【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の本人認証システムは、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数の画像により本人認証を行う本人認証システムであって、被認証者の識別情報と、前記被認証者の行動履歴を取得して記憶する行動履歴記憶部と、前記行動履歴に対応する認証用画像を取得して記憶する認証用画像記憶部と、前記行動履歴記憶部に記憶された行動履歴に対応した複数の認証用画像の組み合わせを抽出し、前記認証用画像とは異なる複数の虚偽画像を前記認証用画像と同時に被認証者の端末の認証画面に表示させる認証用画像生成部と、前記認証画面に表示された画像の選択を前記被認証者の端末から受け付けて、本人認証の可否を判定する本人認証部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、被認証者の日々の行動を行動履歴記憶部に記録しておき、記録した行動それぞれに対応した画像を取得し、この取得した行動履歴に対応する画像と、行動履歴には対応しない虚偽画像をそれぞれ複数組み合わせて、認証画面に同時に表示する。被認証者が、この認証画面から、本人のみが知る自らの行動と合致する正しい画像の組み合わせを選択すると、本人認証がOKと判定される。このようにして、被認証者本人の行動履歴と画像を組み合わせた認証システムが実現できる。行動履歴に基づいた画像の組み合わせを認証パスワードとしているので、通常のパスワードのように文字列を記憶する必要がなく、かつパスワードを自分で登録/更新せずとも、被認証者の行動に応じて、認証パスワードとなる認証用画像も自動的に更新される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記本人認証部は、前記被認証者が前記認証画面において、前記行動履歴に記憶された前記被認証者の行動の順に対応する前記認証用画像を選択した場合に、本人認証完了と判定することを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、認証パスワードとしての画像を、その組み合わせを正しく選択しただけでは不十分で、その選択順序も考慮される。すなわち、被認証者が行動した順番に、それらの行動と対応する画像の順番も正しく選択したときのみに、本人認証がOKとなる。このようして、選択した画像の組み合わせが他人によって選択したものと偶然一致する確率を大幅に下げて、認証強度を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被認証者の携帯端末の現在位置を取得し、前記行動履歴記憶部に記憶する端末位置情報取得部と、前記端末位置情報取得部が取得した前記携帯端末の位置の画像である地点画像を取得する地点画像取得部と、を更に備え、前記認証用画像生成部は、前記取得された地点画像から、前記認証用画像の組み合わせを抽出することを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、行動履歴として、被認証者の携帯端末の位置情報を取得し、被認証者の移動した地点の画像を随時取得しておく。そして、複数の地点の画像の組み合わせ及びその順番を認証パスワードとして用いる。このようにすることで、被認証者の行動履歴を簡単に収集することができ、被認証者にとっては自分が訪れた場所の画像(写真等)が認証パスワードとして用いられるので記憶が蘇りやすく選択がしやすい。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3の発明において、前記認証用画像生成部は、前記取得された地点画像のうち、前記被認証者の移動方向に相当する方向から撮られた写真画像から、前記認証用画像の組み合わせを抽出することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、上記の地点画像は、被認証者が実際に移動した移動方向も考慮して抽出される。すなわち、同じ地点の複数の画像から、自らの移動方向に相当する画像(移動方向とほぼ同じ方向からみた画像)を正しく選択する必要がある。このようにすることで、認証強度を更に高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被認証者のクレジットカード利用情報を取得し、前記行動履歴記憶部に記憶するクレジットカード利用情報取得部を更に備え、前記認証用画像生成部は、前記クレジットカード利用情報取得部が取得したクレジットカード利用情報に基づいて、クレジットカードを利用した店舗の画像から、前記認証用画像の組み合わせを抽出することを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、被認証者がクレジットカードの会員である場合、そのクレジットカードを使った購買履歴を行動履歴として利用し、利用した店舗(加盟店)の画像を取得する。このようにして得られた店舗画像を認証用画像として抽出する。このようすることで、被認証者が実際に買い物をした店舗の画像を認証用画像として利用できるので記憶に残りやすい。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被認証者のクレジットカード利用情報を取得し、前記行動履歴記憶部に記憶するクレジットカード利用情報取得部を更に備え、前記認証用画像生成部は、前記クレジットカード利用情報取得部が取得したクレジットカード利用情報に基づいて、クレジットカードで購入した商品の画像から、前記認証用画像の組み合わせを抽出することを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、上記の場合と同様に、被認証者がクレジットカードの会員である場合、そのクレジットカードを使った購買履歴を行動履歴として利用し、購入した商品の画像を取得する。このようにして得られた商品画像を認証用画像として抽出する。このようにすることで、被認証者が実際に買った商品の画像を認証用画像として利用できるのでより記憶に残りやすい。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記被認証者のクレジットカードの会員属性を取得し、前記会員属性に応じて、前記認証画面に表示される前記認証用画像の数又は前記虚偽画像の種類を変更することを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、被認証者がクレジットカードの会員である場合、登録された会員属性(年齢、性別、住所等)によって、認証画面に表示する認証用画像の数又は虚偽画像の種類を変化させる。例えば、被認証者が高齢者のような場合、認証用画像の数を比較的少なくして誤入力を減らすことができる。また、例えば、被認証者が女性の場合、虚偽画像として表示する商品画像も女性が購入する可能性の高い商品のみに限定することができる。また、虚偽画像としての店舗画像も被認証者が住む地域の店舗の画像を中心にして用いることができる。このようにすることで、被認証者に適した認証画面を構成することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被認証者がウェブサイトに投稿した画像、又はウェブサイトからダウンロードした画像の情報を含むサイト閲覧情報取得部を更に備え、前記認証用画像生成部は、前記投稿又はダウンロードされた画像から、前記認証用画像の組み合わせを抽出することを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、被認証者がアクセスしたウェブサイトの閲覧履歴を行動履歴として利用する。この場合、アクセスしたウェブサイトに被認証者が投稿した画像又はダウンロードした画像を認証用画像として用いることができる。特に無記名で投稿した画像や、ダウンロードした画像は、第三者に類推されにくく、認証用画像として適する。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記認証用画像生成部は、前記認証用画像を抽出するための前記行動履歴のパターンの選択を受け付けることを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、行動履歴として用いるパターンを被認証者が随時選択することができる。このようにすることで、様々なパターンの行動履歴を被認証者が選択することができるので、行動履歴の偏りを防止して認証強度を更に高めたり、逆にシステムが収集する行動履歴を制限してプライバシーを保護したりすることができる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記認証用画像は、静止画又は動画であることを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、認証用画像には静止画だけでなく動画も含めることができる。このようにすることで、移動履歴や購買履歴を行動履歴として用いる場合には、静止画だけでは判別しづらいような地点(特に移動方向を加味した場合)又は店舗の画像等を判別しやすくなり、また、ウェブサイトの閲覧履歴を行動履歴として用いる場合には、対象を動画専門のウェブサイトにも拡張することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明は、複数の画像により本人認証を行う本人認証方法であって、被認証者の識別情報と、前記被認証者の行動履歴を取得して記憶するステップと、前記行動履歴に対応する認証用画像を取得して記憶するステップと、前記記憶された認証用画像から前記被認証者の行動履歴に対応した複数の認証用画像の組み合わせを抽出するステップと、前記認証用画像とは異なる複数の虚偽画像を、前記認証用画像と同時に被認証者の端末の認証画面に表示させるステップと、前記認証画面に表示された画像の選択を前記被認証者の端末から受け付けて、本人認証の可否を判定するステップと、を有することを特徴とする。
【0030】
上記請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の本人認証システムを本人認証方法の発明と捉えたものであり、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
【0031】
請求項12に記載の発明は、複数の画像により本人認証を行う本人認証プログラムであって、コンピュータに、被認証者の識別情報と、前記被認証者の行動履歴を取得して記憶するステップと、前記行動履歴に対応する認証用画像を取得して記憶するステップと、前記記憶された認証用画像から前記被認証者の行動履歴に対応した複数の認証用画像の組み合わせを抽出するステップと、前記認証用画像とは異なる複数の虚偽画像を、前記認証用画像と同時に被認証者の端末の認証画面に表示させるステップと、前記認証画面に表示された画像の選択を前記被認証者の端末から受け付けて、本人認証の可否を判定するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0032】
上記請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の本人認証システム又は請求項11の本人認証方法を、コンピュータが実行する本人認証プログラムの発明と捉えたものであり、請求項1又は請求項11に記載の発明と同様な作用効果を奏する。