(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
図1は、実施の形態に係る照明装置の構成を説明するための図である。
図1(A)が底面図、
図1(B)が正面図、
図1(C)が平面図、
図1(D)が右側面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係る照明装置1は、本体11と、LEDランプ2と、ソケットカバー3とを備えている。
【0016】
本体11は、本来、直管形蛍光ランプを光源とする本体と同じものが用いられている。本実施の形態では、本体11は、直管形蛍光ランプ用の、ランプの長軸に直交する断面がいわゆる逆富士形の板状部材で覆われている。この逆富士形の板状部材は、富士形の中央頂上部に対する傾斜面に反射板が配置される。反射板は、例えば白色塗装された鋼板で構成される。
【0017】
本体11は、LEDランプ2を点灯させるため、既存の直管形蛍光ランプの電源部等の回路がLEDランプの電源ユニット等に置き換えられている。すなわち、本体11は、ランプ側の面に、LEDランプ2を点灯するための電源ユニット12、電源端子台13と、信号線端子台14とを有している。直管形蛍光ランプの本体を利用してLEDランプ2を点灯させるため、これらの部品は、既存の直管形蛍光ランプの本体が改造されて取り付けられる。
【0018】
本体11は、ソケットカバーと既存のソケットを介して、LEDランプ2が取り付けられている。
【0019】
図2は、実施の形態1に係る照明装置のソケットカバー部分を拡大した断面図である。
図2に示されるように、ソケットカバー3は、逆富士形の本体11の傾斜面上に、すなわち、反射板上に配置され、ソケットカバー3の内部にソケット4が配置されている。ソケットカバー3とソケット4を
図3および
図4に示す。
【0020】
図3は、実施の形態1に係るソケットカバーおよびソケットの構成を説明するための図である。
図3(A)は正面図であり、
図3(B)はその側面図、
図3(C)はその底面図である。
図4は、実施の形態1に係るソケットカバーおよびソケットの斜視図である。
図2および
図3は、ソケット4にソケットカバー3を装着したときの図である。
図4(A)はソケットカバー3、
図4(B)はソケット4、をそれぞれ示している。
【0021】
図2および
図3に示すように、ソケットカバー3は、ソケット4をランプ受42側から覆うように構成されている。すなわち、ソケットカバー3には、ソケット4を収容可能な凹部32と、凹部32に設けられた貫通孔31が形成されている。
【0022】
ソケットカバー3に収容されるソケット4は、直管形蛍光ランプ用のソケットと同じものである。すなわち、ソケット4は、直管形蛍光ランプ用のソケットと互換性がある。本実施の形態では、蛍光ランプ用のG13口金のソケットが採用されているが、他の直管形蛍光ランプ用のソケットであってもよく、例えば、G5、R17d、Rx17d等の口金用のソケットのうちのいずれか1つであってもよい。これらのソケットは、直管形蛍光ランプ用のソケットとして広く普及しているので、入手が容易で、価格が安価である。
【0023】
凹部32は、ソケット4の前面側、すなわち、ランプ受42および口金ピン接続部41が配置された面側を収容可能に形成されている。本実施の形態では、ソケット4の前面側の構造物とほぼ同じ形状に凹部が形成されている。このため、凹部32にソケット4をはめ込むと、ソケット4の前面側がソケットカバー3によって覆われる。
【0024】
貫通孔31は、ソケット4の口金ピン接続部41と口金ピン23を接続可能とするため、凹部32に形成されている。詳細には、貫通孔31は、凹部32の底面である口金ピン接続部(導電板)41およびランプ受42を収容する部分で、ソケットカバー3を貫通している。このため、ソケットカバー3にソケット4を嵌め込んでも、口金ピン接続部(導電板)41およびランプ受42は、ソケットカバー3に覆われず、貫通孔31から露出している。
【0025】
貫通孔31は、その内面に、円筒面31Aと、円筒を横切るように配置された平面31Bが形成されている(平面31Bは、円筒面に対して凸状であるので、以下凸部31Bという)。円筒面31Aは、直管形蛍光ランプの口金とほぼ同じ(同じまたはやや大きい)直径の円筒形状に形成されている。言い換えると、直管形蛍光ランプの口金に沿う形状に形成されている。このため、凸部31Bが無ければ、円筒面31Aとほぼ同じ大きさの直管形蛍光ランプの口金が挿入可能である。本実施の形態の円筒面31Aは、G13口金とほぼ同じ直径の円筒形状に形成されているので、凸部31Bが無ければ、円筒面31AにG13口金が挿入可能である。円筒面31Aの直径は、G13口金のみならず、他の直管形蛍光ランプの口金とほぼ同じであってもよく、例えば、G5、R17d、Rx17d等の口金とほぼ同じであってもよい。
【0026】
凸部31Bは、円筒面31Aの円筒面上に形成され、円筒面31Aとほぼ同じ直径の円筒の挿入を制限するように設けられている。詳細には、凸部31Bは、後述する切り欠き面22Bとほぼ同じ(同じまたはやや小さい)外形に突出するように形成されている。すなわち、凸部31Bは、貫通部の円筒の一部を貫通部の円筒の中心から所定の距離離れた線分によって切断された面に沿うように形成され、貫通部の円筒面上の一部をふさいでいる。このため、直管形蛍光ランプの口金を貫通孔31に挿入した場合に、直管形蛍光ランプの口金に干渉することになる。このような機能から、本明細書では、凸部31Bを干渉体とも称する。
【0027】
貫通孔31は、円筒面31Aおよび凸部31BでLEDランプ2を支持する。ソケットカバー3の貫通孔31に、LEDランプ2が挿入されて使用される。以下に、LEDランプ2について詳説する。
【0028】
図5は、実施の形態に係るLEDランプの構成を説明するための図である。
図5(A)が正面図、
図5(B)が左側面図、
図5(C)が変形例の左側面図である。
図5に示すように、LEDランプ2は、LEDを発光源とする直管形発光部21と、口金22と、口金ピン23とを備えている。
【0029】
直管形発光部21は、複数のLED(Light Emitting Diode)が直管形のハウジング内に配置された発光部である。
図5に示すように、その外観は、直管形蛍光ランプとほぼ同じである。例えば、直管形のハウジングの大きさ(直径、長さ)も直管形蛍光ランプと同じ大きさである。本実施の形態では、直管形発光部21がFHF86(76W)の直管形蛍光ランプと同じ大きさに形成されているが、直管形発光部21は、使用目的、用途に応じて他の直管形蛍光ランプと同じ大きさに形成されてもよい。例えば、FL20S、FHF32、FL40S等の種類の直管形蛍光ランプと同じ長さであってもよい。また、ソケットにLEDランプ2が取り付けることができればよいので、直管形発光部21は、直管形蛍光ランプと同じ長さであればよく、直管形蛍光ランプの直径は、直管形蛍光ランプの直径よりも小さくてもよい。
【0030】
直管形発光部21は、LEDからの熱を放熱するヒートシンクを有している。LEDは基板に実装され、この基板の、LEDが実装された面側(
図5に示すX側)から光が発光されるが、ヒートシンクは、LEDの光が発光する面と反対側(
図5に示すY側)に配置されている。このような配置を採用することにより、光の有効利用を図ることができる。
【0031】
口金22は、直管形発光部21の両端に設けられている。口金の直管形発光部21に対する大きさやその位置関係は、直管形蛍光ランプの場合とほぼ同じである。例えば、
図5に示すR1の長さは、直管形蛍光ランプ用のG13口金のそれと同じ長さである。また、口金22および直管形発光部21の長さ(
図5に示すP1)も、G13口金および直管形蛍光ランプFHF86の発光部の長さと同じ、2376mmであり、この長さは、直管形蛍光ランプのJIS規格で規定される長さである。口金22は、直管形蛍光ランプの口金の底面と同じ平面に配置された底面があり、そのため、LEDランプ2は、既存の直管形蛍光ランプと長さにおいて互換性があり、LEDランプ2は、既存の直管形蛍光ランプの本体11に取り付けることができる。
【0032】
これに対して、口金22の形状は、直管形蛍光ランプの形状と異なっている。すなわち、口金22は、円筒形の外面の一部である円筒面22Aと、円筒面22Aの一部を切り欠いた形状の切り欠き面22Bとを有する形状に形成されている。なお、口金22は切り欠き面を有する形状であるので、本明細書では非円筒形口金とも称し、これに対し、直管形蛍光ランプの口金を円筒形口金と称する。
【0033】
円筒面22Aは、直管形蛍光ランプの口金と同じ直径の円筒面である。本実施の形態では、円筒面22Aの直径は、直管形蛍光ランプ用G13口金と同じ大きさである。
【0034】
切り欠き面22Bは、
図5(B)に示すように、円筒面22Aの円筒の底面と交わる形状に形成されている。詳細には、円筒面22Aの一部が、円筒の中心から距離S1離れた線分によって切断されたような形状に形成されている。切り欠き面22Bは、円筒面22Aの円周より内側に設けられ、上述したソケットカバー3の凸部の面が切り欠き面22Bと嵌合する関係にある。
【0035】
切り欠き面22Bは、円筒面22Aの円筒の底面と交わる形状に形成されるとよく、その形状は
図5(B)に示す形状に限られない。例えば、切り欠き面22Bは、直管形発光部21を固定する固定手段(ネジ)を配置するために、
図5(C)に示す形状に形成されてもよい。すなわち、切り欠き面22Bは、円筒の中心から距離S1離れた線分によって切断された面に沿うように形成された面と、さらにその面の両端を切り欠くように形成された面から構成されてもよい。このように、切り欠き面22Bは、円筒面22Aの円筒の底面と交わる形状に形成されるとよい。
【0036】
切り欠き面22Bは、LEDランプの長軸の方向に見て、LEDランプ2の発光面の発光軸に直交する軸に対して非対称に形成されるとよい。本実施の形態では、切り欠き面22Bが上記発光軸に対してほぼ対称に配置されているが、切り欠き面22Bを上記発光軸に対して非対称に形成することにより、切り欠き面22Bの位置を確認して、LEDの発光面を容易に識別することができるようになる。すなわち、切り欠き面22Bと発光面の発光軸が対称である場合、LEDランプ2を誤って上下逆に取り付ける恐れがある(発光面が本体の反射板がある上面で、上述したヒートシンクが下面となるように誤って取り付ける恐れがある)が、切り欠き面22Bを上記発光軸に対して非対称に形成することにより、このようなLEDランプの誤挿入を防止することができる。
【0037】
口金ピン21は、口金22の端部の面に設けられ、直管形の照明装置のソケットに接続可能に形成されている。LEDランプの両端から延びた金属製のピンにより、ランプ両端を保持するソケットを介して電源ユニット12と電気的に接続される。
【0038】
口金ピン21は、直管形蛍光ランプの口金ピンと互換性があるように形成されている。本実施の形態では、ソケットが蛍光ランプ用のG13口金のソケットであるので、口金ピン21もG13口金の口金ピンと同じ形状、大きさである。例えば、
図5に示すピン長さQとピン間隔Tは、G13口金のJIS規格の寸法に適合している。このように、本実施の形態の口金ピン21は、G13口金の口金ピンと互換性がある。
【0039】
図6は、LEDランプ、ソケットカバーおよびソケットの接続関係を説明するための図である。
図6に示すように、LEDランプ2の切り欠き面22Bは、貫通孔31の凸部31Bと対応する位置に形成され、その外形は互いにほぼ同じである。すなわち、LEDランプ2の切り欠き面22Bは、貫通孔31の凸部31Bが有する一部の面と嵌合する関係にある。このため、円筒面22Aと切り欠き面22Bとを有する形状に形成されたLEDランプ2の口金22は、貫通孔31に挿入可能である。貫通孔31に挿入された口金22の先端にある口金ピン21は、ソケットカバー3を介して、ソケット4のランプ受42にある口金ピン接続部41に接続される。ランプ受42にはバネを介してソケット本体に固定されているので、その反発力によって、LEDランプ2は両端にあるソケット4間で保持される。このような構造により、LEDランプ2はソケット4に取り付けられる。
【0040】
一方、直管形蛍光ランプの口金(例えば、G13口金)は、その断面が円形状であり、完全な円筒であるので、直管形蛍光ランプの口金は、貫通孔31の凸部31Bが有する面と嵌合する関係にない。このため、直管形蛍光ランプの口金は、貫通孔31に挿入することができず、直管形蛍光ランプをソケット4に取り付けることはできない。このように、貫通孔31に凸部が形成されたソケットカバー3は、直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限し、直管形蛍光ランプの、ソケット4に対する誤挿入を防止し、安全性を確保する。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ソケットカバー3に形成された貫通孔31の凸部31BがLEDランプ2の切り欠き面22Bとほぼ同じ形状であり、凸部31Bが有する一部の面と切り欠き面22Bが勘合してLEDランプ2が長軸を中心に回転できない場合を説明したが、LEDランプ2が長軸を中心に回転できるような凸部31Bが形成されてもよい。
【0042】
例えば、貫通孔の凸部が、LEDランプ2の口金が貫通孔に挿入されたときに、LEDランプ2の切り欠き面に嵌合可能な第1の面と、この切り欠き面に嵌合した位置から、LEDランプ2が長軸を中心に所定の角度回転したときに、LEDランプ2の切り欠き面に嵌合可能な第2の面と、を有する形状に形成されてもよい。
【0043】
図7は、実施の形態2に係るソケットカバーの構成を説明するための図である。
図7に示すソケットカバー30で覆われるソケットは、ランプ受44が所定の角度回転可能なソケットである。このソケットは、既存の直管形蛍光ランプのソケット(G13口金)であり、ランプの口金ピンを口金ピン接続部43に押し当てて、所定の角度、ランプ受44を回転させることにより、ランプをソケットに取り付けるタイプのソケットである。
【0044】
ソケットカバー30は、貫通孔36を備え、貫通孔36は、円筒面36Aと、円筒面36Aの面上に設けられた三角形状の凸部36Bとが形成されている。
【0045】
凸部36Bは、貫通孔36の円筒の中心から所定の距離離れた水平方向に伸びる線分と、同中心から所定の距離離れた垂直方向に伸びる線分の、両方の線分に囲まれる領域を占めるように形成されている。すなわち、凸部36Bは、上記の線分に囲まれる、円筒面36Aの円弧を底辺とする略三角の断面となるように形成されている。
【0046】
図7Bに示すように、口金22を口金ピン接続部41が上下に並ぶような向きにすると、LEDランプ2の切り欠き面22Bは、凸部36Bの略三角の一辺と接する。すなわち、LEDランプ2の口金が貫通孔に挿入されたときに、凸部36Bの略三角の一辺がLEDランプ2の切り欠き面に嵌合する。このため、LEDランプ2の口金22は、ソケットカバー30の貫通孔36に挿入可能である。
【0047】
この状態でLEDランプ2の口金22をソケットカバー30の貫通孔36に挿入し、口金ピンを口金ピン接続部43に押し当てて、口金22を口金ピン接続部41が左右に並ぶような向きに、LEDランプ2が長軸を中心に回転させる。(
図7(C)参照)。
【0048】
口金22を口金ピン接続部41が左右に並ぶような向きにすると、LEDランプ2の切り欠き面22Bは、凸部36Bの略三角の他の辺と接する(
図7(C)参照)。LEDランプ2の口金が貫通孔で回転されたときに、凸部36Bの略三角のもう一方の辺がLEDランプ2の切り欠き面に嵌合する。このように、ランプ受44が略90度を回転することになり、LEDランプ2がソケットに取り付けられる。
【0049】
以上のように、LEDランプ2の口金22が貫通孔36内で所定の角度回転可能に、凸部36Bが口金22の切り欠き面22Bよりも小さく形成されてもよい。この形態においても、直管形蛍光ランプの口金の挿入は制限され、直管形蛍光ランプの、ソケット4に対する誤挿入が防止される。
【0050】
(実施の形態3)
実施の形態1では、G13口金の例を説明したが、本発明は、他の直管形蛍光ランプの口金、例えば、
図8に示すRx17d口金にも適用できる。
【0051】
図8は、実施の形態3に係るLEDランプの構成を説明するための図である。
図8(A)が正面図、
図8(B)が左側面図である。
図8に示すLEDランプは、直管形発光部26と、Rx17d口金の規格に適合する口金27および口金ピン28とを備えている。
【0052】
口金27は、直管形蛍光ランプのRx17d口金の規格に適合する直径の円筒面27Aと、円筒面27Aの一部が、円筒の中心から距離S2離れた線分によって切断されたように形成された切り欠き面27Bとを有する形状に形成されている。
【0053】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、LEDランプの切り欠き面27Bは、ソケットカバー3の凸部31Bと嵌合する関係にあり、直管形蛍光ランプの口金は、貫通孔31の凸部31Bと嵌合する関係にない。このため、本実施の形態においても、ソケットカバー3は直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限し、直管形蛍光ランプの、ソケット4に対する誤挿入を防止する。
【0054】
(他の実施の形態)
実施の形態1〜3では、LEDランプの切り欠き面27Bが口金の底面に対してほぼ垂直方向に切り欠いた形状であったが、本発明は上記の実施の形態等に限定されるものではない。
図9は、LEDランプの変形例の構成を説明するための正面図である。
図9(A),(B),(C)は、それぞれ異なる形態の口金を示し、
図9(A)は、実施の形態1に係る口金であり、
図9(B),(C)は、他の形態に係る口金である。
図9において、点線Eが直管形蛍光ランプの口金の側面の位置を、点線Bが直管形蛍光ランプの口金の底面の位置を、点線CがLEDランプの口金の切り欠き面の位置を、それぞれ表している。点線Eは、直管形蛍光ランプが同じ位置に配置された場合のその口金の側面の位置を表している。
【0055】
図9に示すように、本実施の形態に係るLEDランプの口金22は、口金の底面に交わる切り欠き面が形成された外形であればよい。例えば、
図9(B)の形態では、口金22は、口金の底面に対してほぼ垂直方向に延びる面と口金の側面から底面と平行な面とにより切り欠いた外形に形成されている(
図9(B)の点線C参照)。
【0056】
また、
図9(C)の形態では、口金22は、口金の底面から側面に延びる面、すなわち、底面から斜め方向に延びる面により切り欠いた外形に形成されている(
図9(C)の点線C参照)。
【0057】
図9(B),(C)に示す形態では、LEDランプの口金22の底面とLEDランプ側の上面との間に切り欠き面が設けられている。すなわち、口金22の底面から上面までの側面をRとしたとき、Rと切り欠き面が交わっている。
【0058】
一方、
図9(A)に示す形態では、LEDランプの口金22の底面に対してほぼ垂直方向に切り欠き面が延び、上記のRと切り欠き面が交わっていない。
【0059】
このように、本発明の実施の形態は、口金22の口金の底面に交わる切り欠き面が少なくとも形成された外形であればよい。ソケットカバーの貫通孔の凸部が直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限するようにするため、ランプの挿入側、すなわち、口金の底面側に少なくとも切り欠き面が形成されればよい。
【0060】
図9では、LEDランプの口金の円筒面の直径が直管形蛍光ランプのそれと同じ大きさの場合を示しているが、上記切り欠き面は、口金ピンに対して直管形蛍光ランプの口金の底面に相当する範囲内で底面と交わる切り欠き面であればよいので、LEDランプの口金の直径は、直管形蛍光ランプの口金の大きさに限定されない。ソケットカバーの貫通孔の凸部が直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限するようにするため、LEDランプの口金は、直管形蛍光ランプの口金の円筒とほぼ同じ直径以上の大きさの円筒であればよく、その大きさ以上であれば、口金の形状は円筒に限られない。
【0061】
図10は、LEDランプの変形例に係る口金の構成を説明するための側面図である。
図10(B)に示すLEDランプの口金は、直管形蛍光ランプの口金の直径より大きい円筒であり(U<V1,
図10(B)参照)、その円筒に、切り欠き面が中心から距離S離れた位置に形成されている。中心から距離S離れた位置の線分は、直管形蛍光ランプの口金の底面と交わっているので、この形態に対応する凸部が形成されたソケットカバーの貫通孔に、直管形蛍光ランプの口金を挿入しようとしても、ソケットカバーの貫通孔の凸部により、直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限される。
【0062】
また、
図10(C)には、直管形蛍光ランプの口金の直径より大きい辺をもつ断面長方形(外形は直方体)の外形に形成されたLEDランプの口金が示されている(U<V2,U<V3,
図10(C)参照)。この口金は、
図10(B)に示す形態と同様に、直管形蛍光ランプの口金の底面と交わる切り欠き面が、中心から距離S離れた位置に形成されている。このため、
図10(B)に示す形態と同様に、この形態に対応する凸部が形成されたソケットカバーの貫通孔に、直管形蛍光ランプの口金を挿入しようとしても、ソケットカバーの貫通孔の凸部により、直管形蛍光ランプの口金の挿入を制限される。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態等に限定されるものではない。例えば、以上の形態では、ソケットとソケットカバーが別個の場合であったが、ソケットとソケットカバーが一体であってもよい。ソケットとソケットカバーが接合されて一体とされたものであってもよいし、ソケットとソケットカバーが樹脂により成形されて一体とされたものであってもよい。例えば、LEDランプの口金が挿入可能な挿入孔が形成され、その底部に口金ピン接続部が配置された形態であってもよい。この場合、挿入孔が、上述したソケットカバーの貫通孔と凹部に配置されたソケットの機能を果たすことになる。
【0064】
また、以上の形態では、ソケットカバーに貫通孔が形成され、この貫通孔にLEDランプが挿入されて使用される形態であったが、ソケットカバーがソケットを庇状に覆い、その庇部分にLEDランプが挿入されて使用される形態であってもよい。
図11にその例を示す。
図11は、ソケットカバーの変形例の構成を説明するための斜視図である。
【0065】
図11に示すように、変形例に係るソケットカバーは、直管形蛍光ランプの円筒形口金に適合するソケット(例えば、G13)が収容可能なソケット収容部33と、ソケットが収容された場合の前面側に配置された凸部31B(干渉体)とが形成されている。ソケット収容部33は、庇34部がソケットを覆うように構成されている。この場合、凸部がLEDランプの切り欠き面に対応する面を有すれば、LEDランプを口金ピン接続部に接続できるが直管形蛍光ランプは、凸部が干渉し、接続できない。このように、ソケットカバーに貫通孔が形成されず、その替わりにソケットを収容する庇(その他、例えば、壁)が形成された形態であってもよい。
【0066】
また、上記の庇状のソケットカバーがソケットと一体となってもよい。例えば、口金ピン接続部と、上記の凸部(干渉体)とを備えるソケットであってもよい。また、庇状のソケットカバーがソケットと一体となったものが照明装置を構成してもよい。
【0067】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)
LEDを発光源とする直管形発光部と、
前記直管形発光部の両端に設けられた口金と、
前記口金に設けられ、照明装置のソケットに接続可能な口金ピンと、
を備え、
前記口金ピンは、直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンと互換性があり、
前記口金の外形は、前記円筒形口金の口金ピンと同形の口金ピンが配置された非円形底面と、前記口金ピンに対する前記円筒形口金の底面に相当する範囲内で前記非円形底面と交わる切り欠き面とを有する、
ことを特徴とするLEDランプ。
【0070】
(付記2)
前記口金の外形は、直管形蛍光ランプの口金と同じ大きさの円筒形の外面の一部と、前記円筒形の底面と交わる切り欠き面とを有する、
ことを特徴とする付記1に記載のLEDランプ。
【0071】
(付記3)
前記口金および前記直管形発光部の長さが直管形蛍光ランプの口金および発光部の長さと同じである、
ことを特徴とする付記1または2に記載のLEDランプ。
【0072】
(付記4)
前記LEDランプの長軸の方向に見て、前記口金の切り欠き面が前記LEDの発光面の発光軸に直交する軸に対して非対称である、
ことを特徴とする付記1ないし3のいずれか1つに記載のLEDランプ。
【0073】
(付記5)
直管形蛍光ランプの円筒形口金に適合するソケットを収容可能な凹部が形成され、
前記円筒形口金の口金ピンと同形の口金ピンが配置された非円形底面と、前記口金ピンに対する前記円筒形口金の底面に相当する範囲内で前記非円形底面と交わる切り欠き面を有する形状に形成された、非円筒形口金の口金ピンを、前記凹部に収容した前記ソケットに接続する場合は前記非円筒形口金に干渉せず、かつ、前記直管形蛍光ランプの前記円筒形口金の口金ピンを、前記凹部に収容した前記ソケットに接続する場合には前記円筒形口金に干渉する、干渉体を備える、
ことを特徴とするソケットカバー。
【0074】
(付記6)
前記ソケットと前記非円筒形口金の口金ピンを接続するために、前記凹部に設けられた貫通孔が形成され、
前記干渉体は、前記貫通孔の内面に設けられる、
ことを特徴とする付記5に記載のソケットカバー。
【0075】
(付記7)
前記貫通孔は内面に、前記直管形蛍光ランプの前記円筒形口金に沿う円筒面の一部がさらに形成され、
前記円筒形口金と同じ大きさの円筒形の外面の一部と、前記円筒形の底面に交わる切り欠き面とを有する形状に形成された、前記非円筒形口金が前記貫通孔に挿入可能である、
ことを特徴とする付記6に記載のソケットカバー。
【0076】
(付記8)
前記干渉体は、
前記切り欠き面を有する形状に形成された前記非円筒形口金の口金ピンを、前記凹部に収容した前記ソケットに接続する場合に、前記非円筒形口金の切り欠き面に嵌合可能な第1の面と、
前記第1の面と前記非円筒形口金の切り欠き面に嵌合した位置から、前記非円筒形口金を前記非円筒形口金の口金ピンに平行な軸の周りに所定の角度回転した場合に、前記口金の切り欠き面に嵌合可能な第2の面と、を有する形状に形成された、
ことを特徴とする付記5ないし7のいずれか1つに記載のソケットカバー。
【0077】
(付記9)
直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンに適合して、前記口金ピンに接続可能な口金ピン接続部と、
前記直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンと同形の口金ピンが配置された非円形底面と、前記口金ピンに対する前記円筒形口金の底面に相当する範囲で前記非円形底面と交わる切り欠き面を有する形状に形成された、非円筒形口金の口金ピンを前記口金ピン接続部に接続する場合は、前記非円筒形口金に干渉せず、かつ、前記直管形蛍光ランプの前記円筒形口金の口金ピンを、前記口金ピン接続部に接続する場合には前記円筒形口金に干渉する、干渉体と、
を備えることを特徴とするソケット。
【0078】
(付記10)
LEDを発光源とする直管形発光部、
前記直管形発光部の両端に設けられた口金、および、
前記口金に設けられ、照明装置のソケットに接続可能な口金ピン、
を含み、
前記口金ピンは、直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンと互換性があり、
前記口金の外形は、前記円筒形口金の口金ピンと同形の口金ピンが配置された非円形底面と、前記口金ピンに対する前記円筒形口金の底面に相当する範囲内で前記非円形底面と交わる切り欠き面とを有する、
LEDランプと、
直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンに適合して、前記口金ピンに接続可能な口金ピン接続部、および、
前記直管形蛍光ランプの円筒形口金の口金ピンと同形の口金ピンが配置された非円形底面と、前記口金ピンに対する前記円筒形口金の底面に相当する範囲で前記非円形底面と交わる切り欠き面を有する形状に形成された、非円筒形口金の口金ピンを前記口金ピン接続部に接続する場合は、前記非円筒形口金に干渉せず、かつ、前記直管形蛍光ランプの前記円筒形口金の口金ピンを、前記口金ピン接続部に接続する場合には前記円筒形口金に干渉する、干渉体、
を含む、前記LEDランプが接続可能なソケットと、
を備えることを特徴とする照明装置。