特許第6021172号(P6021172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021172
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】走行台車
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/12 20060101AFI20161027BHJP
   B23K 37/02 20060101ALI20161027BHJP
   B23K 7/00 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   B23K9/12 331B
   B23K37/02 A
   B23K7/00 501C
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-169112(P2012-169112)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28376(P2014-28376A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000185374
【氏名又は名称】小池酸素工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出津野 清
(72)【発明者】
【氏名】太田 智
(72)【発明者】
【氏名】戸舘 良輝
(72)【発明者】
【氏名】皆原 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】小池 哲夫
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−285893(JP,A)
【文献】 実公昭46−029551(JP,Y1)
【文献】 特開2012−139712(JP,A)
【文献】 特開平09−192885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/12
B23K 7/00
B23K 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板を溶接又は切断するためのトーチを搭載すると共に該鋼板を吸引する磁石を有し、該磁石によって鋼板を吸引しつつ走行し得るように構成した走行台車であって、
走行台車を走行させる駆動モータと、
走行台車を走行させる方向に対応させて設けられた微速スイッチと、
走行台車を予め設定された溶接速度又は切断速度で走行させるための信号を発生する操作ボタンと、
電源が投入され且つ前記操作ボタンから信号が発生することなく前記駆動モータが非回転状態にあり且つ前記微速スイッチを操作したとき、対応する方向に予め設定された溶接速度又は切断速度よりも低速で走行台車を走行させるように前記駆動モータを制御すると共に微速スイッチから発生した信号の継続に対応させて走行台車の走行速度が予め設定された速度まで漸増するように前記駆動モータを制御する制御部と、
を有することを特徴とする走行台車。
【請求項2】
前記微速スイッチが、走行台車の走行方向の両端部に夫々設けた押しボタンスイッチからなり、該押しボタンスイッチの押しボタンは走行台車の走行方向の端部から突出しており、
前記制御部は、電源が投入され且つ前記操作ボタンから信号が発生することなく前記駆動モータが非回転状態にあるとき、走行台車の走行方向の何れかの端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき、走行台車が予め設定された溶接速度又は切断速度よりも低速で走行するように前記駆動モータを制御し、走行台車が走行しているときに走行方向下流側の端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき、走行台車が停止するように前記駆動モータを制御することを特徴とする請求項1に記載した走行台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板に対して溶接或いは切断を開始する際に、搭載した溶接トーチや切断トーチを溶接又は切断の開始点に対し容易に位置決めすることができる走行台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶接トーチ或いはプラズマ切断トーチやガス切断トーチ等のトーチを搭載した走行台車を用いて、鋼板を溶接或いは切断することが行われている。このような走行台車には電源コードが接続され、更に、溶接トーチにはキャップタイヤケーブルやガスを供給するためのホースが、また切断トーチにはキャップタイヤケーブルや燃料ガスホース及び酸素ガスホース等(ホース類)が接続されている。これらのホース類は、走行台車の走行に伴って牽引されることとなる。
【0003】
走行台車及び搭載されたトーチに接続されたホース類は走行台車が走行する際の抵抗となり、走行台車の安定した走行を妨げるという問題がある。このため、牽引力を増加して安定した走行を実現するために、走行台車に磁石を配置して鋼板を吸引し得るように構成するのが一般的である。しかし、磁石の吸引力を強くした場合、安定した牽引を実現し得るものの、一連の作業が終了して走行台車を鋼板から離脱させる際に、鋼板からの引き剥がしが困難となるという問題が生じている。
【0004】
上記の如き問題を解決するために、磁石の位置或いは姿勢を変化させることで、鋼板に対する吸引を変化させるように構成した走行台車が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された走行台車では、レバーを操作することによって、走行台車のケーシングに内蔵された磁石を鋼板に接近させ、或いは鋼板から離隔させるように姿勢或いは位置を変化させることができる。そして、磁石を鋼板に接近させたとき高い吸引を実現してホース類を牽引しつつ安定した走行が可能であり、また磁石を鋼板から離隔させたとき鋼板に対する吸引を解除して容易に離脱させることが可能である。
【0005】
特許文献1に記載された走行台車を用いて鋼板を溶接又は切断する場合、作業員がレバーを把持して目的の溶接又は切断の開始点まで搬送し、搭載した溶接トーチや切断トーチを一致させた後、レバーを操作して磁石を鋼板に接近させて吸引する。この状態で、鋼板に接近させた磁石は高い吸引を発揮し、走行台車に外部から走行方向に力を加えても簡単に移動することはない。その後、溶接トーチ又は切断トーチを稼働させて走行台車を走行させることで、目的の溶接又は切断を行うことができる。このとき、走行台車は磁石の作用により安定した速度で走行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2589657号公報(特開平07−027609号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鋼板に対する溶接又は切断を開始する際に、搭載した溶接トーチ又は切断トーチを開始点に一致させることが必要である。しかし、作業員が搬送してきた走行台車を鋼板に載置したとき、そのまま搭載した溶接トーチ又は切断トーチが開始点に一致することは少なく、必ず微調整が必要となるのが実情である。
【0008】
溶接トーチ又は切断トーチが溶接又は切断の開始点に一致するように走行台車の位置を調整する場合、磁石の鋼板に対する吸引を解除して移動させれば良い。しかし、走行台車及び溶接トーチ又は切断トーチに接続された多くのホース類は、走行台車の移動に伴って鋼板上を引きずられて抵抗となるため、走行台車を微細に移動させることが困難となるという問題が生じている。
【0009】
走行台車を僅かに移動させるには、磁石による鋼板の吸引を維持した状態で極めて低速で走行させても良い。しかし、溶接や切断を行う場合、溶接条件(突合せ溶接、隅肉溶接等)や溶接又は切断すべき鋼板の厚さ、等の条件に応じて設定された溶接速度又は切断速度を維持する必要があり、溶接又は切断を開始する以前に設定されているのが一般的である。溶接又は切断の開始に先立って、溶接トーチ又は切断トーチを溶接又は切断の開始点に一致させるために、予め設定されている走行速度を変更することは好ましいことではない。
【0010】
以上の点から、鋼板に対する溶接又は切断を開始する際に、搭載した溶接トーチ又は切断トーチを開始点に一致させる作業を容易にできるような走行台車の開発が要求されているのが実情である。
【0011】
本発明の目的は、走行台車を鋼板に載置した場合、搭載した溶接トーチ又は切断トーチを溶接又は切断の開始点に対し容易に一致させることができる走行台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る走行台車は、鋼板を溶接又は切断するためのトーチを搭載すると共に該鋼板を吸引する磁石を有し、該磁石によって鋼板を吸引しつつ走行し得るように構成した走行台車であって、走行台車を走行させる駆動モータと、
走行台車を走行させる方向に対応させて設けられた微速スイッチと、走行台車を予め設定された溶接速度又は切断速度で走行させるための信号を発生する操作ボタンと、電源が投入され且つ前記操作ボタンから信号が発生することなく前記駆動モータが非回転状態にあり且つ前記微速スイッチを操作したとき、対応する方向に予め設定された溶接速度又は切断速度よりも低速で走行台車を走行させるように前記駆動モータを制御する制御部と、を有するものである。
【0013】
また、上記走行台車の制御部は、前記微速スイッチから発生した信号の継続に対応させて、走行台車の走行速度が予め設定された速度まで漸増するように前記駆動モータを制御するように構成されている。
【0014】
上記走行台車に於いて、前記微速スイッチが、走行台車の走行方向の両端部に夫々設けた押しボタンスイッチからなり、該押しボタンスイッチの押しボタンは走行台車の走行方向の端部から突出しており、前記制御部は、電源が投入され且つ前記駆動モータが非回転状態にあるとき、走行台車の走行方向の何れかの端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき、走行台車が予め設定された溶接速度又は切断速度よりも低速で走行するように前記駆動モータを制御し、走行台車が走行しているときに走行方向下流側の端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき、走行台車が停止するように前記駆動モータを制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る走行台車では、磁石によって鋼板を吸引している状態であっても、搭載した溶接又は切断するためのトーチを、溶接又は切断の開始点に対し容易に一致させることができる。即ち、走行台車に電源が投入されており且つ駆動モータが非回転状態にあるとき、微速スイッチを操作することによって、予め設定された方向に且つ予め設定された溶接速度又は切断速度よりも低速で走行台車を走行させることができる。
【0016】
このため、磁石の吸引を解除して作業員が手で走行台車を移動させる必要がなく、微速スイッチを操作するという簡単な作業で走行台車を低速走行させることが可能であり、この低速走行によってトーチを開始点に容易に且つ確実に一致させることができる。
【0017】
微速スイッチを走行台車の走行方向の両端部に夫々設けた押しボタンスイッチとし、電源が投入され且つ駆動モータが非回転状態にあるとき、何れかの端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき走行台車を低速走行させ、走行方向下流側の端部に設けた押しボタンスイッチから信号が発生したとき停止させるように構成した場合には、一方の押しボタンスイッチを微速スイッチとして機能させることができ、反対側の押しボタンスイッチを走行を制限するリミットスイッチとして機能させることができる。
【0018】
また、微速スイッチから発生した信号の継続に伴って、走行台車の走行速度が低速走行から予め設定された速度まで漸増することで、トーチから開始点までの距離が大きい場合でも短時間で容易にトーチを開始点に一致させるように走行台車を走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施例に係る走行台車の構成を説明する三面図である。
図2】本実施例に係る走行台車のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る走行台車について説明する。本発明は溶接トーチ又は切断トーチ等のトーチを搭載して鋼板を溶接又は切断する際に用いる走行台車であって、磁石によって鋼板を吸引することで、安定した速度で走行し得るように構成されている。特に、走行台車を鋼板に載置した後、搭載したトーチを目的の溶接又は切断の開始点に対し簡単な操作で一致させることが可能なように構成されている。
【0021】
走行台車に搭載されて鋼板を溶接するためのトーチとしては、炭酸ガスアーク溶接を行うためのトーチ、プラズマ溶接を行うためのトーチ等を含む各種の溶接トーチを選択的に採用することが可能である。これらのトーチでは、キャップタイヤケーブルを介して電源に接続されると共にホースを介してガスの供給装置と接続される。
【0022】
また、走行台車に搭載されて鋼板を切断するためのトーチとしては、ガス切断を行うためのトーチ、プラズマ切断を行うためのトーチ等を選択的に採用することが可能である。ガス切断トーチでは複数のホースを介して燃料ガスの供給装置や酸素ガスの供給装置と接続され、プラズマ切断トーチではキャップタイヤケーブルを介して電源と接続されると共にホースを介してプラズマガスの供給装置と接続される。
【0023】
上記電源コードやキャップタイヤケーブル及びホースを含むホース類は、走行台車の走行に伴って鋼板上を牽引される。
【0024】
以下、本実施例に係る走行台車Aについて図1図2を用いて説明する。本実施例に係る走行台車Aは、トーチBとして炭酸ガス溶接トーチを搭載して矢印a、b方向に走行することが可能であり、矢印a方向又は矢印b方向への走行に伴ってトーチBを稼働させることで、直線的に溶接し得るように構成されている。
【0025】
走行台車Aは、鋼板と接触して回転する複数の車輪2が下側に配置されたケーシング1を有している。また、ケーシング1の内部には、レバー11aの回動操作に応じて、姿勢又は位置が変化し得るように構成された磁石11が配置されている。レバー11aは、上端に設けた取っ手11bがケーシング1の上方に向かって屈折しており、図示しない回動中心を中心として回動し得るように構成されている。
【0026】
また、レバー11aの下端側には磁石11が直接又はリンク機構を介して取り付けられており、取っ手11bを把持して回動操作することで、磁石11を回動させて姿勢を変化させ、或いは平行移動させて位置を変化させることが可能である。そして、磁石11を車輪2の接地面(鋼板)側に接近させて鋼板と平行にすることで該鋼板を吸引させ、或いは鋼板に対し平行な姿勢で接近していた磁石11を離隔させることで該鋼板に対する吸引を解除することが可能である。
【0027】
磁石11の鋼板に対する吸引力の大きさは特に限定するものではないが、走行台車Aに接続されたホース類を安定して牽引し得るような吸引力を有することが必要である。このため、磁石11によって鋼板を吸引したとき、走行台車Aは外力の作用にも関わらずその位置を保持する。
【0028】
また、ケーシング1の内部には、後述する駆動モータ27及び該駆動モータ27の回転を車輪2に伝える図示しない伝動機器、後述する制御装置25等が設けられている。
【0029】
ケーシング1の上面には操作パネル3が設けられており、この操作パネル3には、図示しない電源コードが接続されるコネクタ4、選択スイッチ5、データダイヤル6、操作ボタン7、データ表示部8が配置されている。
【0030】
選択スイッチ5は、走行台車Aの走行方向、トーチBの単位時間当たりの往復回数(オシレート周波数)や最大振幅点での待機時間、当日の作業情報又は数日の作業履歴情報をデータ表示部8に表示するか否か、等の溶接装置の動作を選択する機能を有する。そして、選択スイッチ5によって溶接装置の動作を選択した後、データダイヤル6及び、又は操作ボタン7を操作することによって走行速度を変更したり、オシレート周波数を設定したり、トーチBの最大振幅点に於ける待機時間を調節したり、制御装置25に記憶した作業履歴情報をデータ表示部8に表示することが可能である。
【0031】
データダイヤル6は、選択スイッチ5によって選択した動作内容に応じて、例えば台車Aの走行速度を変更し、トーチBのオシレート周波数を変更し或いは最大振幅点に於ける待機時間を変更し、制御装置25に記憶した作業履歴情報の全数値をデータ表示部8に表示させるものである。
【0032】
操作ボタン7は、溶接装置の動作を開始或いは停止させる機能と、選択スイッチ5によって選択した動作を決定したり、データダイヤル6によって変更した数値を決定する機能を有する。
【0033】
データ表示部8は、選択スイッチ5、データダイヤル6、操作ボタン7の協働によって設定された、台車Aの走行速度、トーチBのオシレート周波数、トーチBの最大振幅点に於ける待機時間等の動作情報、或いはトーチBによる溶接長や走行台車Aの走行距離等の作業履歴情報を表示するものである。
【0034】
ケーシング1の側面であってトーチBが配置される面とは反対側の面に、微速スイッチ9、10が設けられている。これらの微速スイッチ9、10は、走行台車Aに対し電源が投入されて制御装置25が作動している状態で且つ駆動モータ27に対し溶接速度での回転指令が出されずに非回転状態にあるときに、走行台車Aを溶接速度よりも低速で走行させるものである。
【0035】
微速スイッチ9、10は走行台車Aの走行方向に対応して設けられている。即ち、微速スイッチ9は走行台車Aを矢印a方向に走行させるのに対応して設けられており、微速スイッチ10は走行台車Aを矢印b方向に走行させるのに対応して設けられている。従って、コネクタ4に図示しない電源コードを接続し、操作ボタン7を操作することなく、微速スイッチ9又は10を押し操作すると、走行台車Aは操作された微速スイッチ9又は10に設定されている方向に低速走行する。
【0036】
ケーシング1の走行方向の両端面(矢印a、b方向の両端面)には、夫々押しボタンスイッチ12、13が突出した状態で配置されている。この押しボタンスイッチ12、13は、目的の溶接線の末端部分に対応させた位置に設けた図示しない衝突部材や立て板に衝突して信号を発生するリミットスイッチとしての機能を有している。
【0037】
このため、押しボタンスイッチ12又は13から発生した信号が制御装置25に伝えられたとき、この制御装置25で走行台車Aが走行限に達したことを認識することが可能である。更に、走行台車Aが走行限に達したことを認識した後、予め設定され且つ予め選択された動作プログラムに従って溶接を終了させることが可能である。
【0038】
即ち、押しボタンスイッチ12、13から信号が発生したとき、この信号に応じて、走行台車Aを停止させると同時にトーチBに対する通電を停止させることで溶接を終了させることが可能である。また、走行台車Aを停止させた後、トーチBのみを走行台車Aの走行方向に移動させて走行台車Aの端部に対応する位置までの溶接を継続させることが可能である。更に、予め設定された溶接長の溶接が終了した後、トーチBを逆方向に移動させると共に溶接電流を低下させて溶接を行うことでクレーター処理を行うことが可能である。
【0039】
ケーシング1の上部にはスタンド15が設けられており、該スタンド15によって上下方向、及び矢印c、d方向への位置を調整可能に構成されたトーチホルダー16が保持されている。そして、トーチホルダー16に溶接トーチBが保持されている。従って、溶接トーチBは、スタンド15を操作することによって、ケーシング1の側面に於ける上下方向及び出入り方向(矢印c、d方向)の所望の位置に設定されるように構成されている。
【0040】
ケーシング1の溶接トーチBを配置した面には、該溶接トーチBを挟んで一対のガイドローラ18が配置されている。ガイドローラ18は、ケーシング1に対し出入り寸法が調整し得るように構成された支持アーム19に回転可能に支持されており、目的の溶接線に沿って設けた図示しないガイドに当接して走行台車Aの走行方向を案内し得るように構成されている。
【0041】
次に、走行台車Aの制御系について図2のブロック図を用いて説明する。
【0042】
図に於いて、25は制御装置であり、走行台車Aの駆動モータ27の駆動状態やトーチBの稼働状態を監視すると共に制御する機能を有する。制御装置25は、各種信号が入力される入力部25a、各種データを出力する出力部25b、及び演算処理部26を有して構成されている。
【0043】
入力部25aは、選択スイッチ5で選択した指標に応じて発生した信号やデータダイヤル6の操作に伴う信号、操作ボタン7からの信号、微速スイッチ9、10からの信号、押しボタンスイッチ12、13からの信号、更に、駆動モータ27の回転を検出するロータリーエンコーダ28からの信号が入力される。また、出力部25bは、駆動モータ27に対する駆動信号やトーチBを駆動するトーチ駆動装置29、データ表示部8、発信部30に対する信号を出力する。
【0044】
演算処理部26は、計測演算部26aと、データ記憶部26bと、規定値記憶部26cと、比較判別部26dと、を有して構成されている。計測演算部26aは、入力部25aを介して入力されたロータリーエンコーダ28からの回転データを計測して走行台車Aの走行距離を演算し、且つ選択スイッチ5による溶接モードの選択と操作ボタン7からの信号に応じて内蔵したタイマーの時間を計測してトーチBの稼働時間からなる稼働データを演算し、これらの演算結果から溶接長さを演算する。
【0045】
データ記憶部26bは計測演算部26aで演算したデータを記憶するものであり、走行台車Aの走行距離や、トーチBの稼働時間、走行台車Aの速度とトーチBの稼働時間によって演算した溶接長さ等を含む作業履歴情報のデータを記憶する。
【0046】
規定値記憶部26cは、トーチ駆動装置29の動作プログラムを含む走行台車Aの動作プログラムを記憶すると共に保守点検、或いは駆動モータ27の保守点検を行うべき駆動モータ27の回転数の限界値に対応させた保守情報や、トーチBの保守点検を行うべきトーチBの稼働時間の限界値に対応させた保守情報等を含む規定値情報を記憶する。
【0047】
特に、規定値記憶部26cに記憶した走行台車Aの動作プログラムは、駆動モータ27の現在の回転状況、及び微速スイッチ9又は10からの信号の発生の有無を監視し、駆動モータ27が非回転状態にあるときに微速スイッチ9又は10から信号が発生したとき、信号を発生した微速スイッチ9又は10に対応させて駆動モータ27の回転方向を設定し、また、微速スイッチ9又は10から発生している信号の継続時間の増加に伴って、駆動モータ27の回転数を漸増させるように増加率が設定されている。
【0048】
比較判別部26dは、データ記憶部26bに記憶した回転データ又は稼働データと、規定値記憶部26cに記憶した走行台車Aの保守情報又はトーチBの保守情報を含む情報とを比較するものである。即ち、走行台車Aの累積走行距離と規定値記憶部26cに記憶された規定値或いはトーチBの累積稼働時間と規定値を比較して累積値が規定値を越えているか否かを判別し、累積値が規定値を越えたとき警報信号を出力部25bを介して発信部30に出力する。
【0049】
27は走行台車Aの車輪2を駆動する駆動モータである。駆動モータ27の回転はロータリーエンコーダ28によって検出され、該ロータリーエンコーダ28のパルス数に対応した回転データを発生し得るように構成されている。この回転データは、演算処理部26に入力され計測演算部26aで回転数を計測すると共に走行台車Aの走行距離を計測し、計測したデータをデータ記憶部26bで記憶し得るように構成されている。
【0050】
更に、ロータリーエンコーダ28から発生するパルスの有無によって、演算処理部26で駆動モータ27が非回転状態にあるか、回転状態にあるかを判断する。そして、駆動モータ27が非回転状態にあると判断している状態で、微速スイッチ9又は10からの信号が発生したとき、動作プログラムに基づいて駆動モータ27を駆動し、走行台車Aを微速スイッチ9又は10に対応する方向に低速走行させる。
【0051】
また、微速スイッチ9又は10から発生した信号は内蔵タイマーによって計測され、継続時間が増加するのに伴って駆動モータ27の回転数を増大させる。駆動モータ27の回転に伴う回転データは前述したように処理され、走行台車Aの走行速度が予め設定されている溶接速度と等しくなるまで、駆動モータ27の回転数を漸増させる。
【0052】
29はトーチBを駆動するトーチ駆動装置であり、トーチBに対するガスの供給及び遮断を行う弁機構、トーチBに通電する電源装置、ワイヤの供給装置、トーチBの首振りを行うトーチ首振り装置を含む溶接作業を進行するのに必要な装置を組み合わせることによって構成されている。
【0053】
トーチ駆動装置29は、搭載されたトーチの種類に応じて各種の機器が組合わせられて構成されている。即ち、トーチが炭酸ガス溶接トーチである場合、前述したような機器によって構成される。また、トーチがプラズマ溶接トーチである場合には、該トーチに対してプラズマガスの供給及び遮断を行う弁機構、トーチに対して冷却水を供給及び遮断を行う弁機構、トーチ、被加工材に対し選択的に通電する電源装置、ワイヤの供給装置、トーチを予め設定されたオシレート周波数で首振りさせるトーチ首振り装置、等の機器によって構成される。
【0054】
また、トーチがガス切断トーチである場合、該トーチに対して燃料ガス、予熱酸素ガス、切断酸素ガスを供給及び遮断する弁機構を有して構成される。更に、トーチがプラズマ切断トーチである場合、該トーチに対してプラズマガスの供給及び遮断を行う弁機構、トーチに対して冷却水を供給及び遮断を行う弁機構、トーチ、被加工材に対し選択的に通電する電源装置、ワイヤの供給装置等の機器によって構成される。
【0055】
トーチ駆動装置29は、制御装置25からの駆動信号に応じて作動を開始する。トーチBを稼働させる場合、選択スイッチ5によって溶接モードを選択し、その後、押ボタンスイッチ7を押し操作することで発生した信号を制御装置25に伝える。制御装置25では、この信号に応じて計測演算部26aでタイマーの計測を開始し、同時にトーチ駆動装置29に駆動信号を出力し、この駆動信号によってトーチ駆動装置29が作動を開始することで、溶接が開始される。従って、本実施例では、トーチBの稼働状態を検出する稼働検出部材は、選択スイッチ5による溶接モードの選択、操作ボタン7、図示しない内蔵タイマーとによって構成されている。
【0056】
発信部30は、データ記憶部26bに記憶した走行台車Aの走行距離、トーチBの稼働時間、溶接長さ等を含む作業履歴情報のデータを発信し、或いは走行台車Aの累積走行距離、駆動モータ27の累積回転数、トーチBの累積稼働時間、等が規定値記憶部26cに記憶している保守点検すべき値を越えたときに制御装置25から出力された警報信号に応じて警報を発信するものである。
【0057】
このため、発信部30は、記憶したデータの通信機能、或いは作業員に走行台車A、駆動モータ27、トーチBの何れかが保守点検すべき状態にあることを発信する機能を有するものであれば良い。例えば、記憶したデータの通信機能を有する発信部30としては赤外線発信装置を用いることが好ましい。また、警報を発信する機能を有する発信部30としては、データ表示部8に警報を表示させ、及び、又は操作パネル3に図示しない赤色ランプからなる警報ランプや警報音発生器を設けておき、該警報ランプを点灯或いは点滅させると共に警報音発生器から音を発生させるように、警報信号に応じて信号を発信するものであることが好ましい。
【0058】
本実施例では、発信部30として、選択スイッチ5、データダイヤル6、操作ボタン7の協働操作によってデータ記憶部26bに記憶したデータを赤外線によって通信する機能を有する通信装置と、比較判別部26dからの信号によってデータ表示部8及び又は図示しない警報ランプや警報音発生器等の警報を表示又は発生する機能を有する警報表示装置と、の二つの装置を設けている。
【0059】
従って、一日の溶接が終了した後、データ記憶部26bに記憶した作業履歴をデータ表示部8に表示させて確認しつつ、発信部30からの赤外線通信によってノートパソコンに取り込んで作業日報を集計することが可能である。
【0060】
また、制御装置25から警報信号が発生したとき、現在行っている溶接と一連の作業を継続し、これらの溶接作業が終了した後は、新たな溶接作業に入ることを阻止することが可能である。このように新たな溶接作業に入ることを阻止することで、発生した警報信号に対応して確実に保守点検作業を行うことが可能であり、溶接装置を常に良好な状態で利用することが可能となる。
【0061】
次に、上記の如く構成した走行台車Aに搭載したトーチBを溶接の開始点に一致させる際の操作について説明する。
【0062】
溶接を開始するのに先立って、取っ手11bを把持して走行台車Aを搬送し、鋼板に於ける目的の溶接線に沿って設置すると共にトーチBの姿勢を調整する。その後、レバー11aを回動操作して磁石11を鋼板に対し平行な姿勢で接近させる。これにより走行台車Aは鋼板を吸引して簡単には移動することがない。
【0063】
次に、走行台車Aに電源コードを接続すると共に電源を投入すると共に、搭載したトーチBにホース類を接続する。この状態で走行台車Aは停止しており、制御装置25では駆動モータ27が非回転状態にあると判断している。
【0064】
トーチBの先端が鋼板に対する溶接の開始点と一致しているか否かを確認し、一致していない場合、走行台車AをトーチBの先端が開始点と一致する方向に走行させる。即ち、トーチBの先端を溶接の開始点に対して一致させるために走行させる方向(図1の矢印a方向或いは矢印b方向)を確認し、確認した方向に対応した微速スイッチ9又は10を操作する。
【0065】
微速スイッチ9又は10の操作に応じた信号が制御装置25に伝達され、制御装置25では駆動モータ27が非回転状態にあることを判断し、且つ微速スイッチ9又は10からの信号が発生したことを判断したとき、予め設定された走行台車Aの動作プログラムに従って、駆動モータ27を操作された微速スイッチ9又は10に対応する方向に駆動する。この結果、走行台車Aは微速スイッチ9又は10に設定された方向に低速で走行する。
【0066】
微速スイッチ9、10の操作に伴う走行台車Aの走行速度は限定するものではなく、予め設定されている溶接又は切断を行う際の走行速度よりも充分に低速であることが好ましい。特に、トーチBの先端と溶接の開始点までの距離が小さく、走行台車Aを僅かに移動させることで両者が一致し得るような場合、走行台車Aを低速で走行させることで正確に一致させることが可能となる。
【0067】
また、千鳥溶接のように溶接部位の間隔が溶接長と略等しいような場合、1箇所の溶接が終了した後、次の溶接個所に移動させる際に、磁石11による鋼板の吸引を解除して走行台車Aを搬送するよりも走行させた方が好ましいことがある。このため、微速スイッチ9、10の操作を継続することで、走行台車Aの走行を継続させて搭載したトーチBを次の溶接開始点に一致させることが可能である。この場合、溶接終了箇所から隣接する溶接部位まで移動する際の走行速度を低速に保持しておく必要はなく、微速スイッチ9又は10から発生している信号が継続しているときには、信号の継続に応じて速度を漸増させることが可能である。
【0068】
即ち、走行台車Aを低速走行させる場合には微速スイッチ9、10を断続的に操作し、走行台車Aを速く走行させる場合には微速スイッチ9、10を継続して操作することで実現することが可能である。微速スイッチ9、10を継続して操作することで走行台車Aの走行速度を漸増させる場合、最高速度の限度を限定するものではないが、予め設定されている溶接速度を限度とすることが好ましい。
【0069】
尚、微速スイッチ9又は10を操作して走行台車Aを低速走行させてトーチBを溶接の開始点に一致させる際に、押しボタンスイッチ12又は13が障害物に接触することがある。この場合、障害物と接触した押しボタンスイッチ12又は13から発生した信号が制御装置25に伝えられ、該制御装置25では走行台車Aが障害物に接触したと判断し、この判断に基づいて駆動モータ27の駆動を停止させて表示部8に表示して周囲の注意を喚起する。
【0070】
上記の如くして走行台車Aに搭載したトーチBを溶接の開始点に一致させた後、選択スイッチ5を操作して鋼板に対する溶接モードを選択した後、操作ボタン7を操作すると、動作プログラムに従って制御装置25からトーチ駆動装置29に駆動信号が出力されて溶接が開始し、同時にトーチBの稼働時間が計測される。
【0071】
溶接が開始して所定時間が経過した後、駆動モータ27に対して駆動信号が発生し、駆動モータ27が回転を開始し、この回転に伴ってロータリーエンコーダ28からパルス信号が制御装置25に伝えられ、同時に走行台車Aが走行を開始する。
【0072】
トーチBによる溶接の開始と同時に計測演算部26aでタイマーが計測されトーチBの稼働時間が演算され、演算結果がデータ記憶部26bに記憶される。また、駆動モータ27の回転に伴って発生するロータリーエンコーダ28からのパルス信号も計測演算部26aで計測され、駆動モータ27の回転数及び駆動モータ27の回転数に応じた走行台車Aの走行距離が演算され、演算結果がデータ記憶部26bに記憶される。
【0073】
また、データ記憶部26bに記憶されたデータをデータ表示部8に表示する場合、選択スイッチ5、データダイヤル6を操作して表示したいデータを選択して操作ボタン7を操作して決定する。表示したいデータとしては、直前の走行台車Aの走行距離、一日分の走行台車Aの走行距離、指定期間に於ける走行台車Aの走行距離、直前のトーチBの稼働時間、直前の溶接長、一日分のトーチBの稼働時間、一日分の溶接長、指定期間に於ける溶接長、等を含むデータがあり、これらのデータ以外であっても、予め集計すべき作業内容を指定しておくことで、データを収集することが可能である。
【0074】
また、データ表示部8に表示したデータは、発信部30を介して赤外線通信により、ノートパソコンに通信することが可能である。
【0075】
また、比較判別部26dに於いて、データ記憶部26bに記憶されたトーチBの稼働時間のデータと規定値記憶部26cに記憶させた稼働時間の規定値と、また駆動モータ27の回転数のデータと規定値記憶部26cに記憶させた回転数の規定値と、走行台車Aの走行距離のデータと規定値記憶部26cに記憶させた走行距離の規定値と、が夫々比較され、各データが対応する規定値を超えていない場合、連続して溶接が行われる。
【0076】
トーチBの稼働時間のデータ、駆動モータ27の回転数のデータ、走行台車Aの走行距離のデータ、の何れかが対応する規定値を超えたと判定したとき、現在行っている溶接に必要な一連の作業が終了しているか否かを判別し、一連の作業が終了していない場合にはこの作業を継続して行わせる。
【0077】
そして、一連の溶接作業が終了していると判別したとき、制御装置25から警報信号が発生し、この警報信号に応じて発信部30から信号が発信され、この信号に基づいてデータ表示部8及び、又は警報ランプを点灯或いは点滅させると共に警報音発生器から音を発生させて作業員が気づくような警報が発生する。
【0078】
警報の発生と同時に溶接装置の再始動を禁止とする。このため、連続して新たな溶接作業を行うことができず、走行台車AやトーチBに対して予め設定された保守点検作業を行って、保守点検作業が終了したことを入力することで、新たな溶接作業にはいることが可能となる。前述したように、保守点検作業は溶接装置を良好な状態で目的の溶接を行えるようにするための作業であり、この保守点検作業を行うことで、溶接装置を常に良好な状態で使用することが可能となる。
【0079】
また、一度の溶接を行う毎にデータ記憶部26bに記憶された走行台車Aの走行距離のデータや、トーチBの稼働時間のデータや、駆動モータ27の回転数のデータ、等のデータをデータ表示部8に表示すると共にノートパソコンに取り込むことが可能である。そして、このようにノートパソコンに取り込んだデータを集計することによって、作業員の過誤を排斥して信頼性の高い作業日報を作成し、個々の溶接装置の作業実績を収集することが可能となる。
【0080】
次に、走行台車Aの他の例について図1を用いて説明する。
【0081】
走行台車Aの他の実施例としては、ケーシング1の走行方向の両端面(矢印a、b方向の両端面)に配置された押しボタンスイッチ12、13を微速スイッチとして利用するものである。従って、本実施例では、図1に記載されている微速スイッチ9、10は存在せず、押しボタンスイッチ12、13が夫々微速スイッチとして機能し得るように構成されている。
【0082】
即ち、走行台車Aの電源が投入されているとき、制御装置25で駆動モータ27のロータリーエンコーダ28から発生するパルス信号の有無を確認して該駆動モータ27が非回転状態にあるか、回転状態にあるかを判断する。駆動モータ27が非回転状態であると判断したときに押しボタンスイッチ12又は13から信号が発生したとき、制御装置25では、発生した信号が走行台車Aを低速走行させるための信号であると判断する。そして、前記信号が押しボタンスイッチ12又は13の何れから発生したかを判断し、この判断に基づいて駆動モータ27を駆動して走行台車Aを低速方向させる。
【0083】
また、制御装置25で駆動モータ27のロータリーエンコーダ28から発生するパルス信号に基づいて、該駆動モータ27が回転している状態であると判断したとき、押しボタンスイッチ12又は13から信号が発生したとき、制御装置25では、走行台車Aが走行限に到達したと判断する。そして、この判断に基づき、駆動モータ27の駆動を停止し、走行台車Aの走行を停止させる。
【0084】
従って、押しボタンスイッチ12、13は、目的の溶接線の末端部分に対応させた位置に設けた図示しない衝突部材や立て板に衝突して信号を発生するリミットスイッチとしての機能を有している。押しボタンスイッチ12又は13から信号が発生したとき、この信号に応じて、走行台車Aを停止させると同時にトーチBに対する通電を停止させることで溶接を終了させることが可能である。
【0085】
上記の如く、駆動モータ27が現在回転しているか否かに対応させて、押しボタンスイッチ12、13に、微速スイッチとしての機能、或いは障害物検出用のリミットスイッチとしての機能、を選択的に発揮させることが可能である。
【0086】
本実施例では、従来の走行台車で障害物検出用のリミットスイッチとして用いられていた押しボタンスイッチを、駆動モータ27の回転状況の判断に応じて微速スイッチとして、或いはリミットスイッチとして利用することが可能である。このため、部品点数を増加させることなく、低速走行させることで、搭載したトーチBを溶接又は切断の開始点に一致させることができる走行台車を構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に係る走行台車は、溶接トーチや切断トーチを搭載した溶接装置や切断装置として利用することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
A 走行台車
B トーチ
1 ケーシング
2 車輪
3 操作パネル
4 コネクタ
5 選択スイッチ
6 データダイヤル
7 操作ボタン
8 データ表示部
9、10 微速スイッチ
11 磁石
11a レバー
11b 取っ手
12、13 押しボタンスイッチ
15 スタンド
16 トーチホルダー
18 ガイドローラ
19 支持アーム
25 制御装置
25a 入力部
25b 出力部
26 演算処理部
26a 計測演算部
26b データ記憶部
26c 規定値記憶部
26d 比較判別部
27 駆動モータ
28 ロータリーエンコーダ
29 トーチ駆動装置
30 発信部
図1
図2