(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般にガソリン等の燃料油は揮発性が高いため、従来、給油所に埋設された地下タンクにタンクローリから燃料油を荷卸しする際に、地下タンク内の上部空間に滞留する炭化水素の燃料油ベーパは、地下タンクに接続された通気管を介して大気に放出されていた。このため、資源が無駄になるだけでなく、大気中に放出された燃料油ベーパにより環境汚染を引き起こし、また、大気中に放出された燃料油ベーパの引火により火災の虞があるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、最近では、燃料油ベーパを液化して再利用するベーパ回収装置が提案され、実用化されている。このベーパ回収装置は、タンクローリに積載された燃料油を地下タンクに荷卸しする際に使用され、地下タンク内に溜まった燃料油ベーパを吸引回収して液化ガソリンとエア(空気)とに分離して回収するものであり、例えば、燃料油ベーパを吸引回収するための圧縮ポンプの起動停止を、燃料油の荷卸し開始/終了時にタンクローリの運転手が手動で行う。
【0004】
また、本出願人は、特許文献1において、燃料油ベーパの吸引回収をより確実かつ効率的に行うため、圧縮ポンプの起動停止を自動的に行うベーパ回収装置を提案した。
【0005】
図9に示すように、特許文献1に記載のベーパ回収装置100は、大別して、装置本体110と、燃料油ベーパとしてのガソリンベーパVを吸引回収する吸引手段120と、ガソリンベーパVを凝縮かつ吸脱着する凝縮手段130とを備える。
【0006】
吸引手段120は、回収管124から分流して流量検知管125に流れ込むガソリンベーパVの流量を検知する回転センサ121と、回転センサ121へのガソリンベーパVの流れを一方向に規制する逆止弁122と、回転センサ121の回転数に応じて制御装置140によって制御される圧縮ポンプ123とを備える。
【0007】
凝縮手段130は、圧縮ポンプ123で吸引回収されたガソリンベーパVの一部分を凝縮して液化する凝縮器131と、凝縮器131で液化されずにガソリン蒸気の状態のままの残余ベーパRからガソリン成分を吸着する複数の吸着塔132、133とを備える。
【0008】
このベーパ回収装置100において、回転センサ121が回転を開始すると、制御装置140は、タンクローリ200からガソリンGが地下タンク300に注入されたと判断し、圧縮ポンプ123を起動する。
【0009】
圧縮ポンプ123によって吸引回収されたガソリンベーパVは、凝縮器131によって凝縮・液化され、液化された液化ガソリンLは、地下タンク300に戻される。また、凝縮器131からの残余ベーパRは、吸着塔132、133によってガソリン成分のみが吸着され、残りのエア成分が外部に放出される。
【0010】
そして、回転センサ121の回転が停止すると、制御装置140は、ガソリンベーパVの吸引回収量がゼロであると判断し、圧縮ポンプ123を停止する。
【0011】
このように、ベーパ回収装置100では、回転センサ121でガソリンベーパVの流量を検知して圧縮ポンプ123の動作を制御するため、ベーパ回収装置100の起動停止を自動的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る給油所システムの第1の実施形態を示し、この給油所システム1は、大別して、ベーパ回収装置2と、給油所に設置される1つ又は複数の計量機4(4A、4B、4C)と、洗車機5と、液量管理装置6とからなる各給油所機器と、POS(Point Of Sale system)等から構成される給油所用販売装置(POS端末)7と、1つ又は複数の地下タンク3(3A、3B、3C)とを集中監視するために備えられ、各給油所機器と給油所用販売装置7との間に配置され、両者とデータ送受信可能に接続される遠隔監視装置8と、遠隔監視装置8とインターネット等のネットワークを介して接続される遠隔監視サーバ(以下「サーバ」と略称する。)9と、サーバ9とネットワークを介して接続されるサポートセンター10及び携帯端末11とで構成される。
【0025】
ベーパ回収装置2は、タンクローリに積載された燃料油としてのガソリンを地下タンク3に荷卸する際に使用され、地下タンク3内に溜まった燃料油ベーパとしてのガソリンベーパ(気化したガソリン)を吸引回収して液化ガソリンとエア(空気)とに分離して回収し、液化ガソリンを地下タンク3に戻すものである。ベーパ回収装置2は、液面計12(12A、12B、12C)から液量管理装置6及び遠隔監視装置8を介してポンプ起動信号及びポンプ停止信号が入力された際に、ベーパ回収装置2を起動及び停止する。
【0026】
液面計12は、地下タンク3内の燃料油の液面及び液面の変動を検知し、検知結果に基づき、燃料油の荷卸し開始及び終了を示す荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号を液量管理装置6に対して出力する。液面計12は、地下タンク3内の燃料油の液面が基準となる高さから、所定時間内に所定量だけ上昇した場合に、タンクローリからの燃料油の荷卸しが開始されたと判断し、荷卸し開始信号を出力する。また、液面計12は、荷卸しが開始されてから、液面の変動が所定時間で所定量以内である場合に、燃料油の荷卸しが終了したと判断し、荷卸し終了信号を出力する。
【0027】
具体的には、例えば、液面計12は、液面が10mm上昇した場合に、燃料油の荷卸しが開始されたと判断し、荷卸しが開始されてから、液面が1分間で2mm以内の変動である場合に、荷卸しが終了したと判断する。
【0028】
液量管理装置6は、給油所システム1に設けられた各給油所機器を管理し、地下タンク3の仕様、液量、変化量等の記憶や、漏れ状況を検知する制御を行う。また、本実施の形態による液量管理装置6においては、例えば、地下タンク3に設けられた液面計12からの荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が入力され、これらの信号が入力された場合には、この信号を遠隔監視装置8に対して出力する。
【0029】
給油所用販売装置7は、売上げデータや地下タンク3内の燃料油の残量、給油所用販売装置7に設けられた各機器の保守に必要な機器状況等に関する情報を記憶したり、各部を制御するためのPOS制御プログラムを有する。
【0030】
遠隔監視装置8は、後述するベーパ回収装置2における圧縮ポンプ30の動作を制御すると共に、給油所システム1に設けられた各機器を集中監視し、各給油所機器及び給油所用販売装置7の保守等に関する各種情報を記憶する。また、遠隔監視装置8は、給油所用販売装置7及びサーバ9とデータ通信可能に接続され、例えば、各種給油所機器に関する情報を定期的にサーバ9に対して出力する。
【0031】
さらに、遠隔監視装置8は、液量管理装置6から荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が入力されると、後述するベーパ回収装置2に設けられた圧縮ポンプ30を起動停止するためのポンプ起動信号及びポンプ停止信号を生成し、ベーパ回収装置2に対して出力する。
【0032】
サーバ9は、遠隔監視装置8、サポートセンター10及び携帯端末11とデータ送受信可能に接続され、遠隔監視装置8から受信する給油所番号に対応する給油所の名称、住所、元売等からなる給油所基本情報を記憶したり、計量機4による油種毎の販売量の集計等を行う。
【0033】
次に、ベーパ回収装置2の構成について、
図2を参照して説明する。ベーパ回収装置2は、装置本体20と、ガソリンベーパVを吸引回収する吸引手段としての圧縮ポンプ30と、圧縮ポンプ30の下流側に設けられ、ガソリンベーパVを凝縮かつ吸脱着する凝縮手段40とを備える。
【0034】
タンクローリ13は、少なくとも1本の荷卸ホース13aを備え、注油ステーション14には地下タンク3に接続された少なくとも1本の遠方注入管15が設けられる。荷卸ホース13aの遠方注油口13bと遠方注入管15の注油口15aとを連結することにより、タンクローリ13に積載されたガソリンGは、荷卸ホース13a及び遠方注入管15を介して地下タンク3内に注ぎ込まれ貯留される。
【0035】
地下タンク3には一対の継手16が設けられ、右側継手16には注油ステーション14から地下タンク3へ延びる遠方注入管15が配され、左側継手16には地下タンク3に連結されて地上に延びる通気管17が配設される。通気管17の分岐点17aとエア放出管54の合流点17bとの間には、通気弁18が設けられ、通気管17の上端には通気口17cが設けられる。前記通気弁18は、所定圧力(異常圧力)以上にならないと弁開しないため、通常地下タンク3からのガソリンベーパVは分岐点17aより回収管22へ流れる。
【0036】
圧力センサ23は、ガソリンベーパVを吸引回収する回収管22の圧力状態を検知し、回収管22の内部が異常な圧力になった場合に圧縮ポンプ30を停止させる。
【0037】
圧縮ポンプ30は、回収管22の下流側に位置し、後述するように、ガソリンGの荷卸開始時に自動的に起動し、荷卸終了時に自動的に停止するように構成される。圧縮ポンプ30は、回収管22を介してガソリンベーパVを吸引回収すると共に、吸引回収されたガソリンベーパVを後述する凝縮器41に吐出する。
【0038】
凝縮手段40は、圧縮ポンプ30の下流側に接続された案内管33に設けられた凝縮器41と、凝縮器41の下流側に配設され、ガソリンベーパVを吸引脱着する第1及び第2の吸脱着塔51、52とを有する。
【0039】
凝縮器41は、ガソリンベーパVを、一部分を凝縮して液化した液化ガソリンLと、液化されずにガソリン蒸気の状態のままとなる残余ベーパRとに分離する。ガソリンベーパVを液化する際には、例えば、外部からの冷却手段を使用することにより、又は、ガソリン自体を内部に循環させることにより行うことができる。
【0040】
凝縮器41には、液化ガソリンLを地下タンク3に戻すための液戻し管42と、残余ベーパRを第1及び第2の吸脱着塔51、52に導入するためのベーパ導入管43とが接続される。
【0041】
液戻し管42の一端は凝縮器41に接続され、他端は液化ガソリンLを地下タンク3内に戻すために注油ステーション14内の遠方注入管15に接続される。また、凝縮器41の下流側の液戻し管42には液戻し弁44が設けられる。この液戻し弁44を開くことにより凝縮器41による液化ガソリンLを地下タンク3へと案内し、一方、液戻し弁44を閉じることにより凝縮器41からの分離による残余ベーパRを第1及び第2の吸脱着塔51、52に案内する。
【0042】
ベーパ導入管43の一端は凝縮器41に接続され、他端は第1及び第2の分岐管51a、52aの一端に連結される。第1及び第2の分岐管51a、52aの他端には、第1及び第2の吸脱着塔51、52が各々接続される。第1及び第2の吸脱着塔51、52には、第1及び第2の導出管51b、52bの一端が各々接続される。第1及び第2の導出管51b、52bの他端は、合流してベーパ戻し管53に連結される。第1の導出管51bにはエア放出管54の一端が接続され、エア放出管54の他端は通気管17に連結される。エア放出管54には、圧力調整弁55が設けられ、エア成分が圧力調整弁55を通過する際にエア成分の圧力を外気圧に調整する。
【0043】
凝縮器41からの残余ベーパRは、ガソリン成分とエア成分とからなるため、第1及び第2の吸脱着塔51、52の各々は、残余ベーパRからガソリン成分のみを吸着し、残りのエア成分をガソリン成分から分離する吸着機能を備える。エア成分は、第1及び第2の導出管51b、52bから圧力調整弁55を介してエア放出管54に案内され、通気管17の通気口17cを介して外部へ放出される。
【0044】
第1及び第2の吸脱着塔51、52からのエア成分を放出した後に、圧縮ポンプ30を回転駆動することにより、第1及び第2の吸脱着塔51、52は、第1及び第2の吸脱着塔51、52の各々に吸着されたガソリン成分を脱着する脱着機能を有する。脱着されたガソリン成分は、ベーパ戻し管53を介して圧縮ポンプ30に吸引されるので、地下タンク3からの吸引回収されたガソリンベーパVと、脱着されたガソリン成分とは、連結管32で混合される(以下「混合ガソリンベーパ」という)。その後、混合ガソリンベーパMは、圧縮ポンプ30から凝縮器41や第1及び第2の吸脱着塔51、52に案内される。
【0045】
圧力センサ23、圧縮ポンプ30及び液戻し弁44は、制御装置60により監視制御される。本実施の形態において、制御装置60は、以下に説明するように、遠隔監視装置8から入力されたポンプ起動信号及びポンプ停止信号に基づき、圧縮ポンプ30の起動停止を制御する。
【0046】
次に、上記構成を有する給油所システム1の動作について、
図3〜
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、地下タンク3に設けられた液面計12の動作について、
図3を参照して説明する。ステップS1において、液面計12は、地下タンク3内に貯留されたガソリンの液面を検知し、液面が基準となる高さから所定時間内に所定量(例えば、10mm)だけ上昇したか否かを判断する。
【0048】
ガソリンの液面が所定量だけ上昇したと判断した場合(ステップS1;Yes)、液面計12は、荷卸し開始信号を、液量管理装置6を介して遠隔監視装置8に対して出力する(ステップS2)。一方、ガソリンの液面が所定量だけ上昇していないと判断した場合(ステップS1;No)には、液面の上昇を検知するまでステップS1の処理を繰り返す。
【0049】
次に、ステップS3において、液面計12は、所定時間内での液面の変動量に基づき、地下タンク3内のガソリンの液面が安定したか否かを判断する。具体的には、例えば、液面の変動が1分間で2mm以内であるか否かにより、液面が安定したか否かを判断する。
【0050】
ガソリンの液面が安定したと判断した場合(ステップS3;Yes)、液面計12は、荷卸し終了信号を、液量管理装置6を介して遠隔監視装置8に対して出力する(ステップS4)。一方、ガソリンの液面が安定していないと判断した場合(ステップS3;No)には、処理がステップS3に戻る。
【0051】
次に、遠隔監視装置8の動作について、
図4を参照して説明する。ステップS11において、遠隔監視装置8は、液量管理装置6を介して液面計12から荷卸し開始信号が入力されたか否かを判断する。
【0052】
荷卸し開始信号が入力されたと判断した場合(ステップS11;Yes)、遠隔監視装置8は、ベーパ回収装置2に設けられた圧縮ポンプ30を起動するためのポンプ起動信号を生成し、ベーパ回収装置2に対して出力する(ステップS12)。一方、荷卸し開始信号が入力されていないと判断した場合(ステップS11;No)には、荷卸し開始信号が入力されるまでステップS11の処理を繰り返す。
【0053】
次に、ステップS13において、遠隔監視装置8は、液量管理装置6を介して液面計12から荷卸し終了信号が入力されたか否かを判断する。
【0054】
荷卸し終了信号が入力されたと判断した場合(ステップS13;Yes)、遠隔監視装置8は、圧縮ポンプ30を停止するためのポンプ停止信号を生成し、ベーパ回収装置2に対して出力する(ステップS14)。一方、荷卸し終了信号が入力されていないと判断した場合(ステップS13;No)には、荷卸し終了信号が入力されるまでステップS13の処理を繰り返す。
【0055】
次に、ベーパ回収装置2の動作について、
図5を参照して説明する。尚、
図5に示す処理は、特別な記載がない限り、ベーパ回収装置2に設けられた制御装置60が行うものとする。
【0056】
ステップS21において、制御装置60は、遠隔監視装置8からポンプ起動信号が入力されたか否かを判断する。ポンプ起動信号が入力されたと判断した場合(ステップS21;Yes)、制御装置60は、ベーパ回収装置2に設けられた圧縮ポンプ30を起動する(ステップS22)。一方、ポンプ起動信号が入力されていないと判断した場合(ステップS21;No)には、ポンプ起動信号が入力されるまでステップS21の処理を繰り返す。
【0057】
次に、ステップS23において、制御装置60は、遠隔監視装置8からポンプ停止信号が入力されたか否かを判断する。ポンプ停止信号が入力されたと判断した場合(ステップS23;Yes)には、処理がステップS24に移行する。一方、ポンプ停止信号が入力されていないと判断した場合(ステップS23;No)には、ポンプ停止信号が入力されるまでステップS23の処理を繰り返す。
【0058】
次に、ステップS24において、制御装置60は、ポンプ停止信号が入力されてから予め設定された所定時間t1が経過したか否かを判断する。ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過したと判断した場合(ステップS24;Yes)、制御装置60は、圧縮ポンプ30を停止する(ステップS25)。一方、ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過していないと判断した場合(ステップS24;No)には、所定時間t1が経過するまでステップS24の処理を繰り返す。
【0059】
ここで、「所定時間t1」は、地下タンク3内でのガソリンベーパの発生が収束すると考えられる時間である。上述のように、ポンプ停止信号が入力されてから所定時間t1が経過した後に圧縮ポンプ30を停止することにより、地下タンク3内のガソリンの液面が安定した後に発生するガソリンベーパについても、ベーパ回収装置2によって回収することができ、ガソリンベーパを効率的に回収することができる。
【0060】
以上のように、第1の実施形態によれば、地下タンク3内のガソリンの液面変動を検知し、検知結果に基づいて圧縮ポンプ30を起動停止するためのポンプ起動信号/ポンプ停止信号を生成し、生成されたポンプ起動信号/ポンプ停止信号に基づいて圧縮ポンプ30の起動停止を制御するため、従来のような回転センサをベーパ回収装置に設ける必要がなく、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、地下タンクに設けられた液面計による検知結果を、遠隔監視装置を介することなく液量管理装置(又は、ベーパ回収装置)に対して出力して、ベーパ回収装置に設けられた圧縮ポンプの起動停止を制御する。
【0062】
尚、以下の説明において、上述した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0063】
図6は、本発明に係る給油所システムの第2の実施形態を示し、この給油所システム70は、大別して、ベーパ回収装置72と、1つ又は複数の計量機4(4A、4B、4C)と、洗車機5と、液量管理装置76とからなる各給油所機器と、給油所用販売装置(POS端末)77とで構成される。
【0064】
ベーパ回収装置72は、液面計12(12A、12B、12C)から液量管理装置76を介して荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が入力された際に、ベーパ回収装置72を起動及び停止する。
【0065】
液量管理装置76は、液面計12からの荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が入力され、入力されたこれらの信号をベーパ回収装置72に対して出力する。
【0066】
給油所用販売装置77は、給油所用販売装置7と同様に、売上げデータや地下タンク3内の燃料油の残量、給油所用販売装置77に設けられた各機器や、各給油所機器の保守に必要な機器状況等に関する各種情報を記憶したり、各部を制御するためのPOS制御プログラムを有する。
【0067】
次に、ベーパ回収装置72の構成について、
図7を参照して説明する。ベーパ回収装置72は、第1の実施形態におけるベーパ回収装置2と同様に、装置本体20、圧縮ポンプ30及び凝縮手段40を備える。この第2の実施形態において、液面計12からの荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号は、液量管理装置76に対して出力される。また、液量管理装置76から出力される荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号は、制御装置80に入力される。
【0068】
制御装置80は、液量管理装置76から入力された荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号に基づき、圧縮ポンプ30の起動停止を制御する。
【0069】
尚、この例では、荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が液面計12から液量管理装置76を介して制御装置80に入力される場合について説明したが、これに限られず、例えば、荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が液面計12から制御装置80に対して直接入力されてもよい。
【0070】
次に、上記構成を有する給油所システム70の動作について、
図8に示すフローチャートを参照して説明する。尚、液面計12の動作については、荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号が液量管理装置76(又はベーパ回収装置72)に対して出力されること以外は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
図8は、ベーパ回収装置72(制御装置80)の動作について説明するためのフローチャートである。尚、
図8に示す処理は、特別な記載がない限り、ベーパ回収装置72に設けられた制御装置80が行うものとする。
【0072】
ステップS31において、制御装置80は、液量管理装置76(又は液面計12)から荷卸し開始信号が入力されたか否かを判断する。荷卸し開始信号が入力されたと判断した場合(ステップS31;Yes)、制御装置80は、ベーパ回収装置72に設けられた圧縮ポンプ30を起動する(ステップS32)。一方、荷卸し開始信号が入力されていないと判断した場合(ステップS31;No)には、荷卸し開始信号が入力されるまでステップS31の処理を繰り返す。
【0073】
次に、ステップS33において、制御装置80は、液量管理装置76(又は液面計12)から荷卸し終了信号が入力されたか否かを判断する。荷卸し終了信号が入力されたと判断した場合(ステップS33;Yes)には、処理がステップS34に移行する。一方、荷卸し終了信号が入力されていないと判断した場合(ステップS33;No)には、荷卸し終了信号が入力されるまでステップS33の処理を繰り返す。
【0074】
次に、ステップS34において、制御装置80は、荷卸し終了信号が入力されてから予め設定された所定時間t1が経過したか否かを判断する。荷卸し終了信号が入力されてから所定時間t1が経過したと判断した場合(ステップS34;Yes)、制御装置80は、圧縮ポンプ30を停止する(ステップS35)。一方、荷卸し終了信号が入力されてから所定時間t1が経過していないと判断した場合(ステップS34;No)には、所定時間t1が経過するまでステップS34の処理を繰り返す。
【0075】
以上のように、第2の実施形態によれば、地下タンク3内のガソリンの液面変動を検知し、検知結果に基づいて圧縮ポンプ30の起動停止を制御するため、従来のような回転センサをベーパ回収装置に設ける必要がなく、設備投資にかかるコストを抑制しながら燃料油ベーパを自動的に回収することができる。
【0076】
また、液面計12から出力される荷卸し開始信号及び荷卸し終了信号に基づいて圧縮ポンプ30の起動停止を制御するため、遠隔監視装置8が設置されていない給油所等に対しても、本実施の形態によるシステムを容易に適用することができる。