(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンテンツ実行状態確認手段は、前記コンテンツ実行装置にて前記直接配信型コンテンツが実行されているか否かを所定時間ごとに確認する請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
前記接続管理手段は、前記コンテンツ実行装置において前記連携アプリケーションが起動されていない場合には、前記コンテンツ実行装置との間に確立されている接続を切断することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ配信システム。
前記接続管理手段は、前記コンテンツ実行状態確認手段によって前記直接配信型コンテンツの実行が確認されない場合には、前記コンテンツ実行装置との間に確立されている接続を切断することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ配信システム。
前記接続管理手段は、前記中継サーバを介する通信が無い状態が継続した場合には、前記コンテンツ実行装置との間に確立されている接続を切断することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ配信システム。
前記接続管理手段は、前記コンテンツ実行装置との間に確立されている接続を識別するための接続識別情報を破棄することにより当該接続を切断することを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、コンテンツ配信システム10は、車両に設けられる車両用機器11と、コンテンツ配信サーバ12と、これら車両用機器11とコンテンツ配信サーバ12との間のデータ通信を中継する中継サーバ13と、コンテンツ認証情報管理サーバ32と、で構築される。また、コンテンツ配信システム10は、会員情報管理サーバ31を利用したシステム構成である。なお、会員情報管理サーバ31は、本出願人以外の第三者が所有する会員情報管理用のサーバであり、中継サーバ13およびコンテンツ認証情報管理サーバ32は、本出願人が所有するコンテンツ配信サービス管理用のサーバである。
【0011】
車両用機器11は、コンテンツを実行するコンテンツ実行装置に相当するものであり、この場合、車両に搭載される車両用通信装置111と、この車両用通信装置111と通信可能に接続される携帯通信端末112と、で構成されている。車両用通信装置111は、例えばナビゲーション装置で構成される。携帯通信端末112は、車両の車室内に持ち込まれると、車両用通信装置111と無線の通信回線を介して通信可能に接続される。なお、無線の通信回線としては、例えばBluetooth通信回線(Bluetooth:登録商標)が想定される。これら車両用通信装置111及び携帯通信端末112については後述する。
【0012】
コンテンツ配信サーバ12としては、この場合、ストリーミング型のコンテンツを配信するストリーミング型配信サーバ121と、非ストリーミング型のコンテンツを配信する非ストリーミング型配信サーバ122とが存在する。
【0013】
ストリーミング型配信サーバ121は、この場合、ストリーミング型のコンテンツとして音楽を再生する音楽コンテンツAを配信する。音楽コンテンツAは、中継サーバ13にてデータ形式を変換しなくとも車両用機器11で実行可能なコンテンツであり、
図2に示すように、車両用機器11におけるユーザによる操作に応じて当該車両用機器11から中継サーバ13を介して送信(入力)される配信要求(コンテンツ取得要求)に応じてストリーミング型配信サーバ121から中継サーバ13を介することなく車両用機器11に直接的に配信される。即ち、この音楽コンテンツAは、ストリーミング型配信サーバ121から中継サーバ13を介さずに車両用機器11に直接的に配信される直接配信型コンテンツである。なお、ストリーミング型のコンテンツとしては、音楽コンテンツAのほか、例えばインターネットラジオを実現するインターネットラジオコンテンツ、一旦実行が開始されるとその後はユーザ操作に依らず自動的に写真を配信する自動写真配信コンテンツ、一旦実行が開始されるとその後はユーザ操作に依らず自動的にニュースを配信する自動ニュース配信コンテンツ、一旦実行が開始されるとその後はユーザ操作に依らず自動的に動画を配信する自動動画配信コンテンツなどが考えられる。なお、一旦実行が開始されるとその後はユーザ操作に依らず自動的(継続的)にコンテンツデータが配信されるコンテンツを、本実施形態では「自動継続配信型コンテンツ」と称する。
【0014】
一方、非ストリーミング型配信サーバ122は、この場合、非ストリーミング型のコンテンツとして施設検索サービスを実現する施設検索コンテンツBを配信する。施設検索コンテンツBは、中継サーバ13にてデータ形式が変換されることにより車両用機器11で実行可能となるコンテンツであり、
図3に示すように、車両用機器11から中継サーバ13を介して送信(入力)される配信要求(コンテンツ取得要求)に応じて非ストリーミング型配信サーバ122から中継サーバ13を介して車両用機器11に間接的に配信される。即ち、この施設検索コンテンツBは、非ストリーミング型配信サーバ122から中継サーバ13を介して車両用機器11に間接的に配信される間接配信型コンテンツである。なお、非ストリーミング型のコンテンツとしては、施設検索コンテンツBのほか、例えば、ユーザ操作に応じて逐次ニュースを配信する手動ニュース配信コンテンツ、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを実現するSNSサービスコンテンツなどが考えられる。
【0015】
会員情報管理サーバ31は、当該会員情報管理サーバ31を所有する第三者が提供するサービス(コンテンツ配信サービスに限らない)の利用を希望するユーザが任意に設定した情報を会員情報として管理するサーバである。この場合、本出願人が提供するコンテンツ配信サービスの利用を希望するユーザは、会員情報として、詳しくは後述する連携アプリケーションを起動する際に使用する連携アプリケーション起動用のユーザID(以下、「連携アプリ起動用のユーザID」と称する)及びパスワードを会員情報管理サーバ31に登録するものとする。なお、会員情報としては、登録された会員を識別できる情報であればユーザID及びパスワード以外の情報であってもよい。ユーザは、自身が所有する携帯通信端末112あるいは図示しないパーソナルコンピュータなどの情報端末を介して専用の会員情報登録サイトにアクセスし、そのサイトを介して会員情報(この場合、連携アプリ起動用のユーザID及びパスワード)を会員情報管理サーバ31に登録することができる。
【0016】
また、この会員情報管理サーバ31は、当該会員情報管理サーバ31の動作全般を制御する図示しない制御装置がコンピュータプログラムを実行することにより、認証チケットデータ付与処理部311をソフトウェアによって仮想的に実現する。この認証チケットデータ付与処理部311は、会員情報管理サーバ31が管理している会員情報と一致する会員情報を入力した車両用機器11、この場合、当該車両用機器11を構成する携帯通信端末112に対して、認証情報として認証チケットデータを付与する。なお、この認証チケットデータには、一致した会員情報を示す会員情報データ、当該認証チケットが会員情報管理サーバ31によって発行されたことを証明する証明書データなど各種のデータを添付することが可能である。
【0017】
中継サーバ13は、当該中継サーバ13の動作全般を制御する図示しない制御装置がコンピュータプログラム(中継サーバ用プログラムを含む)を実行することにより、セッション設定処理部51、コンテンツ実行状態確認手段に相当するコンテンツ実行状態確認処理部52、接続管理手段に相当するセッション管理処理部53、認証チケットデータ取得処理部81、コンテンツ認証情報確認処理部82、サービス提供許可処理部83をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0018】
セッション設定処理部51は、詳しくは後述するログイン処理を実行した車両用機器11との間にセッションを確立すると、即ち、車両用機器11と中継サーバ13との間の接続が確立されると、そのセッション(接続状態)を識別するセッションID(接続識別情報に相当)を設定する。本実施形態では、このようにしてセッションが確立された状態を「ログイン状態」、セッションが切断された状態を「ログアウト状態」としている。また、車両用機器11と中継サーバ13との間のセッションは、車両用機器11からのログイン処理に応じて確立されるようになっている。セッション設定処理部51は、車両用機器11がログイン処理を実行するごとに改めてセッションIDを設定するように構成されている。車両用機器11は、当該車両用機器11にて連携アプリケーションが起動されると第1所定時間ごとに中継サーバ13に対してログイン処理を行うように構成されている。第1所定時間は、適宜変更して設定することができ、この場合、23時間で設定されている。
【0019】
コンテンツ実行状態確認処理部52は、コンテンツ実行状態確認処理を実行することにより、車両用機器11におけるコンテンツの実行状態を確認する処理部である。即ち、コンテンツ実行状態確認処理部52は、車両用機器11から出力された配信要求を中継サーバ13がストリーミング型配信サーバ121に中継し、これに応じて、ストリーミング型配信サーバ121が車両用機器11に直接配信型コンテンツ(例えば、音楽コンテンツA)を配信している場合に、車両用機器11にて当該直接配信型コンテンツが実行されているか否かを、詳しくは後述するようにして当該車両用機器11に直接的に確認する。この場合、コンテンツ実行状態確認処理部52は、直接配信型コンテンツの実行/非実行を確認する確認処理を第2所定時間ごとに実行するように設定されている。第2所定時間は、第1所定時間よりも短い時間で適宜変更して設定することができ、この場合、12時間で設定されている。
【0020】
セッション管理処理部53は、接続管理処理に相当するセッション管理処理を実行することにより、車両用機器11からのログイン処理に伴い当該車両用機器11との間に確立されたセッションを管理する処理部である。即ち、このセッション管理処理部53は、コンテンツ実行状態確認処理部52によって車両用機器11における直接配信型コンテンツの実行が確認された場合には、その車両用機器11とのセッションを維持する。具体的には、セッション管理処理部53は、車両用機器11において連携アプリケーションが起動されている場合には、当該連携アプリケーション上で直接配信型コンテンツが実行されているものとみなし、車両用機器11とのセッションを維持するように設定されている。なお、セッション管理処理部53は、車両用機器11において連携アプリケーションが起動され、かつ、当該連携アプリケーション上で実際に直接配信型コンテンツが実行されていることを確認した場合に、車両用機器11とのセッションを維持するように設定してもよい。
【0021】
一方、セッション管理処理部53は、コンテンツ実行状態確認処理部52によって車両用機器11における直接配信型コンテンツの実行が確認されない場合には、その車両用機器11とのセッションを切断する。具体的には、セッション管理処理部53は、車両用機器11において連携アプリケーションが起動されていない場合には、車両用機器11とのセッションを切断する。この場合、セッション管理処理部53は、セッション設定処理部51が設定したセッションIDを破棄することで車両用機器11とのセッションを切断するように設定されている。なお、セッション管理処理部53は、車両用機器11において連携アプリケーションが起動されていることを確認した場合であっても、当該連携アプリケーション上で実際に直接配信型コンテンツが実行されていることを確認できない場合に、車両用機器11とのセッションを切断するように設定してもよい。
【0022】
認証チケットデータ取得処理部81は、会員情報管理サーバ31が認証チケットデータ付与処理部311によって携帯通信端末112に付与した認証チケットデータと同一の認証チケットデータを会員情報管理サーバ31から取得する。
コンテンツ認証情報確認処理部82は、車両用機器11を構成する携帯通信端末112に付与された認証チケットデータと認証チケットデータ取得処理部81が取得した認証チケットデータとが一致するか否かを判定する。そして、コンテンツ認証情報確認処理部82は、両認証チケットデータが一致する場合には、その認証チケットデータ(換言すれば、車両用機器11に入力された会員情報)に対応付けて管理されているコンテンツ認証情報(この場合、会員情報のうち連携アプリ起動用のユーザIDに対応付けられて管理されているコンテンツ起動用のユーザID及びパスワード)がコンテンツ認証情報管理サーバ32に存在するか否か(コンテンツ認証情報管理サーバ32によって管理されているか否か)を確認する。
【0023】
サービス提供許可処理部83は、車両用機器11に入力された会員情報(当該会員情報に対応して車両用機器11に付与された認証チケットデータ)に対応付けて管理されているコンテンツ認証情報の存在がコンテンツ認証情報確認処理部82による確認処理によって確認された場合に、その車両用機器11に対するコンテンツの配信を許諾(コンテンツ配信サービスの提供を許可)する。即ち、この配信許諾処理部83による許可が得られることをもって、車両用機器11は、コンテンツ配信サービスを利用可能なコンテンツ実行装置として認証されるのである。
【0024】
コンテンツ認証情報管理サーバ32は、コンテンツ配信サービスの提供を受けるためにユーザが任意に設定した情報、この場合、連携アプリケーション上でコンテンツを利用(起動)する際に使用するコンテンツ起動用のユーザID及びパスワード(コンテンツ配信サービスによりコンテンツ配信サーバ12から車両用機器11に配信されるコンテンツを利用(起動)するために必要な情報)をコンテンツ認証情報として記憶し管理する。なお、コンテンツ認証情報管理サーバ32には、会員情報管理サーバ31にて管理されている会員情報のうち少なくともユーザ識別用のユーザID(連携アプリ起動用のユーザID)が予め取得されるようになっている。即ち、コンテンツ認証情報管理サーバ32は、常時あるいは定期的に会員情報管理サーバ31にアクセスし、当該会員情報管理サーバ31にて管理されている最新の会員情報(少なくとも連携アプリ起動用のユーザID)を取得するように設定されている。そして、コンテンツ認証情報管理サーバ32は、会員情報管理サーバ31から取得した会員情報のうち連携アプリ起動用のユーザIDに対応付けてコンテンツ認証情報を管理する。
【0025】
ユーザは、自身が所有する携帯通信端末112あるいは図示しないパーソナルコンピュータなどの情報端末を介して専用のコンテンツ認証情報登録サイトにアクセスし、そのサイトを介してコンテンツ認証情報(この場合、コンテンツ起動用のユーザID及びパスワード)をコンテンツ認証情報管理サーバ32に登録することができる。
【0026】
次に、車両用通信装置111及び携帯通信端末112の構成について
図4を参照しながら説明する。
車両用通信装置111は、制御部21、無線通信モジュール22、記憶部23、音声処理部24、表示出力部25、操作入力部26、信号入力部27、位置取得部28などを備えている。制御部21は、図示しないCPU、RAM、ROM及びI/Oバスなどを有する周知のマイクロコンピュータで構成されている。制御部21は、ROMあるいは記憶部23などに記憶されているコンピュータプログラムに従って車両用通信装置111の動作全般を制御する。また、車両用通信装置111は、制御部21がコンピュータプログラムを実行することにより、ログイン処理部91、ログイン制御処理部92をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0027】
無線通信モジュール22は、携帯通信端末112が備える無線通信モジュール42との間に無線の通信回線を確立し、その通信回線を通じて携帯通信端末112との間で各種の通信を行う。記憶部23は、例えばハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体で構成されており、各種のコンピュータプログラムやコンテンツプログラム、外部の装置と相互に連携してコンテンツを実行する連携機能を実現する連携アプリケーション、この連携アプリケーションを実行するためのオペレーティングシステムとしての機能を実現する専用プレーヤ(アプリケーション)などの各種のプログラム、及び、各プログラムで使用されるデータなどを記憶している。車両用通信装置111は、連携アプリケーション及び専用プレーヤを単独で搭載していることにより、連携アプリケーション上で実行可能な各種のコンテンツを車両用通信装置111単独で実行することも可能である。
【0028】
音声処理部24は、図示しないマイクロホン及びスピーカに接続しており、周知の音声入力機能及び音声出力機能を備える。また、この音声処理部24は、マイクロホンから入力された音声に基づいて車両用通信装置111の操作などの指示を制御部21に出力する一方、制御部21や無線通信モジュール22などからの指示に基づいてスピーカから音声を出力することで、いわゆるハンズフリー機能を実現可能である。
【0029】
表示出力部25は、例えば液晶表示器や有機ELで構成されており、制御部21からの表示指令信号に基づいて各種の情報を表示する。この表示出力部25の画面には、周知の感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式あるいはそれらを組み合わせた方式で構成されるタッチパネルスイッチが設けられる。この表示出力部25には、コンテンツに対する操作を入力するための操作入力画面(入力インターフェース)、コンテンツの実行内容を出力するための出力画面(出力インターフェース)、例えば
図6(a)に示す経路案内用の画面Nなどの各種画面が表示される。
【0030】
操作入力部26は、表示出力部25の画面上に設けられるタッチパネルスイッチ、及び、表示出力部25の周囲に設けられているメカニカルスイッチなど各種のスイッチ類を含む。操作入力部26は、使用者による各種のスイッチの操作に応じて操作検知信号を制御部21に出力する。制御部21は、操作入力部26から入力された操作検知信号を解析して使用者の操作内容を特定し、特定した操作内容に基づいて各種の処理を実行する。
【0031】
信号入力部27は、車両に搭載されている図示しないACCスイッチ(アクセサリスイッチ)に接続しており、ACCスイッチから出力されたACC信号を制御部21へ入力する。制御部21は、入力されたACC信号のオンオフに基づいて図示しない電源回路のオンオフを制御する。即ち、制御部21は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで電源回路をオンする。また、制御部21は、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで電源回路をオフする。
【0032】
位置取得部28は、図示しない周知の地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、GPS受信機などの各種のセンサ類を備えている。位置取得部28は、これらセンサ類から入力される検出信号を互いに補完することにより車両の位置情報を取得する。位置取得部28は、取得した車両の位置情報を制御部21に出力する。制御部21は、位置取得部28で取得した車両の位置情報及び図示しない経路探索部により探索された案内経路などに基づいて、いわゆるナビゲーション処理を実行する。
【0033】
ログイン処理部91は、詳しくは後述するログイン処理を実行する。ログイン制御処理部92は、車両用機器11にてコンテンツを実行するための連携アプリケーションが起動されている場合において、前回のログイン処理が実行されてから所定期間(第1所定期間)が経過した場合に、再度、ログイン処理部91(あるいはログイン処理部96)によるログイン処理を行う。換言すれば、ログイン状態の継続処理を行う。なお、ログイン処理部96によりログイン処理を行う場合には、車両用通信装置111は、携帯通信端末112に対しログイン実行指令信号を送信する。
【0034】
次に、携帯通信端末112の構成について説明する。携帯通信端末112は、制御部41、無線通信モジュール42、記憶部43、音声処理部44、表示出力部45、操作入力部46、電話通信部47などを備えている。制御部41は、図示しないCPU、RAM、ROM及びI/Oバスなどを有する周知のマイクロコンピュータで構成されている。制御部41は、ROMあるいは記憶部43などに記憶されているコンピュータプログラムに従って携帯通信端末112の動作全般を制御する。また、携帯通信端末112は、制御部41がコンピュータプログラムを実行することにより、ログイン処理部96、ログイン制御処理部97をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0035】
無線通信モジュール42は、車両用通信装置111が備える無線通信モジュール22との間に無線の通信回線を確立し、その通信回線を通じて車両用通信装置111との間で各種の通信を行う。記憶部43は、例えばメモリカードなどの不揮発性の記憶媒体で構成されており、各種のコンピュータプログラムやコンテンツプログラム、外部の装置と相互に連携してコンテンツを実行する連携機能を実現する連携アプリケーション、この連携アプリケーションを実行するためのオペレーティングシステムとしての機能を実現する専用プレーヤ(アプリケーション)などの各種のプログラム、及び、各プログラムで使用されるデータなどを記憶している。携帯通信端末112は、連携アプリケーション及び専用プレーヤを単独で搭載していることにより、連携アプリケーション上で実行可能な各種のコンテンツを携帯通信端末112単独で実行することも可能である。
【0036】
音声処理部44は、図示しないマイクロホン及びスピーカに接続しており、周知の音声入力機能及び音声出力機能を備える。また、この音声処理部44は、マイクロホンから入力された発話音声を制御部41に出力する一方、制御部41から入力される受話音声をスピーカから出力することで、いわゆる通話機能を実現する。また、この音声処理部44は、マイクロホンから入力された音声に基づいて携帯通信端末112の操作などの指示を制御部41に出力する一方、制御部41や無線通信モジュール42などからの指示に基づいてスピーカから音声を出力することで、いわゆるハンズフリー機能を実現可能である。
【0037】
表示出力部45は、例えば液晶表示器や有機EL表示器で構成されており、制御部41からの表示指令信号に基づいて各種の情報を表示する。この表示出力部45の画面には、周知の感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式あるいはそれらを組み合わせた方式で構成されるタッチパネルスイッチが設けられる。この表示出力部45には、例えば
図6(a)に示す通常のメニュー画面Gなどの各種画面が表示される。
【0038】
操作入力部46は、表示出力部45の画面上に設けられるタッチパネルスイッチ、及び、表示出力部45の周囲に設けられているメカニカルスイッチなど各種のスイッチ類を含む。操作入力部46は、使用者による各種のスイッチの操作に応じて操作検知信号を制御部41に出力する。制御部41は、操作入力部46から入力された操作検知信号を解析して使用者の操作内容を特定し、特定した操作内容に基づいて各種の処理を実行する。
【0039】
電話通信部47は、通信網100との間に無線の通信回線を確立し、この通信回線を介して電話通信を実行する。この場合、通信網100は、図示しない携帯電話基地局や基地局制御装置などの周知の公衆回線網を使用する携帯電話通信サービスを提供する設備を含む。また、制御部41は、この電話通信部47を介して通信網100に接続し、コンテンツ配信サーバ12との間で中継サーバ13を介して間接的に、あるいは、中継サーバ13を介することなく直接的に各種のデータ通信を実行可能である。
【0040】
ログイン処理部96は、詳しくは後述するログイン処理を実行する。ログイン制御処理部97は、車両用機器11にてコンテンツを実行するための連携アプリケーションが起動されている場合において、前回のログイン処理が実行されてから所定期間(第1所定期間)が経過した場合に、再度、ログイン処理部96(あるいはログイン処理部91)によるログイン処理を行う。換言すれば、ログイン状態の継続処理を行う。なお、ログイン処理部91によりログイン処理を行う場合には、携帯通信端末112は、車両用通信装置111に対しログイン実行指令信号を送信する。
【0041】
以上の通り、車両用機器11は、車両用通信装置111が備えるログイン処理部91及びログイン制御処理部92、あるいは、携帯通信端末112が備えるログイン処理部96及びログイン制御処理部97の何れによってもログイン処理を実行可能である。また、車両用機器11は、ログイン処理部91とログイン制御処理部97とを組み合わせて、あるいは、ログイン処理部96とログイン制御処理部92とを組み合わせて、ログイン処理を実行することも可能である。
【0042】
上述した車両用通信装置111及び携帯通信端末112は、相互に通信可能に接続されて車両用通信システムを構築した場合に、これら車両用通信装置111及び携帯通信端末112がそれぞれ備える連携アプリケーションを起動することにより、携帯通信端末112がコンテンツ配信サーバ12から取得した各種のコンテンツを相互に連携して実行することができる。次に、これら車両用通信装置111及び携帯通信端末112が相互に連携してコンテンツを実行する場合の動作について説明する。
【0043】
即ち、
図5に示すように、車両用通信装置111に携帯通信端末112が通信可能に接続されて、これら車両用通信装置111及び携帯通信端末112にてそれぞれ連携アプリケーションが起動されると、携帯通信端末112が有するコンテンツプログラムの実行処理は当該携帯通信端末112にて実行され、このコンテンツの入力インターフェース(入力画面)及び出力インターフェース(出力画面)は車両用通信装置111にて提供される状態となる。
【0044】
また、車両用通信装置111及び携帯通信端末112にてそれぞれ連携アプリケーションが起動された状態では、携帯通信端末112は、コンテンツプログラムの実行主体として機能するほか、車両用通信装置111と中継サーバ13との間の通信媒体としても機能する。よって、連携アプリケーションが起動された状態でコンテンツを実行する場合には、携帯通信端末112は、そのコンテンツに係る各種のデータを車両用通信装置111と中継サーバ13との間で伝達する機能も担う。
【0045】
次に、車両用通信装置111及び携帯通信端末112が相互に通信可能に接続され連携アプリケーション上で音楽コンテンツAが実行されるまでの画面の遷移状態について説明する。
【0046】
即ち、携帯通信端末112が通信可能に接続された車両用通信装置111は、使用者による操作に応じて当該車両用通信装置111が備える連携アプリケーションが起動されると、車両用通信装置111の画面を
図6(b)に示す連携アプリケーションのメニュー画面Mに遷移させる。このメニュー画面Mには、音楽コンテンツAを起動するための起動ボタンBaなど、各種コンテンツを起動するための起動ボタンが設けられている。一方、車両用通信装置111に通信可能に接続された携帯通信端末112は、使用者による操作に応じて当該携帯通信端末112が備える連携アプリケーションが起動されると、図示しない連携アプリケーションのメニュー画面を表示する。ここで、車両用通信装置111及び携帯通信端末112の双方においてそれぞれ連携アプリケーションのメニュー画面が表示された状態では、使用者は、何れのメニュー画面からも起動ボタンを操作することで各種のコンテンツを起動することができる。そして、車両用通信装置111及び携帯通信端末112の何れかからコンテンツが起動されると、携帯通信端末112は、
図6(b)に示すロック画面Rを表示する。このロック画面Rを表示することにより、携帯通信端末112からの全てのコンテンツの利用(操作)が禁止される。なお、このとき、携帯通信端末112では、連携アプリケーションが起動したままの状態であり、外部の装置や端末から入力されるコンテンツ実行指令信号に基づいてコンテンツが実行されるようになっている。
【0047】
車両用通信装置111は、使用者による起動ボタンBaの操作に応じて当該車両用通信装置111にて音楽コンテンツAが起動されると、当該音楽コンテンツAの実行指令信号を携帯通信端末112に送信する。これにより、携帯通信端末112にて音楽コンテンツAが実行され、車両用通信装置111は、携帯通信端末112から受信する音楽コンテンツAの出力データに基づいて、
図6(c)に示す音楽コンテンツAの実行画面MPを表示しながら音楽を再生する。
【0048】
次に、ログイン処理について説明する。即ち、
図7に示すように、このログイン処理では、まず、車両用機器11は、当該車両用機器11にて連携アプリケーションの起動ボタンが操作されると(ステップR1:YES)、その起動の際に入力された会員情報を示す会員情報データを会員情報管理サーバ31に送信する(ステップR2)。なお、このログイン処理においては、車両用機器11は、車両用通信装置111と携帯通信端末112とが相互に通信可能に接続されていなくてもよく、例えば、車両用通信装置111単体の状態であってもよいし、携帯通信端末112単体の状態であってもよい。車両用通信装置111単体の場合、このログイン処理は、ログイン処理部91及びログイン制御処理部92が担う。また、携帯通信端末112単体の場合、このログイン処理は、ログイン処理部96及びログイン制御処理部97が担う。また、車両用通信装置111と携帯通信端末112とが相互に通信可能に接続されて車両用機器11が構築されている場合、このログイン処理は、選択的にログイン処理部91,96の何れか、及び、選択的にログイン制御処理部92,97の何れかが担う。
【0049】
会員情報管理サーバ31は、車両用機器11から受信した会員情報データに基づいて、会員情報管理サーバ31が管理している会員情報に、車両用機器11が入力した会員情報と一致する会員情報が存在するか否かを確認する(ステップS1)。そして、会員情報管理サーバ31は、一致する会員情報が存在する場合には(ステップS1:YES)、その車両用機器11に認証チケットデータを送信する(ステップS2)。会員情報管理サーバ31から認証チケットデータを受信した車両用機器11は、その認証チケットデータを中継サーバ13に送信する(ステップR3)。なお、このとき、認証チケットデータには、後続の認証に必要な種々の情報(例えば、連携アプリケーションの起動の際に入力された会員情報など)が添付される。
【0050】
中継サーバ13は、会員情報管理サーバ31が認証チケットデータ付与処理部311によって車両用機器11に付与した認証チケットデータを予め会員情報管理サーバ31から取得している(ステップT1)。そして、中継サーバ13は、車両用機器11から認証チケットデータを受信すると、その認証チケットデータ、つまり、車両用機器11に付与された認証チケットデータと会員情報管理サーバ31から取得した認証チケットデータとが一致するか否かを判定する(ステップT2)。そして、中継サーバ13は、両認証チケットデータが一致する場合には(ステップT2:YES)、コンテンツ認証情報問合せ信号をコンテンツ認証情報管理サーバ32に送信する(ステップT3)。このコンテンツ認証情報問合せ信号は、車両用機器11にて連携アプリケーションの起動時に入力された会員情報(連携アプリ起動用のユーザID)、換言すれば、当該会員情報に対応して車両用機器11に付与された認証チケットデータに対応付けて管理されているコンテンツ認証情報が、コンテンツ認証情報管理サーバ32に存在するか否かを問い合わせるための信号である。これにより、中継サーバ13は、車両用機器11に付与された認証チケットデータに対応するコンテンツ認証情報が管理されているか否かを、コンテンツ認証情報管理サーバ32に問い合わせる。
【0051】
なお、このコンテンツ認証情報問合せ信号には、認証チケットデータや、当該認証チケットデータに添付されている会員情報データなどが添付される。コンテンツ認証情報管理サーバ32は、コンテンツ認証情報問合せ信号を受信すると、その認証チケットデータに添付されている会員情報データが示す会員情報、つまり、車両用機器11にて連携アプリケーションの起動時に入力された会員情報(連携アプリ起動用のユーザID)に対応するコンテンツ認証情報が、管理しているコンテンツ認証情報のなかに存在するか否かを確認する(ステップU1)。そして、コンテンツ認証情報管理サーバ32は、該当するコンテンツ認証情報が存在する場合には(ステップU1:YES)、その旨を示すコンテンツ認証情報存在確認データを中継サーバ13に送信する(ステップU2)。
【0052】
中継サーバ13は、コンテンツ認証情報管理サーバ32からコンテンツ認証情報存在確認データを受信した場合には、つまり、車両用機器11にて連携アプリケーションの起動時に入力された会員情報に対応付けて管理されているコンテンツ認証情報がコンテンツ認証情報管理サーバ32に存在することが確認された場合には、その車両用機器11における連携アプリケーションの起動(ログイン)を許可する(ステップT4)。即ち、中継サーバ13は、その車両用機器11に対しログイン許可信号を送信する。そして、このログイン許可信号を受信した車両用機器11は、それ以降、当該車両用機器11における連携アプリケーションの起動(ログイン)が許可された状態となる。そして、車両用機器11は、当該車両用機器11にて連携アプリケーションが起動することにより、コンテンツ配信サービスの提供を受けることができるようになる。即ち、コンテンツ配信サービスの提供が許可される。
【0053】
次に、本実施形態のコンテンツ配信システム10の動作についてフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「車両用機器11」にて実行される処理は、実際は車両用通信装置111の制御部21単体、携帯通信端末112の制御部41単体、あるいは、これら制御部21及び制御部41が協働して実行する処理である。また、「中継サーバ13」にて実行される処理は、当該中継サーバ13の動作全般を制御する図示しない制御装置が実行する処理である。
【0054】
即ち、
図8に示すように、車両用機器11は、車両用通信装置111及び携帯通信端末112の何れかにおいて連携アプリケーションの起動ボタンが操作されると(ステップA1:YES)、中継サーバ13などに対して、上記したログイン処理を行う(ステップA2,B1)。そして、中継サーバ13は、ログイン処理を完了すると、車両用機器11との間に確立された接続についてセッションIDを設定し(ステップB2)、設定したセッションIDを車両用機器11に通知するとともに、そのセッションIDを当該中継サーバ13にて管理する。そして、中継サーバ13は、次回のセッションIDの設定処理(ステップB4)が開始されるまで、詳しくは後述する接続監視処理を実行する(ステップB3)。
【0055】
車両用機器11は、中継サーバ13からセッションIDを受信すると(ステップA3:YES)、ログイン時間を設定する(ステップA4)。なお、ログイン時間は、例えば、連携アプリケーションが起動された時点、ログイン処理を行った時点、あるいは、セッションIDを受信した時点などを設定することができる。そして、車両用機器11は、設定したログイン時間から第1所定時間が経過したか否かを図示しないタイマーによる計時時間に基づいて監視する(ステップA5)。この第1所定時間として、この場合、23時間が設定されている。そして、車両用機器11は、ログイン時間から第1所定時間が経過すると(ステップA5:YES)、上記したステップA2と同様のログイン処理を改めて実行する(ステップA6)。
【0056】
一方、中継サーバ13は、車両用機器11からの再度のログイン処理に対して、上記したステップB2と同様のセッションIDの設定処理を改めて実行し(ステップB4)、その新たなセッションIDを車両用機器11に通知するとともに当該中継サーバ13にて管理する。そして、中継サーバ13は、次回のセッションIDの設定処理が開始されるまで、上記したステップB3と同様の接続監視処理を実行する(ステップB5)。車両用機器11は、中継サーバ13から改めてセッションIDを受信すると(ステップA7:YES)、新たにログイン時間を設定し(ステップA8)、そのログイン時間から第1所定時間が経過すると(ステップA9:YES)、再び中継サーバ13に対してログイン処理を実行する。
このように、車両用機器11は、第1所定時間(この場合、23時間)ごとに中継サーバ13にログイン処理(認証要求処理)を自動的に実行し、中継サーバ13は、車両用機器11からログインの要求を受けるごとに改めてセッションIDを設定するように構成されている。
【0057】
次に、中継サーバ13が実行する接続監視処理の内容について
図9を参照しながら説明する。
即ち、中継サーバ13は、ログイン時間を設定する(ステップB31)。このとき、中継サーバ13は、車両用機器11が設定したログイン時間を当該車両用機器11から受信して、車両用機器11で設定されるログイン時間と同期をとるように構成するとよい。そして、中継サーバ13は、設定したログイン時間から第2所定時間が経過したか否かを図示しないタイマーによる計時時間に基づいて監視する(ステップB32)。この第2所定時間として、この場合、第1所定時間よりも短い12時間が設定されている。
【0058】
そして、中継サーバ13は、ログイン時間から第2所定時間が経過すると(ステップB32:YES)、車両用機器11に連携アプリ起動問合せ信号を送信する(ステップB33)。この連携アプリ起動問合せ信号は、車両用機器11にて連携アプリケーションが起動しているか否かを問い合わせる信号である。この連携アプリ起動問合せ信号を受信した車両用機器11は、車両用通信装置111及び携帯通信端末112の双方、あるいは、何れか一方にて連携アプリケーションが起動している場合に、応答信号を中継サーバ13に返信するように構成されている。即ち、車両用機器11は、当該車両用機器11にて連携アプリケーションが起動していることをもって当該車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されているとみなし、その旨、つまり、車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されていることを中継サーバ13に通知する構成である。
【0059】
中継サーバ13は、連携アプリ起動問合せ信号の送信後所定時間(例えば、数分程度)以内に車両用機器11から応答信号を受信した場合には(ステップB34:YES)、その時点で管理しているセッションIDを保持して車両用機器11とのセッション(接続)を維持する(ステップB35)。一方、中継サーバ13は、連携アプリ起動問合せ信号の送信後所定時間以内に車両用機器11から応答信号を受信できない場合には(ステップB34:NO)、その時点で管理しているセッションIDを破棄して車両用機器11とのセッション(接続)を切断する(ステップB36)。即ち、中継サーバ13は、車両用機器11から応答信号を受信できないことをもって、換言すれば、車両用機器11にて連携アプリケーションが起動されていないことをもって当該車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されていないとみなし、その旨、つまり、車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されていないことを確認して接続を切断する構成である。
【0060】
以上に説明したように本実施形態のコンテンツ配信システム10によれば、中継サーバ13は、コンテンツ配信サーバ12が直接配信型コンテンツを配信している場合に、その直接配信型コンテンツが配信先の車両用機器11にて実行されているか否かを、当該車両用機器11に対して直接的に確認する。そして、中継サーバ13は、直接配信型コンテンツの実行が確認された場合には、車両用機器11との間に確立されている接続を維持する。即ち、中継サーバ13は、車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されていることを条件に、車両用機器11との接続を維持する。これにより、直接配信型コンテンツについて、その直接配信型コンテンツが配信先の車両用機器11で実行されていないにも関わらず車両用機器11と中継サーバ13との接続が維持されてしまうことを防止することができる。
【0061】
また、コンテンツを配信するために車両用機器11と中継サーバ13との間に確立したセッションを、車両用機器11における連携アプリケーションの動作状況に応じて維持あるいは切断するように構成した。従って、セッションが頻繁に切断されることがない。また、再度セッションを確立するためのユーザ操作が頻繁に必要となることがなく、従って、ユーザの利便性を損なうことなくセキュリティを担保することができる。
【0062】
また、中継サーバ13は、第2所定時間(この場合、12時間)に1回の頻度で車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されているか否かを確認する。これにより、配信先の車両用機器11で直接配信型コンテンツが実行されていないにも関わらず当該車両用機器11と中継サーバ13との接続が維持された状態、つまり、セキュリティ上好ましくない状態が長時間にわたって継続してしまうことを防止することができる。
また、中継サーバ13は、当該中継サーバ13が管理するセッションIDを破棄することで車両用機器11との接続を切断する構成とした。従って、自身が管理する情報に基づいて車両用機器11との接続の維持あるいは切断を確実に実行することができる。
【0063】
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
接続監視処理は、例えば以下のように変形して実施することが可能である。即ち、
図10に示すように、中継サーバ13は、上記のステップB33に代わるステップC33において、連携アプリ起動問合せ信号に代えて直接配信型コンテンツ実行問合せ信号を送信するように構成してもよい。この直接配信型コンテンツ実行問合せ信号は、車両用機器11にて連携アプリケーション上で実行可能な直接配信型コンテンツが実行されているか否かを問い合わせる信号である。この直接配信型コンテンツ実行問合せ信号を受信した車両用機器11は、当該車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されている場合に応答信号を中継サーバ13に返信するように構成される。即ち、車両用機器11は、当該車両用機器11にて実際に直接配信型コンテンツが実行されていることを確認した上で、その旨を中継サーバ13に通知する構成となる。そして、この場合、中継サーバ13は、車両用機器11から応答信号を受信することをもって、換言すれば、車両用機器11にて実際に直接配信型コンテンツが実行されていることをもって当該車両用機器11にて直接配信型コンテンツが実行されていることを確認する構成となる。
【0064】
また、
図11に示すように、中継サーバ13は、上記のステップB31,B32に代わるステップD31において、当該中継サーバ13を介する通信(車両用機器11からコンテンツ配信サーバ12への配信要求、あるいは、当該配信要求に応じたコンテンツデータの配信)が全く無い無通信状態が所定時間継続したか否かを監視し、その所定時間を経過した場合(ステップD31:YES)に、連携アプリ起動問合せ信号あるいは直接配信型コンテンツ実行問合せ信号を車両用機器11に送信して連携アプリケーションの動作状況を確認し、その動作状況に応じてセッションを切断するように構成してもよい。この所定時間は、適宜変更して設定することができ、この場合、例えば1時間程度が設定される。なお、この所定時間は、上記した第1所定時間あるいは第2所定時間に関連付けて設定してもよいし、第1所定時間あるいは第2所定時間とは無関係に設定してもよい。また、中継サーバ13は、無通信状態が所定時間継続した場合であっても、ユーザ操作に依らず継続的(自動的)にコンテンツ配信サーバ12から車両用機器11へのコンテンツ(自動継続配信型コンテンツ)の配信が実行されている場合には、セッションを維持するように設定してもよい。
【0065】
1つのコンテンツ配信サーバ12から間接配信型コンテンツ及び直接配信型コンテンツの双方を配信するように構成してもよい。
本実施形態によれば、コンテンツプログラムの実行処理自体は携帯通信端末112で行われるので、車両用通信装置111の処理負荷を低減することができる。よって、車両用通信装置111は、他の処理、例えば車両の走行状況に応じた動作制御など負荷が高い処理(例えば、車両の走行中は車両用通信装置111からのコンテンツの操作や出力を規制する走行規制処理など)を無理なく実行することができる。
【0066】
車両用通信装置111としてナビゲーション装置を採用した例を示したが、必ずしもナビゲーション装置である必要はない。例えば案内機能を有するアプリケーションプログラムがインストールされた機器を車両用通信装置として採用してもよい。また、車両用通信装置は、例えば、車両に組み込まれる車載装置のほか、例えば車両に着脱可能な携帯型の無線装置などで構成することもできる。
車両用通信装置111及び携帯通信端末112は、有線通信回線により相互に通信可能に接続される構成としてもよい。また、車両用機器11は、これら車両用通信装置111及び携帯通信端末112からなる構成に限らず、車両用通信装置111単体または携帯通信端末112単体で構成してもよいし、その他の装置や端末単体で構成してもよい。また、車両用機器11は、車両用通信装置111及び携帯通信端末112にさらに別の装置や端末を組み合わせた構成としてもよい。
また、これら各変形例を上述の一実施形態に適宜組み合わせて実施してもよい。