特許第6020907号(P6020907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6020907
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20161020BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20161020BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20161020BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20161020BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G03B21/00 D
   G02B27/02
   H04N5/64 521Z
   B60K35/00 A
   G09F9/00 359
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-257201(P2012-257201)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-106270(P2014-106270A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 加苗
(72)【発明者】
【氏名】宇都 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】広川 拓郎
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−133409(JP,A)
【文献】 特開2011−133520(JP,A)
【文献】 特開2007−041529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00 − 21/10
G03B 21/12 − 21/13
G03B 21/134 − 21/30
G03B 33/00
G02B 27/00 − 27/64
B60K 35/00 − 37/06
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する光源と、前記照明光から表示光を生成する表示素子と、前記表示素子が搭載される回路基板と、前記表示素子を保持する調整部材と、前記調整部材を位置調整可能に固定する固定手段と、を備え
前記調整部材は突起を有すると共に、
前記回路基板に形成された貫通孔に前記突起が挿入されて、
前記表示素子が搭載された前記回路基板が前記調整部材に位置決めされていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示光を反射させる反射部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記固定手段はボルトであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記ボルトの軸部が貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DMD(Digital Micromirror Device)等の表示素子を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スクリーンに表示光を投影する投射型表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる投射型表示装置は、画像投射装置,外装筐体,スクリーン,反射ミラーを備えており、スクリーン上に投影される画像の位置を調整できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−129271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記投射型表示装置は、軸止部を中心として、反射ミラーを上下左右に回転可能に軸止する構造であるため、スクリーンに投影される画像の位置を調整し難いという問題を有していた。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示素子の位置調整が容易にできる光源装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、照明光を発する光源11と、前記照明光から表示光Lを生成する表示素子141と、前記表示素子141が搭載される回路基板142と、前記表示素子141を保持する調整部材143と、前記調整部材143を位置調整可能に固定する固定手段148と、を備え、前記調整部材143は突起143aを有すると共に、前記回路基板142に形成された貫通孔142aに前記突起143aが挿入されて、前記表示素子141が搭載された前記回路基板142が前記調整部材143に位置決めされているものである。
【0006】
また、本発明は、前記表示光Lを反射させる反射部材21を備えたものである。
【0007】
また、本発明は、前記固定手段148はボルトであるものである。
【0008】
また、本発明は、前記調整部材143は、前記ボルト148の軸部148bが貫通する貫通孔143cを有するものである。
【発明の効果】
【0009】
表示素子を調整部材で保持し、この調整部材を位置調整可能に固定することにより、表示素子の位置調整が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態を示す概観図。
図2】同上実施形態を示す断面図。
図3】同上実施形態を示す断面図。
図4】同上実施形態を示す光源部の断面図。
図5】同上実施形態を示す表示器の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面に基づいて、本発明をヘッドアップディスプレイ装置に適用した一実施形態を説明する。
【0012】
ヘッドアップディスプレイ装置は、車両のダッシュボード1に設けられた表示装置2が投射する表示光Lをフロントガラス3によって車両運転者4側に反射させ、虚像Vを表示するものである。車両運転者4は、虚像Vを風景と重畳させて視認することができる。表示装置2は、第1ユニットA及び第2ユニットBを備えている。
【0013】
第1ユニットAは、プロジェクタ10,平面鏡21,透過型スクリーン26,ヒートシンク31,ハウジング41等から構成されている。第2ユニットBは、反射器50,60,ハウジング71等から構成されている。
【0014】
プロジェクタ10は、フィールドシーケンシャル方式によって、透過型スクリーン26に画像を表示させるものである。プロジェクタ10は、光源部11,ミラー部12,プリズム13,表示器14,投射レンズ部材15を有しており、ヒートシンク31に固定されている。
【0015】
プロジェクタ10の光源部11は、青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11c,レンズ部材11d,11e,11f,反射ミラー11g,ダイクロイックミラー11h,11i,回路基板11kを有するものである。レンズ部材11d,11e,11f,反射ミラー11g,ダイクロイックミラー11h,11iは、フレーム部材11mの保持部11vで保持されている。
【0016】
青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11cは、トップビュー型LEDからなるものであり、夫々、青色光B,赤色光R,緑色光Gを発するものである。青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11cは回路基板11kに搭載されている。青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11cが搭載された回路基板11kは、図示しないボルトによってヒートシンク31に固定されている。回路基板11kはヒートシンク31に当接しており、青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11cが発した熱は、回路基板11kを介して、ヒートシンク31によって放散される。
【0017】
レンズ部材11d,11e,11fは、夫々、青色発光ダイオード11a,赤色発光ダイオード11b,緑色発光ダイオード11cが発した青色光B,赤色光R,緑色光Gを集光させる。反射ミラー11gは、青色発光ダイオード11aが発してレンズ部材11dで集光された青色光Bを反射させる。ダイクロイックミラー11hは、赤色発光ダイオード11bが発してレンズ部材11eで集光された赤色光Rを反射させると共に、反射ミラー11gで反射された青色光Bを透過させる。ダイクロイックミラー11iは、緑色発光ダイオード11cが発してレンズ部材11fで集光された緑色光Gを反射させると共に、反射ミラー11hで透過または反射された青色光B,赤色光Rを透過させる。
【0018】
フレーム部材11mは、突起からなる位置決め部11pを有している。フレーム部材11の位置決め部11pをヒートシンク31の凹部に嵌め入れることにより、フレーム部材11がヒートシンク31に位置決めされる。また、フレーム部材11mには孔部11tが形成されている。フレーム部材11mの孔部11tにボルト11sが挿通され、ボルト11sがヒートシンク31に螺着されることにより、フレーム部材11mがヒートシンク31に固定される。
【0019】
表示ユニット19は、ミラー部12,プリズム13,表示器14,投射レンズ部材15をケース体18に収容したものである。表示ユニット19は、光源部11とは直接的には接触していない。プリズム13は、ミラー部12からの光を透過させて表示器14に照射させる。表示器14によって生成された表示光Lは、プリズム13の傾斜面13aによって、投射レンズ部材15に向けて反射される。投射レンズ部材15は、表示光Lを拡大し、平面鏡21に投射する。投射レンズ部材15は、1枚のレンズ部材で構成しても良いし、複数のレンズ部材で構成しても良い。
【0020】
平面鏡21は、支持部材23に保持されており、プロジェクタ10からの表示光Lを透過型スクリーン26に反射させる。透過型スクリーン26は支持部材24に保持されており、プロジェクタ10からの表示光Lが透過型スクリーン26に結像される。ヒートシンク31は、アルミニウム(Al)等の金属からなるものであり、複数の放熱フィン31aを有している。平面鏡21及び透過型スクリーン26は、保持部材23,24を介して、ヒートシンク31に固定されている。ハウジング41は、不透明な樹脂(例えばポリプロピレン)からなるものであり、プロジェクタ10,平面鏡21,透過型スクリーン26等を収容する。ハウジング41には、表示光Lが出射する窓部41aが形成されている。
【0021】
反射器50は、平面鏡51及び支持部材52を有している。平面鏡51は、第1ユニットAからの表示光Lを凹面鏡61に反射させる。支持部材52は、ハウジング71に固定されており、平面鏡35を保持する。反射器60は、凹面鏡61,ミラーホルダー62,ステッピングモータ63,支持部材64を有している。凹面鏡61は、樹脂(例えばポリカーボネート)に金属(例えばアルミニウム)を蒸着させ反射面61aを形成したものである。反射面61aは凹面となっており、平面鏡51にて反射された表示光Lが拡大されて虚像Vが表示される。凹面鏡61はミラーホルダー62に両面粘着テープにより接着されている。ミラーホルダー62は樹脂(例えばABS)からなるものであり、歯車部65及び軸部66が一体に形成されている。
【0022】
ステッピングモータ63の回動軸には歯車67が取付けられており、この歯車67は、ミラーホルダー62の歯車部65と噛合されている。凹面鏡61はミラーホルダー62と共に回動可能な状態で支持されており、ステッピングモータ63により凹面鏡61を回動させ、表示光Lの投射方向を調整することができる。車両運転者4は、押ボタンスイッチ(図示しない)を操作し表示光Lが目の位置に反射されるように(即ち、虚像Vを視認できるように)凹面鏡61の角度を調整する。
【0023】
ハウジング71は、不透明な樹脂(例えばポリプロピレン)からなり、反射器50,60が収容される。ハウジング71には遮光壁71aが設けられており、太陽光等の外光が透過型スクリーン26に入射し虚像Vが見えにくくなる現象(ウォッシュアウト)を防止している。遮光壁71aは平板形状になっており、ハウジング71の上部から斜めに垂下するように形成されている。ハウジング71の上面には、表示光Lが出射する開口部71bが形成されており、この開口部71bには、透光性カバー72が貼着されている。透光性カバー72は、ポリカーボネート等の透明樹脂からなるものであり、湾曲形状になっている。
【0024】
次に、図5に基づいて、表示器14について詳述する。表示器14は、反射型表示素子141と、回路基板142と、調整板143と、ベース部材145と、を有している。表示器14は、ボルト148によって、ケース体18に固定されている。
【0025】
反射型表示素子141は、DMD(Digital Micromirror Device)141aとソケット141bとからなるものであり、回路基板142に搭載されている。DMD141aは多数の微小な鏡面を平面に配列したものであり、DMD141aはソケット141bに保持されている。ソケット141bには突起141cが形成されており、この突起141cによりソケット141bが調整板143に位置決めされている。
【0026】
回路基板142には貫通孔142aが形成されており、この貫通孔142aに調整板143の突起143aが挿入され、回路基板142が調整板143に位置決めされている。反射型表示素子141が搭載された回路基板142は、ベース部材145が調整板143に固定されることによって保持されている。ベース部材145には貫通孔145aが形成されており、この貫通孔145aに調整板143の突起143aが挿入されている。ベース部材145は、ボルト147によって、調整板143に固定されている。
【0027】
調整板143には貫通孔143cが形成されており、この貫通孔143cにボルト148の軸部148bが挿通されている。ボルト148は頭部148aと軸部148bとからなるものであり、軸部148bには雄ネジが形成されている。貫通孔143cの内径は、軸部148bの外径よりも大きくなっており、調整板143を固定しているボルト148を緩めることにより、反射型表示素子141が位置決めされた調整板143の位置を調整することができる。
【0028】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態の表示素子は反射型表示素子141であったが、液晶表示素子等の透過型表示素子であっても良い。また、本実施形態の固定部材はボルト148であったが、ビスであっても良い。
【符号の説明】
【0029】
11 光源部(光源)
21 平面鏡(反射部材)
141 反射型表示素子(表示素子)
143 調整板(調整部材)
143c 貫通孔
148 ボルト(固定手段)
148b 軸部
L 表示光
図1
図2
図3
図4
図5