【実施例1】
【0023】
図1は本発明の実施例1に関わる風力発電装置を示す図、
図2は本発明の実施例1に関わる制御ブロック構成の一例を示す図、
図3は本発明の実施例1に関わる制御ブロック構成の一例を示す図である。
【0024】
図1において、風力発電装置は、風車1と、発電機2と、整流器3と、フィルタコンデンサ4と、系統インバータ5と、交流リアクトル6と、交流コンデンサ7と、商用系統開放接触器8と、回転センサ11と、電圧センサ12〜15及び18〜19と、電流センサ16及び17と、制御部71とを備える。
【0025】
整流器3は、ダイオード21〜26を備えて構成される。ダイオード21、22は直列接続し整流器3のR相アームを構成し、ダイオード23、24は直列接続し整流器3のS相アームを構成し、ダイオード25、26は直列接続し整流器3のT相アームを構成している。これらにより、発電機2の交流発電出力を直流に変換する。
【0026】
フィルタコンデンサ4は、整流器3で変換した直流を平滑する。
【0027】
系統インバータ5は、スイッチング素子27〜32と、それぞれのスイッチング素子27〜32に逆並列接続されるフリーホイールダイオード33〜38とを備えて構成される。スイッチング素子27、28は直列接続しインバータ5のU相アームを構成し、スイッチング素子29、30は直列接続しインバータ5のV相アームを構成し、スイッチング素子31、32は直列接続しインバータ5のW相アームを構成している。各相の位相が互いに120度ずつずれるようにスイッチング素子27〜32をオン・オフして制御することにより、系統インバータ5の出力側に接続された商用系統に交流を出力する。
【0028】
交流リアクトル6と交流コンデンサ7は、交流フィルタを構成し、系統インバータ5が出力する矩形波状の電圧を正弦波に変換する。
【0029】
商用系統開放接触器8は、交流リアクトル6を通した交流出力を連係する商用系統に対して、開放・釈放を行う。
【0030】
回転センサ11は、発電機2の回転数Ngを検出する。
【0031】
電圧センサ12は、フィルタコンデンサ4に印加されている電圧Vcを検出する。
【0032】
電圧センサ13〜15は、交流リアクトル6の出力側に印加されている3相出力電圧Vu、Vv、Vwを検出する。
【0033】
電流センサ16及び17は、商用系統に出力する3相出力電流Iu、Iwを検出する。
【0034】
電圧センサ18及び19は、商用系統の系統電圧VLu、VLvを検出する。
【0035】
制御部71は、回転センサ11、電圧センサ12〜15、電流センサ16及び17、電圧センサ18及び19から値を入力し、系統インバータ5のスイッチング素子に対してゲート信号Gup、Gun、Gvp、Gvn、Gwp、Gwnを出力する。
【0036】
図2は、制御部71の構成を示しており、制御部71は、出力電力指令演算部72Aと、出力電圧実効値演算部73と、除算器74と、系統電圧位相演算部75と、3相電圧指令演算部76Aと、ゲート信号生成部77とを備える。
【0037】
出力電力指令演算部72Aは、発電機回転数Ngに基づき、系統インバータ5が商用系統に出力する出力電力指令Pout*を演算する。
【0038】
出力電圧実効値演算部73は、3相出力電圧Vu、Vv、Vwに基づき、出力電圧実効値Voutを演算する。
【0039】
除算器74は、出力電力指令Pout*を出力電圧実効値Voutで除算し、出力電流指令Iout*を演算する。
【0040】
系統電圧位相演算部75は、系統電圧VLu、VLvに基づき、PLL演算(Phase
Locked Loop;位相同期演算)を行い、系統電圧の位相θを演算する。
【0041】
3相電圧指令演算部76Aは、3相出力電流Iu、Iwと、系統電圧位相θと、出力電流指令Iout*に基づき、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を演算する。
【0042】
ゲート信号生成部77は、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*と、キャリア信号と、電圧Vcに基づき、ゲート信号を生成する。例えば、キャリア信号を三角波とし、電圧指令とキャリア信号を比較する三角波比較方式を使用する。このゲート信号は、系統インバータ5のスイッチング素子をオン、オフする。
【0043】
図3は、3相電圧指令演算部76Aの構成を示しており、3相電圧指令演算部76Aは、3相―dq座標変換部81と、電流指令生成部82Aと、減算部83及び84と、PI制御部85及び86と、dq座標―3相変換部87とを備える。
【0044】
3相−dq座標変換部81は、3相出力電流Iu、Iwと、系統電圧位相θに基づき、dq座標に対する電流Id、Iqに変換する。
【0045】
電流指令生成部82Aは、出力電流指令Iout*に基づき、dq座標に対する電流指令Id*、Iq* に変換する。
【0046】
減算器83は、電流指令Id*から電流Idを減算し、ΔIdを出力する。
【0047】
減算器84は、電流指令Iq*から電流Iqを減算し、ΔIqを出力する。
【0048】
PI制御部85は、ΔIdに基づき、PI演算を行い、電圧指令Vd*を出力する。
【0049】
PI制御部86は、ΔIqに基づき、PI演算を行い、電圧指令Vq*を出力する。
【0050】
dq座標−3相変換部87は、電圧指令Vd*、Vq*と、系統電圧位相θに基づき、3相座標に対する3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
【実施例2】
【0051】
図5は、本発明の実施例2に関わる風力発電装置を示す図、
図6は本発明の実施例2に関わる制御ブロック構成の一例を示す図である。本実施形態は、実施例1において、
3相電圧指令演算部76Aに外部からの力率指令φをさらに入力するもので、72A、73〜75、77、81、83〜87は、
図2、
図3と同じである。力率を固定では無く、可変にすることにより、商用系統側の電圧上昇等を防ぐことができる。
【0052】
3相電圧指令演算部76Bは、3相出力電流Iu、Iwと、系統電圧位相θと、出力電流指令Iout*と、力率指令φに基づき、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を演算する。
【0053】
電流指令生成部82Bは、出力電流指令Iout*と、力率指令φに基づき、dq座標に対する電流指令Id*、Iq* に変換する。