特許第6021191号(P6021191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000002
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000003
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000004
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000005
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000006
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000007
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000008
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000009
  • 特許6021191-情報端末、充電方法及びプログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021191
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】情報端末、充電方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20161027BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20161027BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H02J7/02 B
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-6839(P2014-6839)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-136055(P2015-136055A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2015年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】森田 和男
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−333377(JP,A)
【文献】 特開2010−200509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12、
7/34− 7/36
H04M 1/00、
1/24− 1/82、
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器から供給される電源を用いて内電池を充電する情報端末であって、
充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定する充電制御部と、
前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給する切替制御部と、
前記充電器と接続するステータス端子と、を備え、
前記充電制御部は、
前記充電回路が設けられた前記充電器が接続された時に、前記ステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出し、前記充電回路が設けられていない前記充電器が接続された時に、前記ステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出しない、
報端末。
【請求項2】
前記充電制御部は、
前記内電池の電圧が規定電圧を上回りかつ前記切替制御部から出力される充電電流が規定電流を下回った場合、前記充電器に設けられている充電回路もしくは前記情報端末内に設けられている充電回路から前記切替制御部に対する充電電流の出力を停止させる、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記充電制御部は、
前記内電池の電圧が規定電圧を上回りかつ前記切替制御部から出力される充電電流が規定電流を下回った場合、前記充電器に設けられている充電回路もしくは前記情報端末内の設けられている充電回路へイネーブル信号を出力することによって、充電回路から前記切替制御部に対する充電電流の出力を停止させる、請求項に記載の情報端末。
【請求項4】
前記充電制御部は、
前記内電池の温度が規定温度範囲内である場合、前記内電池の充電を継続し、前記内電池の温度が規定温度範囲外である場合、前記内電池の充電を停止する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記充電制御部は、
前記充電器に設けられている充電回路もしくは前記情報端末内に設けられている充電回路の充電電圧が規定電圧範囲内である場合、前記内電池の充電を開始し、前記充電電圧が規定電圧範囲外である場合、前記内電池の充電を行わない、請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
充電器から供給される電源を用いて情報端末の内電池を充電する充電方法であって、
充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定し、
前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、
前記充電回路が設けられた前記充電器が接続された時に、前記充電器と接続するステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出し、前記充電回路が設けられていない前記充電器が接続された時に、前記ステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出しない、充電方法。
【請求項7】
充電器から供給される電源を用いて情報端末の内電池を充電する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定し、
前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、
前記充電回路が設けられた前記充電器が接続された時に、前記充電器と接続するステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出し、前記充電回路が設けられていない前記充電器が接続された時に、前記ステータス端子を介して入力されるステータス信号の変化を検出しない、ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報端末、充電方法及びプログラムに関し、特に充電回路を用いた情報端末、充電方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の情報端末は、多機能化によって消費電流が増加している。そのため、情報端末は、電池容量を増加させることによって、電池を用いた場合の使用時間を維持もしくは長くするようにしていた。しかし、情報端末の電池容量が増加することによって、電池を充電するための充電電流も増加させる必要がある。このように充電電流が増加すると、充電回路の発熱量も増加する。
【0003】
近年の情報端末は、小型化が進んでいることから、充電回路の発熱を拡散もしくは放熱させるための面積が限られている。そのため、充電回路の発熱を十分に拡散もしくは放熱させるための技術が要望されている。そこで、このような要望に応えるために、例えば特許文献1に開示されている充電器を用いることが検討されている。特許文献1は、携帯機器に内蔵されている内電池を充電する充電回路を携帯機器に設けるのではなく、充電器に設けている構成を開示している。充電回路を携帯機器に設けるのではなく、充電器に設けることによって、携帯機器における表面温度の上昇を防止することができる。また、充電器は、携帯端末よりもサイズに関する制約が少ないため、充電回路の発熱を拡散もしくは放熱させることが容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−247161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報端末を使用するユーザは、自宅、会社内もしくは外出先等、様々な場所で充電器を用いることがある。さらに、自宅、会社内もしくは外出先等で用いる充電器は、それぞれ異なり、例えば充電回路を有さない場合もある。このような場合に、充電器に充電回路が設けられていることを前提として、情報端末が充電回路を有さない場合、充電回路が設けられていない充電器を用いて充電することができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決するために、充電器に充電回路が設けられているか否かにかかわらず充電を行うことができる情報端末、充電方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる情報端末は、充電器から供給される電源を用いて内電池を充電する情報端末であって、充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定する充電制御部と、前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給する切替制御部と、を備えるものである。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる充電方法は、充電器から供給される電源を用いて情報端末の内電池を充電する充電方法であって、充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定し、前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給するものである。
【0009】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、充電器から供給される電源を用いて情報端末の内電池を充電する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、充電電流を前記内電池へ供給する充電回路が前記充電器に設けられているか否かを判定し、前記充電回路が前記充電器に設けられている場合、前記充電器に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給し、前記充電回路が前記充電器に設けられていない場合、前記情報端末内に設けられている前記充電回路を介して出力された充電電流を前記内電池へ供給することをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、充電器に充電回路が設けられているか否かにかかわらず充電を行うことができる情報端末、充電方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかる情報端末の構成図である。
図2】実施の形態1にかかる充電経路を説明する図である。
図3】実施の形態1にかかるDCプラグ及びDCジャックを説明する図である。
図4】実施の形態1にかかるDCプラグ及びDCジャックを説明する図である。
図5】実施の形態1にかかる充電経路を説明する図である。
図6】実施の形態1にかかるDCプラグ及びDCジャックを説明する図である。
図7】実施の形態1にかかる情報端末内の充電回路の動作を制御する処理の流れを示す図である。
図8】実施の形態2にかかる情報端末の構成図である。
図9】実施の形態2にかかる充電制御処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる情報端末の構成例について説明する。図1の情報端末20は、充電制御部21、切替制御部22、充電回路23及び内電池24を有している。また、情報端末20は、内電池24の充電を行う際に、電源として充電器10と接続する。
【0013】
充電制御部21は、充電電流を内電池24へ供給する充電回路が、充電器10に設けられているか否かを判定する。充電制御部21は、例えば充電器10と情報端末20とが接続された際に、充電器10から送信される信号等を用いて、充電器10に充電回路が設けられているか否かを判定してもよい。充電制御部21は、充電器10に充電回路が設けられているか否かに関する情報を切替制御部22へ出力する。
【0014】
切替制御部22は、充電器10に充電回路が設けられている場合、充電器10に設けられている充電回路を介して出力された充電電流を内電池24へ供給する。もしくは、切替制御部22は、充電器10に充電回路が設けられていない場合、情報端末20内に設けられている充電回路23を介して出力された充電電流を内電池24へ出力する。充電回路23は、充電器10から供給される電源を用いて、充電電流を切替制御部22へ出力する。
【0015】
以上説明したように、図1の情報端末20を用いることによって、充電器10に充電回路が設けられている場合には、情報端末20は、充電器10に設けられた充電回路を用いて内電池24を充電する。さらに、充電器10に充電回路が設けられていない場合には、情報端末20は、自装置内に設けられた充電回路23を用いて内電池24を充電する。
【0016】
例えば、充電中の情報端末20における発熱を抑えるために充電回路を搭載した充電器が用いられる場合には、情報端末20は、端末本体の発熱を抑えて内電池24の充電を行うことができる。さらに、充電中の情報端末20における発熱を抑えることが意図されておらず、充電回路を搭載していない充電器が用いられる場合には、情報端末20は、自装置内の充電回路を用いることによって、内電池24の充電を行うことができる。これによって、情報端末20は、充電器10に充電回路が設けられているか否かにかかわらず、内電池24を充電することができる。
【0017】
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態1にかかる充電経路について説明する。本図の太線の矢印は、充電器30に充電回路32が設けられている場合の充電経路を示している。はじめに、充電器30の構成例について説明する。充電器30は、AC/DC変換部31及び充電回路32を有している。
【0018】
AC/DC変換部31は、交流電流を、情報端末20において用いられる直流電流に変換する。AC/DC変換部31を有する充電器30は、充電用アダプターもしくはACアダプター等と称されてもよい。AC/DC変換部31は、変圧器及び整流器等を用いて構成されてもよい。
【0019】
充電回路32は、AC/DC変換部31から出力された直流電流をもちいて、内電池24を充電するために用いる充電電流を生成する。充電回路32は、生成した充電電流を情報端末20へ出力する。充電回路32から出力された充電電流は、切替制御部22を介して内電池24へ供給される。
【0020】
充電制御部21は、充電回路32が設けられた充電器30が接続もしくは挿入された場合、充電回路の有無を示すステータス信号がLowレベルからHiレベルに変化したことを検出する。ステータス信号は、充電制御部21に入力される信号である。充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルからHiレベルに変化した場合、切替制御部22へ充電器30に充電回路32が設けられていることを通知するメッセージを出力する。さらに、充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルからHiレベルに変化した場合、例えば、充電回路23へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力する。
【0021】
切替制御部22は、充電制御部21から、充電器30に充電回路32が設けられていることを通知するメッセージを受け取った場合、充電器30から出力された充電電流を内電池24へ供給する。
【0022】
充電回路23は、充電制御部21からHiレベルに設定されたイネーブル信号が出力された場合、動作を停止する。具体的には、充電回路23は、充電電流を生成するための動作を停止する。充電制御部21は、Hiレベルに設定したイネーブル信号を充電回路23へ出力し、充電回路23の動作を停止させることによって、充電回路23における発熱を防止することができる。
【0023】
また、充電制御部21は、内電池24の充電が完了した場合、充電回路32へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力してもよい。充電制御部21は、充電回路32へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力することによって、充電回路32の動作を停止させることができる。
【0024】
ここで、図3及び図4を用いて、充電制御部21における充電回路32を検出するために用いるDCプラグ及びDCジャックの構成について説明する。図3は、比較例として、充電回路32の検出を行わない場合のDCプラグ50及びDCジャック60の構成について説明する。DCプラグ50は、情報端末側に設けられており、DCジャック60は、充電器側に設けられている。
【0025】
DCプラグ50は、電源端子51及びGND端子52を有している。さらに、DCジャック60は、電源端子61及びGND端子62を有している。DCプラグ50及びDCジャック60が接続した際に、GND端子52及びGND端子62が接触し、電源端子51及び電源端子61が接触する。DCプラグ50及びDCジャック60が接続することによって、電源端子61から電源端子51へ電力が供給される。
【0026】
続いて、図4を用いて、充電回路32の検出を行う場合のDCプラグ70及びDCジャック80の構成について説明する。DCプラグ70は、情報端末側に設けられており、DCジャック80は、充電器側に設けられている。
【0027】
DCプラグ70は、電源端子71、GND端子72、ステータス端子73及びイネーブル端子74を有している。さらに、DCジャック80は、電源端子81、GND端子82、ステータス端子83及びイネーブル端子84を有している。DCプラグ70及びDCジャック80が接続した際に、電源端子71及び電源端子81が接触し、GND端子72及びGND端子82が接触し、ステータス端子73及ステータス端子83が接触し、イネーブル端子74及びイネーブル端子84が接触する。
【0028】
DCジャック80におけるステータス端子83及びイネーブル端子84は、充電器30において充電回路32を有する際に設けられる端子である。つまり、充電回路32を有する充電器30と、情報端末20とが接続した場合に、充電制御部21は、ステータス端子73を介して入力されるステータス信号が、Hiレベルに設定される。また、充電制御部21は、充電回路32の動作を停止させる場合には、イネーブル端子74及びイネーブル端子84を介してDCジャック80へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力する。
【0029】
続いて、図5を用いて本発明の実施の形態1にかかる充電経路について説明する。本図の太線の矢印は、充電器40に充電回路が設けられていない場合の充電経路を示している。はじめに、充電器40の構成例について説明する。充電器40は、AC/DC変換部41を有している。充電器40は、図2に示す充電器30のように充電回路を有していない。
【0030】
充電器40及び情報端末20が接続された場合、図6に示すようにDCジャック60及びDCプラグ70が接続される。充電器40には、充電回路が設けられていないため、ステータス端子83及びイネーブル端子84に相当する端子は存在しない。DCジャック60及びDCプラグ70が接続されると、電源端子61及び電源端子71が接触し、GND端子62及びGND端子72が接触する。ステータス端子73に接触される端子がないため、ステータス信号はHiレベルに設定されることはなく、Lowレベルのままである。
【0031】
図5に戻り、AC/DC変換部41は、交流電流を、情報端末20において用いられる直流電流に変換する。AC/DC変換部41は、直流電流を情報端末20へ出力する。
【0032】
情報端末20に設けられた充電回路23は、AC/DC変換部41から出力された直流電流を用いて、内電池24を充電するために用いる充電電流を生成する。充電回路23は、生成した充電電流を、切替制御部22を介して内電池24へ供給する。
【0033】
ここで、充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルのままであるため、充電器40には充電回路が設けられていないと判定する。この場合、充電制御部21は、充電回路23に対してLowレベルが設定されたイネーブル信号を出力する。また、充電制御部21は、切替制御部22へ充電器40に充電回路が設けられていないことを通知するメッセージを出力する。
【0034】
充電回路23は、充電制御部21からLowレベルに設定されたイネーブル信号が出力された場合、動作を継続する。つまり、充電回路23は、充電電流を切替制御部22へ出力する。
【0035】
切替制御部22は、充電制御部21から、充電器40に充電回路が設けられていないことを通知するメッセージを受け取った場合、充電回路23から出力された充電電流を内電池24へ供給する。
【0036】
続いて、図7を用いて本発明の実施の形態1にかかる情報端末20において、充電回路23の動作を制御する処理の流れについて説明する。はじめに、情報端末20は、DCプラグ70を用いて、充電回路を有する充電器30もしくは充電回路を有しない充電器40と接続する(S11)。次に、充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルからHiレベルに変化したか否かを判定する(S12)。
【0037】
ステップS12において充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルからHiレベルに変更されたと判定した場合、充電回路23へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力し、充電回路23の動作を停止させる(S13)。
【0038】
ステップS12において、充電制御部21は、ステータス信号がLowレベルであると判定した場合、充電回路23へLowレベルに設定したイネーブル信号を出力し、充電回路23を使用して内電池24の充電を行う(S14)。
【0039】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる情報端末20を用いることによって、情報端末20が、充電回路32を有する充電器30及び充電回路を有しない充電器40のいずれと接続した場合においても、内電池24の充電を実行することができる。
【0040】
具体的には、情報端末20がDCプラグ70を用い、充電回路32を有する充電器30がDCジャック80を用い、充電回路を有しない充電器40がDCジャック60を用いることによって、情報端末20は、充電器に充電回路が設けられているか否かを判定することができる。情報端末20は、充電器に充電回路が設けられているか否かを判定することによって、自装置内の充電回路23の動作を制御することができる。
【0041】
そのため、情報端末20は、充電回路32を有する充電器30及び充電回路を有しない充電器40のいずれと接続した場合においても、内電池24の充電を実行することができるとともに、充電器30と接続した場合においては、充電回路23において発生する発熱を防止することができる。
【0042】
(実施の形態2)
続いて、図8を用いて本発明の実施の形態2にかかる情報端末100の構成例について説明する。情報端末100は、充電制御部101、切替制御部102、充電回路103及び内電池104を有している。ここでは、情報端末100に関して、主に図2の情報端末2と異なる点について説明する。充電制御部101は、充電器30と接続した場合、充電回路32の充電電圧を検出する。また、充電制御部101は、充電器40と接続した場合、充電回路103の充電電圧を検出する。本図の点線矢印は、充電器30もしくは充電器40と接続することを示している。
【0043】
さらに、充電制御部101は、内電池104を充電中に、内電池104の温度を監視し、内電池104の温度を検出する。さらに、充電制御部101は、内電池104を充電中に、内電池104の電池電圧及び充電電流を監視し、内電池104の電池電圧及び充電電流を検出する。
【0044】
続いて、図9を用いて、充電制御部101が検出した各値を用いた充電制御処理の流れについて説明する。はじめに、充電制御部101は、充電回路の監視を行う(S21)。充電制御部101は、情報端末100が充電器30と接続した場合には、充電回路32の監視を行い、情報端末100が充電器40と接続した場合には、充電回路103の監視を行う。
【0045】
次に、充電制御部101は、充電回路の充電電圧Vchgが、正常値の範囲内であるか否かを判定する(S22)。充電電圧Vchgが正常値の範囲とは、充電電圧Vchgが、最小電圧値Vmin≦Vchg≦最大電圧値Vmaxを満たすことである。最小電圧値Vmin及び最大電圧値Vmaxは、予め定められている。
【0046】
充電電圧Vchgが、最小電圧値Vmin≦Vchg≦最大電圧値Vmaxを満たさない場合、充電制御部101は、充電電圧が異常であると判定し、充電を停止する(S28)。充電制御部101は、充電を停止する場合、充電回路32もしくは充電回路103へハイレベルに設定したイネーブル信号を出力する。
【0047】
充電電圧Vchgが、最小電圧値Vmin≦Vchg≦最大電圧値Vmaxを満たす場合、充電制御部101は、切替制御部102へ充電回路32もしくは充電回路103から出力された充電電流を用いて充電を開始するよう指示するメッセージを出力する(S23)。
【0048】
次に、充電制御部101は、内電池104の電池温度Tが正常値の範囲内であるか否かを判定する(S24)。電池温度Tが正常値の範囲とは、電池温度Tが、最小温度Tmin≦T≦最大温度Tmaxを満たすことである。最小温度Tmin及び最大温度Tmaxは、予め定められている。
【0049】
電池温度Tが最小温度Tmin≦T≦最大温度Tmaxを満たさない場合、充電制御部101は、充電中に異常が発生したと判定し、充電を停止する(S28)。電池温度Tが最小温度Tmin≦T≦最大温度Tmaxを満たす場合、次に、充電制御部101は、内電池104に供給される充電電流iが規定電流α以下であるか否かを判定する(S25)。規定電流αは、内電池104が満充電となったか否かを判定するために用いられる。内電池104が満充電状態となった場合、内電池104に供給される充電電流αは低下する。ここで、充電電流iが規定電流α以下となった場合に、満充電となった可能性が高いと判定することができる。
【0050】
充電制御部101は、充電電流iが規定電流α以下ではない、つまり、充電電流iが規定電流αを上回っていると判定した場合、ステップS22以降の処理を繰り返す。充電制御部101は、充電電流iが規定電流α以下であると判定した場合、内電池104の電池電圧Vが規定電圧β以上であるか否かを判定する(S26)。規定電圧βは、内電池104が満充電となったか否かを判定するために用いられる。
【0051】
電池104が満充電となった場合、内電池104の電池電圧は高くなっている。ここで、充電制御部101は、電池電圧Vが規定電圧β以上となった場合に、内電池104が満充電となったと判定する。つまり、充電制御部101は、ステップS25において、充電電流iが規定電流α以下であると判定し、ステップS26において、電池電圧Vが規定電圧β以上であると判定した場合に、内電池104が満充電となったと判定し、充電を完了する(S27)。充電制御部101は、電池電圧Vが規定電圧β以上ではないと判定した場合、つまり、電池電圧Vが規定電圧βを下回っていると判定した場合、ステップS22以降の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS27において充電を完了する際に、充電制御部101は、充電回路32もしくは充電回路103へHiレベルに設定したイネーブル信号を出力する。
【0053】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる情報端末100を用いることによって、充電回路32もしくは充電回路103の充電電圧及び内電池104の電池温度を検出することによって、充電中に異常が発生しているか否かを判定することができる。充電中に異常が発生していると判定した場合には、充電制御部101は、充電回路に対してHiレベルに設定したイネーブル信号を出力することによって、充電処理を停止することができる。このようにすることによって、例えば、充電中の異常によって、充電回路の発熱が急激に上昇する等の、不測の事態を未然に防止することができる。
【0054】
さらに、充電制御部101は、充電電流i及び電池電圧Vを検出することによって、内電池104が満充電となっているか否かを判定することができる。充電制御部101は、内電池104が満充電となったと判定した際に、充電回路を停止させることによって、充電回路における余分な発熱を防止することができる。また、図9においては、内電池104が満充電となったか否かを判定するために、ステップS25及びS26を用いる処理について説明したが、いずれか一方のみの処理を実行してもよい。
【0055】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、図7及び図9における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0056】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、
【符号の説明】
【0058】
10 充電器
20 情報端末
21 充電制御部
22 切替制御部
23 充電回路
24 内電池
30 充電器
31 AC/DC変換部
32 充電回路
40 充電器
41 AC/DC変換部
50 DCプラグ
51 電源端子
52 GND端子
60 DCジャック
61 電源端子
62 GND端子
70 DCプラグ
71 電源端子
72 GND端子
73 ステータス端子
74 イネーブル端子
80 DCジャック
81 電源端子
82 GND端子
83 ステータス端子
84 イネーブル端子
100 情報端末
101 充電制御部
102 切替制御部
103 充電回路
104 内電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9