特許第6021537号(P6021537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6021537
(24)【登録日】2016年10月14日
(45)【発行日】2016年11月9日
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20161027BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20161027BHJP
   D06F 39/00 20060101ALI20161027BHJP
   D06F 39/12 20060101ALI20161027BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20161027BHJP
【FI】
   H01H36/00 E
   D06F33/02 A
   D06F39/00 A
   D06F39/12 B
   H01H9/54 B
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-197749(P2012-197749)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-53208(P2014-53208A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】柴田 遼
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−264073(JP,A)
【文献】 特開2008−140245(JP,A)
【文献】 特開平10−105332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
D06F 33/02
D06F 39/00
D06F 39/12
H01H 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を有する電気機器において、
前記操作部は、
機械式の第1操作ボタンと、
タッチセンサを有し、動作に関する複数の項目のそれぞれに対する設定値を設定するための複数の第2操作ボタンとを含み、
該第2操作ボタンの近傍に、該第2操作ボタンに関する情報を示す点字が設けられており、
前記第1操作ボタンに対する操作を検知する第1検知部と、
前記タッチセンサからの出力信号を取得し、取得した出力信号に基づいて、前記第2操作ボタンのそれぞれに対する操作を検知する第2検知部とを備え、
前記第2検知部は、前記第1検知部にて前記第1操作ボタンが操作されたことを検知する都度前記複数の項目のうちの一の項目に対応する前記第2操作ボタンに対する操作を検知するようにしてあることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記第2検知部は、前記第1検知部にて第1操作ボタンが操作されていることを検知している間、前記第2操作ボタンに対する操作を検知するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記第1操作ボタンは、複数設けられており、
前記第2検知部は、前記第1検知部にて所定の第1操作ボタンが操作されたことを検知していない場合、前記第2操作ボタンに対する操作を検知しないようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記第2検知部は、前記第2操作ボタンが操作された場合に前記タッチセンサから出力される出力信号を継続して取得した時間に基づいて、前記第2操作ボタンが操作されていることを検知するようにしてあり、
前記第2操作ボタンが操作されたか否かを判定するための判定時間を受け付ける受付部と、
該受付部が受け付けた判定時間を、前記第2操作ボタンが操作されたか否かを判定する判定時間に設定する設定部とを備え、
前記第2検知部は、前記第2操作ボタンが操作された場合に前記タッチセンサから出力される出力信号を、前記設定部が設定した判定時間継続して取得したときに、前記第2操作ボタンが操作されていることを検知するようにしてあることを特徴とする請求項1からまでのいずれかひとつに記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ボタンに点字が付加された操作部を有する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
操作パネルは、静電容量式のタッチキーを採用した場合、機械式の操作キーを採用した場合よりも薄型に構成できる。静電容量式のタッチキーは、機械式の操作キーのような出っ張った形状を有しないので外観がすっきりしており、近年では、デザイン性を重視して、各種の家庭電化製品に静電容量式のタッチキーを採用した操作パネルが搭載されつつある。しかし、静電容量式のタッチキーは、静電容量の変化に基づいてタッチキーが操作されたか否かを検知するので、点字を読むためにユーザの指が点字に触れている場合であっても、タッチキーが操作されたと検知してしまう。従って、タッチキーを採用した操作パネルに点字を設けることは困難である。
【0003】
特許文献1では、各メニュー選択ボタンに相応するタッチパネル上に、各ボタンに該当する点字情報を付した点字フィルムを貼付しておき、各ボタンに対応する点字フィルムに触れることによって、各ボタンの入力として受け付ける装置が提案されている。特許文献1に開示された装置では、各ボタンの入力検知のタイミングを制限しており、このタイミングを音声で報知する。よって、点字を使用するユーザ(例えば視覚障害者)が点字を読んでいる際に、意図せず各ボタンの入力が検知されることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−304255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された装置は、複数のメニュー選択ボタンのうちのいずれか1つを選択する場合には有効である。しかしながら、電気機器が行う動作に関する複数の設定項目に対してそれぞれ設定値を設定するためにユーザが操作パネルを操作する場合、各設定項目毎に音声ガイダンスの出力及び設定値の入力受付を行う必要があり、設定値の入力操作に長時間を要する。また、ユーザが設定値を設定しない項目についても、音声ガイダンスの出力及び設定値の入力受付を行う場合には、設定値の入力操作に不要な時間を要するという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タッチセンサを有する操作ボタン(タッチキー)に対して、ユーザが意図しない操作が検知されることを防止することが可能な電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気機器は、操作部を有する電気機器において、前記操作部は、機械式の第1操作ボタンと、タッチセンサを有し、動作に関する複数の項目のそれぞれに対する設定値を設定するための複数の第2操作ボタンとを含み、該第2操作ボタンの近傍に、該第2操作ボタンに関する情報を示す点字が設けられており、前記第1操作ボタンに対する操作を検知する第1検知部と、前記タッチセンサからの出力信号を取得し、取得した出力信号に基づいて、前記第2操作ボタンのそれぞれに対する操作を検知する第2検知部とを備え、前記第2検知部は、前記第1検知部にて前記第1操作ボタンが操作されたことを検知する都度前記複数の項目のうちの一の項目に対応する前記第2操作ボタンに対する操作を検知するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、機械式の第1操作ボタンと、電気機器が行う動作に関する複数の項目のそれぞれに対する設定値を設定するために、タッチセンサを有する複数の第2操作ボタンとが設けられた電気機器において、第2操作ボタンの近傍には、第2操作ボタンに関する情報を示す点字が設けられている。また電気機器は、第1操作ボタンに対する操作を検知する第1検知部と、タッチセンサからの出力信号に基づいて、第2操作ボタンに対する操作を検知する第2検知部とを有する。第2検知部は、第1検知部にて第1操作ボタンが操作されたことを検知し場合いずれかの項目に対応する第2操作ボタンに対する操作を検知する。よって、第1操作ボタンを操作することにより、各項目に対して設定値を設定することが可能となる。また、第1操作ボタンが操作されない限り、第2操作ボタンに対する操作が検知されないので、例えばユーザ(例えば視覚障害者)が点字を読む際に点字の近傍の第2操作ボタンに触れた場合であっても、第2操作ボタンに対する、ユーザが意図しない操作が検知されない。よって、ユーザが意図しない操作が検知されないことにより、ユーザが意図しない動作が行われない。
【0011】
本発明に係る電気機器は、前記第2検知部は、前記第1検知部にて第1操作ボタンが操作されていることを検知している間、前記第2操作ボタンに対する操作を検知するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、第2検知部は、第1操作ボタンが操作されている間、第2操作ボタンに対する操作を検知する。よって、第1操作ボタンを継続して操作しておくことにより、第2操作ボタンに対する操作が検知され、検知された操作に対応した動作が可能となる。
【0013】
本発明に係る電気機器は、前記第1操作ボタンは、複数設けられており、前記第2検知部は、前記第1検知部にて所定の第1操作ボタンが操作されたことを検知していない場合、前記第2操作ボタンに対する操作を検知しないようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、機械式の第1操作ボタンが複数設けられており、第2検知部は、所定の第1操作ボタンが操作されていない場合に、第2操作ボタンに対する操作を検知しない。即ち、所定の第1操作ボタンが操作された場合に、第2操作ボタンに対する操作が検知される。よって、電気機器に一般的に設けられている第1操作ボタンのうちの所定のボタンが操作されることによって、第2操作ボタンに対する操作の検知が行われるので、第2操作ボタンに対する操作の検知を指示するための第1操作ボタンを新たに設ける必要がない。
【0015】
本発明に係る電気機器は、前記第2検知部は、前記第2操作ボタンが操作された場合に前記タッチセンサから出力される出力信号を継続して取得した時間に基づいて、前記第2操作ボタンが操作されていることを検知するようにしてあり、前記第2操作ボタンが操作されたか否かを判定するための判定時間を受け付ける受付部と、該受付部が受け付けた判定時間を、前記第2操作ボタンが操作されたか否かを判定する判定時間に設定する設定部とを備え、前記第2検知部は、前記第2操作ボタンが操作された場合に前記タッチセンサから出力される出力信号を、前記設定部が設定した判定時間継続して取得したときに、前記第2操作ボタンが操作されていることを検知するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、第2検知部がタッチセンサからの出力信号に基づいて、第2操作ボタンが操作されたか否かを判定するための時間の変更が可能である。よって、第2検知部にて第2操作ボタンが操作されたことを検知する際の感度を適宜変更できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、ユーザが点字を読む際に第2操作ボタンに触れた場合等、ユーザが意図せず、第2操作ボタンが操作されたと検知されることを防止できる。よって、ユーザが意図しない第2操作ボタンに対する操作に基づいて、ユーザが意図しない動作が行われることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1に係る洗濯乾燥機の外観を略示する斜視図である。
図2】実施形態1に係る洗濯乾燥機の内部構成を略示する縦断面図である。
図3】洗濯槽の後側から見た循環風路の平面図である。
図4】洗濯乾燥機の制御系の構成の一部を示すブロック図である。
図5】操作パネルの構成を示す模式図である。
図6】運転制御部による操作パネルの制御処理の手順を示すフローチャートである。
図7】動作中の洗濯乾燥機における操作パネルの構成を示す模式図である。
図8】動作中の洗濯乾燥機における操作パネルの構成を示す模式図である。
図9】動作中の洗濯乾燥機における操作パネルの構成を示す模式図である。
図10】実施形態2の運転制御部による操作パネルの制御処理の手順を示すフローチャートである。
図11】実施形態3の運転制御部によるタッチセンサの感度調整処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る電気機器を、その実施形態である洗濯乾燥機を示す図面に基づいて詳述する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る洗濯乾燥機の外観を略示する斜視図、図2は、実施形態1に係る洗濯乾燥機の内部構成を略示する縦断面図である。
【0021】
図2に示すように、本実施形態1の洗濯乾燥機は、外装を構成する外箱1の内部に洗濯槽2及び回転ドラム3を備えている。洗濯槽2は、一側に開口20を備える大径の有底円筒体であり、外箱1の底面に立設された複数本の支持脚21(1本のみ図示)により、前記開口20の側を上とし、水平面に対して軸心を傾けた傾斜姿勢を保って弾性支持されている。
【0022】
外箱1の前面(図2の左側面)には、洗濯槽2の開口20を臨む位置に、蓋体10により開閉自在に洗濯物Aの投入口11が開設されており、この投入口11と洗濯槽2の開口20との間は、ベローズ12により液密に封止されている。
洗濯槽2の内部には、回転ドラム3が収容されている。回転ドラム3は、洗濯槽2よりもやや小径の有底円筒体であり、一側の開口30を洗濯槽2の開口20の内側に臨ませ、洗濯槽2の底部中央に固設されたドラムモータ4の出力軸40の端部に連結してあり、該ドラムモータ4の駆動により、洗濯槽2の内部にて回転するように構成されている。
【0023】
回転ドラム3は、開口30の外側に周設された流体バランサ31を備えている。該流体バランサ31は、回転ドラム3の回転時に、これに伴う振動を吸収、緩和する作用をなす。ドラムモータ4は、洗濯槽2の底板の外側に連設されたモータ室41の内部に構成してある。ドラムモータ4の出力軸40は、洗濯槽2の底板を液密に貫通し、該底板の中央に突出しており、回転ドラム3は、この突出端部に連結してある。
【0024】
図2に示すように回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が全面に亘って貫通形成されており、また回転ドラム3の内面には、軸長方向に延びるバッフル33が周方向に等配をなして複数突設されている。なお図2中には、図面の煩雑化を避けるべく、小孔32の一部と一つのバッフル33のみを図示してある。
【0025】
図1に示すように、外箱1の前面には、蓋体10の近傍にドア開ボタン13が設けてある。また蓋体10には、該蓋体10の閉止時に押圧操作するための押圧部14が設けてある。蓋体10は、ドア開ボタン13の操作により開放され、また周縁部を把持して閉操作し、前記押圧部14を外側から押すことにより閉止される。外箱1の前面に設けた投入口11は、洗濯槽2及び回転ドラム3の開口20,30に臨ませてある。閉止された蓋体10の周縁部のいずれかには、閉止された蓋体10が開放されることを防止するためのロック機構(図示せず)が設けられており、ロック機構は、洗濯乾燥機が運転を開始する際に、蓋体10を閉止した状態でロックする。
【0026】
以上の如く構成された洗濯乾燥機の洗濯運転は、外箱1前面の蓋体10により投入口11を開放して洗濯物Aを投入し、該蓋体10を閉止した後、後述するように、洗濯槽2の内部に洗濯水を給水し、ドラムモータ4を駆動して回転ドラム3を回転せしめて実施される。前述のように回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が貫通形成され、また回転ドラム3の内面には、複数のバッフル33が突設されているため、回転ドラム3の内部の洗濯物Aは、前記小孔32を経て回転ドラム3内に流入する洗濯水中に浸され、前記バッフル33の作用による持ち上げ及び落下が繰り返されることにより、洗濯水と共に攪拌されて洗濯される。
【0027】
図1に示すように、外箱1の前面上部には、各種の操作のための操作部及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル15が設けてある。該操作パネル15は、前面下部の内側に位置して外箱1の内部に設けた運転制御部16(図2参照)に接続してあり、前述した洗濯運転、及び後述する乾燥運転、更には、これらの間に実施されるすすぎ運転及び脱水運転は、操作パネル15の操作に応じた運転制御部16の動作により実行される。
【0028】
外箱1の後部上面には、水道への接続端となる給水口17が設けてあり、該給水口17は、外箱1の内側に設けた給水弁18に接続されている。給水弁18は、複数の給水出口を有する多連形の電磁弁である。給水弁18の第1給水出口は、給水管19を介して洗濯槽2の底板近傍の上部周面に接続されており、給水弁18が第1給水出口に切り換えられた場合、給水口17への給水は、給水弁18及び給水管19を経て洗濯槽2の内部に供給され、前述した洗濯運転における洗濯水として使用される。なお給水管19の中途には、公知のように洗剤ケースを配置し、給水と共に適量の洗剤が導入されるように構成することができる。
【0029】
また洗濯槽2には、最下位置となる底板近傍の周面に導水管22が接続されており、この導水管22は、外箱1内側の前下部に固定支持された筒形のフィルタケース23に接続されている。フィルタケース23の内部には、繊維屑等の異物を捕捉するリントフィルタ24が収容されている。フィルタケース23の下部は、排水弁25を介して外箱1の底面に沿って敷設された排水管26に接続されている。またフィルタケース23の後端部には、循環ポンプ27が付設してあり、該循環ポンプ27の吐出側は、戻し管28を介して洗濯槽2の前側上部に連通されている。
【0030】
洗濯槽2内に給水される洗濯水は、導水管22を経てフィルタケース23に導入され、該フィルタケース23の内部に充満する。フィルタケース23の内部の洗濯水は、循環ポンプ27を駆動することにより、該循環ポンプ27に吸い込まれて昇圧され、戻し管28を経て洗濯槽2の上部に送られ、該戻し管28の先端から回転ドラム3の内部に給水される。
【0031】
循環ポンプ27は、前述した洗濯運転中に連続又は間欠的に駆動される。この駆動により回転ドラム3内に給水される洗濯水は、該回転ドラム3内の洗濯物Aに降り注ぎ、洗濯効果を高めるべく作用する。フィルタケース23の内部に設けたリントフィルタ24は、以上のように循環する洗濯水中に含まれる繊維屑等の異物を捕捉、除去する作用をなす。
【0032】
フィルタケース23の下部に設けられた排水弁25は、洗濯運転の後に開放される。この開放により洗濯槽2内部の洗濯水は、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。この排水に際しても、洗濯水中に含まれる異物は、フィルタケース23内のリントフィルタ24に捕捉、除去され、排水管26を経て下水管に排出される虞れがないから、環境負荷の軽減を図ることができる。
【0033】
また洗濯乾燥機の乾燥運転は、以上の洗濯運転の後、すすぎ運転及び脱水運転を経て実施される。この乾燥運転においては、ドラムモータ4の駆動により回転ドラム3を回転させると共に、該回転ドラム3の内部に乾燥風が循環せしめられる。
【0034】
図2中には、乾燥風の循環風路が略示してある。循環風路5は、洗濯槽2の下部底面に開設された導出口50と、洗濯槽2の前部の開口20の周縁部に開設された導入口51とを上行ダクト52と前行ダクト53とにより連絡して構成されている。
【0035】
図3は、洗濯槽2の後側から見た循環風路5の平面図である。上行ダクト52は、ドラムモータ4が設けられた洗濯槽2の中央部から一側に偏倚した位置に設けてある。上行ダクト52の下端部は、洗濯槽2の下位置近傍で横向きに屈曲され、導出口50を覆うカバー管54に蛇腹管55を介して接続してある。蛇腹管55は、弾性支持された洗濯槽2の振動を吸収し、固定支持された上行ダクト52への伝播を防止すべく設けてある。
【0036】
上行ダクト52の上端部は、前行ダクト53の後端部に連結してある。前行ダクト53は、図2に示すように、洗濯槽2の上側の外箱1の内部空間に配してある。前行ダクト53の前端部は、洗濯槽2の前側上部の周縁に開口する導入口51に接続されている。また前行ダクト53の中途部には、塵埃捕捉用のリントフィルタ56、乾燥風を起風する送風ファン57、及び乾燥風を加熱するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ58(又はシーズヒータ)が、後側から前側にこの順に介装してある。
【0037】
前記給水弁18の第2給水出口は、冷却水管59を介して上行ダクト52に接続してあり、給水弁18が第2給水出口に切り換えられた場合、給水口17への給水は、冷却水管59を経て上行ダクト52の内部に供給されるようになしてある。
【0038】
図2に示すように冷却水管59は、給水弁18の位置から上行ダクト52に沿って下方に延設されており、該冷却水管59の下端は、図3に示すように、上行ダクト52の下部に接続されている。この接続位置は、前述の如く設けた屈曲部の上であって、屈曲円の内側に偏倚した位置に接続してある。
【0039】
以上の如く構成された循環風路5には、送風ファン57が起風する乾燥風が循環し、この乾燥風は、PTCヒータ58により加熱され、前行ダクト53を経て導入口51に達し、該導入口51から回転ドラム3の内部に吹きこまれる。このとき回転ドラム3の内部の洗濯物Aは、回転ドラム3の回転に伴って、周面のバッフル33の作用により持ち上げられ、図中に2点鎖線により示すように拡がって落下し、この間に前記乾燥風に繰り返し接触することにより乾燥せしめられる。
【0040】
回転ドラム3に導入された乾燥風は、洗濯物Aから水分を奪って導出口50に導出され、カバー管54、蛇腹管55を経て上行ダクト52内に戻り、該上行ダクト52内を上昇して前行ダクト53内に移行し、リントフィルタ56を通過して塵埃を捕捉され、PTCヒータ58により再加熱されて回転ドラム3の内部に導入される。
【0041】
冷却水管59に供給される水は、導出口50に導出される乾燥風を冷却し、洗濯物Aから奪った水分を液化分離せしめるための冷却水として使用される。
冷却水管59から供給される冷却水は、上行ダクト52の底面上に溜まり、導出口50に導出される乾燥風と接触する。この接触により乾燥風は、冷却水との熱交換により冷却、除湿されて上行ダクト52に導入され、該上行ダクト52の内部を上昇する。従って、上行ダクト52の上端に連続する前行ダクト53には、水分及び水滴を含まない乾燥風が導入され、水滴の付着によるリントフィルタ56の目詰まりの発生を有効に抑制することができる。
【0042】
以上の如く実施される乾燥運転中、排水弁25は開放されており、上行ダクト52内に供給される冷却水は、蛇腹管55及びカバー管54を通って洗濯槽2内に流入し、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。
【0043】
また洗濯乾燥機の脱水運転は、排水弁25が開放されて洗濯槽2内の洗濯水が排水された後、ドラムモータ4の駆動により回転ドラム3が高速回転されることで実施される。回転ドラム3内の洗濯物Aは、高速回転に伴う遠心力の作用により回転ドラム3の内面に押し付けられて回転し、該洗濯物Aに含まれる水は、回転ドラム3の周壁に設けた小孔32を通って洗濯槽2内に流出し、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。
【0044】
次に、本実施形態1の洗濯乾燥機の制御系の構成について説明する。図4は、洗濯乾燥機の制御系の構成の一部を示すブロック図である。
運転制御部16は、CPU(Central Processing Unit)16a、ROM(Read Only Memory)16b、RAM(Random Access Memory)16c及び入出力インターフェイス(I/O)16dをバスで接続してなるコンピュータである。
【0045】
入出力インターフェイス16dには、操作パネル15が接続してある。図5は、操作パネル15の構成を示す模式図である。本実施形態1の洗濯乾燥機において、操作パネル15は、機械式の操作ボタンである機械式ボタン(第1操作ボタン)151、タッチセンサ152aを有するタッチセンサ式ボタン(第2操作ボタン)152等を有する。なお、機械式ボタン151及びタッチセンサ式ボタン152はそれぞれ複数設けられている。
【0046】
機械式ボタン151は、所謂タクトキーであり、機械式接点スイッチ又はマグネットスイッチ等のスイッチ回路(図示せず)を有し、操作(押下)された場合にスイッチ回路をオン(接続)し、操作(押下)されていない場合にスイッチ回路をオフ(非接続)する。よって、スイッチ回路は、接続されたか否かに基づいて、機械式ボタン151が操作されたか否かを判断する。スイッチ回路は、入出力インターフェイス16dに接続されており、機械式ボタン151が操作された場合、入出力インターフェイス16dに通知する。よって、CPU(第1検知部)16aは、入出力インターフェイス16dを介して、機械式ボタン151が操作されたことを検知できる。
【0047】
タッチセンサ式ボタン152は、例えば静電容量方式のタッチセンサ152aを有する。タッチセンサ152aは、静電容量の変化に基づいて、タッチセンサ式ボタン152が操作されたか否かを判断する。タッチセンサ152aは、入出力インターフェイス16dに接続されており、タッチセンサ式ボタン152が操作された場合、入出力インターフェイス16dに通知する。よって、CPU(第2検知部)16aは、入出力インターフェイス16dを介して取得するタッチセンサ152aからの出力信号に基づいて、タッチセンサ式ボタン152が操作されたことを検知できる。
【0048】
またタッチセンサ式ボタン152は、例えば、各ボタンに係る情報を示す文字の形状に穿設された導光孔を有する板部、板部の背面側に設けられた光源であるLED(Light Emitting Diode)152b等で構成される。よって、CPU16aがLED152bを点灯させることによって、板部の導光孔を通過したLED152bからの光にて、タッチセンサ式ボタン152を表示させて目立たせることができる。また、CPU16aがLED152bを消灯させた場合には、タッチセンサ式ボタン152を目立たないようにできる。なお、各タッチセンサ式ボタン152において、対応するLED152bが点灯している状態を表示状態であるとし、対応するLED152bが消灯している状態を非表示状態であるとする。
【0049】
操作パネル15において、誤って操作された場合又は誤検知された場合に問題が生じるボタン、又は操作されたか否かの判定に高い信頼性を要するボタン等が機械式ボタン151で構成される。本実施形態1の操作パネル15では、電源入ボタン、電源切ボタン、スタート/一時停止ボタン、ロック解除ボタン、メニューボタン等が機械式ボタン151である。電源入ボタンは、電源投入を指示するためのボタンであり、電源切ボタンは、電源投入の終了を指示するためのボタンである。スタート/一時停止ボタンは、運転開始、運転の一時停止又は一時停止中の運転の再開等を指示するためのボタンであり、ロック解除ボタンは、ロック機構にて蓋体10がロックされている状態の解除を指示するためのボタンである。メニューボタンは、運転内容を選択及び設定するためのボタンである。
【0050】
また本実施形態1の操作パネル15では、洗濯乾燥機が行う運転内容に関する各項目に対する設定値を設定するためのボタンがタッチセンサ式ボタン152で構成される。具体的には、洗いボタン、すすぎボタン、脱水ボタン、乾燥ボタン、コース選択ボタン、使い方選択ボタン、予約ボタン、ふろ水ボタン等がタッチセンサ式ボタン152である。洗いボタン、すすぎボタン、脱水ボタン及び乾燥ボタンは、洗い時間、すすぎ時間、脱水時間及び乾燥時間をそれぞれ設定するためのボタンである。なお、各時間を設定する際に各時間を増減させる場合は、上三角ボタン(▲ボタン)及び下三角ボタン(▼ボタン)を用いる。コース選択ボタンは、標準コース、柔らかコース、ドライコース、槽洗浄コース等、洗濯乾燥機で実行可能なコース(運転内容)を選択するためのボタンであり、各コース毎に、洗い時間、すすぎ時間、脱水時間及び乾燥時間が予め設定されている。使い方選択ボタンは、洗濯運転から乾燥運転までを行う洗・乾コース、洗濯運転のみを行う洗濯コース、乾燥運転のみを行う乾燥コース等、洗濯乾燥機で選択可能なコースを選択するためのボタンである。予約ボタンは、洗濯運転及び乾燥運転等の実行を予約するためのボタンであり、ふろ水ボタンは、洗濯運転及びすすぎ運転において、風呂の残り湯を使用するか否かを設定するためのボタンである。
【0051】
また操作パネル15は、操作補助のための表示、運転状態の表示等の各種の表示を行う。具体的には、機械式ボタン151及びタッチセンサ式ボタン152のそれぞれの近傍に、各ボタンに関する情報を示す点字が設けられている。なお、図においては、正確な点字を省略して図示している。また各ボタンの近傍に、各ボタンによって選択及び設定された内容を表示するための表示領域が設けられている。具体的には、ロック解除ボタンの近傍に、ロック機構によって蓋体10がロックされている場合に表示される「ドアロック」の表示領域がある。また洗いボタン、すすぎボタン、脱水ボタン及び乾燥ボタンの近傍に、それぞれの動作(運転内容)が選択されている場合に表示される「洗い」、「すすぎ」、「脱水」、「乾燥」の各表示領域がある。また予約ボタンの近傍に、洗濯運転及び乾燥運転等の実行が予約されている場合に表示される「予約」の表示領域がある。またふろ水ボタンの近傍に、洗濯運転及びすすぎ運転において風呂の残り湯の使用が設定されている場合に表示される「洗い」、「すすぎ」の表示領域がある。またコース選択ボタン及び使い方選択ボタンの近傍に、それぞれ選択されたコースを明示するための表示領域がある。操作パネル15に設けられた各表示領域は、それぞれの情報を示す文字の形状に穿設された導光孔と、導光孔の背面側から光を照射するLEDとで構成されており、LEDを点灯/消灯させることによって、各情報の表示/非表示を実現する。
【0052】
更に操作パネル15には、7セグメントLEDディスプレイを用いて数を表示する数表示領域が設けられている。数表示領域では、例えば、予約されている運転の開始時間、運転中の動作の終了までの時間、運転開始前に投入すべき洗剤の量等が表示される。また数表示領域の近傍に、数表示領域で表示中の数に関する情報が表示される表示領域が設けられている。具体的には、数表示領域で各種時間が表示されている場合に表示される「予約」、「残り:分」、「分」の表示領域、数表示領域で洗剤の投入量が表示されている場合に表示される「洗剤:杯」の表示領域が設けられている。また、すすぎ運転において、注水すすぎを行うことが設定されている場合に表示される「注水」の表示領域、数表示領域ですすぎ運転を行う回数が表示されている場合に表示される「回」の表示領域が設けられている。
【0053】
操作パネル15を介して操作された内容は、入出力インターフェイス16dを介してCPU16aに与えられ、CPU16aは、入出力インターフェイス16dを介して各表示領域に対応するLEDに点灯指示を行う。これにより、操作パネル15は所定の表示を行う。なお、CPU16aが、操作パネル15を介して操作された内容に基づいて、操作パネル15に各種の情報を表示させると共に、表示内容を内蔵スピーカ(図示せず)にて音声で報知するようにしてもよい。
【0054】
運転制御部16の入出力インターフェイス16dには、ドラムモータ4、給水弁18、排水弁25、送風ファン57及びPTCヒータ58、より詳しくは、これらの駆動回路が接続してある。CPU16aは、操作パネル15を介して操作された内容に従ってROM16bに格納された制御プログラムを実行し、ドラムモータ4、給水弁18、排水弁25、送風ファン57及びPTCヒータ58に動作指令を与え、前述した洗濯運転及び乾燥運転、更にはすすぎ運転及び脱水運転を実行する。
【0055】
上述したように、高い信頼性を要するボタンが機械式ボタン151で構成され、その他のボタンがタッチセンサ式ボタン152で構成されるので、本実施形態1の操作パネル15は、信頼性及びデザイン性の両方を満足できる。
【0056】
本実施形態1の操作パネル15は、ユーザが電源入ボタンを操作し、洗濯乾燥機に電源が投入された場合、機械式ボタン151のみが操作可能な状態となる。操作可能な状態とは、ユーザがいずれかのボタンを操作した場合に、CPU16aが、各ボタンに対する操作を検知し、検知した操作に対応した動作を行う状態である。即ち、洗濯乾燥機に電源が投入された場合であっても、タッチセンサ式ボタン152は操作可能な状態とならない。なお、操作可能でない状態とは、ユーザがいずれかのボタンを操作した場合であっても、CPU16aが各ボタンに対する操作を検知しないので、各ボタンに対する操作に対応した動作が行われない状態である。具体的には、タッチセンサ式ボタン152が操作されたことを示す信号をタッチセンサ152aがCPU16aに通知した場合であっても、CPU16aは、タッチセンサ152aからの信号を無効にすることにより、タッチセンサ式ボタン152に対する操作に対応した動作が行われない。
【0057】
本実施形態1の操作パネル15では、機械式ボタン151のうちのメニューボタンが操作された場合に、1つの項目に対する設定値を設定するためのボタン、即ち、1つのタッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となる。ユーザが点字を読むためにタッチセンサ式ボタン152の近傍に設けられた点字を触っている場合、CPU16aは、タッチセンサ式ボタン152が操作されたと誤検知する可能性がある。よって、メニューボタンが操作された場合に、1つのタッチセンサ式ボタン152を操作可能とすることにより、ユーザが意図しない操作が行われたと誤検知することを防止できる。また、1つのタッチセンサ式ボタン152(1つの項目)に対する操作のみを可能とすることにより、ユーザが設定したい項目毎に、また、ユーザが設定したい項目だけに対して設定値の設定が可能となる。従って、ユーザは、点字を読み、操作したいタッチセンサ式ボタン152を特定した場合、メニューボタンを操作した後に、操作したいタッチセンサ式ボタン152を操作することにより、所望の項目の設定値を設定できる。メニューボタンの操作と、タッチセンサ式ボタン152の操作とを繰り返すことにより、各項目の設定値を設定できる。
【0058】
以下に、運転制御部16による操作パネル15の制御処理について説明する。図6は、運転制御部16による操作パネル15の制御処理の手順を示すフローチャート、図7乃至図9は、動作中の洗濯乾燥機における操作パネル15の構成を示す模式図である。なお、図7乃至図9では、対応するLEDが消灯されることによって非表示状態となっている各ボタン及び各表示領域の図示を省略しているが、実際には、各ボタン及び各表示領域は暗い状態で表示されている。また、非表示状態となっている各ボタンは操作可能でない状態にある。
【0059】
図7Aは、電源が投入された洗濯乾燥機における操作パネル15の表示状態を示している。電源が投入された状態では、機械式ボタン151に対してのみ操作可能である。即ち、タッチセンサ式ボタン152は操作可能でない状態であるので、タッチセンサ式ボタン152及び各ボタンに対応する各表示領域が非表示状態となっている。なお、洗濯乾燥機では、予め設定されている動作内容として、標準コース及び洗・乾コースが設定されており、図7Aに示す操作パネル15は、標準コース及び洗・乾コースが選択されていることを表示している。
【0060】
電源が投入された洗濯乾燥機において、運転制御部16は、操作パネル15(機械式ボタン151)からの信号に基づいて、メニューボタンが操作されたか否かを判断する(S1)。メニューボタンが操作されていないと判断した場合(S1:NO)、運転制御部16は、ステップS7に処理を移行する。メニューボタン以外の機械式ボタン151が操作された場合、運転制御部16は、操作されたボタンに応じた動作を行う。例えば、電源切ボタンが操作された場合、洗濯乾燥機の各部への電源投入を終了し、スタート/一時停止ボタンが操作された場合、予め設定されている動作内容での運転を開始する。なお、運転を開始していない洗濯乾燥機では、蓋体10がロックされていないので、ロック解除ボタンは、操作できない状態にある。
【0061】
メニューボタンが操作されたと判断した場合(S1:YES)、運転制御部16は、タッチセンサ式ボタン152を表示させ(S2)、タッチセンサ式ボタン152に対する操作を可能にする。図7Bは、メニューボタンが操作された場合の操作パネル15の表示状態を示しており、メニューボタンが操作された場合、タッチセンサ式ボタン152に対しても操作可能となる。図7Bに示す操作パネル15では、全てのタッチセンサ式ボタン152と、各タッチセンサ式ボタン152にて選択及び設定された内容を示す表示領域とが表示されている。
【0062】
運転制御部16は、いずれかのタッチセンサ式ボタン152が操作されたか否かを判断しており(S3)、操作されたと判断した場合(S3:YES)、操作されたタッチセンサ式ボタン152に対応する設定を受け付ける(S4)。例えば、洗いボタンが操作された場合、運転制御部16は、洗い時間の設定指示を受け付け、受け付けた設定指示に従って、操作パネル15の表示状態を変更する(S5)。図8は、メニューボタンが操作された後に洗いボタンが操作された場合の操作パネル15の表示状態を示す。図8に示すように、洗いボタンが操作された場合、運転制御部16は、予め設定されたデフォルトの洗い時間を数表示領域に表示させると共に、数表示領域の近傍の「分」を表示させる。また運転制御部16は、洗いボタン、上三角ボタン及び下三角ボタン以外のタッチセンサ式ボタン152を非表示状態に変更する。即ち、洗いボタン、上三角ボタン及び下三角ボタンのみが操作可能となる。
【0063】
運転制御部16は、タッチセンサ式ボタン152において、同一項目に対する操作が行われたか否かを判断しており(S6)、同一項目に対する操作が行われたと判断した場合(S6:YES)、ステップS4に処理を戻す。図8に示す表示状態の操作パネル15において、同一項目とは、洗い時間の設定であり、運転制御部16は、上三角ボタン又は下三角ボタンが操作されることにより、洗い時間の設定を受け付ける(S4)。例えば、運転制御部16は、上三角ボタンが操作された場合、洗い時間を1分増加する指示を受け付け、下三角ボタンが操作された場合、洗い時間を1分短縮する指示を受け付ける。なお、同一項目に対する操作とは、ステップS3で洗いボタン、すすぎボタン、脱水ボタン又は乾燥ボタンが操作された場合には、上三角ボタン又は下三角ボタンに対する操作を意味する。また、ステップS3でコース選択ボタン又は使い方選択ボタンが操作された場合には、同一のコース選択ボタン又は使い方選択ボタンに対する操作を意味する。運転制御部16は、同一項目に対して受け付けた設定指示に従って、操作パネル15の表示状態を変更する(S5)。例えば、洗い時間を1分増加する指示を受け付けた場合、運転制御部16は、1分増加させた洗い時間を数表示領域に表示させる。なお、運転制御部16は、数表示領域に表示させた洗い時間を内蔵スピーカにて音声で報知してもよい。
【0064】
同一項目に対する操作が行われていないと判断した場合(S6:NO)、即ち、上三角ボタン又は下三角ボタンが操作されていないと判断した場合、運転制御部16は、スタート/一時停止ボタン(図6には、スタートボタンと記載)が操作されたか否かを判断する(S7)。なお、ステップS3でタッチセンサ式ボタン152が操作されていないと判断した場合(S3:NO)、運転制御部16は、ステップS7に処理を移行する。
スタート/一時停止ボタンが操作されていないと判断した場合(S7:NO)、運転制御部16は、ステップS1に処理を戻し、メニューボタンが操作されたか否かを判断する(S1)。運転制御部16は、上述した処理を繰り返し、メニューボタンが操作される都度、1つのタッチセンサ式ボタン152が操作可能となり、このタッチセンサ式ボタン152に対する操作に基づく設定動作が可能となる。
【0065】
スタート/一時停止ボタンが操作されたと判断した場合(S7:YES)、運転制御部16は、操作パネル15を介して操作された内容に従って、洗濯乾燥機の各部を制御して運転を開始し(S8)、操作パネル15に対する制御処理を終了する。
【0066】
図9Aは、運転を開始した洗濯乾燥機における操作パネル15の表示状態を示している。本実施形態1の洗濯乾燥機では、運転を開始した後においても、タッチセンサ式ボタン152は操作可能でない状態となるので、タッチセンサ式ボタン152は非表示状態となる。しかし、各ボタンに対応する各表示領域は、各ボタンを介して設定された内容に従って表示状態となる。例えば、運転内容として、洗濯運転及び乾燥運転の実行が指示されている場合、「洗い」、「すすぎ」、「脱水」及び「乾燥」の各表示領域が表示状態となる。また、図9Aでは表示されていないが、洗濯運転に風呂の残り湯を使用する設定がされている場合、ふろ水ボタンの近傍の「洗い」の表示領域が表示状態となる。また操作パネル15の数表示領域には、運転終了までの残り時間が表示される。
【0067】
運転中の洗濯乾燥機において、図9Aに示した状態の操作パネル15のスタート/一時停止ボタンが操作された場合、運転制御部16は、洗濯乾燥機の各部の動作を停止させて運転を一時停止させる。一時停止中の洗濯乾燥機において、メニューボタンが操作された場合に、タッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となる。よって、一時停止中の洗濯乾燥機においても、運転制御部16は、図6に示した処理を実行する。
【0068】
具体的には、一時停止中の洗濯乾燥機において、運転制御部16は、メニューボタンが操作されたか否かを判断し(S1)、操作されていないと判断した場合(S1:NO)、スタート/一時停止ボタンが操作されたか否かを判断する(S7)。メニューボタンが操作されたと判断した場合(S1:YES)、運転制御部16は、タッチセンサ式ボタン152を表示させる(S2)。図9Bは、運転を一時停止している洗濯乾燥機においてメニューボタンが操作された場合の操作パネル15の表示状態を示しており、メニューボタンが操作された時点で操作可能なタッチセンサ式ボタン152と、各タッチセンサ式ボタン152にて選択及び設定された内容を示す表示領域とが表示される。
【0069】
運転制御部16は、操作可能なタッチセンサ式ボタン152のいずれかが操作されたか否かを判断しており(S3)、操作されたと判断した場合(S3:YES)、操作されたタッチセンサ式ボタン152に対応する設定を受け付ける(S4)。運転制御部16は、受け付けた設定に従って、操作パネル15の表示状態を変更する(S5)。タッチセンサ式ボタン152が操作されていないと判断した場合(S3:NO)、運転制御部16は、ステップS7に処理を移行する。
【0070】
運転制御部16は、タッチセンサ式ボタン152において、同一項目に対する操作が行われたか否かを判断しており(S6)、同一項目に対する操作が行われたと判断した場合(S6:YES)、ステップS4に処理を戻す。同一項目に対する操作が行われた場合、運転制御部16は、この項目に対する設定値の設定を受け付け(S4)、受け付けた設定指示に従って、操作パネル15の表示状態を変更する(S5)。
【0071】
同一項目に対する操作が行われていないと判断した場合(S6:NO)、運転制御部16は、スタート/一時停止ボタンが操作されたか否かを判断し(S7)、スタート/一時停止ボタンが操作されていないと判断した場合(S7:NO)、ステップS1に処理を戻す。運転制御部16は、上述した処理を繰り返し、メニューボタンが操作される都度、1つのタッチセンサ式ボタン152に対する操作の検知を行い、このタッチセンサ式ボタン152に対する操作に基づく設定動作を行う。スタート/一時停止ボタンが操作されたと判断した場合(S7:YES)、運転制御部16は、操作パネル15を介して操作された内容に従って、洗濯乾燥機の各部を制御して運転を再開する(S8)。運転を再開した後は、操作パネル15は、図9Aに示した表示状態に戻る。
【0072】
本実施形態1の洗濯乾燥機では、メニューボタンが操作されない限り、タッチセンサ式ボタン152は操作可能でない状態のままとなる。よって、タッチセンサ式ボタン152に付加された点字を読むためにユーザの指がタッチセンサ式ボタン152に触れた場合であっても、タッチセンサ式ボタン152が操作されたと誤検知することを防止できる。これにより、ユーザが意図しない操作に基づく不要な動作の実行を防止できる。
本実施形態1の洗濯乾燥機は、機械式ボタン151のメニューボタンが操作された場合にのみタッチセンサ式ボタン152を操作可能とすることにより、タッチセンサ式ボタン152を介した入力操作の信頼性を高めることができる。
【0073】
本実施形態1の洗濯乾燥機において、各タッチセンサ式ボタン152は、操作可能である場合にのみ表示状態となる。これにより、各タッチセンサ式ボタン152が現在操作可能な状態であるのか、操作可能でない状態であるのかを容易に判断できる。
【0074】
上述の実施形態1では、メニューボタンが操作された場合にのみタッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となる構成であった。このほかに、例えば、スタート/一時停止ボタン及びロック解除ボタンが同時に操作された場合に、又は同時に所定時間以上操作された場合に、タッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となるようにしてもよい。この場合、メニューボタンは必ずしも必要ではなく、タッチセンサ式ボタン152を操作可能な状態とするために用いる機械式ボタン151に、洗濯乾燥機に一般的に設けられている機械式ボタン151を使用でき、機械式ボタン151の個数を削減できる。
【0075】
上述の実施形態1では、洗濯乾燥機が運転中の場合、スタート/一時停止ボタンを操作して洗濯乾燥機の運転を一時停止させた後に、メニューボタンを操作することによってタッチセンサ式ボタン152が操作可能となる構成であった。このほかに、洗濯乾燥機の運転を一時停止させずに、メニューボタンを操作することによってタッチセンサ式ボタン152を操作可能にしてもよい。例えば、洗濯乾燥機が洗濯運転中に、脱水時間を変更したい場合、洗濯乾燥機の運転は停止させる必要はない。従って、洗濯乾燥機の運転を一時停止させずに、タッチセンサ式ボタン152を操作可能にして脱水時間の変更を受け付けることにより、運転を一時停止させた場合に生じる運転時間の延長を回避できる。
【0076】
上述の実施形態1では、各タッチセンサ式ボタン152及び各タッチセンサ式ボタン152にて選択及び設定された内容を示す表示領域が、各情報を示す文字の形状に穿設された導光孔を通過したLEDからの光によって表示される構成であった。このほかに、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示部と、タッチセンサとで構成されるタッチパネルにて、各タッチセンサ式ボタン152及び各表示領域を表示してもよい。
【0077】
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る洗濯乾燥機について説明する。なお、本実施形態2に係る洗濯乾燥機は、上述の実施形態1の洗濯乾燥機と同様の構成にて実現されるので、構成については詳細な説明を省略する。
上述の実施形態1の洗濯乾燥機は、メニューボタンが1度操作された場合、1つのタッチセンサ式ボタン152に対する操作が可能となる構成であった。即ち、メニューボタンを1度操作すると、1つの項目に対する設定操作が可能であった。これに対して、本実施形態2の洗濯乾燥機は、メニューボタンが継続して操作されている間のみ、タッチセンサ式ボタン152に対する操作が可能となる構成である。即ち、メニューボタンを操作し続けている間は、タッチセンサ式ボタン152に対する操作が可能となる。
【0078】
以下に、本実施形態2の洗濯乾燥機において、運転制御部16による操作パネル15の制御処理について説明する。図10は、実施形態2の運転制御部16による操作パネル15の制御処理の手順を示すフローチャートである。
電源が投入された洗濯乾燥機において、運転制御部16は、操作パネル15(機械式ボタン151)からの信号に基づいて、メニューボタンの操作が開始されたか否かを判断する(S11)。本実施形態2の洗濯乾燥機では、ユーザは、タッチセンサ式ボタン152を操作したい場合、メニューボタンを操作し続けておく必要がある。
【0079】
メニューボタンの操作が開始されていないと判断した場合(S11:NO)、運転制御部16は、ステップS17に処理を移行する。メニューボタンの操作が開始されたと判断した場合(S11:YES)、運転制御部16は、図7Bに示すようにタッチセンサ式ボタン152を表示させ(S12)、タッチセンサ式ボタン152に対する操作を可能にする。なお、本実施形態2の洗濯乾燥機では、メニューボタンの操作が開始された場合、運転制御部16は、メニューボタンの操作が継続しているか否かを監視しており、メニューボタンの操作が終了したことを検知した場合、割り込み処理を発生し、後述のステップS17に処理を移行する。
【0080】
運転制御部16は、いずれかのタッチセンサ式ボタン152が操作されたか否かを判断しており(S13)、操作されていないと判断した場合(S13:NO)、ステップS16に処理を移行する。
いずれかのタッチセンサ式ボタン152が操作されたと判断した場合(S13:YES)、運転制御部16は、操作されたタッチセンサ式ボタン152に対応する設定を受け付ける(S14)。運転制御部16は、受け付けた設定に従って、操作パネル15の表示状態を変更する(S15)。なお、本実施形態2では、図8に示した表示状態に移行せずに、図7Bに示した表示状態において、受け付けた設定内容に対してのみ表示を変更する。また本実施形態2では、ユーザがメニューボタンを操作し続けている間、複数の項目に対する設定が可能である。例えば、洗いボタンを操作して洗い時間を設定した後、すすぎボタンを操作してすすぎ時間を設定することができる。
【0081】
運転制御部16は、メニューボタン(機械式ボタン151)からの信号に基づいて、メニューボタンに対する操作が終了したか否かを判断しており(S16)、終了していないと判断した場合(S16:NO)、ステップS13に処理を戻し、ステップS13〜S16の処理を繰り返す。メニューボタンに対する操作が終了したと判断した場合(S16:YES)、運転制御部16は、スタート/一時停止ボタンが操作されたか否かを判断する(S17)。
【0082】
スタート/一時停止ボタンが操作されていないと判断した場合(S17:NO)、運転制御部16は、ステップS11に処理を戻し、メニューボタンが操作されたか否かを判断する(S11)。運転制御部16は、上述した処理を繰り返し、メニューボタンが操作される都度、メニューボタンが操作されている間、タッチセンサ式ボタン152に対する操作の検知を行い、タッチセンサ式ボタン152に対する操作に基づく設定動作を行う。
スタート/一時停止ボタンが操作されたと判断した場合(S17:YES)、運転制御部16は、操作パネル15を介して操作された内容に従って、洗濯乾燥機の各部を制御して運転を開始し(S18)、操作パネル15に対する制御処理を終了する。
【0083】
本実施形態2の洗濯乾燥機においても、運転開始後、操作パネル15は、図9Aに示すような表示状態となり、タッチセンサ式ボタン152が操作可能でない状態となる。また本実施形態2の洗濯乾燥機においても、運転中にスタート/一時停止ボタンが操作された場合、洗濯乾燥機の運転が一時停止され、更にメニューボタンが操作された場合、タッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となる。よって、本実施形態2の洗濯乾燥機においても、一時停止中に、運転制御部16は、図10に示した処理を実行する。これにより、運転を開始した洗濯乾燥機においても、一時停止させた後にメニューボタンを操作することによって、タッチセンサ式ボタン152を用いた設定条件の変更が可能となる。
【0084】
本実施形態2の洗濯乾燥機においても、上述の実施形態1で説明した効果と同様の効果が得られる。また、本実施形態2の洗濯乾燥機においても、上述の実施形態1で説明した変形例と同様の変形例の適用が可能である。
【0085】
(実施形態3)
以下に、実施形態3に係る洗濯乾燥機について説明する。なお、本実施形態3に係る洗濯乾燥機は、上述の実施形態1の洗濯乾燥機と同様の構成にて実現されるので、構成については詳細な説明を省略する。
本実施形態3の洗濯乾燥機は、上述の実施形態1、2の洗濯乾燥機に更に、タッチセンサ式ボタン152のタッチセンサ152aの感度を調整する機能を備えたものである。
【0086】
本実施形態3の洗濯乾燥機において、CPU16aは、タッチセンサ式ボタン152が操作された場合に対応するタッチセンサ152aからの出力信号を継続して取得した時間に基づいて、タッチセンサ式ボタン152が操作されたか否かを検知している。具体的には、CPU16aは、タッチセンサ式ボタン152が操作されたことを示す信号をタッチセンサ152aから継続して取得した時間が、所定の判定時間以上となった時点で、タッチセンサ式ボタン152が操作されていることを検知する。即ち、タッチセンサ式ボタン152が操作されたことを示す信号がタッチセンサ152aからCPU16aに送信された時間が、所定の判定時間未満であれば、タッチセンサ式ボタン152は操作されていないと判断される。
タッチセンサ152aの感度の調整とは、上述したようにCPU16aが、タッチセンサ式ボタン152が操作されているか否かを判定する際の判定時間の調整である。なお、予め設定されたデフォルトの判定時間はROM16bに予め記憶されている。
【0087】
以下に、本実施形態3の洗濯乾燥機において、タッチセンサ152aの感度を調整する処理について説明する。図11は、実施形態3の運転制御部16によるタッチセンサ152aの感度調整処理の手順を示すフローチャートである。
電源が投入された洗濯乾燥機において、運転制御部16は、操作パネル15(機械式ボタン151)からの信号に基づいて、タッチセンサ152aの感度調整処理の実行指示を受け付けたか否かを判断する(S21)。なお、タッチセンサ152aの感度調整処理の実行指示は、所定の機械式ボタン151をユーザが操作することによって行われる。例えば、メニューボタンを所定時間(例えば3秒間)以上長押しする、スタート/一時停止ボタン及びロック解除ボタンを同時に操作する、又はスタート/一時停止ボタン及びロック解除ボタンを同時に所定時間以上操作する等の操作によって行われる。
【0088】
タッチセンサ152aの感度調整処理の実行指示を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、運転制御部16は、その他の機械式ボタン151が操作された場合には、操作されたボタンに応じた動作を行いつつ待機する。感度調整処理の実行指示を受け付けたと判断した場合(S21:YES)、運転制御部16は、ROM16bに記憶してあるデフォルトの判定時間を読み出して、操作パネル15の数表示領域に表示する(S22)。なお、ここで表示される判定時間の単位は、例えばm秒又は秒であるが、この単位については操作パネル15に表示されない。判定時間の単位は、例えば洗濯乾燥機の購入時に同封される取扱説明書に記載しておき、タッチセンサ152aの感度調整処理を行うユーザは、取扱説明書にて判定時間の単位を確認する必要がある。
【0089】
ユーザは、操作パネル15中の上三角ボタン又は下三角ボタンを操作することにより、表示されたデフォルトの判定時間に対する増減を指示する。運転制御部(受付部)16は、上三角ボタン又は下三角ボタンが操作されることによって、デフォルトの判定時間に対する変更が指示されたか否かを判断しており(S23)、変更が指示されたと判断した場合(S23:YES)、指示された変更を受け付ける(S24)。例えば、運転制御部16は、上三角ボタンが操作された場合、判定時間を1(単位はm秒又は秒)増加する指示を受け付け、下三角ボタンが操作された場合、判定時間を1短縮する指示を受け付ける。運転制御部16は、受け付けた変更に従って、操作パネル15の数表示領域に表示してある判定時間を変更する(S25)。判定時間に対する変更が指示されていないと判断した場合(S23:NO)、運転制御部16は、ステップS26に処理を移行する。
【0090】
運転制御部16は、操作パネル15の数表示領域に表示された判定時間の設定指示を受け付けたか否かを判断する(S26)。なお、判定時間の設定指示は、メニューボタン又はスタート/一時停止ボタン等の所定の機械式ボタン151をユーザが操作することによって行われる。判定時間の設定指示を受け付けていないと判断した場合(S26:NO)、運転制御部16は、ステップS23に処理を戻し、ステップS23〜S26の処理を繰り返す。判定時間の設定指示を受け付けたと判断した場合(S26:YES)、運転制御部(設定部)16は、数表示領域に表示された判定時間をRAM16cに格納し、タッチセンサ152aの感度情報として用いる判定時間を設定し(S27)、処理を終了する。
【0091】
本実施形態3の洗濯乾燥機では、タッチセンサ152aの感度を、ユーザの好みの感度に設定できる。よって、例えば、鈍い感度、具体的には、判定時間に長い時間を設定しておくことにより、ユーザが点字を読む際にタッチセンサ式ボタン152に触れた場合であっても、設定された判定時間内であれば、タッチセンサ式ボタン152が操作されたと検知されない。このような構成とすることにより、上述の実施形態1で説明したように、メニューボタンが操作されることによってタッチセンサ式ボタン152が操作可能な状態となった後に、ユーザが点字を読んだ場合であっても、ユーザが意図しないタッチセンサ式ボタン152に対する操作が検知されない。
【0092】
上述の実施形態1〜3では、本発明に係る電気機器を洗濯乾燥機に適用した構成について説明した。本発明に係る電気機器は、洗濯乾燥機だけでなく、機械式ボタン151及びタッチセンサ式ボタン152が設けられ、タッチセンサ式ボタン152に対して点字が付与されている各種機器に適用可能である。また、本発明に係る電気機器を各種機器に適用した場合であっても、上述の実施形態で説明した作用及び効果が得られる。
なお、上述の実施形態3におけるタッチパネル152aの感度調整処理は、例えば、販売店で購入時に販売員によって実行されてもよいし、購入者の自宅に搬送されて設置された後に搬送業者(設置業者)によって実行されてもよい。
【0093】
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0094】
15 操作パネル(操作部)
151 機械式ボタン(第1操作ボタン)
152 タッチセンサ式ボタン(第2操作ボタン)
152a タッチセンサ
16 運転制御部(受付部、設定部)
16a CPU(第1検知部、第2検知部)
図1
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図11