(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記待機中処置具交換モードでは、前記合成画像作製部が前記アーム画像の縁部に前記操作画像および前記体内画像を配置した前記合成画像を作製することを特徴とする請求項5に記載の手術支援装置。
前記駆動中処置具交換モードでは、前記合成画像作製部が前記体内画像の縁部に前記操作画像および前記アーム画像を配置した前記合成画像を作製することを特徴とする請求項8に記載の手術支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る手術支援装置の一実施形態を、
図1から
図13を参照しながら説明する。以下では、手術支援装置がマスタスレーブ方式の手術支援装置である場合を例にとって説明する。マスタスレーブ方式の手術支援装置は、後述するマスタアーム11A、11Bおよびスレーブアーム21A〜21Dを有し、術者が入力を与えるマスタアーム11A、11Bの動作に追従させるようにしてスレーブアーム21A〜21Dを遠隔制御する装置である。
図1および
図2に示すように、本手術支援装置1は、マスタアーム11A、11Bと、4つのスレーブアーム(アーム部)21A〜21Dと、スレーブアーム21A〜21Dを駆動可能なスレーブ制御回路(駆動部)35と、マスタアーム11A、11Bを含む画像である操作画像を取得するマスタ手元カメラ40と、患者Pの体内を観察可能な内視鏡45と、スレーブアーム21A〜21Dを含む画像であるアーム画像を取得するスレーブアーム俯瞰カメラ(アーム撮像部)50と、複数の動作モードを有するモード制御回路(モード制御部)55と、動作モードに応じて操作画像およびアーム画像などから合成画像を作製する画像処理回路(合成画像作製部)60と、合成画像を表示するディスプレイ(表示部)65とを備えている。
【0016】
なお、マスタアーム11A、11Bは同一の構成であるため、符号の数字の部分を共通にして示す。スレーブアーム21A〜21Dも、スレーブアーム21Dの一部以外は同一の構成であるため、符号の数字の部分を共通にして、スレーブアーム21Aの構成についてはこの数字に英字「A」を付加し、スレーブアーム21Bの構成についてはこの数字に英字「B」を付加するなどのようにして示すことにする。
【0017】
最初に、モード制御回路55が有する各動作モードの構成について説明する。
図3に示すように、動作モードは、レディモードM10および駆動モードM20に大きく分けられる。レディモードM10は、スレーブアーム21A〜21Dがマスタアーム11A、11Bにて動作可能となる前の状態で待機している状態、すなわち、マスタアーム11A、11Bを操作してもスレーブ制御回路35がスレーブアーム21A〜21Dを動作させないモードである。一方で、駆動モードM20は、マスタアーム11A、11Bに与えられた入力に基づいてスレーブ制御回路35がスレーブアーム21A〜21Dのいくつかを追従して動作させるモードである。マスタアーム11A、11Bにて動作するとは、マスタアーム11A、11Bの先端に設けられた把持部12A、12B(
図5参照。)を介してスレーブアーム21A〜21Dに装着された処置具を動作する(例えば、処置具先端の一対の把持片の開閉。)ことも含む。
【0018】
レディモードM10内には、待機モードM11、待機中処置具交換モードM12、アーム位置決めモード(位置決めモード)M13、および緊急停止モードM14がある。一方で、駆動モードM20内には、通常処置具モード(駆動中通常処置具モード)M21、エナジー処置具モード(駆動中電気処置具モード)M22、駆動中処置具交換モードM23、および内視鏡モードM24がある。
各モードの詳細については後述するが、各モード間の切り替えは、次のように行うことができる。まず、駆動モードM20内のいずれのモードからもレディモードM10内のいずれのモードに切り替えられるとともに、レディモードM10内のいずれのモードからも駆動モードM20内のいずれのモードに切り替えられる。
レディモードM10内において、待機中処置具交換モードM12とアーム位置決めモードM13との間以外は、待機モードM11、待機中処置具交換モードM12、アーム位置決めモードM13、および緊急停止モードM14の間で設定動作モードを任意に切り替えられる。駆動モードM20内においては、通常処置具モードM21、エナジー処置具モードM22、駆動中処置具交換モードM23、および内視鏡モードM24の間で設定動作モードを任意に切り替えられる。
【0019】
図1および
図2に戻り、説明を続ける。
患者Pは、手術台101上に載置された状態で観察・処置される。
手術台101の近傍には、前述のスレーブアーム21A〜21Dが設置されている。
スレーブアーム21Aは、一般的には多自由度関節を有して構成されているが、以下では、説明を簡単にするために、スレーブアーム21A〜21Dの一部の要素に注目して説明する。すなわち、各スレーブアーム21A〜21Dの関節を1つとして、
図4に示すように、スレーブアーム21Aが、スレーブ制御回路35の収容ケースに固定された基端側支持軸(基端側支持体)22Aと、先端側支持軸(先端側支持体)23Aと、基端側支持軸22Aおよび先端側支持軸23Aを接続する関節部24Aとを有しているとする。
先端側支持軸23Aの先端部には、先端側支持軸23Aの長手方向に直交する方向にスライド可能に保持部26Aが設けられていて、保持部26Aには挿通穴27Aが形成されている。挿通穴27A内には、一対のアーム側電極28Aが露出した状態で設けられている。この挿通穴27Aには、後述する把持鉗子W10や高周波ナイフW20などの処置具が着脱可能となっている。
【0020】
処置具は、使用時に電気エネルギーを用いない把持鉗子W10のような電気不使用型処置具と、使用時に電気エネルギーを用いる高周波ナイフW20のような電気使用型処置具とに区分される。把持鉗子W10には、電気抵抗(第一の識別部)W11が一対の処置具側電極を露出した状態で設けられている。把持鉗子W10の先端部には一対の把持片W12が設けられている。
高周波ナイフW20には、電気抵抗W11とは抵抗値(電気的特性)が異なる電気抵抗(第二の識別部)W21が一対の処置具側電極を露出した状態で設けられている。高周波ナイフW20の先端部にはナイフW22が設けられている。
【0021】
挿通穴27Aに、把持鉗子W10の基端部を装着したときに、保持部26Aのアーム側電極28Aと把持鉗子W10の処置具側電極とが電気的に接続され、識別部102によりアーム側電極28A間に一定の電圧を印加することで、電気抵抗W11の抵抗値が測定される。さらに、スレーブアーム21Aに内蔵された不図示の機構および動力部によりスレーブアーム21A側から操作することで、一対の把持片W12を互いに接近させたり離間させたりする、いわゆる開閉操作ができるようになる。上述の動力部としては、例えば、サーボモータを用いることができる。
挿通穴27Aに、高周波ナイフW20の基端部を装着したときに、保持部26Aのアーム側電極28Aと高周波ナイフW20の処置具側電極とが電気的に接続され、識別部102により電気抵抗W21の抵抗値が測定される。さらに、不図示の電極により、スレーブアーム21A側から高周波ナイフW20に高周波電流(電気エネルギー)を供給することができるようになる。
このように、識別部102は、抵抗値を測定することで保持部26Aに装着された処置具が電気抵抗W11および電気抵抗W21のいずれかを有するかを検出することができる。識別部102は、検出した処置具の種類を知らせる信号をモード制御回路55に送信する。
【0022】
関節部24Aは、図示しない電磁クラッチおよび動力部などを有している。動力部としては、例えばインクリメンタルエンコーダや減速器等を備えたサーボ機構を有するモータ(サーボモータ)が用いることができる。関節部24Aにスレーブ制御回路35から電気エネルギーを供給するとともに制御信号を送信することで、関節部24Aは基端側支持軸22Aおよび先端側支持軸23Aの相対的な配置角度θAを所望の値に調節することができる。
スレーブ制御回路35は、例えばCPUや、制御プログラムなどを記憶したメモリなどを有して構成されている。また、スレーブ制御回路35は、後述するように介助者(助手の医師や看護士)などが先端側支持軸23Aの位置を調節したときの配置角度θAを検出することで、この調節された配置角度θAをスレーブアーム21Aの初期位置としてメモリに記憶することができる。
なお、前述の内視鏡45が着脱可能に取り付けられるスレーブアーム21Dは、図示はしないが、保持部26A以外は、スレーブアーム21Aと同一の構成となっている。スレーブアーム21Dの保持部は、内視鏡45が取り付けられるように構成されている。
【0023】
スレーブ制御回路35は、スレーブアーム21Aに内蔵された前述の動力部の制御も行う。スレーブ制御回路35は、後述するスレーブ切り替えスイッチ106の指定によりスレーブアーム21A〜21Dの全部または一部を選択し、さらにモード制御回路55で設定された設定動作モードに基づいて、マスタアーム11A、11Bに与えられた入力に追従して駆動させることができる。
【0024】
スレーブ制御回路35には、処置具交換スイッチ(待機中交換切り替え部、駆動中交換切り替え部)36、位置決めスイッチ(位置決め切り替え部)37、および緊急停止スイッチ(緊急停止切り替え部)38が設けられている。
図2に示すように、処置具交換スイッチ36、位置決めスイッチ37、および緊急停止スイッチ38は、モード制御回路55に接続されている。
処置具交換スイッチ36を操作することで、モード制御回路55に信号が送信される。モード制御回路55は、この信号に基づいて、現在の設定動作モードがレディモードM10内のいずれかのモードである場合には、設定動作モードを待機中処置具交換モードM12に切り替える。また、現在の設定動作モードが駆動モードM20内のいずれかのモードである場合には、設定動作モードを駆動中処置具交換モードM23に切り替える。
位置決めスイッチ37を操作することでモード制御回路55に信号が送信され、設定動作モードがアーム位置決めモードM13に切り替えられる。そして、緊急停止スイッチ38を操作することでモード制御回路55に信号が送信され、設定動作モードが緊急停止モードM14に切り替えられる。
【0025】
スレーブ制御回路35は、スレーブアーム21Aの関節部24Aの配置角度θAを調節することで、保持部26Aに装着された把持鉗子W10などを手術台101上に載置された患者Pに対して位置決めすることができる。
前述のスレーブアーム俯瞰カメラ50は、
図1に示すように、このように駆動されるスレーブアーム21A〜21D全体の画像が取得できるように、その視野範囲51が設定されている。スレーブアーム俯瞰カメラ50は、スレーブアーム21A〜21Dのみでなく、手術室全体を俯瞰するように設置されていてもよい。
【0026】
マスタアーム11Aは、スレーブアーム21Aより小さく構成されているが、基本的にスレーブアーム21Aと同様の構成を有している。すなわち、一対の支持軸の間に、支持軸の配置角度を検出する、例えばインクリメンタルエンコーダなどのセンサが設けられた構成となっている。
前述のマスタ手元カメラ40は、
図5に示すように、マスタアーム11A、11Bの画像が取得できるように、その視野範囲41が設定されている。
マスタアーム11A、11Bの近傍には、マスタアーム11A、11Bで操作するスレーブアーム21A〜21Dを切り替えるためのスレーブ切り替えスイッチ106、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105、モード切替え用フットスイッチ(モード切り替え部、駆動中電気モード切り替え部)107、エナジー処置具通電用フットスイッチ(電気エネルギー切り替え部)108、および前述のディスプレイ65が配置されている。なお、マスタアーム11A、11B、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105、モード切替え用フットスイッチ107、およびエナジー処置具通電用フットスイッチ108で、操作部を構成する。
【0027】
図2に示すように、マスタアーム11A、11B、スレーブ切り替えスイッチ106、モード切替え用フットスイッチ107、およびエナジー処置具通電用フットスイッチ108は、入力処理回路109にそれぞれ接続されている。入力処理回路109は、マスタアーム11A、11B側からスレーブアーム21A〜21D側に送信される信号用の配線をまとめるために用いられ、公知の構成を有している。マスタアーム11A、11Bのセンサで検出した角度、スレーブ切り替えスイッチ106およびエナジー処置具通電用フットスイッチ108から送信される信号は、入力処理回路109を介してスレーブ制御回路35に送信される。一方で、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105およびモード切替え用フットスイッチ107から送信される信号は、入力処理回路109を介してモード制御回路55に送信される。
【0028】
スレーブ切り替えスイッチ106は、スレーブアーム21A〜21Dのうちスレーブ制御回路35により動作させるものを設定することができる。
電源の投入直後は、設定動作モードは待機モードM11になっているが、モード切替え用フットスイッチ107を操作することでモード切替え用フットスイッチ107からモード制御回路55に信号が送信され、設定動作モードに設定される動作モードが待機モードM11、通常処置具モードM21、またはエナジー処置具モードM22に切り替わる。内視鏡モード切替え用フットスイッチ105を操作すると、設定動作モードに設定される動作モードが内視鏡モードM24に切り替わる。エナジー処置具通電用フットスイッチ108を操作することで、各スレーブアーム21A〜21Cの保持部26A〜21Cのうちスレーブ切り替えスイッチ106で選択されたものに装着された高周波ナイフW20に、高周波電流を供給するか否かを切り替えたり、供給する高周波電流の大きさを調節したりすることができる。
【0029】
ディスプレイ65は、表示面66が本体67の外面より凹んだ没入型のものが用いられる。表示面66には、液晶パネルなどを好適に用いることができる。ディスプレイ65は、後述するように画像処理回路60から送信される信号を不図示の回路で画像に変換して表示面66に表示する。
モード切替え用フットスイッチ107および内視鏡モード切替え用フットスイッチ105を含む画像を取得するために、モード切替え用フットスイッチ107および内視鏡モード切替え用フットスイッチ105の上方にモード切替え用フットスイッチカメラ111が配置されている。同様に、エナジー処置具通電用フットスイッチ108を含む画像であるエナジー処置具通電用フットスイッチ画像(電気エネルギー切り替え画像)を取得するために、エナジー処置具通電用フットスイッチ108の上方にエナジー処置具通電用フットスイッチカメラ(電気エネルギー切り替え撮像部)112が配置されている。なお、マスタ手元カメラ40およびエナジー処置具通電用フットスイッチカメラ112で、操作撮像部を構成する。
マスタアーム11A、11B、スレーブ切り替えスイッチ106、および内視鏡モード切替え用フットスイッチ105は、操作机115の天板116上に配置されている。切替え用フットスイッチカメラ111およびエナジー処置具通電用フットスイッチカメラ112は天板116の下部に取り付けられ、マスタ手元カメラ40は操作机115の不図示の支持台に取り付けられている。
【0030】
内視鏡45としては、
図1に示す長尺の挿入部46を有する公知の構成のものを適宜選択して用いることができる。挿入部46の先端部には不図示の照明ユニットや撮像ユニットが備えられていて、挿入部46を患者Pの体内に挿入することで、患者Pの体内の画像である体内画像を取得することができる。この例では、内視鏡45はスレーブアーム21Dに装着されている。
図2に示すように、マスタ手元カメラ40、内視鏡45、スレーブアーム俯瞰カメラ50、モード切替え用フットスイッチカメラ111、およびエナジー処置具通電用フットスイッチカメラ112は画像処理回路60に接続されていて、それぞれで取得した画像を画像処理回路60に送信する。
画像処理回路60は、公知の構成のものを用いることができる。画像処理回路60は、モード制御回路55で設定された設定動作モードに基づいて、マスタ手元カメラ40などから送信される画像を並べたり重ねたりして合成画像を作製し、作製した合成画像の情報を信号に変換してディスプレイ65に送信する。
なお、表示面66に表示される画像において、図中、スレーブアーム21A〜21Dにおける内視鏡、処置具45の位置と体内画像における処置具の位置は、正確にはあっていないが、これは説明を分かりやすくするためである。
【0031】
次に、モード制御回路55の各モードの詳細について説明する。最初に、レディモードM10内の各モードについて説明する。レディモードM10内の待機モードM11、待機中処置具交換モードM12、アーム位置決めモードM13、および緊急停止モードM14のいずれにおいても、表示面66に操作画像G11が表示される。
モード制御回路55の設定動作モードが待機モードM11であるとき、スレーブアーム21A〜21Dが操作部による操作にて動作可能となる前の状態で待機している待機状態となる。具体的には、スレーブ制御回路35は設定動作モードに基づいて、関節部24A〜24Cにより配置角度θA〜θCを所定の角度としてスレーブアーム21A〜21Cを固定する。さらに、画像処理回路60は設定動作モードに基づいて、
図6に示すように、マスタ手元カメラ40で取得したマスタアーム11A、11Bを含む操作画像G11と、モード切替え用フットスイッチ107および内視鏡モード切替え用フットスイッチ105を含む画像であるモード切替え用フットスイッチ画像G12を並べて配置した合成画像G10を作製し、それを信号に変換して送信する。送信された信号はディスプレイ65内の不図示の回路で変換され、表示面66に合成画像G10が表示される。
術者がマスタアーム11A、11Bを自身の手で握っている場合には、その手Q1が操作画像G11中に表示される。また、術者がモード切替え用フットスイッチ107または内視鏡モード切替え用フットスイッチ105を自身の足で踏んでいる場合には、その足Q2がモード切替え用フットスイッチ画像G12中に表示される。
設定動作モードが待機中処置具交換モードM12であるとき、スレーブ制御回路35は、関節部24A〜24Cにより配置角度θA〜θCを所定の角度としてスレーブアーム21A〜21Cを固定する。さらに、画像処理回路60は、
図7に示すように、スレーブアーム俯瞰カメラ50で取得したスレーブアーム21A〜21Dを含むアーム画像G16の縁部に操作画像G11、および内視鏡45で取得した体内画像G17を配置した合成画像G15を作製し、作製した合成画像G15は表示面66に表示される。なお、
図7、
図8、
図9、および
図12においては、スレーブアーム21A〜21Dは先端側のみを模式的に示している。
【0032】
設定動作モードがアーム位置決めモードM13であるとき、スレーブ制御回路35は、関節部24A〜24Cにより基端側支持軸22A〜22Cを重力に対して支持するだけの支持力を作用させ、介助者などが先端側支持軸23A〜23Cの位置を、スレーブアーム21A〜21Cを直接手動で動かすことによって調節可能とする。すなわち、関節部24A〜24Cにより配置角度θA〜θCを一定にするより弱い保持力を作用させる。さらに、画像処理回路60は、
図8に示すように、アーム画像G16の縁部に操作画像G11、体内画像G17を配置した合成画像G20を作製し、作製した合成画像G20は表示面66に表示される。
設定動作モードが緊急停止モードM14であるとき、スレーブ制御回路35は、スレーブアーム21A〜21Dの動作を強制的に停止する。具体的には、関節部24Aへの電気エネルギーの供給、および制御信号の送信を停止する。さらに、画像処理回路60は、
図9に示すように、体内画像G17およびアーム画像G16を並べた画像の縁部に操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G25を作製し、作製した合成画像G25は表示面66に表示される。
【0033】
続いて、駆動モードM20内の各モードについて説明する。駆動モードM20内の通常処置具モードM21、エナジー処置具モードM22、駆動中処置具交換モードM23、および内視鏡モードM24のいずれにおいても、スレーブ制御回路35はマスタアーム11A、11Bに与えられた入力に基づいてスレーブアーム21A〜21Dのうちの選択されたものを動作させ、表示面66に体内画像が表示される。
設定動作モードが通常処置具モードM21であるとき、画像処理回路60は
図10に示すように、体内画像G31の縁部に操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G30を作製し、作製した合成画像G30は表示面66に表示される。
設定動作モードがエナジー処置具モードM22であるとき、画像処理回路60は
図11に示すように、体内画像G31の縁部に操作画像G11、モード切替え用フットスイッチ画像G12、およびエナジー処置具通電用フットスイッチカメラ112で取得したエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36を配置した合成画像G35を作製し、作製した合成画像G35は表示面66に表示される。
【0034】
設定動作モードが駆動中処置具交換モードM23であるとき、画像処理回路60は
図12に示すように、体内画像G31の縁部にアーム画像G16およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G40を作製し、作製した合成画像G40は表示面66に表示される。
設定動作モードが内視鏡モードM24であるとき、画像処理回路60は
図13に示すように、体内画像G31の縁部にモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G45を作製し、作製した合成画像G45は表示面66に表示される。
なお、手術支援装置1を起動したときには、設定動作モードは待機モードM11に設定されているとする。
【0035】
次に、以上のように構成された手術支援装置1の動作について説明する。
手術支援装置1を起動させると、設定動作モードが待機モードM11になり、スレーブ制御回路35によりスレーブアーム21A〜21Cが固定され、画像処理回路60により作製された
図6に示す合成画像G10がディスプレイ65の表示面66に表示される。
介助者Aは、手術台101上に患者Pを寝かせ、消毒や麻酔などの適切な処置を行う。
術者Qは、操作机115の前に配置された不図示の椅子に座り、右手でマスタアーム11Aを把持し、左手でマスタアーム11Bを把持する。顔をディスプレイ65の表示面66に対向させる。
表示面66には操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12が表示されているため、術者Qは表示面66を注視しながらも、マスタアーム11A、11B、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105、およびモード切替え用フットスイッチ107が操作されている状態を表示面66で確認することができる。
【0036】
介助者Aが処置具交換スイッチ36を押して設定動作モードを待機モードM11から待機中処置具交換モードM12に切り替えると、表示面66には
図7に示すスレーブアーム21A〜21Dの画像を含む合成画像G15が表示される。介助者Aは、術者Qの指示に従い手技の内容に応じてスレーブアーム21A〜21Cの保持部26A〜26Cに、例えば把持鉗子W10をそれぞれ装着する。術者Qは表示面66により、スレーブアーム21A〜21Cに処置具が装着されたかを確認する。このとき、識別部102は、スレーブアーム21Cに取り付けられた処置具の種類を認識する。
処置具が装着され処置具交換が終了すると、設定動作モードは待機モードM11に切り替わる。この切り替えとしては、例えば、処置具装着部に処置具が装着されたことを検出する検出部を有しており、装着されたことを検出すると自動的に切り替わるのが好ましいが、視野範囲41内に待機モードM11に切り替わる処置具交換スイッチ36などのスイッチを設けて、そのスイッチを押して切り替えてもよい。
【0037】
介助者Aが位置決めスイッチ37を押して設定動作モードをアーム位置決めモードM13に切り替えると、表示面66には
図8に示すスレーブアーム21A〜21Dの画像を含む合成画像G20が表示される。
介助者Aはスレーブアーム21Aの先端側支持軸23Aを自らの力で移動させ、患者Pに挿入した図示しないトラカールなどから処置具や、内視鏡45の挿入部46を体内に導入する。表示面66に先端側支持軸23Aを移動させる介助者Aの画像が表示されることで、術者Qはスレーブアーム21Aの位置決めが適切に行われていることを確認する。
アームの位置決めが終了すると、設定動作モードは待機モードM11に切り替わる。この切り替えとしては、例えば、スレーブアーム21A〜21Dに設けられたスイッチを押しながら位置決めし、位置決め後にスイッチを離すと自動的に切り替わるのが好ましいが、上述のように視野範囲41内に待機モードM11に切り替わる位置決めスイッチ37などのスイッチを設けて、そのスイッチを押して切り替えてもよい。
【0038】
手術支援装置1に何らかの緊急的な問題が発生した場合には、術者Qまたは介助者Aは緊急停止スイッチ38を押して緊急停止モードM14に切り替える。これにより、関節部24A〜24Dへの電気エネルギーの供給が停止さる。さらに、表示面66には
図9に示す体内画像G17およびアーム画像G16を含む合成画像G25が表示される。
【0039】
患者Pに対して実際に処置具で処置をする準備が整ったときに、術者Qはモード切替え用フットスイッチ107を足Q2で押す。モード制御回路55は、スレーブアーム21A〜21Cにエナジー処置具が装着された信号を受信していないときには、設定動作モードを通常処置具モードM21に切り替える。すると、表示面66には、
図10に示す体内画像G31の縁部に操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G30が表示される。この体内画像G31は、内視鏡45の撮像ユニットで取得された画像である。
スレーブ切り替えスイッチ106を操作してスレーブアーム21A〜21Dの中からマスタアーム11A、11Bに追従させるスレーブアーム21A、21Bを選択する。マスタアーム11A、11Bを操作することで把持鉗子W10を用いて患者Pに対して適切な処置を行う。この間、スレーブアーム21C、21Dは停止している。
表示面66には体内画像G31を含む合成画像G30が表示されるため、術者Qは患者Pの体内の様子を合成画像G30で確認しながら処置を行うことができる。
【0040】
術者Qは高周波ナイフW20を用いた処置を行いたいと判断すると、介助者Aに指示し、介助者Aは処置具交換スイッチ36を押して設定動作モードを通常処置具モードM21から駆動中処置具交換モードM23に切り替える。すると、表示面66には
図12に示す体内画像G31の縁部にアーム画像G16およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G40が表示される。
介助者Aは、現在停止中のスレーブアーム21Cから把持鉗子W10を取り外し、スレーブアーム21Cの保持部26Cに高周波ナイフW20を装着する。術者Qは、表示面66に表示されたスレーブアーム21Cの画像で、スレーブアーム21Cに適切な処置具が装着されたことを確認する。
【0041】
識別部102は、スレーブアーム21Cに高周波ナイフW20が装着されたことを検出すると、スレーブ切り替えスイッチ106を操作することでエナジー処置具モードM22に切り替可能となる。より詳しくは、マスタアーム11A、11Bに追従して操作可能となっているスレーブアームに高周波ナイフW20が装着されたことを検出したときに、スレーブ切り替えスイッチ106を操作することでエナジー処置具モードM22に切り替可能となる。
術者Qはスレーブ切り替えスイッチ106を操作してマスタアーム11Bに追従して操作可能なスレーブアームをスレーブアーム21Bからスレーブアーム21Cに切り替える。このとき、スレーブアーム21Cには高周波ナイフ21Cが到着されていることは検出されているため、設定動作モードがエナジー処置具モードM22に切り替わる。すると、表示面66には、
図11に示す体内画像G31の縁部に操作画像G11、モード切替え用フットスイッチ画像G12、およびエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36を配置した合成画像G35が表示される。
術者Qは、マスタアーム11Bを操作して、高周波ナイフW20を患部の近傍に配置する。
表示面66に表示された合成画像G35内の体内画像G31およびエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36を確認しつつ、エナジー処置具通電用フットスイッチ108を操作してスレーブアーム21Cに装着された高周波ナイフW20に高周波電流を供給して患部の切開を行う。
【0042】
術者Qは、スレーブアーム21Dに装着された内視鏡45を動作させたいときに内視鏡モード切替え用フットスイッチ105を操作する。すると、設定動作モードが内視鏡モードM24に切り替わり、表示面66には、
図13に示す体内画像G31の縁部にモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G45が表示される。
このように、術者Qは、常に表示面66を注視した状態で、介助者Aに指示を出しながら、マスタアーム11A、11B、スレーブ切り替えスイッチ106、モード切替え用フットスイッチ107、およびエナジー処置具通電用フットスイッチ108などを操作して患者Pの処置を行う。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の手術支援装置1によれば、レディモードM10内のいずれのモードにおいてもディスプレイ65には操作画像G11が表示される。このため、術者Qがディスプレイ65を注視している場合でも、ディスプレイ65に表示された操作画像G11によりマスタアーム11A、11Bの位置を認識することができる。したがって、術者Qはマスタアーム11A、11Bを探すのに要する時間を抑えることができる。
待機モードM11では、操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12が並べて表示されるため、術者Qがマスタアーム11A、11B、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105、およびモード切替え用フットスイッチ107を探すのに要する時間を抑えるとともに、マスタアーム11A、11B、内視鏡モード切替え用フットスイッチ105、およびモード切替え用フットスイッチ107を誤って操作するのを防止することができる。
位置決めスイッチ37を操作して設定動作モードをアーム位置決めモードM13に切り替えたときに、ディスプレイ65に表示されたアーム画像G16を確認することで、術者Qは緊急事態が発生したときに素早く対応することができる。
【0044】
処置具交換スイッチ36を操作することで、設定動作モードが待機中処置具交換モードM12に切り替わる。ディスプレイ65にスレーブアーム21A〜21Dを含むアーム画像G16を表示することで、介助者Aがスレーブアーム21A〜21Dに着脱する処置具を、ディスプレイ65を注視する術者Qが確認することができる。また、アーム画像G16を確認することで、術者Qは緊急事態が発生したときに素早く対応することができる。
待機中処置具交換モードM12では画像処理回路60はアーム画像G16の縁部に操作画像G11および体内画像G17を配置した合成画像G15を作製する。したがって、ディスプレイ65を注視する術者Qは、主にアーム画像G16を観察しながらも、自身がマスタアーム11A、11Bを握っている状態や内視鏡45で取得した体内画像G17を確認することができる。
【0045】
緊急停止スイッチ38を操作することで、設定動作モードが緊急停止モードM14に切り替わる。緊急停止モードM14では関節部24A〜24Dへの電気エネルギーの供給が停止される。表示面66には、体内画像G17、アーム画像G16、およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を含む合成画像G25が表示される。術者Qは、患者Pの体内の画像、およびスレーブアーム21A〜21Dの周囲の状況を確認することで、患者Pおよび手術支援装置1の安全を確認するとともに、緊急事態が発生したときに素早く対応することができる。
【0046】
処置具交換スイッチ36を操作することで、設定動作モードが駆動中処置具交換モードM23に切り替わる。ディスプレイ65には体内画像G31だけでなくスレーブアーム21A〜21Dを含むアーム画像G16も表示されるため、介助者Aがスレーブアーム21A〜21Dに着脱する処置具を、ディスプレイ65を注視する術者Qが確認することができる。
駆動中処置具交換モードM23では、体内画像G31の縁部にアーム画像G16およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G40がディスプレイ65に表示される。術者Qは主に体内画像G31を観察しながらマスタアーム11A、11Bを操作して処置をしながらも、アーム画像G16でスレーブアーム21A〜21Cに着脱される処置具を確認することができる。
【0047】
高周波ナイフW20が保持部26A〜26Cに装着されたときにモード切替え用フットスイッチ107を操作することで、設定動作モードがエナジー処置具モードM22に切り替わる。
エナジー処置具モードM22では、体内画像G31の縁部にエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36が表示されるため、術者Qは主に体内画像G31を観察しながらもエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36を確認することができる。さらに、ディスプレイ65にはモード切替え用フットスイッチ画像G12およびエナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36が表示される。このため、術者Qが複数のフットスイッチ107、108の中から目的のものを迷うことや、フットスイッチ107、108を誤って操作することを防止することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。
たとえば、前記実施形態では、マスタアームおよびスレーブアームの数は、手術支援装置の仕様に応じて適宜設定可能である。
操作部はマスタアーム11A、11Bであるとしたが、いわゆるジョイスティックなどの他の構成のものであってもよい。
【0049】
前記実施形態では、待機中処置具交換モードM12において画像処理回路60は、アーム画像G16の縁部に操作画像G11および体内画像G17を配置した合成画像G15を作製した。しかし、待機中処置具交換モードM12で作製される合成画像はこれに限ることなく、例えば、アーム画像G16の縁部に操作画像G11のみを配置した合成画像としてもよいし、互いに等しい大きさのアーム画像G16、操作画像G11および体内画像G17を並べて合成画像を構成してもよい。
通常処置具モードM21において画像処理回路60は、体内画像G31の縁部に操作画像G11およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G30を作製した。しかし、画像処理回路60は体内画像G31のみを用いた合成画像を作製して表示してもよい。
駆動中処置具交換モードM23において画像処理回路60は、体内画像G31の縁部にアーム画像G16およびモード切替え用フットスイッチ画像G12を配置した合成画像G40を作製したが、体内画像G31およびアーム画像G16を並べた合成画像を作製してもよい。
また、レディモードM10だけでなく、駆動モードM20内の各モードにおいても表示面66に操作画像G11が表示されるように設定してもよい。
駆動中処置具交換モードM23や内視鏡モードM24においても、エナジー処置具通電用フットスイッチ画像G36が表示されるように設定してもよい。
【0050】
前記実施形態では、第一の識別部、第二の識別部は互いに抵抗値の異なる電気抵抗であるとし、識別部が電気抵抗の抵抗値を検出できるとした。しかし、第一の識別部、第二の識別部、および識別部はこれに限ることなく、以下に説明する様々な構成とすることができる。
例えば、処置具にN対の処置具側電極を露出した状態に設け、対となるそれぞれの処置具側電極間に一定の抵抗値の電気抵抗が接続されているか否かのN対の処置具側電極全体としての接続状態を処置具の種類毎に変えておく。識別部側では、対となる処置具側電極間が電気抵抗を介して接続されていればON、絶縁されていればOFFとして識別する。そして、N個のONまたはOFFの組み合わせで、2進法の要領で処置具の種類を識別する。
【0051】
処置具の外面に凸部が設けられる設定場所をNカ所設け、処置具の種類毎に、設定場所のそれぞれに凸部が設けられているか否かのNカ所全体としての組み合わせ、すなわち、処置具の外形の形状を変える。各設定場所に凸部が設けられているか否かを識別部側に設けられたN個のスイッチで検出することで、処置具の種類を識別する。
また、識別部の別の構成としては、処置具にバーコードなどの識別情報を設け、この識別情報に含まれる情報を処置具の種類毎に変えておく。識別部側で識別情報を検出し情報を読み取ることで、処置具の種類を識別する。
【0052】
前記実施形態では、待機モードM11、待機中処置具交換モードM12、アーム位置決めモードM13、および緊急停止モードM14の間、そして、通常処置具モードM21、エナジー処置具モードM22、駆動中処置具交換モードM23、および内視鏡モードM24の間は、待機中処置具交換モードM12とアーム位置決めモードM13との間以外は、設定動作モードをそれぞれ任意に切り替えられるとした。しかし、レディモードM10内において、待機モードM11と待機中処置具交換モードM12との間、待機モードM11とアーム位置決めモードM13との間、待機モードM11と緊急停止モードM14との間でのみ設定動作モードを切り替えられるとしてもよい。駆動モードM20内においても同様である。
レディモードM10、駆動モードM20においては、上記の全てモードがある場合に限るものではなく、装置構成によって適宜モードが設定される。たとえば、処置具がスレーブアーム21A〜21Cに交換できない構造(たとえば、スレーブアームと処置具が一体構造)の場合は、レディモードM10、駆動モードM20において処置具交換モードはなくてよい。また、エナジー処置具を用いない場合は、駆動モードM20において、エナジー処置具モードM22がなくてよい。レディモードM10内に待機モードM11が備えられていれば、その他のモードは適宜設定可能である。駆動モードM20においても、通常処置具モードM21がその他のモードは適宜設定可能である。
【0053】
また、操作部の構成も、マスタアームに限らず、ジョイスティックでも良く、また上記したように手術支援装置の構成でエナジー処置具を用いない場合は、エナジー処置具通電用フットスイッチ等が無くて良く、手術支援装置の構成や設定されるモードの数等によって、適宜決定される。操作撮像部も同様に、手術支援装置の構成や設定されるモードの数等によって、適宜決定される。
【0054】
電気不使用型処置具としては把持鉗子W10以外にも、持針器やはさみなどの処置具を適宜選択して用いることができる。一方で、電気使用型処置具としては高周波ナイフW20以外にも、超音波処置具やスネアなどを用いることができる。
本実施形態では、処置具交換スイッチ36、位置決めスイッチ37、緊急停止スイッチ38が、
図4に示すようにスレーブアームの基台に配設されているが、これらのスイッチ36、37、38は、マスタ手元カメラ40の視野範囲41内となる位置に配設してもよいし、基台と視野範囲41内となる位置との両方に配設してもよい。
【0055】
前記実施形態では、スレーブアームの切り替えをスレーブ切り替えスイッチ106の操作で行うとした。しかし、これをモード切替え用フットスイッチ107で切替えられるとしても良い。例えば、レディモードM10のときに、モード切替え用フットスイッチ107を短く押すと、マスタアーム11A、11Bのそれぞれにスレーブアーム21A、21Bが割り振られ、駆動モードM20に遷移して、操作できるようになる。次に、モード切り替え用フットスイッチ107を短く押すと、マスタアーム11Aには、スレーブアーム21Cが割り振られ、スレーブアーム21Aはその場に停止して、スレーブアーム21Cが操作できるようになる。
マスタアーム11A、11Bにどのスレーブアーム21A〜21Dを割り振るかはあらかじめ設定しておく。駆動モードM20からレディモードM10に遷移するときは、モード切替え用フットスイッチ107を長押しする。この場合、モード制御回路55にはタイマーが内蔵されていて、モード切替え用フットスイッチ107から信号が連続的に送信されている時間を計測することで、モード切替え用フットスイッチ107が、いわゆる長押しされているか、短押しされているかを認識する。