特許第6020898号(P6020898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6020898
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】排紙装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20161020BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G03G21/16 133
   G03G21/00 538
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-217378(P2012-217378)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-71293(P2014-71293A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀田 剛
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−258025(JP,A)
【文献】 特開平04−156477(JP,A)
【文献】 実開平03−081949(JP,U)
【文献】 特開2002−278389(JP,A)
【文献】 特開2002−304096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を載置する載置面を有し且つ部品を上方から覆う排紙トレイと、
該排紙トレイとの間で排紙空間を形成すべく、該排紙トレイの上方に離間して配置される構成体と、を備える排紙装置であって
前記排紙トレイは、前記部品の上方に配置されるトレイ開口部を有するトレイ本体と、前記トレイ開口部を開閉するトレイカバー体と、を備え
前記トレイ開口部は、前記トレイ本体の側端部に配置され、
前記排紙装置は、前記部品を内部に収容し且つ前記トレイ本体を固定するハウジングと、前記ハウジングの側方に取り付けられるサイドカバー体と、を備え、
前記ハウジングは、前記部品の側方に配置され且つ前記サイドカバー体に開閉される側開口部を備え、
前記トレイ開口部及び前記側開口部は、連通するように配置され、
前記サイドカバー体は、前記側開口部を閉じる際に、前記トレイカバー体が前記トレイ開口部を閉じる状態で保持すべく、前記トレイカバー体を押さえる保持部を備える排紙装置。
【請求項2】
前記トレイ本体が前記排紙空間から抜け出すことを防止すべく、前記トレイ本体が移動することを規制する規制部を備える請求項1に記載の排紙装置。
【請求項3】
前記トレイカバー体は、前記トレイ開口部を覆うカバー部と、該カバー部から突出し、該カバー部が前記トレイ開口部を覆う際に前記部品の上部を押さえる突出部と、を備える請求項1又は2に記載の排紙装置。
【請求項4】
前記部品を備え、
該部品は、ファン及びフィルタの少なくとも何れか一方である請求項1〜の何れか1に記載の排紙装置。
【請求項5】
前記部品を備え、
該部品は、ファンであり、
前記規制部は、該ファンにより生じる気流の経路を構成するダクトである請求項2に記載の排紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙を載置する排紙トレイを備える排紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録紙を載置する排紙トレイと、排紙トレイの上方に離間して配置される構成体(例えば、画像読取部)とを備える排紙装置が知られている。斯かる排紙装置は、排紙トレイと画像読取部との間で排紙空間を形成している。また、斯かる排紙トレイは、部品(例えば、ファン)を上方から覆うように配置されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、斯かる排紙装置において、作業者は、部品に対して作業する(例えば、部品を交換する)際には、排紙トレイを取り外す前に、排紙トレイの上方側の全て(例えば、画像読取部)を取り外さなければならない。したがって、部品に対して行う作業が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−316438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、排紙トレイに上方から覆われる部品に対して行う作業を簡素化できる排紙装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る排紙装置は、記録紙を載置する載置面を有し且つ部品を上方から覆う排紙トレイと、該排紙トレイとの間で排紙空間を形成すべく、該排紙トレイの上方に離間して配置される構成体と、を備え、前記排紙トレイは、前記部品の上方に配置されるトレイ開口部を有するトレイ本体と、前記トレイ開口部を開閉するトレイカバー体と、を備える。
【0007】
本発明に係る排紙装置によれば、排紙空間は、記録紙を載置する載置面を有する排紙トレイと、排紙トレイの上方に離間して配置される構成体との間で形成されている。部品を上方から覆う排紙トレイは、部品の上方に配置されるトレイ開口部を有するトレイ本体と、トレイ開口部を開閉するトレイカバー体とを備えている。これにより、トレイ開口部が開放されることで、開放されたトレイ開口部から部品に対して作業することができる。したがって、部品に対する作業を簡素化することができる。
【0008】
本発明に係る排紙装置は、前記トレイ本体が前記排紙空間から抜け出すことを防止すべく、前記トレイ本体が移動することを規制する規制部を備えてもよい。
【0009】
斯かる構成によれば、規制部は、トレイ本体が移動することを規制する。これにより、トレイ本体が排紙空間から抜け出すことを防止できる。
【0010】
本発明に係る排紙装置においては、前記トレイ開口部は、前記トレイ本体の側端部に配置される、という構成でもよい。
【0011】
斯かる構成によれば、トレイ開口部がトレイ本体の側端部に配置されている。これにより、部品に対する作業をさらに簡素化することができる。
【0012】
本発明に係る排紙装置は、前記部品を内部に収容し且つ前記トレイ本体を固定するハウジングと、前記ハウジングの側方に取り付けられるサイドカバー体を備え、前記ハウジングは、前記部品の側方に配置され且つ前記サイドカバー体に開閉される側開口部を備え、前記トレイ開口部及び前記側開口部は、連通するように配置され、前記サイドカバー体は、前記側開口部を閉じる際に、前記トレイカバー体が前記トレイ開口部を閉じる状態で保持すべく、前記トレイカバー体を押さえる保持部を備えてもよい。
【0013】
斯かる構成によれば、トレイ本体を固定するハウジングは、内部に収容する部品の側方に配置される側開口部を備えている。サイドカバー体は、ハウジングの側方に取り付けられることで、側開口部を開閉する。そして、トレイ開口部及び側開口部が連通するように配置されているため、各開口部が開放されることで、部品に対する作業をさらに簡素化することができる。また、サイドカバー体が側開口部を閉じる際に、保持部がトレイカバー体を押さえるため、トレイカバー体は、トレイ開口部を閉じる状態で保持される。
【0014】
本発明に係る排紙装置においては、前記トレイカバー体は、前記トレイ開口部を覆うカバー部と、該カバー部から突出し、該カバー部が前記トレイ開口部を覆う際に前記部品の上部を押さえる突出部と、を備える、という構成でもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、トレイカバー体は、トレイ開口部を覆うカバー部と、カバー部から突出する突出部とを備えている。突出部は、カバー部がトレイ開口部を覆う際に、部品の上部を押さえる。これにより、部品を安定して支持することができる。
【0016】
本発明に係る排紙装置は、前記部品を備え、該部品は、ファン及びフィルタの少なくとも何れか一方であってもよい。
【0017】
本発明に係る排紙装置は、前記部品を備え、該部品は、ファンであり、前記規制部は、該ファンにより生じる気流の経路を構成するダクトであってもよい。
【0018】
以上の如く、本発明に係る排紙装置は、排紙トレイに上方から覆われる部品に対して行う作業を簡素化できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る排紙装置の全体斜視図を示す。
図2図2は、同実施形態に係る排紙装置における図1の正面視概略縦断面図を示す。
図3図3は、同実施形態に係る排紙装置における図2のIII領域拡大図を示す。
図4図4は、同実施形態に係る排紙装置における図3のIV−IV線断面図を示す。
図5図5は、本発明の他の実施形態に係る排紙装置の要部縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る排紙装置における一実施形態について、図1図4を参酌して説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る排紙装置1は、記録紙を搬送する搬送部2と、記録紙に画像を形成する画像形成部3とを備えている。排紙装置1は、搬送部2及び画像形成部3等を内部に収容するハウジング4と、記録紙を載置する載置面51を有し且つハウジング4に取り付けられる排紙トレイ5と、ハウジング4の側方に取り付けられるサイドカバー体6とを備えている。
【0022】
排紙装置1は、排紙トレイ5との間で排紙空間S1を形成すべく、排紙トレイ5の上方に離間して配置される構成体7、具体的には、原稿を読み取る原稿読取部7を備える。即ち、本実施形態に係る排紙装置1は、原稿読取部7で読み取った原稿の画像データに基づいて、記録紙に画像を形成する画像形成装置である。排紙装置1は、排紙トレイ5に載置された記録紙が移動することを規制する記録紙規制体8と、ユーザーに操作される操作部9とを備えている。なお、図1において、操作部9側が正面であり、図2は、排紙装置1を縦方向で切断して正面側から見た断面図である。
【0023】
搬送部2は、記録紙を収容し且つハウジング4の下部に挿入される記録紙カセット21と、積層された記録紙のうち、圧接された最上の記録紙を搬送する給紙ローラ22とを備えている。搬送部2は、端部を上方に向けて付勢することで、給紙ローラ22に対して記録紙を押圧させる押圧板23を備えている。搬送部2は、排紙トレイ5に向けて搬送すべく、画像形成部3で画像を形成された記録紙を排紙方向D1に沿って搬送する排紙ローラ24を備えている。
【0024】
画像形成部3は、表面に感光体を形成する円筒状の感光体ドラム31と、感光体ドラム31の表面を一様に帯電させる帯電器32とを備えている。画像形成部3は、原稿読取部7で読み取った画像データ等に基づいて、感光体ドラム31の表面を露光させる露光ユニット33を備えている。
【0025】
画像形成部3は、感光体ドラム31の表面にトナーを付着させる現像部34と、感光体ドラム31の表面に付着されるトナーを記録紙に転写する転写器35と、トナーを記録紙に定着させる定着部36とを備えている。画像形成部3は、ハウジング4の内部の空気を外部に排出する排気装置37を備えている。
【0026】
排気装置37は、図2図4に示すように、帯電器32の周囲の空気をハウジング4の外部に排出するためのファン(本発明に係る「部品」)38と、ファン38を支持するためのファン支持部39とを備えている。排気装置37は、ファン38により生じる気流F1の経路を構成するダクト310と、ファン38の下流に配置され、サイドカバー体6に取り付けられるフィルタ311とを備えている。
【0027】
ファン38は、角筒状に形成されるファン枠部312と、ファン枠部312の内部に配置される翼部313とを備えている。ファン枠部312は、平板状に形成され、翼部313は、ファン枠部312と直交する方向周りに回転する。これにより、ファン38は、平板状のファン枠部312と直交する方向、即ち、翼部313の軸方向に沿った気流F1を生じさせている。
【0028】
ファン支持部39は、ファン38の形状に対応するように、ファン枠部312の側部を支持する一対の側壁部314,315と、ファン枠部312の底部を支持する底壁部316とを備えている。ファン支持部39は、ファン38が翼部313の軸方向で移動することを防止すべく、ファン38の一方側を係止する固定爪317と、ファン38の他方側を係止する弾性爪318とを備えている。
【0029】
ダクト310は、気流F1の下流側に向けて拡径するように形成されている。ダクト310は、上部にダクト傾斜部319を備えている。ダクト傾斜部319は、気流F1の下流側に向けて、即ち、排紙方向D1の下流側に向けて、上昇するように傾いている。
【0030】
ハウジング4は、原稿読取部7を支持すべく上方に向けて伸びる読取支持部41を備えている。ハウジング4は、ファン38及びダクト310の上方に配置される上開口部42と、ファン38の側方に配置される側開口部43とを備えている。上開口部42と側開口部43とは、連通するように配置されている。
【0031】
排紙トレイ5がファン38を上方から覆うようにハウジング4に取り付けられることで、上開口部42は、排紙トレイ5に閉塞される。サイドカバー体6がファン38を側方から覆うようにハウジング4に取り付けられることで、側開口部43は、サイドカバー体6に閉塞される。
【0032】
排紙トレイ5は、ファン38の上方に配置されるトレイ開口部52を有するトレイ本体53と、トレイ開口部52を開閉すべく、トレイ本体53に着脱自在なトレイカバー体54とを備えている。トレイ本体53の上面とトレイカバー体54の上面とは、面一に配置されることで、記録紙を載置する載置面51を構成している。図1は、トレイ本体53とトレイカバー体54との境界が明確となるように、該境界を太線で示している。
【0033】
トレイ本体53は、排紙方向D1の下流側に向けて上昇するように傾いているトレイ傾斜部55を備えている。該トレイ傾斜部55は、ダクト傾斜部319に沿って配置されている。トレイ本体53は、ハウジング4の上開口部42に取り付けられている。
【0034】
トレイ本体53は、ハウジング4に着脱自在に取り付けられている一方、ダクト310により、移動することを規制されている。具体的には、トレイ本体53のトレイ傾斜部55がダクト310のダクト傾斜部319に当たることで、トレイ本体53が排紙空間S1から抜け出すことを防止している。即ち、ダクト310は、トレイ本体53が移動することを規制する規制部310としても機能している。
【0035】
トレイ開口部52は、トレイ本体53の側端部に配置されている。具体的には、トレイ開口部52は、トレイ本体53における、排紙方向D1の下流側の端部に配置されている。トレイ開口部52は、ファン38を上方から露出するように、ファン38の真上に配置されている。トレイ開口部52は、ハウジング4の側開口部43と連通するように配置されている。
【0036】
トレイカバー体54は、トレイ開口部52を覆うカバー部56と、カバー部56から突出する突出部57とを備えている。トレイカバー体54は、サイドカバー6に押さえられるカバー接続部58と、フィルタ311の上部を支持するフィルタ上部支持部59と、トレイ本体53に外側から押さえられる本体接続部510とを備えている。
【0037】
カバー部56は、記録紙規制体8の先端部に対応する凹部511を備えている。突出部57は、平板状に形成されていると共に、ファン38に沿って配置されている。突出部57は、カバー部56がトレイ開口部52を覆う際に、ファン38の上部を押さえるように配置されている。
【0038】
カバー接続部58及びフィルタ上部支持部59は、トレイカバー体54における、排紙方向D1の下流側の端部に配置されている。カバー接続部58は、フィルタ上部支持部59よりも上方側に配置されている。本体接続部510は、トレイカバー体54における、排紙方向D1の上流側の端部に配置されている。
【0039】
サイドカバー体6は、側開口部43を閉じる際に、トレイカバー体54がトレイ開口部52を閉じる状態で保持すべく、トレイカバー体54を押さえる保持部61を備えている。サイドカバー体6は、排気装置37により空気を排出すべく、フィルタ311の側方に貫通孔62を備えている。
【0040】
サイドカバー体6は、フィルタ311の下部を押さえるフィルタ下部支持部63と、フィルタ311の側部を支持する一対のフィルタ側部支持部(図示していない)64,65とを備えている。サイドカバー体6は、締結部材(本実施形態において、ボルト)66,66により、ハウジング4に固定されている。
【0041】
図1及び図2に戻り、原稿読取部7は、原稿を載置する原稿載置台71と、原稿載置台71の上面である原稿読取面を開閉するプラテンカバー72と、プラテンカバー72に配置され、原稿載置台71に原稿を搬送する原稿搬送部73とを備えている。原稿読取部7は、排紙空間S1の上方を区画する一方、排紙トレイ5は、排紙空間S1の下方を区画する。本実施形態において、排紙空間S1は、上方及び下方を覆われ且つ側方の一部を開放する、所謂、胴内排紙空間S1である。
【0042】
記録紙規制体8は、長尺に形成されている。記録紙規制体8の基端部(上端部)は、原稿読取部7の下部に回転可能に接続されている。記録紙規制体8は、排紙トレイ5に載置された記録紙に自重をかけることで、記録紙が移動することを規制している。なお、記録紙規制体8は、所定角度以上回転することを規制する回転規制部を備えてもよい。斯かる構成によれば、トレイ開口部52が開放している際に、記録紙規制体8の先端部(下端部)が不必要にトレイ開口部52の中に入り込むことを規制できる。
【0043】
本実施形態に係る排紙装置1の構成は、以上の通りであり、次に、本実施形態に係る排紙装置1に係るファン38に対して行う作業について、以下に説明する。具体的には、ファン38を交換する作業について、以下に説明する。
【0044】
締結部材66が外されることで、サイドカバー体6がハウジング4から取り外される。このとき、サイドカバー体6は、下端部を支点として回動しつつ、ハウジング4から取り外される。サイドカバー体6がハウジング4から取り外されると、ハウジング4の側開口部43が開放される。
【0045】
カバー接続部58を押していた保持部61が、カバー接続部58から離れるため、トレイカバー体54がトレイ本体53から取り外される。このとき、トレイカバー体54は、本体接続部510を支点として回転しつつ、トレイ本体53から取り外される。
【0046】
開放されたトレイ開口部52と側開口部43とが連通しているため、ファン38の上方及び側方が露出される。これにより、ファン38の上方及び側方から作業することができるため、ファン38を容易に交換することができる。その後、反対の手順で、トレイカバー体54がトレイ本体53に取り付けられ、そして、サイドカバー体6がハウジング4に取り付けられることで、作業が完了する。
【0047】
以上より、本実施形態に係る排紙装置1によれば、排紙空間S1は、記録紙を載置する載置面51を有する排紙トレイ5と、排紙トレイ5の上方に離間して配置される原稿読取部7との間で形成されている。ファン38を上方から覆う排紙トレイ5は、ファン38の上方に配置されるトレイ開口部52を有するトレイ本体53と、トレイ開口部52を開閉するトレイカバー体54とを備えている。これにより、トレイ開口部52が開放されると、開放されたトレイ開口部52からファン38に対して作業することができる。したがって、ファン38に対する作業を簡素化することができる。
【0048】
本実施形態に係る排紙装置1によれば、ダクト310は、トレイ本体53が移動することを規制する。これにより、トレイ本体53が排紙空間S1から抜け出すことを防止できる。
【0049】
本実施形態に係る排紙装置1によれば、トレイ開口部52がトレイ本体53の側端部に配置されている。これにより、ファン38に対する作業をさらに簡素化することができる。
【0050】
本実施形態に係る排紙装置1によれば、トレイ本体53を固定するハウジング4は、内部に収容するファン38の側方に配置される側開口部43を備えている。サイドカバー体6は、ハウジング4の側方に取り付けられることで、側開口部43を開閉する。そして、トレイ開口部52及び側開口部43が連通するように配置されているため、各開口部43,52が開放されると、ファン38に対する作業をさらに簡素化することができる。また、サイドカバー体6が側開口部43を閉じる際に、保持部61がトレイカバー体54を押さえるため、トレイカバー体54は、トレイ開口部52を閉じる状態で保持される。
【0051】
なお、本実施形態に係る排紙装置1において、ユーザーが通常操作(交換、修理等)しないファン38を覆うように、トレイカバー体54が配置されている。したがって、サイドカバー体6が側開口部43を閉じている際には、トレイカバー体54がトレイ開口部52を閉じる状態で保持されるため、トレイカバー体54が不用意に開放されることを防止できる。
【0052】
本実施形態に係る排紙装置1によれば、トレイカバー体54は、トレイ開口部52を覆うカバー部56と、カバー部56から突出する突出部57とを備えている。突出部57は、カバー部56がトレイ開口部52を覆う際に、ファン38の上部を押さえる。これにより、ファン38を安定して支持することができる。
【0053】
なお、本発明に係る排紙装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0054】
上記実施形態に係る排紙装置1は、トレイカバー体54がトレイ本体53に着脱自在である、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、トレイカバー体54がトレイ本体53に回転自在に取り付けられる、という構成でもよく、また、トレイカバー体54がトレイ本体53にスライド自在に取り付けられる、という構成でもよい。
【0055】
上記実施形態に係る排紙装置1は、排紙トレイ5の上方に離間して配置される構成体7が、原稿読取部7であり、排紙空間S1が、原稿読取部7と排紙トレイ5との間で形成される、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、排紙トレイ5の上方に離間して板状部材が配置され、排紙空間S1が該板状部材と排紙トレイ5との間で形成される、という構成でもよい。
【0056】
上記実施形態に係る排紙装置1は、トレイ本体53がハウジング4に着脱自在である、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、トレイ本体53がハウジング4と一体的に形成される、という構成でもよい。
【0057】
上記実施形態に係る排紙装置1は、カバー部56がトレイ開口部52を覆う際に、突出部57がファン38の上部に当たる、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、カバー部56がトレイ開口部52を覆う際に、突出部57がファン38の上部と隙間を有して配置される、という構成でもよい。斯かる構成によれば、ファン38が上方に移動する際に、突出部57がファン38の上部を押さえる。
【0058】
上記実施形態に係る排紙装置1は、トレイ開口部52がトレイ本体53の側端部に配置される、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、トレイ開口部52がトレイ本体53の中央部に配置される、という構成でもよい。
【0059】
上記実施形態に係る排紙装置1は、排紙トレイ5に上方から覆われる部品がファン38である、という構成である。しかしながら、本発明に係る排紙装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る排紙装置1は、排紙トレイ5に上方から覆われる部品がフィルタ311である、という構成でもよく、当該部品がハウジング4の内部に配置される他の部品である、という構成でもよく、また、図5に示すように、当該部品がファン38及びフィルタ311である、という構成でもよい。
【0060】
図5に示す構成において、フィルタ支持部312は、フィルタ311を支持する。トレイカバー体54のカバー部56から突出する突出部57,57は、ファン38の上部及びフィルタ311の上部をそれぞれ押さえている。
【0061】
上記実施形態において、部品に対する作業がファン38を交換する作業である。しかしながら、本発明において、部品に対する作業がファン38及びフィルタ311等の部品を修理又は清掃する作業でもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…排紙装置、4…ハウジング、5…排紙トレイ、6…サイドカバー体、7…原稿読取部(構成体)、38…ファン(部品)、43…側開口部、51…載置面、52…トレイ開口部、53…トレイ本体、54…トレイカバー体、56…カバー部、57…突出部、61…保持部、310…ダクト(規制部)、311…フィルタ、S1…排紙空間
図1
図2
図3
図4
図5