特許第6020219号(P6020219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6020219
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20161020BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G03G21/00 398
   H02M3/28 B
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-21195(P2013-21195)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-153451(P2014-153451A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原田 侑弥
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−295384(JP,A)
【文献】 特開平05−119557(JP,A)
【文献】 特開2007−244110(JP,A)
【文献】 特開2005−151672(JP,A)
【文献】 特公昭47−021184(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流電圧を所定の直流電圧に変換して出力するスイッチング電源と、
制御装置と、
前記交流電源に対して前記スイッチング電源と並列に接続され、且つ前記交流電源から供給される充電電流によって蓄電する蓄電部を含み、前記制御装置に電力を供給する補助電源回路と、
前記交流電源に対する前記補助電源回路の接続状態を切り換える第1切換部とを備え、
前記制御装置は、前記スイッチング電源を起動させる際に、前記補助電源回路を前記交流電源から切り離す状態へ前記第1切換部を切り換え
前記補助電源回路は、結合コンデンサと、前記結合コンデンサを介して前記交流電源に接続され前記交流電源からの交流電圧を整流する整流回路とを備え、
前記蓄電部は、前記整流回路により出力される前記充電電流としての電流によって蓄電する構成であり、
前記第1切換部は、前記整流回路と前記蓄電部とを接続するラインに設けられている電源システム。
【請求項2】
前記第1切換部は、半導体スイッチング素子である請求項に記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムの消費電力を抑える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、主電源制御部がスイッチング電源の出力トランスを発振停止させ、発振停止中の主電源制御部への電力供給を二次電池が行うことにより、省電力を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−087734公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、交流電源に対してスイッチング電源の他に回路が接続されている場合には、交流電源から他の回路に電流が流れることがあり、無駄に電力を消費する恐れがあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電源システムの省電力化を図る術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される電源システムは、交流電源からの交流電圧を所定の直流電圧に変換して出力するスイッチング電源と、制御装置と、前記交流電源に対して前記スイッチング電源と並列に接続され、且つ前記交流電源から供給される充電電流によって蓄電する蓄電部を含み、前記制御装置に電力を供給する補助電源回路と、前記交流電源に対する前記補助電源回路の接続状態を切り換える第1切換部とを備え、前記制御装置は、前記スイッチング電源を起動させる際に、前記補助電源回路を前記交流電源から切り離す状態へ前記第1切換部を切り換える。尚、「切り離す」という意味には、交流電源から補助電源回路を電気的に切り離す、すなわち交流電源側から補助電源回路に対して電流側流れないようにすると意味であり、「切り離す」には交流電源と補助電源回路とを接続するラインを開放する場合に加え、補助電源回路に設けられた蓄電部を交流電源から切り離すことにより、交流電源側から補助電源回路の蓄電部へ電流が流れないようにする場合等を含む。
【0007】
この構成では、スイッチング電源の起動中は、交流電源から補助電源回路が切り離されるので、交流電源側から補助電源回路側に電流が流れることを抑制できる。よって、省電力化を図ることが可能となる。
【0008】
上記電源システムの実施態様として以下の構成が好ましい。
前記交流電源に対して前記スイッチング電源の接続状態を切り換える第2切換部を備え、
前記制御装置は、前記スイッチング電源を停止させる際に、前記スイッチング電源を前記交流電源から切り離す状態へ前記第2切換部を切り換える。スイッチング電源の停止中は、交流電源からスイッチング電源が切り離されるので、交流電源側からスイッチング電源側に電流が流れることを抑制できる。よって、省電力化を図ることが可能となる。
【0009】
前記第1切換部は、前記交流電源と前記補助電源回路を接続する一対のラインのうち、いずれか一方のラインに設けられている。一対のラインの双方に第1切換部を設ける場合に比べて、切換部の個数を少なくすることが可能となる。
【0010】
前記第1切換部は、前記交流電源の接続先を、前記スイッチング電源及び前記補助電源回路のいずれか一方に選択的に切り換えるトランスファ接点を有するリレーである。第1切換部と第2切換部を一つのリレーで構成出来るので、切換部の個数を少なくすることが可能となる。
【0011】
前記第1切換部は、前記交流電源と前記補助電源回路を接続する一対のラインの双方に設けられている。一対のラインのうち一方に第1切換部を設ける場合に比べて、電流を抑えることが可能となる。
【0012】
前記補助電源回路は、結合コンデンサと、前記結合コンデンサを介して前記交流電源に接続され前記交流電源からの交流電圧を整流する整流回路とを備え、前記蓄電部は、前記整流回路により出力される前記充電電流としての電流によって蓄電する構成であり、前記第1切換部は、前記整流回路と前記蓄電部とを接続するラインに設けられている。
【0013】
前記第1切換部は、半導体スイッチング素子である。第1切換部をリレーにより構成する場合に比べて回路を小型化出来る。
【0014】
前記補助電源回路は、結合コンデンサと、前記結合コンデンサを介して前記交流電源に接続され前記交流電源からの交流電圧を整流する整流回路とを備え、前記蓄電部は、前記整流回路により出力される前記充電電流としての電流によって蓄電する構成であり、前記第1切換部は、前記交流電源と前記結合コンデンサとを接続するラインに設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電源システムを省電力化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1におけるプリンタの電気的構成を示すブロック図
図2】電源システムの回路図
図3図2の一部を拡大した図(電流経路を示す)
図4】リレーの切り換えシーケンスの流れを示すフローチャート図
図5】実施形態2における電源システムの回路図
図6】実施形態3における電源システムの回路図
図7】電源システムの回路図(リレーをFETに置き換えた場合を示す)
図8】他の実施形態における電源システムの回路図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4によって説明する。
1.プリンタの説明
図1はプリンタ(「画像形成装置」の一例)1の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ1は、印刷部2と、通信部3aと、画像メモリ3bと、電源システムSとを備えている。電源システムSは、電源装置10と制御装置80とから構成されている。電源装置10はプリンタ1の電源となるものであり、印刷部2、通信部3a、画像メモリ3b及び制御装置80に対して電力を供給する。
【0018】
印刷部2は、感光ドラム2a、感光ドラム2aの表面を帯電させる帯電プロセスを実行する帯電器2b、感光ドラム2aの表面に静電潜像を形成する露光プロセスを実行する露光装置2c、感光ドラム2aの表面に形成された静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像プロセスを実行する現像器2d、記録媒体に現像剤像を転写する転写プロセスを実行する転写器2e、記録媒体上に転写された現像剤像を定着させる定着プロセスを実行する定着器2f等から構成されている。
【0019】
印刷部2は帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセス、定着プロセスを実行して、記録媒体上に印刷データを印刷する印刷処理を実行するものである。通信部3aはPC等の情報端末装置との間で通信を行うものであり、情報端末装置から印刷指示や印刷データを受信する機能を担う。画像メモリ3bは、情報端末装置から受信した印刷データを一時記憶するものである。
【0020】
上記プリンタ1は、通信部3aが情報端末装置から印刷指示を受けて印刷データを受信すると、制御装置80が、印刷部2に帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセス、定着プロセスからなる印刷処理を実行させることで、記録媒体に印刷データを印刷させる。尚、印刷部2の動作電圧は24Vであるのに対して、通信部3a、画像メモリ3b及び制御装置80の動作電圧は3.3Vである。
【0021】
2.電源システムの回路説明
まず、図2を参照して電源システムSにおける電源装置10の構成について説明する。電源装置10はスイッチング電源20と、制御装置80とコンデンサC1に電力を供給する補助電源回路50と、リレー60と、リレー駆動回路70とを備える。尚、リレー60は、本発明の「第1切換部」の一例である。
【0022】
スイッチング電源20は、交流電源15からの交流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する機能を果たし、整流平滑回路21と、トランス23と、FET(電界効果トランジスタ)25と、整流平滑回路27と、FET25をスイッチング制御(オンオフ制御)する制御IC30と、DC−DCコンバータ35と、スイッチング電源20の一次側のノイズを除去するYコンデンサ37、Xコンデンサ38を備える。
【0023】
整流平滑回路21は、いわゆるコンデンサインプット型であり、交流電源15の交流電圧を整流するブリッジダイオードD3と、整流後の電圧を平滑化するコンデンサC3とから構成されている。そして、整流平滑回路21の出力側には、トランス23が設けられていて、交流電圧を整流平滑化した入力電圧が、トランス23の一次コイルN1に印加される構成となっている。
【0024】
FET25はNチャンネルのMOSFETであり、ドレインDを一次コイルN1に接続すると共に、ソースSを一次側の基準電位に接続している。そして、FET25は、制御IC30からゲートGにオンオフ信号(PWM信号)が与えられることにより、一定周期でオンオフ動作する。これにより、トランス23の一次側が発振して、トランス23の二次コイルN2に電圧を誘起させる構成となっている。
【0025】
整流平滑回路27はトランス23の二次側に設けられていて、ダイオードD2とコンデンサC2とからなる。整流平滑回路27はトランス23の二次コイルN2に誘起された電圧を整流平滑化する。これにより、スイッチング電源20は、出力ラインLo1を通じてDC24Vの電圧を出力する。
【0026】
そして、出力ラインLo1は、図2に示すように分岐点Jにて2分岐していて、分岐したラインにはDC−DCコンバータ35が設けられている。DC−DCコンバータ35は、スイッチング電源20の出力電圧Vo1を3.3Vと、5Vに降圧して出力ラインLo2、Lo3より出力する。このように、スイッチング電源20は、24V/5V/3.3Vの3出力となっている。尚、スイッチング電源20は、交流電源15に対して接続されると、自動的に起動して出力状態(通常モード)に移行する。これは、交流電源15への接続により、交流電源15から電力の供給を受けて起動した制御IC30がFET25に対するスイッチング制御(一定周期でFET25をオンオフする制御)を開始するからである。
【0027】
次に補助電源回路50について説明を行う。
補助電源回路50は交流電源15に対してスイッチング電源20と並列に接続され、スイッチング電源20が停止している時に制御装置80へ電力を供給する機能と、コンデンサC1に充電電流を供給する機能とを果たす回路である。
【0028】
具体的に説明すると、補助電源回路50は、結合コンデンサC4、C5と、整流回路53と、蓄電部としてのコンデンサC1を含む、構成となっている。整流回路53は、ブリッジダイオード(ブリッジ接続された4つのダイオードD4〜D7)であり、結合コンデンサC4、C5を介して交流電源15に接続され、交流電源15からの交流電圧を整流する機能を果たす。整流回路53の出力ラインLo4には、コンデンサC1が接続されており、整流回路53により出力される電流がコンデンサC1に対して充電電流として供給される構成となっている。尚、コンデンサC1は電流制限抵抗R1を介してグランド側に接続されると共に、ツェナーダイオードDzが並列に接続されていて、充電電圧を安定化させる構成となっている。
【0029】
次に、リレー60と、リレー駆動回路70について説明を行う。リレー60は、交流電源15から引き出された一対のライン(ライブLV側とニュートラルNT側の2ライン)のうち、ライブLV側のライン上に設けられている。尚、ライブLV側とは非接地側を意味し、ニュートラルNT側とは接地側を意味する。
【0030】
リレー60は、トランスファ接点61と、トランスファ接点61の切り換えを行う駆動コイル63とを有する。トランスファ接点61は、2つの固定接点61a、61bと、可動接点61cと、を備え、交流電源15の接続先を、スイッチング電源20及び補助電源回路50のいずれか一方に選択的に切り換える機能を果たす。具体的に説明すると、可動接点61cは交流電源15に接続され、set側の固定接点61aはスイッチング電源20側に接続され、reset側の固定接点61bは補助電源回路50側に接続されている。
【0031】
そのため、駆動コイル63を例えば、順方向(図2に示すA方向)に通電して、set側の固定接点61aを閉じると、交流電源15に対してスイッチング電源20が接続される。一方、駆動コイル63を逆方向(図2に示すB方向)に通電して、reset側の固定接点61bを閉じると、交流電源15に対して、補助電源回路50が接続される。尚、set側の固定接点61aは、スイッチング電源20のうち、Xコンデンサ38やYコンデンサ37よりも交流電源15に近い側に設けられており、また、reset側の固定接点61bは、補助電源回路50のうち、結合コンデンサC4よりも交流電源15に近い側に設けられている。
【0032】
リレー駆動回路70は、駆動コイル63を駆動(通電制御)する回路である。リレー駆動回路70は、2つのPNPトランジスタTr1、Tr2と、2つのNPNトランジスタTr3、Tr4と、を備える。
【0033】
図2に示すように、トランジスタTr1とトランジスタTr2は、エミッタを、コンデンサC1に対して共通接続している。一方、トランジスタTr3とトランジスタTr4は、エミッタを、グランドに共通接続している。そして、トランジスタTr1とトランジスタTr3のコレクタが互いに接続され、トランジスタTr2とトランジスタTr4のコレクタが互いに接続されている。
【0034】
そして、上記した4つのトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4のうち、トランジスタTr1とトランジスタTr4が制御ポートP5に対して接続されていて、制御ポートP5によりオン/オフの制御が行われる構成となる。また、トランジスタTr2とトランジスタTr3が制御ポートP6に対して接続されていて、制御ポートP6によりオン/オフの制御が行われる構成となる。
【0035】
次に説明する制御装置80のリレー制御ブロックB3の制御ポートP5から駆動信号(オン信号)を出力すると、トランジスタTr1とトランジスタTr4がオンする。これにより、補助電源回路50の整流回路53及びコンデンサC1を通じて、駆動コイル63に対して図2に示すA方向に順方向電流が流れることから、リレー60のset側の固定接点61aを閉じることが出来る。
【0036】
一方、リレー制御ブロックB3の制御ポートP6から駆動信号(オン信吾)を出力すると、トランジスタTr2とトランジスタTr3がオンする。これにより、補助電源回路50の整流回路53及びコンデンサC1から駆動コイル63に対して図2に示すB方向に逆方向電流が流れることから、リレー60のreset側の固定接点61bを閉じることが出来る。尚、コンデンサC1は、リレー60を駆動するにあたり、整流回路53から供給される電流だけでは不足する電流分を補って供給する機能を果たしている。また、本実施形態では、リレー60にラッチングリレーを用いていることから、駆動信号(オン信号)をパルス信号にすることが可能である。すなわち、リレー切換後の通電は不要であり、リレー60に対して駆動信号(オン信号)を切り換え時にさえ出力すれば、切り換え後、駆動信号(オン信号)を停止できる。
【0037】
制御装置80は、プリンタ1の印刷部2を制御するメインブロックB1と、モード制御ブロックB2と、リレー制御ブロックB3と、タイマ85と、を備える。これら各ブロックB1〜B3は1つ以上のCPU、ASIC等のハード回路、又はCPUとハード回路の組み合わせのいずれかにより構成することが出来る。
【0038】
メインブロックB1の電源ポートP1は、DC−DCコンバータ35の出力ラインLo2に接続されており、DC−DCコンバータ35を介してスイッチング電源20から電力供給される。尚、メインブロックB1は、スイッチング電源20が出力状態となる通常モード中に限り電力が供給されて動作状態となり、スイッチング電源20が出力を停止する省電力モードに移行すると、電力の供給が断たれて停止状態になる。
【0039】
尚、スイッチング電源20が出力を停止するとは、リレー60のreset側の固定接点61bが閉じられた状態を意味する。すなわち、固定接点61bが閉じると、スイッチング電源20は、交流電源15から切り離されて交流入力が断たれる結果、出力停止状態(二次側に電圧を発生させない状態)となる。
【0040】
尚、本プリンタ1では、待機時間(プリンタの待機時間)が所定時間に達することを、省電力モードへの移行条件としており、待機時間の長さをタイマ85にて計時する構成となっている。また、ユーザにより切り換えスイッチSWが操作されることを、通常モードへの移行条件としている。モード制御ブロックB2には、スイッチSWの操作の有無を検出する検出ポートP3が設けられていて、モード制御ブロックB2は検出ポートP3の電圧を監視することで、スイッチSWが操作されたか否かを検出できる構成となっている。
【0041】
リレー制御ブロックB3は、リレー駆動回路70を通じてリレー60の切り換えを実行する機能を果たす。先に説明したように、リレー制御ブロックB3には、2つの制御ポートP5、P6が設けられており、制御ポートP5から駆動信号(オン信号)を出力すると、リレー60のset側の固定接点61aを閉じることが出来、制御ポートP6から駆動信号(オン信号)を出力すると、リレー60のreset側の固定接点61bを閉じることが出来る。
【0042】
尚、これらモード制御ブロックB2の電源ポートP2とリレー制御ブロックB3の電源ポートP4は、ダイオードD1を介してスイッチング電源20の出力ラインLo3に接続されている。そのため、モード制御ブロックB2とリレー制御ブロックB3は、スイッチング電源20の起動中、スイッチング電源20から電力供給を受けて動作する。加えて、モード制御ブロックB2の電源ポートP2とリレー制御ブロックB3の電源ポートP4は、整流回路53の出力ラインLo4に接続されており、補助電源回路50からも電力供給される。そのため、モード制御ブロックB2とリレー制御ブロックB3は、スイッチング電源20の停止中(省電力モード中)も、補助電源回路50から電力供給を受けて動作することが出来る。また、両制御ブロックB2、B3は相互通信可能であり、両間で各種情報を送信する。
【0043】
3.リレー60の切り換え制御と電源装置10の消費電力
本プリンタ1では、交流電源15に対してスイッチング電源20と補助電源回路50を並列接続している。そのため、交流電源15に対して補助電源回路50を常時接続しておくと、通常モード中、交流電源15の出力電流Ioは、スイッチング電源20に流れる電流I1と、交流電源15から補助電源回路50に流れる電流I2の和になる。電源装置10の省電力化を図るには、出力電流Ioを抑えることが好ましい。
【0044】
そこで、本プリンタ1では、スイッチング電源20を起動させる際(通常モードへの移行時)に、set側の固定接点61aを閉じるようにリレー60を切り換える。このようにすることで、スイッチング電源20の起動中は、交流電源15から補助電源回路50が切り離されるので、交流電源15側から補助電源回路50側に流れる電流I2を遮断できる。よって、スイッチング電源の起動中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、電源装置10を省電力化出来る。
【0045】
また、スイッチング電源20を停止させる際(省電力モードへの移行時)は、reset側の固定接点61bを閉じるようにリレー60を切り換える。このようにすることで、省電力モード中、交流電源15からスイッチング電源20が切り離されるので、交流電源15からスイッチング電源20のYコンデンサ37に対して流れる電流I3を遮断できる。よって、スイッチング電源20の停止中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、電源装置10を省電力化出来る。
【0046】
尚、本実施形態にて開示する電源装置10により、本発明の「前記補助電源回路50は、結合コンデンサC4、C5と、前記結合コンデンサC4、C5を介して前記交流電源15に接続され前記交流電源15からの交流電圧を整流する整流回路53とを備え、前記蓄電部(この例では、コンデンサC1)は、前記整流回路53により出力される前記充電電流としての電流によって蓄電する構成であり、前記第1切換部(この例では、リレー60)は、前記交流電源15と前記結合コンデンサC4とを接続するライン(この例では、LV側の電源ライン)に設けられている」が実現されている。
【0047】
4.リレー60の切り換えシーケンス
次に制御装置80により実行されるリレー60の切り換えシーケンスを、図4を参照して説明する。尚、ここでは、当初、リレー60はreset側の接点61bが閉じているものとする。
電源コンセントの投入後(例えば、電源コンセントに対する電源ケーブルの接続後)、制御装置80のモード制御ブロックB2は、補助電源回路50から電力供給を受けて起動し、スイッチング電源20が起動しているかどうかの判定を行う(S10、S20)。
【0048】
スイッチング電源20が起動しているかどうかは、例えば、スイッチング電源20の出力ラインLo3のライン電圧を、モード制御ブロックB2にてモニタし、ライン電圧の電圧レベルから判定することが出来る。すなわち、ライン電圧が設定値を上回っている場合には、スイッチング電源20は「起動」と判断出来、ライン電圧が設定値を下回っている場合には、スイッチング電源20は「起動していない」と判断できる。尚、スイッチング電源20は、交流電源15からのAC入力に応答して自動的に起動するので、電源コンセントが投入されているにも拘わらず、スイッチング電源20が起動しないのは、リレー60のset側の固定接点61aが開いていて、交流電源15からスイッチング電源20が切り離されているためである。
【0049】
そして、スイッチング電源20が起動していないと判断した場合、すなわち、上記のようにリレー60のset側の固定接点61aが開いていて交流電源15からスイッチング電源20が切り離されている場合は、制御装置80により、リレー60の接続状態をreset側の固定接点61bからset側の固定接点61aに切り換える処理が実行される(S30)。
【0050】
具体的には、リレー制御ブロックB3により、制御ポートP5からリレー駆動回路70に対して駆動信号が出力される。制御ポートP5から駆動信号を出力すると、トランジスタTr1とトランジスタTr4がオンして、駆動コイル63に対して図2に示すA方向に順方向電流が流れることから、リレー60を構成する可動接点61cの接続先が、reset側の固定接点61bからset側の固定接点61aに切り換わる。その結果、交流電源15に対してスイッチング電源20が接続された状態になり、スイッチング電源20は自動的に起動する。
【0051】
スイッチング電源20が起動すると、その後、処理はS40に移行する。一方、スイッチング電源20が起動していると判断された場合(S20:YES)も、S40に移行する。S40に移行すると、モード制御ブロックB2により、省電力モードへの移行条件が成立したか判定する処理が実行される。
【0052】
本プリンタ1では、省電力モードへの移行条件を、プリンタ1の待機状態が所定時間継続する場合としている。S40では、プリンタ1の待機状態が所定時間未満の場合は、モード制御ブロックB2にて、省電力モードへの移行条件は成立していないと判断される(S40:NO)。この場合、再びS40に移行して、省電力モードへの移行条件が成立したか判定する処理を行う。以上のことから、処理の流れとしては、省電力モードへの移行条件が成立するのを待つ状態となる。
【0053】
そのため、プリンタ1の待機状態が継続していると、待機時間が所定時間に達した時点で、S40にてYES判定され、S50に移行することになる。S50に移行すると、モード制御ブロックB2により、スイッチング電源20のモードを通常モードから省電力モードに移行させる処理が行われる。具体的には、モード制御ブロックB2からリレー制御ブロックB3に対してリレー60の切り換え指令が送信される。そして、指令を受けたリレー制御ブロックB3により、制御ポートP6からリレー駆動回路70に対して駆動信号が出力される。これにより、トランジスタTr2とトランジスタTr3がオンして、駆動コイル63に対して図2に示すB方向に逆方向電流が流れることから、リレー60を構成する可動接点61cの接続先が、set側の固定設定61aからreset側の固定接点61bに切り換わる。その結果、交流電源15に対して補助電源回路50側が接続された状態となり、スイッチング電源20側が切り離された状態になることから、スイッチング電源20は出力停止状態となり、通常モードから省電力モードに移行する。尚、この省電力モード中は、制御装置80のうち、モード制御ブロックB2とリレー制御ブロックB3が補助電源回路50から電力の供給を受けて動作状態となる。このように省電力モードへの移行時に、交流電源15からスイッチング電源20を切り離すことにより、省電力モード中、交流電源15からYコンデンサ37に流れる電流を遮断できる。
【0054】
その後、処理はS60に移行する。S60に移行すると、モード制御ブロックB2により、通常モードへの復帰条件が成立したか判定する処理が実行される。本プリンタ1では、通常モードへの復帰条件を、ユーザによりモード切り換えスイッチSWが操作された場合としている。モード制御ブロックB2は、S60に移行すると、検出ポートP3の電圧を監視し、検出ポートP3の電圧変化の有無を検出する。検出ポートP3の電圧変化がなければ、スイッチSWは操作されていない、すなわち、通常モードへの復帰条件は成立していないと判断する(S60:NO)。この場合、処理は再びS60に移行して、通常モードへの復帰条件が成立したか判定する処理を行う。以上のことから、処理の流れとしては、通常モードへの復帰条件が成立するのを待つ状態となる。
【0055】
そして、ユーザによりモード切り換えスイッチSWが操作されると、検出ポートP3に電圧変化が検出される。すると、モード制御ブロックB2は、通常モードへの復帰条件が成立したと判断(S60:Yes)し、処理はS70に移行する。
【0056】
S70に移行すると、制御装置80のモード制御ブロックB2により、スイッチング電源20のモードを省電力モードから通常モードに復帰させる処理が行われる。具体的には、S70に移行すると、まず、モード制御ブロックB2からリレー制御ブロックB3に対してリレー60の切り換え指令が送信される。そして、指令を受けたリレー制御ブロックB3により、制御ポートP5からリレー駆動回路70に対して駆動信号が出力される。これにより、トランジスタTr1とトランジスタTr4がオンして、駆動コイル63に対して図2に示すA方向に順方向電流が流れることから、リレー60を構成する可動接点61cの接続先が、reset側の固定接点61bからset側の固定接点61aに切り換わる。その結果、交流電源15に対してスイッチング電源20側が接続された状態となり、補助電源回路50は切り離された状態になる。このように通常モードへの移行時に、交流電源15から補助電源回路50を切り離すことにより、通常モード中、交流電源15から補助電源回路50に流れる電流を遮断できる。
【0057】
そして、リレー60の切り換え後、交流電源15に接続されたスイッチング電源20は自動的に起動して出力状態となり、通常モードに復帰する。
【0058】
その後、処理はS80に移行する。S80では、制御装置80により、電源オフ(例えば、交流電源の遮断や、電源ケーブルの取り外し)かどうかを判定する処理が実行される。電源オフでなければ、S40に移行して、省電力モードへの移行条件の成立を判定する状態となり、省電力モードへの移行条件が成立することを条件に、スイッチング電源20は省電力モードへ移行する。一方、電源オフの場合には、一連の処理は終了する。尚、電源オフを検出するには、例えば、交流電源15の出力電圧のゼロクロスポイントに対応してゼロクロスパルス信号を出力するゼロクロス検出回路を設け、ゼロクロスパルス信号が出力されているか否かにより、判断することが出来る。また、電源コンセントの投入も、ゼロクロス信号を検出することで検知できる。
【0059】
5.効果説明
以上説明したように、本プリンタ1では、スイッチング電源20を起動させる際(通常モードへの移行時)、set側の固定接点61aを閉じるようにリレー60を切り換える(S60)。このようにすることで、スイッチング電源20の起動中(通常モード中)は、交流電源15から補助電源回路50が切り離されるので、交流電源15側から補助電源回路50側に流れる電流I2を遮断できる。よって、スイッチング電源20の起動中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、省電力化を図ることが可能となる。
【0060】
また、スイッチング電源20を停止させる際(省電力モードへの移行時)は、reset側の固定接点61bを閉じるようにリレー60を切り換える(S50)。このようにすることで、スイッチング電源20の停止中(省電力モード中)、交流電源15からスイッチング電源20が切り離されるので、交流電源15からスイッチング電源20のYコンデンサ37に対して流れる電流I3を遮断できる。よって、スイッチング電源20の停止中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、省電力化を図ることが可能となる。
【0061】
また、本プリンタ1では、リレー60の接点に、トランスファ接点61を使用している。トランスファ接点61であれば、1つのリレーで、交流電源15の接続先を、スイッチング電源20及び補助電源回路50のいずれか一方に選択的に切り換えることが出来る。そのため、例えば、スイッチング電源20用と補助電源回路50用にそれぞれ専用のリレーを設ける場合に比べて、リレーの個数を減らすことが可能であり、コストメリットがある。また、本例では、リレー60をライブLV側の電源ラインにのみ設けているので、ライブLV側、ニュートラル側の双方に設ける場合に比べてリレーの個数を少なくできる。また、本プリンタ1では、リレー60を、交流電源15と結合コンデンサC4との間に設けているので、補助電源回路50の全体を交流電源15から切り離すことが可能であり、スイッチング電源20の停止中、交流電源15から補助電源回路50側に流れる電流をほほ遮断できるという効果もある。
【0062】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図5によって説明する。
実施形態1では、交流電源15から引き出された一対のライン(ライブLV側とニュートラルNT側の2ライン)のうち、ライブLV側のライン上にリレー60を設けた構成を例示した。
【0063】
実施形態2では、ライブLV側とニュートラルNT側の2ラインにそれぞれリレー60、90を設けている。リレー90は、リレー60と同様に、トランスファ接点91と、トランスファ接点91の切り換えを行う駆動コイル93とを備える。トランスファ接点91は、トランスファ接点61と同様に、可動接点91cと2つの固定接点91a、91bを備え、交流電源15の接続先を、スイッチング電源20及び補助電源回路50のいずれか一方に選択的に切り換える機能を果たす。
【0064】
そして、駆動コイル93は、リレー60側の駆動コイル63に対して並列接続されている。そのため、スイッチング電源20を起動させる際(通常モードへの移行時)に、リレー制御ブロックB3の制御ポートP5から駆動信号を出力すると、両駆動コイル63、93に対して順方向(図2に示すA方向)に電流が流れることから、2つのリレー60、90共にset側の固定接点61a、91aが閉じる。これにより、スイッチング電源20の起動中(通常モード中)は、交流電源15に対してスイッチング電源20が接続された状態となり、補助電源回路50はライブLV側、ニュートラルNT側の双方とも交流電源15から切り離された状態となる。
【0065】
一方、スイッチング電源20を停止させる際(省電力モードへの移行時)に、リレー制御ブロックB3の制御ポートP6から駆動信号を出力すると、両駆動コイル63、93に対して逆方向(図2に示すB方向)に電流が流れることから、2つのリレー60、90共にreset側の固定接点61b、91bが閉じる。これにより、スイッチング電源20の停止中(省電力モード中)は、交流電源15に対して補助電源回路50が接続された状態となり、スイッチング電源20はライブLV側、ニュートラルNT側の双方とも、交流電源15から切り離された状態となる。
【0066】
以上説明したように、実施形態2では、スイッチング電源20の起動中、補助電源回路50は、交流電源15に対してライブLV側、ニュートラルNT側の双方のラインが切り離される。このようにすれば、ライブLV側、ニュートラルNT側のいずれかのラインのみ切り離す場合に比べて、スイッチング電源20の起動中、補助電源回路50側に流れる電流をより低減できるので、電源装置10を省電力化出来る。
【0067】
尚、ライブLV側、ニュートラルNT側の双方のラインを切り離した方が、いずれかのラインのみ切り離す場合に比べて、補助電源回路50内にて消費される電流を低減できる理由は、2ラインのうち一方だけを切り離すと、残る一方のラインが交流電源15に接続されているため、交流電源15の電圧変動の影響を少なからず受ける結果となるので、整流回路53の出力ラインLo4上に電圧変動成分が発生する。すると、電圧変動成分に応じて、コンデンサC1に電流が流れて電力を無駄に消費する。この点、2ラインの双方を切り離せば、整流回路53の出力ラインLo4上に電圧変動成分が発生することはない。そのため、交流電源15から補助電源回路50側に流れる電流を完全に遮断できるからである。
【0068】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図6図7によって説明する。
実施形態1では、リレー60を、交流電源15と補助電源回路50との間に設けた。具体的には、交流電源15から引き出されたライブLV側のラインのうち、結合コンデンサC4よりも交流電源15に近い部位にリレー60を設けた構成を例示した。
【0069】
実施形態3では、図6に示すようにリレー110を、整流回路53とコンデンサC1とを接続するライン、すなわち出力ラインLo4に設けている。リレー110は、トランスファ接点111と、トランスファ接点111の切り換えを行う駆動コイル113とを有する。トランスファ接点111は、2つの固定接点111a、111bと、可動接点111cとを備え、整流回路53の出力ラインLo4を開閉する機能を果たす。具体的に説明すると、可動接点111cは整流回路53側に接続され、set側の固定接点111aは、コンデンサC1に接続され、reset側の固定接点111bは未接続となっている。
【0070】
そのため、駆動コイル113を例えば、順方向(図6に示すA方向)に通電して、set側の固定接点111aを閉じると、出力ラインLo4が閉じて、交流電源15から整流回路53を経由してコンデンサC1や制御装置80側に電流が流れる。一方、駆動コイル63を逆方向(図6に示すB方向)に通電して、reset側の固定接点61bを閉じると、出力ラインLo4が開放状態となる。そのため、交流電源15からコンデンサC1は切り離された状態となり、更に言えば、交流電源15から補助電源回路50が切り離された状態となる。
【0071】
従って、スイッチング電源20を起動させる際(通常モードへの移行時)に、reset側の固定接点111bを閉じるようにリレー60を切り換えることで、スイッチング電源20の起動中(通常モード中)は、交流電源15から補助電源回路50を切り離すことが出来、交流電源15側から補助電源回路50側に流れる電流I2、すなわち整流回路53を通じてコンデンサC1や制御装置80に流れる電流を遮断できる。よって、実施形態1や実施形態2と同様に、スイッチング電源20の起動中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、電源装置10を省電力化出来る。
【0072】
尚、スイッチング電源20を停止させる際(省電力モードへの移行時)は、set側の固定接点111aを閉じるようにリレー110を切り換える。このようにすることで、スイッチング電源20の停止中(省電力モード中)は、出力ラインLo4が閉じる状態となる。そのため、交流電源15に対して補助電源回路50に接続された状態になることから、整流回路53から制御装置80やコンデンサC1に対して電力供給が可能となる。
【0073】
そして、リレー110を整流回路53の出力ラインLo4に設ける場合、実施形態1や実施形態2のように、リレー60を交流電源15とスイッチング電源20との間に設ける場合に比べて、遮断する電流が小さい。そのため、小容量のリレー110を使用することが可能となる。従って、リレー110を小型化することが可能である。また、リレー110に変えてFET120などの半導体スイッチング素子を使用することが可能(図7参照)となるので、回路を小型化することが可能であり、またコストメリットがある。尚、図7の例では、リレー制御ブロックB3に替えてスイッチ制御ブロックB4を設けており、スイッチ制御ブロックB4に設けられた制御ポートP7から制御信号(駆動信号)を出力することにより、FET120のオン/オフを切り換えている。
【0074】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0075】
(1)実施形態1〜実施形態3では、電源システムSを、プリンタに使用する例を挙げたが、電気機器であれば、適用可能であり、電源システムSの用途はプリンタに限定されない。例えば、テレビやビデオなどの家電製品に広く使用できる。また、実施形態1〜実施形態3では、電子写真式のプリンタを例示したが、インクジェット式のプリンタへの適用も可能である。
【0076】
(2)実施形態1では、リレー60をライブLV側の電源ラインに設置した例を示したが、ニュートラルNT側の電源ラインに設置してもよい。すなわち、電源ラインのうち、少なくともいずれか一方に設置されていれていればよい。
【0077】
(3)実施形態1では、リレー60の接点61にトランスファ接点を使用したが、リレー60はトランスファ接点に限定されるものではなく、例えば、図8に示すうように、スイッチング電源20側と補助電源回路50側のそれぞれにメーク接点式のリレー130、140を設けるようにしてもよい。そして、スイッチング電源20を起動させる際(通常モードへの移行時)、制御装置80により、第2切換部に相当するリレー130側をオンし、第1切換部に相当するリレー140側をオフする。このようにすることで、スイッチング電源20の起動中は、交流電源15から補助電源回路50が切り離されるので、交流電源15側から補助電源回路50側に流れる電流I2を遮断できる。よって、スイッチング電源20の起動中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、省電力化を図ることが可能となる。
【0078】
一方、スイッチング電源20を停止させる際(省電力モードへの移行時)、制御装置80により、第2切換部に相当するリレー130側をオフし、第1切換部に相当するリレー140側をオンする。このようにすることで、スイッチング電源20の停止中、交流電源15からスイッチング電源20が切り離されるので、交流電源15からスイッチング電源20のYコンデンサ37に対して流れる電流I3を遮断できる。よって、スイッチング電源20の停止中、交流電源15の出力電流Ioを抑えることが可能となり、省電力化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1...プリンタ
10...電源装置
20...スイッチング電源
50...補助電源回路
60...リレー(本発明の「第1切換部」の一例)
70...リレー駆動回路
80...制御装置
B1...メインブロック
B2...モード制御ブロック
B3...リレー制御ブロック
C1...コンデンサ(本発明の「蓄電部」の一例)
S...電源システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8