(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のパチンコ機では、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である保留情報が存在するか否かを報知するにすぎず、より斬新な演出、たとえば「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である保留情報の数までを報知し得るような演出が求められている。また、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である保留情報が存在する際の報知態様が常に同じ演出であるため、遊技が単調で興趣に欠けるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である保留情報が存在する場合に、その数までもを報知するといった従来にない斬新な演出を実行するパチンコ機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、遊技球が流下可能な遊技領域内に、扉部材を開閉可能に備えた大入賞装置が設けられているとともに、遊技に係る動作を制御する制御装置とが設けられており、前記制御装置は、所定の抽選条件が充足されると少なくとも1つの乱数から1つの数値を取得するとともに、当該取得数値にもとづき所定の大当たり条件が充足されると前記大入賞装置を断続的に開成させる大当たり状態を生起させる一方、前記抽選条件の充足にもとづき取得した数値を保留情報として所定数まで記憶するとともに、前記保留情報を所定の順序で消化するパチンコ機であって、前記制御装置は、前記保留情報を参照して前記大当たり条件が充足される特定保留情報が存在するか否かを確認する情報確認手段と、前記遊技領域内に設けられた表示部において前記特定保留情報が存在することを報知する確定演出の
実行回数を決定する回数決定手段とを有しており、前記情報確認手段が、前記大当たり状態の終了後に消化される前記保留情報の中に、前記特定保留情報の存在を確認すると、前記回数決定手段が、前記
実行回数を前記特定保留情報の数を最大値とした範囲内で決定し、前記制御装置による制御のもと、前記大当たり状態中に、決定した前記
実行回数だけ前記確定演出
を実行することを特徴とする。
なお、上記発明において、前記表示部として、図柄を表示可能な図柄表示部が設けられており、前記制御装置は、前記抽選条件が充足されると少なくとも2つの乱数から夫々1つの数値を取得するとともに、当該取得数値にもとづき少なくとも前記図柄の確定表示態様と前記図柄の変動時間とを決定し、前記図柄の変動を開始させた後、決定した変動時間が経過すると決定した確定表示態様で前記図柄を確定表示させ、前記図柄を所定の大当たり図柄表示態様にて確定表示させたことにもとづいて前記大当たり状態を生起させるパチンコ機とした上で、前記特定保留情報を、前記図柄の表示態様が前記大当たり図柄表示態様となる保留情報とするといった第1の構成を採用することも可能である。
また、上記発明や第1の構成を採用したものにおいて、前記制御装置が、前記大当たり状態中における前記確定演出を
実行するタイミングを決定するタイミング決定手段を有する
といった第2の構成を採用することも可能である。
そして、そのような第2の構成を採用したものによれば、制御装置が、大当たり状態中における確定演出を実行するタイミングを決定するタイミング決定手段を有しているため、「大当たり状態」中において確定演出が実行されるタイミングが一様でない。したがって、極めて多彩な遊技を遊技者に提供することができ、遊技性の更なる向上を図ることができるといった効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報確認手段が、今回の大当たり状態の終了後に消化される保留情報の中に、特定保留情報の存在を確認すると、制御装置による制御のもと、回数決定手段により決定した
実行回数だけ、特定保留情報が存在することを報知する確定演出が
実行されるため、確定演出が
実行された回数以上の数だけ「大当たり」である保留情報が存在することを遊技者に報知することができる。したがって、ただ単に「大当たり」である保留情報の有無しか報知しないものと比較して、遊技性の向上を図ることができる。
また、特定保留情報が存在する場合であっても、実際の存在数よりも少ない回数しか確定演出が
実行されないといった状況も起こり得る。したがって、より多彩な遊技を遊技者に提供することができ、遊技性の更なる向上を図ることができ
る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0011】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる「装飾図柄」を表示するための図柄表示部6、及び保留情報の数を表示する保留表示部20、20・・を有する電動役物61と、該電動役物61を囲むように配設された種々の報知部材60、60・・とを有するセンター部材26が設置されている。さらに、遊技領域16におけるセンター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19と、翼片を開閉動作可能に備えたチューリップ式電動役物17とが上下に並設されている。また、センター部材26の下方で、始動入賞口19及びチューリップ式電動役物17の右方には、開閉可能な扉部材を有する大入賞装置18が設置されている。
【0012】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させるためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
【0013】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」等)を実行するためのメイン制御装置30(
図4に示す)、図柄表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(
図4に示す)、ランプ部材15や報知部材60の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(
図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(
図4に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するとともに、電動役物61の動作を制御するサブ制御装置40(
図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
【0014】
次に、パチンコ機1の制御機構について、
図4をもとに説明する。
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、「大当たり抽選」の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19やチューリップ式電動役物17、大入賞装置18、払出制御装置28、電源装置29、及び「特別図柄」を表示可能な特別図柄表示部36等と接続されている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。
【0015】
記憶手段33には、「大当たり抽選」に使用するcカウンタ、及び主に「特別図柄」や「装飾図柄」の変動時間である基本変動パターン(図柄変動パターン)を決定するdカウンタ等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数の取得とみなすことができる。また、cカウンタは0〜700(701通り)の間を、dカウンタは0〜30(31通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球の始動入賞口19又はチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機としてcカウンタ及びdカウンタから夫々1つの数値を取得する(「大当たり抽選」を実行する)とともに、cカウンタによる取得数値が所定の「大当たり数値」であるか否かを判定する(すなわち、メインCPU32は、抽選手段37及び大当たり判定手段38を備えている)。
【0016】
また、記憶手段33には、特別図柄表示部36に表示する「特別図柄」と、
図5に示す如くdカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルとが記憶されている。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部36において「特別図柄」が変動表示中に始動入賞口19へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ及びdカウンタの取得数値(入賞情報)を保留情報として最大4つまで記憶する保留情報記憶部が設けられている。尚、保留情報記憶部に記憶されている保留情報の数は、後述するようにサブ統合基板41による制御のもと、保留表示部20、20・で点灯表示されて遊技者に報知される。また、保留情報は、「特別図柄」及び「装飾図柄」が確定表示される度に記憶した順番で順次消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
【0017】
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されており、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号を受信すると、その信号の内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、図柄表示部6における「装飾図柄」の表示動作を制御するようになっている。さらに、サブ統合基板41には、インターフェイス45を介して、押しボタン25、及び保留表示部20、20・・等も接続されている。
【0018】
また、記憶手段43には、図柄表示部6に表示する「装飾図柄」が記憶されているとともに、該「装飾図柄」の詳細な変動態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターン(図柄変動パターン)が、
図6に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。さらに、記憶手段43には、記憶手段43には、「大当たり状態」時における図柄表示部6での演出態様である大当たり演出パターンも記憶されている。
【0019】
そして、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について、以下簡略に説明する。
遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動し、発射通路13を介して遊技球が遊技領域16内へ打ち込まれる。そして、遊技領域16内を流下する遊技球が始動入賞口19又はチューリップ式電動役物17へ入賞する(所定条件を充足する)と、当該入賞がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、入賞検出のタイミングでcカウンタ及びdカウンタから1つの数値を取得するとともに、特別図柄表示部36において「特別図柄」を変動表示中であるか否か、及び保留情報の有無を確認する。そして、特別図柄表示部36において「特別図柄」が変動表示中でなく、且つ、保留情報が1つも存在しない場合、今回取得したcカウンタの数値が所定の「大当たり数値(たとえば“0”又は“300”)」であるか否か、すなわち今回の「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。そして、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」である(すなわち、取得数値が「大当たり数値」である)と、
図5(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、dカウンタの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す。一方、「大当たり抽選」の結果、「外れ」である(すなわち、取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、
図5(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、dカウンタの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す。その後、メインCPU32は、「大当たり抽選」の結果(「大当たり」であるか「外れ」であるか)、及び読み出した基本変動パターン(特に変動時間)の種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。また、特別図柄表示部36において「特別図柄」を所定の態様で変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンの変動時間が経過すると、「大当たり抽選」の結果に対応する「特別図柄」を確定表示させる(「大当たり」の場合には大当たり特別図柄表示態様である“3”又は“7”で、「外れ」の場合には“−”で夫々確定表示させる)とともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
【0020】
一方、特別図柄表示部36において「特別図柄」を変動表示中であったり、保留情報の有無を確認した際に保留情報が存在した場合には、当該入賞に伴うcカウンタ及びdカウンタの取得数値を保留情報として記憶する。また、保留情報記憶部に記憶されている保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ及びdカウンタの取得数値を保留情報として記憶することなく削除する。
尚、チューリップ式電動役物17の開閉動作に関しては、遊技領域16内に設けられているゲート部材(図示せず)への遊技球の通過をもって、「大当たり抽選」同様の乱数取得による「抽選」を実行し、当選した場合にのみチューリップ式電動役物17の翼片を所定の設定時間だけ開動作させるようになっている。
【0021】
また、サブ統合CPU42では、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに含まれている「大当たり抽選」の結果に応じて最終的に確定表示する「装飾図柄」を決定するとともに、基本変動パターンに対応する詳細変動パターンを読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって図柄表示部6における「装飾図柄」を変動表示させる。そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した「装飾図柄」を図柄表示部6に確定表示する。つまり、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であると、図柄表示部6では同一の「装飾図柄」を3つ並べる大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“2・2・2”や“7・7・7”)で確定表示させる。また、「大当たり抽選」の結果が「外れ」であると、図柄表示部6では3つのうち少なくとも1つの「装飾図柄」が異なる外れ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。
【0022】
そして、「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であると、「装飾図柄」及び「特別図柄」の確定表示後、メインCPU32は、「大当たり状態」を生起させる旨を含んだ大当たりコマンドをサブ統合CPU42へ送信するとともに、「大当たり状態」の開始を報知する開始デモ、大入賞装置18の扉部材の所定回数にわたる断続的な開成、及び「大当たり状態」の終了を報知する終了デモからなる「大当たり状態」を生起させる。また、サブ統合CPU42は、大当たりコマンドを受信すると、記憶手段43から大当たり演出パターンを読み出し、該大当たり演出パターンにしたがって図柄表示部6での表示を制御する。その後、「大当たり状態」の終了に伴い、メインCPU32は、終了コマンドをサブ統合CPU42へ送信した後、「装飾図柄」及び「特別図柄」の変動回数が所定回数に達するまで、「装飾図柄」及び「特別図柄」の変動時間の平均値が短縮される時短状態を生起させる。
【0023】
なお、大当たり数値“0”での「大当たり」である(すなわち「第1大当たり」)であると、メインCPU32が特別図柄表示部36に“3”を確定表示させるとともに、サブ統合CPU42が偶数の「装飾図柄」が3つ並んだ大当たり装飾図柄表示態様を図柄表示部6に確定表示させた後、大入賞装置18の開成回数が2回である第1特別遊技状態を生起させる。また、大当たり数値“300”での「大当たり」である(すなわち「第2大当たり」)と、メインCPU32が特別図柄表示部36に“7”を確定表示させるとともに、サブ統合CPU42が奇数の「装飾図柄」が3つ並んだ大当たり装飾図柄表示態様を図柄表示部6に確定表示させた後、大入賞装置18の開成回数が16回である第2特別遊技状態を生起させる。
【0024】
一方、「大当たり抽選」の結果が「外れ」であると、「装飾図柄」及び「特別図柄」の確定表示後、記憶されている保留情報のうち最も古い保留情報について「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるか否かを判定し、開始コマンドを送信する等の上記同様の制御を実行するとともに、当該最も古い保留情報を保留情報記憶部から削除する。また、保留情報が存在しない場合には、次の始動入賞口19又はチューリップ式電動役物17への遊技球の入賞をもって「大当たり抽選」及びその結果の判定等を実行する。
【0025】
(先読み情報を用いた表示演出)
ここで、本発明の要部となる「大当たり状態」中における先読み情報を用いた図柄表示部6での表示演出について説明する。
メインCPU32では、cカウンタの取得数値を保留情報として記憶する際、当該保留情報に係る「大当たり抽選」の結果が「大当たり」であるか否かを、「第1大当たり」であるか「第2大当たり」であるかまでもを含めて一旦判定する。そして、その判定結果を含んだ先読み情報、及び当該保留情報が何個目の保留にもとづくものであるかを予定情報としてサブ統合基板41へ送信するようになっている。なお、保留情報として記憶する情報はあくまで取得数値のみであり、保留情報の消化時に再度大当たり判定を実行するとともに、開始コマンドの送信等の上記制御を実行することになる。
【0026】
一方、サブ統合基板41の記憶手段43には、受信した予定情報を記憶する予定情報記憶部46が設けられている。そして、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶部46へ記憶するとともに、保留表示部20を1つ点灯させて合計の点灯数を1つ増加させる。また、開始コマンドの受信にもとづいて、予定情報記憶部46から最も古い予定情報を削除するとともに、保留表示部20を1つ消灯させて合計の点灯数を1つ減少させる。
【0027】
さらに、サブ統合CPU42では、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」であり、「装飾図柄」の確定表示後に第2特別遊技状態が生起する際、及び第2特別遊技状態の生起中、
図7に示すような制御を実行する。なお、「大当たり抽選」の結果が「第1大当たり」であると、以下に記載するような制御は実行しない。
【0028】
「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」であると、停止コマンドに応じて「装飾図柄」を確定表示してから大当たりコマンドを受信するまでの間に、サブ統合CPU42は、予定情報記憶部46に記憶されている予定情報の中に、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」である予定情報(特定保留情報)が存在するか否かを確認する(S1)。つまり、サブ統合CPU42が予定情報確認手段47となり、該当する予定情報がない(S1でNOと判断した)場合には、サブ統合CPU42が演出制御手段48となり、大当たりコマンドの受信に伴い、大当たり演出パターンのうちの確定演出無しパターンにしたがって図柄表示部6の表示動作を制御する(S2)。この確定演出無しパターンとは、大入賞装置18における扉部材の開成回数2回目から15回目にかけて、扉部材を開成させる度に図柄表示部6において所定のスロット図柄を用いたスロット演出(3つのスロット図柄を夫々変動表示後、順に確定表示させる演出)を繰り返し実行するものの、全てのスロット演出において、3つのスロット図柄が揃わない(3つのスロット図柄を全て同一のスロット図柄で確定表示しない)非確定演出とし、扉部材の16回目の開成動作を終えた後、終了デモを実行して「大当たり状態」を終了させるという演出である。
【0029】
また、該当する予定情報がある(S1でYESと判断した)場合には、サブ統合CPU42が回数決定手段49となり、保留情報の中に「第2大当たり」となる保留情報があることを遊技者に報知する演出(以後、確定演出と称す)を「大当たり状態」中に何回繰り返して実行するかを決定する(S3)。つまり、確定演出の繰り返し回数Nを、該当する予定情報の数を最大値としてたとえば抽選により決定する。ここで、N=0になると、再びサブ統合CPU42が演出制御手段48となり、大当たりコマンドの受信に伴い、上記確定演出無しパターンにしたがって図柄表示部6の表示動作を制御する(S2)。一方、S3でN≧1になると、サブ統合CPU42がタイミング決定手段55となり、どのタイミングで(具体的には扉部材の何回目の開成時において)確定演出を実行するかを、これもたとえば抽選により決定する(S4)。その後、大当たり演出パターンのうちの確定演出有りパターンにしたがって図柄表示部6の表示動作を制御する(S5)。この確定演出有りパターンとは、大入賞装置18における扉部材の開成回数2回目からS4で決定した開成回数の1回前まで3つのスロット図柄が揃わない非確定演出を繰り返した後、S4で決定した開成回数目におけるスロット演出において、3つのスロット図柄を全て同一のスロット図柄で確定表示させるという確定演出を実行する。また、当該確定演出後は、S3で決定した繰り返し回数Nだけ扉部材が開成する度に同じ確定演出を実行する。さらに、繰り返し回数Nだけ確定演出を実行した後には、16回目の開成動作が終了するまでスロット演出ではない特定の表示演出で表示動作を制御した後、終了デモを実行して「大当たり状態」を終了させるという演出である。
【0030】
具体的に説明すると、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」である予定情報が3つ存在する場合、S3ではN=0、1、2、3の何れかとなる。そして、S3においてN=3であり、S4において5回目の開成時に確定演出を実行すると決定すると、開成回数2回目から4回目まで3つのスロット図柄が揃わない非確定演出を図柄表示部6において繰り返した後、開成回数5回目におけるスロット演出において、3つのスロット図柄を全て同一のスロット図柄で確定表示させるという確定演出を図柄表示部6において実行する。また、N=3であるため、開成回数6回目と7回目とにおいても同じ確定演出を図柄表示部6において実行する。そして、開成回数8回目から16回目にかけてはスロット演出ではない特定の表示演出となる。
【0031】
また、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」である予定情報が4つ存在する場合、S3ではN=0、1、2、3、4の何れかとなる。そして、S3においてN=2であり、S4において10回目の開成時に確定演出を実行すると決定すると、開成回数2回目から9回目まで3つのスロット図柄が揃わない非確定演出を繰り返した後、開成回数10回目におけるスロット演出において、3つのスロット図柄を全て同一のスロット図柄で確定表示させるという確定演出を実行する。また、N=2であるため、開成回数11回目においても同じ確定演出を図柄表示部6において実行する。そして、開成回数12回目から16回目にかけてはスロット演出ではない特定の表示演出となる。
【0032】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
上述したような制御を実行するパチンコ機1によれば、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」である予定情報(ひいては保留情報)が存在すると、「大当たり状態」中に確定演出を繰り返し実行するという従来にない斬新な報知演出により、保留情報の中に「第2大当たり」となる保留情報が繰り返し回数以上の数だけあることを遊技者に報知することができる。したがって、ただ単に「大当たり抽選」の結果が「大当たり」である保留情報の有無しか報知しないものと比較して、遊技性の向上を図ることができる。
【0033】
また、サブ統合CPU42が回数決定手段49を備えており、「大当たり抽選」の結果が「第2大当たり」である予定情報が存在する場合であっても、確定演出を実行しなかったり、実際の存在数よりも少ない回数しか確定演出を繰り返さないといった状況も起こり得るようにした。したがって、より多彩な遊技を遊技者に提供することができ、遊技性の更なる向上を図ることができる。
さらに、サブ統合CPU42がタイミング決定手段55を備えているため、「大当たり状態」中において確定演出を実行するタイミングが一様でない。したがって、極めて多彩な遊技を遊技者に提供することができ、遊技性の更なる向上を図ることができる。
加えて、「大当たり状態」のうち、多くの賞品球を期待することのできる遊技者にとって有利な「第2大当たり」に係る「大当たり状態」についてのみ報知するため、報知動作が実行されたにも拘わらず、賞品球数の少ない「第1大当たり」に係る「大当たり状態」が生起してしまうといった事態を防止することができ、遊技者に不快感を抱かせたりしない。
【0034】
(本発明の変更例について)
なお、本発明のパチンコ機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、パチンコ機全体の構成、大当たり状態の内容や大当たり状態の終了後の遊技状態に係る構成、及び制御機構に係る構成等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0035】
たとえば、上記実施形態では、保留情報の中に「第2大当たり」となる保留情報がある場合にも、その旨を報知しないことが起こり得るように構成しているが、「第2大当たり」となる保留情報がある場合には必ずその旨を報知するように構成してもよいし、保留情報の数と繰り返し回数とを必ず一致させるように構成することも当然可能である。
また、大入賞装置18における扉部材の開成回数が異なる2種類の「大当たり状態」を生起させるように構成しているが、開成回数が3種類以上に異なる多様な「大当たり状態」を生起させるようにようにしてもよいし、「大当たり状態」の終了後、「大当たり抽選」の結果「大当たり」となる可能性が高い所謂高確率状態を生起させるか否かで異なる「大当たり状態」を生起させたり、高確率状態となる期間が異なる「大当たり状態」を生起させる等してもよく、その中でどの「大当たり状態」について報知するかについても適宜設定変更可能であり、上記実施形態において「第1大当たり」となる保留情報について報知するように構成しても何ら問題はない。
【0036】
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置に演出制御手段や回数決定手段、タイミング決定手段等を設けてもよいし、メイン制御装置1つで制御する際には、予定情報等を作成する必要はなく、保留情報のみを用いて、確定演出を何回繰り返すか等を決定すればよい。
さらにまた、上記実施形態では、確定演出を連続的に繰り返すように構成しているが、たとえばN=3である場合に開成回数3回目、9回目、11回目となる開成時に確定演出を実行する等、断続的に繰り返すように構成することも可能であるし、1回の開成中に複数回確定演出を実行するように構成してもよく、どのように繰り返すかについては適宜変更可能である。
【0037】
またさらに、確定演出を実行するに際し、スピーカでの報音パターンを特定の報音パターンに切り替えるとともに、当該特定の報音パターンを「第2大当たり」である保留情報によって「装飾図柄」が変動を開始し確定表示となるまでの間の所定のタイミングまで継続させるように構成することも可能である。
加えて、上記実施形態では、「特別図柄」と「装飾図柄」との2つの図柄を用いるパチンコ機について説明しているが、「特別図柄」のみを用いており、図柄表示部に「特別図柄」を表示するように構成してもよい。