特許第6021152号(P6021152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021152
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】USBメモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20161027BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   G06F3/00 Z
   G06F13/38 350
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-550561(P2012-550561)
(86)(22)【出願日】2011年2月1日
(65)【公表番号】特表2013-527509(P2013-527509A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】IB2011050440
(87)【国際公開番号】WO2011092676
(87)【国際公開日】20110804
【審査請求日】2014年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】512197858
【氏名又は名称】ハーシュラー,イスラエル
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュラー,イスラエル
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−113670(JP,A)
【文献】 特開2009−134740(JP,A)
【文献】 特開2000−209238(JP,A)
【文献】 特開2002−288112(JP,A)
【文献】 特開2006−114987(JP,A)
【文献】 米国特許第7660938(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0059700(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012223933(DE,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第2891381(FR,A1)
【文献】 国際公開第2006/084062(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/003174(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0019224(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0052439(US,A1)
【文献】 米国特許第6763408(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一つのオスのUSBコネクタと、
(b)オスのUSBコネクタとは互いにデータ通信をしない、一つのメスのUSBコネクタと、
(c)ファイルデータを保存する一つのフラッシュメモリチップと、
(d)フラッシュメモリチップとの間のデータの移動を管理するために、及びフラッシュメモリチップ内の部分間でのファイルデータの移動及び保存を管理するために、フラッシュメモリチップに動作可能に繋がれた一つのコンピュータプロセッサと、および
(e)コンピュータプロセッサに動作可能に繋がれるとともに、1回のスイッチ操作によって、オスのUSBコネクタ又はメスのUSBコネクタのうちの1つとコンピュータプロセッサとの間で双方向データ通信リンクを確立するためにコンピュータプロセッサによって作動することができる、一つの切換スイッチであって、コンピュータプロセッサがオスのUSBコネクタとメスのUSBコネクタのうちの1つに繋がれるとき、リンクしているオス又はメスのUSBコネクタとコンピュータプロセッサとの間のデータ通信リンクを維持し、その後のスイッチ操作によって、コンピュータプロセッサと、リンクしていない他方のオス又はメスのUSBコネクタとの接続に切り換える一つの切換スイッチ、
を含むことを特徴とするフラッシュメモリドライブ。
【請求項2】
コンピュータプロセッサが、フラッシュメモリチップの一部分からフラッシュメモリチップの別の部品にファイルデータをコピーするためのソフトウエアを含むことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリドライブ。
【請求項3】
コンピュータプロセッサが、フラッシュメモリチップに保存されたファイルデータ中の問題のあるファイルおよびウイルスをチェックするためのウイルス対策ソフトウエアを含むことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリドライブ。
【請求項4】
ファイルデータがフラッシュメモリチップに移されている間に、またはフラッシュメモリチップから移されている間に、ウイルス対策ソフトウエアがファイルデータ中の問題のあるファイルおよびウイルスをチェックするために動作可能であることを特徴とする請求項3に記載のフラッシュメモリドライブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、情報記憶デバイスに関し、より具体的には、しかし排他的にではなく、携帯用フラッシュメモリドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
1つのコンピュータにある選択されたファイルを、別のコンピュータに移動させるために、携帯用デバイスに保存する必要があることは、ビジネスおよび私生活の両方のコンピュータユーザにとって共通のことである。いくつかの例としては、オフィスから仕事のファイルを、家でその仕事を続けるために持っていくこと、同僚や友人にファイルを持っていくこと、または重要なファイルのバックアップを取ることが挙げられる。
【0003】
この数年にわたってコンピュータのディスクおよびファイルのサイズが増加したのにつれて、一般的なファイル保存デバイスのフォーマットが変わった。例えば、フロッピーディスクは、その限定された記憶容量のためもはや用いられなくなった。フラッシュメモリドライブは、その大容量およびコンパクトなフォームファクタ(form factor)のため、一般的な記憶媒体になった。フラッシュドライブは、動力(power)なしでデータを保持または保存することができる一種のメモリである。それ故、フラッシュメモリドライブは、ローカルバッテリーや電源を必要としないという利点を有し、バッテリーの交換または充電に対する懸念なく、データを長期の間保存することができる。フラッシュドライブは多くの形態で利用可能で、32または64Gbなどの比較的大きなデータ容量を保持することができる。
【0004】
フラッシュメモリドライブは、通常、オスのUSBコネクタを有しており、コンピュータに標準であるメスのUSBコネクタに接続される。接続されると、コンピュータはデバイスを認識し、ユーザーは、デバイスから選択されたファイルを読むように、及び/又はコンピュータからデバイスへデータを書き込むように、コンピュータに命じることができる。
従って、ユーザーがフラッシュメモリドライブについての情報を有しており、友達またはビジネスの同僚のフラッシュメモリドライブなどの別のフラッシュメモリドライブにそれを移動したければ、彼または彼女は、最初にコンピュータにそれをつなぎ、コンピュータにその情報を移さなければならない。その後、第1のデバイスを取り除き、第2のデバイスを繋ぐ。次に、コンピュータは、第2のデバイスに情報を書き込むように命じられる。最後に、多くの場合では、コンピュータに一時的に保存された情報は消される場合があるかもしれない。このプロセスは、面倒で不便である。さらに、データが機密である場合、第三者のコンピュータを使用することは危険かもしれない。別の可能性は、コンピュータが利用可能な2つのUSBポートを有するならば、2つのUSBデバイスを同時につなぐことができ、コンピュータは、コンピュータのローカルハードドライブにデータを保存する必要なく、移動を達成することができる。データが機密であるならば、この手順は依然として危険かもしれないし、それがホストコンピュータに行なうことを要求するという点で依然として不便である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によると、
(a)オスのUSBコネクタ;
(b)メスのUSBコネクタ;
(c)ファイルデータを保存するフラッシュメモリチップ;
(d)フラッシュメモリチップ間のデータの移動を管理するために、フラッシュメモリチップに動作可能に繋がれたコンピュータプロセッサ;および
(e)オスのUSBコネクタとメスのUSBコネクタのうちの1つにコンピュータプロセッサを繋ぐために、コンピュータプロセッサに動作可能に繋がれた切換スイッチ;
を含むフラッシュメモリドライブが提供され、ここで、切換スイッチがオスのUSBコネクタとメスのUSBコネクタのうちの1つに繋がれるとき、オスのUSBコネクタとメスのUSBコネクタの間にデータ通信リンクはない。
【0006】
本発明の別の態様によると、コンピュータプロセッサが、フラッシュメモリチップの一部分からフラッシュメモリチップの別の部品にファイルデータをコピーするためのソフトウエアを含むフラッシュメモリドライブが提供される。
【0007】
本発明のさらに別の態様によると、コンピュータプロセッサが、フラッシュメモリチップに保存されたファイルデータ中の問題のあるファイルおよびウイルスをチェックするためのウイルス対策ソフトウエアを含むフラッシュメモリドライブが提供される。
【0008】
本発明のさらなる別の態様によると、ファイルデータがフラッシュメモリチップに移されている間に、またはフラッシュメモリチップから移されている間に、ウイルス対策ソフトウエアがファイルデータ中の問題のあるファイルおよびウイルスをチェックするために動作可能であるフラッシュメモリドライブが提供される。
【0009】
さらに、本発明のさらなるこれらの及び/又は他の態様及び/又は利点は、以下に続く詳細な記載において示され、詳細な記載から推論され得、及び/又は本発明の実施によって学ぶことができる。
【0010】
本発明は、以下の図面と共に以下の詳細な説明から、さらに理解され認識される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の1つの実施形態と一致するUSBメモリデバイスの斜視図である。
図2図2は、1つの実施形態と一致するUSBメモリデバイスの別の実施形態の斜視図であり、デバイスは、別々のUSBメモリデバイスと繋がれていることを示す。
図3図3は、図1および図2のUSBメモリデバイスのハードウエア構成要素のブロック図である。
図4図4は、図1および図2のUSBメモリデバイスを動かすソフトウエアプログラムの一部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、本発明の実施形態が詳細に言及され、その実施例は、添付の図面で示され、そこでは、同じ参照数字は、同じ要素を言及する。図を参照して、本発明を説明するために、以下に実施形態が記載される。
【0013】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る携帯用USBフラッシュメモリドライブまたはデバイス(10)を示す。デバイス(10)は、対向する端にあるオスのUSBコネクタ(12)およびメスのUSBコネクタ(14)を含む。説明目的のために、オスのUSBコネクタ(12)は覆いが取られた状態で示される。取り外し可能なキャップ(この図には示されていない)は、このコネクタを覆うために随意に提供され得る。メモリデバイス(10)は、さらにハウジングまたはケース(16)、ディスプレイ(18)およびオプショナルの制御ボタンまたはプッシュボタン(20)を含む。示された実施形態には、3つのプッシュキーまたはボタン:「ok」または「return」ボタン(20a)、「down」ボタン(20b)および「up」ボタン(20c)、がある。
【0014】
以下に続く記載および請求項に使用されるように、用語「USBメモリ」、「USBフラッシュメモリドライブ」及び/又は「USBフラッシュメモリデバイス」は、下記の1つ以上を意味することを意図する:「disk on key」、USBフラッシュドライブ、メモリスティックまたはUSBポートを有するインターフェースを備える類似したデバイス。さらに、その用語は、上に記載したものに実質的に類似しているフォームファクタを備えた任意のデバイスを意味することが意図される。
【0015】
図2は、USBメモリデバイス(10)の別の実施形態を示す。この実施形態では、ディスプレイ(18)およびプッシュボタン(20)の大きさおよび配置が、図1の実施形態の大きさおよび配置と異なり、オスのUSBコネクタ(12)のためのキャップ(22)が示されている。さらに、メモリカード(26)を入れるように構成されたメモリカードスロット(24)が示される。メモリカードスロットとカードは、例えばSDまたはマイクロSDなどの標準的な使用における任意の型に対応し得る。メモリカードスロット(24)はまた、1を超える型のメモリカードを許容するように構成されていてもよい。
【0016】
図2はまた、メモリデバイス(10)に連結される工程における、それ自身のオスのUSBコネクタ(30)を有する別のUSBメモリデバイス(28)を示す。矢印(32)によって示されるように、デバイスは、デバイス(28)のオスのコネクタ(30)を、デバイス(10)のメスのUSBコネクタ(14)に滑り込ませるかまたは押し入れることによって連結されることがある。デバイス(28)は、限定されないが、下記のいずれかであり得る:従来のUSBフラッシュメモリデバイス、USBフラッシュメモリデバイスに繋がれたUSBハブ、または本発明の別のUSBメモリデバイス(10)。
【0017】
以下に非常により詳細に記載されるように、USBメモリデバイス(10)は、ハードウエアおよびスレーブかホストのいずれかとして、2つの様式で動作することを可能にするデバイスソフトウエアを含む。オスのUSBコネクタ(12)がホストコンピュータまたは類似したデバイスのメスのUSBコネクタへ挿入されるとき、メモリデバイス(10)はスレーブとして動作する。その様式において、メモリデバイス(10)は、ホストコンピュータの制御の下で、選択されたデータファイルをホストコンピュータに移動させ、またはホストコンピュータから選択されたデータファイルを受け取り保存する。ホストとして動作するとき、メモリデバイス(10)によって、ユーザーはデバイス(10)内に保存したデータのファイルおよびフォルダを管理することができる。さらに、別のメモリデバイス(28)がメスのUSBコネクタ(14)を介して付けられるとき、デバイス(10)のユーザーは、デバイス(28)に保存されたファイルまたはフォルダを管理することができ、および2つのデバイス間で選択されたデータファイルを移すことができる。これは、例えば、デバイス(10)からデバイス(28)にファイルをコピーする、またはデバイス(28)からデバイス(10)にファイルをコピーすることを含む。
【0018】
図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る、デバイスの機能動作に寄与するメモリデバイス(10)のメインハードウエア構成要素を示すブロック図である。示されるように、CPUまたはプロセッサ(32)、パワーオン/オフ制御部(34)、フラッシュメモリ(36)、パワーシステム(38)および切換スイッチ(40)がある。また図に示されるように、オスのUSBコネクタ(12)、メスのUSBコネクタ(14)、ディスプレイ(18)、および制御ボタンまたはプッシュボタン(20)がある。
【0019】
CPU(32)は、デバイス(10)の操作を行うために適切なソフトウエアを実行する、内部プロセッサまたはデバイスコントローラである。CPU(32)は、ソフトウエアを保存するためのラムとフラッシュメモリ、メモリインタフェースとしての内部SPIバス、またはNANDインターフェースのような具体的なメモリインタフェース、キーおよび制御部のための入出力ポート、ウォッチドッグタイマー、RTC(リアルタイムクロックカレンダー)、およびUSBの周辺デバイスおよびデバイスのための適切なインターフェースを含む。USBインターフェースは、スレーブ、ホスト、およびOTG機能を有する。適切なCPUの例は、プロセッサのARM LPC17ファミリーからの32ビットのプロセッサである。
【0020】
内蔵のソフトウエアは、標準であるか、またはデバイス用にカスタマイズされているオペレーティングシステムである。ソフトウエアは、FAT(ファイルアロケーションテーブル)ファイルシステム、または同様の低レベルオペレーティングシステムであってもよい。このタイプのソフトウエアは、内部のローメモリデバイス(raw memory device)の内部のデータを管理するために機能し、ファイルを保存するのにそのデバイスを使用可能にする。このソフトウエアは、外部記憶デバイスからデータをコピーしたり、移したり、受け取ったり、消したりすることを可能にし、外部的に取り付けたメモリデバイスの自動認識および表示を可能にする。さらなるソフトウエア機能は以下に議論される。
【0021】
パワーオン/オフ制御部(34)は、デバイス(10)の機能をオンおよびオフにするという機能を管理するように設計されている、プログラマブルロジック、プロセッサまたはCPUデバイスから造られた、パワーマネージメントデバイスである。図3に示されるように、それは、コントロールキー(20)、デバイス(44)、電源(46)およびCPU(32)に繋がれる。より具体的には、制御部(34)は、ライン(50)上で、バッテリー(44)に常に繋がれ、バッテリーから、動力の絶え間ない供給を受け取る。制御部(34)によって消費される動力の量は非常に少ない。制御部(34)はまた、ライン(52)を通じて、電源(46)の3.3ボルトの出力を制御する。
【0022】
制御部(34)は、常にキー(20)の状態をチェックしている。制御部は、任意のキー(20)が押され、前もって定められた時間の間押されているとき、デバイス(10)をオンまたはオフするようにプログラムされる。幾つかの実施形態において、デバイス(10)は、キーが0.5秒のような比較的短時間の間押されている時にオンにされ、3秒またはそれ以上のような比較的長時間の間押されている時オフにされる。ターンオンとターンオフのための他の持続時間が適切なものとして選択され得る。パワーオン/オフ制御部はまた、デバイス(10)をオフにするという要求などの信号を、ライン(56)上で、メインCPUから得る。
【0023】
フラッシュメモリ(36)は動力なしでデータを保存することができる任意の型のメモリであり得る。メモリは、ソケットを備えた、またはソケットを備えない、チップ、ダイまたはSDのマイクロ様式などの他のパッケージであり得る。示されるように、フラッシュメモリ(36)およびパワーオン/オフ制御部(34)の両方は、CPU(32)に動作可能に繋がれる。フラッシュメモリ(36)は、32または64Gbなどの任意の容量を有してもよい。
【0024】
パワーシステム(38)は、充電器(42)、再充電バッテリー(44)および電源(46)を含む。パワーシステムは、オスのUSBコネクタ(12)がそのような動力を供給する外部コンピュータまたはデバイスに繋がれるときに、外部コンピュータUSBポートから動力5ボルトを受け取り、かつバッテリー(44)を充電するためにその動力を使用するように構成される。デバイス(10)がスレーブ様式で動作しているときだけでなく、デバイス(10)がホストとして動作しているときも、デバイス(10)が、オスのUSBコネクタ(12)を通じて外部動力を供給するデバイスに繋がれるならば、その時、パワーシステム(38)はこの機能を行なう。
【0025】
デバイスは、リチウムイオン、リチウムポリマーまたは電子デバイスで使用するのに適した類似したタイプであってもよい。示されるように、バッテリー(44)は電源(46)に繋がれ、2つの出力電圧、+3.3ボルトおよび+5ボルトを提供するために入力電源を処理する。3.3ボルトの出力は、メモリ(36)から読み出す、またはメモリ(36)に書き込むために、CPU(32)およびメモリ(36)のようなデバイス(10)の内部構成要素に動力を供給する。+5ボルトの出力は、電流制限されており、メスのUSBコネクタ(14)に繋がれた外部デバイスに動力またはサポートを提供する。図3において、記号「(H)」は、デバイス(10)がホストとして動作し、およびメスのUSBコネクタ(14)に付けられた外部のUSBデバイスに対する動力を供給する際の使用されるための+5ボルトの動力を示す。言及されたように、パワーオン/オフ制御部(34)は、バッテリー(44)からの動力に常に繋がれるが、一方、動力をほとんど消費しない。
【0026】
切換スイッチ(40)は、オスのUSBコネクタ(12)またはメスのUSBコネクタ(14)のいずれかにCPU(32)を繋ぐデバイス(10)の内部のスイッチである。切換スイッチ(40)は、図3に示されるように、ポールポジション(47)および(48)を備える。示されるように、切換スイッチ(40)がポールポジション(47)にある時、切換スイッチ(40)は、オスのUSBコネクタ(12)に連結され、切換スイッチ(40)がポールポジション(48)にある時、メスのUSBコネクタ(14)に連結される。切換スイッチ(40)は、好ましくは、二極双投(DPDT)スイッチまたは類似したタイプなどのソフトウエアに制御された電子スイッチである。
【0027】
切換スイッチ(40)の使用を通じて、デバイス(10)は、それがUSBハブとして動作しないように構成される。より具体的には、CPU(32)がオスのUSBコネクタ(12)を通じて外部デバイスと通信しているとき、メスのUSBコネクタ(14)に繋がれる得る任意のデバイスと通信しないように、デバイス(10)は構成される。同様に、スイッチがポールポジション(48)にあり、CPU(32)が、メスのUSBコネクタ(14)に付けられた外部デバイスと通信しているとき、オスのUSBコネクタ(12)に付けられ得る任意の外部デバイスとの通信はない。より明確には、後者の場合、上に言及されるように、オスのUSBコネクタ(12)に付けられた外部デバイスとのデータ通信がない間、デバイス(10)は、オスのUSBコネクタ(12)に付けられた外部デバイスから充電器(42)に対する動力を依然として受け取ることができる。
【0028】
スイッチ(40)は電子的であって、機械的ではないので、デバイス(10)がオフにされると、スイッチもオフにされる。さらに以下に記載されるように、デバイス(10)がスレーブとして動作している時、スイッチはポールポジション(47)に向けられ、デバイス(10)がホストまたはマスターとして動作している時、ポールポジション(48)にある。
【0029】
技術変化として、上記の構成要素のうちのいくつかがCPU(32)へ統合されるかもしれないことが認識されるだろう。これらの構成要素は、例えば、パワーオン/オフ制御部(34)、充電器(42)、スイッチ(40)、及び/又はタッチスクリーン制御部を含み得る。CPU(32)はまた、2つの異なるUSBポートを備え得る。
【0030】
ディスプレイ(18)は、CPU(32)との使用に適している任意の型の低消費電力ディスプレイまたはスクリーンであり得る。ディスプレイはパッシブ型(周辺光によって見ることができる)であり得る。あるいは、ディスプレイ(18)は、アクティブ型(内部バックライトを提供し、暗室で、または夜に適宜見ることができる)であり得る。ディスプレイの型の例は、液晶(LCD)または有機LED(OLED)である。OLED型は、画像およびより大きな可視性を作り出す際に、より大きな柔軟性という、LCDに勝る利点を有する。ディスプレイは、通常、情報の1−3行を示すための大きさであるが、適切なときは、より多くの行が示され得る。ディスプレイ(18)は、通常、限定されないが、ファイル管理、接続しているデバイスの識別およびメモリ状態のようなユーザーインターフェイス情報を提供する。
【0031】
キーまたはボタン(20)は、ユーザーがデバイス(10)を操作することを可能にするために、すなわち、ユーザーインターフェースとして提供される。提供される機能は、限定されないが、デバイスを作動させることおよびデバイスをオフにすること、スクリーン上に現れる選択肢を選択するための「move up」または「move down」、および所望の選択を示す「ok」を含む。幾つかの実施形態では、ディスプレイ(18)はタッチスクリーンであり得、up/downボタン(20b)および(20c)は、スクリーン上の仮想ボタンかもしれない。入力キー機能は、スクリーン上で実施することができる場合もあり、その結果、物理的なボタン(20a)は、オン/オフキーのみとして使用されるだろう。
【0032】
上論されるように、USBフラッシュメモリデバイス(10)は2つの主要な機能を有する。デバイス(10)は、パッシブデバイスとして作動することがあり、その場合、デバイスは、ホストコンピュータから動力と信号制御を受け取る一般的なUSBフラッシュメモリまたはドライブである。あるいは、デバイス(10)は、アクティブデバイスとして機能することがあり、独立のホストまたはマスターとして動く。この様式では、デバイス(10)は、ホストコンピュータの動きをシミュレートし、それによって、デバイス(10)が、パッシブUSBフラッシュメモリデバイスのような外部デバイスを動作作することを可能にし、また、デバイス(10)それ自体に保存したデータを管理することを可能にする。
【0033】
図3に関連して、デバイス(10)がオフにされるとき、パワーオン/オフ制御部(34)は、アクティブなままであり、任意のキーが押され、必要な最小限の長さの時間の間、押されているかどうかを検出するために、ユーザーキー(20)を頻繁にスキャンする。
【0034】
デバイス(10)がオフで、オスのUSBコネクタ(12)を通じてホストコンピュータに繋がれれば、デバイス(10)は外部デバイスのUSBバスから+5ボルトの動力を受け取る。これは充電器(42)に動力を満たす。このポートに受け取られた5ボルトの信号は、動力がオスのUSBコネクタ(12)を通じて受け取られていることを、ライン(58)を通じてCPU(32)に示す。CPU(32)は、オスのUSBコネクタ(12)に接続するために、ポールポジション(47)に切換スイッチ(40)をセットすることによりスレーブ様式を作動させる。図3において、記号「D+」および「D−」は、USB規格信号を示す。随意に、CPU(32)は、ディスプレイ(18)上に「コンピュータに繋がれた」のような言葉を示すことにより、ユーザーに対してこの接続状態を示すことができる。
【0035】
ユーザーがコンピュータUSBポートにデバイス(10)を挿入し、次に、必要な時間の間、キー(20)を押し続けておくことによってデバイス(10)をオンにすれば、デバイスはコンピュータから最初に+5ボルトを受け取っているので、デバイスはスレーブ様式で作動する。スレーブ様式にある時、デバイス(10)は、ホストコンピュータのUSBネットワーク上にあり、他のフラッシュメモリデバイスのように作動する。言及されるように、外部コンピュータはコントロールされており、メモリ(36)内のデータを保存するために、およびメモリ(36)からコンピュータにデータを送るために、CPU(32)に対するコマンドを発する。
【0036】
ホストまたはマスターとして動作するために、ユーザーは必要な時間の間、任意のキー(20)を押し続けておくことによりデバイス(10)をオンにし、一方、デバイス(10)はメスのUSBコネクタ(14)で外部デバイスに繋がれるか、オスのコネクタ(12)またはメスのコネクタ(14)のいずれかにも繋がれない。より具体的には、デバイス(10)がオンにされるとき、デバイス(10)がオスのUSBコネクタ(12)に繋がれなければ、デバイス(10)はホスト様式へ入る。
【0037】
図3に関して、キー(20)を必要な時間の間押すことで、パワーオン/オフ制御部(34)は、CPU(32)にこの動作が生じたと伝える。CPU(32)は、ホストからの5ボルトの信号が検出されたことをチェックし、デバイス(10)がホスト様式になったことを知る。CPU(32)は、切換スイッチ(40)をポールポジション(48)に設定し、メスのUSBコネクタ(14)とのデータ通信、およびそのポートに接続された外部のUSBデバイスとのデータ通信を確立する。CPU(32)はまた、メスのUSBコネクタ(14)に接続しているスレーブUSBデバイスに、ホストとして+5ボルトの動力を与えるために、スイッチ(54)を介して内部+5ボルトの電源を作動させる。デバイスがオンにされたときに、メスのUSBコネクタ(14)に接続している外部デバイスがなければ、その時は、そのコネクタを通じて電流は流れない。外部デバイスが繋がれるとすぐに、電流または動力が流れる。
【0038】
ホストまたはマスター様式では、内蔵のソフトウエアを実行するCPU(32)は、ホストコンピュータをシミュレートする。特に、CPU(32)は、内蔵のフラッシュメモリ(36)に保存された内部データを管理することができるのと同様に、メスのUSBコネクタ(14)に繋がれた外部のUSBデバイス内でのデータを管理することができる。データの管理は、限定されないが、ファイルまたはフォルダの検索(browsing)、観覧(viewing)、削除(deleting)、移動(moving)、およびコピー(coping)を含む。デバイス(10)のデータ転送および返答時間は、ホストコンピュータのものとほぼ同様である。
【0039】
デバイス(10)がホスト様式で動作される間に、オスのUSBコネクタ(12)でホストコンピュータに繋がれれば、デバイス(10)は充電されるが、スレーブ様式に変わらない。スレーブ様式に変わるためには、デバイス(10)がオフにされ、そしてホストコンピュータに繋がれなければならない。
【0040】
上に言及されるように、USBフラッシュメモリデバイス(10)はUSBハブとして作動せず、オスのUSBコネクタ(12)に繋がれたコンピュータと通信する間、メスのUSBコネクタ(14)に繋がれた任意のデバイスとの通信を可能としない。従って、スレーブ様式である間、デバイス(10)は外部コンピュータのUSBネットワーク上の端末(station)になるが、メスのUSBコネクタ(14)に繋がれたデバイスは、そのUSBネットワーク上にない。より具体的には、デバイス(10)は、その動作の中でハブロジックまたはハブチップを使用しない。むしろ、本発明者のデバイス(10)は、それがハブを必要としないでスレーブデバイスまたはホストデバイスとして動くことを可能にする、適切なハードウエアおよびソフトウエアを含む。デバイス(10)は、そのデータ転送動作を行なうために、低レベルの信号伝達層(signaling layer)、ハードウエアおよびソフトウエアを使用すると言われているかもしれない。
【0041】
CPU(32)上で提供されるソフトウエアは、様々なソフトウエアの機能および特徴を提供する。オペレーティングシステムは、限定されないが、FAT、FAT32およびNTFSファイルシステムを含む、異なるファイルシステムに対するサポートを含む。これらのファイルシステムの下では、任意の種類のデータファイルがサポートされ得る。さらに、ソフトウエアは、USBフラッシュメモリと同様に、SDまたはマイクロSDのカードなどのメモリカードに包含されるメモリを識別することができる。
【0042】
ソフトウエアは、グラフィックユーザーインターフェースを管理し、ファイルおよびフォルダ内に組織化されたデータを管理するために多くの機能を提供する。これらの機能は、以下のものを含むが、これらに限定されない:フォルダを開くこと、任意の1つのフォルダまたはファイル、または全てのフォルダまたはファイルを含む選択されたフォルダまたはファイルの任意の群に印をつけることおよび印を消すこと。同様に、任意のファイル、フォルダ、またはファイルまたはフォルダの印を付けられた群が、消去され、切り取りおよび貼り付けされ、内部USBフラッシュメモリ(36)、メモリカード(26)上のメモリ、または付属の外部デバイス内にメモリの2つの内部にまたはその間で、コピーされ得る。特に、ソフトウエアは、フラッシュメモリ(36)の1部分またはフォルダから、フラッシュメモリ(36)の別の部分またはフォルダに、選択されたファイルをコピーすることができる。これらの機能はすべて、デバイス(10)が、ホストコンピュータに繋がれず、またはホストコンピュータからの処理を使用せずに、ホストとして作動している間に行なわれる。
【0043】
ユーザーは、プッシュボタン(20)およびスクリーン(18)に表示されたグラフィカルユーザーインターフェースを通じてデバイス(10)と相互に干渉する。ユーザーインターフェースによって、ユーザーは、内部と外部の記憶デバイスの両方内で、具体的なファイルおよびフォルダを識別し配置するために、階層構造またはツリー構造のフォルダまたはディレクトリを掘り下げていくことができる。さらに、ソフトウエアは、ファイルまたはフォルダの名前を挿入し、そして検索が内部または外部記憶デバイスで行なわれることを要求することにより、検索ファイル機能を実行することができる。ソフトウエアは、ローカルメモリと外部メモリを確認し、移動の方向を示すために矢印などの視覚資料(visual aid)を使用する。
【0044】
グラフィカルユーザーインターフェースも、バッテリー(44)の状態、インターフェース(12)および(14)に接続している外部デバイスの通知、利用可能なフラッシュメモリおよびそれらのサイズ、およびファイルおよびフォルダの属性などのサイズや他の情報のような他の有用な機能を示すように構成され得る。さらに、コピーおよび貼り付けの工程中に、ファイルの動きまたは移動の方向を示すために、ダイナミックステータスバーが示され得る。
【0045】
デバイス(10)のファイル管理機能の一部分を示すフローチャートを、図4に示す。ユーザーは、モジュール(60)においてホスト様式へデバイスの電源を入れる。ディスクマネージャまたはグラフィカルユーザーインターフェースがモジュール(61)に現われ、ユーザーは、彼または彼女がファイル管理機能を行ないたいことを示すためにボタンを軽く打つことができる。ユーザーは、モジュール(62)のローカルディスク(A)またはモジュール(63)で外部ディスク(B)を選ぶ。モジュール(64)において、ユーザーは、ファイル「File1.txt」上で操作することに決め、モジュール(65)においてで、ユーザーは、「Acc」という名のフォルダを選ぶ。モジュール(66)、(67)および(68)において、ユーザーは、それぞれ、コピー(copy)、削除(delete)、および情報を得る(i)を選択する。モジュール(69)において、ユーザーは、モジュール(65)において選択されたフォルダ「Acc」へ掘り下げるために「ok」を押す。モジュール(70)および(71)においで、ユーザーは、彼または彼女がファイル管理機能を続けたいことを確認するために、システムから即座に「Yes」「No」を答える。ユーザーが「Yes」を選べば、モジュール(70)はフィードバックモジュール(74)、(75)および(76)に繋がり、それらは、それらの順で、要求されたファイル移動のための利用可能な場所がないこと、要求されたコピーが処置中でありその状態(90%完了)であること、および、削除の要求が進んでいること、を示す。最後に、モジュール(72)は、フォルダ「Acc」内にあるファイルを示し、モジュール(73)は、ファイルに関する情報、すなわち、その大きさ52Kb、および属性「R」、を提供する。
【0046】
デバイス(10)はまた、内蔵フラッシュメモリ(36)、メモリカード(26)、あるいはメスのUSBコネクタ(14)に付けられた外部デバイス内にある任意またはすべてのファイルに関して、ウイルス検索を行なう埋込み型ウイルス対策ソフトウエアエンジンを含む。ウイルス対策ソフトウエアはまた、任意の問題のあるファイルまたは疑わしいファイル検出し、それが広がることを防ぐためにデバイス間のファイル転送中に操作することができる。ファイルは、データ転送中にチェックされることができ、あるいは、ファイルは、受け取りフォルダに向けられ、受け取られる時にチェックされることができる。ウイルス対策の走査は、ユーザーが要求した時、またはソフトウエアへプログラムされた特定の手続き時に、例えば、デバイスがオンにされた時、またはファイルが転送された時いつでも、行われることができる。問題のあるファイルが検出されたとき、様々な処置が講じられ得る。例えば、ファイルは、作動しないようにされるために、印がつけられ、削除され、ブロックされ、隔離され、実行可能ではないようにファイル名が変更され、または、「読み取り専用(read only)」とされるなど、ファイルは属性が与えられ、または他のプロパティが変更され得る。ソフトウエアは、検出時にユーザーに知らせることもあれば、またはユーザーによってデフォルトの動作に予め設定されることもある。
【0047】
本発明の選択された実施形態が示され、記載されたが、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。代わりに、本発明の原則および精神から逸脱することなく、これ/これらの実施形態に対して変更がなされ得ることが理解され、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの等価物によって規定される。
図1
図2
図3
図4