特許第6021206号(P6021206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021206
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20161027BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-148766(P2015-148766)
(22)【出願日】2015年7月28日
(62)【分割の表示】特願2014-79243(P2014-79243)の分割
【原出願日】2014年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-198995(P2015-198995A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2015年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−252975(JP,A)
【文献】 特開2013−128564(JP,A)
【文献】 特開2003−000900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定結果を報知する識別図柄が、停止または仮停止後再び変動を開始することを繰り返しながら、所定の演出要素がステップアップしていくステップアップ演出が搭載された遊技機であって、
前記識別図柄が停止または仮停止した後再び変動を開始した際に、前記演出要素をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、
一連の前記ステップアップ演出における二回目以降の第一抽選手段による抽選に用いられる前記第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステップアップ演出が搭載された遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、識別図柄の変動が最終的に停止するまでの間に、識別図柄が停止したように見せかける仮停止を実行する演出を実行する遊技機が記載されている。この種の演出において、停止または仮停止後に再び変動を開始したとき、識別図柄の変動速度が大きくなっていくもの(いわゆるステップアップ演出を行うもの)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−82171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のステップアップ演出は、ステップアップするタイミングや内容等、演出のバリエーションが限られている(予め決まっている)ため、趣向性に乏しいものであった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ステップアップ演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は、当否判定結果を報知する識別図柄が、停止または仮停止後再び変動を開始することを繰り返しながら、所定の演出要素がステップアップしていくステップアップ演出が搭載された遊技機であって、前記識別図柄が停止または仮停止した後再び変動を開始した際に、前記演出要素をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、一連の前記ステップアップ演出における二回目以降の第一抽選手段による抽選に用いられる前記第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明にかかる遊技機では、演出要素をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、次回の第一抽選手段による抽選に用いられる第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段を備える。つまり、ステップアップさせるかどうかを決定するための第一抽選確率が変化していくものである。したがって、ステップアップのタイミングがその都度変化する(演出のバリエーションが増加する)、趣向性の高いステップアップ演出とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】本実施形態にかかる遊技機の背面図である。
図3】本実施形態にかかる遊技機の制御ブロック図である。
図4】サブ制御基板が実行するメインコマンド解析処理のフローである。
図5】サブ制御基板が実行するステップアップ演出実行処理のフローである。
図6】ステップアップ演出の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、図1では、遊技機1の枠体、遊技球を発射する発射装置、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は省略している。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0010】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0011】
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、後述する報知演出や選択演出に用いられる。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
【0012】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0013】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0014】
大当たりの抽選は、主制御基板10(図2および図3参照)に設けられた当否判定手段が始動入賞口904または905への遊技球の入賞を契機として実行する。当否判定結果は、表示装置91に識別図柄20が表示されることによって報知される。大当たりとなる場合には、最終的に複数の識別図柄20が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)で停止し、はずれの場合にはそれ以外の組み合わせとなる。大当たりの抽選方法等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
【0015】
本実施形態にかかる遊技機1は、上記当否判定手段による判定結果を報知する各種演出を実行する。各種演出は、サブ制御基板11(図2および図3参照)によって制御される。以下、主制御基板10から所定のコマンドを受信したときのサブ制御基板11の演出制御のフロー(メインコマンド解析処理)について説明する。なお、サブ制御基板11は、各種ランプやスイッチ等を制御する基板でもあるが、これらの制御方法はどのような態様であってもよいため説明を省略する。
【0016】
図4に示すように、サブ制御基板11は、主制御基板10からコマンドを受信したかどうか判断する(S1)。主制御基板10から受信したコマンドがステップアップ演出を実行するコマンド(ステップアップ実行コマンド)である場合(S1「Yes」)には、ステップアップ演出を行う(S2)。一方、その他のコマンドである場合(S1「No」)には、各コマンドに対応したその他の処理を行う(S3)。その他のコマンドおよびそれに対応する処理はどのようなものであってもよいため、説明を省略する。
【0017】
サブ制御基板11は、主制御基板10からステップアップ実行コマンドを受信した場合には、図5に示すフローでステップアップ演出を実行する。本実施形態におけるステップアップ演出は、当否判定結果を報知する識別図柄20の変動速度が仮停止後にスピードアップする可能性があるものである。なお、ここでいう仮停止とは、識別図柄20が一旦停止したかのように見せかけて再び変動を開始する場合のいわゆる擬似停止をいう。
【0018】
サブ制御基板11が主制御基板10からステップアップ実行コマンドを受信したとき、まず、ステップアップ演出が実行可能な状態かが判断される(S2−1)。所定の条件下においてのみステップアップ演出を実行する構成とする場合には、当該ステップにおいてステップアップ演出を実行することができる状態であるか否かを判断する。例えば、いわゆるステージが所定のステージであるときや、当否判定結果を早く報知すべきとき(いわゆる保留を高速消化すべきとき)には、ステップアップ演出が実行されないように構成することができる。ステップアップ演出が実行可能な状態でないと判断された場合(S2−1「No」)には、ステップアップ演出を実行せずに当否判定結果を報知することになる。
【0019】
ステップアップ演出が実行可能な状態であると判断されたとき(S2−1「Yes」)には、変動速度Lv、シナリオNo.、総演出時間Tの初期値を設定する(デフォルトを行う)。本実施形態では、変動速度として、Lv=0(低速)、Lv=1(中速)、Lv=2(高速)、Lv=3(超高速)が予め設定されている。また、シナリオNo.は、後述する第一抽選および第二抽選の当選確率が設定されているものである。総演出時間Tは、本ステップアップ演出を実行するための時間である(かかる総演出時間Tを設定する手段が本発明における演出時間設定手段に相当する)。
【0020】
主制御基板10から受信したステップアップ実行コマンドが、当否判定結果が大当たりであることを示すコマンドである場合(S2−2「Yes」)には、変動速度Lv=0(低速)、シナリオNo.=1a、総演出時間T=Xに設定する(S2−3)。一方、主制御基板10から受信したステップアップ実行コマンドが、当否判定結果がはずれであることを示すコマンドである場合(S2−2「No」)には、変動速度Lv=0(低速)、シナリオNo.=1b、総演出時間T=Xに設定する(S2−4)。つまり、大当たりであるか否かに拘わらず、変動速度と総演出時間の初期値は同じであるが、シナリオNo.の初期値は異なる。本実施形態では、大当たりである場合に選択されるシナリオNo.の方が、はずれであるときに選択されるシナリオNo.よりも、後述する第一抽選の当選確率が高くなる蓋然性が高まるように設定されている。
【0021】
初期値の設定後、第一抽選を実行する(かかる第一抽選を実行する手段が本発明における第一抽選手段に相当する)(S2−5)。第一抽選は、変動速度Lvをアップさせるかどうかの抽選である。第一抽選の当選確率(本発明における第一抽選確率に相当する)は、現在設定されているシナリオNo.で決定される。少なくとも初期値として設定されるシナリオNo.は、大当たり変動である場合(シナリオNo.=1a)の方がはずれ変動である場合(シナリオNo.=1b)よりも高くなるように設定されている。第一抽選に当選した場合(S2−5「Yes」)には、変動速度Lvを一段階アップさせる(S2−6)。つまり、最初の第一抽選に当選した場合には、変動速度Lv=1となる。
【0022】
続いて、残時間Xnの減算を行う(S2−7)。当該操作は、今回新たに設定された変動速度Lvで識別図柄20を変動させたとき、残りの演出時間がどれだけになるかを算出するものである(当該残時間Xnを算出する手段が、本発明における残時間算出手段に相当する)。所定の変動速度で識別図柄20を変動させたときの変動時間Yは、新たに設定された変動速度Lvに基づき算出することができる(かかる変動時間Yを算出する手段が、本発明における変動時間算出手段に相当する)。本実施形態のように、変動速度Lvが予め複数段階に設定されている場合には、各Lvに応じた変動時間Yが記憶されていてもよい。なお、このように予め設定された変動時間Yを記憶領域から取得する場合も「算出」に含まれるものとする。このように、残時間Xnから変動時間Yを減算することにより、一段階アップした変動速度Lvで識別図柄20を変動させた後の残時間Xnが算出されることとなる。例えば、一回目の第一抽選(当選)を経て本ステップに到達した場合には、変動速度Lv=1であることに基づき変動時間Yを算出する。そして、初期設定される残時間XからYを減算したものを残時間Xnとする。
【0023】
一方、S2−5において第一抽選に当選しなかった場合(S2−5「No」)には、第二抽選を実行する(かかる第二抽選を実行する手段が本発明における第二抽選手段に相当する)(S2−8)。第二抽選は、第一抽選に当選する確率を高くするかどうかを決定するための抽選である。本実施形態における第二抽選の当選確率(本発明における第二抽選確率に相当する)は一定である。第二抽選に当選した場合(S2−8「Yes」)、シナリオNo.を一段階アップさせる(S2−9)。例えば、一回目の第二抽選であって、大当たり変動である場合には、シナリオNo.を1aから2aに一段階アップさせる。はずれ変動である場合には、シナリオNo.を1bから2bに一段階アップさせる。シナリオNo.は、MaまたはMb(Mは自然数)のMの値が大きくなればなるほど、第一抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。また、Mの値が同じであれば、MaよりもMbの方が第一抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。したがって、S2−8において第二抽選に当選し、シナリオNo.が一段階アップすると、次の第一抽選に当選する確率が高まることとなる。
【0024】
その後、残時間Xnの減算を行う(S2−10)。第二抽選には当選したものの、第一抽選には当選しなかったのであるから、変動時間Yは設定されていた変動速度Lvに基づき算出する。例えば、一回目の第一抽選(非当選)および第二抽選(当選)を経て本ステップに到達したときには、変動速度Lv=0であることに基づき変動時間Yを算出する。そして、初期設定される残時間XからYを減算したものを残時間Xnとする。
【0025】
一方、上記S2−8において第二抽選に当選しなかった場合(S2−8「No」)には、シナリオNo.を変化させない。つまり、次の第一抽選に当選する確率は維持される。その後、残時間Xnの減算を行う(S2−11)。第一抽選には当選しなかったのであるから、変動時間Yは設定されていた変動速度Lvに基づき算出する。例えば、一回目の第一抽選(非当選)および第二抽選(非当選)を経て本ステップに到達したときには、変動速度Lv=0であることに基づき変動時間Yを算出する。そして、初期設定される残時間Xから変動時間Yを減算したものを残時間Xnとする。
【0026】
上記S2−7、S2−10、またはS2−11において算出された残時間Xnは、所定時間Zと比較される(S2−12)。本実施形態における所定時間Zは、現在設定されている変動速度Lvに基づく変動が完了する時間が残っているかどうかを確認するため、当該変動速度Lvに応じて設定される時間である。つまり、所定時間Zは、現在設定されている変動速度Lvでの変動時間Yである。したがって、変動速度Lvがアップすればするほど、所定時間Zは短くなる。残時間Xnが所定時間Z以上であるとき(S2−12「No」)には、次の変動を確実に実行することができるため、再びS2−5に戻り、第一抽選に当選するか否か、すなわちステップアップが実行されるか否かが決定される。当該第一抽選の当選確率は、上記S2−8において第二抽選に当選している場合には前回の当選確率よりも高くなっている。つまり、第一抽選に非当選であった場合には、次回のステップアップが発生する確率が高まる可能性があるということである。
【0027】
これを繰り返し、S2−12において残時間Xnが所定時間Z未満と判断されたとき(S2−12「Yes」)には、次回の変動の変動速度Lvが維持された場合、次回の変動を実行することができないため(次回の変動が実行できない可能性があるため)、ステップアップの抽選を終了する。上記第一抽選や第二抽選を経て決定された変動態様は、表示装置制御基板12(図2および図3参照)に送られ、表示装置91において当該変動態様に基づくステップアップ演出が実行される。当該演出が実行される変動が大当たり変動である場合には、最終的に識別図柄20が所定の組み合わせで停止し、大当たりであることが報知される。はずれ変動である場合には、最終的に識別図柄20が所定の組み合わせ以外で停止し、はずれであることが報知される。第一抽選に当選する蓋然性は、大当たり変動である場合の方が高いのであるから、遊技者は変動速度が高まることを願いつつ演出を見守ることとなる。なお、ステップアップ演出の後にその他の演出(いわゆるリーチ演出等)が実行されるようにしてもよい。
【0028】
ステップアップ演出の一例について説明する。総演出時間T=29秒、変動速度Lv=0(低速)のときの変動時間Y=8秒、Lv=1(中速)のときの変動時間Y=6秒、Lv=2(高速)のときの変動時間Y=4秒、Lv=3(超高速)の変動時間Y=2秒とする。
【0029】
当否判定結果が大当たりであるとし、初期値として変動速度Lv=0、シナリオNo.=1a、総演出時間T=29秒が設定される。S2−5において第一抽選に当選せず、S2−8において第二抽選に当選したとする。そうすると、シナリオNo.=1aが2aに書き換えられ、第一抽選に当選する確率が高まる。最初の仮停止までの変動速度はLv=0であるのであるから、残時間Xn=29−8=21秒となる。残時間Xn(21秒)は所定時間Z(8秒)未満ではないから、再度S2−5において第一抽選を行う。
【0030】
二回目の第一抽選は、シナリオNo.=2aに基づく当選確率で実行する。つまり、一回目の第一抽選よりも当選確率が高まる。ここで、再度第一抽選に当選せず、第二抽選に当選したとする。そうすると、シナリオNo.=2aが3aに書き換えられ、第一抽選に当選する確率がさらに高まる。一回目の仮停止から二回目の仮停止までの変動速度はLv=0であるのであるから、残時間Xn=21−8=13秒となる。残時間Xn(13秒)は所定時間Z(8秒)未満ではないから、再度S2−5において第一抽選を行う。
【0031】
三回目の第一抽選は、シナリオNo.=3aに基づく当選確率で実行する。つまり、二回目の第一抽選よりも当選確率が高まる。ここで第一抽選に当選したとする。そうすると、変動速度Lvが0から1にアップする。変動速度Lv=1が二回目の仮停止から三回目の仮停止までの変動速度となるのであるから、残時間Xn=13−6=7秒となる。残時間Xn(7秒)は所定時間Z(6秒)未満ではないから、再度S2−5において第一抽選を行う。
【0032】
四回目の第一抽選も、シナリオNo.=3aに基づく当選確率で実行する。ここで第一抽選に当選したとする。そうすると、変動速度Lvが1から2にアップする。変動速度Lv=2が三回目の仮停止からの変動速度となるのであるから、残時間Xn=7−4=3秒となる。残時間Xn(3秒)は所定時間Z(4秒)未満であるから、S2−13に移行する。仮に、次の変動の変動速度がLv3となるのであれば(第一抽選に当選すれば)、変動時間Y=2秒であるため、残時間Xn=3秒の間に次の変動を実行することが可能であるが、次の変動の変動速度がLv2に維持されれば(第一抽選に当選しなければ)、変動時間Y=4秒であるため、残時間Xn=3秒の間に次の変動を実行することができない。このように、本実施形態では、次の変動を実行することができない可能性がある場合には、次の第一抽選を行わないようにしている(確実に次の変動を実行することができる場合のみ、次の第一抽選を行う)。
【0033】
上記抽選により、図6に示すようなステップアップ演出が実行される。一回目の仮停止までの変動速度がLv=0(図6(a)、(b))、一回目の仮停止から二回目の仮停止までの変動速度がLv=0(図6(c)、(d))、二回目の仮停止から三回目の仮停止までの変動速度がLv=1(図6(e)、(f))、三回目の仮停止から次の演出に移行するまで(最終的に停止するまでの変動速度であってもよいし、四回目の仮停止までの変動速度であってもよい。また、いわゆるリーチ演出等、別の演出に移行するまでの変動速度であってもよい)の変動速度がLv=2となる(図6(g))ようにステップアップ演出を実行することが決定される。サブ制御基板11は、かかる態様の演出が実行されるよう、データを表示装置制御基板12に送信する。
【0034】
このように、本実施形態にかかる遊技機1によれば、演出要素の一つである識別図柄20の変動速度をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、次回の第一抽選手段による抽選に用いられる第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段を備える。つまり、ステップアップさせるかどうかを決定するための第一抽選確率が変化していくものである。したがって、ステップアップのタイミングがその都度変化する(演出のバリエーションが増加する)、趣向性の高いステップアップ演出とすることが可能である。
【0035】
また、第一抽選確率を高くするかどうか(第二抽選の実行)は、第一抽選手段による抽選が非当選であった場合に実行されるものであるから、ステップアップさせるかどうかの抽選に漏れた場合に次回ステップアップする蓋然性が高まることになる。したがって、ステップアップ抽選に漏れ続け(ステップアップ回数が少なく)、遊技者の興趣が低下してしまう演出となるおそれを低減することが可能である。
【0036】
また、演出を実行するための残時間Xnが所定時間Z未満となったときに次の変動が実行されないように構成されているため、第一抽選手段による抽選に当選した回数等によってステップアップ回数が異なる演出となる。つまり、バリエーションに富んだ演出とすることが可能である。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態におけるステップアップ演出では、第一抽選に当選した場合、識別図柄20の変動速度が上昇することを説明したが、ステップアップするものは当該変動速度に限られない。例えば、第一抽選に当選した場合に、色が変化していく(例えば白、青、黄、緑、赤と変化していく)ようなステップアップ演出に上記技術思想を適用することもできる。
【0039】
また、上記実施形態におけるステップアップ演出では、第一抽選に当選しなかった場合に、第二抽選、すなわち第一抽選の当選確率(第一抽選確率)を高くするかどうかの抽選を行うことを説明したが、第一抽選に当選したか否かに拘わらず、第二抽選を実行する構成としてもよい。
【0040】
また、上記実施形態におけるステップアップ演出は、仮停止後に変動速度が上昇する可能性がある演出であることを説明したが、いわゆる保留跨ぎの演出として本演出を適用してもよい。つまり、ある当否判定結果が報知される際の変動速度が、それよりも前の当否判定結果が報知される際の変動速度よりも上昇することがあるステップアップ演出として上記構成を適用してもよい。
【0041】
また、本実施形態における第二抽選の当選確率(第二抽選確率)は一定であることを説明したが、当該当選確率が変化するようにしてもよい。例えば、第二抽選に当選しなかった後、再び第二抽選が実行される場合、先に実行された第二抽選の当選確率よりも後に実行される第二抽選の当選確率の方が高くなるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態における所定時間Zは、現在設定されている変動速度Lvに基づく変動が完了する時間が残っているかどうかを確認するための時間として設定される(変化する値である)ことを説明したが、一定値であってもよい。例えば、最も遅い変動速度のときにおける変動時間Y(一定値)を所定時間Zとし、残時間Xnが当該所定時間Z未満となったときに、最も遅い変動速度では次の変動を実行することができない可能性があるとして、次の第一抽選を行わないような構成としてもよい。
【0043】
以下、上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を列挙する。
【0044】
手段1:当否判定結果を報知する識別図柄が、停止または仮停止後再び変動を開始することを繰り返しながら、所定の演出要素がステップアップしていくステップアップ演出が搭載された遊技機であって、前記識別図柄が停止または仮停止した後再び変動を開始した際に、前記演出要素をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、次回の第一抽選手段による抽選に用いられる前記第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【0045】
手段2:前記第二抽選手段は、前記第一抽選手段による抽選が非当選であった場合に、次回の第一抽選手段による抽選に用いられる前記第一抽選確率を高くするかどうかを、前記第二抽選確率により抽選することを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0046】
手段3:前記第一抽選手段による抽選に当選した場合に、前記識別図柄が再び変動を開始した際の変動速度が上昇するように設定されていることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
【0047】
手段4:前記ステップアップ演出を実行する総演出時間を設定する演出時間設定手段と、設定された前記変動速度に基づき、前記識別図柄の一回の変動開始から停止または仮停止までの変動時間を算出する変動時間算出手段と、前記総演出時間から各回の前記変動時間を減算した残時間を算出する残時間算出手段と、を備え、前記ステップアップ演出において、前記識別図柄が停止または仮停止後再び変動を開始することを繰り返し、ある停止または仮停止後の前記残時間が所定時間未満となったときに、当該ステップアップ演出における次の変動が実行されないようにすることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0048】
手段1の遊技機では、演出要素をステップアップさせるかを、第一抽選確率により抽選する第一抽選手段と、次回の第一抽選手段による抽選に用いられる第一抽選確率を高くするかどうかを、第二抽選確率により抽選する第二抽選手段を備える。つまり、ステップアップさせるかどうかを決定するための第一抽選確率が変化していくものである。したがって、ステップアップのタイミングがその都度変化する(演出のバリエーションが増加する)、趣向性の高いステップアップ演出とすることが可能である。
【0049】
手段2の遊技機のように、第一抽選手段による抽選が非当選であった場合に、第一抽選確率を高くするかどうかを第二抽選確率により抽選するようにすれば、ステップアップさせるかどうかの抽選に漏れた場合に次回ステップアップする蓋然性が高まることになるから、ステップアップ抽選に漏れ続け(ステップアップ回数が少なく)、遊技者の興趣が低下してしまう演出となるおそれを低減することが可能である。
【0050】
手段3の遊技機のようにすれば、第一抽選手段による抽選に当選した場合に変動速度が上昇するステップアップ演出とすることが可能である。
【0051】
手段4の遊技機の発明のように、ステップアップとして変動速度の上昇が実行される演出の場合、演出を実行するための残時間が所定時間未満となったときに次の変動が実行されないようにすれば、第一抽選手段による抽選に当選した回数等によってステップアップ回数が異なる演出となる。つまり、バリエーションに富んだ演出とすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 遊技機
11 サブ制御基板
20 識別図柄
91 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6