特許第6021140号(P6021140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021140
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】車載用受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4425 20110101AFI20161027BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04N21/4425
   H04N21/438
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-35454(P2012-35454)
(22)【出願日】2012年2月21日
(65)【公開番号】特開2013-172333(P2013-172333A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】板津 多加夫
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−109547(JP,A)
【文献】 特開2003−234972(JP,A)
【文献】 特開2001−078180(JP,A)
【文献】 特開2007−258805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、
前記放送信号の前記受信部での受信品質に応じて、情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態と、情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態とを切り替える再生形態切替手段と、
車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作有無判定手段と、
前記受信品質が、前記再生形態切替手段による前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えるべき品質レベルになっても、前記機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えを禁止する再生形態切替禁止制御手段とを有する車載用受信装置。
【請求項2】
前記再生形態切替手段は、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる請求項1記載の車載用受信装置。
【請求項3】
階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、
前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、
車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作有無判定手段と、
前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されるのを待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する車載用受信装置。
【請求項4】
階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、
前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えタイミングから一定時間、前記受信品質に係らず前記第2再生形態を維持した後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、
車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作有無判定手段と、
前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記一定時間を待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する車載用受信装置。
【請求項5】
前記機器動作有無判定手段は、前記所定の機器の動作を制御する信号に基づいて当該所定の機器の動作の有無を判定する請求項1乃至4のいずれかに記載の車載用受信装置。
【請求項6】
前記機器動作有無判定手段は、前記車両のドアロックのアクチュエータの動作の有無を判定する請求項1乃至5のいずれかに記載の車載用受信装置。
【請求項7】
前記機器動作有無判定手段は、前記車両のドアミラーのアクチュエータの動作の有無を判定する請求項1乃至6のいずれかに記載の車載用受信装置。
【請求項8】
階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、
前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、
車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるか否かを判定する車両状態判定手段と、
前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記車両状態判定手段により前記車両が前記所定の機器を動作させ得る状態にあると判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されるのを待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるよう前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する車載用受信装置。
【請求項9】
階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、
前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えタイミングから一定時間、前記受信品質に係らず前記第2再生形態を維持した後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、
車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるか否かを判定する車両状態判定手段と、
前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記車両状態判定手段により前記車両が前記所定の機器を動作させ得る状態にあると判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記一定時間を待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する車載用受信装置。
【請求項10】
前記車両状態判定手段は、前記車両がドアロックのアクチュエータが動作し得る状態にあるか否かを判定する請求項8又は9記載の車載用受信装置。
【請求項11】
前記車両状態判定手段は、前記車両がドアミラーのアクチュエータが動作し得る状態にあるか否かを判定する請求項8乃至10のいずれかに記載の車載用受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送のように、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び前記第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在行われている地上デジタル放送では、1つのチャンネルの中でセグメント毎に搬送波の変調方式や誤り訂正の強さを変えることのできる階層伝送がなされている。この階層伝送により、例えば、1チャンネルに含まれる13個のセグメント(周波数帯域幅の基本単位)のうち、12個のセグメントを用いて情報レートが大きく高品質なハイビジョン等の放送信号と、残りの1個のセグメントを用いて電波の変動に強い方式で変調された放送信号とを含む放送信号が放送に供される。階層伝送では、12個のセグメントを用いて放送される上記情報レートが大きく高品質な放送信号は、電波の変動に弱く、弱階層の放送信号である。一方、1個のセグメントを用いて放送される上記電波の変動に強い方式で変調された放送信号、即ち、強階層の放送信号は、その情報レートが低く低品質なものである。
【0003】
上記のような階層伝送により放送に供される放送信号を受信する車載用受信装置では、車両の走行中に放送信号の受信品質が種々変動することから、受信品質に応じて、弱階層の放送信号及び強階層の放送信号のいずれかに基づいて情報(放送番組の音声、映像)を再生している(特許文献1参照)。即ち、受信品質が良好な場合には、弱階層の放送信号を用いて高品質な情報(音声、ハイビジョン映像等)の再生がなされ(フルセグ受信)、その受信品質が低下した場合には、強階層の放送信号を用いて情報(放送番組の音声、テレビジョン映像)の再生がなされる(ワンセグ受信)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−42229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両には種々の機器が搭載されている。電装品(機器)が動作する際に発生するノイズによって、一時的に車載用受信装置での受信品質(C/N)が低下してしまう場合がある。このような場合、本来の電波の状態では、弱階層の放送信号に基づいて高品質な音声や映像の再生が可能であるにもかかわらず、強階層の放送信号に基づいた低品質の音声や映像の再生に切り替わってしまう。特に、弱階層の放送信号と強階層の放送信号との相互の切り替えが頻繁に発生しないように、弱階層の放送信号から強電界の放送信号に切り替わった後に、受信品質が所定品質レベル以上に回復した状態がある期間維持されときに、強階層の放送信号から弱階層の放送信号に回復させるようにした車載用受信装置では、機器が動作する際に発生したノイズに起因して受信品質が瞬時的に強階層の放送信号に切り替わってしまうと、なかなか(ある期間)弱階層の放送信号に回復できない。
【0006】
このため、車載用受信装置では、アンテナの設置場所を工夫して、できるだけ車両に搭載された機器が発生するノイズを受信しないようにしている。しかしながら、アンテナの設置位置を最適化しても回避できないノイズが存在してしまう。このため、車両に搭載された特定の機器が動作すると、上述したように放送電波の状況が良好な場合であっても、強階層の放送信号に切り替わって、弱階層の放送信号に基づいた高品質な情報(音声、映像)の再生が中断されてしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両に搭載された機器の動作によって瞬時的なノイズが発生した際に、できるだけ弱階層の放送信号に基づいた情報の再生を維持することのできる車載用受信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車載用受信装置は、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、前記放送信号の前記受信部での受信品質に応じて、情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態と、情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態とを切り替える再生形態切替手段と、車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作判定手段と、前記受信品質が、前記再生形態切替手段による前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えるべき品質レベルになっても、機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えを禁止する再生形態切替禁止制御手段とを有する構成となる。
【0009】
このような構成により、受信品質が、情報の再生に弱階層の第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に強階層の第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替えるべき品質レベルになっても、所定機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えが禁止されるので、前記所定の機器の動作があったときには、受信品質が低下しても、弱階層の第1放送信号を用いた情報の再生が維持され得る。
【0010】
本発明に係る車載用受信装置において、前記再生形態切替手段は、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる構成とすることができる。
【0011】
このような構成により、受信品質が所定品質レベルまで低下したときに弱階層の第1放送信号に基づいて情報の再生を行う第1再生形態から強階層の第2放送信号に基づいて情報の再生を行う第2再生形態に切り替え、その後、前記受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるので、第1再生形態と第2再生形態との頻繁な切り替えを防止することができる。そして、受信品質が、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えるべき品質レベルになっても、所定機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えが禁止されるので、もはや、ある期間を要する前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰の必要がなくなる。
【0012】
前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰の条件となる前記受信レベルが前記所定レベルを越えた状態が維持されるある期間は、予め定めた一定時間であっても、任意の時間であってもよく、何らかの時間の経過があればよい。
【0013】
本発明に係る車載用受信装置は、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、
前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作有無判定手段と、前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されるのを待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する構成となる。
【0014】
このような構成により、受信品質が、情報の再生に弱階層の第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に強階層の第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替えるべき所定品質レベルに低下したときに、所定の機器の動作があったときには、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されることを待つことなく、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得る。
【0015】
また、本発明に係る車載用受信装置は、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えタイミングから一定時間、前記受信品質に係らず前記第2再生形態を維持した後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、車両に搭載された所定の機器の動作の有無を判定する機器動作有無判定手段と、前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記機器動作有無判定手段により前記所定の機器の動作があったと判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記一定時間を待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する構成となる。
【0016】
このような構成により、受信品質が、情報の再生に弱階層の第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に強階層の第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替えるべき所定品質レベルに低下したときに、所定の機器の動作があったときには、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後一定時間を待つことなく、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得る。
【0017】
本発明に係る車載用受信装置において、前記機器動作有無判定手段は、前記所定の機器の動作を制御する信号に基づいて当該所定の機器の動作の有無を判定する構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、車載機器を制御するシステムの中で、所定の機器についての動作の有無を容易に判定することができる。
【0019】
また、本発明に係る車載用受信装置において、前記機器動作有無判定手段は、前記車両のドアロックのアクチュエータの動作の有無を判定する構成、あるいは、前記車両のドアミラーのアクチュエータの動作の有無を判定する構成とすることができる。
【0023】
また、本発明に係る車載用受信装置は、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されると、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるか否かを判定する車両状態判定手段と、前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記車両状態判定手段により前記車両が前記所定の機器を動作させ得る状態にあると判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されるのを待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるよう前記形態切替手段を制御する制御手段とを有する構成となる。
【0024】
このような構成により、受信品質が、情報の再生に弱階層の第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に強階層の第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替えるべき所定品質レベルまで低下したときに、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあると、受信品質が低下して前記所定品質レベルを下回って、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えた状態がある期間維持されるのを待つことなく、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得る。
【0025】
また、本発明に係る車載用受信装置は、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置であって、前記放送信号の前記受信部での受信品質が所定品質レベルまで低下したときに情報の再生に前記第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に前記第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替え、前記第1再生形態から前記第2再生形態への切り替えタイミングから一定時間、前記受信品質に係らず前記第2再生形態を維持した後、前記受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに、前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させる再生形態切替手段と、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるか否かを判定する車両状態判定手段と、前記受信品質が前記所定品質レベルまで低下したときに、前記車両状態判定手段により前記車両が前記所定の機器を動作させ得る状態にあると判定されると、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後、前記一定時間を待つことなく、当該受信品質が前記所定品質レベルを越えたときに前記第2再生形態から前記第1再生形態に復帰させるように前記再生形態切替手段を制御する制御手段とを有する構成となる。
【0026】
このような構成により、受信品質が、情報の再生に弱階層の第1放送信号を用いる第1再生形態から情報の再生に強階層の第2放送信号を用いる第2再生形態に切り替えるべき所定品質レベルまで低下したときに、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあると、受信品質が低下して前記所定品質レベルを下回って、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、前記第1再生形態から前記第2再生形態に切り替えられた後一定時間を待つことなく、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得る。
【0027】
前記車両状態判定手段は、前記車両がドアロックのアクチュエータが動作し得る状態にあるか否かを判定する構成、あるいは、前記車両がドアミラーのアクチュエータが動作し得る状態にあるか否かを判定する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る車載用受信装置によれば、車載に搭載された所定の機器の動作があったときには、受信品質が低下しても、弱階層の第1放送信号を用いた情報の再生が維持され得るので、車両に搭載された機器の動作ノイズに起因した瞬時的な受信品質の低下が発生した際に、弱階層の放送信号(第1放送信号)に基づいた情報の再生を維持することができる。
【0031】
また、本発明に係る車載用受信装置によれば、車載に搭載された所定の機器の動作があったときには、受信品質が低下して前記所定品質レベルを下回って、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得るので、車両に搭載された機器の動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質の低下によって強階層の放送信号(第2放送信号)に基づいた情報の再生に切り替わってしまうものの、即座に弱階層の放送信号(第1放送信号)に基づいた情報の再生に復帰してそれが維持されるようになる。
【0032】
また、本発明に係る車載用受信装置によれば、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるときには、受信品質が低下しても、弱階層の第1放送信号を用いた情報の再生が維持され得るので、所定の機器が実際に動作して、その動作ノイズに起因した瞬時的な受信品質の低下が発生した際に、弱階層の放送信号(第1放送信号)に基づいた情報の再生を維持することができる。
【0033】
更に、本発明に係る車載用受信装置によれば、車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるときは、受信品質が低下して前記所定品質レベルを下回って、第1再生形態から第2再生形態に切り替わったとしても、その受信品質が回復して前記所定品質レベルを越えれば、前記第2再生形態から前記第1再生形態への復帰が即座になされ得るので、所定の機器が実際に動作して、その動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質の低下によって強階層の放送信号(第2放送信号)に基づいた情報の再生に切り替わってしまうものの、即座に弱階層の放送信号(第1放送信号)に基づいた情報の再生に復帰してそれが維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施の一形態に係る車載用受信装置が適用される車両内に構築されたネットワークの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の一形態に係る車載用受信装置である地上デジタル放送受信装置の構成例を示すブロック図である。
図3図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第1の例を示すフローチャートである。
図4図3に示す手順に従ってフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替えがなされる場合における、受信品質(C/N)の変化と、フルセグ受信とワンセグ受信との切り替えとの関係を示す図である。
図5図3に示す手順に従ってフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替えがなされる場合における、ドアロックのアクチュエータが動作した際の受信品質(C/N)の変化と、フルセグ受信とワンセグ受信との切り替えとの関係(その1)を示す図である。
図6図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第2の例を示すフローチャートである。
図7図6に示す手順に従ってフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替えがなされる場合における、ドアロックのアクチュエータが動作した際の受信品質(C/N)の変化と、フルセグ受信とワンセグ受信との切り替えとの関係を示す図である。
図8図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第3の例を示すフローチャートである。
図9図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第4の例を示すフローチャートである。
図10】受信品質(C/N)の変化と、フルセグ受信とワンセグ受信との切り替えとの他の関係を示す図である。
図11図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第5の例を示すフローチャートである。
図12図11に示す手順に従ってフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替えがなされる場合における、受信品質(C/N)の変化と、フルセグ受信とワンセグ受信との切り替えとの関係を示す図である。
図13図2に示す地上デジタル放送受信装置における制御部のフルセグ受信とワンセグ受信との自動切り替え処理の手順の第6の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0036】
本発明の実施の一形態に係る車載用受信装置は、例えば、地上デジタル放送受信装置であって、図1に示すように、車両内に構築されたネットワーク(CAN:Controller Area Network)に接続される。図1において、車室内のインストルメントパネルの操作部11及びECU(制御ユニット)10が車両内CANに接続されるとともに、各種電装品(機器)の制御部、具体的には、パワーウィンドウ・アクチュエータ12、ドアロック・アクチュエータ13、ドアミラー・アクチュエータ14、ライト15、エアコン16、エアバック・アクチュエータ17、ワイパー・アクチュエータ18、パワーステアリング・アクチュエータ19、ナビゲーション装置20、オーディオ装置21、エンジン22、ギア・アクチュエータ23それぞれの制御部及び地上デジタル放送受信装置(以下、車載用受信装置という)30が車両内ネットワークCANに接続されている。このようなシステムにおいて、各機器の動作を制御する制御信号(通信情報)がECU10から車両内ネットワークCANを介して対応する制御部に供給され、該制御信号に基づいた該制御部による制御のもと、対応する機器(電装品)、例えば、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14が動作する。
【0037】
車載用受信装置30(地上デジタル放送受信装置)は、地上デジタル放送を受信することができる。この地上デジタル放送では、前述したように、階層伝送により、1チャンネルに含まれる13セグメントのうち、12個のセグメントを用いた情報レートが大きく(例えば、多値QAMによる)高品質な弱階層の放送信号(以下、フルセグ放送信号(第1放送信号)という)と、残りの1個のセグメントを用いた電波の変動に強い方式で変調(例えば、QPSK)された強階層の放送信号(以下、ワンセグ放送信号(第2放送信号)という)とを含む放送信号が放送に供される。この放送信号は、放送すべき情報(音声、映像、データ等)に基づいて変調される複数のキャリアがOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)化されたOFDM信号として伝送される。
【0038】
階層伝送される前記放送信号(OFDM信号)を受信する車載用受信装置30は、例えば、図2に示すように構成されている。
【0039】
図2において、この車載用受信装置30は、制御部31、4つのチューナ部32a、32b、32c、32d(受信部)、切替部33、第1のOFDM復調部34a、第2のOFDM復調部34b、デコーダ35、表示処理部36及びデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)37を有している。制御部31は、受信状態判定部311、切替制御部312、サーチ制御部313及びEPG作成部314を有している。また、車載用受信装置30は、インストルメントパネルに設けられたセンタユニット40に接続されている。センタユニット40は表示装置41及び操作部42を有し、このセンタユニット40にはスピーカ45が接続されている。
【0040】
4つのチューナ部32a〜32dのそれぞれは、伝送チャンネルを選局し、その選局した伝送チャンネルの放送信号(OFDM信号)を受信する。この放送信号には、前述した弱階層のフルセグ放送信号と強階層のワンセグ放送信号とが含まれている。切替部33は、制御部31における切替制御部312の制御のもと、2つのチューナ部32a、32bからの放送信号が常時第1のOFDM復調部34aに供給される状態を維持しつつ、他の2つのチューナ部32c、32dからの放送信号を第1のOFDM復調部34a及び第2のOFDM復調部34bのいずれかに切り替える。
【0041】
第1のOFDM復調部34a及び第2のOFDM復調部34bのそれぞれは、切替部33を介して入力される放送信号(OFDM信号)を復調してデジタル受信信号(トランスポートパケット)を生成する。制御部31は、第1のOFDM復調部34aからの複数(4つまたは2つ)のデジタル受信信号を所定のアルゴリズムに従ってダイバーシティ合成し、それにより得られた合成受信信号から、音声信号、映像信号及びその他の信号(データ、EPG情報等)を分離する。そして、制御部31は、音声信号及び映像信号をデコーダ35に供給し、データやEPG情報等のその他の信号については、内部で処理する。デコーダ35は、制御部31からの音声信号及び映像信号を復号する。デコーダ35での復号にて得られた復号映像信号は、表示処理部36にて所定の表示処理が施されてセンタユニット40に供給される。また、デコーダ3での復号にて得られた復号音声信号は、D/A変換器37にてアナログ音声信号に変換されて、センタユニット40に供給される。
【0042】
センタユニット40では、表示処理部36からの復号映像信号に基づいて放送番組の映像が表示装置41に表示され、復号音声信号に基づいて放送番組の音声がスピーカ45から出力される。
【0043】
制御部31における受信状態判定部311は、ダイバーシティ合成により得られた合成受信信号に基づいて、放送信号(OFDM信号)の受信品質、例えば、搬送波電力(C)と雑音電力(N)との比C/Nを、受信品質を表すパラメータとして演算し、このCNに基づいて受信品質を判定する。制御部31におけるサーチ処理部313は、2つのチューナ部32c、32dからの放送信号(OFDM信号)を復調する第2のOFDM復調部34bからのデジタル受信信号をダイバーシティ合成して得られる合成受信信号に基づいて受信可能なチャンネルをサーチするための処理を行う。EPG作成部314は、2つのチューナ部32c、32dからの放送信号(OFDM信号)を復調する第2のOFDM復調部34bからのデジタル受信信号をダイバーシティ合成して得られる合成受信信号から分離したEPG情報に基づいてEPG(電子番組ガイド)を作成するための処理を行う。サーチ処理部313による処理及びEPG作成部314による処理は、例えば、受信される放送信号に基づいた情報(音声、映像)の再生(出力)に係る処理のバックグラウンドにて所定のタイミングにて行われる。
【0044】
制御部31は、弱階層のフルセグ放送信号を情報の再生に用いるフルセグ再生形態(第1再生形態)と、強階層のワンセグ放送信号を情報の再生に用いるワンセグ再生形態(第2再生形態)とを、受信状態判定部311により判定される受信品質に応じて切り替える(再生形態切替手段)。制御部31は、例えば、フルセグ再生形態では、ダイバーシティ合成により得られる合成受信信号のうちフルセグ放送信号に対応する部分をデコーダ35に供給し、ワンセグ再生形態では、ダイバーシティ合成により得られる合成受信信号のうちワンセグ放送信号に対応する部分をデコーダ35に供給する。また、制御部31は、電装品(機器)、例えば、ドアロック・アクチュエータ13(図1参照)の動作を制御する信号を車両内ネットワークCANから取得し、その制御信号に基づいて、前記フルセグ再生形態と前記ワンセグ再生形態の切り替えを更に制御する。制御部31での前記フルセグ再生形態と前記ワンセグ再生形態との切り替えは、例えば、図3に示す手順に従ってなされる。
【0045】
図3において、受信状態判定部311は、C/Nで表される受信品質が、所定品質レベル(閾値)Thone-seg以下であるか否かを判定する(S11)。受信状態判定部311により受信品質が所定品質レベルThone-seg以下ではないと判定されると(S11でNO)、制御部31は、フルセグ再生形態を維持する(S12)。これにより、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えて良好な受信環境では、フルセグ再生形態が維持され、弱階層のフルセグ放送信号に基づいた高品質な映像及び音声の再生(表示装置41での映像表示、スピーカ45からの音出力)がなされる。
【0046】
車両が走行して、放送信号の受信環境が悪くなり、例えば、図4の時刻t1で、受信状態判定部311により受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下であると判定されると(S11でYES)、制御部31は、更に、車載電装品(機器)であるドアロック・アクチュエータ13の動作があったか(ON)否かを、車両内ネットワークCAN(図1参照)を伝送される当該ドアロック・アクチュエータ13の動作を制御する信号の有無に基づいて判定する(S13:機器動作判定手段)。ドアロック・アクチュエータ13の動作が無かったと判定された場合(S13でNO)、即ち、前記受信環境の悪化がドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズではないと判定された場合、制御部31は、前記フルセグ再生形態から前記ワンセグ再生形態に切り替える(S14:再生形態切替手段)。これにより、放送信号の受信環境が悪く、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segまで低下すると、前記ワンセグ再生形態に切り替わって、ノイズ等に強い強階層のワンセグ放送信号を用いて情報(音声、映像)の再生(映像表示、音出力)がなされる。
【0047】
その後、制御部31は、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下であるか否かを判定する(S15)。受信品質(C/N)が、回復することなく、所定品質レベルTone-seg以下であると(S15でYES)、制御部31は、後述するタイマTがゼロであることを確認して(S16でYES)、ワンセグ再生形態を維持する(S17)。このようにして(S15〜S17)、受信品質が所定品質レベルThone-seg以下の状態では、ワンセグ再生形態が維持される。
【0048】
前記ワンセグ再生形態が維持される状態で、車両の走行によって、放送信号の受信環境が改善されて、受信品質(C/N)が前記所定品質レベルThone-segを越えると(S15でNO)、制御部31は、タイマTがゼロであるか(T=0)否かを判定し(S18)、タイマTがゼロであれば(S18でYES)、そのタイマTをスタートさせ(S19)、該タイマTが所定時間Toに達したか否かを判定する(S20)。タイマTが所定時間Toに達していない場合(S20でNO)、制御部31は、ワンセグ再生形態を維持する(S17)。以後、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えて受信環境が良好な場合であっても(S15でNO)、タイマTが動作しつつワンセグ再生形態が維持される(S15、S18、S20、S17)。
【0049】
放送信号の受信環境が不安定な状況では、受信品質(C/N)が一時的に前記所定品質レベルThone-seg以下に低下することがある。この場合(S15でYES)、制御部31は、タイマTがゼロでないことを確認して(S16でNO)、タイマTをリセットし(S21)、ワンセグ再生形態を更に維持する(S17)。その後、再び放送信号の受信環境の回復により受信品質(C/N)が前記所定品質レベルThone-segを越えると(S15でNO)、制御部31は、タイマTがゼロであることを確認して(S18でYES)、再度、タイマTをスタートさせる(S19)。そして、制御部31は、タイマTが所定時間Toに達したか否かを判定し(S20)、タイマTが所定時間Toに達していないと(S20でNO)、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えているものの、ワンセグ再生形態を維持する(S17)。
【0050】
例えば、図4の時刻t1と時刻t2との間の状況のように、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越える状態が所定時間To維持できないような、放送信号の受信環境が不安定な状況では、タイマTのスタート(S15でNO、S18、S19、S20)と、リセット(S15でYES、S16、S21)とが繰り返さされつつ、ワンセグ再生形態が維持される(S17)。従って、このように放送信号の受信環境が不安定な状況では、ノイズ等に強い強階層のワンセグ放送信号を用いて情報(音声、映像)の再生(映像表示、音出力)がなされる。
【0051】
上記のようにしてワンセグ再生形態が維持されている(S17)状況において、放送信号の受信環境が改善されて、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えた状態(S15でNO)で、タイマTが所定時間Toに達すると(S20でYES)、即ち、図4の時刻t2と時刻t3との間の状況のように、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えた状態が所定時間To継続すると、制御部31は、フルセグ再生形態に復帰させる(図4における時刻t3)。これにより、ノイズ等に強い強階層のワンセグ放送信号を用いた情報(音声、映像)の再生(映像表示、音出力)から、弱階層のフルセグ放送信号に基づいた高品質な映像及び音声の再生(映像表示、音出力)に切り替えられる。
【0052】
ここで、放送信号の受信環境が良好で、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えており、フルセグ再生形態が維持されている状況(S11でNO、S12)において、制御部31は、受信品質(C/N)がワンセグ再生形態に切り替えるべき前記所定品質レベルThone-segになっても(S11でYES)、車両内ネットワークCANを伝送するドアロック・アクチュエータ13(図1参照)の動作を制御する信号に基づいて、ドアロック・アクチュエータ13の動作があったと判定すると(S13でYES)、制御部31は、ワンセグ再生形態に切り替えることなく(ワンセグ再生形態への切り替え禁止)、フルセグ再生形態を維持する(S12:再生形態切替禁止制御手段)。これにより、例えば、図5に示すように、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えた状況において、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズによって、時刻t1において瞬間的に受信品質(C/N)が前記所定品質レベルThone-seg以下に低下しても、フルセグ再生形態が維持される。この場合、弱階層のフルセグ放送信号に基づいて再生される高品質な映像及び音声にノイズ(映像中のブロックノイズ等)が瞬時的に発生するが、即座に元の高品質な映像及び音声の状態に戻る。
【0053】
上述したように図3に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、ドアロック・アクチュエータ13の動作があったときには、受信品質(C/N)が低下しても、弱階層のフルセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(フルセグ再生形態)が維持されるので、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズに起因した瞬時的な受信品質の低下が発生した際に、弱階層のフルセグ放送信号に基づいた情報の再生を維持することができる。また、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズに起因して受信品質(C/N)が瞬時的に低下して、ワンセグ再生形態に切り替わった後、受信品質(C/N)が回復して所定品質レベルThone-segを越えても、ワンセグ再生形態が維持され、フルセグ再生形態に切り替わるまでに所定時間To待たされてしまうということを防止することができる。
【0054】
制御部31は、図3に示す手順に代えて、図6に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態とを切り替えることができる。なお、図6において、図3に示す処理ステップと同一の処理ステップには、同一の参照符号が付されている。
【0055】
この場合(図6参照)、弱階層のフルセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(フルセグ再生形態)が維持される状況において(S11でNO、S12)、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下に低下したときに(S11でYES)、ドアロック・アクチュエータ13が動作したと判定すると(S13でYES)、制御部31は、ドアロック・フラグをオンさせ(S31)、強階層のワンセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(ワンセグ再生形態)に切り替える(S14)。その後、制御部31は、受信品質(C/N)が、前記所定品質レベルThone-segを越えたと判定すると(S15でNO)、ドアロック・フラグがオンであるか否かを判定する(S32)。ここで、ドアロック・フラグがオンであると(S32でYES)、制御部31は、ドアロック・フラグをオフにして(S33)、前記ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰させる(S22)。以後、フルセグ再生形態が維持される(S11でNO、S12)。
【0056】
上述したように図6に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、ドアロック・アクチュエータ13の動作があったときには、例えば、図7に示すように、受信品質(C/N)が低下して所定品質レベルThone-segを下回って、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替わったとしても、その受信品質(C/N)が回復して前記所定品質レベルThone-segを越えれば、ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態への復帰が即座になされ得るので、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質(C/N)の低下によってワンセグ再生形態に切り替わってしまうものの、即座にフルセグ再生形態に復帰してそれが維持されるようになる。また、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズに起因して受信品質(C/N)が瞬時的に低下して、ワンセグ再生形態に切り替わった後、受信品質(C/N)が回復して所定品質レベルThone-segを越えても、ワンセグ再生形態が維持され、フルセグ再生形態に切り替わるまでに所定時間To待たされてしまうということを防止することができる。
【0057】
車両が停止している状態は、車両がドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14を動作させ得る状態であるとみなし得ることを前提として、制御部31は、図3に示す手順に代えて、図8に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態とを切り替えることができる。なお、図8において、図3に示す処理ステップと同一の処理ステップには、同一の参照符号が付されている。
【0058】
この場合(図8参照)、弱階層のフルセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(フルセグ再生形態)が維持される状況において(S11でNO、S12)、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下に低下すると(S11でYES)、制御部31は、車両が停止しているか否かを判定する(S34)。車両が停止していなければ(S34でNO)、制御部31は、上記フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替えて(S14)、受信品質(C/N)の状況に応じて(S15)、ワンセグ再生形態の維持及びフルセグ再生形態への復帰の処理(S16〜S22)を行う。一方、制御部31は、車両が停止していると判定すると(S34でYES)、車両がドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14を動作させ得る状態であると判定し、ワンセグ再生形態に切り替えることなく(ワンセグ再生形態への切り替え禁止)、フルセグ再生形態を維持する(S12:再生形態切替禁止制御手段)。
【0059】
上述したように図8に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、車両が停車して、当該車両がドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14を動作させ得る状態にあるときには、受信品質が低下しても、フルセグ再生形態が維持され得るので、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14が実際に動作して、その動作ノイズに起因した瞬時的な受信品質の低下が発生した際に、フルセグ再生形態を維持することができる(図5参照)。仮に、車両が停車しているときに、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14が動作しなかった場合にも、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えていれば、フルセグ再生形態がそのまま維持される。
【0060】
制御部31は、図8に示す手順に代えて、図9に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態とを切り替えることができる。なお、図9において、図8に示す処理ステップと同一の処理ステップには、同一の参照符号が付されている。
【0061】
この場合(図9参照)、弱階層のフルセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(フルセグ再生形態)が維持される状況において(S11でNO、S12)、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下に低下したときに(S11でYES)、車両が停止中であると判定すると(S34でYES)、制御部31は、停車中フラグをオンさせ(S35)、強階層のワンセグ放送信号を用いた情報(映像、音声)の再生(ワンセグ再生形態)に切り替える(S14)。その後、制御部31は、受信品質(C/N)が、前記所定品質レベルThone-segを越えたと判定すると(S15でNO)、停車中フラグがオンであるか否かを判定する(S36)。ここで、停車中フラグがオンであると(S36でYES)、制御部31は、停車中フラグをオフにして(S37)、前記ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰させる(S22)。以後、フルセグ再生形態が維持される(S11でNO、S12)。
【0062】
上述したように図9に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、車両が停止して、当該車両が所定の機器を動作させ得る状態にあるときは、受信品質(C/N)が低下して所定品質レベルThone-segを下回って、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替わったとしても、その受信品質が回復して前記所定品質レベルThone-segを越えれば、前記ワンセグ再生形態から前記フルセグ再生形態への復帰が即座になされ得るので、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14が実際に動作して、その動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質の低下によって強階層の放送信号(ワンセグ放送信号)に基づいた情報の再生に切り替わってしまうものの、即座に弱階層の放送信号(フルセグ送信号)に基づいた情報の再生に復帰してそれが維持されるようになる(図7参照)。
【0063】
上述した各例(図3図6参照)では、ドアロック・アクチュエータ13の動作があったときに、フルセグ再生形態を維持させ(図3参照)、また、ワンセグ再生形態に切り替わっても即座にフルセグ再生形態に復帰させる(図6参照)ものであったが、これに限定されず、ドアミラー・アクチュエータ14等の動作ノイズが放送信号の受信環境に影響を与え得る他の電装品(機器)の動作の有無に応じてフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替え制御を行うようにすることができる。また、1つ(1種)の機器を対象にするだけではなく、複数の機器(複数種の機器)を対象とすることもできる。
【0064】
上述した各例(図8図9参照)では、車両が停止している状態を、車両がドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14等の機器(電装品)が動作させ得る状態としたが、これに限られず、例えば、車両が停止している状態から所定低速度での発進状態までを、車両がドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14等の機器(電装品)が動作させ得る状態とすることができる。
【0065】
なお、前述した各例では、図4に示すように、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えた状態が所定時間To維持されたときにワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰するものであったが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、受信品質(C/N)が第1品質レベルThone-seg以下となったとき(時刻t1)に、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替わり、受信品質(C/N)が、前記第1品質レベルThone-segより高い第2品質レベルThfull-segを越えたとき(時刻t3)に、ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に切り替えるようにしてもよい。この場合も、受信品質(C/N)がフルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替えるための基準である第1品質レベルTone-segを越える(時刻t2)と即座にフルセグ再生形態に復帰するのではなく、受信品質(C/N)が前記第1品質レベルThone-segを越えた状態がある期間Tx維持されるとワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に切り替わる。前記期間Txは、放送信号の受信環境により種々変わり得る。
【0066】
更に、車載用受信装置30における制御部31での前記フルセグ再生形態と前記ワンセグ再生形態との切り替えは、例えば、図11に示す手順に従ってなされ得る。
【0067】
この例では、前述した例(図6参照)と同様に、放送信号の受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えている状態で、フルセグ再生形態が維持される(S11でNO、S12)。そして、前記受信品質が、例えば、図12の時刻t1にて、所定品質レベルThone-seg以下になると(S11でYES)、ドアロック・アクチュエータ13が動作したか否かが判定される(S13)。ここで、ドアロック・アクチュエータ13が動作していない場合(S13でNO)、放送信号の受信環境が悪くなったとして、情報の再生が前記フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替えられる(S14)。そして、制御部31は、後述するドアロック・フラグがオンしていない(オフしている)ことを確認した(S32でNO)後、タイマTをスタートさせ(S41)、そのタイマTが一定時間Taに達したか否かを判定する(S42)。このタイマTが時間Taに達するまでの間では、前記放送信号の受信品質(C/N)に係らず、即ち、フルセグ再生形態での情報の再生が可能であるか否かに係らず、ワンセグ再生形態が維持される。
【0068】
前記ワンセグ再生形態が維持される状況において、例えば、図12の時刻t2にて、前記タイマTが一定時間Taに達すると(S42でYES)、制御部31は、再び、受信される放送信号の受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-sgeを越えているか否かを判定する(S43)。そして、例えば、図12の時刻t3にて、前記放送信号の受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segを越えると(S43でYES)、制御部31は、前記タイマTをリセットして(S44)、ワンセグ再生形態の情報の再生からフルセグ情報の再生に復帰させる(S22)。以後、前記所定品質レベルThone-segを越える放送信号の受信品質(C/N)が維持されているかぎり、継続してフルセグ再生形態にて情報(映像、音声)の再生がなされる。そして、放送信号の受信品質(C/N)が前記所定品質レベルThone-seg以下に低下する毎に、ワンセグ再生形態に切り替えられて前述した処理(S14、S32、S41〜S45)が実行される。
【0069】
一方、フルセグ再生形態が維持される状況(S11でNO、S12)において、放送信号の受信品質が所定品質レベルThone-seg以下に低下する(S11でYES)と、ドアロック・アクチュエータ13が動作している(S13でYES)と、制御部31は、ドアロック・フラグをオンさせ(S31)、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替える(S14)。その後、制御部31は、ドアロック・フラグがオンしていることを確認して(S32でYES)、該ドアロック・フラグをオフにした(S33)後に、前記ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰させる(S22)。以後、フルセグ再生形態が維持される(S11でNO、S12)。
【0070】
述したように図11に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、ドアロック・アクチュエータ13の動作があったときには、前述した例(図6参照)と同様に、例えば、図7に示すように、受信品質(C/N)が低下して所定品質レベルThone-segを下回って、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替わったとしても、前記フルセグ再生形態から前記ワンセグ再生形態に切り替えられた後一定時間Ta(図12参照)を待つことなく、その受信品質(C/N)が回復して前記所定品質レベルThone-segを越えれば、ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態への復帰が即座になされ得るので、ドアロック・アクチュエータ13の動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質(C/N)の低下によってワンセグ再生形態に切り替わってしまうものの、即座にフルセグ再生形態に復帰してそれが維持されるようになる。
【0071】
更に、制御部31は、図11に示す手順に代えて、図13に示す手順に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態とを切り替えることができる。なお、図13において、図11に示す処理ステップと同一の処理ステップには、同一の参照符号が付されている。
【0072】
この場合(図13参照)、通常、放送信号の受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-segまで低下したときにフルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替えられ(S14)、その切り替えタイミングから一定時間Ta、受信品質に係らずワンセグ再生形態を維持した後、受信品質が前記所定品質レベルThone-segを越えたときに、ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰される(S41〜S44、S22、図12参照)。一方、フルセグ再生形態が維持される状況において(S11でNO、S12)、受信品質(C/N)が所定品質レベルThone-seg以下に低下したときに(S11でYES)、車両が停止中であると判定すると(S34でYES)、図9に示す例と同様に、制御部31は、停車中フラグをオンさせ(S35)、ワンセグ再生形態に切り替える(S14)。その後、制御部31は、停車中フラグがオンしていることを確認して(S36でYES)、該停車中フラグをオフにした(S37)後に、前記ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態に復帰させる(S22)。以後、フルセグ再生形態が維持される(S11でNO、S12)。
【0073】
前述したように図13に示す手順に従ってフルセグ再生形態とワンセグ再生形態との切り替えがなされる車載用受信装置30によれば、車両が停止して、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14を動作させ得る状態にあるときは、
前述した例(図9参照)と同様に、受信品質(C/N)が低下して所定品質レベルThone-segを下回って、フルセグ再生形態からワンセグ再生形態に切り替わったとしても、前記フルセグ再生形態から前記ワンセグ再生形態に切り替えられた後一定時間Ta(図13参照)を待つことなく、その受信品質(C/N)が回復して前記所定品質レベルThone-segを越えれば、ワンセグ再生形態からフルセグ再生形態への復帰が即座になされ得るので、ドアロック・アクチュエータ13やドアミラー・アクチュエータ14が実際に動作して、その動作ノイズに起因した瞬間的な受信品質の低下によってワンセグ再生形態に切り替わってしまうものの、即座にフルセグ再生形態に復帰してそれが維持されるようになる(図7参照)。

【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の車載用受信装置は、車両に搭載された機器の動作によって瞬時的なノイズが発生した際に、できるだけ弱階層の放送信号に基づいた情報の再生を維持することができるという効果を有し、地上デジタル放送のように、階層伝送によりデジタル放送される、弱階層の第1放送信号と強階層の第2放送信号とを含む放送信号を受信部にて受信し、該受信部にて受信された前記第1放送信号及び前記第2放送信号のいずれかに基づいて情報を再生する車載用受信装置として有用である。
【符号の説明】
【0075】
30 車載用受信装置(地上デジタル放送受信装置)
31 制御部
32a、32b、32c、32d チューナ部
33 切替部
34a 第1のOFDM復調部
34b 第2のOFDM復調部
35 デコーダ
36 表示処理部
37 デジタル/アナログ変換器(D/A変換器)
40 センタユニット
41 表示装置
42 操作部
図1
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図13