(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<1:路面センサー1の全体(装着部10、検知部60)について>
図1から
図4までを参照して、本発明の実施の形態に係る路面センサー1の全体について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る路面センサー1の装着部10の平面状態を模式的に示す模式平面図である。
図2は、
図1に示した装着部10における矢印F2−F2での断面状態を拡大して模式的に示す模式拡大断面図である。
図3は、
図1に示した路面センサー1の装着部10に検知部60を取り付けた平面状態を模式的に示す模式平面図である。
図4は、
図3に示した路面センサー1における矢印F4−F4での断面状態を拡大して模式的に示す模式拡大断面図である。
【0013】
路面センサー1は、装着対象SF(
図2)に装着される装着部10と、装着部10に連結されて路面RS(不図示)との接触を検知する検知部60(
図3、
図4)とを備える。
装着部10は、装着対象SFに貼り付けられる貼付面21を有する貼付部20と、貼付部20と交差する方向に位置するナット部32、およびナット部32の一端から延びて貼付部20に対向する座部34を有する座付ナット30と、貼付部20に対向し、座部34を収容した収容穴42および収容穴42からナット部32の方へ突き出て座部34を覆う突出部41を有する収容板40と、収容板40を覆い、収容板40の周りの外側領域Rf(具体的には、収容板40の外周44から貼付部20の端部25までの範囲)で貼付部20に接合している被覆部50と、を備える。
検知部60は、被覆部50に対向して位置し、段部75がある貫通穴73を有する本体部70と、貫通穴73においてナット部32と連結し、段部75を留めるボルト部80と、を備える。
【0014】
この構成により、路面センサー1は次のように作用する。
座付ナット30において、ナット部32は、座部34と一体であり、座部34は、収容穴42に収容され固定されている。ボルト部80がナット部32にねじ込まれたとき、ナット部32が固定されているので、ボルト部80は、ナット部32に締結される。したがって、ボルト部80は、ナット部32、座部34、および収容穴42を介して装着部10に固定される。
つまり、ボルト部80は、貫通穴73においてナット部32と連結し、段部75をナット部32に固定するので、本体部70は、確実に装着部10に位置決めされて固定される。このため、検知部60を構成する本体部70は、ナット部32に対するボルト部80の締め付けおよび緩めによって容易に取り替えられる。
ナット部32は、貼付部20と交差する方向へ座部34から延びた筒状(筒状ナット)である。ボルト部80が有する頭部81は、ナット部32と連結されて段部75を固定する。つまり、ナット部32は、ボルト部80がナット部32に連結されたとき、頭部81が有効に段部75を規制する長さを有する。
【0015】
収容板40は、収容穴42を有する基板40aと、基板40aに重なって突出部41を有する重ね板40bとを備えることが好ましい。基板40aは、座部34を収容して嵌め込む収容穴42を有するので、座部34は、収容穴42に嵌め込まれて固定される。重ね板40bは、ナット部32を被覆部50へ通すナット穴40dを有する。突出部41の先端は、ナット穴40dを規定することが好ましい。
突出部41は、座部34を覆うから、座部34が収容穴42へ収容された状態を確実に維持する。したがって、座部34は、確実かつ強固に収容穴42に保持され、座付ナット30は、収容穴42からの移動(飛び出し)を抑制される。
【0016】
基板40aと重ね板40bとは、互いに接着され、1枚の収容板40に一体化されていることが好ましい。基板40aと重ね板40bとは、例えば両面テープ(不図示)によって相互に接着されている。両面テープの代わりに接着剤が適用されても良い。また、基板40aと重ね板40bとが熱可塑性樹脂であれば、相互に溶着されていても良い。
収容板40は、2枚の板の接着ではなく、収容穴42およびナット穴40dを有する1枚の板として予め樹脂成形されても良い。
なお、基板40aと重ね板40bとは、外周形状は一致していることが好ましい。つまり、基板40aおよび重ね板40bは、収容板40の外周44を有する。
【0017】
収容板40(重ね板40b)は、被覆部50に覆われる。このため、貼付部20、座部34、収容板40、および被覆部50は、簡潔な積層構造を構築する。
すなわち、路面センサー1は、簡潔な積層構造を有するので製造が容易となり、高い信頼性を得られる。また、路面センサー1は、本体部70が摩耗、損傷した場合等に容易に本体部70を取替できるので、取り扱いが容易となる。つまり、路面センサー1は、低コストに製造でき、信頼性が高く、また、取り替えが容易である。
【0018】
貼付面21は、例えば、面ファスナーの一方の面である。面ファスナーは、一面がフック状起毛、他面がループ状起毛であり、互いに押し当てられたときに接着状態となり、互いに引き剥がされたときに分離状態となる対面形態のファスナーである。フック状起毛、ループ状起毛の形態については種々の種類が適用される。
装着対象SFは、例えばライダースーツの膝当て部分に配置された面ファスナーの他方の面である。貼付面21と装着対象SFとで一対の面ファスナーとなる。
【0019】
貼付面21は、フック状またはループ状のいずれか少なくとも一方の起毛を有する面ファスナーの一面であり、貼付面21の反対側(裏側)で収容板40に向かい合う内側面22(裏面)は、貼付面21が有する起毛を固定した平坦面である。
この構成により、貼付面21は、面ファスナーの一方となり、装着対象SFと強固に結合される。また、収容板40(基板40a)に向かう内側面22は平坦面であることから、収容板40に対する接合強度を確保できる。
貼付面21は、フック状またはループ状の少なくとも一方の起毛状態であれば良い。また、貼付面21は、フック状およびループ状の両方の起毛状態が混在する形態であっても良い。すなわち、フック状およびループ状を混在させた面ファスナーであっても同様に作用する。
【0020】
座付ナット30は、例えば、鋼、ステンレス等の金属で形成されている。このため、ナット部32および座部34は、高い強度と信頼性を有する。
ナット部32は座部34に対して直交する。また、貼付部20と座部34とは互いに向き合う。したがって、ナット部32は、貼付部20に対して交差する。つまり、貼付部20とナット部32とが交差する状態は、略直交状態である。
座付ナット30は、収容板40に複数配置されていることが好ましい。この構成により、本体部70は、複数の座付ナット30のそれぞれで固定されるので、検知部60は装着部10に確実に連結される。このため、路面センサー1は、検知精度を向上し、信頼性が向上する。
【0021】
検知部60に外部から印加された外力は、本体部70の全体を介してそれぞれの座付ナット30へ分散して加わる。このため、座付ナット30は、変動しにくくなり、強度を確保できる。座付ナット30は、外力が印加された状態でも本体部70を適切に保持できるので、路面センサー1は、高い精度で路面を検知し、高い信頼性を実現できる。
複数の座付ナット30は、少なくとも2個あることが好ましい。1個の場合に比べて本体部70を確実に保持できるからである。また、座付ナット30が4個配置された場合(本実施の形態)は、本体部70は、4か所で留められ、広い面積にわたって二次元で固定されるから、路面センサー1は更に安定した検知部60を有することになり、信頼性を向上できる。
座付ナット30が4個の場合、それぞれの座付ナット30は、収容板40が有する長軸AXsに対して線対称に、また、短軸AXfに対して線対称に、つまり、4象限に分けて配置される。
【0022】
また、長軸AXsおよび短軸AXfに対して座部34がナット部32を中心に回転(変位)した状態で配置されていても良い。なお、回転(変位)した状態とは、座部34が短軸AXf、長軸AXsに対して平面視(
図1、
図3の記載状態)で傾きを有すること、つまり、直交、あるいは平行以外の角度を有して配置されることをいう。
座付ナット30が4象限に対称に配置された場合、長軸AXsおよび短軸AXfが交差する交点Ocを中心に、収容板40に加わる外力を均等に分散できる。つまり、貼付部20、収容板40、および被覆部50に加わる外力からの応力を均等化できる。このため、路面センサー1は、装着部10の変形を抑制して、高精度に路面を検知できる。
なお、座付ナット30は1個だけの場合も許容される。座付ナット30が収容板40に1個のみ配置された場合、座付ナット30のナット部32は、収容板40の中央(短軸AXfおよび長軸AXsが交差する交点Oc)に配置されることが好ましい。
【0023】
座部34は、貼付部20に対向する第1面34rおよび突出部41に対向する第2面34sを有し、第1面34rおよび第2面34sは互いに平行な平坦面である。第1面34rおよび第2面34sは、互いに平行な平坦面であることから、貼付部20および突出部41に対する接着性が向上する。
座部34は、両面が平坦面であることから、比較的簡潔な工程で形成される。このため、座部34の加工工程は、簡易化されるので、座付ナット30は、低コストで容易に製造される。また、貼付部20、収容板40、座部34、および被覆部50の積層構造が平坦化されるので、路面センサー1の構造が簡潔になり、また、製造が容易となる。
積層構造が平坦化されることから装着部10の凹凸が抑制される。したがって、貼付部20、収容板40、および被覆部50の積層構造が安定化し、装着部10の積層強度およびデザイン性が向上する。
【0024】
座部34は、収容穴42に嵌め込まれていることが好ましい。つまり、座部34は、収容穴42に配置されて固定される。この構成により、座部34は、容易かつ確実に収容板40に位置決めされるので、ナット部32の位置は、高い精度で確保される。
座部34の外周面35と収容穴42(基板40a)の内周面43とは、隙間をできるだけ極小化した状態で相互に接触する寸法を有することが好ましい。これにより、座部34と収容穴42との間のがたつきは、抑制され、ナット部32の位置は、高精度に確保される。
また、突出部41の先端であるナット穴40dは、ナット部32と接触する状態であることが好ましい。これにより、ナット部32の位置決めは、更に正確になされる。
【0025】
座部34の厚みは、基板40aの厚み(収容穴42の深さ)と同じであることが好ましい。この構成により、基板40aから座部34にわたって続く平坦面が形成される。つまり、第2面34s(座部34)は、平板状の重ね板40bに単一平面で押さえられた形状となる。このため、座部34および収容板40は、貼付部20および被覆部50に対する平坦性が向上する。
したがって、座部34および収容板40は、貼付部20および被覆部50に対する積層性が更に向上し、座部34および収容板40を介して積層された貼付部20から被覆部50までの積層構造における積層強度を更に向上する。
なお、座部34の厚みと収容穴42の深さが同じとは、完全に同一にするという厳密な条件ではなく、ほぼ同程度の平坦性を有する平坦面となる程度であることを意味する。貼付部20、基板40a、重ね板40b、座部34、および被覆部50は、それぞれの厚みが例えば略1mm程度であることが好ましい。具体的な厚みは、例えば1mm±0.1〜0.4mm程度であることが好ましい。
座部34の第1面34rは、貼付部20に接着されても良い。座部34の第2面34sは、突出部41に接着されても良い。積層方向における接着によって積層強度が更に向上する。接着は、両面テープあるいは接着剤など種々の部材が適用される。
【0026】
収容板40(基板40a、重ね板40b)は、プラスチック板(合成樹脂板)であること、被覆部50は、皮革であることが好ましい。プラスチック板および皮革は、強度などの必要な物性値を満たしやすく、安定して製造されているので比較的入手が容易である。なお、皮革は、天然皮革または人口皮革のいずれであっても良い。
具体的には、収容板40は、座付ナット30を確実に保持する強度が必要であり、被覆部50は、収容板40(重ね板40b)の全体を被覆する強度と柔らかさが必要である。この構成によれば、信頼性の高い路面センサー1を比較的安価かつ容易に製造できる。
【0027】
被覆部50は、ナット部32を通す通し穴53を有する。通し穴53の内径はナット部32の外径と同程度であり、通し穴53は、ナット部32に接触する状態であることが好ましい。この構成により、被覆部50は収容板40(重ね板40b)を確実に覆うことができる。つまり、ナット部32は、被覆部50から突き出た状態である。
被覆部50の端部52は、貼付部20の端部25に一致していることが好ましい。これにより、貼付部20の端部25と被覆部50の端部52とは、同一の形状となるので、装着部10のデザイン性を向上させる。また、装着部10は、安定した積層関係を実現でき、路面センサー1は、高い信頼性を実現できる。貼付部20および被覆部50の外周形状は、揃っているので、デザイン性の向上に加えて機能性が向上する。
外側領域Rfは、収容板40の外周44から貼付部20の端部25(被覆部50の端部52)までの範囲、つまり、被覆部50が貼付部20に対向して接合する範囲である。
【0028】
貼付部20と基板40aとの間に配置された内側接着剤Bf(不図示)と、重ね板40bと被覆部50との間に配置された外側接着剤Br(不図示)と、を備えることが好ましい。この構成により、内側接着剤Bfは、貼付部20と収容板40との間の接着強度を向上し、外側接着剤Brは、収容板40と被覆部50との間の接着強度を向上する。
このため、路面センサー1は、貼付部20、収容板40、および被覆部50の積層状態を強固に保持できるので、強度と信頼性が向上する。また、座部34を保持する収容板40が内側接着剤Bfおよび外側接着剤Brによって両側(貼付部20の側、被覆部50の側)で固定されるので、座付ナット30の位置および収容板40の位置は、高い精度で維持される。
なお、内側接着剤Bf、外側接着剤Brの代わりに両面テープなどの他の接着部材が適用されても良い。
【0029】
本体部70は、平面視で収容板40の外周44と略同等の形状である外周71を有し、例えば略1〜3cm程度の厚みを有する。本体部70は、平面視で、収容板40と同等の形状であるから、本体部70が有する貫通穴73とナット部32が突き出た通し穴53とは、容易に位置決めされる。したがって、貫通穴73は、収容板40が有する収容穴42(および座付ナット30)との位置合わせが容易となり、扱いやすい路面センサー1が得られる。
本体部70は、厚みが例えば3cm程度と厚い場合、長期にわたる使用が可能となる。また、本体部70は、厚みが例えば1cm程度と薄い場合は、検出感度が高くなる。
本体部70は、例えばアクリル樹脂などの合成樹脂で形成される。アクリル樹脂の他に、例えば硬質ウレタン、セラミックなどが適用される。
【0030】
ボルト部80は、貫通穴73の中央部分に配置され、被覆部50から貫通穴73に突き出たナット部32(座付ナット30)と連結される。ボルト部80の頭部81は、ボルト部80をナット部32にねじ込む締結部材として機能する。
また、頭部81は、本体部70が有する段部75をナット部32へ連結する。つまり、段部75は、頭部81に対する受け部となる。この構成により、本体部70は、段部75およびボルト部80(頭部81)を介してナット部32に取り付けられ、検知部60は、装着部10に連結された状態となる。
【0031】
貼付部20および被覆部50は、貼付部20の端部25と被覆部50の端部52に沿って配置された端部糸55(見やすさを考慮して2点鎖線で示される(
図1、
図3)。
図2、
図4では、端部糸55に対応する端部縫合位置SPtを示す)で互いに縫合されていることが好ましい。すなわち、貼付部20と被覆部50とは、端部25および端部52に沿って配置された端部糸55で互いに縫い合わされている。
つまり、端部糸55は、貼付部20の端部25と被覆部50の端部52に沿って設定された端部縫合位置SPtで貼付部20および被覆部50を縫い合わせている。このため、装着部10の強度が向上するので、路面センサー1は、強度と信頼性を向上できる。
【0032】
貼付部20と被覆部50とは、収容板40の外周44に沿って配置された外周糸56(見やすさを考慮して2点鎖線で示される(
図1、
図3)。
図2、
図4では、外周糸56に対応する外周縫合位置SPpを示す)で互いに縫合されていることが好ましい。すなわち、貼付部20と被覆部50とは、収容板40の外周44に沿って配置された外周糸56で互いに縫い合わされている。このため、収容板40は、貼付部20および被覆部50を縫合した外周糸56が形成する範囲において貼付部20および被覆部50に挟まれる。
つまり、外周糸56は、収容板40の外周44に沿って設定された外周縫合位置SPpで貼付部20および被覆部50を縫い合わせている。このため、収容板40は、貼付部20および被覆部50によって確実にかつ強固に固定され、ナット部32は、高精度に位置決めされる。
【0033】
収容板40は、互いに直交する長手方向Dsの長軸AXsおよび短手方向Dfの短軸AXfを線対称の対称軸とする形状であり、複数(本実施の形態では、4個)の座付ナット30は、長軸AXsおよび短軸AXfで構成される4象限にそれぞれ線対称に配置されていることが好ましい。
この構成により、路面センサー1は、検知部60(本体部70)を介して外部から印加される応力を装着部10の全体に均等に分配して応力の影響を抑制し、安定した機能を発揮できる。
【0034】
収容板40は、長軸AXsおよび短軸AXfを有する例えば楕円形である。楕円形を有する収容板40は、用途としての膝部分の形状に合せて略楕円形とされる装着対象SFに対する装着性を向上できる。また、収容板40は、楕円形の他に、四辺形の頂点を円弧で丸めた形状(
図8)、小判型(楕円形の長軸および短軸と交差する部分を適宜の長さの直線とした形状)などでも同等の作用を生じる。
【0035】
貼付部20、収容板40および被覆部50は、長軸AXsおよび短軸AXfの少なくとも一方に配置された軸糸57(見やすさを考慮して2点鎖線で示される(
図1、
図3)。
図2では、軸糸57に対応する長軸縫合位置SPsを示す)で互いに縫合されていることが好ましい。
軸糸57は、長軸AXsおよび短軸AXfの少なくとも一方に配置されて縫合される。なお、短軸縫合位置SPfに配置された軸糸57は短軸軸糸57fであり、長軸縫合位置SPsに配置された軸糸57は長軸軸糸57sである。短軸軸糸57fおよび長軸軸糸57sを特に区別しない場合は、単に軸糸57という。
軸糸57は、貼付部20、収容板40、および被覆部50を貫通して互いに縫合することから、装着部10の積層強度を向上させる。このため、路面センサー1は、信頼性を向上できる。なお、軸糸57は、収容板40の外側で少なくとも端部糸55まで延長されても良く、延長された位置において貼付部20と被覆部50との積層強度を更に向上できる。
【0036】
軸糸57が短軸AXf(短軸縫合位置SPf)に配置された場合は、軸糸57が長軸AXs(長軸縫合位置SPs)に配置された場合に比較して、長手方向Dsにおける可撓性を大きくでき、路面センサー1の装着性が向上する。
短軸軸糸57fは、短軸AXfにおける貼付部20、収容板40、被覆部50の積層関係を確実に規定することから、長手方向Dsの柔軟性を維持した状態で、装着部10の積層強度を向上できる。また、短軸軸糸57fは、路面センサー1の製造にあたって、縫合範囲が短いことから工数を抑制できる。
【0037】
貼付部20および被覆部50において、長手方向Dsにおける長さは、例えば約15〜20cmであり、短手方向Dfおける長さは、例えば約12〜16cmである。収容板40において、長手方向Dsにおける長さは、例えば約10〜15cmであり、短手方向Dfにおける長さは、例えば約7〜11cmである。なお、収容板40は、少なくとも外側領域Rfを形成するように貼付部20、被覆部50に比べて小さくされる。
座付ナット30の大きさは、ナット部32および座部34で規定される。ナット部32は、外径が例えば約7.5mm、内径が例えば約6mm、座部34からの高さ(貼付部20と交差する方向の長さ)が例えば約5.5mmである。座部34は、長い方の長さが例えば約25mm、短い方の幅が例えば約14mm、厚みが例えば1mmである。
収容板40の変形については、<2.収容板40および座付ナット30について>で更に説明する。また、座部34の変形については、<3:座部34の変形例について>で更に説明する。なお、貼付部20および被覆部50の外周形状は装着対象SFの形状に応じて適宜設定される。
【0038】
<2:収容板40および座付ナット30について>
図5から
図8までを参照して、本発明の実施の形態に係る収容板40および座付ナット30についての説明を追加する。なお、
図1から
図4までの記載と同様の部分については説明を適宜省略する。
図5は、
図1に示した路面センサー1の収容板40の平面状態を検知部60の側から見て示す平面図である。
図6は、
図5に示した収容板40の側面状態を示す側面図である。
図7は、
図5に示した収容板40が座付ナット30を収容したときの平面状態を示す平面図である。
【0039】
収容板40は、平板状で外周44を楕円形とされたプラスチック板(合成樹脂板)である。収容板40は、紙面の反対側に基板40aがあり、表面側(紙面側)に重ね板40bが配置されている。基板40aは、内周面43が隠された状態で示される収容穴42を有する。収容穴42は、貫通穴である。収容穴42は、例えばプレス打ち抜き加工によって形成される。収容板40は、座付ナット30を固定して保持できるように適切な硬さを有する。重ね板40bは、ナット穴40dを有する。ナット穴40dと内周面43との間に座部34が配置される。
基板40aは、収容穴42に座部34が収容されて配置される(
図7)。収容穴42は、座部34を固定する。基板40aの板厚と座部34の厚みとが同一のとき、座部34は、重ね板40bに対する凹凸を生じないで基板40a(収容板40)に保持される。
座部34(外周面35)と収容穴42(内周面43)との間は隙間が生じないように略同一の外形であることが好ましい。座部34と収容穴42の間で隙間の発生を抑制することによって、収容板40に対する座部34の可動性を抑制し、ナット部32の配置を高精度に決めることができる。
なお、座部34は、重ね板40bが有する突出部41(ナット穴40d)によって隠され、ナット部32が重ね板40bから飛び出した状態となる(
図7)。
【0040】
図8は、
図7に示した収容板40の変形例(収容板40s)を示す平面図である。
図1から
図7までにおいて、収容板40は、楕円形の平板である。
図8において、収容板40は、変形されて収容板40に対する変形例(収容板40s)である。以下、収容板40と収容板40sとを区別して記載する必要が無いときは、単に収容板40とすることがある。収容板40sは、略四辺形であり頂点に丸み(丸め処理)が施されている。つまり、四辺形の頂点に丸みを帯びた外周44sを有する。
四辺形のプラスチック母材から収容板40を切り出すとき、楕円形は周辺に無駄な廃棄部分が生じるのに対して収容板40sを切り出すときは廃棄部分の面積を抑制することができ、コスト低減を図れる。
また、座付ナット30の配置が同一の場合、収容板40に比較して収容板40sの場合は、貼付部20に対する接触面積(結合面積)を拡大することができ、装着部10の積層構造の積層強度を大きくできる。収容板40は、必要に応じて種々の平面形状を取ることが可能である。
【0041】
<3:座部34の変形例1から変形例6までについて>
図9、および
図10(変形例1)から
図15(変形例6)までを参照して、本発明の実施の形態に係る座付ナット30についての説明を追加する。なお、
図1から
図8までの記載と同様の部分については説明を適宜省略する。
座部34は、中心にナット部32を有する。座部34の外周形状は、平面視で曲線または直線を種々に組み合わせた形状を有する。したがって、座部34は、種々の平面形状を取り得るので、印加された応力に対抗できる適宜の形状を有する。また、製造しやすい安定した適宜の形状を有する。なお、座部34の厚み方向の形状は、先に記載したとおり、両面が平行な平坦面である。
以下、座付ナット30a(変形例1)から座付ナット30f(変形例6)までを互いに区別しないときは単に座付ナット30とする。座部34a(変形例1)から座部34f(変形例6)までを互いに区別しないときは単に座部34とする。また、外周面35a(変形例1)から外周面35f(変形例6)までを互いに区別しないときは単に外周面35とする。
【0042】
図9、
図10は、曲線と直線との組み合わせにより平面形状が規定された座付ナット30、座付ナット30aを示す。
図9は、
図1に示した路面センサー1の座付ナット30の平面状態を拡大して示す拡大平面図である。
図10は、
図9に示した座付ナット30の変形例1(座付ナット30a)を示す平面図である。
座付ナット30が有する座部34は、四辺形の4つの頂点に丸みを有し、座部34の厚みが現れる外周面35を有する。座付ナット30aが有する座部34aは、長方形の短辺に半円を加えた外周面35aを有する。座付ナット30aの曲線部(半円部分)は、座付ナット30の曲線部(中心角90度の円弧部分)に比較して曲率が小さいことから、局部掛かる応力を抑制できる。
座付ナット30、座付ナット30aは、直線と曲線の組み合わせで平面形状を形成しているので、取り扱いが容易で安全性および強度を確保できる。
【0043】
図11から
図14までは、直線の組み合わせにより平面形状が規定された座付ナット30b、座付ナット30c、座付ナット30d、および座付ナット30eを示す。
図11は、
図9に示した座付ナット30の変形例2(座付ナット30b)を示す平面図である。
図12は、
図9に示した座付ナット30の変形例3(座付ナット30c)を示す平面図である。
図13は、
図9に示した座付ナット30の変形例4(座付ナット30d)を示す平面図である。
【0044】
座付ナット30bが有する長方形の座部34bは、長方形によって形成される外周面35bを有する。座付ナット30cが有する十字型に突出した4つの尖角を有する座部34cは、4つの尖角で形成される外周面35cを有する。座付ナット30bおよび座付ナット30cは、4か所の頂点を中心として応力に対向できる。各頂点での尖角は、90度に近いことから大きい応力にも対応できる。
座付ナット30dが有する星形の座部34dは、星形によって形成される外周面35dを有する。頂点の数が5であることから、応力は、頂点の個数5に対応して分散する。したがって、各尖角に係る応力を抑制できる。
【0045】
図14は、
図9に示した座付ナット30の変形例5(座付ナット30e)を示す平面図である。
座付ナット30eが有する五角形の座部34eは、五角形によって形成される外周面35eを有する。座付ナット30eは、尖角部分を持たないことから全体として変形しにくい。
【0046】
図15は、曲線のみにより平面形状が規定された座付ナット30fを示す。
図15は、
図9に示した座付ナット30の変形例6(座付ナット30f)を示す平面図である。
座付ナット30fが有する楕円形の座部34fは、楕円形によって形成される外周面35fを有する。座付ナット30fは、楕円形であることから座付ナット30aに近い作用を奏する。
【解決手段】路面センサー1は、装着対象に装着される装着部10と、装着部10に連結されて路面との接触を検知する検知部60とを備える。装着部10は、装着対象に貼り付けられる貼付面を有する貼付部20と、貼付部20と交差する方向に位置するナット部、およびナット部の一端から延びて貼付部20に対向する座部34を有する座付ナット30と、貼付部20に対向し、座部34を収容した収容穴および収容穴からナット部の方へ突き出て座部34を覆う突出部を有する収容板40と、収容板40を覆い、収容板40の周りの外側領域で貼付部に接合している被覆部50と、を備える。検知部60は、被覆部50に対向して位置し、段部75がある貫通穴73を有する本体部70と、貫通穴73においてナット部と連結し、段部75を留めるボルト部80と、を備える。