(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6020932
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】自動車の車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
B62D25/08 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-260239(P2013-260239)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-116880(P2015-116880A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】太田 佳克
【審査官】
林 政道
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−220734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂でバスタブ状に形成したキャビン(11)のダッシュパネルロア(12)の前面に、前後方向に延びる左右一対の金属製のフロントサイドフレーム(13)の後端を固定した自動車の車体構造であって、
前記ダッシュパネルロア(12)は、略鉛直方向に起立する鉛直壁部(12a)と、前記鉛直壁部(12a)の下端から後下方に延びてフロアパネル(14)の前端に連なる傾斜壁部(12b)と、前記鉛直壁部(12a)および前記傾斜壁部(12b)の車幅方向外端を後方に窪ませた左右一対のホイールアーチ部(12c)とを備え、
前記フロントサイドフレーム(13)は、側面視で前記傾斜壁部(12b)の前端に滑らかに連続する横板部(13d,13e)と、平面視で前記ホイールアーチ部(12c)の前端に滑らかに連続する外側縦板部(13b)とを備え、
前記フロントサイドフレーム(13)の前部(13F)は前後方向に延びる中央縦板部(13a)を備えるとともに、前記フロントサイドフレーム(13)の後部(13R)は、前記中央縦板部(13a)の後端から車幅方向外側に分岐する前記外側縦板部(13b)と、前記中央縦板部(13a)の後端から車幅方向内側に分岐する内側縦板部(13c)とを備え、前記横板部(13d,13e)は上側横板部(13d)および下側横板部(13e)からなり、前記上側横板部(13d)は、前記前部(13F)において前記中央縦板部(13a)の上端に沿って延びるとともに、前記後部(13R)において前記外側縦板部(13b)および前記内側縦板部(13c)の外側面に沿って前上方から後下方に延び、前記下側横板部(13e)は、前記前部(13F)および前記後部(13R)において前記中央縦板部(13a)、前記外側縦板部(13b)および前記内側縦板部(13c)の下端に沿って延びることを特徴とする自動車の車体構造。
【請求項2】
前記上側横板部(13d)は前記傾斜壁部(12b)の前端に向けて後下方に湾曲することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
【請求項3】
前記外側縦板部(13b)の後端に設けた外側接合フランジ(13g)と、前記下側横板部(13e)の後端に設けた下側接合フランジ(13i)とを、前記ホイールアーチ部(12c)および前記傾斜壁部(12b)の内部に埋設したナット部材(18)にボルト(19,21)で締結したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の車体構造。
【請求項4】
前記外側縦板部(13b)の板厚(t1)を前記内側縦板部(13c)の板厚(t2)よりも大きくしたことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂でバスタブ状に形成したキャビンのダッシュパネルロアの前面に、前後方向に延びる左右一対の金属製のフロントサイドフレームの後端を固定した自動車の車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントサイドフレームとダッシュパネルロアとの間に配置されたエネルギー吸収部材が,上下方向に開放するハニカム部材の上下面にそれぞれ脆性板を接着して構成されており、フロントサイドフレームに所定値以上の衝突荷重が入力したときに、脆性板の破壊がトリガーとなってハニカム部材が圧壊することで衝突エネルギーを吸収するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−83756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のものは、エネルギー吸収部材がダッシュパネルロアの鉛直な壁面に取り付けられており、衝突荷重がフロントサイドフレームからエネルギー吸収部材を介してダッシュパネルロアの鉛直な壁面に伝達されるため、エネルギー吸収部材を確実に圧壊してエネルギー吸収効果を発揮させるためにはダッシュパネルロアに充分な強度を持たせることが必要となり、ダッシュパネルロアの重量が増加する問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ダッシュパネルロアの重量増加を最小限に抑えながら、フロントサイドフレームから入力する衝突荷重を確実に支持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、繊維強化樹脂でバスタブ状に形成したキャビンのダッシュパネルロアの前面に、前後方向に延びる左右一対の金属製のフロントサイドフレームの後端を固定した自動車の車体構造であって、前記ダッシュパネルロアは、略鉛直方向に起立する鉛直壁部と、前記鉛直壁部の下端から後下方に延びてフロアパネルの前端に連なる傾斜壁部と、前記鉛直壁部および前記傾斜壁部の車幅方向外端を後方に窪ませた左右一対のホイールアーチ部とを備え、前記フロントサイドフレームは、側面視で前記傾斜壁部の前端に滑らかに連続する横板部と、平面視で前記ホイールアーチ部の前端に滑らかに連続する外側縦板部とを備え
、前記フロントサイドフレームの前部は前後方向に延びる中央縦板部を備えるとともに、前記フロントサイドフレームの後部は、前記中央縦板部の後端から車幅方向外側に分岐する前記外側縦板部と、前記中央縦板部の後端から車幅方向内側に分岐する内側縦板部とを備え、前記横板部は上側横板部および下側横板部からなり、前記上側横板部は、前記前部において前記中央縦板部の上端に沿って延びるとともに、前記後部において前記外側縦板部および前記内側縦板部の外側面に沿って前上方から後下方に延び、前記下側横板部は、前記前部および前記後部において前記中央縦板部、前記外側縦板部および前記内側縦板部の下端に沿って延びることを特徴とする自動車の車体構造が提案される
。
【0007】
また請求項
2に記載された発明によれば、請求項
1の構成に加えて、前記上側横板部は前記傾斜壁部の前端に向けて後下方に湾曲することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0008】
また請求項
3に記載された発明によれば、請求項
1または請求項
2の構成に加えて、前記外側縦板部の後端に設けた外側接合フランジと、前記下側横板部の後端に設けた下側接合フランジとを、前記ホイールアーチ部および前記傾斜壁部の内部に埋設したナット部材にボルトで締結したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0009】
また請求項
4に記載された発明によれば、請求項
1〜請求項
3の何れか1項の構成に加えて、前記外側縦板部の板厚を前記内側縦板部の板厚よりも大きくしたことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0010】
尚、実施の形態の上側横板部13dおよび下側横板部13eは本発明の横板部に対応する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の構成によれば、繊維強化樹脂でバスタブ状に形成したキャビンのダッシュパネルロアの前面に、前後方向に延びる左右一対の金属製のフロントサイドフレームの後端が固定される。ダッシュパネルロアは、略鉛直方向に起立する鉛直壁部と、鉛直壁部の下端から後下方に延びてフロアパネルの前端に連なる傾斜壁部と、鉛直壁部および傾斜壁部の車幅方向外端を後方に窪ませた左右一対のホイールアーチ部とを備える。フロントサイドフレームは、側面視で傾斜壁部の前端に滑らかに連続する横板部と、平面視でホイールアーチ部の前端に滑らかに連続する外側縦板部とを備えるので、前面衝突によりフロントサイドフレームに入力した衝突荷重が、その横板部および外側縦板部を介して高強度の傾斜壁部およびホイールアーチ部に効率的に伝達されることで、ダッシュパネルロアの板厚を減少させてキャビンの軽量化を図りながら、前面衝突の衝突荷重に対する強度を確保することができる。
【0012】
しかも、フロントサイドフレームの前部は前後方向に延びる中央縦板部を備えるとともに、フロントサイドフレームの後部は、中央縦板部の後端から車幅方向外側に分岐する外側縦板部と、中央縦板部の後端から車幅方向内側に分岐する内側縦板部とを備え、横板部は上側横板部および下側横板部からなり、上側横板部は、前部において中央縦板部の上端に沿って延びるとともに、後部において外側縦板部および内側縦板部の外側面に沿って前上方から後下方に延び、下側横板部は、前部および後部において中央縦板部、外側縦板部および内側縦板部の下端に沿って延びるので、複数の横板部および複数の縦板部の組み合わせによりフロントサイドフレームの剛性を高め、衝突荷重をフロントサイドフレームからダッシュパネルロアに効率的に伝達することができる。
【0013】
また請求項
2の構成によれば、上側横板部は傾斜壁部の前端に向けて後下方に湾曲するので、側面視で上側横板部および下側横板部の両方の後端をホイールアーチ部の前端に滑らかに接続することができる。
【0014】
また請求項
3の構成によれば、外側縦板部の後端に設けた外側接合フランと、下側横板部の後端に設けた下側接合フランジとを、ホイールアーチ部および傾斜壁部の内部に埋設したナット部材にボルトで締結したので、フロントサイドフレームからの衝突荷重をホイールアーチ部および傾斜壁部に効率的に伝達することができる。
【0015】
また請求項
4の構成によれば、外側縦板部の板厚を内側縦板部の板厚よりも大きくしたので、フロントサイドフレームからの衝突荷重をダッシュパネルロアの鉛直壁部よりも高強度のホイールアーチ部に多く伝達し、フロントサイドフレームの車幅方向内側への倒れを防止して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】
図2の4A−4A線、4B−4B線および4C−4C線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1〜
図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
【0018】
図1および
図2に示すように、繊維強化樹脂でバスタブ状に一体成形された自動車のキャビン11の前部に設けられたダッシュパネルロア12は、略鉛直に起立して車幅方向に延びる鉛直壁部12aと、鉛直壁部12aの下端から後下方に斜めに延びて略水平なフロアパネル14の前端に接続する傾斜壁部12bと、鉛直壁部12aおよび傾斜壁部12bの車幅方向両端部を後方かつ車幅方向内側に窪ませた左右一対のホイールアーチ部12c,12cとを備える。
【0019】
アルミニウム合金の鋳造部材である左右一対のフロントサイドフレーム13,13は前後方向に沿って配置され、その後端がダッシュパネルロア12の鉛直壁部12aの車幅方向両側における傾斜壁部12bおよびホイールアーチ部12c,12cに隣接する位置に固定される。左右一対のフロントサイドフレーム13,13は車体中心面を挟んで面対称な部材であるため、その一方を代表として形状を説明する。
【0020】
図2、
図4および
図6に示すように、フロントサイドフレーム13は一体に連続する前部13Fおよび後部13Rからなる(
図2参照)。フロントサイドフレーム13の前部13Fは、横断面において鉛直方向に配置された中央縦板部13aと、横断面において水平方向に配置されて中央縦板部13aの上端に沿って延びる上側横板部13dと、横断面において水平方向に配置されて中央縦板部13aの下端に沿って延びる下側横板部13eとを備える。
【0021】
フロントサイドフレーム13の後部13Rは、中央縦板部13aの後端から車幅方向外側に湾曲する外側縦板部13bと、中央縦板部13aの後端から車幅方向内側に湾曲する内側縦板部13cとを備える。つまり中央縦板部13a、外側縦板部13bおよび内側縦板部13cは平面視でY字状に形成される。
【0022】
前部13Fから後部13Rに跨がって延びる上側横板部13dは、前部13Fでは水平方向後方に延びているが、後部13Rでは外側縦板部13bの車幅方向外面および内側縦板部13cの車幅方向内面に沿って前上方から後下方に弧状に湾曲する。また前部13Fから後部13Rに跨がって延びる下側横板部13eは、前部13Fでは水平方向後方に延びているが、後部13Rでは外側縦板部13bおよび内側縦板部13cの下端に沿って前上方から後下方に弧状に湾曲する。従って、上側横板部13dおよび下側横板部13eは後部13Rの後端で上下に重なり合うように集合する。
【0023】
I字状の横断面を有する前部13Fの前端には、バンパービームエクステンションあるいはバンパービームに接続する平板状の前側接合フランジ13fが形成される。またU字状の横断面を有する後部13Rの後端には、外側縦板部13bの後端を斜め後方に延長した外側接合フランジ13gと、内側縦板部13cの後端を車幅方向内側に折り曲げた内側接合フランジ13hと、下側横板部13eの後端を斜め下方に延長した下側接合フランジ13iとが形成される。外側接合フランジ13g、内側接合フランジ13hおよび下側接合フランジ13iは、後部13Rの後端を取り囲むようにU字状に連続する。
【0024】
外側縦板部13bおよび内側縦板部13cの板厚には差があり、外側縦板部13bの板厚t1は内側縦板部13cの板厚t2よりも大きくなっている(
図4(B)および
図4(C)参照)。
【0025】
図3および
図5に示すように、キャビン11のダッシュパネルロア12は、車体外側に位置するアウタースキン15と車体内側に位置するインナースキン16とを、波板状のコア材17を挟んで接合して構成される。ダッシュパネルロア12の鉛直壁部12aの車幅方向外端には、傾斜壁部12bおよびホイールアーチ部12cに跨がる金属製のナット部材18が埋設される。
【0026】
フロントサイドフレーム13の外側接合フランジ13gは3本のボルト19…でナット部材18に締結され、フロントサイドフレーム13の内側接合フランジ13hは3本のボルト20…でナット部材18に締結され、フロントサイドフレーム13の下側接合フランジ13iは3本のボルト21…でナット部材18に締結される。
【0027】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0028】
前面衝突時の衝突荷重がフロントサイドフレーム13の前端に入力すると、その衝突荷重はフロントサイドフレーム13からキャビン11のダッシュパネルロア12に伝達され、そこからフロアパネル14やサイドシルに分散されて吸収される。このとき、衝突荷重の入力方向に対して直交するダッシュパネルロア12の鉛直壁部12aは比較的に強度が低く、衝突荷重の入力方向に対して傾斜する傾斜壁部12bやホイールアーチ部12cは比較的に強度が高いため、傾斜壁部12bおよびホイールアーチ部12cに衝突荷重を多めに配分することで、鉛直壁部12aの後方への倒れを防止して衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
【0029】
本実施の形態によれば、フロントサイドフレーム13が、横断面において鉛直方向に延びる中央縦板部13a、外側縦板部13bおよび内側縦板部13cと、横断面において水平方向に延びる上側横板部13dおよび下側横板部13eとを組み合わせて構成されるため、衝突荷重に対するフロントサイドフレーム13の曲げ剛性を高めて折れ曲がりを防止することができる。
【0030】
またフロントサイドフレーム13の後部13Rの上側横板部13dおよび下側横板部13eは、外側縦板部13bの車幅方向外面および内側縦板部13cの車幅方向内面に沿って前上部から後下部に向かって傾斜して延び、側面視でダッシュパネルロア12の傾斜壁部12bに急激に折れ曲がることなく滑らかに連続している(
図3参照)。またフロントサイドフレーム13の後部13Rにおいて中央縦板部13aの後端から二股に分岐する外側縦板部13bおよび内側縦板部13cのうち、外側縦板部13bは車幅方向外側に向かって湾曲し、平面視でダッシュパネルロア12のホイールアーチ部12cに急激に折れ曲がることなく滑らかに連続している(
図5参照)。
【0031】
ダッシュパネルロア12の鉛直壁部12aは衝突荷重の入力方向に対して直交しているために後方に倒れ易くなるが、傾斜壁部12bおよびホイールアーチ部12cは衝突荷重の入力方向に対して傾斜しているため、衝突荷重に対する強度が鉛直壁部12aよりも高くなって変形し難くなる。
【0032】
本実施の形態によれば、上側横板部13dおよび下側横板部13eが側面視でダッシュパネルロア12の傾斜壁部12bに滑らかに連続し、かつ外側縦板部13bはダッシュパネルロア12のホイールアーチ部12cに滑らかに連続するため、衝突荷重を面内荷重としてフロントサイドフレーム13から高強度の傾斜壁部12bおよびホイールアーチ部12cに効率的に伝達することができる。これにより、ダッシュパネルロア12の板厚を増加させることなく、衝突荷重をダッシュパネルロア12の各部に効率的に配分して変形を防止し、衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
【0033】
特に、強度の高いホイールアーチ部12cに接続されるフロントサイドフレーム13の外側縦板部13bの肉厚t1を大きくし、強度の低い鉛直壁部12aに接続されるフロントサイドフレーム13の内側縦板部13cの肉厚t2を小さくしたので(
図5参照)、高強度のホイールアーチ部12cに大きな荷重を配分して低強度の鉛直壁部12aに小さい荷重を配分することが可能となり、衝突荷重によるフロントサイドフレーム13の車幅方向内側への傾きを防止して衝突エネルギーの吸収効果を更に高めることができる。
【0034】
また外側縦板部13bの後端に設けた外側接合フランジ13gと、下側横板部13eの後端に設けた下側接合フランジ13iとを、ダッシュパネルロア12のホイールアーチ部12cおよび傾斜壁部12bに埋設したナット部材18にボルト19…,21…で締結したので、ダッシュパネルロア12の局所的な破壊を防止しながらフロントサイドフレーム13からの衝突荷重をホイールアーチ部12cおよび傾斜壁部12bに効率的に伝達することができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0036】
例えば、フロントサイドフレーム13はアルミニウム合金製に限定されず、鉄製であっても良い。
【符号の説明】
【0037】
11 キャビン
12 ダッシュパネルロア
12a 鉛直壁部
12b 傾斜壁部
12c ホイールアーチ部
13 フロントサイドフレーム
13F 前部
13R 後部
13a 中央縦板部
13b 外側縦板部
13c 内側縦板部
13d 上側横板部(横板部)
13e 下側横板部(横板部)
13g 外側接合フランジ
13i 下側接合フランジ
14 フロアパネル
18 ナット部材
19 ボルト
21 ボルト
t1 外側縦板部の板厚
t2 内側縦板部の板厚