(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。同図に示す撮像装置1は、本体部2と、本体部2に着脱自在なレンズ部3と、本体部2に対して移動可能に連結される可動式のモニタ部4と、を備える。撮像装置1の本体部2には、アクセサリ5を着脱自在に取付可能である。
【0018】
本体部2は、シャッタ10と、シャッタ駆動部11と、撮像素子12と、撮像素子駆動部13と、信号処理部14と、A/D変換部15と、画像処理部16と、入力部17と、接眼表示部18と、アイセンサ19と、回動判定部20と、一時記録部21と、記録部22と、本体通信部23と、第2通信部24と、制御部25と、を備える。
【0019】
シャッタ10は、撮像素子12の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部11は、ステッピングモータ等を用いて構成され、制御部25から入力される指示信号に応じてシャッタ10を駆動する。
【0020】
撮像素子12は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。撮像素子12は、被写体を撮像して該被写体hの画像データを生成する撮像部の少なくとも一部の機能を有する。
撮像素子駆動部13は、所定のタイミングで撮像素子12から画像データ(アナログ信号)を信号処理部14に出力させる。この意味で、撮像素子駆動部13は、電子シャッタとして機能する。
【0021】
信号処理部14は、撮像素子12から入力されるアナログ信号に対して、ノイズ低減処理およびゲインアップ処理等のアナログ処理を施してA/D変換部15に出力する。
【0022】
A/D変換部15は、信号処理部14から入力されるアナログ信号に対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成し、制御部25に出力する。
【0023】
画像処理部16は、撮像素子12が生成した画像データに所定の画像処理を施す。画像処理部16は、基本画像処理部161と、アート効果画像処理部162と、画像合成部163とを有する。
【0024】
基本画像処理部161は、画像データに対して、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、カラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理を含む基本の画像処理を行う。また、基本画像処理部161は、予め設定された各画像処理のパラメータに基づいて、自然な画像を再現する仕上がり効果処理を行って仕上がり効果画像データを生成する。ここで、各画像処理のパラメータとは、コントラスト、シャープネス、彩度、ホワイトバランスおよび階調の値である。
【0025】
アート効果画像処理部162は、1つの画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせるアート効果画像処理を行って処理画像データ(以下、「アート効果画像データ」という)を生成する。
【0026】
図2は、アート効果画像処理部162が行うアート効果画像処理の概要を示す図である。
図2ではアート効果画像処理として、ファンタジックフォーカス、ファンタジックフォーカス+スターライト、ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジ、ポップアート、ポップアート+スターライト、ポップアート+ピンホール、ポップアート+ホワイトエッジ、トイフォト、ラフモノクローム、ジオラマの10種類が記載されている。以下、これらのアート効果画像処理について説明する。
【0027】
ファンタジックフォーカスは、画像全体にぼかし処理を施し、ぼかす前の画像と一定の割合で合成するソフトフォーカスの効果を与える処理である。ファンタジックフォーカスは、中間の輝度をより明るくするトーンカーブ処理を行うことにより、柔らかいトーンの中で、被写体のディテールを残しながら、幸福な光に包まれたように美しく幻想的な雰囲気の画像を結像または生成する。ファンタジックフォーカスは、例えばトーンカーブ処理、ぼかし処理、アルファブレンド処理および画像合成処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される。
ファンタジックフォーカス+スターライトは、ファンタジックフォーカスに加えて、画像中の高輝度部に対してクロスパターンを描写するクロスフィルター効果を施す処理である。
ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジは、ファンタジックフォーカスに加えて、画像の中心部から周縁部に行くにしたがって徐々に白味を帯びる効果が施す処理である。このような白味の効果は、画像の中心からの距離が大きいほど周辺部が白くなるように画素値を変更することによって得られる。
【0028】
ポップアートは、色をカラフルに強調し、明るく楽しい雰囲気を表現する処理である。ポップアートは、例えば彩度強調処理およびコントラスト強調処理を組み合わせることによって実現される。全体に高コントラストで高彩度の効果である。
ポップアート+スターライトは、ポップアートとスターライトを重ねて施す処理である。この場合には、カラフルな画像にクロスフィルターを施した効果が得られる。
ポップアート+ピンホールは、ポップアートに加えて、画像の周縁部をシェーディングによって暗くして穴から覗き込むような効果を与えるトイフォト(ピンホール)を施す処理である。トイフォトの詳細については、後述する。
ポップアート+ホワイトエッジは、ポップアートとホワイトエッジを重ねて施す処理である。
【0029】
トイフォトは、画像の中心からの距離が大きいほど輝度が小さく(暗く)なるようにして、あたかも穴から覗き込んで異空間に迷い込んだような効果を生じさせる処理である。トイフォトは、例えばローパスフィルタ処理、ホワイトバランス処理、コントラスト処理、色相・彩度処理に加え、輝度信号に対して周辺ほど小さい係数を乗じるシェーディング処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される(トイフォト、シェーディングの詳細な内容については、例えば特開2010−74244号公報を参照)。
【0030】
ラフモノクロームは、高コントラストとフィルムの粒状のノイズを付加してモノクロ画像の力強さや荒々しさを表現する処理である。ラフモノクロームは、例えばエッジ強調処理、レベル補正最適化処理、ノイズパターン重畳処理、合成処理およびコントラスト処理等を組み合わせることによって実現される(ラフモノクロームの詳細な内容については、例えば特開2010−62836号公報を参照)。このうちノイズパターン重畳処理(ノイズ付加処理)は、予め作成したノイズパターン画像をもとの画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は、例えば乱数などを発生させ、この乱数に基づいて生成してもよい。
【0031】
ジオラマは、高コントラストで高彩度の画像に、画像の周縁部をぼかすことにより、ミニチュア模型やおもちゃを見ているかのような雰囲気を画面上に作り出す処理である。ジオラマは、例えば色相・彩度処理、コントラスト処理、周辺ぼかし処理および合成処理等を組み合わせることによって実現される。このうち、周辺ぼかし処理は、画像の中心からの距離に応じ、周辺部ほどぼける度合いが大きくなるように、画像の位置に応じてローパス係数を変更しながらローパスフィルタ処理を行うものである。なお、周辺ぼかし処理として、画像の上下のみ、または画像の左右のみをぼかすようにしてもよい。
【0032】
画像合成部163は、アート効果画像処理部162が互いに異なる複数のアート効果画像処理をそれぞれ施した複数のアート効果画像を合成する。
図3は、画像合成部163が生成する合成画像の表示例を示す図である。同図に示す合成画像101は、4つの副画像102〜105を合成した画像である。副画像102〜104は、同じ画像データに対して3つの異なるアート効果画像処理を施すことによってそれぞれ生成されたものである。また、副画像105は、アート効果画像処理を施していない画像(撮像画像)である。なお、
図3では、アート効果を模式的に示している。アート効果を模式的に示す点は、以下に説明するすべての図面についても同様である。
【0033】
図4は、画像合成部163が生成する合成画像の別な表示例(第2例)を示す図である。同図に示す合成画像111は、1つの主画像113と、2つの副画像112、114を合成した画像である。主画像113は、合成画像111の右半分領域を占めている。また、副画像112、114は、合成画像111の左半分領域を縦に等分した大きさを有しており、主画像113よりも小さい。
【0034】
図5は、画像合成部163が生成する合成画像の別な表示例(第3例)を示す図である。同図に示す合成画像121は、4つの副画像122〜125を合成した画像である。副画像122〜125は、それぞれ互いに同じ大きさを有する縦長の画像である。副画像122〜124は、同じ画像データに対して3つの異なるアート効果画像処理を施すことによってそれぞれ生成されたものである。また、副画像125は、アート効果画像処理を施していない画像である。
【0035】
図6は、画像合成部163が生成する合成画像の別な表示例(第4例)を示す図である。同図に示す合成画像131は、画面と等しい大きさを有する1つの主画像132に対して3つの副画像133〜135を重畳した態様を有する。主画像132、ならびに副画像133および134は、同じ画像データに対して3つの異なるアート効果画像処理を施すことによってそれぞれ生成されたものである。また、副画像135は、アート効果画像処理を施していない画像である。なお、副画像133〜135の表示位置は適宜変更することが可能である。
【0036】
引き続き、撮像装置1の構成を説明する。入力部17は、静止画撮影時の撮影信号の入力を受け付けるレリーズボタン、撮像装置1のモード切り替えを指示する切替指示信号の入力を受け付けるモード切替ボタン、動画撮影の開始および終了を指示する信号の入力を受け付ける動画ボタン等を含む操作信号入力用のユーザーインターフェースを用いて実現される。
【0037】
接眼表示部18は、電子ビューファインダ(EVF)である。接眼表示部18は、
図3〜
図6にそれぞれ示す合成画像101、111、121、131を表示可能である。
アイセンサ19は、接眼表示部18の近傍に設けられ、人の目が接眼表示部18の近くにあるか否かを検出する。
回動判定部20は、モニタ部4が回動によって本体部2から離れた状態になっているか否かを判定する。
【0038】
一時記録部21は、A/D変換部15から入力される画像データ、画像処理部16から入力される画像処理後の画像データおよび撮像装置1の処理中の情報を一時的に記録する。一時記録部21は、揮発性メモリを用いて構成される。
【0039】
記録部22は、不揮発性メモリを用いて構成され、画像データ記録部221と、アート効果情報記録部222と、レイアウト情報記録部223と、プログラム記録部224と、を有する。
【0040】
画像データ記録部221は、撮像素子12が生成した画像データを含む画像データを記録する。アート効果情報記録部222は、アート効果画像処理部162が行う各アート効果画像処理における画像処理の組み合わせ情報を記録する。
レイアウト情報記録部223は、画像合成部163が生成する合成画像のレイアウト情報(例えば、
図3〜
図6を参照)を記録する。
プログラム記録部224は、撮像装置1を動作させるための各種プログラム、撮像プログラム、およびプログラムの実行中に使用される各種データおよび画像処理部16による画像処理の動作に必要な各種パラメータ等を記録する。
【0041】
なお、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータ読取可能な記憶媒体を適用することによって記録部22の機能を実現することも可能である。
【0042】
本体通信部23は、本体部2に装着されたレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。本体通信部23には、レンズ部3との電気的な接点も含まれる。
【0043】
第2通信部24は、本体部2に装着されるアクセサリ5との通信を行うためのインターフェースである。第2通信部24には、アクセサリ5との電気的な接点も含まれる。ここで、アクセサリ5は、本体部2との通信インターフェースであるアクセサリ通信部51を有する。アクセサリ5として、例えば補助光を投射するエレクトロニックフラッシュを挙げることができる。
【0044】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部25は、撮像した画像に含まれる人物の顔を検出する顔検出部251と、後述するモニタ部4が有するタッチパネル42から受信した信号に応じたタッチ位置を検出するタッチ検出部252と、画像処理部16の動作を制御する画像処理制御部253と、接眼表示部18およびモニタ部4が有する表示部41の表示態様を制御する表示制御部254と、を有する。表示制御部254は、画像処理部16が互いに異なる複数の画像処理をそれぞれ施した複数の画像の中から選択される1つの画像を主画像とするとともに、該主画像以外の画像を該主画像と識別可能な副画像として、モニタ部が有する表示部41に一括して表示させる機能を有する。
【0045】
制御部25は、画像データ記録部221が記録す画像データに基づいて、静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件の設定(AE処理)、および撮像装置1の焦点の自動調整(AF処理)を行う。制御部25は、バスを介して撮像装置1を構成する各部に対して制御信号や各種データの送信を行うことにより、撮像装置1の動作を統括して制御する。
【0046】
制御部25は、入力部17から撮影動作の開始信号(操作信号)が入力された場合、撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮影動作とは、シャッタ駆動部11および撮像素子駆動部13の駆動によって撮像素子12が出力した画像データに対し、信号処理部14、A/D変換部15および画像処理部16が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、制御部25の制御のもと、所定の形式にしたがって圧縮され、記録部22に記録される。ここで、所定の形式としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、MotionJPEG方式およびMP4(H.264)方式等を挙げることができる。
【0047】
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力部、被写体に対して補助光(フラッシュ)を発光する補助光発光部、所定の通信ネットワークを介して外部の装置とデータの送受信を行う通信部などをさらに設けてもよい。
【0048】
次に、レンズ部3の構成を説明する。レンズ部3は、光学系31と、レンズ駆動部32と、絞り33と、絞り駆動部34と、レンズ操作部35と、レンズ記録部36と、レンズ通信部37と、レンズ制御部38と、を備える。
【0049】
光学系31は、1または複数のレンズを用いて構成される。光学系31は、所定の視野領域から光を集光する。光学系31は、画角を変化させる光学ズーム機能および焦点を変化させるフォーカス機能を有する。
【0050】
レンズ駆動部32は、DCモータまたはステッピングモータ等を用いて構成され、光学系31のレンズを光軸L上で移動させることにより、光学系31のピント位置や画角等の変更を行う。
【0051】
絞り33は、光学系31が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。
絞り駆動部34は、ステッピングモータ等を用いて構成され、絞り33を駆動する。
【0052】
レンズ操作部35は、例えばレンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるリングであり、レンズ部3における光学ズームの操作を開始する操作信号の入力、またはレンズ部3におけるピント位置の調整を指示する指示信号の入力を受け付ける。なお、レンズ操作部35は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
【0053】
レンズ記録部36は、光学系31の光学特性に関する情報を記録するレンズ特性情報記録部361を有する。また、レンズ記録部36は、光学系31の位置および動きを決定するための制御用プログラムおよび各種パラメータを記録する。
【0054】
レンズ通信部37は、レンズ部3が本体部2に装着されたときに、本体部2の本体通信部23と通信を行うための通信インターフェースである。レンズ通信部37には、本体部2との電気的な接点も含まれる。
【0055】
レンズ制御部38は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。レンズ制御部38は、レンズ操作部35の操作信号または本体部2からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。レンズ制御部38は、本体部2の制御部25との間で所定の周期でレンズ通信信号を送受信することによって、本体部2との動作の連携を図っている。具体的には、レンズ制御部38は、レンズ通信信号に含まれるレンズ操作部35の操作信号に応じて、レンズ駆動部32を駆動させてレンズ部3のピント合わせやズーム変更を行うとともに、絞り駆動部34を駆動させて絞り値の変更を行う。レンズ制御部38は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、レンズ特性情報、ピント位置情報、焦点距離およびレンズ部3を識別する固有情報等を本体部2に送信する。
【0056】
次に、モニタ部4の構成を説明する。モニタ部4は、表示部41と、タッチパネル42とを有する。表示部41およびタッチパネル42は、本体部2と電気的に接続されている。
【0057】
表示部41は、画像データに対応する画像を表示可能な構成を有しており、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示部41における画像の表示方法には、撮影直後の画像データを所定時間(例えば3秒間)だけ表示するレックビュー表示、記録部22が記録する画像データを再生する再生表示、および撮像素子12が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するスルー画表示(ライブビュー表示)等が含まれる。また、表示部41は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。表示部41は、
図3〜
図6にそれぞれ示す合成画像101、111、121、131を表示可能である。
【0058】
タッチパネル42は、表示部41の表示画面上に重ねて設けられ、外部からの接触位置に応じた信号の入力を受け付ける。タッチパネル42の方式として、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式等のいずれの方式も適用可能である。
【0059】
図7は、撮像装置1の背面側の構成を示す図であり、モニタ部4の本体部2に対する移動の態様を説明する図である。モニタ部4は、ヒンジおよび連結用のアームを有し、表示部41の表示画面の本体部2に対する傾斜角度を変更させるチルト機構6を介して本体部2に連結されている。
図7(a)に示す場合、表示部41の表示画面は本体部2の背面と平行な状態にある。これに対し、
図7(b)に示す場合、表示部41の表示画面は、本体部2の背面に対して傾斜している。
図7(b)では表示部41の表示画面を図で上向きに傾斜させた場合を例示しているが、表示部41の表示画面を図で下向きに傾斜させることも可能である。
【0060】
以上の構成を有する撮像装置1は、撮影を行う撮影モード、および画像の再生を行う再生モードを設定することが可能である。このうち、撮影モードでは、1枚の画像に対して互いに異なる複数の画像処理をそれぞれ加えた複数の画像を所望のレイアウトで同時に表示するマルチ画像撮影モードを設定することができる。撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されている場合、表示部41または接眼表示部18は、例えば
図3〜
図6のいずれかの表示態様で合成画像を表示する。その後、ユーザがレリーズボタン等によって撮影を行うと、撮像装置1は、表示部41または接眼表示部18が表示している態様の画像を撮影画像として撮影して記録部22に記録する。
【0061】
次に、撮像装置1が行う処理の概要について、
図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
まず、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:撮影モード)を説明する。この場合において、レンズ交換がなされたとき(ステップS102:Yes)、撮像装置1はレンズ通信を行う(ステップS103)。一方、撮影モードに設定されている場合において、レンズ交換がなされないとき(ステップS102:No)、撮像装置1は画像を取得し、スルー画表示を開始し、取得した画像を一次記録部21に仮記録する(ステップS104)。
【0063】
続いて、撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されている場合(ステップS105:Yes)を説明する。この場合、入力部17からレイアウトを設定する信号が入力されれたとき(ステップS106:Yes)、画像処理制御部253は画像処理部16に対してレイアウトの設定情報を送信する(ステップS107)。ステップS106において、入力部17からレイアウトを設定する信号が入力されないとき(ステップS106:No)、撮像装置1は後述するステップS108へ移行する。
【0064】
ステップS108において、画像合成部163は、設定されたレイアウトにしたがって画像を合成し、合成画像を生成する(ステップS108)。
【0065】
この後、表示制御部254は、表示部41に合成画像を表示させる(ステップS109)。ここで表示する合成画像は、例えば
図3〜
図6にそれぞれ示す合成画像101〜131のいずれかである。
【0066】
続いて、表示部41の表示画面の周縁でタッチ入力がなされた場合(ステップS110:Yes)、撮像装置1はタッチの種類に応じた処理を行う(ステップS111〜S116)。以下、タッチの種類に応じて、レイアウト変更、画像処理変更、および切り出し範囲変更の3つの処理を行うことができるものとして説明を行うが、これらの処理が一例に過ぎないことはいうまでもない。
【0067】
まず、レイアウト変更操作が入力された場合(ステップS111:Yes)を説明する。この場合、撮像装置1は、レイアウトを変更して表示部41で表示する(ステップS112)。具体的には、画像処理制御部253が画像合成部163に対してレイアウトの変更指示を送信した後、画像合成部163がレイアウトを変更して合成画像を生成する。その後、表示制御部254は、表示部41に変更後の合成画像を表示させる。
【0068】
図9は、レイアウト変更処理の概要を示す図である。表示部41が合成画像101を表示している状態で、ユーザが副画像103の周縁部をはじく(フリック)操作を行うと(
図9(a))、タッチ検出部252はこの操作を検出してレイアウト変更処理と認識する。その後、画像合成部163は、異なるレイアウトを有する合成画像111を生成する(
図9(b))。合成画像111では、合成画像101においてユーザの指ではじいた位置に表示されていた副画像103が主画像113として大きく表示される。なお、本実施の形態1において、レイアウト設定処理を先に行ってから撮影を行うようにしてもよい。
【0069】
本実施の形態1では、変更前のレイアウトと変更後のレイアウトとが1:1に対応している。このため、合成画像111を表示している状態でユーザが主画像113の周縁部をはじく操作を行った場合には、例えば
図6に示す合成画像131と同様のレイアウトを有し、主画像113と同じアート効果処理が施された画像を主画像として表示する合成画像に遷移するようにしてもよい。
【0070】
レイアウト変更操作が入力されない場合(ステップS111:No)、撮像装置1は後述するステップS113へ移行する。
【0071】
次に、画像処理変更操作が入力された場合(ステップS113:Yes)を説明する。この場合、撮像装置1は、アート効果画像処理部162における処理内容を変更した後、画像合成部163で新たな合成画像を生成し、生成した合成画像を表示部41で表示する(ステップS114)。画像処理変更操作としては、例えば表示部41の表示画面の周縁部をこする(スワイプ)操作を行うことによって、こすった画像の表示を変更させることができる。
【0072】
図10は、画像処理変更処理の概要を示す図である。表示部41が合成画像101を表示している状態で、ユーザが副画像104の周縁部を縦にこする操作を行う(
図10(a))と、タッチ検出部252はこの操作を検出して画像処理変更処理と認識する。その後、アート効果画像処理部162は、こすられた副画像104におけるアート効果画像処理を変更して処理を行う。こすった後でアート効果画像処理部162が行うアート効果画像処理の内容は、予め設定しておいてもよいし、その都度ユーザが選択できるようにしてもよい。続いて、画像合成部163は、合成画像を再合成する。
図10(b)は、再合成された合成画像の表示例を示す図である。合成画像141は、副画像144において変更前の副画像104と異なるアート効果画像処理が施されている。
【0073】
画像処理変更操作が入力されない場合(ステップS113:No)、撮像装置1は後述するステップS115へ移行する。
【0074】
次に、切出し範囲変更操作が入力された場合(ステップS115:Yes)を説明する。この場合、撮像装置1は、画像合成部163で新たに指定された切出し範囲の合成画像を生成し、表示部41で表示する(ステップS116)。具体的には、画像処理制御部253が画像合成部163に対して切出し範囲の変更指示を送信した後、画像合成部163が切出し範囲を変更して合成画像を生成する。その後、表示制御部254は、表示部41に変更後の合成画像を表示させる。
【0075】
図11は、切出し範囲変更処理の概要を示す図である。表示部41が合成画像101を表示している状態で、ユーザが副画像105の下端部をピンチインすると(
図11(a))、タッチ検出部252はこの操作を検出して切出し範囲変更処理と認識する。その後、画像合成部163は、切出し範囲が異なる合成画像121を生成する(
図11(a))。
【0076】
切出し範囲変更処理が入力されない場合(ステップS115:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0077】
次に、ステップS110において、表示部41の表示画面の周縁でタッチ入力がなされない場合(ステップS110:No)を説明する。この場合において、表示画面の内部でタッチ入力がなされたとき(ステップS117:Yes)、撮像装置1はタッチされた部分にピントを合わせて撮影を行う(ステップS118)。なお、ここでいう表示画面の周縁および内部は、適宜設定されている領域である。たとえば、周縁部を表示画面の外縁から1cm程度の幅の領域として設定し、それよりも内側の領域を表示画面の内部とすることができる。
【0078】
続いて、撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されている場合(ステップS119:Yes)、画像合成部163は画像の再合成を行い、表示部41が再合成した画像のレックビュー表示を行う(ステップS120)。その後、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0079】
ステップS117で表示画面の内部でタッチ入力がなされない場合(ステップS117:No)において、ユーザによる入力部17を介した撮影操作が行われたとき(ステップS121:Yes)、撮像装置1は撮影を行う(ステップS122)。ステップS121でユーザによる入力部17を介した撮影操作が行われないとき(ステップS121:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0080】
図12は、上述したステップS117〜S120の処理を具体的に示す図である。
図12(a)に示すように、ユーザが合成画像101の副画像102の中央部をタッチすると、タッチ検出部252がタッチ操作を検出し、制御部25がピント合わせ等の撮影動作を制御する。その後、画像合成部163は、タッチされた副画像102を主画像とするように再合成することによって新たな合成画像を生成する。
図12(b)は、画像合成部163が生成した合成画像の表示例である。
図12(b)に示す合成画像131における主画像132は、合成画像101でユーザがタッチした副画像102と同じアート効果処理が施されたアート効果画像である。副画像133〜135は、副画像103〜105にそれぞれ対応している。
【0081】
ステップS119において、撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されていない場合(ステップS119:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0082】
次に、ステップS105において、撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されていない場合(ステップS105:No)を説明する。この場合、撮像装置1はステップS117へ移行する。
【0083】
次に撮像装置1が再生モードに設定されている場合(ステップS101:再生モード)を説明する。この場合、表示制御部254は、表示部41に対し、記録部22が記録する所定の画像を再生して表示させる(ステップS123)。
【0084】
続いて、入力部17から再生画像の変更指示が入力された場合(ステップS124:Yes)、表示制御部254は変更指示にしたがって表示部41に異なる画像を再生表示させる(ステップS125)。この後、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0085】
ステップS124において変更指示が入力されない場合(ステップS124:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0086】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、画像処理部が互いに異なる複数の画像処理をそれぞれ施した複数の画像の中から選択される1つの画像を主画像とするとともに、該主画像以外の画像を該主画像と識別可能な副画像として表示部に一括して表示させるため、1回の撮影動作によってユーザが所望する複数の画像を得ることが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態1によれば、表示部に主画像を副画像よりも大きく表示させるため、ユーザは選択した画像を中心とする装飾画像を得ることができる。
【0088】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、異なる時間に撮影した画像をマルチ画像として使用することを特徴とする。本実施の形態2に係る撮像装置の構成は、実施の形態1で説明した撮像装置1の構成と同様である。
【0089】
以下、
図13のフローチャートを参照して、本実施の形態2に係る撮像装置1が行う処理の概要を説明する。なお、ステップS201〜S216の処理は、実施の形態1で
図8を参照して説明したステップS101〜S116に順次対応している。
【0090】
ステップS217において、表示部41の表示画面の内部でタッチ入力がなされた場合(ステップS217:Yes)、撮像装置1はタッチされた部分にピントを合わせて撮影を行う(ステップS218)。なお、ステップS217で表示画面の内部でタッチ入力がなされない場合(ステップS217:No)に続くステップS224、S225の処理は、実施の形態1で説明したステップS121、S122の処理に順次対応している。
【0091】
続いて、撮像装置1がマルチ画像撮影モードに設定されている場合(ステップS219:Yes)、ユーザがタッチした位置にステップS218で撮影した画像を配置する(ステップS220)。また、タッチした位置よりも時間的に前の画像を表示する領域に、一時記録部21が仮記録している画像(仮記録画像)の中から必要な分の画像を選択して該当する領域に配置する(ステップS221)。さらに、タッチした位置よりも時間的に後の画像を表示する領域に、ステップS218における撮影よりも後に撮影して一時記録部21に仮記録した画像を順次配置していく(ステップS222)。
【0092】
表示制御部254は、画像合成部163が生成した合成画像を表示部41に表示させる(ステップS223)。
【0093】
図14は、上述したステップS217〜S223の処理を具体的に説明する図である。ここで、撮像装置1はマルチ画像撮影モードに設定されているものとする。
図14(a)に示す合成画像201は、横に4つの領域を並べて表示しているスルー画像である。副画像202〜205は、すべて同じ画像を表示している。この後、ステップS217で副画像203がタッチされた場合、画像合成部163は、その撮影画像を左から2番目の領域に配置する(ステップS220)。
【0094】
撮影後の合成画像は左から右の順で時系列に沿って配置されるものとすると、画像合成部163は、一番左の領域にステップS218で撮影した画像よりも所定時間だけ前に撮影した画像を一時記録部21から読み出して配置する(ステップS221)。
【0095】
続いて、画像合成部163は、ステップS218の撮影後に順次撮影した画像の中から所定の間隔を有する画像を一時記録部21から読み出して、画面の左から3番目および4番目の領域に順次配置する(ステップS222)。このようにして、画像合成部163は、
図14(b)に示す合成画像211を生成する。合成画像211は、副画像212がもっとも早い時間に撮影した画像であり、副画像215がもっとも遅い時間に撮影した画像である。そして、画面内をタッチすることによって撮影した副画像203が主画像である。
【0096】
ステップS224〜S228の処理は、実施の形態1で
図8を参照して説明したステップS121〜S125の処理に順次対応している。
【0097】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、画像処理部が互いに異なる複数の画像処理をそれぞれ施した複数の画像の中から選択される1つの画像を主画像とするとともに、該主画像以外の画像を該主画像と識別可能な副画像として表示部に一括して表示させるため、1回の撮影動作によってユーザが所望する複数の画像を得ることが可能となる。
【0098】
また、本実施の形態2によれば、主画像と副画像を時系列に沿って表示させるため、ユーザは選択した画像の前後の被写体の動きを含む装飾画像を得ることができる。
【0099】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した2つの実施の形態に限定されるべきものではない。例えば、本発明において、
図15に示すようにレイアウトを変更することも可能である。同図に示す合成画像301は、主画像302と、主画像302よりも小さく、主画像302の底辺と右側面を囲むように配置された5つの副画像303〜307を有する。
【0100】
また、本発明において、副画像を分割して表示する際にその倍率を変えて表示するようにしてもよい。
図16は、この場合の表示例を示す図である。同図に示す合成画像311は、互いに倍率が異なる4つの副画像312〜315を横に4つ並べて配置されている。この副画像312〜315のいずれか1つが実際に撮像したのと同じ倍率の画像である場合には、その副画像が主画像に相当する。
【0101】
また、本発明において、分割された副画像を不規則に並べて配置してもよい。
図17は、この場合の表示例を示す図である。同図に示す合成画像321は、4つの副画像322〜325が不規則に並べて配置されている。
【0102】
また、本発明において、1つの画像に含まれている複数の被写体を分割して副画像を生成してもよい。
図18は、この場合の表示例を示す図である。同図に示す合成画像331は、3つの副画像332〜334と、これらの副画像332〜334がそれぞれ表示する被写体をすべて含む主画像335とを有する。このような画像は、制御部に被写体検出部を設けることによって生成することが可能となる。
【0103】
また、本発明において、1つの画像に含まれている複数の人物を1人ずつ表示する副画像を生成してもよい。
図19は、この場合の表示例を示す図である。同図に示す合成画像341は、それぞれ1人の人物だけが写っている3つの副画像342〜344と、すべての人物が揃って写っている主画像345とが表示されている。
【0104】
このように、本発明は様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲内において設計変更等を行うことが可能である。