部材27は、必ずしも開口部22aの天面22bに固定されている必要はなく、開口部22aの側面や図示しないブラケット等を用いて固定されていてもよい。
【0044】
図8に示すように、収納ポケット28は、各棒金を硬貨の積層方向に沿った向きで収納可能であると共に、最も積層枚数が長い棒金、ここでは通常棒金Aを収納可能な長さL1を有し(L1≧LA)、通常棒金Aや短棒金Bを横倒し姿勢で収納可能に形成された半円状の溝部である。本実施形態では、上記のように通常棒金Aの長さLAが94mm程度であり、収納ポケット28の長さL1は、棒金のセットのし易さ及び取出し易さを考慮して、通常棒金の長さLAよりも数mm程度長くなっており、例えば、通常棒金Aが着地する底面の長さを96mm程度に構成している。
【0045】
本実施形態の場合、収納ポケット28は、1本の通常棒金A、又は、1本若しくは2本の短棒金Bを収納可能であり、検出部34によって収納された棒金が1本の通常棒金Aであるか、1本若しくは2本の短棒金Bであるかを検出部34によって検出可能となっている。そこで、次に、
図8以後の図を参照しながら、各棒金と各センサS1〜S3及び棒金移動部材27との関係について説明する。
【0046】
通常棒金Aが収納ポケット28に収納された場合、通常棒金Aは棒金移動部材27によって収納ポケット28の一端面28a側に引寄せられ、全てのセンサS1〜S3が検出状態(ON)となる(
図10(C)参照)。また、1本の短棒金Bが収納ポケット28に収納された場合、短棒金Bは棒金移動部材27によって収納ポケット28の一端面28a側に引寄せ移動され、第1センサS1のみが検出状態となる(
図11(D)参照)。さらに、2本の短棒金Bが収納ポケット28に収納された場合、2本の短棒金Bは棒金移動部材27によって収納ポケット28の一端面28a側にまとめて引寄せ移動され、第1,第2センサS1,S2が検出状態となる(
図13(C)参照)。これにより、棒金制御部36は、3個のセンサS1〜S3の全てが検出状態の場合に通常棒金Aが1本収納されていると判別し、1個のセンサS1が検出状態の場合に短棒金Bが1本収納されていると判別し、2個のセンサS1,S2が検出状態の場合に、短棒金が2本収納されていると判別する。
【0047】
上記のように2種類の棒金種類を3パターンで検出し判別するためのセンサS1〜S3及び棒金移動部材27の配置例について
図8を参照して説明すると、例えば、次の(1)〜(7)に示す関係で規定することができる。
(1)両端の第1センサS1と第3センサS3の間の間隔D1(例えば、80mm程度)は、通常棒金Aの長さLAより小さい(D1<LA)。すなわち、収納ポケット28に通常棒金Aを収納した場合に全てのセンサS1〜S3で検知可能とするため、間隔D1は、通常棒金Aの長さLAから、収納ポケット28の長さL1から長さLAを減算した差(L1−LA)を減算した間隔{LA−(L1−LA)}よりも短くする。
(2)各端面28a,28bから両端のセンサS1,S3までの長さをL2,L3(例えば、8mm程度)とすると、棒金移動部材27によって一端面28a側に寄せられた通常棒金Aを全てのセンサS1〜S3で検知可能とするため、一端面28aと第3センサS3との間の間隔(L2+D1)は、通常棒金Aの長さLAより小さい(L2+D1<LA)。
(3)棒金移動部材27によって一端面28a側に寄せられた1本の短棒金Bを第1センサS1のみで検知可能とするため、一端面28aから第1センサS1までの長さL2は、短棒金Bの長さLBより小さく、一端面28aから第2センサS2までの長さ(L2+D2)は、短棒金Bの長さLBより大きい(L2<LB<L2+D2)。
(4)棒金移動部材27によって一端面28a側にまとめて寄せられて直列配置された2本の短棒金BをセンサS1,S2で検知可能とするため、一端面28aから第2センサS2までの長さ(L2+D2)は、短棒金Bの長さLBの2倍より小さく、一端面28aから第3センサS3までの長さ(L2+D1)は、短棒金Bの長さLBの2倍より大きい(L2+D2<LB×2<L2+D1)。
(5)引出し24が装置本体22内に完全に収納された状態で、棒金移動部材27は、1本の短棒金Bを一端面28a側に引寄せ可能とするために、突部27aの位置Pは、収納ポケット28の長手方向で第2センサS2よりも一端面28a寄りに配置され、少なくとも位置Pと第1センサS1との間の間隔D4は、短棒金Bの長さLBより小さい(D4<LB)。なお、本実施形態では、短棒金Bを一端面28aに当接する位置まで移動させるため、一端面28aから突部27aの位置Pまでの間の長さ(L2+D4)を短棒金Bの長さLBより小さくしている(L2+D4<LB)。
(6)通常棒金Aを収納可能とするため、収納ポケット28の両端面28a,28b間の長さL1が、通常棒金Aの長さLAより大きい(LA<L1)。
(7)3本の短棒金Bが収納されることを防止するため、収納ポケット28の両端面28a,28b間の長さL1が、短棒金Bの長さLBの3倍より小さい(L1<LB×3)。
【0048】
次に、以上のように構成される棒金収納装置10による通常棒金A及び短棒金Bの種類判別方法と計数方法について説明する。
【0049】
先ず、
図9及び
図10を参照して、収納ポケット28に通常棒金Aを収納する場合について説明する。
【0050】
図9は、棒金収納装置10の収納ポケット28に通常棒金Aを収納する動作の前半部分を示す動作図であり、
図10は、
図9に示す通常棒金Aの収納動作の後半部分を示す動作図である。
図9(A)〜(C)及び
図10(A)〜(C)では、図面の見易さを確保するため、装置本体22や開口部22aの図示を省略し、装置本体22側に固定される棒金移動部材27の位置を固定し、引出し24に設けられた収納トレイ26が引出し動作及び収納動作によって矢印Z1,Z2方向へと移動する状態を図示しており、以降の各図面についても同様である。また、通常棒金Aの収納動作が完了した状態を示す図(通常棒金Aの場合には
図10(C))では、棒金によって検出状態(ON)となったセンサ(通常棒金Aの場合には全てのセンサS1〜S3)を黒丸で図示し、非検出状態(OFF)のセンサ(通常棒金Aの場合にはなし)を白丸で図示することにより、検出部34を構成する各センサS1〜S3の状態を明示しており、以降の
図11等についても同様である。
【0051】
先ず、
図9(A)に示すように装置本体22内に収納されている収納トレイ26(引出し24)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し、収納ポケット28に通常棒金Aを収納する(
図9(B)参照)。本実施形態では、
図9(B)に示すように、収納トレイ26を引出した状態で、収納ポケット28の奥側に棒金移動部材27が一部重なる位置関係でこれら収納ポケット28及び棒金移動部材27を設置しているが、収納トレイ26を引出した状態で収納ポケット28と棒金移動部材27が重ならず、収納ポケット28が完全に露出する位置関係となるように構成しても勿論よい。
【0052】
続いて、収納トレイ26を装置本体22の内部に収納するために、装置本体22側(矢印Z2方向)への押し込みを開始する(
図9(C)参照)。そうすると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する通常棒金Aに対し、棒金移動部材27は装置本体22に固定されているため、両者が相対的に逆方向に移動し、いずれ通常棒金Aの端面(奥面)に棒金移動部材27の突部27aが当接する。このため、
図10(A)に示すように、通常棒金Aは、突部27aから矢印Z1方向の押圧を受け、収納ポケット28内で収納トレイ26の移動方向とは反対の矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられる。このように、突部27aは、引出し24が押し込まれる際の力を利用して、収納ポケット28内の棒金を一端面28a側に引寄せ移動させることができる。
【0053】
そして、通常棒金Aの端面(手前面)が一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、突部27aは弾性変形しつつ、傾斜面27bによって通常棒金Aの上面(外周面)へと乗り上げる(
図10(B)参照)。その後、突部27aは、収納トレイ26の収納動作に伴って通常棒金Aの上面を摺接しながら、相対的に通常棒金Aとは逆方向(矢印Z1方向)に移動する。
【0054】
最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、
図10(C)に示すように、突部27aはセンサS1,S2間で通常棒金Aの上面を下方へと付勢した状態に保持される。
【0055】
図10(C)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側に寄せられた通常棒金Aによって全てのセンサS1〜S3が検出状態(ON)となる。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、通常棒金Aが1本収納されたと判別する。
【0056】
なお、このような検出部34による棒金の検出及び棒金制御部36による判別のタイミングは、例えば、センサS1〜S3が一定時間同じ検出状態や非検出状態となった場合に行なってもよく、また、引出し24の装置本体22への収納完了を図示しないセンサ等によって検知し、これをトリガとして行なってもよく、そのタイミングは適宜設定すればよい。また、棒金制御部36による棒金種類や本数の判別処理は、収納ポケット28への通常棒金Aや短棒金Bの想定される収納パターンに基づき、各センサS1〜S3のいずれが検出状態でいずれが非検出状態の場合に、どの種類の棒金が何本収納されたかを示すテーブルデータを作成して棒金制御部36に記憶しておき、実際の検出部34の検出結果を前記テーブルデータに当てはめるようにすると、円滑な処理が可能となる。
【0057】
次に、
図11を参照して、収納ポケット28に1本の短棒金Bを収納する場合について説明する。
【0058】
図11は、棒金収納装置10の収納ポケッ28に1本の短棒金Bを収納する動作を示す動作図である。
【0059】
先ず、装置本体22内に収納されている収納トレイ26(
図9(A)参照)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し、収納ポケット28に1本の短棒金Bを収納する(
図11(A)参照)。
【0060】
続いて、収納トレイ26の装置本体22内への押し込みを開始する(
図11(B)参照)。そうすると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する短棒金Bと、位置が固定されている棒金移動部材27とが相対的に逆方向に移動し、短棒金Bの端面(奥面)に棒金移動部材27の突部27aが当接し、短棒金Bが収納ポケット28内で矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられる(
図11(C)参照)。
【0061】
そして、短棒金Bの端面(手前面)が一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、突部27aは弾性変形しつつ短棒金Bの上面に乗り上げる。最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、
図11(D)に示すように、突部27aはセンサS1,S2間で短棒金Bの上面を付勢した状態に保持される。
【0062】
図11(D)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側に寄せられた1本の短棒金Bによって第1センサS1が検出状態(ON)となり、第2,第3センサS2,S3は非検出状態(OFF)にある。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、短棒金Aが1本収納されたと判別する。
【0063】
このように、棒金制御部36では、第1センサS1のみが検出状態になった場合に、1本の短棒金Bを検出し判別している。つまり、
図8及び
図14に示すように、棒金移動部材27の突部27aの位置Pは、第2センサS2の側部よりも第1センサS1側に設置されていればよい。換言すれば、突部27aの位置Pは、収納トレイ26が装置本体22の内部に所定位置まで収納された状態で、3個のセンサS1〜S3のうちで、棒金移動部材27による棒金の移動方向(矢印Z1方向)で最も前方側の第1センサS1とこれに隣接した第2センサS2との間の位置となるように設置されている。
【0064】
また、
図14に示すように、突部27aの位置Pを、一端面28aに当接した短棒金Bに乗り上げない位置としてもよい。そうすると、引出し24が開口部22aの奥部に突き当たった際の衝撃等により、収納ポケット28内に収納された短棒金Bが前後に移動した場合であっても、該短棒金Bの端面に突部27aが当接し、短棒金Bの矢印Z2方向への移動が第2センサS2の手前側で規制されるため、短棒金Bを確実に第1センサS1の検出位置に保持しておくことができる。
【0065】
次に、
図12及び
図13を参照して、収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する場合について説明する。
【0066】
図12は、棒金収納装置10の収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する動作の前半部分を示す動作図であり、
図13は、
図12に示す2本の短棒金Bの収納動作の後半部分を示す動作図である。
【0067】
先ず、装置本体22内に収納されている収納トレイ26(
図9(A)参照)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し、収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する(
図12(A)参照)。2本の短棒金Bは、両者を直列に当接させた状態で収納してもよく、
図12(A)に示すように両者を離間させた状態で収納してもよい。
【0068】
続いて、収納トレイ26の装置本体22内への押し込みを開始すると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する2本の短棒金Bと、位置が固定されている棒金移動部材27とが相対的に逆方向に移動し、奥側(
図11で右側)の短棒金Bの端面(奥面)に棒金移動部材27の突部27aが当接する(
図12(B)参照)。このため、突部27aからの押圧力により、奥側の短棒金Bが収納ポケット28内で矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられ、いずれ手前側(
図11で左側)の短棒金Bに当接し、両者がくっついて直列に並んだ状態となる(
図12(C)参照)。そうすると、棒金移動部材27の突部27aによって矢印Z1方向に引寄せられる奥側の短棒金Bにより、手前側の短棒金Bもまとめて一体的に矢印Z1方向に引寄せ移動させられる(
図13(A)参照)。
【0069】
そして、手前側の短棒金Bの端面(手前面)が一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、突部27aは弾性変形しつつ奥側の短棒金Bの上面に乗り上げる(
図13(B)参照)。最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、突部27aはセンサS1,S2間で手前側の短棒金Bの上面を下方へと付勢した状態に保持される(
図13(C)参照)。
【0070】
図13(C)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側にまとめて引寄せられた2本の短棒金Bによって第1,第2センサS1,S2が検出状態(ON)となり、第3センサS3は非検出状態(OFF)にある。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、短棒金Bが2本収納されたと判別する。
【0071】
図13(C)に2点鎖線で示すように、棒金移動部材27を1個追加して、2枚の棒金移動部材27,27を収納ポケット28の長手方向に沿って並べた構成としてもよい。追加された2個目の棒金移動部材27は、収納トレイ26が装置本体22内に完全に収納された状態で、センサS2,S3間で奥側の短棒金Bの上面を下方へと付勢する位置となるように構成するとよい。そうすると、
図13(B)に示すように、手前側の棒金移動部材27が奥側や手前側の短棒金B上に乗り上げた後にも、奥側の棒金移動部材27を奥側の棒金移動部材27で引寄せることができ、2本の短棒金Bをより安定して直列させた状態に維持しながら、収納ポケット28内で移動させることができる。
【0072】
しかも、
図13(C)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した際、奥側の棒金移動部材27が奥側の短棒金Bを保持しているため、引出し24が開口部22aの奥部に突き当たった際の衝撃等により、2本の短棒金Bが前後に移動することを有効に防止でき、2本の短棒金BをセンサS1,S2による検出位置に確実に保持しておくことができる。なお、棒金移動部材27を2枚設けた場合であっても、通常棒金Aを収納する際には両方の棒金移動部材27が通常棒金A上に乗り上げ、また、1本の短棒金Bを収納する際には奥側の棒金移動部材27は短棒金Bに当接することがないため、これらの場合であっても追加した2個目の棒金移動部材27が邪魔になることはない。
【0073】
また、
図14に示すように、棒金移動部材27の突部27aの位置Pを第2センサS2の側部となる位置に設け、突部27aの先端部27cが第2センサS2よりも第3センサS3側に突出する位置に設けておくことも有効である。そうすると、引出し24が開口部22aの奥部に突き当たった際の衝撃等により、奥側の短棒金Bが矢印Z2方向に移動した場合には、2本の短棒金B,B間に突部27aが介在する。従って、手前側の短棒金Bは突部27aの一端面28a側に保持されて第1センサS1をONし、奥側の短棒金Bは突部27aの先端部27cよりも他端面28b側に保持されて第3センサS3をONし(
図14では白丸のまま図示している)、第2センサS2はOFFとなる。このため、棒金制御部36は2個のセンサS1,S3がONされたことに基づき、2本の短棒金Bが収納されたことを確実に判別することができる。つまり、棒金収納装置10では、2本の短棒金Bが収納された場合には、棒金移動部材27により、必ず1個のセンサS2又はS3を外す位置に各短棒金Bが位置決めされる。
【0074】
2.2 第2の実施形態に係る棒金収納装置の説明
次に、第2の実施形態に係る棒金収納装置(棒金収納庫)10aについて説明する。
【0075】
本実施形態に係る棒金収納装置10aは、上記第1の実施形態に係る棒金収納装置10と比べて、板ばねで構成した棒金移動部材27と異なる構造の棒金移動部材40を備える点以外は略同様な装置であり、例えばレジシステム12に搭載され(
図1〜
図5参照)、通常棒金A及び短棒金Bの収納・検出・判別が可能である。そこで、本実施形態に係る棒金収納装置10aにおいて、上記第1の実施形態に係る棒金収納装置10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0076】
図15は、第2の実施形態に係る棒金収納装置10aに設けられる収納ポケット28に通常棒金Aを収納する動作の前半部分を示す動作図であり、
図16は、
図15に示す通常棒金Aの収納動作の後半部分を示す動作図である。
【0077】
本実施形態に係る棒金収納装置10aに備えられる棒金移動部材40は、上記の棒金移動部材27と同様に、収納ポケット28内に収納された棒金を一端面28a側に移動させることで検出部34による検出位置にセットし、検出部34による棒金種類及び本数の正確な検出を促すためのものである。
【0078】
図15(A)に示すように、棒金移動部材40は、下方に屈曲したフック42aが先端に形成され、側面視L字形状に形成された棒状又は帯板状のフック部材42と、先端側にフック部材42が固定され、基端側が開口部22aの天面22bに固定されることで矢印Z1,Z2方向に伸縮可能な弾性部材であるコイルばね(ねじりコイルばね)44とを備える。フック部材42は、コイルばね44の伸縮動作に伴って矢印Z1,Z2方向にスライド可能である。
【0079】
棒金移動部材40は、コイルばね44の基端が、開口部22aの天面22bにおいて収納ポケット28と相対する位置に固定されており、棒金移動部材40に外力が作用せず、コイルばね44が自然長の状態で、フック部材42のフック42aが収納ポケット28内に収納された棒金に当接可能となる高さ位置に設定されている。つまり、フック42aの最下部と収納ポケット28の底面との間の高さ寸法が、棒金の外径よりも小さい。
【0080】
上記の棒金移動部材27と同様、棒金移動部材40は装置本体22側に固定されているため、引出し24の引出し動作(矢印Z1方向への移動)及び収納動作(矢印Z2方向への移動)の際、該引出し24に対して相対的に逆方向に移動する。このため、フック42aは、引出し24を装置本体22へ収納する際の棒金と天面22bとの相対的な逆方向への移動により、収納された棒金の端面(他端面28b側の端面)に引っ掛かり係合することで該棒金を一端面28a側に引寄せ移動させる。棒金を引寄せ移動させる際、フック部材42はコイルばね44の伸張動作によって引出し24の収納方向と同方向にスライド移動する。棒金を一端面28aに当接する位置まで引寄せ移動させた後、棒金に引っ掛かっているフック部材42は、コイルばね44の付勢力に抗して該コイルばね44を伸張させながら矢印Z2方向にスライドするため、引出し24の収納を妨げることがない。
【0081】
棒金移動部材40は、引出し24の収納動作に伴って収納ポケット28内に収納された棒金に引っ掛かり、これを引寄せ移動させながらフックがスライドすることができる構成であればいかなる構成であってもよい。また、弾性部材としてはコイルばね44以外のものであってもよく、フック部材40はL字形状以外であってもよい。また、コイルばね44は、その伸縮距離を確保しつつ、コンパクトな構成とするために、図示しないプーリ等で折り返すことで伸縮距離を確保した構成としてもよい。さらに、棒金移動部材40は、必ずしも開口部22aの天面22bに固定されている必要はなく、開口部22aの側面や図示しないブラケット等を用いて固定されていてもよい。
【0082】
本実施形態の場合、収納ポケット28や検出部34の寸法や配置は、上記第1の実施形態に係る棒金収納装置10と同様でよいが、棒金移動部材40と検出部34や棒金との関係については、例えば、次のように規定するとよい。
【0083】
すなわち、引出し24が装置本体22内に完全に収納された状態で、棒金移動部材40は、1本の短棒金Bを一端面28a側に引寄せ可能とするために、コイルばね44の自然長でのフック42aの位置P2は、第2センサS2よりも一端面28a寄りに配置され(
図15(A)中に2点鎖線で示す位置P2も参照)、少なくとも位置P2と第1センサS1との間の間隔D5は、短棒金Bの長さLBより小さい(D5<LB)。換言すれば、フック42aの位置P2は、収納トレイ26が装置本体22の内部に所定位置まで収納された状態で、3個のセンサS1〜S3のうちで、棒金移動部材27による棒金の移動方向で最も前方側の第1センサS1とこれに隣接した第2センサS2との間の位置となるように設置されている。また、本実施形態では、短棒金Bを一端面28aに当接させる位置まで移動させるため、一端面28aからフック40aの位置P2までの間の長さ(L2+D5)を短棒金Bの長さLBより小さくしている(L2+D5<LB)。
【0084】
次に、以上のように構成される棒金収納装置10aによる通常棒金A及び短棒金Bの種類判別方法と計数方法について説明する。
【0085】
先ず、
図15及び
図16を参照して、収納ポケット28に通常棒金Aを収納する場合について説明する。
【0086】
図15(A)に示すように装置本体22内に収納されている収納トレイ26(引出し24)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し(
図15(B)参照)、収納ポケット28に通常棒金Aを収納する(
図15(C)参照)。本実施形態では、
図15(B)に示すように、収納トレイ26を引出した状態で、収納ポケット28の奥側に棒金移動部材40が一部重なる位置関係でこれら収納ポケット28及び棒金移動部材40を設置しているが、収納トレイ26を引出した状態では、収納ポケット28と棒金移動部材40が重ならず、収納ポケット28が完全に露出する位置関係となるように構成しても勿論よい。
【0087】
続いて、収納トレイ26を装置本体22の内部に収納するために、装置本体22側(矢印Z2方向)への押し込みを開始する(
図15(C)参照)。そうすると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する通常棒金Aに対し、棒金移動部材40は装置本体22に固定されているため、両者が相対的に逆方向に移動し、通常棒金Aの端面(奥面)にフック42aが当接し、引っ掛かる(
図16(A)参照)。通常棒金Aの端面にフック42aが引っ掛けられた状態で、さらに収納トレイ26が押し込まれると、通常棒金Aはコイルばね44を伸張させながら、収納ポケット28内で収納トレイ26の移動方向とは反対の矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられ、一端面28aに当接する(
図16(B)参照)。
【0088】
そして、通常棒金Aが一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、フック42aが通常棒金Aの端面に引っ掛かったまま、コイルばね44がさらに伸張する。最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、
図16(C)に示すように、通常棒金Aはコイルばね44の付勢力により、フック42aと一端面28aとの間で挟持され保持される。
【0089】
図16(C)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側に寄せられた通常棒金Aによって全てのセンサS1〜S3が検出状態(ON)となる。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、通常棒金Aが1本収納されたと判別する。
【0090】
次に、
図17を参照して、収納ポケット28に1本の短棒金Bを収納する場合について説明する。
【0091】
図17は、棒金収納装置10aの収納ポケット28に1本の短棒金Bを収納する動作を示す動作図である。
【0092】
先ず、装置本体22内に収納されている収納トレイ26(
図15(A)参照)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し、収納ポケット28に1本の短棒金Bを収納する(
図17(A)参照)。
【0093】
続いて、収納トレイ26の装置本体22内への押し込みを開始する(
図17(B)参照)。そうすると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する短棒金Bと、位置が固定されている棒金移動部材40とが相対的に逆方向に移動し、短棒金Bの端面(奥面)にフック42aが引っ掛かり、短棒金Bはコイルばね44を伸張させながら、収納ポケット28内で矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられる(
図17(C)参照)。
【0094】
そして、短棒金Bの端面(手前面)が一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、フック42aが短棒金Bの端面に引っ掛かったまま、コイルばね44がさらに伸張する。最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、
図17(D)に示すように、短棒金Bは、コイルばね44の付勢力により、フック42aと一端面28aとの間で挟持され保持される。
【0095】
図17(D)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側に寄せられた1本の短棒金Bによって第1センサS1が検出状態(ON)となり、第2,第3センサS2,S3は非検出状態(OFF)にある。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、短棒金Bが1本収納されたと判別する。
【0096】
このように、棒金制御装置10aを構成する棒金移動部材40は、棒金の端面に引っ掛かるフック部材42とこれを弾性支持する伸縮可能なコイルばね44とを備えるため、フック42aと一端面28aとの間に棒金を挟持し保持することができる。このため、引出し24が開口部22aの奥部に突き当たった際の衝撃等により、収納ポケット28内に収納された短棒金Bに前後方向の力が作用した場合であっても、該短棒金Bはフック42aによって移動が規制されているため、短棒金Bを確実に第1センサS1の検出位置に保持しておくことができる。
【0097】
次に、
図18を参照して、収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する場合について説明する。
【0098】
図18は、棒金収納装置10aの収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する動作を示す動作図である。
【0099】
先ず、装置本体22内に収納されている収納トレイ26(
図15(A)参照)を装置本体22の前面側(矢印Z1方向)へと引出し、収納ポケット28に2本の短棒金Bを収納する(
図18(A)参照)。2本の短棒金Bは、両者を直列に当接させた状態で収納してもよく、
図18(A)に示すように両者を離間させた状態で収納してもよい。
【0100】
続いて、収納トレイ26の装置本体22内への押し込みを開始する。そうすると、収納トレイ26と共に矢印Z2方向に移動する2本の短棒金Bと、位置が固定されている棒金移動部材40とが相対的に逆方向に移動し、奥側(
図18で右側)の短棒金Bの端面(奥面)にフック42aが引っ掛かり、この奥側の短棒金Bはコイルばね44を伸張させながら、収納ポケット28内で矢印Z1方向(一端面28a側)に引寄せ移動させられる(
図18(B)参照)。フック42aによって移動された奥側の短棒金Bが、手前側(
図18で右側)の短棒金Bに当接し、両者が直列に並んだ状態となると、フック42aによって矢印Z1方向に引寄せられる奥側の短棒金Bと共に、手前側の短棒金Bもまとめて一体的に矢印Z1方向に引寄せ移動させられる(
図18(C)参照)。
【0101】
そして、手前側の短棒金Bの端面(手前面)が一端面28aに当接した後も収納トレイ26が矢印Z2方向に押し込まれることにより、フック42aが奥側の短棒金Bの端面に引っ掛かったまま、コイルばね44がさらに伸張する。最終的に、収納トレイ26(引出し24)の装置本体22の開口部22a内への収納動作が完了すると、
図18(D)に示すように、フック42aが引っ掛けられた奥側の短棒金Bと、その手前側の短棒金Bとは、コイルばね44の付勢力により、フック42aと一端面28aとの間で直列に並んだ状態で挟持され保持される。
【0102】
図18(D)に示すように、収納トレイ26の装置本体22内への収納が完了した状態では、一端面28a側に一体的に寄せられた2本の短棒金Bによって第1,第2センサS1,S2が検出状態(ON)となり、第3センサS3は非検出状態(OFF)にある。そこで、棒金制御部36は、これら各センサS1〜S3の検出結果に基づき、短棒金Bが2本収納されたと判別する。
【0103】
このように、棒金移動部材40では、2本の短棒金Bが収納ポケット28内に収納された場合であっても、2本の短棒金Bはフック42aによって移動が規制されるため、引出し24が開口部22aの奥部に突き当たった際の衝撃等により、収納ポケット28内に収納された短棒金Bに前後方向の力が作用した場合であっても、2本の短棒金Bを確実に第1,第2センサS1,S2の検出位置に保持しておくことができる。
【0104】
以上のように、上記実施形態に係る棒金収納装置10,10aによれば、筐体である装置本体22に収納可能且つ引出し可能に設置された収納トレイ26と、収納トレイ26に設けられ、硬貨の積層枚数が異なる複数種類の棒金(例えば、通常棒金A及び短棒金B)を収納可能な収納ポケット28とを備え、さらに、収納ポケット28内に収納された棒金を検出可能であると共に、該収納された棒金の硬貨の積層枚数による種類の違いに応じた検出結果を出力可能な検出部34と、収納ポケット28内に収納された棒金を、検出部34による検出位置に移動させる棒金移動部材27,40とを備える。
【0105】
従って、硬貨の積層枚数の異なる複数種類の棒金のいずれかを収納ポケット28内に収納するだけで、収納された棒金は棒金移動部材27,40によって検出部34による所定の検出位置、上記実施形態では、各センサS1〜S3に対応するように収納ポケット28の一端面28aに寄った位置に移動させられる。これにより、棒金の種類や本数に応じて異なる検出結果が検出部34から出力され、例えば制御ユニット21において収納ポケット28内に収納された棒金の種類や本数を確実に判別できる。しかも、検出部34の検出位置に棒金を棒金移動部材27,40によって移動させることができるので、収納ポケット28内に多数のセンサを並列する必要がなく、検出部34を構成するセンサ数を最小限に抑えることができ、低コストで利用者の利便性を向上させることができる。さらに、棒金の種類毎に設定処理等を行う必要がないため、装置の汎用性が向上する。
【0106】
この場合、棒金移動部材27,40は、装置本体22に固定されており、収納トレイ26が装置本体22の外部へと引出されて収納ポケット28内に棒金が収納された後、装置本体22の内部へと収納される際に、収納ポケット28内に収納された棒金に当接することにより、特別に駆動手段等を備えることなく、引出し24の収納時の押し込み力のみを利用して、該棒金を収納ポケット28内で移動させることができる。このため、装置構成をより簡素化し、コストを低減することができ、しかも棒金移動部材27,40の駆動制御も不要となることから、構造面だけでなく制御面もより簡素化することができる。
【0107】
例えば、棒金移動部材27,40は、通常棒金Aが収納ポケット28に収納された場合には、全てのセンサS1〜S3が検出状態となる位置に該通常棒金Aを移動させ、1本の短棒金Bが収納ポケット28に収納された場合には、1個のセンサS1が検出状態となる位置に該短棒金Bを移動させ、2本の短棒金Bが収納ポケット28に収納された場合には、2個のセンサS1,S2又はS1,S3が検出状態となる位置に該2本の短棒金Bを移動させることで、棒金種類や本数の正確な検出を可能としている。
【0108】
換言すれば、棒金収納装置10,10aでは、通常棒金Aが収納された場合には、全てのセンサS1〜S3が検出状態となり(
図10(C)、
図16(C)参照)、1本の短棒金Bが収納された場合には、1個のセンサS1が検出状態となり(
図11(D)、
図17(D)参照)、2本の短棒金Bが収納された場合には、2個のセンサS1,S2(
図13(C)、
図18(D)参照)又はS1,S3(
図14参照)が検出状態となる位置関係で検出部34を構成する3個のセンサS1〜S3と棒金移動部材27,40を設置している。
【0109】
上記各実施形態に係る棒金収納装置10,10aを備えた棒金収納管理システムであるレジシステム12では、棒金収納装置10の制御ユニット21(又は制御ユニット15,19,23,25)に、検出部34から出力される検出結果に基づき、硬貨の積層枚数の違いによる棒金の種類(例えば、通常棒金A及び短棒金B)を判別する判別手段である棒金制御部36を備えることにより、該棒金制御部36によって収納ポケット28に収納された棒金の種類を判別し、その収納状態を管理することができる。
【0110】
また、上記各実施形態に係る棒金収納装置10,10aでは、2種類の棒金について、1本の通常棒金Aと、1本又は2本の短棒金Bを収納ポケット28に収納可能な構成を例示したが、
図19に示すように、これら棒金収納装置10,10aは、1本の通常棒金Aと、1〜3本(又は4本以上)の短棒金Bを収納可能に構成することもできる。
【0111】
例えば、
図19に示すように、第1〜第3センサS1〜S3の隣にさらに第4センサS4を追加することにより、各棒金は棒金移動部材27(40)によって収納ポケット28内で一端面28a側に移動させられるため、1〜3本の短棒金Bをそれぞれ第1〜第3センサS1〜S3で検出することができ、さらに、通常棒金Aを第1〜第4センサS1〜S4で検出することができる。
【0112】
図19に示す例では、一端面28aから各センサS1,S2,S3,S4までの距離を、それぞれ短棒金Bが1本,2本,3本,通常棒金が1本を検出可能な距離に設定することで、棒金移動部材27(40)の作用下に各棒金を検出可能としている。換言すれば、最も長い通常棒金Aを全てのセンサS1〜S4で検出し、これより短い短棒金Bをその本数毎に各センサS1〜S3で検出し、短棒金Bが収納された状態では、少なくとも棒金移動部材27(40)による棒金の移動方向で最も後方側となる他端面28b側のセンサS4が非検出状態となる位置関係となっている。また、この場合には、短棒金Bの長さLBを、通常棒金Aの長さLAの1/3未満とし、長さLBを長さLAの4分の1より大きい値となっている(1/4LA<LB<1/3LA)。さらに、4本以上の短棒金Bを検出・判別可能にするためには5個以上のセンサを通常棒金Aと、短棒金Bの収納本数とを考慮した数だけ設ければよい。
【0113】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。