(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
本発明に係るプロジェクターは、視差を有する左眼用画像と右眼用画像とを示す立体画像信号の入力に応じて、その左眼用画像と右眼用画像とをスクリーンに表示する。観察者には、透過させる光の波長帯域が異なるフィルタが左眼と右眼とにそれぞれ対応して設けられたメガネを介してスクリーンの表示を観察させることで、観察者に画像を立体的に視認させることができる。
【0018】
図1は、本発明のプロジェクターの第1の実施形態の概略構成図である。
【0019】
図1に示すプロジェクター100は、R(赤)色用
固体光源101Rと、G(緑)色用
固体光源101Gと、B(青)色用
固体光源101Gと、ロッドインテグレーター102R,102G,102Bと、色分離プリズム103R,103G,103Bと、照明レンズ104R,104G,104B,105R,105G,105B,107,109と、色合成用ダイクロミラー106と、回転プリズム108と、TIRプリズム(内部全反射プリズム)110と、DMD111と、投射レンズ112と、制御部113と、を有する。
【0020】
R色用
固体光源101Rに対応して、ロッドインテグレーター102R、色分離プリズム103R、および、照明レンズ104R,105Rが設けられており、赤色光用の光学系を構成している。また、G色用
固体光源101Gに対応して、ロッドインテグレーター102G、色分離プリズム103G、および、照明レンズ104G,105Gが設けられており、緑色光用の光学系を構成している。また、B色用
固体光源101Bに対応して、ロッドインテグレーター102B、色分離プリズム103B、および、照明レンズ104B,105Bが設けられており、青色光用の光学系を構成している。
【0021】
以下では、R色用
固体光源101R、G色用
固体光源101G、B色用
固体光源101Gを区別しない場合には、
固体光源101と称し、ロッドインテグレーター102R,102G,102Bを区別しない場合には、ロッドインテグレーター102と称し、色分離プリズム103R,103G,103Bを区別しない場合には、色分離プリズム103と称し、照明レンズ104R,104G,104Bを区別しない場合には、照明レンズ104と称し、照明レンズ105R,105G,105Bを区別しない場合には、照明レンズ104と称することがある。
【0022】
固体光源101は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や半導体レーザーなどで構成される。また、近年では、青色などのレーザー光を励起光として蛍光体に照射し、励起光により励起された蛍光体から出射される蛍光を利用する技術も実用化されている。
固体光源101は、このような技術を用いて構成されていてもよい。一般に、LEDや半導体レーザーは、放電ランプと比べて長寿命であるため、プロジェクター100の光源部101に用いるには好適である。
【0023】
R色用
固体光源101Rは、赤色光を出射する。R色用
固体光源101Rから出射された赤色光は、ロッドインテグレーター102Rに入射される。
【0024】
G色用
固体光源101Gは、緑色光を出射する。G色用
固体光源101Gから出射された緑色光は、ロッドインテグレーター102Gに入射される。
【0025】
B色用
固体光源101Bは、青色光を出射する。R色用
固体光源101Rから出射された青色光は、ロッドインテグレーター102Bに入射される。
【0026】
R色用
固体光源101R、G色用
固体光源101G、および、B色用
固体光源101Gは、光源部120を構成する。
【0027】
ロッドインテグレーター102は、光学ガラスや光学用樹脂などの材質からなる、主に角柱形状の光学部品であり、入射面に入射した光の照度分布を均一化するとともに、断面が矩形形状の光に変換し、射出面から出射する。なお、通常、ロッドインテグレーター102の入射面と射出面とは同じ形状であるが、入射面と射出面とが異なる形状であってもよい。また、「入射面に入射した光の照度分布を均一化する」とは、完全に照度分布を均一化することに限定されず、照度分布をよりなだらかにする、照度分布の山と谷との差を小さくする、などを含む概念である。
【0028】
ロッドインテグレーター102Rは、R色用
固体光源101Rから入射された赤色光の照度分布を均一化するとともに、断面が矩形形状の光に変換し、射出面から出射する。
【0029】
ロッドインテグレーター102Gは、G色用
固体光源101Gから入射された緑色光の照度分布を均一化するとともに、断面が矩形形状の光に変換し、射出面から出射する。
【0030】
ロッドインテグレーター102Bは、B色用
固体光源101Bから入射された青色光の照度分布を均一化するとともに、断面が矩形形状の光に変換し、射出面から出射する。
【0031】
色分離プリズム103は、対応するロッドインテグレーター102の出射面に接合されており、出射面から出射された光を、波長帯域の異なる2つの光に分離し、対応する照明レンズ104に出射する。具体的には、色分離プリズム103は、ロッドインテグレーター102から出射された光の波長帯域のうち、短波長側の光と長波長側の光とに分離し、対応する照明レンズ104に出射する。
【0032】
図2Aは、色分離プリズム103の構造を示す上面図である。
【0033】
図2Aに示すように、色分離プリズム103は、3つの直角プリズム201〜203により構成されている。
【0034】
以下では、直角プリズム201において、
図2Aに示す直角三角形の斜辺に対応する面を面201cと称し、他の二辺に対応する面をそれぞれ面201a,201bと称する。また、直角プリズム202において、
図2Aに示す直角三角形の斜辺に対応する面を面202cと称し、他の二辺に対応する面をそれぞれ面202a,202bと称する。また、直角プリズム203において、
図2Aに示す直角三角形の斜辺に対応する面を面203cと称し、他の二辺に対応する面をそれぞれ面203a,203bと称する。
【0035】
直角プリズム201と直角プリズム202とは、面201cと面202cとが接合されており、全体としてキューブ状に構成されている。
【0036】
直角プリズム202の面202bには、
図2Aにおいては不図示のロッドインテグレーター102の出射面が接合されており、ロッドインテグレーター102から出射された光は、直角プリズム202の面202bに入射される。
【0037】
なお、本実施形態においては、直角プリズム202の面202bにロッドインテグレーター102が接合され、ロッドインテグレーター102と対応する色分離プリズム103とが一体的に形成されている例を用いて説明するが、ロッドインテグレーター102と対応する色分離プリズム103とは空気間隔を保持して配置されていてもよい。
【0038】
直角プリズム202と直角プリズム203とは、面202aと面203aとが接合されている。
【0039】
ここで、直角プリズム201の面201cおよび直角プリズム202の面202cのいずれか一方には、色分離プリズム103に対応する
固体光源101から出射された光の波長帯域のうち、短波長側の光を反射し、長波長側の光を透過させる特性を有する波長選択膜(ダイクロミラー膜)が形成されている。ここで、波長選択膜は、面202bに入射された光の光量が、透過する光と反射する光とで略等分されるように設計されている。なお、このような波長選択膜は、プロジェクターの光学部品であるダイクロミラーやダイクロプリズムなどにおいて頻繁に用いられるものである。
【0040】
直角プリズム202の面202bから入射された光のうち、長波長側の光は波長選択膜を透過し、直角プリズム201の面201bから出射される。一方、直角プリズム202の面202bから入射された光のうち、短波長側の光は波長選択膜により直角プリズム203に向かって反射される。この光は、直角プリズム203の面203cにより反射され、面203aから出射される。
【0041】
したがって、色分離プリズム103により、対応する
固体光源101から出射された光が、波長帯域の異なる2つの光(短波長側の光および長波長側の光)に分離されて、出射される。
【0042】
なお、色分離プリズム103の構成は、
図2Aに示す構成に限られるものではない。例えば、
図2Bに示すように、色分離プリズム103が、直角プリズム201と平行四辺形状のプリズム204とにより構成されていてもよい。なお、
図2Bにおいて、
図2Aと同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。また、以下では、プリズム204において、
図2Bに示す四辺それぞれに対応する面を面204a〜204dと称する。
【0043】
直角プリズム201とプリズム204とは、面201cと面204aとが接合されている。
【0044】
プリズム204の面204bには、
図2Bにおいては不図示のロッドインテグレーター102の出射面が接合されており、ロッドインテグレーター102から出射された光は、プリズム204の面204bに入射される。なお、
図2Bに示す色分離プリズム103も、対応するロッドインテグレーター102とは空気間隔を保持して配置されていてもよい。
【0045】
ここで、直角プリズム201の面201cおよびプリズム204の面204aのいずれか一方には、色分離プリズム103に対応する
固体光源101から出射された光の波長帯域のうち、短波長側の光を反射し、長波長側の光を透過させる特性を有する波長選択膜が形成されている。
【0046】
プリズム204の面204bから入射された光のうち、長波長側の光は波長選択膜を透過し、直角プリズム201の面201bから出射される。一方、プリズム204の面204bから入射された光のうち、短波長側の光は波長選択膜によりプリズム204の面204cに向かって反射される。この光は、直角プリズム204の面203cにより反射され、面203dから出射される。
【0047】
したがって、
図2Bに示す色分離プリズム103においても、対応する
固体光源101から出射された光が、波長帯域の異なる2つの光(短波長側の光および長波長側の光)に分離されて、出射される。
【0048】
図1を再び参照すると、色分離プリズム103Rは、ロッドインテグレーター102Rから出射された赤色光を、その赤色光の波長帯域のうち、短波長側の光と長波長側の光とに分離する。ここで、
図3に示すように、ロッドインテグレーター102Rから出射された光の波長帯域をRとすると、色分離プリズム103Rは、波長帯域Rのうち短波長(波長帯域R1)側の光と、高波長(波長帯域R2)側の光と、に分離する。つまり、波長帯域Rのうち短波長(波長帯域R1)側の光と、高波長(波長帯域R2)側の光(以下、赤色光R2と称する)とは、ともに赤色であることには違いなく、両者はいわゆる「同じ色」である。なお、このように光を分離するには、色分離プリズム103Rに形成される波長選択膜を、
図4Aに示すように、波長帯域R1の光を反射し、波長帯域R2の光を透過する特性を有するように設計すればよい。
【0049】
色分離プリズム103Gは、ロッドインテグレーター102Gから出射された緑色光を、その緑色光の波長帯域のうち、短波長側の光と長波長側の光とに分離する。ここで、
図3に示すように、ロッドインテグレーター102Gから出射された光の波長帯域をGとすると、色分離プリズム103Gは、波長帯域Gのうち短波長(波長帯域G1)側の光と、長波長(波長帯域G2)側の光と、に分離する。つまり、波長帯域Gのうち短波長(波長帯域G1)側の光(以下、緑色光G1と称する)と、長波長(波長帯域G2)側の光(以下、緑色光G2と称する)とは、ともに緑色であることには違いなく、両者はいわゆる「同じ色」である。なお、このように光を分離するには、色分離プリズム103Gに形成される波長選択膜を、
図4Bに示すように、波長帯域G1の光を反射し、波長帯域G2の光を透過する特性を有するように設計すればよい。
【0050】
色分離プリズム103Bは、ロッドインテグレーター102Bから出射された青色光を、その青色光の波長帯域のうち、短波長側の光と長波長側の光とに分離する。ここで、
図3に示すように、ロッドインテグレーター102Bから出射された光の波長帯域をBとすると、色分離プリズム103Bは、波長帯域Bのうち短波長(波長帯域B1)側の光と、高波長(波長帯域B2)側の光と、に分離する。なお、つまり、波長帯域Bのうち短波長(波長帯域B1)側の光(以下、青色光B1と称する)と、長波長(波長帯域B2)側の光(以下、青色光B2と称する)とは、ともに青色であることには違いなく、両者はいわゆる「同じ色」である。このように光を分離するには、色分離プリズム103Bに形成される波長選択膜を、
図4Cに示すように、波長帯域B1の光を反射し、波長帯域B2の光を透過する特性を有するように設計すればよい。
【0051】
色分離プリズム103R,103G,103Bは、光分離部120を構成する。
【0052】
照明レンズ104Rは、色分離プリズム103Rにより分離された赤色光R1および赤色光R2を照明レンズ105Rに透過させる。照明レンズ105Rは、その赤色光R1および赤色光R2を色合成用ダイクロミラー106に透過させる。
【0053】
照明レンズ104Gは、色分離プリズム103Gにより分離された緑色光G1および緑色光G2を照明レンズ105Gに透過させる。照明レンズ105Gは、その緑色光G1および緑色光G2を色合成用ダイクロミラー106に透過させる。
【0054】
照明レンズ104Bは、色分離プリズム103Bにより分離された青色光B1および青色光B2を照明レンズ105Bに透過させる。照明レンズ105Bは、その青色光B1および青色光B2を色合成用ダイクロミラー106に透過させる。
【0055】
色合成用ダイクロミラー106は、照明レンズ105Rを透過した赤色光R1および赤色光R2と、照明レンズ105Gを透過した緑色光G1および緑色光G2と、照明レンズ105Bを透過した青色光B1および青色光B2とを合成し、照明レンズ107に出射する。
【0056】
照明レンズ107は、色合成用ダイクロミラー106から出射された光を回転プリズム108に透過させる。
【0057】
回転プリズム108は、照明レンズ107と照明レンズ109との間の光路上に配置されており、例えば、角柱で断面が正方形の光学ガラスや光学樹脂からなるプリズム状の光学部品である。また、回転プリズム108には不図示のモータ―などが取り付けられており、回転可能である。照明レンズ107を透過した光は、回転した状態の回転プリズム108を透過することで、回転プリズム108の異なる位置から出射される。そのため、後述するDMD111が光変調を行う変調面において、各色光の短波長側の光および長波長側の光が照射される領域がシフトする。
【0058】
照明レンズ109は、回転プリズム108を透過した光をTIRプリズム110に透過させる。
【0059】
TIRプリズム110は、照明レンズ109を透過した光をDMD111に反射する。また、TIRプリズム110は、DMD111から出射された光(変調光)を投射レンズ112に透過させる。
【0060】
DMD111は、画素に相当する多数のマイクロミラーを有しており、表示画像に応じて各マイクロミラーの方向を変えることにより入射光の強度の変調を行い、変調光としてTIRプリズム110に出射する光変調素子である。
【0061】
投射レンズ112は、TIRプリズム110を透過した変調光をスクリーン150に拡大投射する。
【0062】
制御部113は、左眼用画像と右眼用画像とを示す立体画像信号が入力されると、回転プリズム108を回転させるとともに、DMD111に立体画像信号基づいて変調を行わせる。
【0063】
なお、照明レンズ104R,104G,104B,105R,105G,105B,107,109は、所定の諸元に従い、焦点距離や形状、材質が決定されたレンズである。また、
図1においては、各色光の光学系で2枚の照明レンズを用い、各色光の合成後に2枚の照明レンズを用いる例を用いて説明したが、これに限られるものではなく、配置される照明レンズの位置や枚数は、プロジェクターの製品仕様に応じて適宜変更可能である。
【0064】
次に、本実施形態のプロジェクター100の動作について説明する。なお、以下では、赤色光の光路における動作について説明し、緑色光および青色光の光路における動作については、赤色光の光路における動作と同様であるため説明を省略する。
【0065】
R色
固体光源101Rから出射された赤色光は、ロッドインテグレーター102Rの入射面に入射される。
【0066】
ロッドインテグレーター102Rに入射された光は、ロッドインテグレーター102Rで内面反射を繰り返し、強度分布が均一化され、色分離プリズム103Rに入射される。
【0067】
色分離プリズム103Rに入射された光は、波長選択膜が形成された面(ダイクロコート面)に到達する。上述したように、ダイクロコート面に形成される波長選択膜は、波長帯域R1の光を反射し、波長帯域R2の光を透過させる特性を有している。そのため、ダイクロコート面に到達した光のうち、短波長帯域の光(赤色光R1)は、
図2Aに示す直角プリズム203に向かって反射され、長波長帯域の光(赤色光R2)は、直角プリズム201の面201bから出射される。また、直角プリズム203に向かって反射された赤色光R1は、直角プリズム303の面203cで反射され、直角プリズム203の面203bから出射される。
【0068】
上述したように、ロッドインテグレーター102RによりR色
固体光源101Rから出射された光は、照度分布が均一化されている。そのため、色分離プリズム103Rから出射された直後の赤色光R1および赤色R2の照度分布も均一化されている。
【0069】
また、本実施形態においては、色分離プリズム103Rから出射された直後の赤色光R1の断面の形状は矩形であり、かつ、赤色光R2の断面の形状と略同一となるように、ロッドインテグレーター102Rや色分離プリズム103Rが設計されているものとする。また、本実施形態においては、色分離プリズム103Rから出射された直後の赤色光R1と赤色光R2とが互いに接して1つの光束を形成し、この光束の断面の形状が、DMD111の変調面の形状と略相似となるように、ロッドインテグレーター102Rや色分離プリズム103Rが設計されているものとする。また、本実施形態においては、色分離プリズム103Rから出射された光が、DMD111の変調面に所定の拡大倍率で結像されるように、光学系が設計されているものとする。
【0070】
したがって、DMD111の変調面上には、色分離プリズム103Rの出射面に形成される照明情報が反映されることになり、赤色光R1と赤色光R2とが重複することなく照射される。なお、所定の拡大倍率とは、色分離プリズム103Rから出射された光がDMD111の変調面よりも若干大きく結像されるような値が望ましい。
【0071】
色分離プリズム103Rから出射された赤色光R1および赤色光R2は、照明レンズ104R,105R、色合成用ダイクロミラー106、および、照明レンズ107を介して、回転プリズム108に入射される。
【0072】
回転プリズム108は制御部113の制御に従って回転し、回転プリズム108の回転によりDMD111の変調面において赤色光R1および赤色光R2が照射される照射領域がシフトする。以下、
図5A〜5Dを参照して、回転プリズム108の回転による作用について説明する。
【0073】
図5A〜5Dは、回転プリズム108から出射された光(赤色光R1)がDMD111の変調面501上に結像されている状態を示す図である。なお、
図1においては、回転プリズム108から出射された光が照明レンズ109を透過し、TIRプリズム110内で屈折してDMD111に照射されているが、
図5A〜5Dにおいては、説明の便宜上、回転プリズム108とDMD111とが直線状に配置されており、回転プリズム108から出射された光は、照明レンズ109および照明レンズ502(
図1においては不図示)を介して、DMD111の変調面に照射されるものとする。
【0074】
図5Aは、回転プリズム108への光の入射面とDMD111の変調面501とが略平行である状態を示す図である。
【0075】
回転プリズム108への光の入射面とDMD111の変調面501とが略平行である場合、回転プリズム108は、回転プリズム108の入射面の下部に入射した赤色光R1に対して、平行平板として作用するのみである。そのため、赤色光R1は、
図5Aに示すように、照明レンズ109,502を介して、変調面501の略上半分の領域に照射される。以下では、赤色光R1が照射される領域を領域A1と称する。
【0076】
また、上述したように、DMD111の変調面501には、赤色光R1と赤色光R2とが重なり合うことなく照射される。また、色分離プリズム103Rから出射された赤色光R1および赤色光R2は、DMD111の変調面501を覆うように、変調面501よりも若干大きく結像される。したがって、赤色光R2は、領域A1とは重複しないように、変調面501の略下半分の領域に照射される。以下では、赤色光R2が照射される領域を領域A2と称する。
【0077】
図5Aに示す状態から、
図5Bに示すように、回転プリズム108が少し回転すると、回転プリズム108に入射した赤色光R1は、屈折作用を受け、
図5Aに示す場合とは異なる位置から出射され、変調面501の下側の領域に照射されるようになる。したがって、
図5Bに示すように、領域A1は、
図5Aに示すよう場合よりも、下側にシフトしている。
【0078】
また、回転プリズム108に入射した赤色光R2は、一部は変調面501の下辺近傍に照射され、残りは変調面501の上辺近傍に照射される。したがって、
図5Bに示すように、領域A2は、変調面501の上辺近傍の領域および変調面501の下辺近傍の領域となる。
【0079】
図5Bに示す状態から、
図5Cに示すように、回転プリズム108がさらに回転すると、回転プリズム108に入射した赤色光R1は、
図5Bに示す場合とは異なる位置から出射され、変調面501の下部半分の領域に照射される。したがって、
図5Cに示すように、領域A1は、変調面501の略下半分の領域となる。
【0080】
また、回転プリズム108に入射した赤色光R2は、変調面501の上部半分の領域に照射される。したがって、
図5Cに示すように、領域A2は、変調面501の略上半分の領域となる。
【0081】
図5Cに示す状態から、
図5Dに示すように、回転プリズム108がさらに回転すると、回転プリズム108に入射した赤色光R1は、
図5Cに示す場合とは異なる位置から出射され、一部は照明面501の下辺近傍に照射され、残りは照射面501の上辺近傍に照射される。したがって、
図5Dに示すように、領域A1は、照射面501の上辺近傍の領域および照射面501の下辺近傍の領域となる。
【0082】
また、回転プリズム108に入射した赤色光R2は、
図5Cに示す場合よりも、変調面501の下側の領域に照射されるようになる。したがって、
図5Dに示すように、領域A2は、
図5Cに示すよう場合よりも、下側にシフトしている。
【0083】
このように、回転プリズム108の回転に伴って、赤色光R1が照射される領域A1はシフトしている。具体的には、領域A1は上方向から下方向に向かって(一次元方向に向かって)スクロールされている。
【0084】
このように、本実施形態のプロジェクター100においては、R色
固体光源101Rから出射された光が色分離プリズム103Rにより、略同じ光量で波長帯域が異なる赤色光R1および赤色光R2に分離され、赤色光R1および赤色光R2がそれぞれDMD111の変調面501に照射されている。そのため、色分離プリズム103Rを光分離が効率良く行われるように設計することで、少ない光の損失で、すなわち、高い光の利用効率で、DMD111の変調面501を照明することができる。
【0085】
制御部113は、左眼用画像と右眼用画像とを示す立体画像信号が入力されると、回転プリズム108を回転させる。上述したように、回転プリズム108の回転に伴って、赤色光R1が照射される領域A1および赤色光R2が照射される領域A2が、シフトする。したがって、DMD111の変調面上のある場所に着目すると、その場所においては、赤色光R1と赤色光R2とが交互に照射されることになる。
【0086】
制御部113は、赤色光R1が照射される領域A1および赤色光R2が照射される領域A2のシフトに応じて、DMD111の駆動を制御する。具体的には、制御部113は、DMD111に、領域A1については、立体画像信号に示される左眼用画像のうち、DMD111の変調面501内の領域A1の位置に対応する画像の画像信号に基づいて変調を行わせ、立体画像信号に示される右眼用画像のうち、領域A2については、DMD111の変調面501内の領域A2の位置に対応する画像の画像信号に基づいて変調を行わせる。
【0087】
なお、ここでは赤色光について説明しているが、制御部113は、緑色光および青色光についても、赤色光と同様にしてDMD111に変調を行わせる。こうすることで、左眼用画像と右眼用画像とをスクリーン150に表示することができる。
【0088】
このように、波長帯域の異なる光により左眼用画像と右眼用画像とがスクリーン150に投射されている状態で、観察者には、左眼に対応して、短波長側の光(赤色光R1、緑色光G1,および、青色光B1)を透過させ、長波長側の光(赤色光R2、緑色光G2,および、青色光B2)を反射するレンズを有し、右眼に対応して、長波長側の光(赤色光R2、緑色光G2,および、青色光B2)を透過させ、長波長側の光(赤色光R1、緑色光G1,および、青色光B1)を反射するレンズを有する眼鏡を介して、スクリーン150の表示を観察させる。こうすることで、観察者の左眼には左眼用画像が観察され、観察者の右眼には右眼用画像が観察され、観察者に立体的に画像を視認させることができる。
【0089】
このように、本実施形態のプロジェクター100は、光源から出射された光を波長帯域の異なる光に色分離プリズム103と、色分離プリズム103により分離された2つの光が通過するTIRプリズム110と、TIRプリズム110を出射した2つの光が入射され、その2つの光の変調を行ってTIRプリズム110に向けて出射するDMD111と、DMD111により変調され、TIRプリズム111を通過した2つの光を拡大投射する投射レンズ112と、色分離プリズム103とTIRプリズム110との間の光路中に回転可能に設けられ、色分離プリズム103から出射された2つの光を回転に応じて異なる位置から出射する回転プリズム108と、を備える。また、本実施形態のプロジェクター100は、左眼用画像と右眼用画像とを示す立体画像信号が入力されると、DMD111に、色分離プリズム103により分離される2つの光のうち、一方の光が照射される領域については左眼用画像の画像信号に基づいて変調を行わせ、色分離プリズム103により分離される2つの光のうち、他方の光が照射される領域については右眼用画像の画像信号に基づいて変調を行わせる。
【0090】
そのため、波長帯域の異なる光により左眼用画像と右眼用画像とを投射することができ、観察者に画像を立体的に視認させることができる。また、通常、色分離プリズム103や回転プリズム108は、反射偏光板、偏光ビームスプリッター、偏光切り替え素子などの光学素子と比べて安価である。また、偏光ビームスプリッターを光変調素子と投射レンズとの間に設ける必要が無いため、投射レンズのバックフォーカスを長くする必要がなく、投射レンズの大型化、光学系全体の大型化が不要となる。そのため、コスト増を抑制しつつ、簡素な装置構成で立体画像を表示することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
図6は、本発明のプロジェクターの第2の実施形態の概略構成を示す図である。なお、
図6において、
図1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0092】
本実施形態のプロジェクター600は、第1の実施形態のプロジェクター100と比較して、DMD111を削除して、DMD601R,601G,601Bを設けた点と、色分解プリズム602を設けた点と、制御部113を制御部603に変更した点と、が異なる。
【0093】
DMD601R,601G,601Bはそれぞれ、赤色光、緑色光、青色光に対応して設けられたDMDである。なお、DMD601R,601G,601Bの構成は、DMD111の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
上述したように、R色
固体光源101Rから出射された赤色光、G色
固体光源101Gから出射された緑色光、および、B色
固体光源101Bから出射された青色光は、色合成用ダイクロミラー106により合成される。色合成用ダイクロミラー106により合成された合成光は、照明レンズ107、回転レンズ108、照明レンズ109、および、TIRプリズム110を介して、色分解プリズム602に入射される。
【0095】
色分解プリズム602は、入射された光を赤色光、緑色光、および、青色光に分解し、赤色光(赤色光R1および赤色光R2)をDMD601Rに出射し、緑色光(緑色光G1および緑色光G2)をDMD601Gに出射し、青色光(青色光R1および青色光R2)をDMD601Bに出射する。
【0096】
制御部603は、立体画像信号が入力されると、回転プリズム108を回転させる。回転プリズム108の回転に伴って、第1の実施形態と同様に、DMD601R,601G,601Bそれぞれの変調面において、各色の短波長側の光が照射される領域と長波長側の光が照射される領域とがシフトする。
【0097】
また、制御部603は、DMD601Rには、立体画像信号の赤色の色成分に基づいて、色分解プリズム602から入射された赤色光(赤色光R1および赤色光R2)を変調させ、DMD601Gには、立体画像信号の緑色の色成分に基づいて、色分解プリズム602から入射された緑色光(緑色光G1および緑色光G2)を変調させ、DMD601Bには、立体画像信号の青色の色成分に基づいて、色分解プリズム602から入射された青色光(青色光B1および青色光B2)を変調させる。なお、制御部603は、第1の実施形態の制御部113と同様に、各DMDに、立体画像信号に示される左眼用画像のうち、変調面内の短波長側の光が照射される領域の位置に対応する画像の画像信号に基づいて短波長側の光を変調し、立体画像信号に示される右眼用画像のうち、変調面内の長波長側の光が照射される領域の位置に対応する画像の画像信号に基づいて長波長側の光を変調させる。
【0098】
なお、上述した第1および第2の実施形態においては、左眼用画像の画像信号に基づいて短波長側の光(赤色光R1、緑色光G1、および、青色光B1)を変調し、右眼用画像の画像信号に基づいて長波長側の光(赤色光R2、緑色光G2、および、青色光B2)を変調する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。左眼用画像の画像信号に基づいて長波長側の光(赤色光R2、緑色光G2、および、青色光B2)を変調し、右眼用画像の画像信号に基づいて短波長側の光(赤色光R1、緑色光G1、および、青色光B1)を変調してもよい。
【0099】
また、上述した第1および第2の実施形態においては、ロッドインテグレーター102から出射された光を色分離プリズム103により短波長側の光と長波長側の光とに分離し、これらの光をDMD111の変調面に照射する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。例えば、
図7A,7Bに示すように、色分離プリズム103の光の出射面にロッドインテグレーターを設けてもよい。なお、
図7A,7Bにおいては、色分離プリズム103は、
図2Bに示す直角プリズム201と平行四辺形状のプリズム204とからなる構成をしているものとする。
【0100】
図7Aにおいては、色分離プリズム103に2つのロッドインテグレーター701,702が接合されている。ここで、ロッドインテグレーター701,702は、色分離プリズム103の光の出射位置に設けられている。具体的には、ロッドインテグレーター701は、直角プリズム201とプリズム204との接合面703を透過した光が入射されるように配置されている。また、ロッドインテグレーター702は、プリズム204の、直角プリズム201とプリズム204との接合面703に対向する面704で反射された光が入射するように配置されている。
【0101】
ロッドインテグレーター701,702はそれぞれ、入射された光の照度分布を均一化して出射する。光分離プリズム103に入射された光を短波長側の光と長波長側の光とに分離するために直角プリズム201とプリズム204との接合面703に形成された波長選択膜は、製造誤差などにより特性が不均一となることがある。波長選択膜の特性が不均一となると、光分離プリズム103により分離される短波長側の光および長波長側の光に輝度ムラや照度ムラが生じることがある。ここで、光分離プリズム103により分離された短波長側の光および長波長側の光をそれぞれロッドインテグレーターに入射することで、輝度ムラや照度ムラが抑制された光とすることができる。
【0102】
ロッドインテグレーター701,702から出射された光は、照明レンズ104からTIRプリズム110を介して、DMD111に照射される。ここで、
図7Aにおいては、ロッドインテグレーター701とロッドインテグレーター702とが離間して配置されている。そのため、
図7Aに示すように、DMDの変調面において、短波長側の光が照射される領域A1と長波長側の光が照射される領域A2とは離間している。
【0103】
図7Bに示すように、ロッドインテグレーター701とロッドインテグレーター702とを密着して配置することで、短波長側の光が照射される領域A1と長波長側の光が照射される領域A2とを隣接させることができる。この場合、ロッドインテグレーター701とロッドインテグレーター702との境界面には、反射ミラーが形成されていることが好ましい。ロッドインテグレーター701とロッドインテグレーター702との境界面に反射ミラーが形成することで、各ロッドインテグレーターから、照度分布の均一性が高い光を出射させることができる。
【0104】
また、上述した第1および第2の実施形態においては、色分離プリズム103を用いて
固体光源101から出射された色光を短波長側の光と長波長側の光とに分離する例を用いて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、ロッドインテグレーター102に光を分離する機能を持たせてもよい。
【0105】
図8は、
固体光源101から入射された光を短波長側の光と長波長側の光とに分離する機能をロッドインテグレーター102に持たせた場合の、ロッドインテグレーター102の構成を示す図である。
【0106】
固体光源101からロッドインテグレーター102に入射された光は、ロッドインテグレーター102内部で反射を繰り返しながら、ロッドインテグレーター102の出射面801に到達する。ここで、ロッドインテグレーター102の出射面801には、
図8に示すように、出射面801の上半分と下半分とにそれぞれ特性の異なるダイクロミラーコート802,803が施されている。
【0107】
ダイクロミラーコート802は、
固体光源101から出射された光のうち、短波長側の光を透過させ、長波長側の光を反射する特性を有している。また、ダイクロミラーコート803は、
固体光源101から出射された光のうち、長波長側の光を透過させ、短波長側の光を反射する特性を有している。
【0108】
そのため、ロッドインテグレーター102の出射面801のうち、ダイクロミラーコート802が施された領域からは短波長側の光が出射され、ダイクロミラーコート803が施された領域からは長波長側の光が出射される。したがって、ロッドインテグレーター102の出射面801からは、光量が略同じで波長帯域の異なる光(短波長側の光および長波長側の光)が分離して出射される。
【0109】
なお、ダイクロミラーコート802により長波長側の光は反射され、ダイクロミラーコート803により短波長側の光は反射される。これらの光は、ロッドインテグレーター102を
固体光源101に向かって進行し、
固体光源101の表面で反射されて、再び、ロッドインテグレーター102内を出射面801に向かって進行する。そのため、ロッドインテグレーター102の出射面801にダイクロミラーコート802,803を施しても、光の利用効率の低下を抑制することができる。
【0110】
また、光源部101として、レーザー光を蛍光体に照射し、レーザー光の照射により励起された蛍光体から出射される蛍光を出射する光源装置を用い、この光源装置に光を分離する機能を持たせるようにしてもよい。このような光源装置の構成を
図9に示す。
【0111】
図9に示す光源装置900は、励起光源901と、レンズ902と、蛍光体903と、ロッドインテグレーター904と、を有する。
【0112】
励起光源901は、蛍光体903を励起する励起光を出射する。
【0113】
レンズ902は、励起光源901から出射された光を蛍光体903に集光する。
【0114】
蛍光体903は、ロッドインテグレーター904の入射面に固定されている。蛍光体903は、レンズ902により集光された励起光の照射により励起され、蛍光をロッドインテグレーター904の入射面に出射する。
【0115】
ロッドインテグレーター904は、入射面に蛍光体903から入射された蛍光を内部で反射させることで、照度分布を均一化し、断面が矩形形状の光に変換し、出射面906から出射する。ここで、ロッドインテグレーター904の入射面のうち、蛍光体903が固定されていない部分には、反射ミラー905が形成されている。また、ロッドインテグレーター904の出射面906には、
図9に示すように、出射面906の上半分と下半分とにそれぞれ特性の異なるダイクロミラーコート907,908が施されている。
【0116】
ダイクロミラーコート907は、蛍光体903から出射された蛍光のうち、短波長側の光を透過させ、長波長側の光を反射する特性を有している。また、ダイクロミラーコート908は、蛍光体903から出射された蛍光のうち、長波長側の光を透過させ、短波長側の光を反射する特性を有している。
【0117】
そのため、ロッドインテグレーター904の出射面906のうち、ダイクロミラーコート907が施された領域からは短波長側の光が出射され、ダイクロミラーコート908が施された領域からは長波長側の光が出射される。したがって、ロッドインテグレーター904の出射面905からは、光量が略同じで波長帯域の異なる光(短波長側の光および長波長側の光)が分離して出射される。
【0118】
なお、ダイクロミラーコート907により長波長側の光は反射され、ダイクロミラーコート908により短波長側の光は反射される。これらの光は、ロッドインテグレーター904を蛍光体903に向かって進行し、ロッドインテグレーター904の入射面に形成された反射ミラー905により反射されて、再び、ロッドインテグレーター904内を出射面906に向かって進行する。そのため、ロッドインテグレーター904の出射面906にダイクロミラーコート907,908を施しても、光の利用効率の低下を抑制することができる。
【0119】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0120】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0121】
(付記1)
少なくとも1つの光源と、
前記光源から出射された光を波長帯域の異なる第1の光と第2の光とに分離する光分離部と、
前記第1および第2の光が通過するTIRプリズムと、
前記TIRプリズムを出射した前記第1および第2の光が照射され、該第1および第2の光の変調を行って前記TIRプリズムに向けて出射する光変調素子と、
前記光変調素子により変調され、前記TIRプリズムを通過した光を拡大投射する投射レンズと、
前記光分離部と前記TIRプリズムとの間の光路中に回転可能に設けられ、前記光分離部から出射された前記第1および第2の光を回転に応じて異なる位置から出射する回転プリズムと、
第1の画像と第2の画像とを示す画像信号が入力されると、前記光変調素子に、前記第1の光が照射される領域については、前記第1の画像の画像信号に基づいて変調を行わせ、前記第2の光が照射される領域については、前記第2の画像の画像信号に基づいて変調を行わせる制御部と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【0122】
(付記2)
付記1記載のプロジェクターにおいて、
前記第1の光の色と前記第2の光の色とは、同じ色であることを特徴とするプロジェクター。
【0123】
(付記3)
付記1または2記載のプロジェクターにおいて、
前記光源から出射された色光が入射され、該入射された光の照度分布を均一化して前記光分離部に出射するロッドインテグレーターをさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
【0124】
(付記4)
付記1から3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1の光が入射され、該第1の光の照度分布を均一化して前記回転プリズムに出射する第1のロッドインテグレーターと、
前記第2の光が入射され、該第2の光の照度分布を均一化して前記回転プリズムに出射する第2のロッドインテグレーターと、をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
【0125】
(付記5)
付記4記載のプロジェクターにおいて、
前記第1のロッドインテグレーターと前記2のロッドインテグレーターとは隣接して設けられ、
前記第1のロッドインテグレーターと前記2のロッドインテグレーターとの境界面には、反射ミラーが形成されていることを特徴とするプロジェクター。
【0126】
(付記6)
付記1から5のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1および第2の光が互いに接して1つの光束を形成していることを特徴とするプロジェクター。
【0127】
(付記7)
付記6記載のプロジェクターにおいて、
前記光束の断面の形状と前記変調面の形状とが相似であることを特徴とするプロジェクター。
【0128】
(付記8)
付記1から6のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光源は、赤色光を出射する第1の光源と、緑色光を出射する第2の光源と、青色光を出射する第3の光源と、からなり、
前記光分離部は、前記第1の光源から出射された赤色光を波長帯域の異なる第1の赤色光と第2の赤色光とに分離する赤色光分離部と、前記第2の光源から出射された緑色光を波長帯域の異なる第1の緑色光と第2の緑色光とに分離する緑色光分離部と、前記第3の光源から出射された青色光を波長帯域の異なる第1の青色光と第2の青色光とに分離する青色光分離部と、からなることを特徴とするプロジェクター。
【0129】
(付記9)
付記8記載のプロジェクターにおいて、
前記光変調素子は、赤色光、緑色光、および、青色光それぞれに対応して設けられ、
前記赤色光分離部により分離された前記第1の赤色光と前記第2の赤色光とを前記赤色光に対応して設けられた光変調素子に照射し、前記緑色光分離部により分離された前記第1の緑色光と前記第2の緑色光とを前記緑色光に対応して設けられた光変調素子に照射し、前記青色光分離部により分離された前記第1の青色光と前記第2の青色光とを前記青色光に対応して設けられた光変調素子に照射する色分離プリズムと、をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
【0130】
(付記10)
プロジェクターの制御方法であって、
前記プロジェクターに第1の画像の画像信号と、第2の画像の画像信号と、を入力し、
光源から光を射出させ、該光を光分離部に入射し、該光分離部により波長帯域の異なる第1の光と第2の光とに分離し、
前記第1の光および前記第2の光を、前記光分離部と光変調素子との間の光路中に回転可能に設けた回転プリズムに入射させ、
前記回転プリズムは、前記第1の光および前記第2の光を、その回転に応じて異なる位置から出射させ、前記回転プリズムから出射した前記第1の光および前記第2の光を前記光変調素子に照射し、
前記光変調素子に、前記第1の光が照射される領域については、前記第1の画像の画像信号に基づいて変調を行わせ、前記第2の光が照射される領域については、前記第2の画像の画像信号に基づいて変調を行わせることを特徴とするプロジェクターの制御方法。