【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「生活支援ロボット実用化プロジェクト 安全技術を導入した移動作業型(自律が中心)生活支援ロボットの開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の物品搬送設備では、物品搬送台車に設けられた障害物センサにて干渉物の位置を検出するため、例えば、物品搬送台車と干渉物との間に床面上に直接置かれる物品のような干渉物として判別しない非検出対象物品が存在していると、この非検出対象物の陰に干渉物が隠れてしまうため、障害物センサではその干渉物を検出することができない。そして、干渉物が作業者等の移動するものである場合、干渉物が動くことで物品搬送台車の前に干渉物が突如出現する場合もあり、その場合、干渉物が物品搬送台車の前に出現して初めてその干渉物を障害物センサにて検出することができる。このように干渉物を干渉物センサにて検出したときの物品搬送台車は通常走行速度で走行しているため、減速しきれずに物品搬送台車が干渉物に干渉してしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、干渉物を適切に検出して物品搬送台車と干渉物との干渉を回避させ易い物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる物品搬送設備は、走行駆動手段の作動により複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って走行自在な物品搬送台車と、前記物品搬送台車に走行指令を指令する地上側走行制御手段とが設けられ、前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行位置を検出する走行位置検出手段の検出情報に基づいて前記走行駆動手段の作動を制御する台車側走行制御手段を備えて構成され、前記台車側走行制御手段が、前記走行位置検出手段にて検出された走行位置情報と前記地上側走行制御手段からの走行指令情報とに基づいて、前記物品搬送台車を前記走行経路に沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記走行経路が設定された領域を含む検出対象領域に存在する干渉物の位置を検出するべく地上側に設けられた位置検出手段と、前記位置検出手段からの干渉物の位置情報及び前記物品搬送台車の走行位置情報に基づいて、前記物品搬送台車に対する干渉物の位置が前記物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、前記物品搬送台車に減速指令を指令する外部管理手段とが設けられ、前記台車側走行制御手段が、前記目標走行速度を通常走行速度に設定している状態で前記外部管理手段から前記減速指令が指令されると、前記目標走行速度を前記通常走行速度から当該通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成され
、
前記位置検出手段が、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在な無線タグ、前記検出対象領域に存在する前記無線タグから前記測位用無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの前記検出対象領域における位置を算出する位置算出部を備えて前記干渉物の前記検出対象領域における位置を計測する位置計測処理を実行する無線式位置計測手段にて構成され、
一の前記干渉物に対して前記無線タグが複数設けられ、
前記受信装置は、同時に1つの前記無線タグからの前記測位用無線信号のみを受信可能で、かつ、複数の前記無線タグ夫々からの前記測位用無線信号を時間をずらして受信するように構成され、
前記無線式位置計測手段は、前記位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、前記干渉物の位置を前記処理時間ごとに計測するように構成され、かつ、前記位置計測処理として、一の前記干渉物に対応する複数の前記無線タグ夫々の位置に基づいて前記干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理と、一の前記干渉物に対応する複数の前記無線タグのうち1つの前記無線タグの位置を前記干渉物の位置として算出する単一タグ位置計測処理との双方を実行するように構成され、
予め設定された低速用距離として複数の異なる距離が設定され、前記外部管理手段は、前記減速指令として、前記低速用距離に対して、距離が短いほど遅い速度が設定されるように構成され、
前記外部管理手段は、前記複数タグ位置計測処理にて算出した前記干渉物の位置に基づいて算出した前記物品搬送台車と前記干渉物との距離に対して設定される減速指令と、前記単一タグ位置計測処理にて算出した前記干渉物の位置に基づいて算出した前記物品搬送台車と前記干渉物との距離に対して設定される減速指令とが異なる場合には、より遅い速度を示す減速指令を指令するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、位置検出手段は、物品搬送台車ではなく地上側に設けられているため、位置検出手段を、物品搬送台車からは検出し難い位置に存在している干渉物を検出できるように、設置箇所の制約が少ない状態で設けることができる。そのため、物品搬送台車からは検出し難い位置であっても、その干渉物を位置検出手段にて適切に検出することができる。
そして、外部管理手段は、位置検出手段の検出情報に基づいて、物品搬送台車に対する干渉物の位置が物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、物品搬送台車に減速指令を指令する。減速指令が指令されると、台車側走行制御手段は、物品搬送台車を走行させるときの目標走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更するため、物品搬送台車の走行速度が減速される。
従って、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現することがあっても、物品搬送台車の走行速度を干渉物が突如出現する前に減速走行速度にさせることができるため、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現したとしても物品搬送台車を干渉物に干渉する前に停止させ易い、又は、干渉物が作業者であった場合に物品搬送台車の走行速度が低速走行速度であるため作業者が物品搬送台車に干渉しないように避け易い等、物品搬送車が干渉物と干渉することを回避し易くなる。このように、干渉物を適切に検出して物品搬送台車と干渉物との干渉を回避させ易くなる。
また、単一のタグからの測位用無線信号によって干渉物の位置を計測する場合、電波の状態や計測精度等によっては実際の無線タグの位置とは異なる位置を干渉物の位置として算出することがある。このため、一の干渉物に対して無線タグを複数設けて、位置算出部が、その複数の無線タグ夫々の位置を算出し、複数の無線タグ夫々の位置に基づいて干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理を行うことによって、計測された位置の実際の位置との差異を極力排除して、精度よく干渉物の位置を計測することができる。なお、複数タグ位置計測処理として、例えば複数の無線タグの位置の平均をとることが考えられる。
また、無線式位置計測手段は、位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行し、直近の処理で得た無線タグの位置を更新して記憶する。これにより、直近の処理で得た無線タグの位置に基づき、常に直近の処理で得た干渉物の位置を把握することができる。
しかしながら、受信装置は、同時に1つの無線タグからの測位用無線信号のみを受信可能で、複数の無線タグの夫々からの測位用無線信号を時間をずらして受信するものであるため、仮に受信装置が無線タグからの測位用無線信号を適切に受信できなかった場合には、無線タグの位置が更新されず、当該無線タグについては直近の処理以前の処理で得た位置が残ることになる。そのため、その間に干渉物が移動すると、上記のように複数の無線タグの夫々の位置に基づいて干渉物の位置を計測しても、干渉物の位置を適切に計測できない虞がある。
低速用距離として複数の異なる距離が設定され、減速指令が示す速度として低速用距離に対して距離が短いほど遅い速度が設定されるように構成されている場合、上記のように干渉物の位置を適切に計測できなければ、物品搬送台車と干渉物との距離が適切に算出できず、ひいては、減速指令が示す速度として適切な速度を設定できなくなる虞がある。
ところで、単一の無線タグからの測位用無線信号によって干渉物の位置を計測する場合には、無線式位置計測手段が干渉物の位置として計測した位置と実際の干渉物の位置とに、上述のようなずれが生じることがあるものの、一の干渉物についての複数の無線タグのうちいずれかからの測位用無線信号を受信できなかった場合において、複数タグ位置計測処理により干渉物の位置を計測した場合に比べると、実際の位置との差異は比較的小さいと考えられる。
そこで、第
1特徴構成では、一の干渉物に設けられた複数の無線タグの位置に基づいて当該干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理と、一の前記干渉物に対応する複数の無線タグのうち1つの無線タグの位置を当該干渉物の位置として算出する単一タグ位置計測処理との双方を実行し、複数タグ位置計測処理にて算出した干渉物の位置に基づいて算出した物品搬送台車と干渉物との距離に対して設定される減速指令と、単一タグ位置計測処理にて算出した干渉物の位置に基づいて算出した物品搬送台車と干渉物との距離に対して設定される減速指令とのうち、より遅い速度を示す減速指令を指令するのである。これにより、一の干渉物についての複数の無線タグのうちいずれかからの測位用無線信号を受信できなかった場合等であって、計測された干渉物の位置が実際の位置と異なるときにも、物品搬送台車と干渉物との距離に対して設定される減速指令としてより厳しい方を採用することができ、物品搬送車と干渉物とが干渉することをより確実に回避できる。
【0008】
本発明にかかる物品搬送設備
は、走行駆動手段の作動により複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って走行自在な物品搬送台車と、前記物品搬送台車に走行指令を指令する地上側走行制御手段とが設けられ、前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行位置を検出する走行位置検出手段の検出情報に基づいて前記走行駆動手段の作動を制御する台車側走行制御手段を備えて構成され、前記台車側走行制御手段が、前記走行位置検出手段にて検出された走行位置情報と前記地上側走行制御手段からの走行指令情報とに基づいて、前記物品搬送台車を前記走行経路に沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されているものであって、その第2特徴構成は、
前記走行経路が設定された領域を含む検出対象領域に存在する干渉物の位置を検出するべく地上側に設けられた位置検出手段と、前記位置検出手段からの干渉物の位置情報及び前記物品搬送台車の走行位置情報に基づいて、前記物品搬送台車に対する干渉物の位置が前記物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、前記物品搬送台車に減速指令を指令する外部管理手段とが設けられ、前記台車側走行制御手段が、前記目標走行速度を通常走行速度に設定している状態で前記外部管理手段から前記減速指令が指令されると、前記目標走行速度を前記通常走行速度から当該通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成され、前記位置検出手段が、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在で前記干渉物に設けられる無線タグ、前記検出対象領域に存在する前記無線タグから前記測位用無線信号を受信自在に構成された複数の受信装置、及び、前記複数の受信装置の受信情報に基づいて前記無線タグの前記検出対象領域における位置を算出する位置算出部を備えて前記干渉物の前記検出対象領域における位置を計測する位置計測処理を実行する無線式位置計測手段にて構成され、一の前記干渉物に対して前記無線タグが複数設けられ、前記受信装置は、同時に1つの前記無線タグからの前記測位用無線信号のみを受信可能で、かつ、複数の前記無線タグ夫々からの前記測位用無線信号を時間をずらして受信するように構成され、前記無線式位置計測手段は、前記位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、前記干渉物の位置を前記処理時間ごとに計測するように構成され、かつ、前記位置計測処理として、一の前記干渉物に対応する複数の前記無線タグ夫々の位置に基づいて前記干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理と、一の前記干渉物に対応する複数の前記無線タグのうち1つの前記無線タグの位置を前記干渉物の位置として算出する単一タグ位置計測処理との双方を実行するように構成され、前記外部管理手段は、前記複数タグ位置計測処理にて算出した前記干渉物の位置に基づいて算出した前記物品搬送台車と前記干渉物との距離と、前記単一タグ位置計測処理にて算出した前記干渉物の位置に基づいて算出した前記物品搬送台車と前記干渉物との距離との少なくとも一方が予め設定された低速用距離以下になると
、前記減速指令を指令するように構成されてい
る点にある。
すなわち、位置検出手段は、物品搬送台車ではなく地上側に設けられているため、位置検出手段を、物品搬送台車からは検出し難い位置に存在している干渉物を検出できるように、設置箇所の制約が少ない状態で設けることができる。そのため、物品搬送台車からは検出し難い位置であっても、その干渉物を位置検出手段にて適切に検出することができる。
そして、外部管理手段は、位置検出手段の検出情報に基づいて、物品搬送台車に対する干渉物の位置が物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、物品搬送台車に減速指令を指令する。減速指令が指令されると、台車側走行制御手段は、物品搬送台車を走行させるときの目標走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更するため、物品搬送台車の走行速度が減速される。
従って、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現することがあっても、物品搬送台車の走行速度を干渉物が突如出現する前に減速走行速度にさせることができるため、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現したとしても物品搬送台車を干渉物に干渉する前に停止させ易い、又は、干渉物が作業者であった場合に物品搬送台車の走行速度が低速走行速度であるため作業者が物品搬送台車に干渉しないように避け易い等、物品搬送車が干渉物と干渉することを回避し易くなる。このように、干渉物を適切に検出して物品搬送台車と干渉物との干渉を回避させ易くなる。
また、単一のタグからの測位用無線信号によって干渉物の位置を計測する場合、電波の状態や計測精度等によっては実際の無線タグの位置とは異なる位置を干渉物の位置として算出することがある。このため、一の干渉物に対して無線タグを複数設けて、位置算出部が、その複数の無線タグ夫々の位置を算出し、複数の無線タグ夫々の位置に基づいて干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理を行うことによって、計測された位置の実際の位置との差異を極力排除して、精度よく干渉物の位置を計測することができる。なお、複数タグ位置計測処理として、例えば複数の無線タグの位置の平均をとることが考えられる。
また、無線式位置計測手段は、位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行し、直近の処理で得た無線タグの位置を更新して記憶する。これにより、直近の処理で得た無線タグの位置に基づき、常に直近の処理で得た干渉物の位置を把握することができる。
しかしながら、受信装置は、同時に1つの無線タグからの測位用無線信号のみを受信可能で、複数の無線タグの夫々からの測位用無線信号を時間をずらして受信するものであるため、仮に受信装置が無線タグからの測位用無線信号を適切に受信できなかった場合には、無線タグの位置が更新されず、当該無線タグについては直近の処理以前の処理で得た位置が残ることになる。そのため、その間に干渉物が移動すると、上記のように複数の無線タグの夫々の位置に基づいて干渉物の位置を計測しても、干渉物の位置を適切に計測できない虞がある。
低速用距離として複数の異なる距離が設定され、減速指令が示す速度として低速用距離に対して距離が短いほど遅い速度が設定されるように構成されている場合、上記のように干渉物の位置を適切に計測できなければ、物品搬送台車と干渉物との距離が適切に算出できず、ひいては、減速指令が示す速度として適切な速度を設定できなくなる虞がある。
ところで、単一の無線タグからの測位用無線信号によって干渉物の位置を計測する場合には、無線式位置計測手段が干渉物の位置として計測した位置と実際の干渉物の位置とに、上述のようなずれが生じることがあるものの、一の干渉物についての複数の無線タグのうちいずれかからの測位用無線信号を受信できなかった場合において複数タグ位置計測処理により干渉物の位置を計測した場合に比べると、実際の位置との差異は比較的小さいと考えられる。
そこで、第2特徴構成では、一の干渉物に設けられた複数の無線タグの位置に基づいて当該干渉物の位置を算出する複数タグ位置計測処理と、一の前記干渉物に対応する複数の無線タグのうち1つの無線タグの位置を当該干渉物の位置として算出する単一タグ位置計測処理との双方を実行し、複数タグ位置計測処理にて算出した干渉物の位置に基づいて算出した物品搬送台車と干渉物との距離と、単一タグ位置計測処理にて算出した干渉物の位置に基づいて算出した物品搬送台車と干渉物との距離とのうち、少なくとも一方が低速用距離以下になると減速指令を指令するのである。これにより、一の干渉物についての複数の無線タグのうちいずれかからの測位用無線信号を受信できなかった場合等であって、計測された干渉物の位置が実際の位置と異なるときにも、物品搬送台車と干渉物との距離としてより厳しい方を採用することができ、物品搬送車と干渉物とが干渉することをより確実に回避できる。
【0009】
本発明にかかる物品搬送設備の第
3特徴構成は、
第1又は第2特徴構成において、前記低速用領域が、平面視において、予め設定された低速用距離を半径とし、前記物品搬送台車の位置を中心として前記物品搬送台車の前方に広がる扇型状に設定され、前記外部管理手段が、前記物品搬送台車から前記干渉物までの距離が前記低速用距離以下になると、前記物品搬送台車に減速指令を指令するように構成されている点にある。
すなわち、低速用領域が予め設定された低速用距離を半径とする扇型状であるから、外部管理手段は、物品搬送台車から前記干渉物までの距離が低速用距離以下であるか否かを判別するという簡単な方法で、物品搬送台車に対する干渉物の位置が物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態か否かを判別することができる。
【0018】
本発明にかかる物品搬送設備の第
4特徴構成は、第1〜第
3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記位置検出手段として、前記検出対象領域の全体において干渉物の位置を検出する広領域検出手段と、前記検出対象領域における前記広領域検出手段にて干渉物の位置を検出し難い領域における干渉物の位置を検出する狭領域検出手段とが設けられている点にある。
【0019】
すなわち、検出対象領域の全体における干渉物の位置を広領域検出手段にて検出しながら、広領域検出手段にて干渉物の位置を検出し難い領域における干渉物の位置を狭領域検出手段にて検出することで、検出対象領域の全体を多数の狭領域検出手段にて干渉物の位置を検出する場合に比べて、位置検出手段の構成の簡素化を図ることができる。このように、干渉物を適切に検出できる位置検出手段の構成の簡素化を図ることができる。
【0020】
本発明にかかる物品搬送設備
は、走行駆動手段の作動により複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って走行自在な物品搬送台車と、前記物品搬送台車に走行指令を指令する地上側走行制御手段とが設けられ、前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行位置を検出する走行位置検出手段の検出情報に基づいて前記走行駆動手段の作動を制御する台車側走行制御手段を備えて構成され、前記台車側走行制御手段が、前記走行位置検出手段にて検出された走行位置情報と前記地上側走行制御手段からの走行指令情報とに基づいて、前記物品搬送台車を前記走行経路に沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されているものであって、その第5特徴構成は、
前記走行経路が設定された領域を含む検出対象領域に存在する干渉物の位置を検出するべく地上側に設けられた位置検出手段と、前記位置検出手段からの干渉物の位置情報及び前記物品搬送台車の走行位置情報に基づいて、前記物品搬送台車に対する干渉物の位置が前記物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、前記物品搬送台車に減速指令を指令する外部管理手段とが設けられ、前記台車側走行制御手段が、前記目標走行速度を通常走行速度に設定している状態で前記外部管理手段から前記減速指令が指令されると、前記目標走行速度を前記通常走行速度から当該通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成され、前記台車側走行制御手段が、前記通常走行速度を走行条件に基づいて低速側に切り換え自在に構成され、且つ、前記通常走行速度が前記減速走行速度より低速である場合は、前記目標走行速度を前記通常走行速度に設定している状態で前記地上側走行制御手段から前記減速指令が指令されても、前記目標走行速度を前記通常走行速度に維持するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、位置検出手段は、物品搬送台車ではなく地上側に設けられているため、位置検出手段を、物品搬送台車からは検出し難い位置に存在している干渉物を検出できるように、設置箇所の制約が少ない状態で設けることができる。そのため、物品搬送台車からは検出し難い位置であっても、その干渉物を位置検出手段にて適切に検出することができる。
そして、外部管理手段は、位置検出手段の検出情報に基づいて、物品搬送台車に対する干渉物の位置が物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、物品搬送台車に減速指令を指令する。減速指令が指令されると、台車側走行制御手段は、物品搬送台車を走行させるときの目標走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更するため、物品搬送台車の走行速度が減速される。
従って、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現することがあっても、物品搬送台車の走行速度を干渉物が突如出現する前に減速走行速度にさせることができるため、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現したとしても物品搬送台車を干渉物に干渉する前に停止させ易い、又は、干渉物が作業者であった場合に物品搬送台車の走行速度が低速走行速度であるため作業者が物品搬送台車に干渉しないように避け易い等、物品搬送車が干渉物と干渉することを回避し易くなる。このように、干渉物を適切に検出して物品搬送台車と干渉物との干渉を回避させ易くなる。
また、通常走行速度は走行条件(走行経路の形状や走行するときの負荷の大きさ等)に基づいて低速側に切り換えられるため、走行条件に適した速度で物品搬送台車を走行させることができる。
そして、通常走行速度が減速走行速度より低速である場合は、減速指令が指令されても目標走行速度を通常走行速度に維持されるため、走行条件に適した速度より高速な減速走行速度に加速されることなく、走行条件に適した速度を維持することができる。
【0022】
本発明にかかる物品搬送設備の第
6特徴構成は、第1〜第
5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行方向前方側における干渉物の存在を検出する存否検出手段と、前記存否検出手段の検出情報に基づいて前記走行駆動手段の作動を制御する補助走行制御手段とを備えて構成され、前記補助走行制御手段が、前記目標走行速度が前記通常走行速度に設定されている状態で前記存否検出手段にて干渉物が検出されると、前記物品搬送台車の走行速度を前記通常走行速度から当該通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成されている点にある。
【0023】
すなわち、存否検出手段にて物品の存在が検出されると、補助走行制御手段にて物品搬送台車の走行速度から減速走行速度に設定変更される。そのため、位置検出手段が干渉物の位置を検出した場合に加えて、存否検出手段にて干渉物の存在を検出した場合に、物品搬送台車の走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更することができ、仮に一方の検出手段に異常が生じていても、他方の検出手段にて干渉物が検出することができるというように、検出手段による干渉物の検出をより適切に行うことができる。
【0024】
本発明にかかる物品搬送設備の第
7特徴構成は、第
6特徴構成において、前記位置検出手段が、検出した干渉物の位置情報と前記物品搬送台車の走行位置情報とに基づいて、前記物品搬送台車から干渉物までの距離が予め設定された減速用距離以下になると、干渉物存在情報を前記存否検出手段に送信するように構成され、前記存否検出手段が、前記位置検出手段から前記干渉物存在情報を受信することにより干渉物の存在を検出した検出状態に切り換えるように構成されている点にある。
【0025】
すなわち、位置検出手段は、物品搬送台車から干渉物までの距離が予め設定された減速用距離以下になると、干渉物存在情報を存否検出手段に送信する。そして、存否検出手段は、位置検出手段から干渉物存在情報を受信することにより、存否検出手段では物品の存在が検出できていなくても検出状態に切り換えられる。このように存否検出手段が検出状態に切り換えられると、補助走行制御手段にて物品搬送台車の走行速度が通常走行速度から減速走行速度に設定変更される。
従って、位置検出手段が干渉物の位置を検出した場合、外部管理手段及び台車側走行制御手段により物品搬送台車の走行速度が通常走行速度から減速走行速度に設定変更されることと、存否検出手段及び補助走行制御手段により物品搬送台車の走行速度が通常走行速度から減速走行速度に設定変更されることとの、2つのルートで物品搬送台車の走行速度が通常走行速度から減速走行速度に設定変更される。そのため、仮に一方のルートで適切に目標走行速度を減速走行速度に設定変更ができない状況となっても、他方のルートにて物品搬送台車の走行速度を減速走行速度に設定変更できるというように、より的確に目標走行速度を減速走行速度に設定変更できる。
【0026】
本発明にかかる物品搬送設備
は、走行駆動手段の作動により複数の物品移載箇所に亘る走行経路に沿って走行自在な物品搬送台車と、前記物品搬送台車に走行指令を指令する地上側走行制御手段とが設けられ、前記物品搬送台車が、当該物品搬送台車の走行位置を検出する走行位置検出手段の検出情報に基づいて前記走行駆動手段の作動を制御する台車側走行制御手段を備えて構成され、前記台車側走行制御手段が、前記走行位置検出手段にて検出された走行位置情報と前記地上側走行制御手段からの走行指令情報とに基づいて、前記物品搬送台車を前記走行経路に沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されているものであって、その第8特徴構成は、
前記走行経路が設定された領域を含む検出対象領域に存在する干渉物の位置を検出するべく地上側に設けられた位置検出手段と、前記位置検出手段からの干渉物の位置情報及び前記物品搬送台車の走行位置情報に基づいて、前記物品搬送台車に対する干渉物の位置が前記物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、前記物品搬送台車に減速指令を指令する外部管理手段とが設けられ、前記台車側走行制御手段が、前記目標走行速度を通常走行速度に設定している状態で前記外部管理手段から前記減速指令が指令されると、前記目標走行速度を前記通常走行速度から当該通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成され、前記外部管理手段が、前記位置検出手段の検出情報に基づいて干渉物の種類を判別自在で且つ予め設定された低速用距離として干渉物の種類に対応して異なった距離を設定自在に構成されている点にある。
【0027】
すなわち、位置検出手段は、物品搬送台車ではなく地上側に設けられているため、位置検出手段を、物品搬送台車からは検出し難い位置に存在している干渉物を検出できるように、設置箇所の制約が少ない状態で設けることができる。そのため、物品搬送台車からは検出し難い位置であっても、その干渉物を位置検出手段にて適切に検出することができる。
そして、外部管理手段は、位置検出手段の検出情報に基づいて、物品搬送台車に対する干渉物の位置が物品搬送台車の位置を基準として予め設定された低速用領域に含まれる状態になると、物品搬送台車に減速指令を指令する。減速指令が指令されると、台車側走行制御手段は、物品搬送台車を走行させるときの目標走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更するため、物品搬送台車の走行速度が減速される。
従って、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現することがあっても、物品搬送台車の走行速度を干渉物が突如出現する前に減速走行速度にさせることができるため、物品搬送台車の前に突如干渉物が出現したとしても物品搬送台車を干渉物に干渉する前に停止させ易い、又は、干渉物が作業者であった場合に物品搬送台車の走行速度が低速走行速度であるため作業者が物品搬送台車に干渉しないように避け易い等、物品搬送車が干渉物と干渉することを回避し易くなる。このように、干渉物を適切に検出して物品搬送台車と干渉物との干渉を回避させ易くなる。
さらに、低速用距離を干渉物の種類に対応して異なった距離を設定できるため、例えば、干渉物が作業者である場合では、作業者が物品作業台車に向けて歩いてくることが考えられるので低速用距離を長くし、干渉物が床面に置かれた物品である場合では、物品は静止していることから低速用距離を短くするように、干渉物の特性に対応して低速用距離を設定することができる。
そのため、干渉の虞が小さな干渉物については低速用距離を短くして、物品搬送台車の走行速度を減速する機会を少なくして物品を効率よく搬送させることや、干渉の虞が大きな干渉物については低速用距離を長くして、物品搬送台車が干渉物に干渉することを適切に防止することができる。
【0028】
本発明にかかる物品搬送設備の第
9特徴構成は、第1〜第
8特徴構成のいずれか1つにおいて、前記外部管理手段が、干渉物が前記物品搬送台車の走行方向前方側に位置するときの予め設定された低速用距離と干渉物が前記物品搬送台車の走行方向後方側に位置するときの前記低速用距離とを異なった距離に設定自在に構成されている点にある。
【0029】
すなわち、干渉物が物品搬送台車の走行方向前方側に位置するときと走行方向後方側に位置するときとで、低速用距離を設定変更することができるため、例えば、物品搬送台車の進行方向である走行方向前方側については干渉物と干渉し易いため低速用距離を長くし、物品搬送台車の進行方向ではない走行方向後方側については干渉物と干渉し難いため低速用距離を短くすることができる。
そのため、走行方向前方側と走行方向後方側とのうち、干渉の虞が小さい側については低速用距離を短くして、物品搬送台車の走行速度を減速する機会を少なくして物品を効率よく搬送させることや、干渉の虞が大きい側については低速用距離を長くして、物品搬送台車が干渉物に干渉することを適切に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、走行経路Lの側脇に設けられた物品移載箇所としての複数のステーションS、複数のステーションSに亘る走行経路Lに沿って床面上を走行自在な物品搬送台車1とが設けられている。そして、物品搬送台車1が走行経路Lに沿って自立走行して複数のステーションS間で物品(パレット及びこれに載置支持された荷)を搬送するようになっている。
また、物品搬送設備では、外部から進入した作業者2が床面上を歩行しているとともに、搭乗した運転者の操縦によりフォークリフト3が床面上を自由に走行している。
なお、
図1では、走行経路Lを実線で図示しているが、これは物品搬送台車1が走行すべき仮想的な走行経路を示しているのであって物品搬送台車1を案内するレールは設置されていない。
【0032】
図2に示すように、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪(図示せず)を回転駆動させる走行用モータ5と、従動用走行車輪(図示せず)を縦軸心周りに回転させて従動用走行車輪の向きを変更させる操向用モータ6とが設けられている。物品搬送台車1は、走行用モータ5にて駆動用走行車輪を回転駆動させて走行し、操向用モータ6にて従動用走行車輪の向きを変更させて走行方向を変更するように構成されている。
尚、走行用モータ5と操向用モータ6とで走行駆動手段7が構成されており、物品搬送台車1は、走行駆動手段7の作動により走行経路Lに沿って走行自在に構成されている。
【0033】
図3に示すように、物品搬送設備には、走行経路Lの側方に位置する壁部などを利用して走行経路Lに対応するように複数の反射板9が配設されており、物品搬送台車1の上部には、レーザ光を水平面内に走査して、反射板9にて反射される反射光を受光する投受光部10が設けられている。
また、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪の回転に伴ってパルス信号を出力するロータリーエンコーダ等の走行距離検出用の距離検出部11、及び、物品搬送台車1の向きを検出するレートジャイロ等の方位検出部12が備えられている。
尚、投受光部10と距離検出部11と方位検出部12とで、物品搬送台車1の走行位置を検出する走行位置検出手段13が構成されており、この走行位置検出手段13は、物品搬送台車1に備えられている。
【0034】
図2に示すように、物品搬送台車1には、走行駆動手段7の作動を制御する台車側走行制御手段としての台車側コントローラH1が設けられている。台車側コントローラH1は、走行位置検出手段13にて検出された走行位置情報と地上側走行制御手段としての地上側コントローラH2からの走行指令情報とに基づいて、物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、走行駆動手段7の作動を制御するように構成されている。
つまり、台車側コントローラH1は、投受光部10にて受光する反射光の走査角情報及び複数の反射板9の位置情報に基づいて物品搬送台車1の現在位置を確認しながら、その現在位置情報、距離検出部11の検出情報、及び、方位検出部12の検出情報に基づいて、地上側コントローラH2から指令される走行指令にて指定されたステーションSに対応する目標走行位置に物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行速度で走行させるべく、走行用モータ5及び操向用モータ6の作動を制御するように構成されている。
走行経路Lは、上述の通り物品搬送台車1が走行すべき仮想の経路である。走行経路Lの経路情報がマップデータとして台車側コントローラH1に記憶されており、台車側コントローラH1は、走行指令が指令されると走行経路Lに沿ったルートの設定を行う。
【0035】
図4に示すように、台車側コントローラH1には、通常走行速度として、物品搬送台車1が走行経路Lにおける直線状の経路部分を走行するときの高速走行速度と、物品搬送台車1が走行経路Lにおける曲線状の経路部分を走行するときの中速走行速度と、クリープ走行速度とが設定されている。また、高速走行速度や中速走行速度として、低負荷で走行するときの走行速度と高負荷で走行するときの走行速度とが設定されている。
ちなみに、本実施形態では、低負荷時の高速走行速度は200m/min、高負荷時の高速走行速度は160m/min、低負荷時の中速走行速度は60m/min、高負荷時の中速走行速度は40m/min、クリープ走行速度は5m/minに設定されており、低負荷時の高速走行速度、高負荷時の高速走行速度、低負荷時の中速走行速度、高負荷時の中速走行速度、クリープ走行速度の順に低速になるように設定されている。
尚、低負荷で走行するときとは、物品を支持していない空荷状態で走行するときであり、高負荷で走行するときとは、物品を支持している実荷状態で走行するときである。
【0036】
このように、台車側コントローラH1は、物品搬送台車1が走行経路Lにおける直線状の経路部分を低負荷で走行するときの高速走行速度を基準として、走行経路Lの曲線部分を走行させるときや高負荷で走行させるときは、目標走行速度を高速走行速度より低速側とするように、通常走行速度を走行条件(走行経路Lの形状や物品の搬送状態)に基づいて低速側に切り換え自在に構成されている。
【0037】
そして、
図4に示すように、台車側コントローラH1は、走行経路Lに沿って物品搬送台車1を走行させるときに、直線状の経路部分を走行させるときは目標走行速度を高速走行速度として物品搬送台車1を走行させ、曲線状の経路部分を走行させるときは目標走行速度を中速走行速度として物品搬送台車1を走行させ、クリープ走行速度まで減速させた後に目標停止位置に停止させるべく、走行駆動手段7の作動を制御するように構成されている。
図4では、物品搬送台車1が、低負荷において、直線状の経路部分、曲線状の経路部分、直線状の経路部分の順で走行する場合の目標走行速度を示している。
【0038】
また、
図2に示すように、物品搬送台車1には、当該物品搬送台車1の走行方向前方側における干渉物の存在を検出する存否検出手段としての干渉物センサ15と、干渉物センサ15の検出情報に基づいて走行駆動手段7の作動を制御する補助走行制御手段としてのセンサ制御部16と、物品搬送台車1のバンパに干渉物が接触したことを検出するバンパセンサ26と、走行駆動手段7(走行用モータ5及び操向用モータ6)に対して電力を供給する電源17(バッテリー)と、その電源17から走行駆動手段7への電力の供給を遮断自在な電力遮断手段18とが設けられている。
ちなみに、干渉物センサ15及びバンパセンサ26が検出する干渉物とは、作業者2、フォークリフト3及び床面上に載置された物品等の物品搬送台車1と干渉する虞のあるものである。
【0039】
センサ制御部16は、干渉物センサ15に内装されており、干渉物センサ15にて干渉物の存否が検出されると、その干渉物センサ15の検出情報に基づいて物品搬送台車1から干渉物までの距離を判別するように構成されている。
また、走行経路Lの横側方に、壁が設置されている場合や、走行経路Lを走行する物品搬送台車1と干渉しないように床面上に物品保管棚が設置されている場合や、物品が床面上に直接置かれる場合があるが、このような壁や棚等の床面上に設置されている干渉物又は床に直接載置される物品のように床面上に存在が予定される干渉物の位置は、レイアウトマップとしてセンサ制御部16に予め記憶されている。そして、センサ制御部16は、予め位置が記憶されている干渉物を干渉物センサ15にて検出されたとしてもその検出情報はキャンセルして干渉物が存在していると判別しないようになっている。
【0040】
そして、センサ制御部16は、目標走行速度が通常走行速度に設定されている状態で、干渉物センサ15にて干渉物の存在が検出されると、その検出情報に基づく物品搬送台車1から干渉物までの距離により、台車側コントローラH1にて設定される目標走行速度の上限速度を制限して減速させる、又は、走行駆動手段7に対する電力の供給を電力遮断手段18により遮断して物品搬送台車1を減速させて非常停止させるようになっている。
【0041】
説明を加えると、
図5に示すように、センサ制御部16には、減速用距離として、遠距離(20m)、遠距離より短い中距離(8m)、中距離より短い短距離(2m)が予め設定されている。
そして、狭領域検出手段についての低速用領域として、上記夫々の減速用距離を半径とし、物品搬送台車1の位置を中心として物品搬送台車1の前方に広がる
扇型状の領域、すなわち、遠距離を半径とする
扇型状の領域(A1エリア)と、中距離を半径とする
扇型状の領域(A2エリア)と、短距離を半径とする
扇型状の領域(A3エリア)とが予め設定されている。
そして、センサ制御部16は、干渉物がA1エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠距離以下で且つ中距離を超えていると、遠距離接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
また、センサ制御部16は、干渉物がA2エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が中距離以下で且つ短距離を越えていると、中距離接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
また、センサ制御部16は、干渉物がA3エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が近距離以下になると、電力遮断手段18にて走行駆動手段7に対する電力を遮断して物品搬送台車1を非常停止させるべく、電力遮断手段18の作動を制御するように構成されている。
【0042】
図6及び
図7に示すように、台車側コントローラH1には、減速走行速度として、高速走行速度より低速で且つ中速走行速度と同じ速度である第1上限速度(60m/min)と、中速走行速度より低速である第2上限速度(30m/min)とが設定されている。
そして、台車側コントローラH1は、センサ制御部16から遠距離接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限速度を第1上限速度とし、センサ制御部16から中距離接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限を第2上限速度とするように構成されている。
【0043】
そのため、例えば、
図6に示すように、物品搬送台車1が高速走行速度(低負荷)で走行しているときに、目標走行速度の上限速度が第1上限速度や第2上限速度に制限されると、物品搬送台車1の目標走行速度は上限速度の第1上限速度や第2上限速度に設定変更される。
このように、台車側コントローラH1は、目標走行速度が通常走行速度に設定されている状態でセンサ制御部16から減速指令が指令(遠距離接近情報や中距離接近情報を受信)されると、目標走行速度を通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成されている。
【0044】
また、例えば、
図7に示すように、物品搬送台車1が中速走行速度(高負荷)で走行しているときに、目標走行速度の上限速度が第1上限速度に制限されても、物品搬送台車1の目標走行速度は中距離走行速度から設定変更されず、目標走行速度の上限速度が第2上限速度に制限されると、物品搬送台車1の目標走行速度は上限速度の第2上限速度に設定変更される。
このように、台車側コントローラH1は、通常走行速度が減速走行速度より低速である場合は、目標走行速度を通常走行速度に設定している状態でセンサ制御部16から減速指令が指令されても、目標走行速度を通常走行速度に維持するように構成されている。
【0045】
バンパセンサ26は、物品搬送台車1のバンパに内装されており、テープスイッチにて構成されている。そして、バンパセンサ26にてバンパに干渉物が接触したことが検出されるに伴って、電力遮断手段18が走行駆動手段7に対する電力を遮断するように構成されている。
【0046】
物品搬送設備の地上側には、物品搬送台車1に走行指令を指令する地上側コントローラH2が設けられており、台車側コントローラH1及び地上側コントローラH2には、互いに各種情報を送受信するための送受信装置14が設けられている。尚、地上側に設けられているとは、物品搬送台車1に設けるのではなく、物品搬送設備の床面や天井、又は、物品搬送設備に設置されている物品収納棚等に設けることである。
そして、地上側コントローラH2は、物品を搬送する搬送元のステーションSや搬送先のステーションSを指定する走行指令を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。台車側コントローラH1は、走行位置情報と走行指令情報とに基づいて走行駆動手段7の作動を制御し、物品搬送台車1の走行位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されている。
【0047】
また、物品搬送設備の地上側には、走行経路Lが設定された領域を含む検出対象領域Eに存在する干渉物の位置を検出する位置検出手段19、及び、位置検出手段19からの干渉物の位置情報と物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、物品搬送台車1から干渉物までの距離が低速用距離以下になると、物品搬送台車1に減速指令を指令する外部管理手段としての外部管理サーバH3が設けられている。
【0048】
図1及び
図8に示すように、位置検出手段19として、検出対象領域Eの全体において干渉物の位置を検出する広領域検出手段としての無線式位置計測システム21と、検出対象領域Eにおける広領域検出手段にて干渉物の位置を検出し難い領域(検出エリアe)における干渉物の位置を検出する狭領域検出手段としての監視カメラ20とが設けられている。また、監視カメラ20として、3次元距離画像カメラが設けられている。
【0049】
無線式位置計測システム21は、作業者2やフォークリフト3に装備され、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在な無線タグ22と、検出対象領域Eに存在する無線タグ22から測位用無線信号を受信自在に構成された複数の親機23と、親機23の受信情報に基づいて無線タグ22の位置を算出する位置計測処理を実行するタグ位置計測装置24とを備えて構成されている。無線タグ22から親機23には、UWB方式の無線通信により位置計測用の情報が通信自在に構成されている。
このように、無線式位置計測システム21が本発明における無線式位置計測手段に相当し、タグ位置計測装置24が本発明における位置算出部に相当する。また、本実施形態では、無線式位置計測システム21が備える複数の受信装置が、複数の親機23にて構成されている。
ちなみに、
図1に示すように、親機23は検出対象領域Eの四隅に位置するように4個設けられている。
【0050】
無線式位置計測システム21が検出する干渉物とは、無線タグ22を装備した作業者2やフォークリフト3であり、無線式位置計測システム21は、検出した干渉物の位置情報を外部管理サーバH3に送信するように構成されている。
ちなみに、物品等の無線タグ22が装備されていないものについては干渉物として検出されない。
そして、無線タグ22から送信される情報には、無線タグ22が装備されたものの属性情報が送信されており、無線式位置計測システム21は、無線タグ22の情報から無線タグ22が装備されている干渉物の属性(作業者2やフォークリフト3)を判別できるように構成されている。
【0051】
作業者2及びフォークリフト3には、夫々2つの無線タグ22が装備されている。
本実施形態では、無線式位置計測システム21が、検出対象領域Eに存在する無線タグ22の総数及び検出対象領域Eに存在する無線タグ22ごとの識別情報を管理している(識別情報を管理する管理部は、親機23に備えてもタグ位置計測装置24に備えてもよい)。そして、検出対象領域Eに存在する無線タグ22の夫々に対して、所定のポーリング順序で順次、ポーリング用無線信号を一斉に送信する。ポーリング用無線信号は、4個の親機23から一斉に送信される。ポーリング用無線信号を受信した無線タグ22は、応答として測位用無線信号を送信する。この測位用無線信号を4個の親機23のうちの複数の親機23にて受信し、タグ位置計測装置24が、TDOAやTOA等の既知の測位方式を用いて無線タグ22の位置を算出するのである。なお、同一の干渉物に装備されている一対の無線タグ22に対しては、タグ位置計測装置24による位置の算出が時系列的に連続して行われるようになっている。
すなわち、受信装置は、同時に1つの無線タグ22からの測位用無線信号のみを受信可能で、かつ、複数の無線タグ22夫々からの測位用無線信号を時間をずらして受信するように構成されている。
【0052】
無線式位置計測システム21は、所定の周期ごとに、上記ポーリング順序に従って順次無線タグ22の位置を算出し、算出した無線タグ22の位置に基づいて干渉物の位置を計測する位置計測処理を実行するように構成されている。上記所定の周期は、検出対象領域Eに存在し得る最大数量の無線タグ22に対して位置の算出を行うことができるだけの時間に設定される。本実施形態では、上記所定の周期が処理時間に相当する。
検出対象領域Eに存在するすべての無線タグ22の位置が算出されると、無線式位置計測システム21は、ポーリング順序の最初に戻って上記ポーリング用無線信号の送信を実行する。
このように、無線式位置計測システム21は、位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、作業者2やフォークリフト3の位置を処理時間ごとに計測するように構成されている。
【0053】
監視カメラ20は、直近に撮像した画像情報と過去に撮像した画像情報とを比較により、検出エリアeにおいて物の移動が検出されると、その移動した物を干渉物として判別するように構成されている。また、監視カメラ20には、物品搬送台車1の画像情報が予め記憶されており、監視カメラ20は、移動した物が物品搬送台車1と判別すると、その移動した物を検出した検出情報はキャンセルして、干渉物が存在していると判別しないようになっている。
そして、監視カメラ20は、外部管理サーバH3から送信された物品搬送台車1の位置情報と検出した干渉物の位置情報とから、物品搬送台車1から干渉物までの距離を求め、その物品搬送台車1から干渉物までの距離情報を外部管理サーバH3に送信するように構成されている。
ちなみに、地上側コントローラH2から外部管理サーバH3に物品搬送台車1の走行位置情報が送信されており、その走行位置情報が、外部管理サーバH3から監視カメラ20に送信されている。
【0054】
外部管理サーバH3は、干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの低速用距離と干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの低速用距離とを異なった距離に設定自在に構成されている。
そして、本実施形態では、
図5に示すように、外部管理サーバH3に、干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの広領域検出手段についての低速用距離として、遠隔距離(25m)と、この遠隔距離より短い近傍距離(15m)とが予め設定され、広領域検出手段についての低速用領域として、遠隔距離を半径と
し、物品搬送台車1の位置を中心として物品搬送台車1の前方に広がる半円形状の領域(D1エリア)と
、近傍距離を半径とし、物品搬送台車1の位置を中心として物品搬送台車1の前方に広がる半円形状の領域(D2エリア)とが予め設定されている。
また、干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの低速用距離として0mが設定されている。このように、干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの低速用距離を干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの低速用距離より短い距離に設定自在に構成されている。
ちなみに、遠隔距離は、遠距離より長く設定されており、近傍距離は遠距離より短く且つ中距離より長く設定されている。
【0055】
そして、外部管理サーバH3は、監視カメラ20や無線式位置計測システム21から送信された干渉物の位置情報と地上側コントローラH2からの物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、干渉物がD1エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠隔離以下で且つ近傍距離を超えていると、遠隔接近情報を地上側コントローラH2に送信し、干渉物がD2エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が近傍距離以下となると、近傍接近情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されている。
地上側コントローラH2は、外部管理サーバH3から遠隔接近情報や近傍接近情報を受信すると、これら遠隔接近情報や近傍接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
【0056】
そして、台車側コントローラH1は、センサ制御部16から遠隔接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限速度を第1上限速度とし、センサ制御部16から近傍接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限を第2上限速度とするように構成されている。
そして、台車側コントローラH1は、目標走行速度が通常走行速度に設定されている状態で外部管理サーバH3から減速指令が指令(遠隔接近情報や近傍接近情報を受信)されると、目標走行速度を通常走行速度より低速な減速走行速度に設定変更するように構成されている。
すなわち、低速用距離として複数の異なる距離が設定され、外部管理サーバH3は、減速指令が示す速度として、低速用距離に対して距離が短いほど遅い速度を設定するように構成されている。
【0057】
図5に示すように、監視カメラ20には、センサ制御部16と同様に、減速用距離として、遠距離(20m)、遠距離より短い中距離(8m)、中距離より短い短距離(2m)が予め設定されたカメラ制御部(図示せず)が備えられている。監視カメラ20からセンサ制御部16に無線通信により指令情報が通信自在に構成されている。
そして、狭領域検出手段についての低速用領域として、上記夫々の減速用距離を半径とする
扇型状の領域、すなわち、遠距離を半径とする扇型状の領域(A1エリア)と、中距離を半径とする
扇型状の領域(A2エリア)と、短距離を半径とする
扇型状の領域(A3エリア)とが予め設定されている。
つまり、本実施形態では、低速用領域として、A1エリア、A2エリア、A3エリア、D1エリア、及び、D2エリアの各エリアがあらかじめ設定されている。
また、監視カメラ20は、干渉物センサ15のセンサ制御部16に指令情報を送信自在に構成されている。
そして、監視カメラ20は、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠距離以下で且つ中距離を超えていると、センサ制御部16に対して第1減速指令を指令し、物品搬送台車1から干渉物までの距離が中距離以下で且つ短距離を越えていると、センサ制御部16に対して第2減速指令を指令し、物品搬送台車1から干渉物までの距離が短距離以下であると、センサ制御部16に対して第3減速指令を指令するように構成されている。
【0058】
そして、センサ制御部16は、干渉物センサ15にて干渉物の存在を検出していなくても、監視カメラ20から第1減速指令が指令されると、強制的に物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠距離以下で且つ中距離を超えている検出状態となって、遠距離接近情報を台車側コントローラH1に送信し、監視カメラ20から第2減速指令が指令されると、強制的に物品搬送台車1から干渉物までの距離が中距離以下で且つ短距離を越えている検出状態となって、中距離接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
また、センサ制御部16は、干渉物センサ15にて干渉物の存在を検出していなくても、監視カメラ20から第3減速指令が指令されると、強制的に物品搬送台車1から干渉物までの距離が近距離以下である検出状態となって、電力遮断手段18にて走行駆動手段7に対する電力を遮断して物品搬送台車1を非常停止させるべく、電力遮断手段18の作動を制御するように構成されている。
【0059】
このように、センサ制御部16は、監視カメラ20から干渉物存在情報を受信することにより干渉物の存在を検出した検出状態に切り換えるように構成されている。また、センサ制御部16は、目標走行速度が通常走行速度に設定されている状態で監視カメラ20にて干渉物が検出されると、台車側コントローラH1に遠距離接近情報や中距離接近情報を送信して、物品搬送台車1の走行速度を通常走行速度から第1上限速度や第2上限速度の減速走行速度に設定変更する、或いは、物品搬送台車1の走行速度を通常走行速度から停止速度の減速走行速度に設定変更するべく自ら電力遮断手段18の作動を制御するように構成されている。
【0060】
台車側コントローラH1には、センサ制御部16から長距離接近情報や中距離接近情報、及び、外部管理サーバH3から遠隔接近情報及び近傍接近情報が送信される。
そして、物品搬送台車1が高速走行速度(低負荷)で走行しているときに、物品搬送台車1が干渉物に向けて走行し、干渉物が
図5に示すD1エリア、A1エリア、D2エリア、A2エリアの順に進入してきた場合は、次のように上限速度が設定変更される。
つまり、
図9に示すように、干渉物がD1エリアに進入して地上側コントローラH2から遠隔接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第1上限速度に設定変更し、干渉物がA1エリアに進入してセンサ制御部16から遠距離接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第1上限速度に維持する。また、干渉物がD2エリアに進入して地上側コントローラH2から近傍接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第2上限速度に設定変更し、干渉物がA2エリアに進入してセンサ制御部16から近距離接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第2上限速度に維持する。
ちなみに、その後、干渉物がA3エリアまで進入すると、センサ制御部16により電力遮断手段18の作動が制御されて走行駆動手段7に対する電力が遮断され、物品搬送台車1は非常停止するようになっている。
【0061】
このように、台車側コントローラH1には、センサ制御部16から長距離接近情報や中距離接近情報、及び、外部管理サーバH3から遠隔接近情報及び近傍接近情報が送信されるが、長距離接近情報と中距離接近情報とでは後に受信した接近情報に基づいて目標走行速度を制限し、遠隔接近情報と近傍接近情報とでも後に受信した接近情報に基づいて目標走行速度を制限するように構成されている。そして、センサ制御部16からの接近情報と外部管理サーバH3からの接近情報とでは、上限速度が小さくなる接近情報を優先して目標走行速度を制限するように構成されている。
【0062】
そして、
図8に示すように、無線式位置計測システム21や干渉物センサ15では検出し難い範囲に干渉物が存在している場合があるが、このように検出し難い範囲を検出エリアeとして、この検出エリアeに存在する干渉物の位置を検出するために監視カメラ20が設けられている。そのため、検出エリアeに存在する干渉物を無線式位置計測システム21や干渉物センサ15にて検出できなかったとしても、監視カメラ20の検出情報に基づいて、
図6や
図7に示すように物品搬送台車1の目標走行速度を変更設定できる。
また、監視カメラ20の検出情報に基づく物品搬送台車1の目標走行速度の設定変更は、第1に、外部管理サーバH3及び地上側コントローラH2を介して台車側コントローラH1に送信された情報、第2に、監視カメラ20からセンサ制御部16に情報が無線通信されてそのセンサ制御部16から台車側コントローラH1に送信された情報に基づいて実行することができ、情報の送信ルートが2経路あるため、目標走行速度の設定変更の信頼性を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態では、無線式位置計測システム21は、1人の作業者2又は1台のフォークリフト3に対応する一対の無線タグ22夫々の位置の中間点の位置をその作業者2又はフォークリフト3の位置として算出する複数タグ位置計測処理と、1人の作業者2又は1台のフォークリフト3に対応する一対の前記無線タグ22のうち1つの無線タグの位置をその作業者2又はフォークリフト3の位置として算出する単一タグ位置計測処理とを実行するように構成されている。
単一タグ位置計測処理では、移動する干渉物(作業者2やフォークリフト3)の実際の位置をより正確に反映した無線タグの位置情報として、一の干渉物に装備される2つの無線タグ22のうち、上記ポーリング順位が後である無線タグ22の位置を干渉物の位置としている。
なお、一の干渉物についての複数の無線タグ22のうちいずれかからの測位用無線信号を受信できなかった場合には、受信できた無線タグ22の位置を干渉物の位置としている。
【0064】
以下、無線式位置計測システム21による位置計測処理に基づいて外部管理サーバH3が実行する処理を、
図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0065】
外部管理サーバH3は、無線式位置計測システム21におけるタグ位置計測装置24に対して、作業者2又はフォークリフト3に対応する2つの無線タグ22の位置を算出するように指令する(ステップ#101)。
続いて、無線式位置計測システム21に対し、複数タグ位置計測処理として、2つの無線タグ22の中間点の位置を当該作業者2又はフォークリフト3の位置として計測するように指令する(ステップ#102)。そして、計測された作業者2又はフォークリフト3の位置に基づいて、作業者2又はフォークリフト3と物品搬送台車1との距離である複数タグ時判別距離を算出する(ステップ#103)。外部管理サーバH3は、その複数タグ時判別距離が遠隔距離又は近傍距離(
図5参照)の何れであるかを判別し、遠隔距離であれば第1上限速度を複数タグ時判別距離に対して設定される減速指令速度として設定し、近傍距離であれば第2上限速度を、複数タグ時判別距離に対して設定される減速指令速度として設定して、一時記憶メモリに記憶する(ステップ#104)。
【0066】
引き続き、外部管理サーバH3は、無線式位置計測システム21に対し、単一タグ位置計測処理として、2つの無線タグ22のうちの何れか1つの無線タグ22の位置を当該作業者2又はフォークリフト3の位置として計測するように指令する(ステップ#105)。そして、計測された作業者2又はフォークリフト3の位置に基づいて、作業者2又はフォークリフト3と物品搬送台車1との距離である単一タグ時判別距離を算出する(ステップ#106)。外部管理サーバH3は、その単一タグ時判別距離が遠隔距離又は近傍距離(
図5参照)の何れであるかを判別し、遠隔距離であれば第1上限速度を複数タグ時判別距離に対して設定される減速指令速度として設定し、近傍距離であれば第2上限速度を、複数タグ時判別距離に対して設定される減速指令速度として設定して、一時記憶メモリに記憶する(ステップ#107)。
外部管理サーバH3は、ステップ#104で算出して一時記憶メモリに記憶している複数タグ時判別距離に対応する減速指令速度と、ステップ#107で算出して一時記憶メモリに記憶している複単一タグ時判別距離に対応する減速指令速度とのうち、遅い方の速度を示す減速指令を指令する(ステップ#108)。
外部管理サーバH3は、検出対象領域Eに存在する干渉物(すなわちすべての作業者2及びフォークリフト3)のうち、その周期においてまだ位置の計測が完了していないものがあるか否かを判別し(ステップ#109)、すべての干渉物に対して位置の計測が完了するまで、ステップ#101〜ステップ#108の処理を実行する。
そして、すべての干渉物に対して位置の計測が完了すると、この
図10のフローを最初から繰り返すようになっている。
【0067】
本実施形態では、上記のように、無線タグ22の位置に基づいて計測した干渉物(作業者2又はフォークリフト3)の位置に基づく減速指令の判定を二重化することによって、より安全に物品搬送台車を走行させることができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、
図11に基づいて、本発明の第2実施形態について説明するが、本第2実施形態は、第1実施形態において、無線式位置計測システム21による位置計測処理に基づいて外部管理サーバH3が実行する処理が異なるのみであるため、その異なる部分のみを説明し、第1実施形態共通する部分については説明を省略する。
【0069】
すなわち、外部管理サーバH3は、無線式位置計測システム21におけるタグ位置計測装置24に対して、作業者2又はフォークリフト3に対応する2つの無線タグ22の位置を算出するように指令する(ステップ#201)。
続いて、無線式位置計測システム21に対し、複数タグ位置計測処理として、2つの無線タグ22の中間点の位置を当該作業者2又はフォークリフト3の位置として計測するように指令する(ステップ#202)。そして、計測した作業者2又はフォークリフト3の位置に基づいて、作業者2又はフォークリフト3と物品搬送台車1との距離である複数タグ時判別距離を算出して一時記憶メモリに記憶する(ステップ#203)。
【0070】
引き続き、外部管理サーバH3は、無線式位置計測システム21に対し、単一タグ位置計測処理として、2つの無線タグ22のうちの何れか1つの無線タグ22の位置を当該作業者2又はフォークリフト3の位置として計測するように指令する(ステップ#204)。そして、計測した作業者2又はフォークリフト3の位置に基づいて、作業者2又はフォークリフト3と物品搬送台車1との距離である単一タグ時判別距離を算出して一時記憶メモリに記憶する(ステップ#205)。
外部管理サーバH3は、ステップ#203で算出して一時記憶メモリに記憶している複数タグ時判別距離と、ステップ#205で算出して一時記憶メモリに記憶している単一タグ時判別距離との双方が低速用距離以下であるか否かを判別する(ステップ#206)。
【0071】
ステップ#206にて、複数タグ時判別距離と単一タグ時判別距離との双方が低速用距離以下であると判別すると(ステップ#206:Yes)、複数タグ時判別距離及び単一タグ時判別距離のうち短い方の距離に対応する減速指令速度を算出して一時記憶メモリに記憶し(ステップ#207)、ステップ#206にて、複数タグ時判別距離と単一タグ時判別距離との双方が低速用距離以下でないと判別すると(ステップ#206:No)、引き続き複数タグ時判別距離と単一タグ時判別距離とのうちのいずれか一方が低速用距離以下であるか否かを判別する(ステップ#208)。
ステップ#208にて、複数タグ時判別距離と単一タグ時判別距離とのいずれか一方が低速用距離以下であると判別すると(ステップ#208:Yes)、低速用距離以下となった方の距離に対応する減速指令速度を算出して一時記憶メモリに記憶する(ステップ#209)。
外部管理サーバH3は、ステップ#207又はステップ#209の処理に続いて、算出して一時記憶メモリに記憶している減速指令速度で減速指令を指令する(ステップ#210)。
外部管理サーバH3は、検出対象領域Eに存在する干渉物(すなわちすべての作業者2及びフォークリフト3)のうち、その周期においてまだ位置の計測が完了していないものがあるか否かを判別し(ステップ#211)、すべての干渉物に対して位置の計測が完了するまで、ステップ#201〜ステップ#210の処理を実行する。
そして、すべての干渉物に対して位置の計測が完了すると、この
図11のフローを最初から繰り返すようになっている。
【0072】
本実施形態では、上記のように無線タグ22の位置に基づいて計測した干渉物(作業者2又はフォークリフト3)の位置に基づく干渉物と物品搬送台車1との距離の判定を二重化することによって、より安全に物品搬送台車を走行させることができる。
【0073】
〔別実施形態〕
(1) 上記第1又は第2実施形態では、通常走行速度を走行条件に基づいて低速側に切り換え自在に構成したが、例えば、走行経路Lにおける直線状の経路部分と曲線状の経路部分とを同じ通常走行速度とする、また、高負荷のときと低負荷のときとで同じ通常走行速度とするようにして、通常走行速度を走行条件が変わっても低速側に切り換えないように構成してもよい。
【0074】
(2) 上記第1又は第2実施形態では、存否検出手段の検出情報に基づいて走行駆動手段の作動を制御する補助走行制御手段を存否検出手段に内装したが、補助走行制御手段を存否検出手段とは別に設けてもよく、また、台車側走行制御手段が補助走行制御手段の機能を備えてもよい。
【0075】
(3) 上記第1又は第2実施形態では、狭領域検出手段(位置検出手段19)を、検出した干渉物の位置情報と物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、物品搬送台車1から干渉物までの距離が低速用距離以下になると、物品搬送台車1の台車側走行制御手段に減速指令を指令し、物品搬送台車1から干渉物までの距離が減速用距離以下になると、干渉物情報を存否検出手段に送信するように構成したが、台車側走行制御手段への減速指令の指令と存否検出手段への干渉物情報の送信とのいずれか一方のみを行うように構成してもよい。
尚、狭領域検出手段(位置検出手段19)が、走行位置検出手段13からの送信により物品搬送台車1の走行位置情報を得たが、狭領域検出手段による物品搬送台車1の位置検出により物品搬送台車1の走行位置情報を得てもよい。
【0076】
(4) 上記第1又は第2実施形態では、位置検出手段19として、広領域検出手段と狭領域検出手段とを設けたが、位置検出手段19として、広領域検出手段のみ、又は、狭領域検出手段のみを設けてもよい
。
【0077】
(5) 上記第1又は第2実施形態では、干渉物の種類が異なっても低速用距離を同じ距離に設定したが、例えば、移動速度が遅い干渉物や物品搬送台車1に干渉しても影響が小さな干渉物については、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠隔距離や遠距離以下になっても減速指令を指令せず、物品搬送台車1から干渉物までの距離が中距離や近傍距離になって減速指令を指令する等、干渉物の種類に対応して低速用距離を異なった距離に設定自在に構成してもよい。
【0078】
(6) 上記第1又は第2実施形態では、干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの低速用距離と干渉物が物品搬送台車1の走行方向後方側に位置するときの低速用距離とを異なった距離に設定したが、これらの低速用距離を同じ距離に設定してもよい。
【0079】
(7) 上記第1又は第2実施形態では、外部管理手段から減速指令が指令されたときに目標走行速度を設定変更する減速走行速度と、存否検出手段にて干渉物が検出されたときに目標走行速度を設定変更する減速走行速度とを同じ速度(第1上限速度と第2上限速度)としたが、これらの減速走行速度を異なる速度としてもよい。
また、減速走行速度として、第1上限速度と第2上限速度とを設定したが、第3上限速度を設定する等、上限速度を3つ以上設定してもよく、また、第1上限速度のみ設定する等、上限速度を1つのみ設定してもよい。
【0080】
また、外部管理手段から減速指令が指令されたときに目標走行速度を設定変更する減速走行速度として、物品搬送台車1の走行速度を停止させる停止速度を設定してもよい。
ちなみに、目標走行速度を停止速度に設定変更された場合は、物品搬送台車1の目標走行速度を停止速度にするべく走行駆動手段7の作動を制御するように構成してもよく、また、物品搬送台車1の目標走行速度を停止速度にするべく電力遮断手段18の作動を制御してもよい。
そして、存否検出手段にて干渉物が検出されたときに目標走行速度を設定変更する減速走行速度として、第1上限速度と第2上限速度と停止速度とを設定したが、これら3つの速度のうちのいずれか2つ又は1つのみ設定してもよく、また、第3上限速度を設定する等、4つ以上の速度を設定してもよい。
【0081】
(8) 上記第1又は第2実施形態では、狭領域検出手段として、監視カメラ20を設けたが、狭領域検出手段として、マットスイッチ等の他の検出手段を設けてもよい。
また、監視カメラ20として、3次元距離画像カメラを設けたが、監視カメラ20として、ステレオカメラや赤外線カメラ等の他のカメラを設けてもよい。
【0082】
(9) 上記第1又は第2実施形態では、広領域検出手段として、位置計測用の無線信号としてUWB無線信号を送信自在なUWB無線タグ及びこれと通信自在なUWB受信装置を備えたものを例示したが、これに代えて、例えば位置計測用の無線信号としてIEEE802.11n等の通信規格に従うもの無線LANにおける無線信号を送信自在な無線タグ及びこれと通信自在な受信装置を備えたもの等、各種の無線通信方式を採用してもよい。また、上記実施形態では、無線タグとしてアクティブタグであるものを例示したが、パッシブRFIDタグと組み合わせたハイブリッドタグ等、無線タグとしては各種の無線タグが採用できる。
【0083】
(10) 上記第1又は第2実施形態では、位置検出手段19を、干渉物存在情報を存否検出手段に送信するように構成したが、位置検出手段19を、地上側走行制御手段を介さずに台車側走行制御手段に送信するように構成してもよい。尚、この場合、台車側走行制御手段は、目標走行速度を通常走行速度に設定している状態で位置検出手段19から干渉物存在情報を受信すると、目標走行速度を通常走行速度から減速走行速度に設定変更するように構成する。
【0084】
(11) 上記第1又は第2実施形態では、物品搬送設備に物品搬送台車を1台設けたが、物品搬送設備に複数台設けてもよい。また、物品搬送台車として、人間が搭乗しないものを例示したが、物品搬送台車としては自律走行するものであればよく、作業者等の人間が搭乗するものでもよい。また、搬送対象の物品としては、パレット及びこれに載置支持された荷以外に、カートンケース、コンテナ、又は、人間を含む動物等の生物であってもよい。
【0085】
(12) 上記第1又は第2実施形態では、検出対象領域Eを単一の領域にて構成したが、領域に対応する親機23(上記実施形態では4個)を複数組設けて、検出対象領域Eを複数の領域にて構成してもよい。
また、検出対象領域Eの形状及び検出対象領域Eに対する親機23の設置箇所は適宜変更可能である。例えば、検出対象領域Eの形状については上記実施形態のように矩形状ではなく円形に形成してもよい。また、例えば、親機23の設置箇所については、上記実施形態のように検出対象領域Eの周縁部に親機23を設けるのではなく、検出対象領域Eの内方側に親機23を設けてもよく、検出対象領域Eに対して親機を3個又は5個以上設けてもよい。
上記実施形態では、単一の検出エリアeを形成したが、狭領域検出手段を複数設けて、複数の検出エリアeを形成してもよい。
【0086】
(13) 上記第1又は第2実施形態では、作業者2及びフォークリフト3に、夫々2つの無線タグ22を装備する構成を説明したが、作業者2及びフォークリフト3に、夫々3つ以上の無線タグ22を装備してもよい。
この場合、上記複数タグ位置計測処理では、当該作業者2又はフォークリフト3に付与される無線タグ22夫々の位置を平均した位置をその作業者2又はフォークリフト3の位置として算出し、上記単一タグ位置計測処理では、当該作業者2又はフォークリフト3に付与される複数の無線タグ22のうち何れか1つの無線タグ22の位置をその作業者2又はフォークリフト3の位置として算出するように構成することができる。
【0087】
(14) 上記第1又は第2実施形態では、位置計測処理を所定の周期ごとに繰り返し実行する形態を説明したが、位置計測処理を実行する周期を検出対象領域に存在する無線タグ22の数量によってフレキシブルに変更するように構成してもよい。
つまり、1つの無線タグ22について必要な計測時間がT[sec]である場合、検出対象領域に存在する無線タグ22の個数がn個である場合にはT×n[sec]を周期とするようにしてもよい。
【0088】
(15) 上記第1及び第2実施形態では、4個の親機23の全てにて一の検出対象領域Eを担当する構成としているが、例えば検出対象領域Eを複数の領域に区分し、その複数の領域の夫々に対して、複数の親機23の組を割り当てる構成としてもよい。この場合、複数の領域の夫々に対応する複数の親機23の組が、同時に無線タグ22に対してポーリングを行うように構成してもよい。
【0089】
(16) 上記実施形態では、低速用領域を、予め設定された低速用距離を半径とし、物品搬送台車1の位置を中心として物品搬送台車1の前方に広がる半円状の領域(
図5におけるD1エリア及びD2エリア)として予め設定する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、外部管理サーバH3に予め設定される低速用領域を、
図12に示すように、物品搬送台車1の正面から両側方に広がる扇形状に設定してもよい。
図12においては、近傍距離を半径とする低速用領域(D2エリア)を、物品搬送台車1の中央部に近い基準位置を基準として物品搬送台車1の正面から両側方に45度ずつ、つまり90度の広がりを持つ扇型状の領域とし、遠隔距離を半径とする低速用領域(D1エリア)を、物品搬送台車1の中央部に近い基準位置を基準として物品搬送台車1の正面から両側方に30度ずつ、つまり60度の広がりを持つ扇型状の領域としている。なお、扇形の広がり角度は、上記の数値に限定されるものではなく、任意に設定可能である。また、
図12では、D2エリアの方がD1エリアよりも物品搬送台車1の正面から両側方への広がり角度が大きくなるように設定する構成としたが、D1エリアの方がD2エリアよりも物品搬送台車1の正面から両側方への広がり角度が大きくなるように設定してもよい。
【0090】
また、低速用領域の更に別の実施形態として、低速用領域の外縁が物品搬送台車1の正面を最大距離として、正面から両側方にずれるほど距離が短くなるような形状となるように設定してもよい。すなわち、低速用領域を、例えば、
図13に示すように、物品搬送台車1を中心として長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状でかつその長半径が遠隔距離(25m)であるD1エリアと、物品搬送台車1を中心として長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状でかつその長半径が近傍距離(15m)であるD2エリアとを設定するように構成してもよい。なお、
図13においては、物品搬送台車1の両側方に近い位置ではD1エリアの外縁までの距離がD2エリアの外縁までの距離よりも小さくなるように設定しているが、D1エリアの外縁までの距離がD2エリアの外縁までの距離よりも大きい状態となるように(すなわち、長半径が長いほど短半径が短くなるように)設定してもよい。
【0091】
さらに、センサ制御部16及びカメラ制御部(図示せず)が設定する減速用距離に対応するエリア(A1エリア、A2エリア、A3エリア)についても、上記のように物品搬送台車1の正面を最大距離とし、正面から両側方にずれるほど距離が短くなるような形状としてもよい。すなわち、例えば
図13に示すように、干渉物センサ15を中心として長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状でかつその長半径が遠距離(20m)であるA1エリアと、干渉物センサ15を中心として長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状でかつその長半径が中距離(8m)であるA2エリアと、干渉物センサ15を中心として長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状でかつその長半径が短距離(2m)であるA3エリアを設定するように構成してもよい。また、A1エリア、A2エリア、A3エリアについても、D1エリア、D2エリアと同様に、長半径が長いほど短半径が短くなるように設定してもよい。
なお、
図13においては、A1エリア、A2エリア、A3エリア、D1エリア、D2エリアの夫々を、長径が物品搬送台車1の走行方向に沿う半楕円形状としたが、物品搬送台車1の正面を最大距離とし、正面から両側方にずれるほど距離が短くなるような形状であれば、上記のような半楕円形状以外の他の形状に設定してもよい。
【0092】
また、半円形状のエリアと
図12に示すような扇型形状のエリアとを混在させるように設定すること、半円形状のエリアと
図13に示すような半楕円形状のエリアとを混在させるように設定すること、半円形状のエリアと
図12に示すような扇型形状のエリアと
図13に示すような半楕円形状のエリアとを混在させるように設定すること、又は、
図12に示すような扇型形状のエリアと
図13に示すような半楕円形状のエリアとを混在させるように設定することも可能である。