(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021013
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】オイルガードおよびキッチン
(51)【国際特許分類】
A47B 77/00 20060101AFI20161020BHJP
A47B 77/08 20060101ALI20161020BHJP
A47B 77/02 20060101ALI20161020BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20161020BHJP
F24C 15/12 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
A47B77/00
A47B77/08 A
A47B77/02
F24F7/06 101Z
F24C15/12 F
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-166300(P2013-166300)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-33518(P2015-33518A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2015年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】西岡田 浩章
【審査官】
蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−107850(JP,A)
【文献】
特開2013−104634(JP,A)
【文献】
特開2009−005877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00−77/18
F24C 15/12
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンのワークトップとレンジフードとの間に備えられ、前記ワークトップと前記レンジフードとの間隔に応じて長さが調節されて前記ワークトップと前記レンジフードとに固定される一対のフレーム部材と、
このフレーム部材同士の間に備えられ、前記フレーム部材の調節の前後で前記ワークトップに対して同じ位置で固定されたパネル部材と、
が備えられ、
前記フレーム部材が、
前記パネル部材が備えられた長手のフレーム本体部材と、
このフレーム本体部材の上端における前記パネル部材よりも上方に備えられ、前記ワークトップと前記レンジフードとの間隔に応じて前記パネル部材よりも上方でスライドするスライド部材と、
から構成された、
ことを特徴とするオイルガード。
【請求項2】
前記パネル部材と前記ワークトップとの間が空けられた、
ことを特徴とする請求項1に記載されたオイルガード。
【請求項3】
前記フレーム部材同士の間隔が、前記レンジフードに取り付けられた整流板の幅よりも狭く形成された、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたオイルガード。
【請求項4】
前記フレーム部材と前記キッチンのサイドパネルとの間が空けられた、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたオイルガード。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたオイルガードが備えられた、
ことを特徴とするキッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンのワークトップとレンジフードとの間に取り付けられるオイルガードおよびキッチンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンの調理機器周りは調理中に水や油が飛散し、特にアイランドキッチンや対面キッチンにおいて顕著であるため、オイルガードが取り付けられている。例えば下記特許文献1に記載された仕切りは、枠フレームで支持された仕切り板がワークトップとレンジフードとの間に取り付けられて構成されている。枠フレームは高さを調節するアジャスタがワークトップとの間に取り付けられ、ワークトップとレンジフードの位置関係が仕様や施工上の都合によりキッチン毎に異なる場合であっても、アジャスタが調節されることで仕切り板ごと高さが上下に調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−275221号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した仕切りによれば、アジャスタによって仕切り板が枠フレームごと下端側から持ち上げられるため、仕切り板の高さの調節に伴って枠フレームとワークトップとの間が広げられ、その間を調理中に飛散した水や油が通り抜けるおそれがある。そのため、枠フレームとワークトップとの間にカバーが取り付けられるが、カバーによってワークトップや仕切り板との間に目地ができるため清掃時の作業性が悪い。
【0005】
本発明は上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、キッチンに適応する柔軟性と清掃時の作業性の良さを両立させたオイルガードおよびキッチンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るオイルガードは、キッチンのワークトップとレンジフードとの間に備えられ、前記ワークトップと前記レンジフードとの間隔に応じて長さが調節される一対のフレーム部材と、このフレーム部材同士の間に備えられ、前記フレーム部材の調節の前後で前記ワークトップに対して同じ位置に配置されたパネル部材と、が備えられた、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るオイルガードは、前記フレーム部材が、前記パネル部材が備えられた長手のフレーム本体部材と、このフレーム本体部材の上端に備えられ、前記ワークトップと前記レンジフードとの間隔に応じてスライドするスライド部材と、から構成された、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るオイルガードは、前記パネル部材と前記ワークトップとの間が空けられた、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るオイルガードは、前記フレーム部材同士の間隔が前記レンジフードに取り付けられた整流板の幅よりも狭く形成された、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るオイルガードは、前記フレーム部材と前記キッチンのサイドパネルとの間が空けられた、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るキッチンは、オイルガードが取り付けられた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るオイルガードは、上記した構成である。この構成により、フレーム部材の長さがレンジフードとワークトップとの間隔に応じて調節されても、ワークトップとパネル部材との間隔が広がらない。そのため、調理中に飛散した水や油がワークトップとパネル部材との間を通り抜けることがなく、また、カバーによって遮蔽することを要せずカバーによる目地ができない。したがって、キッチンに適応する柔軟性と清掃時の作業性の良さを両立させることができる。
【0013】
本発明に係るオイルガードは、フレーム部材が、パネル部材が備えられた長手のフレーム本体部材と、このフレーム本体部材の上端に備えられ、ワークトップとレンジフードとの間隔に応じてスライドするスライド部材と、から構成されている。この構成により、フレーム部材は長さが調節される際、スライド部材がスライドすることで上端側が伸び、下端側がワークトップに対して変化
しない。パネル部材はフレーム本体部材に取り付けられており、ワークトップとの間隔が広がらない。そのため、上端側でキッチンに適応する柔軟性を実現し、下端側で清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【0014】
本発明に係るオイルガードは、パネル部材とワークトップとの間が空けられている。この構成により、例えば雑巾などの清掃具が挿入される隙間がワークトップとパネル部材との間に形成される。したがって、清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【0015】
本発明に係るオイルガードは、フレーム部材同士の間隔がレンジフードに取り付けられた整流板の幅よりも狭く形成されている。この構成により、外れてレンジフードにぶら下がった整流板がフレーム部材に衝突する。そのため、清掃時や震災時に整流板が外れてぶら下がった場合であってもパネル部材に衝突しない。したがって、パネル部材の破損を防ぐことができ、またパネル部材の破損を防ぐことに配慮することなく清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【0016】
本発明に係るオイルガードは、フレーム部材とキッチンのサイドパネルとの間が空けられている。この構成により、例えば対面キッチンの場合、フレーム部材がサイドパネルの柄と重ならない。したがって、キッチンの意匠が損なわれない。また、清掃時の作業性の良さを実現することができる。さらに、サイドパネルの凹凸や角度にかかわらず取り付けることができる。
【0017】
本発明に係るキッチンは、オイルガードが備えられている。したがって、清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るオイルガードの分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るオイルガードのフレーム部材下端の斜視外観と取り付け手順を説明し、(a)が対面して配置させた説明図、(b)が下面から視した説明図、(c)および(d)が上面から視した説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るオイルガードのスライド部材の斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するためのレンジフードの下面斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するためのレンジフードの下面斜視拡大図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するための加工されたレンジフードであり、(a)が下面拡大図、(b)が下面斜視拡大図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るオイルガードが取り付けられるレンジフードとワークトップとの位置関係を示し、(a)がサイドフードの場合の平面図、(b)がサイドフードの場合の正面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るオイルガードが取り付けられるレンジフードとワークトップとの位置関係を示し、(a)がセンターフードの場合の平面図、(b)がセンターフードの場合の正面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るオイルガードが取り付けられるワークトップを平面から視し、(a)がサイドフードの場合のワークトップへの取り付け位置平面図、(b)がセンターフードの場合のワークトップへの取り付け位置平面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するレンジフードへの取り付け説明図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するスライド部材の取り付け説明図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するフレーム部材下端の取り付け説明図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するスライド部材の状態説明図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するパネル部材の取り付け説明図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するレンジフードへの取り付け説明図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するスライド部材の取り付け説明図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するフレーム部材下端の取り付け説明図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るオイルガードの取り付け手順を説明するフレーム部材のパネル部材への取り付け説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1において、本実施形態に係るオイルガード10は、一対のフレーム部材20、このフレーム部材20同士の間に取り付けられるパネル部材40、から構成されている。フレーム部材20は、フレーム本体部材としての支柱21、この支柱21の下端に取り付けられる下ブラケット24、支柱21の上端に取り付けられるスライド部材としての上ブラケット29、から構成されている。フレーム部材20は、対面キッチンやアイランドキッチンのワークトップ2とレンジフード5との間に配置され(
図7および
図8参照)、ワークトップ2とレンジフード5との間隔に応じて長さが調節される。
【0021】
支柱21は長手であり断面が略四角形に形成されている。支柱21の側面は、長手方向に連続する溝部22が形成され、溝部22にパッキン23が取り付けられている。
【0022】
図2において、下ブラケット24は略六面体であり、上面から下面まで下ネジ孔25が貫通している。上面は、支柱21の内側に収まる大きさに形成された略コ字形の接続突起部26が形成され、パネル部材40が配置される凹部27が端に形成されている。下面は下ネジ孔25と隣接して下ボス部28が形成されている。
【0023】
図3において、上ブラケット29は略六面体であり、支柱21の内側に収まる大きさに形成されている。上面は接続金具32が取り付けられる際に用いられる上ネジ孔30が形成され、この上ネジ孔30と隣接して上ボス部31が形成されている。接続金具32は、板状のブラケット接続片部33と板状のレンジフード接続片部34とから構成され、両片部33,34がL字状に連ねられて形成されている。両片部33,34はそれぞれ金具ネジ孔35が形成され、またブラケット接続片部33は切欠きであるUカット部36が形成されている(
図6参照)。
【0024】
図1において、パネル部材40は四角形の板状であり、例えばガラスなどで形成されている。高さは支柱21の長さと略同じである。厚みは支柱21の溝部22に収まる厚さである。
【0025】
次に、本実施形態に係るオイルガード10の取り付け手順を説明する。
【0026】
接続金具32を用いてレンジフード5に上加工孔6を開ける手順を、
図4、
図5、
図6に基づいて説明する。レンジフード5後端内側の固定ネジ8を外し、接続金具32のレンジフード接続片部34をレンジフード5後端内側に合わせると共に金具ネジ孔35をレンジフード5のネジ孔9に揃え、固定ネジ8で接続金具32をレンジフード5に固定する。この状態でUカット部36に沿って上加工孔6を開ける。接続金具32を外して固定ネジ8を戻してレンジフード5後端内側を元の状態に戻す。
【0027】
ワークトップ2に対するレンジフード5の位置の確認を
図7および
図8に基づいて説明する。正面から視したワークトップ2とレンジフード5下端との間隔A、平面から視したワークトップ2前下がりとレンジフード5前面との間隔Bが、それぞれ所定の寸法であることが好ましい。センターフードであれば正面から視したレンジフード5に対する調理機器1の位置関係Cが、所定の配置(例えばレンジフード5と調理機器1とが中心そろえ)であることが好ましい。間隔Bおよび位置関係Cの確認は振り下げなどを用いて行う。
【0028】
ワークトップ2に開ける下加工孔3の位置の確認を
図9に基づいて説明する。ワークトップ2前下がりからの奥行D、サイドフードであればサイドパネルからの距離E、センターフードであれば位置関係C(例えばレンジフード5と調理機器1とが中心そろえ)に基づいた間隔F、をそれぞれ測定して下加工孔3を開ける。下加工孔3に隣接させて下ボス孔4を開ける。なお、下加工孔3間は、レンジフード5に取り付けられた整流板(図示省略)の幅よりも狭い。また、対面キッチンの場合、下加工孔3は、取り付けられたフレーム部材20とキッチンのサイドパネルとの間が空けられる位置に形成されている。
【0029】
下ブラケット24をワークトップ2に固定する手順を
図2に基づいて説明する。下加工孔3に変性シリコーン系接着剤を塗布する。下ブラケット24の下面にOリング11を取り付け、下ネジ孔25をワークトップ2の下加工孔3に合わせると共に下ボス部28を下ボス孔4に挿入する。その際、凹部27を対面させた向きで下ブラケット24を配置する。下ネジ孔25にネジ7を挿入して下ブラケット24をワークトップ2に固定する。凹部27にシート12を貼り付ける。
【0030】
上ブラケット29に接続金具32を取り付ける手順を
図3に基づいて説明する。上ブラケット29の上面に接続金具32のブラケット接続片部33を乗せて上ネジ孔30に金具ネジ孔35を合わせ、ネジ7で接続金具32を上ブラケット29に固定する。上ボス部31はUカット部36に合わせられている。
【0031】
一方の支柱21の取り付け手順を
図10から
図13に基づいて説明する。レンジフード5後端内側の固定ネジ8を外す。支柱21の上端に上ブラケット29を挿入して取り付け、支柱21の下端から下ブラケット24の接続突起部26を挿入して支柱21を下ブラケット24に取り付ける。支柱21と下ブラケット24とをネジ7で固定する。ワークトップ2とレンジフード5との間隔に応じて上ブラケット29を上方にスライドさせ、上ボス部31を上加工孔6に挿入する。接続金具32のレンジフード接続片部34をレンジフード5後端内側に合わせると共に、金具ネジ孔35をネジ孔9に揃えて接続金具32をレンジフード5に固定ネジ8で固定する。上ブラケット29をネジ7で支柱21に固定する。なお、調理機器1がサイドパネル際に配置されている場合(
図7参照)はサイドパネルに近い一方の支柱21を先に取り付ける。他方の支柱21の取り付け手順は後で記する。
【0032】
サイドパネル際に取り付けられたフレーム部材20とサイドパネルとの間に形成された隙間は、調理中に飛散した水や油が超えない程度であり、かつ、例えば雑巾などの清掃具(図示省略)を挿入させることができる程度である。
【0033】
図14において、パネル部材40の片側を支柱21の溝部22にパッキン23を介在させてはめ込む。パネル部材40とワークトップ2との間は、下ブラケット24の高さに相当する隙間41が形成される。隙間41は、調理中に飛散した水や油が超えない程度であり、かつ、例えば雑巾などの清掃具を挿入させることができる程度である。
【0034】
他方の支柱21の取り付け手順を
図15から
図18に基づいて説明する。レンジフード5後端内側の固定ネジ8を外す。支柱21の上端に上ブラケット29を挿入して取り付け、支柱21の下端から下ブラケット24の接続突起部26を挿入して支柱21を下ブラケット24に取り付ける。同時に、パネル部材40の片側を支柱21の溝部22にパッキン23を介在させてはめ込んで支柱21を取り付ける。支柱21と下ブラケット24とをネジ7で固定する。ワークトップ2とレンジフード5との間隔に応じて上ブラケット29をスライドさせ、上ボス部31を上加工孔6に挿入する。接続金具32のレンジフード接続片部34をレンジフード5後端内側に合わせると共に、金具ネジ孔35をネジ孔9に揃えて接続金具32をレンジフード5に固定ネジ8で固定する。上ブラケット29をネジ7で支柱21に固定する(
図12および
図13参照)。
【0035】
上記のとおり取り付けられたパネル部材40は両端がフレーム部材20によって支持され、上端とレンジフード5との間に上ブラケット29の高さに相当する隙間が形成され、下端とワークトップ2との間に下ブラケット24の高さに相当する隙間41が形成される。
【0037】
上記したとおり、本実施形態によれば、上ブラケット29は略六面体であり、支柱21の内側に収まる大きさに形成されている。上ブラケット29の上面は、板状のブラケット接続片部33と板状のレンジフード接続片部34とがL字状に連ねられて形成された接続金具32が取り付けられている。この上ブラケット29を支柱21の上端に挿入して取り付け、ワークトップ2とレンジフード5との間隔に応じて上ブラケット29を上方にスライドさせる。接続金具32のレンジフード接続片部34をレンジフード5後端内側に合わせると共に、金具ネジ孔35をネジ孔9に揃えて接続金具32をレンジフード5に固定ネジ8で固定する。上ブラケット29をネジ7で支柱21に固定する。
【0038】
この構成により、フレーム部材20は長さが調節される際、上ブラケット29がスライドすることで上端側が伸び、支柱21がワークトップ2に対して変化しない。パネル部材40は支柱21に取り付けられており、ワークトップ2との間隔が広がらない。そのため、調理中に飛散した水や油がワークトップ2とパネル部材40との隙間41を通り抜けることがなく、また、カバーによって遮蔽することを要せずカバーによる目地ができない。したがって、上ブラケット29でキッチンに適応する柔軟性を実現し、支柱21で清掃時の作業性の良さを実現することができる。さらに、ワークトップ2とレンジフード5の位置関係が仕様や施工上の都合によりキッチン毎に異なる場合であっても、レンジフード5の取り付け高さやサイドパネルの垂直度などの施工時のバラツキを吸収することができる。
【0039】
本実施形態によれば、パネル部材40とワークトップ2との間の隙間41は、例えば雑巾などの清掃具を挿入させることができる程度である。したがって、清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【0040】
本実施形態によれば、下加工孔3間は、レンジフード5に取り付けられた整流板の幅よりも狭いため、フレーム部材20同士の間隔が整流板の幅よりも狭く形成されている。この構成により、外れてレンジフード5にぶら下がった整流板が支柱21に衝突する。そのため、清掃時や震災時に整流板が外れてぶら下がった場合であってもパネル部材40に衝突しない。したがって、パネル部材40の破損を防ぐことができ、またパネル部材40の破損を防ぐことに配慮することなく清掃時の作業性の良さを実現することができる。
【0041】
本実施形態によれば、パネル部材40は両端がフレーム部材20によって支持され、上端とレンジフード5との間が上ブラケット29の高さに相当する隙間が形成され、下端とワークトップ2との間が下ブラケット24の高さに相当する隙間41が形成される。したがって、上下からの荷重が作用しないため、上下からの荷重によるパネル部材40の破損を防ぐことができる。また、上下端が解放されてすっきりしたデザインを実現することができる。
【0042】
本実施形態によれば、例えば対面キッチンの場合、フレーム部材20とサイドパネルとの間に隙間が形成され、この隙間は調理中に飛散した水や油が超えない程度であり、かつ、例えば雑巾などの清掃具を挿入させることができる程度である。この構成により、フレーム部材20がサイドパネルの柄と重ならないため、キッチンの意匠が損なわれない。また、清掃時の作業性の良さを実現することができる。さらに、サイドパネルの凹凸や角度にかかわらずオイルガード10を取り付けることができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 調理機器
2 ワークトップ
3 下加工孔
4 下ボス孔
5 レンジフード
6 上加工孔
7 ネジ
8 固定ネジ
9 ネジ孔
10 オイルガード
11 Oリング
12 シート
20 フレーム部材
21 支柱(フレーム部材本体)
22 溝部
23 パッキン
24 下ブラケット
25 下ネジ孔
26 接続突起部
27 凹部
28 下ボス部
29 上ブラケット(スライド部材)
30 上ネジ孔
31 上ボス部
32 接続金具
33 ブラケット接続片部
34 レンジフード接続片部
35 金具ネジ孔
36 Uカット部
40 パネル部材
41 隙間
A ワークトップとレンジフード下端との間隔
B ワークトップ前下がりとレンジフード前面との間隔
C レンジフードに対する調理機器の位置関係
D ワークトップ前下がりからの奥行
E サイドパネルからの距離
F 位置関係Cに基づいた間隔